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○○○○○○○○○○○○○○○○に関する研究 研究分担者

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))

(総合)分担研究報告書

○○○○○○○○○○○○○○○○に関する研究

研究分担者 厚生 太郎 ○○○○○病院長

神経線維腫症 1 型( NF1 )患者の代謝関連疾患の合併に関する研究

研究分担者 今福信一 福岡大学医学部皮膚科学

研究要旨

現在まで、本邦の各専門施設における詳細な神経線維腫症1型(NF1)患者の代謝関連合併症に ついては報告がない。今回我々は、福岡大学と鳥取大学の2施設共同で、多数例のNF1患者を集 積し検討を行った。最初にNF1患者の受診動向や、身体的特徴、合併症、既往症、手術治療が どの程度行われているか、などの調査を目的とし研究を行った。初診時の年齢は、0-1歳と20- 40歳で多かった。20-40歳の群では女性が多かった。身長、Body Mass Index (BMI)ともに厚生 労働省の示している国民統計より低値であり、NF1患者は低身長で痩せ形が多いことが示唆さ れた。既往症、併存症では、アレルギー性疾患が多い印象であったが、対照がなく有意に高値 であるかは不明であった。皮膚腫瘍切除は、皮膚科受診者の1/3が受けていた。これらの結果 の中で、BMIが低値である(やせ形が多い。)という点に注目し、NF1患者には肥満になりにく い何らかのエネルギー代謝経路が存在する可能性を考え、血液生化学データを対象に栄養、筋 量、代謝における特異性について追加の患者対照研究を行った。対照と有意差があった項目は、

5項目(中性脂肪、クレアチンキナーゼ、クレアチニン、AST、ALT、特にLDHでは顕著)ですべ てNF1群が低値であった。また通常、BMIと相関がみられるはずのALTがNF1群では相関を示さず、

これらのことからNF1患者ではALT、LDHが上昇しないようにさせる、たとえば炎症が起こりに くくなるような特殊な機序が働いている可能性が示唆された。今回の2つの研究を行い、NF1患 者のプロファイルの一端を明らかにすることができた。今後、さらに対象数を増やして集積研 究を行うことで、NF1の更なる詳細が明らかになることが期待される。

A.研究目的

現在まで、本邦におけるNF1の多施設共同疫学 研究はない。NF1は遺伝学的な研究が積極的に行 われている一方で、今後 phenotype の研究も併行 して必要になると考える。また多施設で情報を共 有することで患者、疾患の全体像が把握でき、ひ いては現在行われている治療、検査の標準化や問 題点が明確になることが期待される。

B.研究方法

福岡大学と鳥取大学に来院した NF1 患者のデー タを集積して対象に後ろ向き観察研究を行う。ま ずNF1患者を対象に①初診時年齢、②身長、体重

(body mass index:BMI)、③既往症、併存症、④ 皮膚腫瘍切除の有無の項目をカルテより抽出し 検討した。この研究で得られた結果より次にBMI に反映される可能性のある栄養、筋量、代謝の 3 要素に関係する血液生化学項目(総コレステロー ル、中性脂肪(TG)、尿酸、クレアチンキナーゼ(CK)、

クレアチニン(Cr)、総タンパク、アルブミン、ヘ モグロビン(Hb)、 AST、 ALT、LDH)について NF1患者を対象に、非NF1患者を対照群(皮膚良 性腫瘍切除を受けた患者で術前にスクリーニン グとして行った血液検査データ)として設定し、

患者対照研究も行った。検定法法はstudent’s t test

( P<0.05 を有意)にて行った。BMIと各項目と の相関については、ピアソンの積率相関係数にて 検定を行った。significant probability (P)<0.05かつ correlation coefficient(r) >0.4は、中程度の相関関係 があると判断し、0.2<r ≤ 0.4は弱い相関関係があ ると判断した。

(倫理面への配慮)

本研究を遂行するにあたり、福岡大学病院、鳥取 大学医学部のそれぞれの倫理審査委員会の承認 を得た。

C.研究結果

福岡大学皮膚科248名(男性112名、女性136 名、受診期間:1990年1月より2013年1月まで)、 鳥取大学皮膚科108名(男性51名、女性 57名、

受診期間:2007年1月より2014年12月まで)で 総数 356名(男性 163名、女性 193名)を対 象とした。①初診時の年齢は、0-1歳と20-40歳で 多かった。0-1 歳の群では男女差はなかったが、

20-40歳では女性が多かった。② 20-89 歳の成人

を対象に平均を算出した。身長は男性 162.3cm±

7.44、女性が153.2cm±6.65であった。体重(BMI) は男性が22.50±3.93で女性が21.46±2.83であった。

③既往歴、併存症については、アレルギー性鼻炎

が7.5%、気管支喘息が 8.4%、アトピー性皮膚炎

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が14%にみられた。他、心血管系の合併症が3.1%

にみられた。④皮膚腫瘍切除術は、全体の28.6%

(102/ 356名)で受けており、手術を行った回数 は 1 回が 57.8%(59/102 名)と最も多く、2 回が 11.7%(12/ 102名)で、6回以上行われたのは2.9%

(3/ 102名)であった。Stageingとしては、stage 5 41.1%(42/ 102名)が最も多く、stage 2が39.2%

(40/ 102名)であった。

また血液生化学データの研究においては、98 例

(男性41例、女性 57 例)のNF1 患者を対象に 173例(男性74例、女性99例)の非NF1患者を 対照群とした。TG、Cr、 CK、 AST、 ALT、 LDH の項目において、NF1群ではcontrol群と比較して 低値であった。この中でTGについては解釈が困 難であったが、AST、CK は筋量を反映している と考えられた。BMIと関連があるかそれぞれの項 目で、ピアソンの積率相関係数にて検定を行った ところ TG と ALT は対照群にのみ相関があり、

NF1群では相関がなかった。Cr,CKについては、

NF1群、対照群ともに相関がなかった。ASTにつ いては男女で結果が異なり、一定していなかった。

D.考察

① カルテ記載から0-1歳の受診動機は圧倒的に 診断についての相談であった。20-40 歳について はNFの切除依頼が多かった。② 身長、BMIと もに厚生労働省の示している国民統計より低値 であり、NF1患者は低身長で痩せ形が多いことが 示唆された。③ 既往症、併存症では、アレルギ ー性疾患が多い印象であったが、対照がなく有意 に高値であるかは不明であった。④ 皮膚腫瘍切 除は、皮膚科受診者の1/3が受けていた。BMIが 低値であることから BMI に関係する血液生化学 項目について特徴がないかを調べた。結果、TG、

Cr、 CK、 AST、 ALT、 LDH の 5 項目につい てNF1群では対照群と比較し低値であり、これら の中でピアソンの積率相関係数で検定を行い、対 照群ではBMIとTGおよびALTにおいて相関が 見られたが、NF1群では相関がなかった。一般的 にALTはBMIと相関が見られることは既に知ら れているが、NF1群では相関が見られなかったこ とは、NF1患者においては脂肪肝が少なく脂質代 謝に関連する、もしくは炎症が起こりにくく制御 している特殊な経路がある可能性が示唆された。

E.結論

本研究を行い、NF1 患者には痩せ形が多いこと、

また体重増加が起こりにくい特殊な代謝もしく は何らかの経路がある可能性が示唆された。本研

究により NF1 患者の profile の一端が明らかとな

った。NF1は稀な遺伝性疾患であり、多彩な臨床 症状が報告される。その為、稀な合併症や軽微な 異常値に対する疾患特異性は、単施設では症例数

が少なく、評価できない可能性が高い。今後、多 施設の協力の下、多数例を集積研究することで、

NF1の更なる詳細を明らかにできる可能性がある。

F.健康危険情報

G.研究発表 1. 論文発表

1)中山樹一郎、今福信一、徳永哲夫:神経線維 腫症1型の色素性病変に対するレーザート ーニング照射と Q スイッチルビーレーザー照 射の併用効果に関する研究.神経皮膚症候群 に関する調査研究 平成 25 年度分担研究報告 書:67-69,2014

2)古賀文二、今福信一、中山樹一郎:神経線維 腫症 1 型の身長、体重(BMI)、合併症に関す る患者対照研究.日レ病会誌 5(1):50-53, 2014

3)佐藤千江美、古賀文二、今福信一、中山樹一 郎:NF1 神経線維腫より採取した線維芽細胞 およびシュワン細胞に対する rapamycin およ び lovastatin の効果について.日レ病会誌 5(1):55-58, 2014

4)Koga M, Koga K, Nakayama J, Imafuku S.:

Anthropometric characteristics and comorbidities in Japanese patients with neurofibromatosis type 1: a single institutional case-control study. J Dermatol. 41(10):885-889, 2014

5)今福信一、吉田雄一:福岡大学と鳥取大学に おける神経線維腫症1型(NF1)患者プロフ ァイル. 神経線維腫症候群に関する診療科横 断的検討による科学的根拠に基づいた診療 指針の確立 平成 26 年度総括・分担研究報 告書:75-76, 2015

6)古賀文二、今福信一:神経線維腫症1型患者 のエネルギー代謝に関する疫学的検討. 日レ 病会誌 6(1):64-67, 2015

7)Koga M, Yoshida Y, Imafuku S. : Nutritional, muscular, and metabolic characteristics in patients with neurofibromatosis type 1.

J Dermatol. 43(7): 799-803, 2016

8)今福信一:神経線維腫症1型患者の重症度判 定に関する研究. 神経線維腫症候群に関する 診療科横断的検討による科学的根拠に基づ いた診療指針の確立 平成 27 年度総括・分 担研究報告書:85-86, 2016

9)古賀文二、吉田雄一、今福信一:神経線維腫 症1型における BMI と血液生化学因子につい ての検討. 日レ病会誌 7(1):73-75, 2016

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140 2. 学会発表

1)古賀文二、今福信一:神経線維腫症 1 型患者 のエネルギー代謝に関する疫学的検討.第 6 回日本レックリングハウゼン病学会学術大 会(2014 年 11 月 15-16 日)

2)古賀文二、今福信一、吉田雄一:福岡大学と 鳥取大学における NF1 患者プロファイル.神 経皮膚症候群に関する診療科横断的検討に より科学的根拠に基づいた診療指針の確立 調査研究班第 2 回班会議(2014 年 12 月 19 日)

3)古賀文二、吉田雄一、今福信一:ワークショ ップ 神経線維腫症1型(NF1)患者におけ る body mass index について:NF 患者は代謝 がよい? 第 67 回日本皮膚科学会西部支部学 術大会(2015 年 10 月 17-18 日)

4)古賀文二、今福信一:インターネットを用い た NF1 患者の神経線維腫の自動計数システム の構築. 神経線維腫症候群に関する診療科横 断的検討による科学的根拠に基づいた診療 指針の確立研究班 班会議 (2015 年 11 月 27 日)

5)古賀文二、吉田雄一、今福信一:神経線維腫 症 1 型における BMI と血液生化学因子につい ての検討.第 7 回日本レックリングハウゼン 病学会学術大会(2015 年 11 月 29 日)

7)古賀文二、今福信一:蒙古斑との境界部に halo を呈した巨大カフェオレ斑の幼児例. 第 8 回日本レックリングハウゼン病学会学術大 会(2016 年 12 月 4 日)

8)古賀文二、吉田雄一、今福信一:NF1 患者の 神経線維腫の自動計数システムの構築(続 報). 神経線維腫症候群に関する診療科横断 的検討による科学的根拠に基づいた診療指 針の確立 研究班 班会議 (2016 年 12 月 9 日)

H.知的財産権の出願・登録状況

(予定を含む。)

1. 特許取得 なし

2. 実用新案登録 なし

3.その他 なし

参照

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