1.はじめに
本報告では、2011 年度神奈川大学人間 科学部専攻科目「社会調査法(含む実習)Ⅰ・ Ⅱ」の最終成果報告書の主な結果について 紹介します。 本年度の「社会調査法(含む実習)Ⅰ・Ⅱ」 では、プロ野球や J リーグなどのプロス ポーツチームの存在がファンやサポーター だけでなく、広く地域にもたらす効果を検 証するため、横浜市民 1000 人を対象とした アンケート調査を行い、400 名を超える市 民の皆様からご回答をいただきました。本 報告はこれらの回答の単純集計及びクロス 集計の分析結果を中心に取りまとめました。 近年、プロスポーツチームの経営環境に ついては厳しい状況が続いていますが、プ ロスポーツチームを中心とした球団あるい はクラブチームの存在は、地域におけるス ポーツ文化の発展や経済的な効果はもちろ んのこと、地元住民の地域に対する愛着を 高め、地域コミュニティの形成にも寄与す るなど社会的な効果をもたらしていると考 えられます。こうしたことからプロスポー ツチームは「地域の重要無形文化財」であ るともいわれます。本調査はこうしたプロ スポーツチームの存在が地域社会にもたら す無形的な価値や効果を地元住民へのアン ケート調査を通じて明らかにしようと試み たものです。 なお、本アンケート調査については神奈 川新聞社との共同世論調査として行い、調 査結果の一部については神奈川新聞の一面 でも取り上げていただきました。 本調査の結果が、横浜市におけるプロス ポーツチームのますますの活躍と発展に寄 与し、地域にさらなる大きな効果をもたら すことになることを心より願います。2. 調査の概要
本調査は、横浜市民 1,000 名に対し、プ ロスポーツチームが地域にもたらす効果 と、横浜市におけるプロスポーツチームの 必要性という 2 点について検証することを 目的とし、関連する内容について 19 問の 質問をお伺いした。 ・調査対象:…18 歳~ 79 歳の横浜市民 976 名(男性 541 名、女性 435 名) ・実施時期:…平成 23 年 8 月 ・調査手法:…郵送により調査票を配布・回収 ・抽出方法:…層化多段無作為抽出法(調査 対象地点および調査対象者は 系統抽出) ・有効回答数:……403( 男 性 204 名、 女 性 198 名、無回答 1 名、回収 率 41.1%)調査報告
横浜市民のプロスポーツチームに対する意識調査の結果について
~ 2011 年度社会調査法(含む実習)の最終成果報告書より~
松本安生・齋藤正樹・久保倫子・芝井清久
3.回答者の属性
①性別 回答者の性別は男性 204 名、女性 198 名 とほぼ同数となった。男性と女性の回答割 合は、男性 50.6%、女性 49.1%であり、ほ ぼ同数であった(図 3.1)。 ②年齢 次に、アンケート回答者の年齢を示した 図 3.2 をみると、30 歳代以下が 27.1%、40 ~ 50 歳代が 38.6%、60 歳以上が 33.6%であり、 高齢世帯が若干多い結果となった。アンケー ト対象者が 18 歳以上であったことを反映し て、10 歳代(1.5%)からの回答は少なかった。 ③職業 アンケート回答者の就業先の過半数は横 浜市内で就業・就学しており、神奈川県 内の他市町村で就業する者を合わせると、 69.2%は神奈川県内での就業者であった。 次いで、東京都内で就業するものが 27.8% であった。 ④職種 アンケート回答者の職種を示した図 3.4 によると、「専門・管理職(25.2%)が最 図 3.1 アンケート回答者の性別 図 3.3 アンケート回答者の就業先・ 就学先の所在地 図 3.4 アンケート回答者の職種 (n=403) (n=403) (n=403) (n=403)(17.9%)」などのホワイトカラー職の占め る割合が高い。「販売・サービス職(17.4%)」 がこれに続くが、「生産・輸送・建設・労 務職(8.7%)」および「農林漁業職(0.5%)」 は少数であった。 ⑤ 職場および学校の所在地 就業および就学先の所在地は、過半 数 が 横 浜 市 内 で あ り(54.0 %)、 東 京 都 内(27.8 %)、 横 浜 市 以 外 の 神 奈 川 県 内 (15.2%)がこれに続く。これらの 3 地域で 90%以上を占めており、アンケート回答者 の大半は神奈川県および東京都で就業・就 学している。ベッドタウンとしての住宅地 開発が盛んに行われてきた青葉区などには 東京通勤者が多いことが想定されるが、そ のほかの区においては横浜市内での勤務者 が多数であると考えられる。 ⑥ 居住年数 アンケート回答者の横浜市における居住 年数を示した図 3.6 によると、「20 年以上 (61.0%)」が最も多く、「10 年~ 20 年未満 (17.6%)」と合わせると約 80%は 10 年以 上と長期間にわたって横浜市に居住してい る。回答者に高齢の世帯が含まれるため、 彼らの居住期間が長期であることが想定さ れるものの、40 歳代未満であっても 10 年 以上の長期居住者の占める割合は高い。 ⑦ 同居する家族の人数 図 3.7 アンケート回答者の同居家族の人数(同居 する家族には、回答者も含む) 図 3.5 アンケート回答者の職場・学校の所在地 図 3.6 アンケート回答者の横浜市における居住 年数 (n=403) (n=403) (n=403)
アンケート回答者が同居する家族の人 数をみると(図 3.7)、2 人(28.1%)、3 人 (26.9%)、4 人(21.9%)はほぼ同じ割合で あった。同居家族が 3 ~ 4 人とするものに は、夫婦と子からなる世帯が相当数含まれ ると考えられる。学生や高齢者などが含ま れると想定される同居家族が 1 人であると するものは 11.2%と少数であったが。同居 家族が 5 人以上であるものはかなり少数派 であった。 ⑧ 子供の有無 アンケート回答者に子の有無を問うた回 答が図 3.8 である。本回答では、成人して いる子、別居や離家している子がいる場合 も「子がいる」としている。アンケート回 答者の 67.0%には子がおり、子がいないも のは 32.5%であった。 … ⑨ スポーツをすることが好きか スポーツへの好意・関心をみると(図 3.9)、「 好 き(39.2 %)」 と「 や や 好 き (28.5%)」とを合わせて約 70%はスポーツ ではない(3.5%)」、「あまり好きではない (13.4%)」とする否定的な意見は 20%を下 回った。 ⑩ スポーツ観戦が好きか スポーツ観戦への好意・関心については (図 3.10)、「好き(36.5%)」と「やや好き (34.7%)」とで 70%以上を占めた。また、 「どちらでもない(18.1%)」とする回答も 多いが、「好きではない(3.0%)」、「あまり 好きではない(6.9%)」という否定的な意 図 3.8 アンケート回答者の子(成人子および 別居の子を含む)の有無 図 3.9 アンケート回答者のスポーツに対する 好意・関心 図 3.10 アンケート回答者のスポーツ観戦に 対する好意・関心 (n=403) (n=403) (n=403)
ツをすることが好きか」という設問への解 答と比較して、本回答では否定的な意見が 少数であった。 ⑪ 地域としての横浜が好きか 地域としての横浜への好意について示し たのが図 3.11 であるが、横浜市民のうち 74.2%は「好き」と回答しており、「やや 好き(19.4%)」を合わせると 93.6%の横 浜市民は横浜市に対して好意を有している ことが分かった。 ⑫ 横浜から連想するもの 最後に、横浜市民が「横浜」と聞いて思 い浮かべるものについて自由記述で 3 つ 挙げた者のうち、回答が多かったものか ら 15 の項目をまとめた図 3.12 を検討する。 「中華街(187 人)」「港(182 人)」「みな とみらい(102 人)」が圧倒的多数で上位 を占めた。横浜市のプロスポーツに関係す るものは、10 位に「ベイスターズ(26 人)」 が挙げられた。 横浜市内には中華街や港町などの歴史や 文化的な資源、みなとみらいやランドマー クなどの新開発地など、全国的に知名度の ある観光資源が存在している。そのため、 横浜市内に存在するプロスポーツチームは 「横浜」を象徴するものとしては意識され にくい状況にあると考えられる。 …… 図 3.11 アンケート回答者の横浜に対する好意・ 関心 図 3.12 アンケート回答者が横浜から連想するもの (n=403) (n=403)
図 4.1.1 野球場に観戦に行くと年代のクロス表
4.回答結果
プロ野球への関心を行動で聞いたとこ ろ、スポーツニュースで見ると答えた人の 割合が 52.9%と最も高く、続いてテレビで 観戦する、新聞で結果を確認すると続く。 図 4.1 プロ野球への関心 その中で実際に野球場に観戦に行く割 合について見ると、年代別で差が顕著で、 40 歳未満のほうが直接野球場に観戦に行 く割合が高い。 (n=403) (n=110) (n=155) (n=135) (n=400)一方、テレビで観戦する人の割合は 60 歳以上では半数を超えるのに対し、40 歳 未満では 3 分の 1 以下であった。 図 4.1.2 テレビで観戦すると年代のクロス表 次に好きなプロ野球チームの有無を聞 いたところ、半数をやや超える 52.4%があ ると答えている。 好きなプロ野球チームがあると答えた人 にそのチーム名を尋ねたところ、巨人と横 浜と答えた回答者がそれぞれ 3 割を超えて いてほぼ拮抗しており、次に阪神、ヤクル トと続く。 図 4.2 好きなプロ野球チームの有無 図 4.2.1 好きなプロ野球チーム名 (n=403) (n=212) (n=110) (n=155) (n=135) (n=400)
図 4.2.2 好きなプロ野球チーム名と年代のクロス表 図 4.3 そのチームを好きな理由 好きなチームについては年代別で大きな 違いを見ることができる。60 歳以上の回 答者の中では横浜、巨人と答えた人の割 合が合わせて 76.8%であったのに対し、40 歳未満ではそれ以外のチームを回答した人 が半数を超えた。若年層ほど応援するチー ムの多様化が進んでいることがわかる。 そのプロ野球チームを好きな理由として は昔から応援しているからが 42.3%と最も 多く、次に地元のチームだからが 33.3%で 続く。 (n=212) (n=52) (n=75) (n=82) (n=209)
続いて J リーグへの関心を行動で聞いた ところ、スポーツニュースで見ると答え た人の割合がプロ野球同様 42.9%と最も高 い。次に高いのが特に何もしていないで 39.0%を占める。 J リーグで好きなチームがあるかを聞い たところ、あると回答した人は 23.2%と全 体の 4 分の 1 に満たない結果であった。 好きなチームがあると答えた人の中でそ のチーム名を聞いたところ、横浜 F マリ ノスと回答した人が 6 割を超え、多数を占 めていた。 図 4.4 J リーグへの関心 図 4.5 J リーグの好きなチームの有無 図 4.5.1 J リーグの好きなチーム名 (n=403) (n=403) (n=93)
そのチームを好きな理由としては地元の チームだからが最も高くほぼ 6 割を占め る結果となった。横浜 F・マリノスが地元 のチームとして、サッカーファンの中では ある程度根付いているということができよ う。 図 4.7.1 知名度アップにつながる 図 4.7.2 シンボルとなっている 図 4.6 その J リーグチームを好きな理由 図 4.7.1 ~図 4.7.9 まではプロスポーツ チームが横浜にどのような効果をもたらし ているのかについて合計 9 問聞いたものに 対する回答結果である。 プロスポーツチームが横浜の知名度アッ プにつながる(図 4.7.1)と答えた人がそ う思う、ややそう思うを合計し 70%を超 えた。問 7-2、横浜(プロスポーツチーム が)のシンボルとなっていると答えた人は そう思う、やや思うを合わせて 6 割あまり であった。 (n=93) (n=403) (n=403)
問 7-7、プロスポーツチームが横浜市民 に連帯感を生んでいるかという問いに対し ては、36.5%の人がどちらでもないと回答 し、最も割合が高かった。一方問 7-8、横 浜市民に楽しみを生んでいるかという問 いに対してはそう思う、ややそう思うと 50%以上の人が回答していた。 問 7-5、プロスポーツチームが横浜に対 する愛着を高めてと答えた人がそう思う、 ややそう思うを合わせて 50%弱であった。 一方、問 7-6、市民の誇りや自慢となって いるという問いに対してはどちらでもない が 35.0%と最も多くなっている 問 7-3、プロスポーツチームが横浜のイ メージアップにつながると答えた人がそう 思う、ややそう思うを合わせて 60%あま りであった。一方、横浜らしさとなってい るという問いに対してはどちらでもないが 36.6%と最も多くなっている。 図 4.7.5 愛着を高めている 図 4.7.6 市民の誇りや自慢となっている 図 4.7.3 知名度アップにつながる 図 4.7.4 シンボルとなっている (n=403) (n=403) (n=403) (n=403)
問 7-9、プロスポーツチームが地域に話 題を提供しているか、という質問に対して はどちらでもない(31.8%)と、ややそう 思う(29.8%)という回答数が拮抗している。 横浜ベイスターズへの関心度を行動ベー スで質問したところ、特に何もしていない と答えた回答者が最も多く、48.9%を占め た。一方、実際に野球場に見に行くと答え た回答者は全体の1割ほどであった。 図 4.7.7 連帯感を生んでいる 図 4.7.8 楽しみを生んでいる 図 4.7.9 地域に話題を提供している 図 4.8 横浜ベイスターズへの関心 (n=403) (n=403) (n=403) (n=403)
次に、横浜 F・マリノスへの関心度を 質問したところ、特に何もしていないと 答えた回答者はベイスターズよりも高く、 58.1%であった。続いてスポーツニュース で見る、新聞で結果を確認するの順となっ ている。 ベイスターズが好きかという問いに対し ては 54.3%がどちらでもないで、好きおよ びやや好きを合わせると 36.4%となる。そ の中で、ベイスターズが好きな理由を尋ね た結果、地元のチームだからと答えた回答 者は 84.2%に達している。 図 4.9 横浜ベイスターズが好きか 図 4.10 ベイスターズを好きな理由 図 4.11 横浜マリノスへの関心 (n=403) (n=146) (n=403)
横浜 F・マリノスが好きかという問い に対しては 64.2%がどちらでもないで、好 きおよびやや好きを合わせると 28.4%とな る。その中で、横浜 F・マリノスが好きな 理由を尋ねた結果、地元のチームだからと 答えた回答者はベイスターズ程高くはない ものの、75.4%に上る。 図 4.12 横浜 F・マリノスが好きか 図 4.14 横浜 FC への関心 図 4.13 F・マリノスを好きな理由 最後に横浜 FC への関心度を行動ベース で質問したところ、特に何もしていないと 答えた回答者は 3 つのプロスポーツチーム の中で最も高く、65.0%に達した。 次に、横浜 FC が好きかという問いに対し ては 73.8%がどちらでもないで、好きおよび やや好きを合わせると 20.2%となる。好きと を尋ねた結果、地元のチームだからと答え た回答者は 66.3%で他チーム同様最も高かっ た。また、好きな選手がいるからが 12.5%と (n=403) (n=114) (n=403)
図 4.17.1、図 4.17.2 は横浜スタジアム、 日産スタジアムの観戦経験の有無を男女別 にわけたものである。横浜スタジアムでの 観戦経験がある人は圧倒的に男性が多いの に対し、日産スタジアムは男女差が見られ ない。プロ野球と J リーグのファン層の違 いが見て取れる。 図 4.15 横浜 FC が好きか 図 4.17 観戦したことのあるスタジアム 図 4.16 横浜 FC を好きな理由 観戦したことのあるスタジアムでは、横 浜スタジアムが最も高い割合となってい る。横浜スタジアムで観戦したことのある 回答者は約半数であった。 (n=403) (n=80) (n=403)
どのようなことがあればスタジアムに行 きたいと思うようになるかとの問いだが、 もっとも多かったのはチームが強くなるで 4 割強が回答していた。次に入場料が安く なる、続いて家族か友人に誘われるが多数 を占めた。 図 4.17.1 性別と横浜スタジアムのクロス表 図 4.17.2 性別と横浜スタジアムのクロス表 (n=200) (n=193) (n=393) (n=200) (n=193) (n=393)
全体では 3 番目に多い回答率であった 「家族や友人に誘われる」という回答だが、 男女別に見ると、女性の半数近くがそのよ うに回答していることがわかり、観戦に対 する態度が男女で大きく異なることが見て 取れる。 横浜に必要なプロスポーツを訊ねたとこ ろ、横浜ベイスターズ、横浜 F・マリノス はともに 5 割を超える割合であった。横浜 FC は約 3 分の 1 の人が必要と答えた。 図 4.18 スタジアムで観戦したくなる動機 図 4.18.1 性別と家族や友人に誘われるのクロス表 (n=393) (n=191) (n=185) (n=376)
横浜ベイスターズが必要と考えている人 の割合は年齢や性別とほぼ関係なく近い 割合となっているのに対し、横浜 FC が必 要と考えている人の割合が 40 歳未満の人 に比べて 60 歳以上では非常に低い結果と なっている。ベイスターズが長い間に渡っ て横浜に根付いてきたことを表す回答結果 となっている。 図 4.19 横浜に必要なプロスポーツ 図 4.19.1 年代と横浜ベイスターズが必要のクロス表 (n=109) (n=144) (n=122) (n=375)
5.まとめ
本調査では、プロスポーツチームの存在 が地元住民の地域に対する愛着を高めるこ とや、地域コミュニティの形成に寄与する などの地域社会にもたらす様々な無形的な 価値や効果を明らかにするため、無作為抽 出した 18 歳以上 80 歳未満の横浜市民約 1000 人を対象として、郵送法によるアン ケート調査を行った。このアンケート調査 では、日本のプロ野球および J リーグに対 する関心や考え方のほか、横浜を代表する プロスポーツチームである横浜ベイスター ズや横浜 F・マリノスなどに対する市民の 意識についても聞いた。 この結果、まず横浜市民のプロ野球に対 する関心の高さが明らかになった。回答を いただいた 403 名のうち、好きなプロ野 球チームがある方が半数以上の 211 名で あり、このうちの多くの方々がスポーツ ニュースや新聞で試合結果を確認すること や、試合自体をテレビで観戦するなど、マ スコミを通じたプロ野球に日ごろから接 していることが明らかになった。また、最 も好きなプロ野球チームとして挙げられた チームは、読売ジャイアンツと横浜ベイス ターズがそれぞれ 3 分の1程度(約 70 人) で拮抗していた。さらに、地元のチームだ からなどの理由で、横浜ベイスターズに対 して好意的(好きあるいはやや好き)な市 民が 3 分の 1 以上の 147 名と、地元のプ ロ野球チームの存在がプロ野球に対する関 心の高さにつながっているものと考えられ る。 次に、好きなプロサッカーチームがある と回答した方は 3 割程度(93 人)で、年 齢層による違いもほとんどなかった。つま り、横浜市民の J リークに対する関心はプ ロ野球よりも総じて低いという結果であっ た。ただし、好きなプロサッカーチームが あると回答した方の 6 割以上は横浜 F・マ リノスを最も好きなチームとして挙げてお り、プロサッカーにおいては横浜市民の 図 4.19.2 年代と横浜 FC が必要のクロス表 (n=109) (n=144) (n=122) (n=376)“ホームチーム”に対する愛着の高さがう かがえる。また、地元のチームだからなど の理由で横浜 F・マリノスに対して好意的 (好きあるいはやや好き)な市民が 3 割近 くの 114 名にのぼり、J リーグでもプロ野 球と同様に地元のプロスポーツチームに対 して好意的にとらえる横浜市民が多いこと が明らかとなった。 一方、これらの地元のプロスポーツチー ムに対して好きでも嫌いでもない(「どち らでもない」)と回答している無関心な市 民は、横浜ベイスターズの場合に 54%、 横浜 F・マリノスの場合に 64%と多くの 割合を占めていた。この結果、横浜のプロ スポーツチームが地域にもたらす無形の効 果についても、6 割を超える多くの市民が 「横浜のシンボルの一つである」ことや「知 名度アップに貢献している」と認めている 一方で、「横浜らしさの一つになっている」 や「市民の間に連帯感を生んでいる」など の効果については肯定的な市民は 4 割以下 と少なく、チームの存在がもたらす社会的 な効果が限定的なものであることがうかが える。 本報告は、こうした横浜市民のプロス ポーツに対する“クールな(冷めた)”意 識の根底に何があるのかを完全に解き明か すまでには至っていないが、性別および年 齢層によるクロス集計からはその要因のい くつかが示唆されている。さらなる分析を 通じて、市民意識の根底にある要因を明ら かにしくことが今後の課題である。