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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究
分担研究報告書(平成 29 年度)
合併症・副作用対策プロジェクト
研究分担者 池内浩基 兵庫医科大学炎症性腸疾患外科 教授
研究要旨:本プロジェクトでは、(1) クローン病の肛門病変を正しく診断するために、アトラス「ク ローン病肛門病変のすべて」を作成しているが、作成後 5 年以上経過しているためこれを改定する。(2) クローン病術後の吻合部は再燃・再発の好発部位とされているが、その詳細は明らかにされておらず、
診断基準を定めて、この病変の経過を明らかにする。(3) 潰瘍性大腸炎手術症例の QOL を多施設で検討 する。(4) クローン病の大腸・肛門部癌の現状と問題点。さらにサーベイランスの有用性を明らかにす る。これらのプロジェクト研究について提案がなされた。
共同研究者
福島浩平 東北大学大学院分子病態外科 杉田 昭 横浜市立市民病院炎症性腸疾患科 二見喜太郎 福岡大学筑紫病院
畑 啓介 東京大学腫瘍外科 舟山裕士 仙台赤十字病院
高橋賢一 東北労災病院大腸肛門外科 板橋道朗 東京女子医科大学消化器外科 小金井一隆 横浜市立市民病院炎症性腸疾患科 木村英明 横浜市立大学総合医療センター 楠 正人 三重大学消化管・小児外科 荒木俊光 三重大学消化管・小児外科 亀岡仁史 新潟大学消化器外科 藤井久男 吉田病院外科
小山文一 奈良県立医科大学消化器総合外科 根津理一郎 西宮市立中央病院外科
水島恒和 大阪大学消化器外科
内野 基 兵庫医科大学炎症性腸疾患外科 東 大二郎 福岡大学筑紫病院外科
A. 研究目的
炎症性腸疾患では術前、術後を通してその治療 中に合併症や副作用を生じることがある。これら を生じると、患者の OQL は著しく低下する場合が ある。本プロジェクトでは潰瘍性大腸炎(UC)領域
では術後の合併症と QOL の関連性を明らかにする。
クローン病(CD)では再発、特に吻合部再発の診断 基準を作成し、その経過を評価する。また、直腸・
肛門病変に好発する癌化症例の現状を明らかに するとともに、サーベイランスの有用性を明らか にすることを目的とした。
B. 研究方法
1. 「クローン病肛門病変のすべて」に関して は典型的な症例の写真を入れ替え、全面的 に改定する。(担当:二見喜太郎)
2. クローン病術後吻合部潰瘍に関する調査 研究。すでに術後吻合部潰瘍 321 例に対す る解析は終了している。今後、吻合部状の 輪状潰瘍の取り扱いについて、定義を定め る予定である。さらに、内科のクローン病 術後再発に関するカプセル内視鏡評価の 意義に関する研究と協力しながら、前向き な検討も予定している。
(担当:小山文一)
3. クローン病関連大腸肛門部癌のサーベイ ランスに関しては、アンケート調査はすで に終了しており、直腸・肛門部だけでなく、
さらに口側の結腸癌のサーベイランスの 方法・有用性に関して検討する予定である。
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(担当:二見喜太郎)
4. 潰瘍性大腸炎治療例の予後―QOL の観点 からーでは内科的治療中の症例や、手術後 の症例だけでなく、外科治療に移行した症 例の QOL の推移について検討する予定で ある。(担当:杉田 昭)
(倫理面への配慮)
すべての研究は主施設での倫理委員会の承 認を得たのち、参加施設での倫理委員会の承 認を得る。対象者からの同意を得たうえで行 う。データーは連結可の匿名化を行い、プラ イバシーの保護に努める。
C. 研究結果
今回のプロジェクトはすべて進行中の研究で あり、中間報告の状態である。最終的な結果が出 た時点で論文作成の予定である。
D. 考察
クローン病の肛門病変は難治性で、多発するこ とが広く知られている。ただ、通常の痔瘻である のか、クローン病に合併する病変であるのか診断 は容易なことではない。そのため、肛門病変に対 するアトラスを作成することは、正確な診断の一 助となるものと思われる。また、この領域では、
発癌が大きな問題となっている。画像診断のみな らず、麻酔下の生検を組み合わせたサーベイラン スの有用性に関しては、現在検討中であるが、発 癌症例の画像も多数掲載予定であり、有用である と考えられる。
潰瘍性大腸炎の領域では、治療効果や長期予後 に関する報告は多く存在する。QOL に関する報告 はほとんどなく、特に難治例の内科的治療から外 科的治療に移行した症例で QOL がどのように推移 したかを明らかにすることは重要なことである。
E. 結論
合併症や副作用の頻度や、状態を正確に判断す ることは、今後の治療上でも重要なことである。
F. 健康危険情報 なし。
G. 研究発表 1.論文発表
なし。
2.学会発表 なし。
H. 知的財産権の出願・登録状況
(予定を含む)
1.特許取得 なし。
2.実用新案登録 なし。
3.その他 なし。