資料11
2008/12/10
第19回情報セキュリティ政策会議資料
次期情報セキュリティ基本計画等について
首都大学東京法科大学院教授 前田雅英
1 オンライン利用拡大行動計画とセキュリティ
オンライン利用拡大には、現行の電子署名方式に代えて、「使いやすい本人認 証」を導入することが必要である。そのためには、例えば、ID・パスワードのより 広範な利用が予想される。ただその際には、IDを盗む犯罪に関する国際的議論を踏 まえたセキュリティ対策が必要となる。
また、日常生活の中にオンラインが入るということは、高齢者でも使用可能なも のとしておく必要がある。例えば「同じパスワードを使い続けてはいけない」とい うのは、かなり酷な要求だということを認識すべきである。また、障害者のことも 考えておかねばならない。システム全体を徹底した高齢者対応にするのか、高齢者 などについては、別個にサポートする体制を考えるのか、検討する必要があるよう に思われる。
2 事故前提社会について
事故が生じても、冷静かつ迅速に事後対応・復旧活動を推進するという視点は重 要である。ただ、事故の事前抑制の視点が軽視されることもあってはならない。事 故が発生してから対応することと、事前に抑止するコストのバランスを考えること は当然だが、国民生活にとって「絶対にあってはならない事故」という視点も、残 しておく必要がある。
3 情報セキュリティと権利保護
今後3年間の重点政策として、「犯罪の取締り、権利利益の保護救済」が挙げら れているのは、高く評価できるが、権利利益の保護救済に関しての具体的な施策を 考えていくには、より広範な議論の蓄積が必要であるように思われる。法律学など の領域での議論をきちんと踏まえて前に進むべきよう期待する。