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【論文内容の要旨】

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Academic year: 2021

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【論文内容の要旨】

Effects of acotiamide on esophageal motility in healthy subjects : a randomized, double-blind, placebo-controlled crossover study

健常者の食道運動機能に及ぼすアコチアミドの影響について:

無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験

日本医科大学大学院医学研究科 消化器内科学分野 研究生 星野慎太朗

Esophagus(2017)14:146-152 Esophagus(2017)14:272-273

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【背景・目的】

Acotiamideは腸内神経系におけるムスカリン受容体に拮抗し、コリンエステラーゼ活性を

阻害することによって、アセチルコリンの放出を増強し、消化管運動機能の改善を促す薬剤 である。2013 年 6 月、機能性ディスペプシア治療に適応を有する薬剤として上梓された が、食道運動機能に対する効果は明らかではない。そこで本研究では、健常ボランティアに 対するAcotiamideの食道運動機能に及ぼす影響をhigh-resolution manometry(HRM)

を施行し、検討した。

【方法】

症状を認めない健常ボランティア30名(男性30人、平均年齢38.2歳)を対象に無作為 化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を行った。本研究は日本医科大学千葉北総病 院薬物治験倫理委員会の承認(承認番号526002)を得て施行されている。また,すべての 患者は本研究についての説明をうけ同意が得られた患者である。研究は 7 日間のスクリー ニング期間(無治療)を置いた後に開始した。健常ボランティアに対し、Acotiamide(100

㎎)又はplaceboを1日3回、毎食前、7日間投与し、28日間のWash Out期間後に被 験者をクロスオーバーさせ、Acotiamide 群に対してはplaceboをplacebo群に対しては Acotiamideを 1日 3回、毎食前、7日間投与した。治療 8日目に HRM(Starlet, Star Medical, Inc., Tokyo, Japan)を用いて、esophagogastric junction(EGJ)pressure、

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integrated relaxation pressure (IRP)、distal contractile integral (DCI)、distal latency、

contractile front velocity、peristaltic breakを測定し、EGJの収縮・弛緩能、食道体部運 動を評価した。HRMの評価は、検査当日の朝6時に朝食前のAcotiamideまたはplacebo を内服し、その後朝食を摂取、以後は禁食とした。さらに午前11時30分と来院予定時間 の1時間前にそれぞれ、Acotiamideまたはplaceboを内服し、16-18時の間にHRMを施 行した。HRMは経鼻から食道内圧カテーテルを挿入し、10分間の安静後、食道運動機能の 測定を開始した。EGJ圧は安定した30秒間のEGJ 圧の平均値として算出した。食道体部 運動の評価は1回5mlの生理食塩水を、仰臥位で30秒間隔に1回嚥下し、合計10回の 嚥下後の食道体部運動、EGJ弛緩能を評価した。データの解析は食道運動障害分類(Chicago

分類2012)に基づき行った。また、研究期間中の有害事象についての検討も行った。

【結果】

EGJ圧はAcotiamide群(28.2mmHg、median)が、placebo群(24.0mmHg、median)

に比し有意(p=0.0011、Wilcoxon signed rank test)に高値であったが、IRP、DCI、嚥 下後の食道体部運動の収縮パターン(intact、weak peristalsis with small or large defect, failed peristalsis, others)の内訳は両群で有意差は認められなかった。食道体部運動異常 を認めた13人で検討を行うと、両群のIRP、DCIの違いはなかったが、EGJ圧はAcotiamide 群(23.4mmHg)が、placebo群(21.7mmHg)に比し有意(p=0.0464、Wilcoxon signed

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rank test)に高値であった。また食道体部運動収縮パターンはAcotiamide群において正 常蠕動波を有する頻度が有意(p=0.0013、χ2検定)に増加し、13人中の5人の食道体部 運動が正常となり、食道体部運動異常を有する頻度が有意(p=0.0128、χ2検定)に減少 した。有害事象としては、Acotiamide群で2名に便通頻度の増加が観察された。

【考察】

AcotiamideのEGJ圧の増加作用は、元来EGJ圧が低値である重症逆流性食道炎患者の治 療に有効である可能性がある。また逆流性食道炎の原因は食道内の過剰な酸暴露であるが、

食道内酸暴露時間の減少には食道酸クリアランス能が重要であり、食道酸クリアランスに 重要な因子が正常蠕動波の出現であることを考えると、軽度の蠕動波欠損を有する患者に

おいてAcotiamideが食道内酸クリアランスを改善させる可能性があり、軽度蠕動波欠損を

有する逆流性食道炎患者の治療にも有用である可能性がある。今後は逆流性食道炎患者で の検討において、AcotiamideのEGJ圧、食道クリアランス能に及ぼす影響を明らかにする 必要がある。

【結論】

健常ボランティアでの検討により、AcotiamideはEGJ圧を有意に増加させること、また食 道体部運動異常を有する場合には正常蠕動波の比率を有意に増加させることが明らかとな った。

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