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「望ましい運動部活動の在り方(改訂版)」

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(1)

第31集 学校体育指導資料

「望ましい運動部活動の在り方(改訂版)」

(一部改訂)

平 成

1

7 年

1

1 月

茨 城 県 教 育 庁 保 健 体 育 課

(2)

第31集 学校体育指導資料「望ましい運動部活動の在り方(改訂版)」

一部改訂の主な改訂内容 1 改訂内容

ページ 改訂後 改訂前

P 5 枠内の図 学校の教育活動 教育課程内と課程外の活動に整理

枠内の図 学校教育

P20 平成15 16 年度

本県中・高等学校における事故発生状況

平成11年度

本県中・高等学校における災害発生状況 P22 独立行政法人 日本スポーツ振興センター 緊急時連絡体制

日本体育・学校健康センター

P31

Q10 学校に希望する運動部を設置してい ないが,中学校体育連盟・高等学校体育連 盟主催大会に参加したいという生徒の取扱 いについてはどのようにすればよいです か。※内容は全面改訂

Q10 学校に運動部を設置していないが,

大会等に参加したいという生徒の取扱 いについてはどのようにすればよいで すか。

P35

全国中学校体育大会への合同チームの「参 加の条件」と「チームの条件」を追加

18 複数校合同の運動部活動を実施する ときに配慮することはどのようなこと ですか。

P64 中学生の国民体育大会への参加を認める範 囲についての「対象競技」の追加

 カヌー,ゴルフ,サッカー,卓球,

 テニス,ボウリング

※通知文は全面改訂(H17.12.22)

1 対象競技

1 水泳(競泳) 

2 陸上競技

3 体操(体操競技)

4 スケート(フィギュア)

2 追加内容

ページ 内  容

P 2

中・高等学校学習指導要領       (中学校H1012月,高校H113 月)

第1章 総則 第1款 教育課程編成の一般方針 3 「体育・健康に関する指導」

中・高等学校学習指導要領解説 総則編 「体育・健康に関する指導」

 (中学校H119月,高校H1112月)

小学校学習指導要領 解  体育編(H説 11年5月) <クラブ活動,運動部の活動>

P3620 高校入学前の中学校卒業生が出身中学校や進学予定の高校の運動部の練習に参加す るにはどのようなことに留意すればよいのですか。

P37

21 運動部活動の外部指導者とはどんな人ですか。

Q22 外部指導者を導入する場合,留意することはどんなことですか。

Q23 顧問と外部指導者との役割分担はどのようにすればよいですか。

24 外部指導者との連携はどのように図ればよいですか。

P54 資料2 卒業生及び入学予定者の部活動への参加について

平成17年2月16日付け 保体第152号 通知 P56 資料3 学校に該当する運動部がない生徒の体育大会参加について 

平成161027日付け 保体第1457号 通知 P57 資料4 中学校体育大会の開催に伴う業務に従事する教職員の服務の取扱いについて

平成15年5月1日付け 保体第507号 通知

P58

資料5 運動部活動等の生徒引率における旅客運送無許可バスの利用禁止について

平成16年6月2日付け 高教第724号 通知 資料6 自家用車の公務利用に関する取扱要項の運用について

平成2年7月11日付け 教二第269号 通知 P80 資料18 「茨城県スポーツ振興基本計画(概要)」平成16年7月 茨城県教育委員会

(3)

P83 資料18 「子どもの体力向上のための総合的な方策について(抜粋)」

平成14930日 中央教育審議会 答申

(4)

一部改訂に当たって

県教育委員会では,平成9年3月に,運動部活動の指導が学校教育活動の一環とし て,効果的に行われるよう「望ましい運動部活動の在り方」を刊行し,平成14年3月に 改訂を行いました。

この指導資料は,現在まで広く活用されてきましたが,この間,生徒数の減少などに よる参加生徒の減少,指導者の高齢化や実技指導力の不足などにより,単独校によるチー ム編成ができない,あるいは,十分な指導ができないなど,競技種目によっては,その活 動を継続することが困難な状況も生じています。

このため,生徒の多様なスポーツニーズに応えるため,複数校合同による運動部活動や 外部指導者の活用,地域スポーツクラブ等との連携が進められてきました。しかし,運 動に興味をもち活発に運動する者のとそうでない者とに二極化していることや,一部に 過度な勝利至上主義の弊害が生じている例も指摘されています。

これからの運動部活動として期待されることは,特に希望する同好の生徒によって行 われる活動であることを踏まえ,生徒の多様なスポーツ活動の機会を保障するととも に,過度な勝利至上主義に陥ることなく,効果的にその活動が行われるよう,学校とし て教育計画に位置付けた実践をすることです。

各学校においては,県教育委員会が昨年7月に策定した「茨城県スポーツ振興基本計 画」における,学校体育・スポーツ活動の充実のための到達目標である「魅力ある運動 部活動の推進」と「参加率の向上」の実現に向け,競技志向や楽しみ志向など,生徒の 多様なスポーツニーズに応じた運動部活動の推進をお願いいたしますとともに,今 回

「Q&A」を中心に一部改訂を行いましたので,この指導資料をより広く活用され運動 部活動についてさらに理解を深められ,一層充実した指導が展開されることを願ってお ります。

  平成17年11月

      茨城県教育庁保健体育課長

       滑 川 正 昭

(5)
(6)

改 訂 に 当 た っ て

 県教育委員会では,平成9年3月に,運動部活動の効果的な指導が行われるよう「望ましい運動部 活動の在り方」を刊行しました。この指導資料は,現在まで広く活用されてまいりましたが,この 間,平成10年12月には小・中学校,11年3月には高等学校の学習指導要領が,また,12年9月に は,文部科学省の「スポーツ振興基本計画」が告示され,その中で運動部活動の価値や在り方が明確 にされてまいりました。

 このような状況を踏まえ,本指導資料を時代の変化に即して改訂することにより,中・高等学校に おける運動部活動の運営に役立てるとともに,生涯にわたりスポーツに積極的に取り組む生徒の育成 をねらいとし改訂版を発行することとしました。

 さて,4月からは完全学校週5日制がスタートし,小・中学校では新学習指導要領が完全実施とな ります。この学習指導要領の解説保健体育編においても,「運動部の活動は,学校において計画する 教育活動で,より高い水準の技能や記録に挑戦する中で,運動の楽しさや喜びを味わい,豊かな学校 生活を経験する活動であるとともに,体力の向上や健康の増進にも極めて効果的な活動である。」と 述べられており,学校教育活動として位置付けて行くことが示されております。

 また,運動部活動は,生徒の「生きる力」の育成に大きく貢献できるものとの考えが定着してきて おり,充実発展に向けて様々な事業による支援が行われております。本県においては,運動部活動地 域連携促進事業における外部指導者を拡充するなど運動部活動の充実に努めております。

 本指導資料が,生徒の「生きる力」となる運動部活動の指導に広く活用され,運動部活動について の理解を深められるとともに,一層充実した指導が展開されることを望んでやみません。

   平成14年3月

茨城県教育庁保健体育課長        中 村 昌 平

(7)

は じ め に

 近年の我が国においては,国際化,情報化,科学技術の発展,少子・高齢化社会への移行,自由時 間の増加や生活水準の向上,生涯学習への機運の高まりなどを背景に,社会の変化や国民の生活内容 の進展が著しく,これらとの関連から体育・スポーツ活動の在り方も大きく変化し,スポーツが人生 を豊かにする「文化」や「生きがい」として捉えられるようになってきております。

 また,先般の教育改革の具体的課題やスケジュールをまとめた「教育改革プログラム」の中でも,

完全学校週5日制の実施時期が2002年と示されております。

 さらに,第15期中央教育審議会の第一次答申の中では,これからの土・日曜日を含めた部活動の在 り方が,学校を中心とした部活動からより地域と融合した方向へ展開をしていくことが望ましい旨提 案されております。

 県教育委員会においては,平成7年度「個性と創造性に富むこころ豊かな人づくり」を目指すいば らき教育プランを策定し,生徒がスポーツの楽しさや喜びを味わい,豊かな学校生活を経験すること ができるような運動部活動の推進を図っているところでございます。

 今回の学校体育指導資料「望ましい連動部活動の在り方」につきましては,学校教育活動の一環と して展開されている運動部活動指導の一助となることを願って作成しました。

 内容としましては,「運動部活動の意義や位置づけ」から「中・高校生のスポーツ活動に関する実 態調査の結果」等の項目にわたって,構成いたしました。

 本資料が,学校における運動部活動の充実した展開を促すとともに,実践指導にあたられている諸 先生方の課題解決のために活用され,顧問教師がスポーツを通して生徒との信頼の太い絆で結ばれ,

生徒の心身の健全な育成と豊かな人間形成に寄与できるよう希望しているところでございます。

 おわりに,本指導資料編集にあたり,御協力を賜りました編集協力員の皆様と資料等の御提供をい ただきました関係各位に感謝を申し上げまして,刊行のあいさつといたします。

   平成9年3月

茨城県教育庁保健体育課長        高 野 惣 一

(8)

目   次

I 運動部活動の意義---1

1 意義---1

2 学習指導要領における運動部活動の位置付け---2

3 運動部活動の課題---3

II 学校週5日制の趣旨を踏まえた運動部活動の在り方---4

1 学校週5日制の趣旨と運動部活動---4

2 新しい視点に立った運動部活動の展開---5

III 運動部活動の運営---7

1 指導体制の確立---7

2 顧問の役割---7

3 運動部活動運営の配慮事項---8

IV 活動計画の作成と実践指導例---15

1 活動目標の設定---15

2 活動計画の作成---15

V 安全管理と事故防止---20

1 安全管理の方法と内容---21

2 緊急時連絡体制(例)---22

3 応急手当(RICE療法,骨折の応急手当,熱中症,心肺蘇生法)---23

4 事故責任---27

5 訴訟例---27

VI 運動部活動Q&A---29

Q 1専門的知識や専門的技能をもっていない顧問の場合の指導はどのようにすればよいですか。 29 Q 2初心者の指導や入門期の指導で留意することはどんなことですか。---29

Q 3体力や技能の差がある場合の指導はどのようにすればよいですか。---29

Q 4新年度における「チームづくり」の留意点はどのようなことですか。---29

Q 5効率的な練習はどのようにすればよいですか。---30

Q 6長期休業中の練習の進め方はどのようにすればよいですか。---30

Q 7生徒が多い部の指導はどのようにすればよいですか。---30

Q 8練習意欲を喚起するにはどのようにすればよいですか。---30

Q 9会議や出張等で顧問が練習に出られない時はどのようにすればよいですか。---30

Q 10 学校に希望する運動部が設置されていないが,中学校体育連盟・高等学校体育連盟主催大会 に参加したいという生徒の取り扱いについてはどのようにすればよいですか。---31

Q 11 他校に運動部活動の指導を依頼するにはどのようにすればよいですか。---32

(9)

Q 13 合宿をするときの留意点はどのようなことですか。---33

Q 14 教員特殊業務手当てとはどんなことですか。---33

Q 15 朝の練習はどのようにすればよいですか。---33

Q 16 合同合宿や合同練習の手続き等はどのようにすればよいですか。---34

Q 17 過呼吸への対応はどのようにすればよいですか。---34

Q 18 複数校合同の運動部活動を実施するときに配慮することはどのようなことですか。---35

Q 19 「総合型地域スポーツクラブ」とはどのようなものですか。---35

Q 20 高校入学前の中学校卒業生が出身中学校や進学予定の高校の運動部の練習に参加するにはど のようなことに留意すればよいのですか。---36

Q 21 運動部活動の外部指導者とはどんな人ですか。---37

Q 22 外部指導者を導入する場合,留意することはどんなことですか。---37

Q 23 顧問と外部指導者との役割分担はどのようにすればよいですか。---37

Q 24 外部指導者との連携はどのように図ればよいですか。---37

VII 参考資料---38

資 料1 「スポーツ活動に関する調査」結果の概要---38

資 料2 卒業生及び入学予定者の部活動への参加について---54

資 料3 学校に該当する運動部がない生徒の体育大会参加について---56

資 料4 中学校体育大会の開催に伴う業務に従事する教職員の服務の取扱いについて ---57

資 料5 運動部活動等の生徒引率における旅客運送無許可バスの利用禁止について---58

資 料6 自家用車の公務利用に関する取扱要項の運用について---58

資 料7 完全学校週5日制実施に伴う部活動の在り方について---59

資 料8 児童生徒の運動競技について---61

資 料9 中学校及び高等学校における運動部活動について---63

資 料1 0 中学生の国民体育大会への参加について---64

資 料1 1 児童生徒の体育活動による事故の防止等について---66

資 料1 2 中学校,高等学校における運動部の指導について---68

資 料1 3 茨城県スポーツリーダーバンク設置要綱---69

資 料1 4 「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(抜粋)---70

資 料1 5 保健体育審議会答申の概要(平成9年9月22日)---71

資 料1 6 「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」(中学生・高校生のスポーツ 活動に関する調査研究協力者会議 平成912月)の概要---74

資 料1 7 「スポーツ振興基本計画」(文部科学省 平成12年9月13日) 抜粋---77

資 料1 8 「茨城県スポーツ振興基本計画」(茨城県教育委員会 平成16年7月)の概要 ---81

資 料1 9 「子どもの体力向上のための総合的な方策について」 (中央教育審議会答申 平成14930日) 抜粋---84

(10)

II

運動部活動の意義 運動部活動の意義

1 意 義

 運動部活動は,学校教育活動の一環として行われており,スポーツに興味と関心を持つ同好の生徒 によって自主的に組織され,より高い水準の技能や記録に挑戦する中で,スポーツの楽しさや喜びを 味わい,豊かな学校生活を経験する活動である。

 この運動部活動は,生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を育て,体力の向上や健康の増進 を図るだけでなく,学級や学年を離れて生徒が自発的・自主的に活動を組織し展開することにより,

生徒の自主性,協調性,責任感,連帯感などを育成するとともに,仲間や教師(顧問)との密接な触 れ合いの場として大きな意義を有するものである。

 これを学校教育活動に位置付け,顧問をはじめとして学校が関与することにより,生徒のスポーツ 活動と人間形成を適切に支援するとともに,生徒の明るい学校生活を一層保障し,生徒や保護者の学 校への信頼感をより高めることにつながっている。さらには,運動部の取組がその学校の一体感や愛 校心を醸成するということも現に認められる。

生涯スポーツの 推進

体力の向上と

健康の保持増進

運動技能水準の 向上

明るく充実した 学校生活の展開

社会性の育成 豊かな人間性の

育成 個性の伸長

学校教育活動における

運動部活動の意義

(11)

2 学 習 指 導 要 領 に お け る運 動 部 活 動 の位 置 付 け 中学校・高等学校学習指導要領 (中学校H10年12月,高等学校H11年3月)

<学習指導要領 第1章 総則 第1款 教育課程編成の一般方針 3 「体育・健康に関する指導」>

3 学校における体育・健康に関する指導は,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上 及び心身の健康の保持増進に関する指導については,保健体育科(「体育」及び「保健」)の時間はもとより,特別 活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家 庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じ て健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

<中・高等学校学習指導要領解説 総則編 「体育・健康に関する指導」(中学校H11年9月,高校H11年12月)>

  このような体育・健康に関する指導は,保健体育科( 「体育」及び「保健」)の時間だけでなく,関連の教科,

(道徳)特別活動や総合的な学習の時間のほか,生徒が自主的・自発的に参加する 運動部の活動なども含めた学校 の教育活動全体を通じて適切に行うことによって,その一層の充実を図ることができる。

小学校学習指導要領 解  体育編(H説 11年5月)

<クラブ活動,運動部の活動>

 クラブ活動,運動部の活動は,スポーツ等に共通の興味や関心をもつ同好の児童によって行われる活動であり,体育の授業で学習 した内容を発展させたり,異なる学級や学年の児童との交流を深めたりするなどの成果が期待される。

 このうちクラブ活動は,今回の改訂では,児童会活動及び学校行事と同様に,学校において適切な授業時数を充てるものとすると していることから,地域や学校の実態等を考慮しつつ,児童の興味・関心を踏まえて計画的に実施することが大切である。

 また,運動部の活動は,主として放課後を活用し,特に希望する児童によって行われるものであるが,児童の能力や適性などを考 慮し,教師などの適切な指導の下に,自発的,自主的な活動が適正に展開されるよう配慮することが大切である。

中学校学習指導要領 解  保健体育編(H説 11年9月)

<運動部の活動>

 運動部の活動は,学校において計画する教育活動で,より高い水準の技能や記録に挑戦する中で,運動の楽しさや喜びを味わい,

豊かな学校生活を経験する活動であるとともに,体力の向上や健康の増進にも極めて効果的な活動である。

 したがって,生徒が運動部の活動に積極的に参加できるよう配慮することが大切である。また,生徒の能力等に応じた技能や記録 の向上を目指すとともに,互いに協力し合って友情を深めるなど好ましい人間関係を育てるよう適切な指導を行う必要がある。

 運動部の活動は,主として放課後に行われ,特に希望する同好の生徒によって行われる活動であることから,生徒の自主性を尊重 する必要がある。また,生徒に任せすぎたり,勝つことのみを目指した活動にならないよう留意する必要もある。このため,運動部 の活動の意義が十分発揮されるよう,生徒の個性の尊重と柔軟な運営に留意したり,生徒のバランスのとれた生活や成長のためにも 休養日や練習時間を適切に設定したり,家庭や地域社会とともに生徒たちを育成する開かれた学校となるためにも必要に応じて外部 指導者を活用したりするなど,生徒の能力・適性,興味・関心等に応じつつ,適切な活動が行われるよう配慮して指導することが必 要である。このことによって,運動部の活動が生徒の「生きる力」の育成に大きく貢献できるものと考える。

 なお,従前の特別活動のクラブ活動が,放課後等の部活動や学校外活動との関連,今回創設された「総合的な学習の時間」におい て生徒の興味・関心を生かした主体的な学習活動が行われることなどから,今回の改訂で廃止された。したがって,運動部の活動に ついては,従前にも増してより適切に行われるよう配慮する必要がある。

高等学校学習指導要領 解  保健体育編(H説 11年12月)

<運動部の活動>

 運動部の活動は,学校において計画する教育活動で,スポーツ等に興味と関心をもつ同好者が運動部を組織し,より高い水準の技 能や記録に挑戦する中で,スポーツ等の楽しさや喜びを味わい,豊かな学校生活を経験する活動である。また,この活動は,生涯に わたって親しむことのできるスポーツ等を見いだす格好の機会であるとともに,活動の時間数,計画性,継続性から考えると,体力 の向上や健康の増進にも極めて効果的な活動である。

 したがって,生徒が運動部の活動に積極的に参加できるよう配慮することが大切である。また,生徒の能力等に応じた技能や記録 の向上を目指すとともに,互いに協力し合って友情を深めるなど好ましい人間関係を育てるよう適切な指導を行う必要がある。

 運動部の活動は,主として放課後に行われ,特に希望する同好の生徒によって行われる活動であることから,生徒の自主性を尊重 する必要がある。その一方で,勝つことのみを目指した活動にならないよう留意する必要がある。そのためには,運動部の活動の意 義が十分発揮されるよう,生徒の個性の尊重と柔軟な運営に留意したり,生徒のバランスのとれた生活や成長のためにも休養日や練 習時間を適切に設定したり,家庭や地域社会とともに生徒たちを育成する開かれた学校となるためにも必要に応じて外部指導者を活 用したりするなど,生徒の能力・適性,興味・関心等に応じつつ,適切な活動が行われるよう配慮して指導することが必要である。

このことによって,運動部の活動が生徒の「生きる力」の育成に大きく貢献できるものと考える。

 なお,従前の特別活動のクラブ活動が,放課後等の部活動や学校外活動との関連,今回創設された「総合的な学習の時間」におい て生徒の興味・関心を生かした主体的な学習活動が行われることなどから,今回の改訂で廃止された。したがって,運動部の活動に ついては,従前にも増してより適切に行われるよう配慮する必要がある。

(12)

3 運 動 部 活 動 の 課 題

 運動部活動は,教育活動の一環として,学級や学年を離れて子供たちが自主的・自発的に活動を組織 し展開されるものであり,児童生徒の心身の発達や仲間つくり,教科を離れた教員との触れ合いの場と して意義を有しているものである。しかし,時代の進行と社会の変化に伴い生徒の意識と価値観は多様 化してきており,運動部活動をとり巻く環境には運動部活動を推進していくための課題となる要因が 多々存在している。

課題

(1) 適正な活動量。(スポーツ障害,バーンアウト,ドロップアウト等の防止)

(2) 顧問の実技指導力の向上。(スポーツ外傷,スポーツ障害の防止)

(3) 今後の部員数や教員(顧問)数の減少,顧問の高齢化等への対応。(スポーツニー ズへの対応)

(4) 生徒の志向に対応した活動内容。(競技志向と楽しみ志向の共存)

(5) 完全学校週5日制における運動部活動の在り方。(地域スポーツとの連携)

学   校

自己 実 現 努力

学校教育活動 指導者

顧問の異動

専 門 的 し た 指 導 者 不足

多様な欲求

経済的負担

上 主

み 志 向

学 校5 日

合 理な 指 な 指

な 活 動

競技志向者 部活離脱

転部・移籍 バ ー ン ア ウ

部活離れ

生徒数の減少

運 動

部 活

(13)
(14)

IIII

学校週5日制の趣旨を踏まえた運動部活動の在り方 学校週5日制の趣旨を踏まえた運動部活動の在り方

4 学 校 週 5 日 制 の 趣 旨 と 運 動 部 活 動

 学校週5日制は,児童生徒の家庭や地域社会での生活時間の比重を高めて,主体的に使える時間を 増やし,「ゆとり」の中で,学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ,それぞれの教育機能を発揮 する中で,自ら学び自ら考える力や豊かな人間性,たくましく生きるための健康や体力などの「生き る力」をはぐくむものである。

 平成8年7月に発表されたこれからの我が国の教育の在り方を示す第15期中教審第一次答申では,

家庭や地域社会における教育の充実,学校,家庭,地域社会の連携や相互補完などにふれている。そ して「開かれた学校」を提言し,地域の教育力を学校に生かすことに積極的であってほしいと述べて いる。

 このような21世紀を展望した教育の方向性を踏まえ,学校の運動部活動もこれらに対応して変容す ることが求められているところであり,下記のような視点で,運動部活動が改善されることが考えら れる。

5 新 し い 視 点 に 立 っ た 運 動 部 活 動 の 展 開 (1) ゆとりある運動部活動

 スポーツ障害の予防や生徒のバランスのとれた生活と成長の確保などの観点を踏まえると,行き これからの教育

生涯学習社会へ

「ゆとり」の中で

「生きる力」をはぐくむ

学校,家庭,地域社会のバランスのとれた教育  ○家庭や地域社会の教育を充実

 ○学校・家庭・地域社会の連携,相互補完

☆社会全体と子供の生活にゆとりを確保  ○社会体験や自然体験の機会の拡大

そのために

生き る 力 と は

 自分で課題を見つけ,自ら学び,

自ら考え,主体的に判断し,行動 し,よりよく問題を解決する能力

 自らを律しつつ,他人と協調し,

他人を思いやる心や感動する心な ど豊かな人間性とたくましく生き るための健康や体力

学 校 週 5 日 制

運 動 部 活 動 の 新 し い 視 点

○「生きる力」をはぐくみ,生涯スポーツにつ ながる運動部活動

○家庭や地域社会の中で過ごす時間や機会を保 障するゆとりある運動部活動

○短時間で効率良く練習する運動部活動

○保護者や地域の人々に対する「開かれた運動 部」

○必要に応じて外部指導者を活用する運動部活

地域スポーツとの連携を図り,多様な生徒の スポーツニーズに応える運動部活動

近隣の学校と合同で運動部を組織し,日常の 活動を行う複数校合同運動部活動

1つの競技種目に専念するのではなく,多種 目の競技種目を設定し,季節等によって競技 種目を変えられる総合運動部活動

(15)

 また,学校週5日制の趣旨を踏まえ,児童生徒や保護者の意向,学校や地域の実態等に応じて,

活動日や休養日を設定することが望ましい。

 具体的には,次に示すような運動部活動の休養日の設定が考えられる。

〔運動部における休養日等の設定例〕(参考)

・土曜日または日曜日を「休養日」として学校全体で統一して設定。

・月~金の間に「休養日」を学校全体として統一して設定。

・練習試合や大会への参加など土曜日や日曜日に活動する必要がある場合は,休養日を他の曜日 で確保。

・各部で話し合い,活動場所を有効利用できるよう交代で休養日を設定。

・各部ごとに1週間の中に1~2日の休養日を設定。

・長期休業中の活動については,上記の学期中の休養日の設定に準じた扱いを行うとともに,あ る程度長期のまとまった休養日を設け,生徒に十分な休養を与える。

 なお,今後さらに科学的,合理的なトレーニングと効率のよい練習を工夫し,短時間であっても 充実した運動部活動が展開されるよう努力する必要がある。

(2) 「生きる力」をはぐくむ運動部活動

 これからの学校教育は,「生きる力」の育成を基本とし,教え込む教育から,自ら考え,自ら課 題を解決していく全人的な力を育てることへ転換することを目指している。そして,生涯学習社会 を見据え,学校ですべての教育を完結するという考え方でなく,生涯学習の基礎づくりを重視する 方向にある。

 学校教育の一端を担う運動部活動は,生徒の自発性に基づいて集まった集団であり,主体的に考 え解決していく知恵と,体力,気力という「生きる力」を育てる有効な場となり得るものである。

 また,学級という同年齢集団で学校生活のほとんどの時間を過ごす生徒たちにとって,運動部活 動は異年齢集団の中でどう生きるかを考え,学ぶ,貴重な体験の場でもある。そのためには顧問教 師の意図的活動の支援が必要である。

(3) 運動部活動と地域社会との連携 ア外部指導者の活用及び地域スポーツクラブとの連携

 中教審の提言では,「部活動は,教育活動の一環として,学級や学年を離れて子供たちが自発 教育課程内の活動(学校教育法施行規則に基づく領域)

①各教科

②道徳(小・中学校)

③特別活動

 ・学級活動(小・中),ホームルーム活動(高)

 ・生徒会活動(中・高),児童会活動(小)

 ・クラブ活動(小)

 ・学校行事

④総合的な学習の時間

教育課程外の活動(学校が計画する領域)

①運動部活動

 ・生涯スポーツの基礎

 ・主体的に判断し行動する能力育成

 ・人間性の育成(協調性,忍耐力,集中力・・)

 ・健康,体力向上・・・

②文化部活動

③その他の活動

・休み時間,登下校中,寄宿舎,その他

学校の教育活動

学   校   管   理   下   の   範   囲

『生きる力』

「生涯学習の基礎」

(16)

的・自主的に活動を組織し展開されるものであり,子供の体と心の発達や仲間づくり,教科を離 れた教員との触れ合いの場として意義を有しているものである。しかしながら,学校が全ての子 供に対して部活動への参加を義務づけ画一的に活動を強制したり,それぞれの部において,勝利 至上主義的な考え方から休日もほとんどなく長時間にわたる活動を子供たちに強制するような一 部の在り方は改善を図っていく必要がある。また,地域社会における条件整備を進めつつ,指導 に際して地域の人々の協力を得るなど地域の教育力の活用を図ったり,地域において活発な文 化・スポーツ活動が行われており学校に指導者がいない場合など,地域社会にゆだねることが適 切かつ可能なものはゆだねていくことも必要であると考える。」と外部指導者の活用や地域ス ポーツクラブとの連携について述べている。(I115(2)()資料14 参照)

 

イ外部指導者の活用上の留意点

 外部指導者を活用する場合には,以下に示すような点に留意し,その指導者と顧問及び学校側 が十分な連携を図りながら,教育の中における運動部活動のねらいがより効果的に達成されるよ う配慮しなければならない。(IQ115(2)ア(ア)資料12 参照)

(ア) 運動部活動における指導の中心となるのは,あくまでも顧問(教師)であることを踏 まえておく。

() 外部指導者選定の上ではスポーツの専門的技術指導の面だけでなく,人間性や学校教 育への理解など,多方面の資質について十分検討することが重要。

() 採用,活用について学校長の承認を得ること。

() 事前にその指導者と十分な打ち合わせを行うこと。

(オ) 活用期間中も定期的に打ち合わせを行い,外部指導者が顧問と一致した方針を持って 指導にあたれるようにする。

〔打ち合わせ内容:例〕 ・生徒の実態 ・部の運営方針

・学校の実情 ・部の練習計画

・学校の教育方針 ・活動場所

・外部指導者の指導や関わりの範囲 ・指導期間,指導日

・事故防止について ・指導時間

・謝礼,その他 ・指導内容

ウ運動部活動活動への支援措置

 茨城県教育委員会では,平成元年度から専門的実技指導者の不足している県内の中・高等学校 の運動部を対象に外部指導者を派遣するとともに,平成4年度から運動部活動指導者研修会を開 催して顧問教員の指導力の向上に努めている。

 また,市町村においても外部指導者の活用が事業化されており,今後,校外の運動施設の活用 も含めた学校と地域の連携が一層促進されることが望まれる。

 なお,県教育委員会内に,県民のスポーツ活動の普及・発展を図るために有能なスポーツ活動 指導者の登録・紹介等を行う「茨城県スポーツリーダーバンク」(I115(2)()資料13 参 照)が設置されている。

(17)

IIIIII

運動部活動の運営 運動部活動の運営

6 指 導 体 制 の 確 立

 運動部活動は,生徒の心身の健全な育成と豊かな人間形成を図るうえで,極めて重要な教育活動で あり,生涯スポーツの基礎を培う活動としても重要である。

 学校では,教育目標の具現化を図る視点で校務分掌に適切に位置付け,活動目標等を明確にしてい くことが大切である。

7 顧 問の 役 割

 部活動は,学級や学年を離れ,生徒と密接に交流できる重要な場である。日々の部活動において生 徒と一緒に汗を流し,話し合い,励まし合い,高め合っていくことで,担任や保護者にはできない触 れ合いが顧問ならできるなど,授業とは異なる人間関係や生徒理解を深めることができる。また,卒 業生が何年たっても顧問を慕って交流を続けているという話もある。このような部活動を通して,

日々成長していく生徒の充実感あふれる姿に直接触れることができることは,何物にも代えがたい喜 びである。

 具体的な活動場面では,顧問が最初から最後まで指導することが基本であるが,状況によっては,

5分でも10分でも指導し,生徒にその日の活動内容や注意事項を的確に指示し,励ましの声をかけて やるだけでも生徒は喜んで自主的に活動する。また,指導していく上で分からないことがあれば,そ の都度身近にいる同じ学校の教員に相談したり,同じ種目を指導している他校の顧問や競技団体の関 係者などと積極的に交流したりして指導力を高めていくこともよい。

 一方,最近はスポーツの専門書が数多く出版されている。顧問自ら専門書をひも解きながら,指導 校  長

教  頭

生徒指導部・特別活動部等 教務部・保健指導部等

運営委員会 職員会議

運動部活動顧問会議

(連絡・調整) ・運動部活動方針の確認

・運営上の諸問題についての協議および検討

(18)

力を高めていく努力も大切であり,その積極的な姿勢が生徒に及ぼす影響には計り知れないものがあ る。また,生徒同士がお互いに教え合い,学び合うシステムづくりも大切である。専門書などを通し て練習の仕方や指導法についてある程度の力量を生徒が身に付けていくことは,生涯スポーツ社会に おける部活動の大切なねらいの一つでもある。

  顧問の役割

・年間活動等の計画の作成 ・広報活動(部活動通信等)

・施設・用具の管理と指導 ・部会の開催・運営

・部予算の確保と管理 ・顧問会議への出席

・部員名簿の作成 ・部員の事故防止と安全指導

・部員の健康管理 ・保健室や医療機関との連携

・実技指導 ・保護者会との連携

・部活動日誌等の活用と整理 ・地域団体との連携

・大会への引率 ・中体連・高体連との調整

8 運 動 部 活 動 運 営 の 配 慮 事 項

 運動部活動を適切に運営するためには,次のような事項について配慮することが大切である。

(1) 民主的な運営

(2) 好ましい人間関係の育成 (3) 運動部活動と学習の両立 (4) 科学的合理的な練習方法の工夫 (5) 事故防止

(1) 民主的な運営

生徒が積極的に運動部活動に参加し,楽しく継続的に活動できるようにするために,計画,実 践,評価のすべてに生徒が参加できるようにするとともに,一人一役,役割分担等に配慮し,生徒 一人一人が意欲的に取り組めるような民主的な運営が大切である。

ア活動組織の例

顧問

部長(主将)

副部長 副部長

救護係 技術係 用具係 練習計画係 記録係 試合計画係

・応急手当 ・技術指導 ・用具の点検,管理 ・ 大会日程に基づ

 練習計画の 立 ・毎日の練習記録

全体ミーティング

・ 練 習合 の

(19)

イリーダーの位置付けと役割

ウリーダー養成研修会について 全体のリーダー

(部長・主将)

部全体のまとめ

練習計画と実践

他の部(長)との連携 好ましい人間関係の確立

・チームワークの醸成

・副部長,各係長との連携

・チームワークの醸成

・副部長,各係長との連携

試合等の結果報告

・練習計画の作成,確認,反省

・出欠確認,健康観察,安全配慮

・ミーティングの実施

・練習計画の作成,確認,反省

・出欠確認,健康観察,安全配慮

・ミーティングの実施

・部長会議への参加

・部長会議への参加

・部員の悩み等の相談

・部員の悩み等の相談

・試合の反省,課題の設定

・試合の反省,課題の設定

種 目・ ポ ジ シ ョリ ー ダー

種目別・ポジション別練習 の計画と実践

部長,他の種目別ポジショ ン別リーダーとの連携

・練習計画の作成,確認,反省

・出欠確認,健康観察,安全配慮

・ミーティングの実施

・技術的なポイントの指導

・練習計画の作成,確認,反省

・出欠確認,健康観察,安全配慮

・ミーティングの実施

・技術的なポイントの指導

・練習内容,場所の確認・調整

・練習内容,場所の確認・調整

リーダーの資質向上

各運動部間の共通理解 講話

実技

各部の交流・情報交換

・リーダーの在り方

・好ましい人間関係の在り方

・自主的運営の在り方

・生理学,栄養学,トレーニング理論

・顧問,外部講師による経験談等

・リーダーの在り方

・好ましい人間関係の在り方

・自主的運営の在り方

・生理学,栄養学,トレーニング理論

・顧問,外部講師による経験談等

・応急手当,スポーツマッサージ等

・応急手当,スポーツマッサージ等

・効果的な練習方法の紹介

・不安や悩みについての話し合い等

・効果的な練習方法の紹介

・不安や悩みについての話し合い等 研修会

ねらい

(20)

(2) 好ましい人間関係の育成

 好ましい人間関係を育成することは,部活動運営を円滑にする上で大変重要なことである。

ア生徒と顧問のかかわり

 運動部活動において顧問の指導は,生徒の取組に大きく影響し,その成果を左右するものであ る。

 指導に当たっては,下の図のような場や機会をとらえて,きめ細かにかかわり合っていくこと が望ましい。

イ生徒同士のかかわり

 好ましい上級生・下級生の関係

・一人一役の民主的な部活動

・お互いの意見交換ができる部活動

・率先垂範のできる上級生

・上級生から学べる下級生

・悩んだとき助け合うことができる部活動

・互いに競い合える部活動

・よいところを認め合える部活動

信頼関係の確立

生徒 顧問

実態把握 ミーティング 部活動日誌 心の交流

○一人一人を知る

経 験 , 健 康 ,学習面,生活 態度等

・保護者の願い,要

○個に応じたねらい をもたせる

, 興, 関 心,能力から

・チーム内での役割 から

○顧問の体験談

・失敗談,苦労話,

感動したこと等

○技術アドバイス

・基礎基本。戦術,

作戦,ルール等

○精神面

・忍耐力,集中力,

シャー等

○マナー・態度

・あいさつ,チーム ワーク,時間の使 い方等

○励まし,称賛

○部日誌

・活動内容の確認,

健康状態の把握,

課題確認

○個人ノート

・技術的アドバイス

・精神的アドバイス

・悩みのアドバイス

・顧問への質問

○班ノート

・技術的アドバイス

・精神的アドバイス

・悩みのアドバイス

・顧問への質問

○生徒から見た顧問 の存在

・指導者

生き方,考え方を学 び,尊敬される存

共に技術を磨き合い, 目標とする存在

・相談相手

悩みや不安を取り除 き,頼れる存在

学び合い 助け合い 認め合い 上

生 下級生

(21)

ウ生徒をとりまく環境とのかかわり

運動部活動に関わる諸問題を解決するに当たっては,生徒をとりまく諸環境に働きかけていく ことが大切である。

(3) 運動部活動と学習の両立

運動部活動と学習の両立については,多くの生徒が悩み,その解決について努力している。両立 のためには,生徒の実態を踏まえた練習を計画し,短時間で効果の上がる方法等を工夫するなどし て学習時間の確保に努めることが大切である。

また,入部,転・退部等についても生徒の側に立って適切に対応することが大切である。

ア両立を阻害する要因と対応

学級担任

顧問 保護者

生徒

○入部届け  ・健康状態   ・勉強との両立    ・友人関係の悩み

○活動の様子  ・意欲・活躍   ○友人関係   ○活動の様子

   ・意欲・活躍

○友人関係

励まし 励まし

○部活動への希望・不安  ○勉強との両立  ○協力・要望

○部の経営方針  ○部活動だより  ○援助・協力

○学級生活の様子

・授業態度  

・当番活動  

・学習との両立

・健康状態  

○学校行事への参加    

○学年会での話題      

○養護教諭から        

○本人の悩み      

部 活 動 だよ り

保 護 者

・ 生

○顧問の願い

○生徒の紹介

○保護者へ協力してもらいたいこと

○練習の様子(頑張っている生徒の紹介など)

○練習計画(月間,週間)

○試合日程(公式大会,練習試合)

○試合結果,大会結果の報告

○部活動と勉強の両立についてのアドバイス

○活動についての要望

○悩み,不安

○家庭での様子

○学習との両立

精神的・肉体的な疲労

学習時間等の不足

○生徒の体力・健康状態に合った練習の内容と量の工夫

○疲労回復のための体操・ストレッチの工夫

○練習計画(年間,月間,週間)での練習量の調整

○定期的な休養の設定(週に1日は活動しない日の設定)

○休養の取り方のアドバイス

○楽しく活動できる雰囲気づくり

○すべての活動において時間を守る習慣をつける

○練習開始と終了の時刻を守る

○下校指導(練習終了後,すぐに下校させる)

○学習計画を立てさせる

〈要 因〉 〈対 応〉 〈顧問・保護

者〉

練 習 の 工夫 援助 支援

(22)

イ入部と転・退部への対応

運動部活動を行っていく上で,生徒は人間関係のトラブルや技術面の悩みなど多くの問題に直 面することがあるが,このような機会をとらえてよりよい運動部活動と生徒のかかわりを指導し ていくことが大切である。

(ア) 入部

(イ)転部・退部について

話し合い 転・退部届 新たな方向 保護者・学級担任のアドバイス

自己を知る 選択 決定

自己診断 部活動紹介 部活動見学 体験入部・仮入部 正式入部

〈生徒が部決定に至るまでの留意事項〉 入部届け

・過去の経験 ・各部の発表 ・練習の方法,量を見る

・興味・関心 ・PR(展示・掲示) ・部の雰囲気をつかむ

・能力・適正 ・顧問の指導の様子を見る

充 実し た学 校 生 退部・転部の申し出 活

・保護者  悩み

・本 人  問題・障害

・顧問

・学級担任

・友人

・養護教諭

・保護者

・転部先の顧問

・転部先の友人

・継続

・転部

・退部

観察 励まし

(23)

(ウ) 入部申込書,転・退部届の例     部活動入部申込書

 年 組 番 生徒氏名       保護者氏名     印 住所         

  ( )      入部する部

平成 年 月 日

   学級担任 殿      担任印         顧問殿    顧問印 保護者の考え

  部活動転部届

 年 組 番 生徒氏名       保護者氏名     印 住所         

  ( )     

部⇒ 部

理由

決 裁 中

前顧問      印 学級担任         印

(   )部顧問     印

   

(4) 科学的・合理的な練習方法の工夫

 選手やチームの育成を図るためには,部員の体力の向上を図るためのトレーニング論,技術,戦 術を向上させる専門的指導技術,医・科学に関する知識が必要となる。

 学校における運動部活動は,生徒の身体的な発育・発達や活動の意識を踏まえて運営されなけれ ばならない。このような視点から,練習計画の立案やシステムの開発は大切である。

 専門的な指導者が不足している状況下においては,地域における専門的な知識や技術を有した指 導者の活用を図りながら効率的な練習を展開していくことが重要である。

〈留意事項〉

過 熱 指 導

 勝利至上主義や極端な精神主義に基づいた指導のことで,旧体質の運営による非 民主的な上下関係や閉鎖性,顧問による体罰,しごき,部の私物化等,社会的な非 難や誤解を招く状態も生まれやすい。

バ ー ン ア ウ ト

 「燃えつき症候群」などと俗に言われている部活動への取り組みの一つで,すべ てを投げ打ち一時期に没頭し過ぎるあまり,上級学年や上級の学校へ行ってからも 部活動を続けようとする意欲がなくなってしまうこと。

ドロップア ウ ト

 「離脱」とも言われ,過熱した活動,体力技術的限界や疲労の蓄積,学業成績の 低下,スポーツ観・価値観の相違,教師や部員間の人間関係上のトラブル,親の反 対等を理由に所属していた部をやめること。

ト ラ ン ス ファー

 「転部」や「移籍」とも言われ,志向の変化や新しい価値観の芽生え,新しい友 や仲間の出現,新たな適性の発見等により,所属した部を離れ,他の運動部や文化 部へ移ること。

(5) 事故防止

 学校における教育活動が,安全かつ効果的に行われるために,安全指導と安全管理の両面から教 師に注意義務が求められる。

 運動部活動の指導にあたっては,安全を最優先課題としてとらえ,事故防止には万全を期さなけ ればならない。

 また,生徒自身が危険を予知し,克服する能力と態度を身につけるよう指導することも大切であ る。

〈安全指導・安全管理のポイント〉

部活動退部届

 年 組 番 生徒氏名       保護者氏名     印 住所         

  ( )      退部する部

平成 年 月 日

   学級担任 殿      担任印         顧問殿    顧問印 理由

(24)

1 生徒の日常の健康度・健康診断の結果の把握 2 緊急時の連絡体制の確立

3 適切な練習時間・練習量 4 安全にできる服装・用具 5 施設設備の整理整頓

6 練習場の広さ,衛生面の配慮

(25)

IVIV

 活動計画の作成と実践指導例  活動計画の作成と実践指導例

 活動計画を作成するに当たっては,学校教育活動のサイクルと合致するような年間計画,月間計画,

週間計画等を立てて計画的に進めるようにする。競技志向者と楽しみ志向者が共存し楽しく充実した運 動部活動を展開していくためには,練習内容の精選や練習方法を工夫・改善し,生徒の意欲を引き起こ し,一人一人が充実した運動部活動となるように配慮する必要がある。

9 活 動 目 標 の 設 定

学校目標の具現化のための運動部活動の運営方針を策定し,その方針に基づいた各運動部の活動目 標を作成していく必要がある。その際,顧問の指導理念だけでなく,保護者の要望や一人一人の生徒 の適性等を十分に踏まえて立案することが大切である。

1 0 活 動 計 画 の 作 成

(1) 活動計画作成上の基本的な考え方 ア学校行事,大会(試合)等の日程等を考慮

イ練習内容等について生徒理解を踏まえた立案と実施

ウ環境(施設,用具,人数,地域の立地条件等)を踏まえた立案と実施 エ生徒の実態(体力,技術,意欲,経験,体調等)を踏まえた立案と実施 オ保護者,地域との連携を図る

カ休養日の設定

学校教育目標

運動部活動運営方針

各運動部の活動目標

生徒の実態

顧問の指導理念 保護者の願い

個人の活動目標 競

面 技能面 生活面 体力面 精神面 運 動 部 活 動 の 活 動 目 標 の 立 て 方

(26)

(2) 年間計画例

平成○年度   ○ ○ 部 活 動 計 画 目

月 行事等 1

年 2 年

3 年 4

入学式

仮入部・見学会 地区春季大会

基 礎 準 備 期

専 門 準 備 期

 

専 門 鍛 錬 期

完 成 5 関東大会県予選 期

6 全国大会県予選 関東大会

基 礎 鍛 錬 期

基 礎 鍛 錬 期

試 合 期 7 夏季休業

8 全国大会 夏季合宿

9 地区秋季大会

1

0 秋季大会

各種学校行事 1

1 新人大会

1

2 冬季休業

年末 1 年始

3 卒業式 春季休業

各期における生徒・顧問の活動概要

期 生徒 顧問

基 礎 準 備 期

一般体力トレーニング ルール,練習法等学習 見学主体の活動 体力養成

意欲の向上

トレーニング計画立案 練習場所等の確保 リーダーの養成 実態の把握

基 礎 鍛 錬 期

練習内容等の理解 基本動作の練習 体力トレーニング

(量の増加)

基本的練習計画の指導 基本的技能の練習計画立案 リーダーの養成

専門的トレーニング計画 立案

専 門 準 備 期

基本的技能の練習

(部分練習)

専門的トレーニング

練習強度の調整 課題練習計画立案 専門的トレーニング指導 リーダーの指導

専 門 鍛 錬 期

専門的技能の練習 専門的トレーニング 総合的練習

略的練習計画立案 戦

課題練習指導 リーダー指導

完 成 期 試 合 期

総合的練習

( 略的練習)戦

総合的練習指導 課題指導 全体活動の総括

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