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重篤な感染症へのアプローチに関する研究

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Academic year: 2022

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厚生労働科学研究費補助金

新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業

(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)

「医療機関における感染制御に関する研究」

分担研究報告書

   

重篤な Clostridium difficile 感染症へのアプローチに関する研究   

研究分担者  中村  敦 

  (名古屋市立大学大学院医学系研究科  共同研究教育センター  病院教授) 

   

研究要旨  

重篤なClostridium difficile 感染症に対する速やかな治療開始、院内感染対策の遂行のために は迅速かつ的確な診断が不可欠である。今回毒素遺伝子迅速検出法を検証し、その有用性を確認し た。また一般に重症例が多いとされる Binary toxin 遺伝子陽性のC.difficileを検出した CDI 患 者を解析し、欧米における指標との類似性を確認した。 

CDI に関し新たに発表されたガイドラインを参照し、重症例、難治例に対する治療戦略、感染予 防のアプローチを検索した。今後、これらの指針を我が国の臨床疫学解析のデータと照合し、我が 国独自の指針を策定する必要がある。

     A. 研究目的 

我が国における CDI の診断法、重症化予測の ための評価基準、重篤な CDI 患者に対する治療 戦略、感染管理対策を確立する。 

 

B. 研究方法 

  感度の低い従来の毒素検出キットに代わる 糞便検体の毒素遺伝子迅速検出法の有用性を 検証する。また重症化予測の指標となる臨床デ ータについて検証する。 

重症例,再発例に対する抗C.difficile薬の選 択基準、手術適応について海外の治験を検索す る。また再発例に対する新たな治療戦略、院内 感染拡大防止のための感染予防策の新たな考 え方を検索する。 

 

C. 研究結果 

毒素遺伝子迅速検出法について、培養保存菌 株の菌液および臨床材料を用いて検証し、分離 菌の PCR 法による毒素遺伝子の検出結果と前者 では 100%、後者では 93%の一致がみられた。 

重症化予測の指標として、文献的に①低アル ブミン血症、②白血球増多、③血清乳酸値の上 昇 

④高熱、⑤腹部所見、⑥臓器不全、⑦ショッ ク、⑧イレウス、⑨意識障害の合併、⑧ribotype

(O27,O78)などが報告されている。これらの   

   

因子について自施設における Binary toxin 遺 伝子陽性のC.difficileを検出した CDI 患者を 重症度で比較検討した結果、①低アルブミン血 症、②白血球増多、④高熱が該当し、その他に 菌量の多いこと、キノロン耐性などの関与が示 唆された。 

重症例の治療については、 Vancomycin と静 注用 Metronidazole の薬物併用療法のほか、全 身管理や積極的に合併症を検索し手術適応を 判断することが示されていた。 

再発例に対しては VCM のパルス治療、漸減療 法や他剤との併用、本邦未承認の Fidaxomicin や Tolevamer の投与などが挙げられ、さらには 腸内細菌移植の有用性が示されていた。 

院内感染拡大防止のための感染予防策の新 たな考え方として、基本的な院内感染の予防戦 略と、これでコントロールできない場合の特別 な戦略を分けたアプローチが提唱され、後者は 施設や状況によって段階的に追加するアプロ ーチも提案されていた。 

  D. 考察 

CDI の重篤化、死亡を回避するための治療開 始や感染対策の遂行を速やかに行うために、的 確な診断法が望まれている。今回検証した毒素 遺伝子検出法は迅速性、良好な感度、特異度に 優れ、今後我が国における CDI 診断の向上への 貢献が期待される。 

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54 重症化予測の指標について、今回、一般に重 症例が多いとされる Binary toxin 遺伝子陽性 のC.difficileを検出した CDI 患者の自験デー タを解析し、欧米における指標との類似性を確 認できた。今年度は,わが国で 2 つの大きなス タディによる臨床疫学データが収集された。今 後のこれらの解析結果を参考に、我が国におけ る重症化予測の指標を見いだすことができれ ばと期待している。 

今回新たなガイドラインを参照し、重症例、

難治例に対する治療戦略、アウトブレイクなど 平常時と異なる CDI の感染予防の戦略を検索し た。先に述べた我が国のデータ解析と照合し、

我が国でのこれらの指針の妥当性を検証する 必要がある。 

  E. 結論 

  重症例、難治例、再発例の適切な診断と病状 把握の基準、治療戦略路と感染対策なについて、

我が国のデータ解析に基づく指針の策定が急 務である。 

G. 研究発表  1. 論文発表 

特になし  2. 学会発表 

1. 名古屋市立大学病院における binary  toxin 遺 伝 子 陽 性 Clostridium  difficile 検出症例の検討‐第 2 報.

第 44 回 日 本 嫌 気 性 菌 感 染 症 学 会

(2014.2,那覇) 

2. Clostridium difficile 感染症治療の 最 近 の ト レ ン ド − Clostridium 

difficile 感染症の新たな診断法.第

57 回日本感染症学会中日本地方会総 会(2014.10,岡山). 

3. Clostridium difficile 感染症対策−

どう治療するか? 第 27 回日本外科感 染症学会(2014.12,東京) 

 

H. 知的財産権の出願・登録状況  特記すべきことなし。 

 

参照

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