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Academic year: 2021

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(1)

論文内容要旨(乙)

Ethanol‑induced  apoptosis  in  human  liver  adenocarcinoma cells  (SK‑Hepl):  Fas‑and mitochondria‑mediated pathways and interaction  with MAPK signaling system.  (SK Hepl

細胞の

Fas

およびミトコンドリ ア経路を介するエタノール誘導性アポトーシスにおける

MAPK

情報伝達の 関与)

Toxicology in vitro  (2013

)掲載予定

病理系薬理学(医科薬理学分野) 森尾 由利

[目的]

過剰なアルコール摂取はさまざまな肝疾患の原因となり、年間死亡者数は

2 0  0

万人にものぼる。エタノールよる肝障害には、活性酸素種(

ROS

)の 過剰生成および酸化ストレスで誘導されるアポトーシスが関与している。

また、近年、エタノールが

mitogenactivated protein kinase(MAPK

) カ スケードを含む細胞内シグナル伝達経路に作用するこが報告された。そこ で、本研究ではアルコール代謝活性を有するヒト肝癌樹立細胞株である

SK‑Hepl

細胞を用いて、

Fas

およびミトコンドリアを介するエタノーノレ誘 導性アポトーシスにおける

MAPK

の関与を検討した。

[方法]

本実験には、ヒト肝癌細胞(

SK‑Hepl

)および

Fasdeath receptor

の細胞内

adapter

分子である

Fas‑associated death domain  (FADD

) を

dominant negative

とした細胞(

dFADD‑SK‑Hepl

細胞)を用いた。抗酸化剤(

N acetyl  L‑cysteine:  NAC

)および

MAPK (JNK,  p38MAPK,  ERK

)阻害剤を

SK‑Hepl

細胞に、

1

時間処理し、

200mM

エタノールとともに、さらに、

37

℃で

5

時 間培養した。アポトーシスの検出には、

annexin V.

蛍光染色

Single stranded DNA  (ssDNA

、 )

caspase

活性を測定した。さらに、

ROS

、ミトコ

ンドリア膜透過性遷移(

MPT

),アポトーシス関連タンパク質である

Bax

Bcl‑2

濃度および

MAPK

活性化能を測定した。

[結果]

エタノール処置で

annexin  V

による染色が観測され、

ssDNA

および

caspase 3

活性の増加により

apoptosis

誘発が認められたが、

NAC

の前処

置により抑制された。しかし、

dFADD‑SK‑Hepl

細胞は、

wildSK Hepl

細胞

(2)

に比べエタノーノレ処置による ssDNA および caspase‑3 活性の増加が抑制さ れていた。さらに、 ROS 、 p38MAPK および JNK 活性は、エタノーノレ存在下 では有意に増加したが、 ERK 活性には影響しなかった。 NAC 前処理により、

ROS 、 p38MAPK および JNK 活性増加は抑制されたが、 p38MAPK および JNK 阻害剤による前処理は, ROS 生成の増加を抑制しなかった。また,エタノ ール存在下で MPT は約 1 / 2 に低下し、 Bax の増加、 Bcl‑2 の低下が認めら れたが、 NAC 、 p38MAPK および JNK 阻害剤の前処理によりいずれの変化も 抑制された。

[考察]

SK‑Hepl 細胞のエタノーノレ処置により、 ROS の産生が増加し、アポトーシ スが誘導されることが認められたが、それらは抗酸化剤による前処置で抑

制された。

3

種 類 の 臥 PK のうちエタノール誘導性アポトーシスに関与す

るのは、 p38 旧PK と JNK であると推察された。また、 p38MAPK と JNK 阻害 剤による前処置は、ミトコンドリアを介するアポトーシスを抑制したが、

ROS 産生増加に影響を与えなかったことから、エタノーノレによる ROS 産生 増加は、 MAPK 作用の上流で起きていると推察された。

以上より、エタノーノレ誘導性酸化ストレスは、 p38MAPK と JNK を活性化し、

この 2 つの MAPK が、ミトコンドリア媒介性アポトーシスを促進している ことが示唆された。

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