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平成17年度科学研究費補助金(学術創成研究費)推薦書

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Academic year: 2021

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様式1 平成17年度科学研究費補助金(学術創成研究費)推薦書

該当領域(○で囲んで下さい。

1.人文・社会系  ②.理工系  3.生物系 4.学際(      系・      系・      系)

1.推薦研究テーマ(40字以内)

      量  子  情  報  通  信

2.推薦理由

(推薦の観点として該当するものひとつにチェックをしてください)

創造的・革新的・学際的学問領域を創成する研究

社会・経済の発展の基盤を形成する先見性・創造性に富む研究

国際的に対応を強く要請される研究

(研究テーマの推薦理由、本研究費で推進する必要性、意義について、上記の推薦の観点に即し て記入してください)

コンピュータネットワークの発展により、情報通信は現代社会において必須のものに なっているが、反面、セキュリティなどに大問題を生じつつある。情報通信は国際レベ ルで多岐にわたる形態で利用され、個人情報の秘匿、認証や署名、企業における商活動、

自治体や国家における秘密情報管理などにおいて、それは安全であり、かつ個人が安心 できるものであることが、もっとも重要である。しかし、昨今の技術展開はそれを許さ ない状況である。これに対処するには法秩序の形成、個人の倫理観の涵養は言うまでも なく必要であるが、同時に、ネットワークをハード的にもソフト的にも頑強なものにす ることが課題となっている。従来の暗号通信技術として知られている共通鍵方式(

DES

など)や公開鍵方式(

RSA

など)はソフトウェアによるものであり、これはコンピュー タの高速化を利用した解読者の知恵との「いたちごっこ」になっており、近未来ではも はやその方式は安全でないといってよい。

従来、ネットワーク技術は光通信を中心に高速化が図られ、その周辺要素技術として の半導体集積化とその機能化の研究開発は、我が国においても世界をリードする成果を 挙げてきている。量子通信における種々のプロトコルの開発や暗号化技術についても、

個々の研究には優れたものも多い。一方、米国や欧州においても量子情報通信に関する 国家的戦略技術として、高度レベルの研究推進が図られている。

他方、

1980

年代にすでに量子状態を利用した量子暗号や量子通信、さらには量子コン ピュータの初期研究が報告されており、その実現性についても可能性が見え始めている。

これは将来の情報化社会において重要な技術となるもので、最先端科学技術の開発を担 う我が国において、新規な学術研究領域として取り上げる必要がある。この研究テーマ では、量子状態を利用する情報処理法を開拓し、新たな情報通信の可能性提供を目指す。

従来の情報通信方式の欠陥である盗聴、改ざんなどを根本的に不可能とする斬新な情報 通信方式に向けた指針となる優れた課題の応募を期待する。

(2)

3.想定される研究の概要

(研究内容、手法、成果等について記入してください)

量子情報処理では、量子力学的固有状態の重ねあわせで作られる量子状態を利用する。

これを量子ビットと呼んでいる。古典的ディジタル処理が0か1という確定的な状態間 の変化を使うのに対して対比的である。いろいろな量子ビットの可能性もあり、その状 態は観測により変化もする。情報がこのような量子状態に埋め込まれたものを量子情報 というが、量子情報通信とはこのような量子状態特有の性質を利用して伝送路経由で通 信することである。このテーマにおいて、量子情報通信の基礎的研究、あるいはシステ ム的研究を行うもので、量子情報科学技術のなかでも、通信に重きを置いた次のような 研究内容が考えられる。

1

通信を目指した量子ビット、量子状態、量子もつれなどに関する方向性のある 基礎研究

2

通信情報を転写するための基礎および実践研究

3

量子情報通信のプロトコルなどに関するシステム研究

4

量子暗号とその伝送に関するシステム基礎研究

5

量子情報の送信系・受信系のシステム基礎研究

手法としては、理論および実験分野からのアプローチが重要であり、研究組織として は両分野研究者の融合が望ましい。成果としては、学術創成研究の期間である

5

年間で 実用化の指針となるプロトタイプが形成できるものを期待する。

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