• 検索結果がありません。

物理と工学のはざま

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "物理と工学のはざま"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

357(1)

ナノ材料・ナノ構造化による光熱変換技術 

巻頭言

物理と工学のはざま

花 村 克 悟

(東京工業大学)

  光 は,目に見える可視域の周波数または波長を有する

電磁波

であり,時代を 問わず人を魅了し続けてきた.そして,目には見えないが,それより高い周波数域と 低い周波数域にも電磁波が広がっている.一般に,地球上においてわれわれが経験す る温度域では,可視域から周波数の低い赤外域の電磁波が多く,これを物質が吸収し たとき,その多くが熱に変換されることから 熱輻射 ともいわれている.この光ある いは熱輻射は,物質の熱エネルギー(熱運動)に起因した電子運動や振動・回転運動に 伴って放射され,空間を電磁波として伝播し,向かい合う物質において吸収されて再 び熱エネルギーとなる.この光の放射や吸収は,その光学的性質に強く依存するもの の,望みの放射スペクトルや吸収スペクトル,さらに偏光性や指向性を付与すること はそれほど容易ではない.

 近年,これらに関する物理が,遠方場(伝播する電磁波)および近接場(波長以下の 領域の電磁場)において盛んに研究され,興味深い成果が発表され続けている.例え ば,水面に浮かぶ薄い油膜に太陽光(平行光)が入射すると,角度により色が変化して 見える,または虹のように見えることはよく知られている.それでは,これを高温ま で加熱できた場合(その代わりに,鏡面研磨された金属表面が薄い透明酸化膜により 覆われているような類似の構造を加熱した場合),虹が見えるだろうか.

 この問いのヒントとなるのが本特集号のナノ材料・ナノ構造化による光(電磁波)

の波長制御である.表面にナノ構造化を施すことは,その物質の光学物性と,それに 接する異種材料または空間の光学物性が融合し,いわゆるメタマテリアル(既存の物 性を超える人工物性)を創成することや,特定の周波数に共鳴する小さなアンテナを 配置することとなる.これによって,目的とする波長(周波数)のみを輸送するといっ た工学的な目的が高度な製作技術によって達成される.同時に,こうした構造まわり の電磁気学といった物理が展開される.物理学は 真理を追究する といった駆動力 に支えられているが,その追究された機構が必ずしもエネルギー輸送やエネルギー変 換の主役とは限らない.一方,工学においては,その主役を制御したい.本特集では,

物理と工学の はざま に新たなイノベーションや科学の創出を見出せることが示唆 されているのかもしれない.

参照

関連したドキュメント

青色域までの波長域拡大は,GaN 基板の利用し,ELOG によって欠陥密度を低減化すること で達成された.しかしながら,波長 470

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

ある周波数帯域を時間軸方向で複数に分割し,各時分割された周波数帯域をタイムスロット

パスワード 設定変更時にパスワードを要求するよう設定する 設定なし 電波時計 電波受信ユニットを取り外したときの動作を設定する 通常

操作は前章と同じです。但し中継子機の ACSH は、親機では無く中継器が送信する電波を受信します。本機を 前章①の操作で

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

いてもらう権利﹂に関するものである︒また︑多数意見は本件の争点を歪曲した︒というのは︑第一に︑多数意見は