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雪や氷に親しむ教材の理科教育への活用永田

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Academic year: 2021

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(1)

北 海 道 の 雪 氷 No 14(1995)

雪 や 氷 に親 しむ教 材 の理 科 教 育 へ の活 用

永 田

 

敏夫・ 中里

 

勝平 (北海道立理科教育セ ンター

),河

 

英 男 (紋別市立南丘小) 理科教育で は

,学

習の 目標 を達成す るため に地域性 を生か した教材 を取 り上げ工夫す るこ とが大切 である。冬の 自然は北海道の地域の特徴を生か した学習活動にとって また とない恵みであ り

,冬

の生

活 を楽 しく

,豊

か にす ることを教材化の視点 とす ることが求め られている。今回は,1995〜1997年に 親 と子 の理科教室な らび に理科教育研修講座小学校 中高学年部会 と して

,行

われた研修講座 か ら雪 と 氷 に関す る教材概要 と実施 状況 を中心 に報告す る。

は じめに

理科 の 日標の達成 には

,直

接 自然 に接 し, 自然 か ら学んで行 くことが大切であ り

,直

接体験 を重 視 しなければ な らない。 直接経験 の機会 を増やす ため には

,地

域の 自然 を教師 自らが理解 し教材 と

しての活用 を図 る姿勢が大切である。

特 に小学校理科では

,今

までやや もす る と冬季 には, B区分の内容が中.さとな り

,季

節 の変化に 伴 う自然の変化 に注意 を向けて いなか った り

,直

接経験 の場 を設定 していなか った。

このため,北海道の冬季 の 自然 を生か した地域 素材の教材化に取 り組み

.通

常研修講座 に組み込 むなど して学校教育へ の普及 をすす めて いる。

講座 の概要

北海道立理科教育セ ンターでは

,雪

や 氷の科学 に関す る内容は以前か ら短期研修講座 と題す る外 部の講師 による講演会 として実施 していた。 しか し

,理

科の授業 の中で雪や氷 に親 しみ を持 たせ る ための実験・ 観察学 習の具体的 な指導法 について の講座はなか った。 このため,1994年

,秋

田谷英

次氏 らの提唱す る雪 と親 しむ活動についての短期 研修講座での講演 を皮切 りに

,小

学生 とその親 を 対象 に「親 と子の理科教室」 と題す る半 日日程 の 講座 の中で取 り上げた り,1995年と1996年 には,

冬の小学校教員対象の5日間の通常研修講座 とし て

,取

り上げ理科教育での普及 に取 り組 んで来 た。

特 に冬の通常研修講座では

,植

物の越冬 に関連 し

た種 と実や冬芽のつ くりとしくみ

,枝

を使 った振 動回転のお もち ゃ作 り

,雪

の下のアプラナや タン ポポを掘 りだ しての観察な どを生物研究室が

,雪

や 氷を使 った冷却や融解の実験 を化学研究室が, 冬の天気や結品の観察

,積

雪断 面の観察 と天体の 観察 を地学研究室が担 当 した。物理研究室 は1994 年 には「雪 と氷 を生か した遊びや くら し」

,「

身 近 な雪や 氷の科学」,1995年には

,「

冬 の運動・

遊びの科学」「冬は友達」「冬 と私たちの くらし」

と題 して担当 した。ここでは

,物

理研究室で担当 した内容や状況を中心 に報告する。

雪の結晶の観察

理科の学習をよ り魅力的にする雪や氷の活用

遊び体験を学習の導入に

雪や氷の学習 といえば

,雪

や氷そのものの性質 や特徴を調べ,  これを理科の学習に活用すること が中心で

,理

科の学習によ り有効な学習環境を与 えるものとはあまり考えられてこなかった。 しか し

,物

体の運動や衝突に限 らず物理現象を観察・

実験するために

,遊

び感覚で雪原や斜面などを活 用することができる。 また活動を通 して

,雪

や氷

を固まらせた り

,滑

るようにするためには, どの ような工夫が必要か

,雪

質の違いを体感するため に

,ど

のような教材が可能か,  さらに

,児

童が活 動を通 して楽 しさや喜びを感 じ学習意欲を高める ためには

,ど

のように

,展

開・指導すればよいか 等課題は大きく広がる。

(1)イ グルー作 り

スコ ップ

,の

こぎり

,そ

,ゴ

ム手袋,ホース, バケツ

,水

などを用意する。雪原に円を描 き

,内

側の雪をスコ ップで掘 り出す。別の雪を適当な大 きさの直方体に切 り出 し,円形に沿 って並べ

,内

lDlに少 し傾 くように雪プロ ックを積み上げて

,す

き間にゴム手袋をはめて水を含ませた雪を詰めて

‑10

(2)

い く。の こぎ りで形を整えなが ら雪プ ロ ックを積 み上げ

,最

後 にみんなで力を合わせて

,崩

れない

よ うに雪のふたをのせ,イグルーがで きる。

雪 の壁 に絵 を描いた り, レリー フを作 った り,

氷をはめ込むなどの楽 しみ もある。 イグルー内外 の温度や湿度の違いを体感 した り

,壁

の意外な強 さも体験で きる。

(2)チュープ滑 り

チ ュープ に空気入れて

,斜

面 を滑 り

,人

間 カー リングを した り,二人でチ ュープ に乗 って,ロ

プ を引 き合 う。チ ュープ に乗 るとよ く滑る理 由や,

雪の上 と上の上で どんな違いがあるのか,チュー ブ同志で人が乗 って衝突 させた とき跳ね返 りを体 験 させ る指導法 を考えることもで きる。

謂騒目町 「 ノ〃

1■

■覇冒麟〕

´ ■│■││││■ '一 図

チュープ滑り (3)ペットボ トルのジャンプ大会

雪山を使って,ジャンプ大会をする。まず,角 度を示 した模造紙を画板に貼 り

,下

げ振 りを付け て

,画

板の一辺を斜面に当てて

,斜

面の角度を調 べる。歩いて登れる斜面の傾きを調べたり

,登

り やす さで斜面の角度を予想する。 ミニスキーとペ

ットボ トルにデコレーションをしてジャンパーを

北海道 の雪氷 No 14(1995)

作 る。斜面 にメージ ャーを当てて,日印の小旗 を 立て

,出

発点の位 置を変えた り,コースを変えた りして出発位置 と飛行距離

,ペ

ッ トボ トルの重 さ と飛行距離な どの関係を調べる指導法 を考 える。

ペ ッ トボ トルでジ ャンプ大会 (4)ミニスキーでスラローム

ミニスキー

,L字

ア ングル

,お

もりな どを準備 し, ミニスキーを斜面で滑走 させ る。 スキーを曲 が らせ るための工夫 をす る中で,スキーの進む向 きと加 える力の関係 を探究的に考えさせ る課題学 習的な指導法 を検討す ることがで きる。

ミニ スキーでスラローム (5)かん じきで雪歩 き

n―

イグルー作 り

,

) 1

■ ﹁

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ID鮨=

かんじきで雪歩き

(3)

北海道 の雪氷 No.14(1995)

カ ッターナイフ

,ペ

ンチ

,せ

んていば さみ,の

こぎ り

,サ

ルナ シのつる

,針

金,ナイロ ンロープ 等 を使 いかん じきを製作 し

,雪

原 を歩 いてみ る。

かん じきのぬか り具合い と雪の硬 さや雪質の違い とかん じきの構造や材料 について考察す る教材 と した。

(6)雷や氷で ラ ンタン作 り

雪 の ラ ンタンや氷の容器 も楽 しい。ノ`ケツに水 を入れて一晩置 き,ランタンを作 った。

ス ノー ランタン

身近 な雪や氷の科学

雪や氷その もの について,調べ ることも教材化 の方法 によ っては平素の学習活動 に位置づけるこ とがで きる。

氷の特徴

(1)氷集め

屋外の水の流れている ところ

,軒

,水

を入れ ておいたパケツなどか ら氷を集め

,氷

の特徴や出 来方 を観察 して

,ど

んなことが分かるか考えた。

氷 に光 を当てて溶 け方 を観察 した り

,光

の通 り方 を見た り,たたいて音を出 した り,偏光板の上 に ガラス板 をのせ

,氷

や薄 くした氷 をその上 にのせ,

偏光 メガネをかけて様子 を観察す るなど した。

(2)氷の重 さや大 きさ調べ

集 めた氷の重 さと体積 をはか り

,密

度 を調べ た。

氷 と水の密度の違 いは確かめ られ るか

,氷

で も違 いがあるのか確かめる方法を考えた。 また,シャ ーベ ッ ト状態の氷の体積や重 さをどのよ うに した ら測定で きるか について話 し合 った。

(3)復氷現象 の体験

氷 にお も りを付けた細 い針金 をつ り下げて復氷 の様子 を観察す るのはよ く知 られているが

,時

間 がかか る。切 ったピアノ線 (直径0.3mm)をコの字 型 クラ ンプ に付け

,新

聞紙の上 に置いた氷の上か

ら氷 を押 し切 ってみ る。授業時 間内で十 分復氷が 観察で きる。

復氷の実験

積雪の特徴

(1)積雪の密度や雪粒の大 きさ調べ

雪粒 とその名称は素人には分か りにくい。スコ ップで雪原に穴を掘 り

,断

面のいろいろな部分か ら雪を取 り出 し

,雪

の重さと体積をはか り

,密

度 を調べる。 このとき

,黒

い紙に白インクで点を打 って置き

,上

に雪粒をのせて

,大

きさを調べた。

さらに

,密

度や粒が深さでどうして違 うのか確か めるのもよい学習活動である。

(2)積雪の硬 さや水分調べ

板を雪面に置き,アクリル管の中で鉄棒を落下 させて

,板

の沈んだ深さを比べたり

,雪

を滑走台 にのせて傾け,その滑 り出す傾 きの雪による違い を調べた。 また

,発

泡スチロールカ ップに湯を入 れ,そこに

 

定の重さの雪を入れ

,雪

の温度変(ヒ

を比べ水分を調べた。

(3)積雪 と保水量

積雪は

,水

の貯蔵庫でもある。雪のかたまりを ビニル袋にいれてお湯に演け

,雪

や氷が水資源の 図

偏光板 で氷の観察

‑12‑

4∫;i〕

傷 彰 書

:

(4)

確保に果た している役割について考えさせる教材 として活用することができる。

(4)雪のプロ ック作 り

雪合戦の雪つぶての硬さの理由を考える教材 と して

,底

を切 ったペ ットボ トルに雪を手で詰めて,

固まり方を比べた。雪の中に水を注いでその様子 を比べた り

,金

属パイプの中に雪を詰め

,上

から 金属棒を当てて

,木

づちで何度もたたき

,雪

を固 め

,人

工の氷を作 った。 さらに

,雪

に水を加えて 固めたものと

,金

属棒でたたいて固めたものと硬 さを比べた。

(5)積雪の反射

積雪がキラキラして見える現象を積極的に教材 化 していくことがで きる。雪の結晶が平面的であ ることから

,金

色の折 り紙を小さく切 って糸に付 け

,暗

い部屋で懐中電灯で光を当てる。小さい折 り紙がキラキラ しているのがよく分かる。 さらに,

鏡やいろいろな紙を使 って反射させ

,そ

の反射光 を手のひらに当てて雪の反射との関連性を考える 教材 とすることができる。

図10 雪の反射の金紙のモデル

低温を日常生活で生かす活動

雪 と食塩の寒剤を使 って氷菓子を作 った り

,食

塩をふ りかけた氷をガーゼに付けて氷釣 りをした り,アイスクリームの素をチャック付きのビニル 小袋に入れて液体窒素につけて凍らせるなど

,低

い温度を楽 しむことも同時に行い興味づけの材料 とした。

北 海道 の雪氷 No.14(1995)

受講者 の感想か ら

荒天のため に定刻 に間 に合わ ない参加者 もあ っ た。 しか し講座実施後のアンケー トでは

,「

雪が 多か ったので大変だ った」

,「

事前 に防寒具や長 靴の準備 を してお くことを知 らせてほ しか った」

との声の一方

,「

授業 にす ぐ役立つ」

,「

雪氷 を いろいろな面か ら教材化で きることを知 って驚い た」

,「

イグルー作 りは大変だ ったが完成 した と きとて も感動 した」

,「

遊び を通 して身近なもの を観察で きる ことを知 り良か った」など肯定的な 意 見が非常 に多 く寄せ られた。

特 に

,物

理的なテーマについては

,講

座 を受講 して参考 にな った とする声が他の通常研修講座 と 比較 して も多 く高い評価 を得た。ただ し

,野

外活 動的な要素が強 く肉体労働的な内容 については,

理科的な知識理解 をよ り多 く含む ものよ り低い評 価 とな った。

評 価

テ ー マ

講座 の感想 (%) 悪 い← ―――→ 良い

1 2 3 4 5

冬 の運動・

遊びの科学 冬は友達 冬 と私たち の くらし

図16 小学校中高学年講座受講者アンケー ト おわ りに

冬季間の野外活動は北海道の理科教育にとって も大きな課題であ り

,学

校教育や社会教育を問わ ず広 く取 り入れ られるべ き課題でもある。スポー ツとしての活動ばか りでなく北海道の理科教育の 大きなテーマとして教科書により多 く取 り入れ ら れるためにも各地域で出版されている自然を対象 とした副読本のなかにもより多様な雪や氷を活用 した教材が普及するように理科セ ンターとしても 今後更に研究 していきたい。

[参考文献]

1)雪を考える会

 

玉と遊ぶ本

 

改訂版 1992 2)木下誠一

 

雪 と氷のはな し

 

技報堂出版 1988

3)中里

,河

,永

 

冬の自然の物理的視点か ら の教材化について

 

北海道立理科教育セ ンター 研究紀要第7号  1995

氷釣 り

‑13‑

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参照

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