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大阪府立産業技術総合研究所 〒594-1157和泉市あゆみ野2丁目7番1号

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Academic year: 2021

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キーワード:スパッタ装置、薄膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜

はじめに

薄膜とは厚みが数μm以下の膜のことを言 います。薄膜はセンサ、電子部品、太陽電池、

LED、液晶、有機EL等に電気配線、絶縁膜、表 面保護膜、機能性膜等の種々な用途に利用さ れています。薄膜材料には金属、酸化物、窒 化物、有機物等が有ります。ここで紹介する 半導体デバイス製造用スパッタ装置は、アル ミ膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜を始 め、いろいろな薄膜の作製や開発に適したマ グネトロンスパッタ法の薄膜作製装置です。

マグネトロンスパッタ法とは

真空中で1×10-2〜101Pa程度のガスを導入 し、数kV程度の高電圧を印加するとプラズマ が発生します。この中のイオンを負の高電圧 で引き寄せターゲットと呼ばれる薄膜作製の ための材料に照射しますと、その衝突のエネ ルギーでターゲット表面の原子が真空中には じき飛ばされます。この原子を基板上に堆積 させることによって薄膜を作製することがで きます。これがスパッタ法と呼ばれる薄膜作 製技術です。熱的なプロセスを用いませんの でどんな高融点の材料でも薄膜化できますし、

また反応性ガスを混ぜることによって加熱す ることなしに窒化物や酸化物、炭化物などの 化合物が容易に作製できます。試料基板がそ れほど高温にさらされないため、樹脂等の高 温に弱い有機材料を基板に使用することが可 能です。マグネトロンスパッタ法はさらに永 久磁石から発生する磁場を利用して放電の電 荷密度を増加させ、高速に薄膜作製ができる ようにしたものです。

装置仕様

装置の概観写真を図1に示します。本装置 は薄膜作製室、真空排気系、電源及び制御部、

ガス導入系等から構成されています。薄膜作 製用のターゲットは3つ装備され、最大3種 類の異なる材料の薄膜化が可能です。スパッ タ方法は、RF、DC、DCパルス、RFとDCの重畳、

基板バイアスの有無が選択できます。操作は 全てタッチパネルから行えますので、簡単に 操作できます。本装置はクリーンベンチに覆 われており清浄な雰囲気下で作業可能です。

主な仕様を表1に示します。

表1  主な仕様

ターゲット:152.4mmφ 2基,100mmφ 1基 基板サイズ:150mmφ 8面

基板加熱 :シーズヒータ加熱 300℃ 

到達真空度:2×10-5Pa  排 気 系:

磁気浮上型ターボ分子ポンプ ロータリーポンプ

RF電源 :13.56MHz max. 2kW  DCパルス電源:max. 5kW  基板バイアス:DC 500V×1.6A    使用ガス:

  Ar(100sccm),N2(50sccm),O2(50sccm) 

図1  装置の概観写真

半導体デバイス作製用スパッタ装置と薄膜作製

Technical Sheet 

No.12014 

地方独立行政法人

大阪府立産業技術総合研究所     

〒594-1157和泉市あゆみ野2丁目7番1号

http://tri-osaka.jp/   Phone:0725-51-2525 

(2)

薄膜の作製例

本装置は研究用、製品の開発用として企業の 方にご利用いただいています。これまでに作製 した薄膜の一例をご紹介します。

【シリコン酸化膜(FETゲート絶縁膜用)】

FETゲー トの絶 縁膜用 と して表2に示し たス パッタ条件に てシリ コ ン酸化膜を 作製しま し た。誘電損失(tanδ)をインピーダンスメー ターにて測定し特性を評価しました。測定結果 を図2に示します。酸素流量が25sccm、アルゴ ン流量が25sccmの時に、誘電損失が0.001とな り、加熱無しでFETゲートの絶縁膜として使用 可能な特性を示しました。

表2  スパッタ条件(シリコン酸化膜)  ターゲット:SiO 152.4mmφ 

基板加熱 :無し

RF  電源 :13.56MHz  1kW  使用ガス:Ar,O2

ガス流量:総流量 50sccm  圧力:0.13Pa 

SiO2膜厚:120nm  成膜時間:10min 

図2  誘電損失と酸素流量との関係

【アルミ膜(センサ素子の電極用)】

センサ素子の電極用として表3に示したスパ ッタ条件にてアルミ薄膜を作製しました。膜厚 分 布 は 50mmφ内 で ±10%以 内 、 100mmφ 内 で ± 25%以内となりました。

表3  スパッタ条件(アルミ膜)

ターゲット:Al 98%,Ti 2%  100mmφ  基板サイズ:100mmφ 

基板加熱 :無し DC電源 :500W  使用ガス:Arのみ ガス流量:50sccm  圧力:1.33Pa  Al膜厚:105nm  成膜時間:10min 

【シリコン窒化膜(表面保護用)】

表面保護膜用として表4に示したスパッタ条 件にてシリコン窒化膜を作製しました。膜厚分 布はφ50mm以内で±8%以内、φ100mm以内で±

10%以内となりました。

表4  スパッタ条件(シリコン窒化膜)

ターゲット:Si  152.4mmφ  基板サイズ:100mmφ  基板加熱 :無し DC電源 :500W  使用ガス:Ar,N2

ガス流量:Ar:25sccm, N2:25sccm  圧力:0.13Pa 

SiN膜厚:340nm  成膜時間:20min 

まとめ

本装置は、電子デバイスに必要不可欠な金属 薄膜、絶縁膜、表面保護膜等の各種薄膜の作製 が可能です。またプラスチックレンズの表面保 護用として窒化アルミニウム膜が、温度センサ 用として窒化クロム薄膜が作製可能です1)。装 置のご利用に際しましては、設置しているター ゲットを自由にお使いできますし、ターゲット の持ち込みも可能です。皆様のご利用をお待ち しております。

参考文献

1)テクニカルシート:マグネトロンスパッ タ装置と薄膜作製 (No.00019) 

O2流量(sccm) 

誘電損失tanδ

作成者 制御・電子材料科 田中 恒久        Phone  0725-51-2665  制御・電子材料科 山田 義春        Phone  0725-51-2682  発行日 2013年3月18日

参照

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