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チオフェン環を有するシクロファン類の構造と反応 に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

チオフェン環を有するシクロファン類の構造と反応 に関する研究

竹下, 道範

九州大学総合理工学研究科分子工学専攻

https://doi.org/10.11501/3060365

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

チオフェン環を有するシクロファン 類の構造と反応に関する研究

竹下道範

(4)

第1章 緒論

第2章 ジチア[3]べンセ守ノ[3Jチオフェノファン類の合成

第1節 緒言 11

第2節 チオフェン及びベンゼン誘導体の合成 12 第3節 ジチア[3]メタシクロ[3Jチオフェノファン類の合成 17 第4節 ジチア[3Jノぐラシクロ 及び

オルトシクロ[3Jチオフェノファン類の合成 20

第5節 まとめ 24

第6節 実験 25

第7節 文献 65

第3章 [2Jべンゼノ[2Jチオフェノファン類の合成

第1節 緒言 67

第2節 [2Jメタシクロ[2]チオフェノファン類

( [2.2JMTP)の合成 67

第3節 [2Jパラシクロ[2Jチオフェノファン類

( [2.2JPTP)の合成 72

第4節 [2Jオルトシクロ[2Jチオフェノファン類

( [2.2JOTP)の合成 75

第5節 [2.2JMTP及び[2. 2J PTPの反応 77

第6節 まとめ 80

第7節 実験 82

第8節 文献 117

(5)

第4章 ベ ンゼ、ノ チオフ ェノファン類の構 造

第1節 緒言 119

第2節 ジチア[3.3JMTP類の構造 120

第3節 [2.2JMTP類の構造 123

第4節 パラシクロチオフェノファン類の構造 129 第5節 オルトシクロチオフェノファンるいの構造 132

第6章 まとめ 133

第7章 実験 135

第8章 文献 138

第5章 [24J(2,3,4,5)チオフェノファン

(スーパーチオフェノファン)の合成

第1節 緒言 140

第2節 [24J(2,3,4,5)チオフェノファンの合成 141 第3節 [24J(2,3,4,5)チオフェノファンの構造 144

第4節 まとめ 146

第5節 実験 148

第6節 文献 155

第6章 [nJシクロファン類の合成と構造及び反応

第1節 緒言 157

第2節 チオフェン環の還冗的関環反応による

[nJシクロファン類の合成 157

第3節 [7ト 及び[8Jメタシクロファン類の構造 160 第4節 パラシクロファン類の CANとの反応 163

第5節 まとめ 167

第6節 実験 168

第7節 文献 190

(6)

第7 総括

謝辞

金戸

192

(7)

第1章 総論

シクロファン化合物は、 芳香環と架橋鎖とで憐築された化合物で ある。 シクロ ファン類は、 小環状シクロファンと大環状シクロファ ンとの2種類のタイプに大別できる。1 ) 前者は特異な構造と反応性 に、 また、 後者はホストーゲストなどの機能性に興味が持たれて多 くの研究がなされている。 小環状シクロファンの代表例としては、

[2.2]ノfラー 及び[2.2]メタシクロファンがある。 また、 大環状シク ロファンの代表として、 近年目覚ましく研究されているカリックス アレ ーンがある(Chart 1-1)。

t8u

tBu tBu

t8u

[2.2]paracyclophane [2.2]melacyclophane [41calixarene Chart 1・1 Cyclophanes

[2.2]ノてラシクロファンや[2.2]メタシクロファンのような小環状 シクロファン類の芳香環は歪んでおり、 特異な構造や反応が期待さ れる。 例えば、 [2.2]ノぐラシクロファン 1を塩化アルミで処理する と架橋鎖の転移が起こり、 [2.2]メタパラシクロファン 2を与える ことが知られている(Scheme 1-1)ノ}

HAICI4

1 Scheme 1-1 2

-1 -

(8)

本反応は、 歪みが大きい[2.2Jノてラシクファンの歪みを緩和する ために架橋鎖が転移したと考え られるシクロファン 特有の反応であ

ろう。 また、 置換[2.2Jメタシクロファン 三及び 4の臭素化反応 は、 Scheme 1-2に示すように置換基の種類または触媒の有無に

よって、 生成物が異なることが報告されている03)

Br2 Br

/

hv

五三たラ-

5,6 砂F X X=H,Br

\

Br2' Fe ヨー

3

Br

l\_

Br_ - Br Br2

」ど

tBu一台、 子一点 /)-tBu

制大付工 /

伽\

8r2' Fe tBu

下C

l}-tBu

4

Scheme 1・2 9

一方、 シクロファン類のベンゼン環をヘテロ環で置換した化合物 はヘテロファンと呼ばれており、 シクロファンと同様活発に研究さ れている。4 ) それらは次に示す研究分野で興味が持たれている。 即 ち、 ①X線結品構造解析やu vスペクトル等によるシクロファン骨 格に組み込まれたヘテロ環の歪みや芳香族性に関する研究。 ②温度 可変NMR等による環反転機借や架橋鎖の運動などの立体化学的研

-2-

(9)

究 。 ③ 歪ん の反応性に関するある。 ンゼン環 とヘテロ環よりなるべンゼノ-ヘテロファン類は、 シクロファンと ヘテロファンとの組み合わせにより構築されているため、 特にその 情造と反応との関連性には興味が持たれるにもかかわらず、 それら に|却する研究は少なく、 比較的合成しやすいメタシクロ及びパ ラシ

クロピリジノファンに関する研究が主流で、 5員環ヘテロ環を組み 込んだものは Chart 1-2に示した数種類が合成されているのみで ある。

,6) c-6) t.1I I t.,u_7) X=O"""", S"", NH,NMe 'J

パ� 13)

8)

、‘,,,d司E・4EE

パ入12)λス8)

パヘ

メへ ピジ

ヘテロファン類の反応は、 ほとんど知られておらず、 例えは[2Jパ

ラシクロ[2](2,5)フラノファン Zは、 光増感酸化に続く水添によ り、 Scheme 1-3に示したような 3種類の化合物を与えていること

Chart

1-2

Benzeno-heterophanes

-3-

(10)

が報告されているにすぎない。5 c )

1 0

1) hv, 02,MeOH methylene blue

2) Pd/C,H2

1 1

+

Scheme 1-3

+

1 2 1 3

なお、 化合物13は、 フラン環由来のオゾニドによるベンゼン環の エポキシ化に始まる分子内[4+2]付加反応を経由して進行して得ら れた化合物である。 このことは、 本反応は結果的にフラン環とベン ゼン環が接近したパラシクロフラノファン特有の反応である。

一方、 ヘテロ環はマスクされた官能基と見ることができる。 例え ば、 Scheme 1-4に示したように、 1,2,5-チアジアゾロ環を組み込 んだシクロファンを合成し、 その開環反応を用いて、 官能基化シク ロファンを合成する方法が知られている。1 4 )

Grignard reagent 0

昌匝』

14 Scheme 1-4 1 5

また、 小環状系では、 盟の臭素化後に加水分解による不飽和五員 環エーテルの開環で、 [8]ノ守ラシクロファンが合成されている

(Scheme 1-5)0 5 a, b)

1 0

Br2, MeOH, H20 AcONa

Scheme 1-5

-4 -

1 6

(11)

本方法は、 引 在、 [8Jパラシクロファ ン合成法の主 流 で ある。

一方、 5員環へ・テロ環を有する [2Jべンゼノ[2Jヘテロ ファン類は Scheme 1-6に挙けfたような方法で合成されている I 5 )

CH

ベ�

CH?NMeoOH

+

CH3

--O-

CH2NMe30H

CI川

令人

CH2CI

HSCH2

--O-

CH2SH

1 0

A 10 +

1 9 20

N-Q 8)

hv

24 23

7)

... ーIÞ

司4UH M川R

1 1 25

Scheme 1-6

即ち、 ①Hofmann脱離を用いる方法:ヘテロ環の1,4-脱離及びごベ ンゼン環の1,6-脱離を用いて、 キノジメタン型中間体を発生させ、

それらの交差カップリングを用いる方法である。 本方法は、 原料が 比較的入子容易であるが、 ホモカップリングを防ぐことができず、

交差型生成物は少量しか得られない欠点を有する。 現在までに報告 されている[2Jノぐラシクロ[2] 5員環ヘテロファン類はほとんどこの 方法で合成されている。5 ) しかし、 キノジメタン型中間体をとれな い架検体例えば、 メタシクロ ファン誘導体はこの方法では合成でき

-5-

(12)

ない 。 ②ビス(ハロ メチル)体とビス(メルカプトメチル)体とのカ ッ プリング反応によりまず、 ジチアシクロ ファンを合成して、 その脱

硫を行って合成する方法:本法は、 ベンゼン系シクロファン合成の

、 流であるがヘテロファン合成においては、 原料のハロメチル体の 安定性や、 脱硫反応における過酷な条件等問題が多く、 この方法で はほとんど行われておらず、 唯一[2Jノマラシクロ[2J(3,5)オキサゾ ロファンが対応するジチア体の光脱硫反応によって、 低収率で得ら れているのみである。8 ) しかし、 異なる原料の選択で、 種々の非対 称シクロファンが選択的に合成できるため、 脱硫反応が克服できれ ば、 非対称型ヘテロファン類の合成に最も適した方法であると思わ れる。 ③架橋鎖の置換基をヘテロ環に変換する方法:例えば、 1,4-

Hoffmann 脱離反応を用いて合成した [2Jノぐラシクロ[2Jフラノファ ンの開環によって得られる 1,4-ジケトン体の閉環反応で、 [2Jパラ シクロ[2Jビロロファンが合成されている。7 )

このように、 [2Jべンセ寺ノ[2J 5員環ヘテロファン類はその合成例 も少なく、 構造や反応も現在までほとんど知られていない。

一方、 チオフェン環はラネ- N iを用いる還元的開環反応で、 ブタ ン誘導体を与えることが知られているo 16)そこで、 べンゼノ-チオ フェノファンはその開環反応によって、 [nJシクロファン類を与え ることが期待される。 ところで、 [2Jメタシクロ及び[2Jパラシクロ [2Jチオフェノファン([2.2JMTP, [2.2JPTP)は、 Chart 1-3に挙げ たようにそれぞれ4種類の架橋異性体が考えられる。 これらの異性 体のうちで、 現在までその骨格の合成が報告されているのは[2.2J­

(2,5)PTPのみ6 )であり、 その他の異性体の合成は報告されていな い。 そこで、 チオフェン環とベンゼン環よりなる小環状シクロファ ン類の構造を明らかにする目的で、 また、 [nJシクロファン類の合 成中間体として、 これら MTP及び PTPの合成を検討した。 合成法 としては、 前述のビス(ハロメチル )体とビス(メルカプトメチル)

-6-

(13)

(2,5) (2,4) (2,3) (3,4) [2]Metacyclo[2](I,m)thiophenophanes

(2,5) (2,4) (2,3) (3,4)

[2]Paracyclo[2](I,m)thiophenophanes Chart 1・3 Benzeno-thiophenophanes

体とのカップリング反応に よって得ら れ るジチア体の脱硫反応を用 いることにした。 この反応は合成的制約があるが、 種々の組み合わ せで様々なタイプのべンゼノーヘテロファンが得られる利点を有し ており、 先に述べた目的に適している。

夢の化合物のーっとして知られていた [26] (1,2,3,4,5,6)シクロ ファン(スーパーファごン) (26)は、 ベンゼン環の可能な位置を全て

エチレン鎖で架橋'した究極のシクロファンである] 7 )。 先に

Boekelheide 等が26の合成に成功して以来、 その構造, 物性及び 反応性に つ い て 様 な研究 が な さ れ た 1 8 )。 スーパーファン26は そ の 対称性 に 基 く 高 安定を 示し、 他の 多架橋シク ロフ

と異なる反応性を有している。 ところで、 26以外に現 在まで合成 された “究極の"シクロファン類は、 [45]フエ ロセノファン (スー パーフエ ロセノファン) (27)19) のみで、 ヘテロファンでは合成報

-7-

(14)

告はな い 。 そこで 、 著者はその附 造と 反応性に興味が持たれる

[24 ]チオフェノファン (スーパーチオフ工ノファン)(28)の合成 を検討した。 この 28は、 二つのチオフェン環の可能な全ての位置 をエチレン鎖で架備したチオフェノファンで、 スーパ-ファンとは 異なり、 チオフェン環の大きな歪みに起因する特異な反応性が期待

される。

26 27 28

Chart 1田4 "Super"cyclophanes

本論文は7章からなっている。 第1章は緒論で、 本研究の意義及 び目的について述べた。 第2章ではジチア[3]べンゼノ[3]チオフェ ノファン類の合成について述べた。 第3章では、 [2]べンゼノ[2]チ

オフェノファン類の合成についてまとめた。 第4章では得られたべ ンゼノーチオフェノファン類の構造について述べた。 また第5章は [24](2,3,4,5)チオフェノファンの合成と構造について述べた。 第

6章では[n]シクロファン類の構造と反応について述べた。 第7章 な、 第2章から第6章までの総括である。

-8-

(15)

文献

1) Review: (a) "Cyclophanes", ed. by P.M.Keehn,

S.M.Rosenfeld. Academic Press. New York (1983). (b)

"Calixarenes", ed. by C.D.Gutsche, The Royal Society of Chemistry, Cambridge (1989).

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J. Am. Chem. Soc., 88 1324 (1966).

3) M. T a s h i r 0, T. Ya ma t 0, J . 0 r g. C h e m., 49, 3380 (1984).

4) Review: (a) ref. 1a, Chapter 6. (b) G.R.Newkome,

J.D.Sauer, J.M.Roper, D.C.Hager, Chem.Rev., 77, 513 (1976). (c)藤田真作, 野崎 一, 有合化, 30, 679 (1972).

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(b) D.J.Cram, C.S.Montgomery, G.R.Knox, J.Am.Chem.Soc.,

88, 515 (1966). (c) H. H. Wasserman, A. R. Doumaux, R. E. Davis,

J.Am.Chem.Soc., 88, 4517 (1966). (d) A.C.Cope, B.A.Pawson,

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B.A.Pawson, A.C.Cope, J.Am.Chem.Soc., 90, 639 (1968). (f) K.-L.Noble, H.Hopf, L.Ernst, Chem.Ber., 117, 474 (1984).

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8) S. H. Ma s h r a q u i, P. M. K e e h n , J. 0 r g. C h e m., 48, 1341 (1 983 ) .

9) T. Shinmyozu, Y. Hirai, T. Inazu, J. Org. Chem., 51, 1551 (1986).

1 0) Y. M i ya h a r a T. I n a zu , T. Y 0 s h i n 0 , T e t r a h e d r 0 n L e t t., 25 ,

-9-

(16)

415 (1984).

11) P.S.Hammond, D.T.Longone, Tetrahedron Lett., 415 (1978).

12) F. Vögtle, R. Lichtenthaler, Chem. Ztg., 94 727 (1970).

13) M. Hojjatie, S. Mural idharan, H. Freiser, Tetrahedron, 45,

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14) T. Hatta, S. Mataka, M. Tashiro, J. Heterocycl. Chem., 23 813 (1986).

15) F. V ö g t 1 e , P. N e u ma n n , S y n t h e s i s , 85 (1 973 ) .

16) (a) H.Hauptmann, W.F.Walter, Chem.Rev., 62, 347 (1962).

(b) S.Gronowitz, "Advances in Heterocyclic Chemistry",

ed. by A.R.Katritzky, Academic Press, New York (1963),

Chapter 1.

17) A.Nickon, E.F.Silversmith, “化学者たちのネームゲーム",

大津映二監訳, 化学同人(1991), chapter 16.

18) (a) Y.Sekine, M.Brown, V.Boekelheide, J.Am.Chem.Soc.,

101, 3126 (1979). (b) B.Kovac, M.Mohraz, E.Heilbronner,

V. Boekelheide, H. Hopf, J. Am. Chem. Soc., 102, 4314 (1980).

(c) Y. Sekine, V. Boekelheide, J. Am. Chem. Soc., 103, 1777 (1981). (d) S.El-tamany, H.Hopf, Chem.Ber., 116, 1682 (1983).

19) (a) M. Hisatome, J. Watanabe, K. Yamalくawa, Y.litaka,

J.Am.Chem.Soc., 108, 1333 (1986). (b)久留正雄, 山川浩司,

有合化, 48, 319 (1990).

-} 0-

(17)

第2章 ジチア[3Jべンゼノ[3Jチオフェノファン類の合成

2 - 1 緒舌

近年、 NMRを用いた構造解析により [3. 3 Jシクロファン類の動力 学が研究1)されているのは 、 [3.3 Jシクロファンがある程度動きが 拘束されたマクロ環であり、 その運動に興味が持たれているからで ある。 また、 ジチア[3.3 Jシクロファン類は、 より環径が小さい

[2.2Jシクロファン類合成の有用な中間体である。2 ) これらの観点 から、 種々のジチア[3.3 Jファン類が合成されている。 その合成法 は分子間カップリング反応による方法が主であるが、 鎖状ポリマー が生成する可能性があることから、 高度希釈法を用いる必要性があ る。 本方法は比較的出発物質が入子容易で、 種々の原料の組合わせ により様々な タイプの ジチア[3.3 Jシクロファンが得られるため非

対称シクロファン類の合成に適している。 そこで、 [2.2Jシクロ ファン類の合成中間体として、 その構造を明らかにする目的で、 ジ チア[3Jべンセ守ノ[3Jチオフェノファン類 (以下、 ジチア[3.3Jファ ン)の合成を検討した。

緒論に述べたように、 ジチア[3Jメタシクロ及び パラシクロ[3J チオフェノファン類には、 その架橋位置によって 4種類の異性体が 存在する。 一方、 ジチア[3.3Jファン系では、 現在まで無置換のジ

チア[3Jメタシクロ[3J(2,5)チオフェノファン (以下 ジチア[3.3J (2,5)MTP)が合成されているのみで、3 ) 他の架橋体の合成が報告さ れた例はない。 この章では、 ジチア[3.3JMTP とジチア[3.3 Jノ守ラシ クロファン (以下 ジチア[3.3JPTP)の全ての架橋体及びジチア

[3.3J(2,5), (2,4)オルトシクロファン (以下 ジチア[3.3JOTP)の 合成と、 その原料となるビスハロメチル体及びビスメルカプトメチ

ル体の合成について述べる。

(18)

2 - 2 チオフェン及びベンゼン誘導体の合成

先に述べたようにジチア[3. 3 ]ファン類には 4種類の架橋異性体 が存在する。 そこで、 これらの原料として、 2,5-, 2,4-, 2,3-,

3,4-ジ置換チオフェン類の合成を行った(Scheme 2-1,2,5)。

1

1

CICH20CH3

H3P04, AcOH

X

C 1)NH2cmDMSO

え入

CICH{ .sr 'CH2CI 2}NaOH aq H8CH{ "8'" 'CH28H (59%)

Br2' CCI4 (80%)

Zn, AcOH, dioxane (78%)

2a

Br

石弘

Br

4

6

Br. Br

1}NH2C8NH2, DM80 、ァ--:(

と グ 、

2)NaOH aq ノ,_/ヘ 3)HCI aq HSCHよ 、S' 、CH2SH

(830/0) 3b

3)HCI aq (13%)

Br2

(80%)

(HCHO)n, ZnCI2 HCI, CCI4

(76%)

Scheme 2-1

3a

添田

5

以C

2b H?C

問jち、 2,5-ビス(クロロメチル)チオフェン(2a)は、 文献記載の

方法4)で合成を試みたが、 塩化水素yゲスを用いるため反応装置が複 雑であった。 そこで、 チオフェンのクロロメチル化を種々、検討した ところ、 酢酸中、 クロロメチルメチルエーテル及ぴリン酸を用いる ことにより、 J収率59%で2a が得られた。 ビス(クロロメチル)体

2豆

は不安定な化合物で、 窒素下冷蔵庫中においてさえ徐々に分解 し、 溶媒不j容の黒い樹脂状物を与えた。 安定な 2,5-ジ置換体を得 るため、 クロロメチル体の精製後、 直ちにビスメルカプトメチル体

へ誘導を試みたが、 この反応は収率が悪く非実用的であった。

一般に、 チオフェンのような電子過剰五員環ヘテロ環は、 電子l吸引

-} 2-

(19)

性 & の存在 により 環が 安定化 さ れることが知! られている。 そこで、

安定化に寄与する電子l吸引性基であり、 また還元等によって容易に

除去

き る

臭素原子

3 4

-

そのクロロメ

チル化5)を行ったところ、 予想通り安定な 2,5ービスクロロメチル {本2bが得られた。

1

9

PhNMeCHO, POCI3

CHO

(77%)

7

1)NH2NH2・H20

(CH20H)2

b入

CH3

2) KOH

(76%) 9

1 )NH2CSNH2, DMS

6I

VVI12

")庁ー-

u

2)Na0H aq H SH

3}HCI aq VI13 v vr 12

1 1 a

(77%)

MeMgl, Et20

t弘

Ni(dppp)2Cl2 CH3

(87%) 1 2

8r2' AICI3

:h�ur

8a; X=H (82%)

8b: X=8r CICH20CH3

TiCI4, CS2

文丈

(46%) 10a

CICH20CH3 TiCI4, CS2

活!

(22%) 10b

え k

clCH20川

Br' 's ' '8r SnCI4, CS2

1 )NH2CSNH2, DMSO

叫が:

H-:>CI

�?�!?�_

aq 8r /'..S�CH?SH

4 (21%)

8(

��-

'CH2CI 3) 吋CI aq LJI

'"'

'-J ' '2

1 0c 1 1 b

Scheme 2-2

一般に、 チオフェンの 2位は 3位と比較して、 親電子置換反応に おいて、 約1000倍の活性を有することが知られている。6 )そのため 無置換チオフェンの 3,4一位に直娘 フリーデル・クラフツ反応によ

置換基

導入

こと

不可能

る。

そこ

で、 位置

選択的

置換基を導入するため、 チオフェン環上の所定の位置に置換基をあ

-13-

(20)

らかじめ導入しておき、 その置換チオフェンに対してクロロメチル 化反応を行った。 2,4-ビスクロ ロメチル体 1 Oa,bは、 4ーブロモ-2ー メチルチオフェン7)(皇)及び Ni(dppp)Clz (Dichloro[1,3-bis(di­

phenylphosphino)propane] nickel ("))存在下での 9と MeMgIと

の反応8 )で得られた 2,4-ジメチルチオフェン(12)をクロロメチ ル化することによって得られた (Scheme 2-2)。 また、 2,5ージブロ モチオフェンのクロロメチル化反応では、 低j収率ながらも文献記載 の化合物9 )とは異なる、 2,4-ビス(クロロメチル)-3,5ージブロモチ オフェン(盟主)が得られた。 化合物盟三の構造は、 LiAIH4で還

元して得られたジブロモ体 13と、 12を臭素化して得られた化合 物が一致したことにより決定した(Scheme 2-3)。

クロロメチル体10c の生成経路の詳細は不明であるが、 Scheme 2-4に示した機構が考えられる。 なお、 酸性条件下での不均化によ るチオフェン環上の臭素原子の移動についてはすでに報告されてい

る。1 0 )

10c

Bえ

Br

LiAIH4• Et20 (89%)

、+CH2CI

大正

13 Scheme 2-3

Br2 (96%)

12

lz夫人

工CICH

Hえま;

大丈

10c Scheme 2-4

さらに、 2,3一及ぴ、 3,4-ビスクロ ロメチノレ休は、 2位にエステル

-14-

(21)

�を導入した並I

J)及び 2,5一位にメチル基を導入した 19

I

2 )のク ロ ロメチル化反応を行うことによ り得られた (Scheme2-5)。

AC20, 12

COCH3 1) NaOBr aq

〔〉\

C∞1

1

(45%) 2) HCI aq

14 (910/0) 15

EtOH, H2S04

〔〉\

c∞'Et CICH20CH3

;ぇ;k

coOEt

(76%) TiCI4

16 (990/0) 17

γ人

(63%) P2S5 CH

え�

CH H3P04, AcOH CICH20CH3

文武

o 18

19 (52%) 20

H

1 )NH2CSNH2, DMSO 2)NaOH aq

3)HCI aq

21

(71%)

Scheme 2-5

また、 メルカプトメチル体は、 それぞれ対応するクロロメチル体 をチオ尿素で処理するJ 3) ことによって合成した。

一方、 ベンゼン誘導体は文献記載の方法に従って 13-18 Scheme 2-6に示した経路で合成した。 即ち、 メタ置換ピス(クロロメチル) 体のうち 23a,bは、 t-ブチル基を保護基として用いるクロロメチ ル化によって合成した。 また、 ビス(ブロモメチル)体 23c,dは対 応する m-キシレン体2Z, 2iiの NBSを用いた臭素化で得られた。

クロロメチル体 31豆は 1,4-ジメトキシベンゼン 30のクロロメチ ル化で得られた。 ビス(メルカプトメチル)体は、 対応するクロロメ

チル体をチオ尿素で処理して合成した。

-1 5-

(22)

22

OH

25

3......v"3

OCH'l

α

2tsr

33

CICHっ CICH20CH3 ζ

ZnCI4

CH2SH

(62%)

CH2CI 1 ど 1)NH2CSNH2,DMSO \f\II .... Lr.�f\lI .... L n",,�{) HSCH2 2)NaOH aq

3)HCI aq (89%)

24a

QCH3

23a

QCH3

必斗0・QU 司ζe M

conc-HCI aq, AcOH (64%)

CH2CI (HCHO)n, H3P04 CICH2

NaOH.MeOH (87%)

HSCHっ 1)NH2CSNH2, DMSO ι

2)NaOH aq 3)HCI aq

(66%)

26

QCH3 CH2SH

23b

24b

NBS, BPO, CCI4BrCH2'-.,ダ仇'-,/CH2Br 1)NH2CSNH2・DMSo HSCH2、デク�CH2SH (63%) 、JlY3)HClaq 2)NaOH

旬 、J

v

23c . . ...._ .. 24c

(40%) NBS, AIBN, CCI4 �02

BrCH2、

CH2Br

(20%)

I

k、、J

11

23d

QCH3

9

CH3

CICH2...

γ11 Á

�)州2附H2,DMS01\I'I.IU_f'CI'I.IU_ nucr\ HSCH2

� γ 1

ÒCH'l l人CHぅC13 ζ 2)NaOH 問、�CH2SH3)HClaq .... , .

;:-:^:�

(64%) OCH3 I

31a 32

HCHO aq, HCI (69%)

1)NH2CSNH2, EtOH 2)NaOH aq

3)H2S04 aq

α

2

34 (100%)

Scheme 2....6

po

(23)

2

-

3 ジチア[3Jメタシクロ[3Jチオフェノファン類の合成

ジチア[3]メタシクロ[3]チオフェノファン類(以下、 ジチア[3.3J

MTP)の合 は、 ビス(ロメチル)体と ビス(メルカプ ト メル)体の 高度希釈条件下でのカ プリング反応によって行った (Scheme 2-7

"'10)。

nu 惚)U1 ・ 0 1

B

n4 UH PU

\U恥U/e Rーグ、m

司ζ

H

PU

B

+

H

QU 司4 UH

r

xsぬ

nu

B

uH PU CU UH

2

X R1 R2 route yield(%)

H Me tBu A 60 H OMe tBu A 43 Br Me tBu A 69 Br OMe tBu A 55

Br H H B 44

Br F H B 46

Br N02 H B 23 R2

35 (1) KOH, NaBH4 EtOH/PhH,

high dilution Scheme 2・7

2,4-ビス(クロロメチノレ)-3,5-ジメチノレチオフェン (10b)とピス (メルカプトメチル)体 24a とのカップリング反応は、 目的物であ るジチア[3.3](2,4)MTPを与えず、 多量の樹脂状物が生成したのみ であった。 これは、 10bがこの反応条件下において不安定で分解し たことを示唆している。

ジチア[3.3JMTPはそのほとんどが単一コンフォーマーとして存在 したが、 チオフェン環の内部位に臭素原子, ベンゼン環上にメチル 基メトキシ基及びニトロ基を有する2皇豆, b, d は NMR測定により、

2種類のコンフォーマーの混合物であることが確認された。 特に、

2生hの場合には、 シン, アンチ体の単離が可能であった(Scheme 2-8)。得られたジヂア[3.3]MTPの構造は後の章で述べる。

ワt

(24)

H

C

H FU H

+

(2,4)MTP

ー戸U nJι UH ,,

. 肉 凶

川 小

α 川 ー :

C1

(1) KOH, NaBH4 EtOH/PhH,

high dilution route A

、‘,,,4y・E ,,z・‘、

route B +BrCH2 、

CH2Br

l、 』

10a

文三

11a

R2 route yield(%)

戸OQuqdク』Rd45435

AABBC

Me tBu OMe tBu H H N02 H H H

口H

X2

Me Br Me Br Me 8r Me 8r 8r 8r X1 36a

b c d

e

R2 36 route C

+ 2 2 r

S::

古河

Scheme 2・8 11 b 23c

ジチア[3.3](3,4)MTP 38 37 及ぴ

ジチア[3.3](2,3)MTP また

ビス(メルカプトメチル) ロロメチル)体 及ぴ

対応するビス(ク

は、

ング反応によって得られた 体の高度希釈条件

でのカ ップリ

2-9,10)。

(Scheme

} 、

(1) KOH, Na8H4 EtOH/PhH,

high dilution

�1 ト. . r-S一、

HSCH" ... ^ _CH円SH ... / '-' "-ー『

�'r夕、〆"" '2,"", 1 I (1)

//ザ j=\

v ご ぺJ(

R1

R2

'-S_./

n2 E=COOEt 24a,b,c

+

(2,3)MTP

CICH

yield(%) 37a

b c

131 631

R2 Me t8u OMe t8u H H 37 R1

Scheme 2・9

-

1 8

-

(25)

20 24a,b

H対…

Scheme 2・10

(1) KOH, NaBH4 EtOH/PhH high dilution

一方、 ジチア[3.3](2,4)MTPのうち、 チオフェン環上に臭素原子 を有するものはリチオ体を経由する方法、 またはアルカリ条件下亜

鉛を用いることにより臭素原子が還元的に除去できた。 また、 アミ ノ体はニトロ体を亜鉛で還元することによって合成した(Scheme 2-11)。 なお、 先に述べた 36b のシン体及ぴアンチ体の還元によっ て、 同ーの還元体が得られた。 これはシン, アンチ体問のエネルギ ー障壁が小さくなったことにより、 コンフォマー聞の異性化が室温 下でも生じているためであると思われる。 しかし、 還元体の収率は コンブオーマーの差異により大きく異なった。 即ち、 アンチ-36bか らはj収率53%で

2五豆

が得られたにすぎなかったが、 シン-36bか らは、 97%の収率で

2企豆

が得られた。 これは、 中間に生成するリ チオ体の安定化に、 メトキシ基の酸素原子の非共有電子対が関与し ていることを示している。 また、 トリメチル体 36kは、 リチオ体 をジメチル硫酸で処理することによって得られたが、 不安定であっ

た。

QU

(26)

Zn, CaCI2, EtOH/water 35g

(73%)

l

1) BuLi, hexlTHF,・60・c 2) H30+

Zn, NaOH, dioxane/water 36e

(69%)

1) BuLi, hexITHF, -60・c 36a

2) Me2S04 (21 %)

Zn, CaCI2, EのH/water 36d

(52%)

Scheme 2・11

._

2 - 4

Mghilk­

qu

X1 X2 R1 R2 yield(%)

Me H Me tBu 57 Me H OMe tBu 53 a, 97b Me H H H 72

H H H H 33 H Br H H 17 Me Me Me tBu Me H NH2 H 36)

8from anti-36b bfrom syn-36b

36k

361

ジチア[3]ノてラシクロ及びオルトシクロ[3]チオフェノ

ファン類(ジチア[3.3]PTP及びジチア[3.3JOTP)の合成 ジチア[3.3]PTPは Scheme 2-12"'15に示したように 、 対応する ビス(クロロメチル)体とビス(メルカプトメチル)体の高度希釈条件 下におけるカップリング反応によって得られた。

-20-

(27)

(2,5)PTP

8r、〔イ8r (1 )

JÄc�

HSCH{ 'S- 'CH2SH

3b 31a 39a

8r," /8r HSCH2 +

ゆJ

CH SH(51%) (1) (1) KOH, Na8H4 EtOHIPhH,

C C

Aw

2 '"' V I '2v, OCH3

z

-

W "=<

2b 32

Scheme 2-12

(2,4)PTP

文京

H2SH (1)

λユィ

+ 31b

(1)KOH,NaBH4

(54%) EtOH/PhH,

11a 40a

8r

J:i

トぜ叫Cl

+ 2

CICHハs入CH3

\ OMe

syn-40b anti40b

(28%)

10a Scheme 2-13 (16%)

(23)PTP

文弘

{1) C|CH2

LOj

(1)KOH,NaBH4

+ 32

EtOH/PhH,

CICH2 S E

E=COOEt

17

4 1 Scheme 2-14

-2 1-

(28)

(3,4)PTP

文式

+ 3 2

C CH3

斗3 from 20 and 32: 42 (1.8%)

2 1 from 21 and 31 a: 42 (39%), 43 (6%)

(1) KOH, NaBH4 EtOH/PhH,

high dilution Scheme 2・15

チオフェン環の内部位に臭素原子を有する生立色の2つのコンブオ マーは分離可能であった。 同様な異性体は、 先に Staabらが報告

しているパラシクロにおいても 分離てい。 2 0 ) チア [3.3J(2,4)PTPはその内部置換基の臭素原子をジチア[3.3JMTPと同

様に還元したところ、 期待したように、 但bの2つのコンフオマー から同一生成物40dが得られた(Scheme 2-16)。

OMe anti-40b

λユJJi

40d: from anti; 31%

from syn; 82%

40c,d c; R=H d; R=OMe

syn-40b (1) 1) BuLi, Hex-THF, -60・c 2) H30+

Scheme 2イ6

-22-

(29)

ジチア[3.3] (3, 4)PlP笠の合成において、 ビス(ハロメチル)体

とビス(メルカプトメチル)休の選択によって目的とした[3.3JPTP のj収率が大きく異なった。 このような現象は、 先に IIopfらが報告

42

A

dimer, trimer

B

Scheme 2・17

した21) [3.3Jオルトパラシクロファンの合成の際にも見いだされて いる。 これは、 Scheme 2-17に示すように、 最初の S-アルキル化 が起こった後、 第2段目の Sーアルキル化が起きる際、 中間体Bを

経由するルートにおいては位置的にイオウ原子がチオフェン環のメ チレンに接近しにくくなるため分子内環化反応が進行しないためと 推定される。

ジチア[3.3JOTPも同様の方法で得られた(Scheme 2-18)。

かし

文丈

+

10a

45

くX2

34

34

(2) (47%)

(1 ) (44%)

(1)

(36%)

45 r-S_

- __j \...,ク... (1) KOH, NaBH4, EtOH/PhH

?、 γ]

high dilu伽

CH3'

J (2) 1)BuLi, hex-THF,ー60・c S -- 2) H30+

46 Scheme 2・18

-23-

(30)

2 - 5 まとめ

本章では、 ジチア[3.3]MTP, PTP, OTP類の合成に ついて述べ、 次 の様なことが明らかとなった。

(1) 2,5-ジブロモチオフェンのクロロメチル化反応は、 臭素原子が 3位に転位した 2,4-ビス(クロロメチル)体llc を与える。

(2) ジチア[3.3]MTP, PTP, OTP類はそれぞれ対応するビス(ハロメ チル)体 及び ビス(メルカプトメチル)体の高度希釈条件下におけ るカップリング反応を用いて合成できる。

(3) ジチア[3.3](2,4)MTPの内部位にメトキシ基を有する 36b及 ぴ ジチア[3.3J(2,4)PTP40bにおいて 2つ のコンブオマーを単離 した。 また、 内部置換基の臭素原子を還元することによって反転す ることが判り、 臭素原子が大きな反転障害になっていることを見い だした。

(4) ジチア[3.3J(3,4)PTPの合成では、 クロロメチル体とメルカプ トメチル体の選択によって、 その収率が大きく異なることを見いだ

した。

-24-

(31)

2 - 6 実験

本論文に記載の融点及ぴ沸点は全て未補正値である。 IR スペク

トルは、 日本分光IR-700型赤外分光光度計を用いて測定した。 IH NMR スペクトルは、 日本電子PMX60S 1, 日本電子FX-I00型及び日 本電子GSX-270型核磁気共鳴装置で、 TMSまたはジクロロメタン を内部標準として、 60MHz,100Mllz,270MHz で測定した。 I3 C N MR ス ペクトルは、 日本電子 GSX-270型核磁気共鳴装置で、 TMSを内部 標準として、 68MHz で測定した。 I 9 F N MR スペクトルは、 日本電子

FX-I00型核磁気共鳴装置で、 C6F6を内部標準として測定した。 質 量スペクトルは、 日本電子JMS-Ol-SG-2型質量分析装置を用い 、 直接導入方式75ev のイオン化電圧で測定した。 元素分析は、 日立 026CHN微量分析計及びヤナコ製 CHNコーダ- MT-5型を用いた。 ま た、 紫外吸収スペルクトルは、 目立製220型ダブルビーム分光光度

計を用いた。

-2 5-

(32)

2,ラ-ビス( クロロメチル ) チオフェン (2a) の合成

500 ml三つ口フラスコにチオフェン (1) 20.0 g (0.24 mol) , クロ ロメチルメチル エーテル 50.0 g (0.63 mol) ,酢酸 140 ml,リ ン酸 25 mlをいれ、 室温下 15時間撹伴した。 反応液を氷水に注 ぎ有機層をエーテルで抽出し、 この抽出液を冷水及ぴ炭酸ナトリウ ム水溶液で何度も洗浄した。 これを硫酸マグネシウムを加えて乾燥 し 減圧下、 溶媒を留去し、 残j査を減圧下蒸留することにより得られ

た国体をヘキサン より再結品して、 2,5-ビス(クロロメチル)チオ フェン (2a) を17.4 g (0.096 mol) 収率40%で得た.

無色針状品(ヘキサン)

b.p.: 83 t/1.3 torr (lit.22)106 t/5 torr) .

2,5ージブロモチオフェン (4 ) の合成

2Q三ツ口フラスコにチオフェン (1) 67 g (0.80 mol) , 四塩化 炭素450 mlを入れ、 氷浴下、 4"'8 tにおい て、 臭素92 ml (1.8 mol) を1時間かけて滴下し、 さらに 15時間室温で撹伴した. 溶 媒を減圧下留去し、 残j査を減圧蒸留して 4を155 g (0.64 mol) 収 率80完で得た

無色液体

b.p. 75.0"'77.0 t/ 7 torr, (lit.22) 210.5 t) 2,3,4,5-テトラブロモチオフェン (5) の合成

500 ml三ツ口フラスコに、 2,ラージブロモチオフェン (4) 155 g

(0.64 mol) を入れ、 j由浴上40"'50 tで撹持しながら 、 臭素73 ml ( 1 . 4 mo 1 ) を3時聞かけて滴下し、 さらに 12時間撹持した. 生 成した団体を水で洗浄し、 エタノールとベンゼンの混合溶媒より再

結晶することによりEを200 g (0. 50 mo 1 ) 、 収率78%で得た。

無色プリズム品

m.p. 113.0"'115.0 t, (lit.22) 114 t) . 3,4ージブロモチオフェン (6) の合成

ρりつ臼

(33)

1 �三ツ口フラスコに、 2,3,4,5-テトラブロモチオフェン(5 )

100 g (0.25 mol)、 酢酸 50 ml、 ジオキサン 300 mlを入れ、 室温 下、 これに少しずつ、 亜鉛末50 g (0. 75 mo 1 )を加え、 さらに油浴 上14時間加熱還流した。 溶媒を100 mlになるまで濃縮し、 これ を室温まで放置して、 クロロホルム 500 mlを加え、 析出した団体 を減別した。 国体を何度もクロロホルムで洗浄し、 これと減液 を一 緒にして、水及び炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。 硫酸マグネシ ウムで乾燥した後、 溶媒を減圧下留去し、 残j査を減圧蒸留すること により、 6 を47 g (0.20 mol)、 収率80%で得た。

無色液体

78 t/4 torr, (lit.22) 94"'95 t/12 torr .)

2,5ービス( クロロメチル)-3,4-ジブロモチオフェン(2b)の合成 500 ml三ツ口フラスコに3,4- ジブロモチオフェン( 6) 50. 0 g

(0.21 mol)、 パラホルムアルデヒド18.6 g (0.62 mol)、 塩化亜鉛 21 g (0. 15 mo 1 )、 四塩化炭素170 mlを入れ、 塩化水素気流下、

水浴上30"'60 tで19時間加熱撹持した。 反応液 を氷水中に注ぎ、

有機物をクロロホルムで抽出し、 これを、水及び炭酸水素ナトリウ ム水溶液で洗浄した。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減圧下溶媒 を留去し、 残}査を石油エーテルより再結晶することにより、 2bを 54. 0 g (0. 15 mo 1 )、 収率73克で得た。

無色プリズム品(石油エーテル)

m.p. 67.5"'69.0 t, (lit.5) 68"'69 t ).

チオフェン-2-アルデヒド(7 )の合成

500 ml三ツ口フラスコにN-メチルホルムアニリド127 g (0.94 mo 1 )、 オキシ塩化リン 144 g (0. 94 mo 1 ) を入れ、 30分間室温で 放置した。 D. C. スターラー を用いて撹伴し ながらこれに、水浴上 25"'30 tで、チオフェン(1 )82 g (0. 98 mo 1 )を40分間かけて滴

下した。 さらにこの温度で2時間撹伴した後、 室温で17時間撹

-27-

(34)

伴した。 反応液を650 m1の氷水に注ぎ、 有機層を分離し、水相を

200m1のエーテルで3回抽出し、 これを有機層 に加えた。 有機層 を200 mlの4%極酸 で2回、 200 ml飽和炭酸水素ナトリウム水 溶液で1回、 さら に 300 m1食塩水で洗浄した後、 硫酸マグネシ ウムを加えて 乾燥した。 減圧下溶媒を留去し、 残j査を減圧蒸留する ことにより、 7を84 g (0.75 mol)、 収率77% で得た。

無色液体

b.p. 78"'80 t/10 torr, (1it. 23) 97"'100 t/27 torr ) . 4-ブロモチオフェン-2-アルデヒド(8a) の合成

50 ml三ツ口フラスコに 塩化アルミニウム 50.0 g (0.37 mol) をいれ、 D. C. スターラー で撹伴しながら、 氷浴上 チオフェン-2-

アルデヒド(7 ) を滴下した。 この粘ちょう性の団体に、 臭素25

g (8 m 1, O. 16 mo 1 )を滴下し、 そのま ま 90分間放置した。 反応液 を徐々に 3%庖酸に注ぎ、 有機物をジクロロメタンで抽出した。

11lr ili 液を食店水、 炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、 硫酸マ

グネシウム で乾燥した。 溶媒を減圧下留去した後, 残誼を減圧蒸留 し, 第2留分をエーテルと石油エーテルの混合溶媒より再結品する

ことにより、 8aを14.5 g (7.6 mmol)、 収率引先で得た。 また 第1留分 として原料の Zを4.0 g (36 mmo 1 )、回収率24完で回収 した。 また、 第3留分をヘキサンより再結品して、 2,3- ジブロモチ

オフェン-4-アルデヒド(8b ) を2.7 g (7% ) で得た。

8a :無色針状品(石油エーテル+エーテル)

b.p. 101"'104 t/8 torr, (lit.7) 112 t/11 torr ) . m.p. 46.0"'47.0 t, (lit.7) 46.6"'47.4 t ) .

8b :無色針状品(ヘキサン) b. p. 118"'122 t/6 torr.

m.p. 81.5"'83.0 t, (lit.7) 82"'82.5 t).

4ーブロモ-2ーメチルチオフェン ( 9 ) の合成

-28-

(35)

蒸留装置を付けた 300 ml三ツ口フラスコに、 4-ブロモチオフェ ン-2-アルデヒド(8a) 10.0 g (52 mmol)、 抱水ヒドラジン 10 ml

(約200 mmol)、 エチレングリコール 50 mlを入れ、 撹梓しながら 室温から 130"'140 tに加熱した。 余分なヒドラジン及び水を 2時 間かけて蒸留によって除き、 そのまま 40 t まで自然に温度を 下げ た。 これに還流管を付けて、 水酸化カリウム 20 g (0.36 mol)を 加え、 徐々に温度を上げていった。 70 t付近で激しく反応を始め たので、 この温度で 30分間撹持した。 さらに温度を上げ、 135 t 付近で 1時間還流した。 反応液を室温まで冷まし、 氷水 350 ml に注いだ。 有機物を 100 mlのエーテルで 2回抽出し、 抽出液を

500 mlの飽和食塩水で 3回洗浄した後、 硫酸 マグネシウムを加え て乾燥した。 溶媒を減圧下留去し, 残j査を減圧蒸留することにより 9を 7. 0 g (40 mmo 1 )、 収率76%で得た。

無色液体

b.p. 52"'52.5 t /7 torr, (lit.7) 74"'76 t/20 torr).

2,4-ジメチルチオフェン (12)の合成

新たに調製した ヨウ化メチルマグネシウム 50 ml エーテル溶液 (約270 mmo 1 )に、 4-ブロモ-2-メチルチオフェン (9) 3ラ.4 g (200 mmol) 及び、 極化ニッケル 1,3-ビス(ジフェニルフォスフィ

ノ)プロパン 8 a ) 400 mg (0. 7 4 mmo 1 )を加え、 窒素気流下、 33時

間加熱還流した。 反応液を 2%塩酸に注いだ後、 有機層を分離し た。 食塩水で有機層を洗浄した後、 硫酸マグネシウムを加えて乾燥

した。 溶媒を留去し、 残j査を減圧蒸留することにより、 12を 20 g

( O. 18 mo 1 )、 収率89完で得た。

無色液体

b.p. 142.0"'144.0 t, (lit.24) 144 t).

2,4ーピス(クロロメチノレ)-3-フゃロモ-5-メチノレチオフェン (10a)の 合成

-2 9-

(36)

300 ml三ツ口フラスコに、 クロロメチルメチルエーテル54 g (0.67 mol)、 四塩化チタン48 g (0.25 mol)及び、 二硫化炭素

200 mlを入れ、 これに 、 氷冷しながら 4-ブロモ-2ーメチルチオフ ェン(9 ) 30 g (0.17 mol)の 20 ml二硫化炭素溶液を 30分かけ て滴下した。 反応液を室温で 30分間撹伴し、 500 mlの氷水中に 注いだ。 有機物をクロ ロホルムで�Ih :11•し、 これを食温水で洗浄し、

硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、 溶媒を減圧下留去した。 残 j査にヘキサンを加え、 熱ヘキサン 300 mlで熱抽出を行い 、 ヘキサ ンを減圧下留去した後, 残j査をヘキサンより再結品することにより 10a を 26 g (95 mmol)、 収率56%で得た。

無色針状品(石油エーテル); mp 78.0"'79.0 t; IR(KBr) v(cm-1) 二 1256, 921, 634; JH-NMR (CDCI3) ô (ppm) = 2.50 (3H,s), 4.52 (2H,s), 4.72 (2I1,s); MS m/e 272, 274, 276 [M+J.

分析値 C 30.38, H 2.65.

計算値(C7117BrCI2S) C 30.68, H 2.57.

2,4-ビス( クロロメチル)-3,5-ジメチルチオフェン (10b)の合成 クロロメチルメチルエーテル6.4 g (80 mmol), 四塩化チタン 4.6g (24 mmo 1 )の 20 mlジクロロメタン溶液に、 12 2.2 g (20

mmo 1 )の 10 mlジクロロメタン溶液を 10分間で加え、 氷浴で:, 5 分間撹伴した。 10a と同様の後処理を行い、 残j査を 180t (パス温) /0.7to rr で蒸留した後、 留分を石油エーテルで再結品して 0.90 g (4.3 mmol)の 10b を収率22%で得た。

無色プリズム品(石油エーテル); mp 47.5"'49.0 t; IR (KBr) v ( cm - J )二1439, 1394, 1254, 1202; lH-NMR (CDCI3): ô (ppm )二

2.22 (3H,s), 2.44 (3H,s), 4.46 (2H,s), 4.68 (2H,s); MS ni/e =

208, 210 212 [M+J.

分析値 C 45.81, H 4.80.

計算値(CsH,oCI2S) C 45.95, H 4.82.

-30-

(37)

2,4-ジブロモ-3,5-ビス(クロロメチル)チオフェン (10c)の合成 500 ml三つ口フラスコに、 2,5-ジブロモチオフェン (4) 35 g

(0.25 mol), クロロメチル メチルエーテル 64 g (0.80 mol), 二 硫化炭素190 mlを入れ、 氷浴上o t以下に保ちながら、 四塩化 スズ77 g (0.30 mo 1 )の 15 ml二硫化炭素溶液を2時間かけて

滴下した。 滴下終了後、 この温度で2.5時間撹伴した後、 室温で さらに 1時間撹伴した。 反応液を300 mlの氷水中に注ぎ、 クロ ロホルムで抽出した。 これを食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムを

加えて乾燥した。 溶媒を減圧下留去し、 残j査をヘキサンで熱抽出後 溶媒を留去し、 残j査をヘキサンより再結晶することによって、 18 g の10cを収率21 %で得た。

無色プリズム品(ヘキサン)

m.p. 79"'81 t, (lit.5) 88"'88.5 t).

2,4ージブロモ-3,5ージメチルチオフェン (13)の合成

ビスクロロメチル体 1旦� 1.7 g (5.0 mmol)の30 ml乾燥TIIF 溶液に、 570 mg (15 mmol)の水素化アルミニウムリチウムを加え、

窒素気流下、 j由j谷上3時間加熱還流した。 反応液を氷水中に注ぎ、

有機層を分離した。 飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸マグネシウムを 加えて乾燥した。 溶媒を減圧下 留去することにより、 13を1.2 g 収率89%で得た。

無色液体; IR (NaCl) v (cm-1)= 2916, 1554, 1438, 1379, 1330,

1022, 952, 757; 'H-NMR(CDCIJ) å(ppm)= 2.16 (2H,s), 2.34 (2H,

s); HRMS m/e 267.8559 [M+J, 計算値: 267.8558 (C6H6Br2S) また、 i三 は以下に述べる方法で12からも得られた。

� 110 mg (1.0 mmol)に、 臭素500 mg (3. 1 mmo 1 )を加え、 室 温で3 分間撹伴した後ジクロロメタン及ぴ水を加え、 有機層を分 離した。 これを食塩水で洗浄した後、 硫酸マグネシウムを加えて乾 燥した。 溶媒を減圧下留去することによって、 260 mgの 13を収

-31-

(38)

率96%で得た。

2-アセチルチオフェン (14 )の合成

1 �三つ口フラスコに チオフェン (1) 252 g (3.0 mol)、 無水酢 酸175 g (1.66 mol) 及び、 ヨウ素3.0 g (12 mmo 1 )を入れ、 1.5

時間加熱還流した。 反応液に 200 mlの水を加え、 有機層を分離し 水相は 200 mlのクロ ロホルムで抽出し、 これに加えた。 チオ硫酸 ナトリウム水溶液及び、 食塩水で洗浄した後、 硫酸マグネシウムを

加えて乾燥した。 減圧下溶媒を留去し、 残j査を減圧蒸留することに よって、 170 gの 14を収率45%で得た。

無色液体

b.p. 77.0"'79.0 t/6torr, (lit.25) 71"'74 t/4torr ).

2-チオフェンカルボン酸(15)の合成

3�の磁製ビーカーに 水酸化ナトリウム 243 g (6. 1 mo 1 )を入れ 水 1.4 � に溶解させた。 これに -5"'3 t に保ちながら、 臭素120

m 1 (4. 7 mo 1 )を 1時聞かけて滴下した。 滴下終了後、 2-アセチル チオフェン (14) 90 g (0. 71 mol)を 5分間で滴下し、 さらに 2 時間撹伴した。 反応液に濃極酸300 mlを加え、 生じた結品を減過 し、 これを水で再結品することにより、 83 gの 15を収率引先

で得た。

無色板状品(水)

m.p. 129.5"'130.0 t, (lit. 22) 129"'130 t) 2ーチオフェンカルボン酸 エチルエステル(16)の合成

3�三つ口フラスコに 2-チオフェンカルボン酸(15) 77 g (0.60 mol)を入れ、 エタノール900 ml及び、 濃硫酸50 mlを加えて 2 時間加熱還流した。 溶媒を減圧下留去し、 残j査を氷水中に注いだ後

ジクロ ロメタンで抽出した。 食塩水で洗浄した後、 硫酸マグネシウ ムを 加 えて乾燥した。 減 圧下溶媒を留去し、 残j査を 減圧蒸留するこ

とにより、 16を 71 g, 収率76完で得た。

-3 2-

(39)

無色液体

b.p. 84"'85 t/6 torr, (lit.z6) 45 t/O.4 torr)

2,3-ビス(クロロメチル)-5-チオフェンカルボン酸 エチルエステル (17)の合成

500 mlナスフラスコに 、 2ーチオフェンカルボン酸 ヱチルヱステ ル(16) 32 g (0.20 mol)及び、 クロロメチルメチルエーテル 80 m 1 ( 1. 0 mo 1 ) を入れ、 これに 、 四塩化チタン 60 g (0. 30 mo 1 ) を 40 分で滴下した。 さらに室温で 3時間撹持した後、 ジクロロメタ ン200 ml を加えた。 これを氷水中に注ぎ、 有機層を分離して、 食 塩水で洗浄した。 硫酸マグネシウムで乾燥した後、 溶媒を留去して 残j査をヘキサンで再結品することによって、 17 を50.0 g (0.20 mo 1 ) , 収率99%で得た。

無色針状品( ヘキサン); mp 60.0"'61.0 t; IR (KBr) v (cm-1)二

1714, 1256, 699; IH-NMR(CDCIJ) ô(ppm)= 1.40 (3H,t,J=9Hz), 4.

40 (2H,q,J二9I1z), 4.65 (2H,s), 4.86 (2H,s), 7.83 (lH,s); MS m/e 252, 254 ,256 [M+J.

分析値 C 42.45, H 3.90.

計算値(CgHloClz0zS) C 42.70, H 3.98.

2,5-ジメチルチオフェン (19)の合成

300 ml三ツ口フラスコに 五硫化二リン 66.6 g (0. 24 mo 1 ) 2

5- ヘキサンジオン (l�_) 40. 0 g (0. 34 mo 1 )を入れ、 激しく撹伴し ながら、 さらに 自然に還流するように 97 g (0.91 mol)を徐々に 滴下した。 滴下終了後、 さらに油浴上2時間還流した後, 反応液 より直接常庄で蒸留することにより、 88 g の 19 を収率63%で得 た。

無色液体

b.p. 136"'138 t, (lit.z7) 135.5"'136 t).

3,4ービス(クロロメチル)-2,5-ジメチルチオフェン (20)の合成

-33-

(40)

-圃.._

ジブロ ートを装備した 500 mlナスフラスコに、 2,5-ジメチルチ オフェン (19 ) 20.0 g (0.18 mol) , クロロメチルメチルエーテノレ 50 g (0. 62 mo 1 ) , 酢酸100 ml, リン酸10 mlを入れ、 90分間撹

伴した。 反応液を氷水中に注ぎ、 生じた結品をジクロロメタンで抽 出した。 抽出液を水及びアルカリ水溶液 で洗浄し、 硫酸マグネシウ ムを加えて乾燥した。 減圧下溶媒を留去し、 残j査をヘキサンより再 結品することにより、 19.6 g (94 mmol)の 20 を収率52%で得た。

無色針状品

m.p. 72.0"'73.0 t, (lit.12) 73 t ).

2,ラ-ビス(メルカプトメチル)チオフェン (3a)の合成

2,5-ビス(クロロメチル)チオフェン (2 a) 28 g (0. 15 mo 1 )を

22三ツ口フラスコ中ベンゼン300 mlに溶かし、 これに チオ尿素 24 g (0.32 mol)のエタノ-ル溶液を油浴上加熱撹伴しながら13 時間かけて滴下した。 滴下終了後、 反応液を減圧下留去し、 生じた 結品を減過した。 結品をベンゼンで何度も洗った後、 8完水酸化ナ トリウム水溶液にこれを溶かし室温下1時間撹持した。 反応液を鴻

過して、 溶液をエーテルで洗浄し、 これを 10完塩酸で弱酸性にし、

有機物をエーテルで抽出後、 硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。

減圧下溶媒を留去して残j査を減圧蒸留することにより、 3aを 4.0

g (23 mmo 1 ) , 収率15%で得た。

無色液体

b.p. 60-62 t/O.8 torr, (lit.28) 90 t/1 torr )

3,4-ジブロモ-2,5-ビス(メルカプトメチル) チオフェン (3b)の合 成

100 ml 3つ口フラスコに 2,5ービス(クロロメチノレ)-3,4-ジブロモ チオフェン (2b) 6.8 g (20 mmol)、 チオ尿素3.8 g (50 mmo 1 ) を 入れ、 これにジメチルスルホキシド 50 mlを加えて窒素気流中、

14時間室温で撹持した。 反応液を 5%水酸化ナトリウム水溶液に

-34-

参照

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