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倒産手続における担保権の「適切な保護」

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倒産手続における担保権の「適切な保護」

著者 倉部 真由美

雑誌名 同志社法學

巻 62

号 6

ページ 1897‑1916

発行年 2011‑03‑31

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013566

(2)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二五九同志社法学六二巻

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂

倉  部  真 由 美

︵一八九七︶ 一 はじめに

二 アメリカ連邦倒産法の立法過程における担保権の﹁適切な保護﹂

﹁適切な保護﹂の概要 一九三〇年代のアメリカ連邦倒産法立法過程における議論 一九七八年改正連邦倒産法の立法過程における議論

三 ﹁適切な保護﹂の提供方法

具体的な提供方法 目的物の性質に応じた﹁適切な保護﹂のあり方

四 むすびにかえて

(3)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六〇同志社法学六二巻六号

一 はじめに

  担保目的物や担保設定の方法が多様化するなか︑在庫商品や原材料といった動産︑売掛債権などの債権を担保目的物

として供する動産譲渡担保や債権譲渡担保に加え︑集合動産譲渡担保や集合債権譲渡担保

が以前よりも広く活用される 1

ようになってきている︒最近では︑金融機関が︑企業の事業価値を評価した上で︑集合動産譲渡担保・集合債権譲渡担

保を設定して融資をするABL︵

Asset Based Lending

︶と呼ばれる包括担保の活用も促進されている

2

  ところで︑民事再生手続において︑担保権は別除権として扱われ︑担保権者は手続の外で自由にその権利を行使する

ことができる︵民再五三条一項・二項︶︒しかし︑担保権の実行について一切の制約がないものとすると︑再生債務者

の事業または経済生活の再生のために必要不可欠な財産が︑担保権の実行により失われ︑再生債務者の再生が困難とな

るほか︑再生債権者の一般の利益に反する場合もある︒そこで︑一定の要件の下に︑担保権の実行手続の中止を命ずる

ことができるものとしたのが︑民事再生法三一条である

︒民事再生法における担保権実行中止命令発令の要件は︑中止 3︶

命令の発令は︑再生手続開始申立後であることのほか︑

再生債権者の一般の利益に適合することと︑

競売申立人に

不当な損害を及ぼすおそれがないものとみとめられることである︒

  他方︑会社更生手続において︑開始決定がなされると︑担保権者は更生担保権者として扱われ︑手続に取り込まれる

ことになる︒しかし︑更生手続開始の申立てに伴う保全措置として︑裁判所は︑必要があると認めるときは︑利害関係

人の申立てにより又は職権で︑担保権の実行を含む強制執行等の手続の中止命令を発令することができる

︒ただし︑担 4︶

保権実行手続の申立人である更生債権者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限られている︒

  このような中止命令および包括的禁止命令の立法趣旨は︑担保目的物が不動産の場合だけでなく︑動産・債権が担保 ︵一八九八︶

(4)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六一同志社法学六二巻 目的物である場合にも妥当する︒すなわち︑担保設定者である債務者企業が倒産した場合に︑再生・再建を図ろうとしても︑譲渡担保権者が担保権を実行することにより︑債務者の主要な資産を失うことになり︑再生・再建を図ることが困難になることがありうるからである︒そこで︑このような事態を避けるために︑民事再生手続および会社更生手続において︑担保権実行中止命令︵民再三一条︑会更二四条︶を譲渡担保等の非典型担保にも類推適用して発令することが考えられる︒この点については︑実務・学説ともに各論においてはなお議論すべき問題点が山積しているものの︑おおむね肯定的であるといえる

︒また︑会社更生手続の場合であれば︑包括的禁止命令を発令しうることになる︒ 5

  民事再生法および会社更生法のいずれにおいても︑﹁不当な損害﹂が生じるおそれがないことが担保権実行中止命令

発令の要件として定められている︒担保権実行中止命令や包括的禁止命令が発令されている間に担保目的物の価値が減

少するおそれや︑債務者が目的物を処分することによる価値の減少のおそれがあることは︑実務においても指摘されて

いるところである

︒この点に関して︑最近︑民事再生事件で集合債権譲渡担保に対する中止命令の発令に際して︑不当 6

な損害のおそれの有無が争われた二つの事件がある

︒これらの事件では︑事業継続の見込みがあることから︑新たに発 7︶

生する債権が担保目的物として流入するため︑不当な損害のおそれはないと判示された︒

  しかしながら︑わが国では︑担保権実行中止命令が発令された場合に生じる担保目的物の減少・減耗に対して︑ある

いは︑中止期間中の動産や債権の使用・処分による︑担保目的物の減少に対して︑中止命令が発令された後に﹁適切な

保護﹂を図ることが明文で定められているわけではない︒また︑担保権者への﹁適切な保護﹂があれば︑中止命令が発

令できるという構造にもなっていない︒中止命令発令の際に損害に対する補償がなされれば︑中止命令を発令すること

も考えられないか︑担保権者はどの範囲まで保護されるべきであるのか︑損害が生じた場合に︑いかなる保護が与えら

れるべきか︑これらの点を検討する必要性はますます高まっているといえる︒

︵一八九九︶

(5)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六二同志社法学六二巻六号

  そこで︑本稿では︑アメリカ連邦倒産法における担保権者に対する﹁適切な保護﹂のあり方を紹介し︑わが国の再建

型倒産手続における担保権者への適切な保護のあり方を検討することを目的とする︒わが国においても︑とりわけ価値

の減少・減耗の激しい動産担保や債権担保の利用が活発になっている現在の状況において︑彼の国の担保権者に対する

﹁適切な保護﹂のあり方から示唆を得ることが有益である︒以下では︑現行二〇〇五年アメリカ連邦倒産法における﹁適

切な保護﹂のあり方を確認した上で︑旧一九七八年アメリカ連邦倒産法の立法過程における﹁適切な保護﹂をめぐる議

論を紹介し︑﹁適切な保護﹂がいかなる考え方に基づいて︑どのように提供されているのかを整理することにしたい︒

二 アメリカ連邦倒産法における﹁適切な保護﹂

⑴ 現行アメリカ連邦倒産法における﹁適切な保護﹂

  現行二〇〇五年改正アメリカ連邦倒産法上︑担保権者の権利が制約される場面には︑自動的停止︵

Automatic Stay

により担保権実行が禁止

︑担保目的物である財産が債務者や管財人により使用︑売却︑・停止される場合︵三六二条⒜︶ 8︶

賃貸される場合︵三六三条︶︑また︑新規借入れのために既存の担保権よりも高順位の担保権を付与する場合︵三六四条︶

がある︒これらの制限により担保目的物上の担保権者が把握する価値が減少する場合に︑その減少する部分について︑

次の①から③のいずれかの方法により︑担保権者に﹁適切な保護﹂を与えなければならないこととされている︵三六一

条︶︒

①管財人からの一括または分割の現金の支払

②追加担保または代替担保の提供 ︵一九〇〇︶

(6)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六三同志社法学六二巻 ③権利者が有する権利と疑いもなく同等の︵

indubitable equivalent

︶価値を有する救済方法の実施

  次に︑﹁適切な保護﹂がどのような変遷を経て︑現在のように定められるようになったのか︑立法過程を遡ってみたい︒

⑵ 一九三〇年代のアメリカ連邦倒産法立法過程における議論

  ﹁適切な保護﹂が初めてアメリカ連邦倒産法に規定されたのは︑一九三〇年代のことである︒一九三〇年代のアメリ

カでは︑世界大恐慌に対処する政策の一環として︑数種の債務者更生手続が相次いで立法された︒一九三三年には︑フ

ーヴァー︵

Hoover

︶政権の下で臨時の債務者救済立法が行われ︑一八九八年連邦倒産法の中に新たに第八章﹁債務者

救済のための諸規定︵

Chapter VIII Provisions for the Relief of Debtors

︶﹂が加えられた︒同章は七三条から七七条で構

成 さ れ て お

り︑

特 に 七 四 条

47 Stat. 1467 1933

︵︵

︶︶

は︑

法 人

︑ 農 業 経 営 者 を 除 く 個 人 債 務 者 の 債 務 整 理 手 続

Arrangement

︶を︑また︑七五条︵

47 Stat. 1467

1933

︶︶は︑農業経営者を対象とした更生手続を︑そして︑七七条︵

47 Stat. 1474

1933

︶︶

は︑

州際通商を営む鉄道会社の更生手続を規定していた

︒また

︑一九三四年にルーズヴェルト

Roosevelt

︶大統領はニューディール政策の一環として︑経済の各部門における倒産を防止し負債を軽減するという目

的で︑以下のような立法を行った︒すなわち︑一八九八年法に新たに七七A条︵

48 Stat. 911

1934

︶︶と七七B条︵

48

Stat. 912

1934

︶︶を設け︑会社の再建を目的とする手続を創設するとともに︑農業経営者の更生手続に関する七五条に︑

新たに︵s︶を追加した︵いわゆるフレージャー・レムケ

9︶

10

︶ ︒

  これらの手続においては︑現在のアメリカ連邦倒産法における﹁自動的停止﹂の基礎となった担保権実行の禁止およ

び停止の規定が含まれており︑担保権実行の禁止・停止による担保権者の財産権︵合衆国憲法修正第五条︶の侵害の有

無を争う裁判例が出現した

11

︵一九〇一︶

(7)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六四同志社法学六二巻六号

  他方︑この時期には︑裁判所が計画を認可する段階において︑担保権者にどのような保護を与えれば適切であるかと

いう点が争われた︒それが一九三五年の

In re Murel Holding Co.

事件である︒本件では︑いわゆる﹁権利保護条項﹂︵わ

が国の会社更生法二〇〇条に相当する︶について規定する旧七七B条⒝

にいう﹁適切な保護﹂が担保権者に提供され

たか否かが争点となった︒本判決は︑適切な保護の内容は︑﹁完全なる補償︵

completely compensatory

︶﹂でなければ

ならず︑その保護の程度は︑債権の侵害される部分の価値と﹁疑いもなく同等︵

indubitable equivalence

︶﹂でなければ

ならないと述べている

12

  この判決において初めて担保権者に対する﹁適切な保護﹂という概念が登場し︑本判決は︑現在でも﹁適切な保護﹂

の内容に関するリーディングケースとされている︒本件は︑担保権実行の停止の場合における﹁適切な保護﹂が争われ

たケースではなかったが︑ここで現れた﹁適切な保護﹂の概念は︑やがて一九七八年連邦倒産法三六一条において︑三

六二条︑三六三条︑三六四条の場合に適用される旨が明文化されるに至る︒

  そこで次に︑一九七八年に改正された連邦倒産法の立法過程を簡単に概観し︑その過程において提案された﹁適切な

保護﹂の提供方法と︑それに対して加えられた批判を紹介する︒

⑶ 一九七八年改正連邦倒産法の立法過程

一九七八年改正連邦倒産法の立法作業は

︑一九七三年にアメリカ合衆国倒産法委員会

The Commission on the

Bankruptcy Laws of the U.S.A.

Commission ’s Bill

︶が︑連邦倒産法改正草案︵委員会草案︶を第九三回連邦議会に提 13

出したことから始まる︵

H.R. 10792

︶︒その一方で︑全国倒産裁判官会議︵

National Conference of Bankruptcy Judges

︶は

委員会草案の主要な点に賛同できなかったため︑独自にいわゆる裁判官草案︵

Judges ’ Bill

︶を作成して議会に提出し ︵一九〇二︶

(8)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六五同志社法学六二巻 た︵

H.R. 16643

︶︒そして︑一九七五年の第九四回連邦議会にも再び両方の草案が提出されている︵委員会草案

H.R.

31

および裁判官草案

H.R. 32

14

︶ ︒

  委員会草案︵以下︑委員会草案といった場合︑

H.R. 31

をさす︶では︑チャンドラー法上︑再建型手続について定めて

いた第Ⅹ章︑第

XI

章︑および︑第

XII Reorganization

章は︑﹁再建︵︶﹂と題する第七章に統合された︒そして︑第七章の

− 二〇三条は︑賃貸財産およびリーエンの設定されている担保目的物を債務者が事業継続のために使用する場合︑担

保権者は停止の終了あるいは﹁適切な保護﹂を求めて申立てをすることができるという規定であった

︒その中で︑委員 15

会は︑﹁適切な保護﹂の具体的な内容として︑次の三つを列挙している︒

①同価値の担保を要求すること︹代担保︺

②エクィティ︹目的物の価額から被担保債権額を差し引いた余剰価値︺がない︑あるいはわずかである場合には︑使

用の結果︑目的物の価値に期待される増加分と同じだけの追加担保を要求すること︹追加担保︺

③財団の財産の清算価値のうち︑債務の弁済に充てられる部分が十分であると言うことが明らかな場合には︑管財費

用︵

administrative expenses

︶として優先権を与えること

  この委員会草案の内容をめぐっては︑次のような点が議論されていた︒①に関しては︑アメリカでは一九五二年に統

一商事法典︵

Uniform Commercial Code

以下︑UCCと呼ぶことがある︶が制定されて以降︑企業の在庫商品︑原材

料︑売掛代金債権など︑企業が有する流動資産を一括して担保目的物とする浮動担保︵

floating charge

︶の利用が促進

され︑アメリカにおける担保取引の中心となっていた︒その結果︑すでに債務者財産の全てに担保が設定されている場

合が多く︑もはや代担保に供する財産が残っていないという指摘があった

︒また︑もとの担保と同等の価値であるか否 16

︵一九〇三︶

(9)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六六同志社法学六二巻六号

かについては慎重な判断を要するが︑手続が開始したばかりの混乱時に︑そのような作業を的確に行う十分な時間はな

いのではないかという点も指摘されている

︒②については︑とくに批判は見あたらなかったが︑①で述べた批判が追加 17

担保にも当てはまるであろう︒③については︑再建手続が成功して管財費用の全額が支払われればよいが︑再建計画が

履行できなくなり︑もはや全額弁済できないほど財団が不足した場合︑管財費用のすべてが完全に支払われるというわ

けではない︒したがって︑管財費用としての優先権の付与は﹁適切な保護﹂の方法として確実とはいえないという点が

批判されていた

18

  他方︑委員会草案では提案されなかったが︑学説上︑議論されていた担保権者への﹁適切な保護﹂の提供方法として︑

In re Bermec Corp.

事件で示された現金による補償の方法がある︒

Bermec

事件では︑担保価値が急速に減価するト

ラック・トレーラーが担保目的物であったケースで︑担保権の早急な実行は担保権者の保護にとって不可欠であるが︑

適切な保護があれば担保権者の保護としては十分であり︑再建の見込みのある会社の利益と担保権者の利益を比較衡量

し︑現金の支払を明白に誤りとすることはできないと判示された

︒︑さらには︑政府の関与も含めた方法として︑②担 19

保権者の売得金に対する所得税の納税義務について猶予を与えることにより︑担保権者への弁済に代える方法︑また︑

③政府による保証機構を設置する方法などがあった

20

  これらの批判や提案を受けて︑上院草案︵

S. 2266

︶および下院草案︵

H.R. 8200

︶が作成され︑一九七八年に上下両

院はそれぞれの草案を可決した︒その後︑両院間の協議を経て︑両院は下院草案を修正した改正法案を可決するに至り︑

旧一九七八年改正連邦倒産法︵

Bankruptcy Reform Act of 1978 .

以下︑一九七八年法と呼ぶことがある︶が成立したの

である︒以下では︑再建型倒産手続である第一一章手続︵

Chapter 11 Reorganization

いわゆるチャプターイレブン︶

を中心に︑﹁適切な保護﹂のあり方をめぐる議論を見ていく︒ ︵一九〇四︶

(10)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六七同志社法学六二巻   前述した委員会草案七

− 二〇三条の﹁適切な保護﹂の内容は下院草案にも引き継がれ︑その結果︑委員会草案とほぼ

同様の内容が︑一九七八年改正連邦倒産法の三六一条に規定されている︒ただし︑一九七八年法において﹁適切な保護﹂

が与えられる場面は委員会草案とは異なっている

︒すなわち

︑委員会草案では

︑自動的停止および債務者

・管財人

trustee

︶による担保目的物の使用によって担保権の侵害が生ずる場合に限られていたが︑一九七八年法三六一条によ

ると︑これらの場合だけでなく︑管財人による財団財産の売却・賃貸︵三六三条︶や︑与信の獲得︵三六四条︶などに

よって担保権者が損害を受ける場合にも適切な保護が与えられ得ることになり︑﹁適切な保護﹂が与えられる場面が増

えた︒  また︑三六一条には︑﹁適切な保護﹂の提供方法として︑委員会草案では言及されていなかった﹁定期金の支払﹂が

新たに加わっている︒他方︑右草案で提案されていた管財費用としての優先権の付与は︑再建手続が成功するか否かに

左右される不確実な方法であるという理由で一九七八年法では削除されている︒また︑三六一条では︑新たに﹁その他

の救済方法﹂という︑裁判所の裁量に任せられた柔軟な方法が加えられた︒

  ここで︑それぞれの提供方法に対する批判を見てみることにしたい︒

  まず︑﹁定期金の支払﹂は︑

In re Y ale Express System, Inc.

事件で提示された方法であり︑一九七八年法で採用され

ている

Y ale

︒事件は︑債務者がわが国の会社更生手続に類似するチャンドラー法第Ⅹ章手続を申し立てた後︑債務者に 21

トラックおよびトレーラーを売却した売主が︑当該動産の取戻しを請求した事案で︑裁判所は︑債務者の再建の見込み

がなくなるとして︑売主の取戻しを認めず︑債務者が当該目的物を使用することにより売主に生ずる損害は計画中で考

慮すれば足りるのであり︑賃借料あるいは使用料の支払は認められないと判示した

︒この方法に対しては︑第一一章手 22

︵一九〇五︶

(11)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六八同志社法学六二巻六号

続を申し立てる債務者は既に資金繰りに窮していることが明白である場合が多いので︑そもそも現金の支払は不可能で

あるという指摘がなされている︒また︑債務者が適切な保護として現金を支払おうとすると︑債務者に一息つく間を与

えるという自動的停止の目的が損なわれ︑清算の可能性が高まるおそれがあるとの批判もある

23

  ﹁追加担保および代担保の提供﹂については︑浮動担保のように担保権の目的物が棚卸製品や受取勘定などで流動性

がある場合に適しているといわれている

︒しかしながら︑この方法はそもそも実行不可能ではないかという批判がある︒ 24

というのも︑追加担保に関しては︑UCC第九編の下では︑担保権の対抗力の具備︵

perfection

︶が比較的容易である

ので︑動産も含めたほとんどすべての財産についてすでに担保権が設定されており︑第一一章手続を申し立てる債務者

は︑通常︑追加担保を提供するのに十分な財産を有していないと考えられるからである︒また︑代担保に供するような

財産が債務者の手元にある場合には︑債務者はもっと早い段階でそれを担保に供して資金を調達していたはずであると

の指摘もある

25

  ﹁その他の救済方法﹂は︑﹁定期金の支払﹂および﹁追加担保および代担保の提供﹂の方法以外のあらゆる方法を意味

する︒その方法が適切であるか否かは事件毎に判断される︒この方法は︑一見︑最も柔軟性があり︑かつ実行可能性が

あるように見えるが︑﹁疑いもなく同等﹂という要件の解釈によっては︑かえって再建を妨げることに成りかねないと

いう指摘がある

Murel Holding Corp. In re

︒前述したように︑アメリカでは︑一九三五年の事件以来︑﹁適切な保護﹂ 26

の内容は﹁完全なる補償﹂と解釈されている︒

  それでは﹁適切な保護﹂は︑具体的にどのように提供されているのであろうか︒次に章を改めて見ていくことにした

い︒ ︵一九〇六︶

(12)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二六九同志社法学六二巻 三 現行アメリカ連邦倒産法における﹁適切な保護﹂

⑴ 具体的な提供方法

  ﹁適切な保護﹂は︑三六一条に例示されている三つの方法だけでなく︑実際には多くの形態をとりうる

︒例えば︑担 27

保目的物が在庫品や売掛債権で構成されている場合︑適切な保護は︑事後取得条項

enforce

の実施︵︶ができなくなっ 28

たことや︑在庫品や売掛債権の換価物︵

proceeds

︶を債務者が処分したことから生じる担保目的物の損失を債権者に補

償する︵

compensate

︶するための担保目的物の追加あるいは入れ替えだけでなく︑必要な会計上の情報を要求する条

項を入れることもできる

29

1

﹈適切な保護としてのエクィティクッションの効果

  適切な保護を提供する目的は︑担保目的物の価値の上の権利︵

equity interest

︶を保護することにある︒財産が︑被

担保債権よりも実質的に価値があれば︑財産の価値の減少は︑利益や価値をおびやかすものではない︒このような余剰

価値をエクィティクッションという

︒エクィティクッションは︑それ自体で﹁適切な保護﹂となる︒しかしながら︑わ 30

ずかなエクィティクッションがあっても︑保護を確実にする訳ではなく︑クッションは︑価値の減少が担保権に影響を

及ぼさないことを確実にするくらいに十分なものでなければならない

︒さらに︑目的物の価値の減少につれてクッショ 31

ンも減少するので︑以前のある時点で十分なクッションがあっても︑不十分なものになりうる

︒どの事件も︑個々の事 32

実に基づいて判断されなければならず︑クッションが十分にあるかの判断は︑クッションが減少したときに再度評価さ

れるべきであると考えられている

33

︵一九〇七︶

(13)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七〇同志社法学六二巻六号

2

﹈定期金の支払三六一条︵

1

  三六一条において最初に示されている選択肢は︑管財人に現金の一括の支払を求める

か︑三六二条の自動的停止︑三 34

六三条に基づく使用︑売却︑あるいは賃貸︑三六四条に基づく担保の付与が︑財団上で担保権者が有する価値を減少す

る限度での定期金の支払である

︒支払は︑担保権者の財産上の権利が直接に影響を受けるであろう財産の価値の減少に 35

ついて︑担保権者を保護することを目的としている

36

  適切な保護が欠けている場合︑自動的停止からの救済を求める根拠となる︵三六二条⒟⑴︶︒目的物の価値が減少し

ている場合︑定期的な支払は︑価値の減少に対する財産上の利益を担保権者に補償することになり︑このような﹁適切

な保護﹂の提供により︑停止の継続は正当化される

37

  財産が︑事件の係属中に︑使用︑売却︑あるいは賃貸される場合︑担保権者は︑使用︑売却︑賃貸の条件として︑三

六三条⒠に基づいて適切な保護を要求することができる︒これは︑とくに︑定期金の支払のために部分的に使われうる

収益を生むような財産の使用の場合︑三六一条⑴による定期金の支払によって達成される

38

  管財人が︑三六四条に基づき︑すでに担保権が設定されている目的物の上に︑新たな貸主からの融資を担保するため︑

さらに高順位の担保権を付与することを提案した場合︑管財人は︑既存の担保権者に﹁適切な保護﹂を提供しなければ

ならない︒一般的に︑この保護は︑追加担保あるいは担保の入れ替えの形で行われるが︑管財人は︑定期金の支払によ

って適切な保護を与えることもできる

39

3

﹈追加担保または代替担保三六一条︵

2

  三六一条において示されている二つめの選択肢は︑債務者財産の価値の減少について必要な補償の程度で追加担保ま ︵一九〇八︶

(14)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七一同志社法学六二巻 たは担保の入れ替えである︒  多くの事件は︑将来の収穫が﹁適切な保護﹂を構成しうるかについて検討し︑これについては消極的な考え方が一般的である

︒ある裁判所は︑﹁ほとんどの事件では︑将来の︑現在存在しない収穫で入れ替えをすることは︑適切な保護 40

を構成するには投機的すぎる

﹂と指摘した︒ 41

  追加担保・代担保について重要なのは︑既存の担保および追加あるいは入れ替えされる担保の評価である︒このよう

な評価は︑救済が必要か︑救済が提供されなければならない程度︑そして︑追加担保あるいは代替担保の十分さを判断

するために必要である

42

4

﹈浮動担保の保護

  追加担保あるいは代担保は︑とくに︑在庫や売掛債権などの︑事後取得財産上に﹁浮動担保﹂を有する債権者の場合

に︑適切であると言われている︒手続開始後に取得した目的物については︑五五二条⒜により︑担保権が及ばないこと

とされている

︒しかし︑管財人が︑債務者の事業を継続する際に︑目的物を使用︑売却︑あるいは賃貸することを提案 43

した場合︑債権者の目的物の額と価値は︑新たに取得された在庫品あるいは売掛債権によって代替されない限り︑減少

する︒技術的には︑五五二条⒜にかかわらず︑債権者の権利は︑換価物︵

proceeds

︶上で維持されるが︑換価物は︑事

業の継続のために消費される必要がある現金であることが多い︒このような現金は︑現金担保︵

cash collateral

︶と呼

ばれており︑それを使用することもまた﹁適切な保護﹂を要求する根拠となる︒債権者の担保権を手続開始後に取得し

た売掛債権あるいは在庫品の上に維持することが︑﹁適切な保護﹂の提供であること︑そして︑担保権者に棚からぼた

餅を与えることにはならないということが事実から明らかである限り︑債権者の担保権を手続開始後に取得した売掛債

︵一九〇九︶

(15)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七二同志社法学六二巻六号

権あるいは在庫品の上に維持する方法が一般的である

︒しばしば︑新たな在庫品は︑在庫品あるいは売掛債権の換価物 44

によって取得される︒しかしながら︑換価物から新たな在庫品のあとを追跡するのは困難であろう︒事後取得財産への

担保権の担保権の成立︵

attachment

︶を認めることは︑このような問題を未然に回避することになる︒もちろん︑三六

一条の⑴⑵⑶は︑相互に排他的ではなく︑例えば︑減額する分の現金の支払と同時に︑追加担保あるいは担保の入れ替

えも提供することにより︑適切に組み合わせることもできると解釈されている︒

5

﹈その他の方法三六一条︵

3

  適切な保護の最後の選択肢は︑﹁その他の方法﹂であり︑これはあらゆる方法を含む︒﹁疑いもなく同等﹂という文言

は︑法典の至る所で使われ

In re Murel Holding Corp. most

︑事件では﹁最も︵︶疑いもなく同等﹂として使われた 45

︒し 46

かしながら︑

Murel

事件とは異なり︑三六一条⑶は︑最も︵

most

︶ではなく︑単に疑いもなく同等としている点に留意

が必要である︒適切さは︑事件毎に判断される

47

6

﹈財団債権化は適切な保護か

  財団債権化するという考え方は︑もともと前述の

In re Y ale Express System, Inc.

事件において提案されたものであ

るが

︑財団債権化することは︑それ自体では︑疑いもなく同等の適切な保護を構成するものと認められない︵三六一条 48

⑶︶︒ ︵一九一〇︶

(16)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七三同志社法学六二巻 ⑵ 目的物の性質に応じた﹁適切な保護﹂のあり方

  ﹁適切な保護﹂は︑目的物の性質に応じて︑主として次の二つのタイプに分けられる︒第一に︑主たる財産が不動産

やそのほかの価値が変動しにくい財産で構成され︑価値の減少がない場合︑裁判所は現状︵

status quo

︶を維持するこ

とに焦点を当てる傾向がある︒これらの事件は︑典型的には三六二条⒟⑴のもとで︑貸主が停止からの解放を求め︑債

務者あるいは管財人が︑債権の機会を得るためにそのような解放に反対する場合に生じる︒第二に︑適切な保護の要求

は︑目的物の使用や消費︑あるいは新たな融資を得るための活用により︑目的物の存在そのものが脅かされる場合に生

じる

49

status  quo 1

﹈現状︵︶の維持

  裁判所が︑三六二条⒜の自動的停止の目的としてしばしば言われる︑現状を維持するために自動的停止の継続を認め

る場合

︑担保権者の現状を脅かすことがあるか否かを判断しなければならない︒相当の余剰価値が存在する場合には問 50

題はないが︑たとえ目的物に相当の余剰価値がなかったとしても︑目的物の価値が︑比較的一定である場合︑目的物の

価値の定期的な減少に対して債権者を保護する必要はないと考えられている

51

2

﹈価値の減少に対する保護

  目的物が事業において消費される︑あるいは時間が経過するにつれ価値の減少が見込まれる場合︑受身の意味での現

状︵

status quo

︶の維持は不可能である︒債権者への補償あるいは見込まれる目的物の入れ替えを含むそのほかの適切

な保護の形態が要求されるだろう︒現金の支払いあるいは他の目的物上の担保は︑目的物上の債権者の権利の価値を維

︵一九一一︶

(17)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七四同志社法学六二巻六号

持するために必要である

52

  審尋︵

inquiry

︶において︑代替物として提供されたものを評価しなければならないが︑代替物の価値は不明確であ

るので︑保護として適切であるか慎重に注意を払うことが極めて重要であると考えられている

53

Ⅳ むすびにかえて

  以上︑本稿では︑アメリカ連邦倒産法における担保権者に対する﹁適切な保護﹂が︑いかなる場面で︑また︑いかな

る方法で提供されてきたのか︑立法過程から現行法における運用までたどってきた︒

  わが国においては︑担保権実行中止命令・包括的禁止命令の発令の際には︑担保権者への﹁不当な損害﹂のおそれの

有無のみを判断することとなっており︑中止命令を発令したものの担保目的物の価値の減少が生じた場合の担保権者へ

の保護のあり方は今後一層検討する必要がある︒また︑中止命令を発令すれば担保権者への損害が予想されるが︑事業

の継続のためには担保権の実行中止が適切である場合に︑担保権者に適切な保護を与える一方で︑担保権実行の中止命

令を発令するという使い方も検討されるべきであろう︒その際には︑アメリカ連邦倒産法における﹁適切な保護﹂のよ

うに︑目的物の性質や中止の期間などを考慮した上で︑柔軟な方法で提供することが考えられる︒また︑保護の範囲を

決する上で︑担保目的物の評価時期と評価基準についても︑検討が必要であるが︑これらの点については別稿において

なお検討することとしたい︒

  上北武男先生に捧げるにはあまりにも貧しい小稿であるが︑学内外において賜ったご厚情への感謝の気持ちのみをお

受け取り頂ければ幸いである︒ ︵一九一二︶

(18)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七五同志社法学六二巻

1︶ ﹁集合債権譲渡担保﹂の名称に異論を唱え︑﹁流動債権譲渡担保﹂と称するものとして︑角紀代恵﹁流動債権の譲渡担保﹂法時六五巻九号

一五頁︵一九九三年︶︑小山泰史﹃流動財産担保論﹄成文堂︑二〇〇九年︶一頁注⑵︒

2・ベースト︵二〇〇七年︶︶の環境整備に向けて﹂金判一二七二号一頁BL・レンディング﹁アセット︶ ︑中村廉平ついては

同﹁商工中金ののスキーム﹂事業再生研究機構編﹃BLの理論と実践﹄︵商事法務・二〇〇七年︶九九頁など参照︒

3︶ 深山卓也ほか﹃一問一答民事再生法﹄商事法務研究会︑二〇〇〇年︶六二頁︒

4︶ 三村藤明ほか﹁会社更生手続における集合債権譲渡担保一︶NBL八二〇号四二頁︵二〇〇五年︶によれば︑停止条件付集合債

権譲渡に対して担保権実行中止命令ではなく︑保全処分が発令された事例︵東京高決平成一六年四月九日判例集未登載︶が紹介されている︒

5︶ 三宅省三=池田靖編﹃実務解説一問一答民事再生法﹄青林書院︑二〇〇〇年︶一三九頁︹多比羅誠︺︑伊藤眞﹁集合債権譲渡担保と民事再

生手続上の中止命令﹂谷口安平先生古稀祝賀﹃現代民事司法の諸相﹄︵成文堂︑二〇〇五年︶四五三頁-四五四頁︑伊藤眞=田原睦夫監修﹃新

注釈民事再生法︵上︶﹄︵金融財政事情研究会︑〇〇六年︶一三六頁

− 一三七頁

︹三森仁︺園尾隆司=小林秀之編﹃条解民事再生法︹第二版︺

︵弘文堂︑二〇〇七年︶一二七頁

− 一二八頁︹高田裕成︺

西謙二=中山孝雄編﹃破産民事再生の実務︵下︶︹新版︺民事再生個人再生編﹄︵金

融財政事情研究会︑二〇〇八年︶七八頁-七九頁︹中山孝雄︺︑山本和彦﹃倒産処理法入門︹第三版︺﹄︵有斐閣︑二〇〇八年︶一三八頁︑松下

淳一﹃民事再生法入門﹄有斐閣︑二〇〇九年︶一〇〇頁

− 一〇一頁など︒とくに︑

集合債権譲渡担保に対する担保権実行中止命令については︑

拙稿﹁集合債権譲渡担保に対する担保権実行中止命令をめぐる諸問題﹂NBL九四八号一四頁︵二〇一一年︶参照︒

6︶ 粟田口太郎﹁務の近時の動向と担保設定時・担保実行時における諸問題﹂事業再生と債権管理一二六号一二九頁︵二〇〇九年︶

7︶ 大阪高決平成二一年六月三日金判一三二一号三〇頁︑福岡高那覇支決平成二一年九月七日金判一三三三号五五頁︒

8︶ 自動的停止の対象には︑でに進行している担保権実行手続だけでなく︑対抗要件具備行為など︑実行の着手も含まれる︵福岡真之介﹃ア

メリカ連邦倒産法概説﹄︵商事法務︑二〇〇八年︶四三頁

− 四五頁︶

が国の担保権実行中止命令は︑すでに係属している担保権実行手続の﹁中

止﹂を命ずるものであり︑担保権実行手続の着手まで﹁禁止﹂しうるのか否かが︑とくに債権譲渡担保の場合に問題となる︒すなわち

権譲渡担保の場合︑実行着手から完了までの時間が極めて短く︑①実行行為の着手と②対抗要件具備行為も中止命令の対象としなければ実

効性を確保できないからである︒実行着手前の中止命令の発令を認める見解として︑伊藤・前掲注

5︶四三九頁以下︑同﹁集合債権譲渡

担保と事業再生型倒産処理手続再考﹂曹時六一巻九号二二頁︑才口千晴ほか編﹃民事再生法の理論と実務︵下︶﹄四七頁﹇森恵一﹈︑伊藤=

田原監修・前掲注

5︶一四四頁﹇三森仁﹈︑才口千晴=伊藤眞監修﹃新注釈民事再生法︵上︶︹第二版︺﹄一六二頁﹇三森仁﹈︑小林信明﹁担

︵一九一三︶

(19)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七六同志社法学六二巻六号

保権実行手続の中止命令の適切な利用︱非典型担保への類推適用﹂﹃民事再生の実務と理論﹄︵商事法務︑〇一〇年︶四八頁︑拙稿﹁判批﹂T

KC速報判例解説No.3・三頁︵二〇一〇年七月二八日掲載︶︑杉本和士﹁判批﹂金商一三三〇号五頁︵二〇〇九年︶など参照︒

48 Stat. 12891934. Senator FrazierRepresentative Lemke9︶ 草案の起草者であるフレージャー上院議員︵︶とレムケ下院議員︵︶の名をと

って︑一般的にフレージャー・レムケ法と呼ばれている︒

10︶ 以上につき︑堀江忠男﹃ニュー・ディール以後のアメリカ資本主義︱米国経済における国家の役割﹄︵くれは書店︑一九四九年︶四一

二頁参照︒

11︶ 拙稿﹁アメリカ連邦倒産法における担保権実行の制限︵一︶︱自動的停止を巡る議論の変遷︱民商一二三巻三号三六一

︵二三六六頁

〇〇〇年︶参照︒

12Comment, Adequate Protection and the Automatic Stay under the Bankruptcy Code: Easing Restraints on Debtor Reorganization, 131 U. ︶  PA. L. Rev. 423, 4291982.

13︶ アメリカ合衆国倒産法委員会は︑倒産法改正のための調査研究を目的として︑一九七〇年に連邦議会によって設立されたものである︒詳

細は︑see Report of the Commission on the Bankruptcy Law of the United States, 29 Bus. Law. 751973.

14︶ 以上につき︑加藤哲夫﹃アメリカ合衆国連邦破産法改正草案第七章︵一︶﹄早大比較法学一一巻一号一〇一

− 一〇四頁参照︒

15H.R.1975 Sess. 1 Cong., 94, 31aleBermerY事件の判例理論を成文化したものとされている︶ 事件およびこの条文は︑委員会草案によれば︑thst

7-203, Note 1., reprinted in B Collier 15 th rev. ed., 810

︶ ︒

16 Murphy, Use of Collateral in Business Rehabilitation: A Suggested Redraftinf of Section 7-203 of the Bankruptcy Reform Act, 63 Calif. L. See︶  Rev. 1483, 15041975; Gordanier, The Indubitable Equivalent of Reclamation: Adequate Protection for Secured Creditors under the Bankruptcy Code, 54 Am. Bankr. L. J. 299, 3141980.

17See Murphy, Use of Collateral, supra note 13, at 1504.︶  18See id. at 1505. ︶ 伊藤眞﹃債務者更生手続の研究﹄︵西神田編集室︑一九八四年︶三五八頁︒

19In re Bermec Corp.︶ 事件について詳細は︑拙稿・前掲注︵

11︶三八二頁参照︒

20 Murphy, Use of Collateral, note 13, at 1505-07.Seesupra︶ 

211, reprinted in C Collier174 rev1977. ed., Sess. 1281 Cong., 15.95, 595-95H.R.Rep.No. , ︶ thstth ︵一九一四︶

(20)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七七同志社法学六二巻 22 Yale Express System, Inc.In re︶ 事件について詳細は︑拙稿・前掲注︵

11︶三八一頁参照︒

23Gordanier, 313; Comment, note 9, at 428.supra︶  24Comment, The Adequate Protection of Secured Creditors in Termination of Stay Litigation under the Bankrptcy Code,43 Ohio. St. L. J. 715, ︶ 

7311982. 加藤哲夫﹁アメリカ合衆国連邦新倒産法における担保権実行の自動停止︱担保権者の利益保護の観点から﹂民訴三〇四号四四頁

︵一九八四年︶

25Gordanier, 313; Comment, supra note 9, at 428.︶ 

26Comment, supra note 9, at 428-29.︶  27191988. Cir1036-935, 933d 2 C.B.C. , 139. American AgCredit Corp. , 137d 2 F.859, TIn re Blehm Land & Cattle Co.ravelers Ins. Co. v︶ th

361条は︑適切な保護を提供する方法を排他的に規定しているわけではない︶In re Hinchliffe, 164 B.R. 45, 49Bankr. E.D.Pa. 1994, In

re T.H.B.Corp., 19 C.B.C.2d 419, 85 B.R. 192Bankr. D. Mass. 1988, In re Kenny Kar Leasing, Inc., 2.C.B.C.2d 767, 5 B.R. 304Bankr. C.D.Cal. 1980, Penn State Employees Retirement Fund v. Roane In re Roane, 5 C.B.C.2d 1173, 14 B.R. 542E.D.Pa. 1981, In re Paradise Boat Leasing Corp., 2 C.B.C.2d 1153, 5 B.R. 822D.V.I. 1980.

28︶ アメリカ連邦倒産法上︑倒産手続開始前に締結した担保権設定契約に基づく担保権は︑手続開始後に債務者が取得した財産に効力は及ば

ないとするのが原則である︵五五二条⒜︶しかし︑手続開始前に債務者が取得した担保目的物の換価物・産物果実・収益Proceeds,

Products, Offspring, Profit︶に担保権の効力が及ぶ旨を約定している場合には︑これらにも担保権の効力が及ぶ︒このような約定を事後取得

条項と呼んでいる︒詳細は︑角紀代恵﹃受取勘定債権担保金融の生成と発展﹄四四頁以下︵有斐閣︑二〇〇八年︶︑福岡・前掲注

8︶二〇

三頁

− 二〇五頁参照︒

29Collier on Bankruptcy, 15 rev. ed. Pt. 361.03.︶ th

30In re Indian Palms Assocs., Ltd., .1995. d Cir3207197d 3 F.61, ︶ 

31See, e.g., Kost v.1989yo. D. W829 B.R. , In re Kost. First Interstate Bankof Graybill 102︶ 

32Cf. Orix Credit Alliance, Inc. v. Delta Resources, Inc. .1995. Cir117223 F.54, In re Delta Resources, Inc.d ︶ th

33124 Cong. Rc. H110,092daily ed. Spt. 28, 1978, reprinted in App. Pt. 4Uf︶ 

︶ ︵ i; 124 Cong. Rec. S17,408-49daily ed. Oct. 6, 1978, reprinted in app. Pt. 4f︶ ︵

iii.

︵一九一五︶

(21)

倒産手続における担保権の﹁適切な保護﹂ 二七八同志社法学六二巻六号

34︶ 管財人による現金の一括の支払は︑一九八四年改正で加えられた︒

35Travelers Ins. Co. v.1988. Cir1036-935, 933d 2 C.B.C.19, In re Bl, 137d 2 F.859, 139. American AgCredit Corp. ehm Land & Catle Co.3︶ th

363ravelers Ins. Co. v; T1995. Cir11722d F.54, In re Delta Resources, Inc.. Delta Resources, Inc. Orix Credit Alliance, Inc. vSee. ︶ th

American AgCredit Corp. In re Bl3ehm Land & Catle Co., 859 F.2d 137, 139, 19 C.B.C.2d 933, 935-3610th Cir. 1988.

37Collier on Bankruptcy, 15 rev. ed. Pt. 361.032.︶ th

38.Ibid︶ 

39.Ibid︶ 

402 Martin, .1985. Cir8974d C.B.C.12, 472d 2 f.761In re︶ th

41In re Lundell Farms, 86 B.R. 494Bamkr.S.D. Ohio 1987.︶ 

42See MBank Dallas, N.A. v. O.1987. Cir101393d F.808, ’ConnorIn re O’Connor 2︶ th

43︶ 注︵

26︶参照︒

44See BayBank-Middlesex v. Ralar Distribs., Inc., In re Ralar Disribs., Inc., 182 B.R. 81, 84.︶ 

45︶ 例えば︑一一二九条⒝

4675 F.2d 941, 2d Cir. 1935.942︶ 

47Resolution Trust Corp. v.1994. d Cir31034d 2 C.B.C. 30, d 3 F.16, . Group, Inc.In re Swedeland Dev. Group, Inc. . Swdeland Dev552︶  48︶ 注︵

22︶とこれに関する本文参照︒

49Collier on Bankruptcy, 15 rev. ed. Pt. 361.035︶ th

50See, e.g., Checker Drive-In Restaurants, Inc. v.1995. D.C.Cir592d 2 C.B.C., 1078d 3 F.51, . Commissioner33︶  51Collier on Bankruptcy, 15 rev. ed. Pt. 361.035︶ ﹈ ﹇ th

a.

52Idat. Pt. 361.032.︶  53. Pt. 361.035Id at︶ ﹈ ﹇

b. ︵一九一六︶

参照

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