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全学日本語プログラム夏期自律型学習コースの試み

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228041_外大_留日センター論集42号_4校.indb 160 2016/03/16 0:37:07

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全学日本語プログラム夏期自律型学習コースの試み

岡 葉子

【キーワード】・ 自律型学習、e-Learning、日本語能力試験、多読、会話

1. コース試行の背景

 本学は、2015 年度から授業クオーター制1が導入されたことに伴い、授業期間 が従来の 15 週から 2 週間短い 13 週となった。留学生日本語教育センターにおい ては、主に本学に在籍する留学生のために開かれた「全学日本語プログラム(以下、

全学)」2の授業期間が、本学の授業日程に準ずる形で短縮された。

 以前から、長期休暇期間にも日本語を勉強したいという声は学生から出ていた そうであるが、クオーター制移行により、本学に在籍する留学生を対象にした、

学習機会提供の必要性はさらに高まったと言える。こうした状況を鑑み、全学で は、夏学期に全レベルの学習者を対象にした、自律型学習コースを 6 週間に渡っ て試行した。

 本稿は、夏期自律型学習コース(以下、夏期コース)実施の試みについて報告し、

その概要と課題について述べる。特に、出席率とアンケートの一言感想の分析を 中心に、今後の留学生日本語教育センター全体の夏学期および冬学期の授業運営 の可能性について探ることとする。

2. コースの概要 2-1 コースの目的

 本コースの目的は、全学に在籍する留学生を対象に3、自律型・交流型の学習

1 東京外国語大学は、2015 年度より従来の春・秋学期に加え、夏・冬学期に授業を行うこ ととした。夏・冬学期の特徴として、必修の授業は設置されず、留学や新たな言語の習得、

インターンシップなど、学生が主体的に学ぶ機会を選択できることが挙げられる。

2・ 東京外国語大学で学ぶ留学生を対象とした、日本語の運用力向上を目指して開講されて いるプログラムである。例年、40 以上の国・地域からの留学生 200 人余りが在籍しており、

全くの初級から超級までの 8 レベルのクラスが設置されている。なお、留学生日本語教 育センターでは、学部進学留学生を対象にした 1 年間の集中予備教育(1 年コース)や短 期のショートステイ(SS)プログラムなども実施されている。

3・ 夏期コースの 4 クラスは原則として全学の学生にのみ登録を許可したが、多読セッショ ンにおいてのみ、例外的に 1 年コースの参加も認めた。

東京外国語大学

留学生日本語教育センター論集 42:161~172,2016

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機会を提供することである。本コースに参加することにより、日本語の学習意欲 が向上し、春学期に所属していたクラスから秋学期に進むクラスに向けてよりス ムーズに移行できることを目指した。ただし、今学期はあくまでもコースの「試行」

期間であると位置づけ、単位交換および成績付与は行わないことにした。

2-2 実施期間とスケジュール

 実施期間は 2015 年 7 月 21 日(火)から 8 月 7 日(金)までと、8 月 17 日(月)か ら 9 月 4 日(金)までであった。春学期終了一週間後から 3 週間、お盆休みを挟ん でさらに 3 週間の計 6 週間にわたって実施されたことになる。実施期間の長さは、

学生が継続して参加した場合、学習成果を感じるにはある程度の時間が必要だと 考え、6 週間と設定した。

 週間スケジュールは次の通りである。4 つのクラスを毎日開講し、期間中いつ 来ても、何かしらの学びの機会が提供できるようにした。

表 1 コースの週間スケジュール

月 火 水 木 金

クラス JLPT 準備

クラス e-Learning

クラス e-Learning

クラス 日本語多読

セッション 日本語会話 セッション 時間 13:00-14:30 13:00-16:00 13:00-16:00 13:00-14:30 13:00-14:30 場所 コンピュータ

ルーム コンピュータ

ルーム コンピュータ

ルーム ラウンジ ラウンジ

 多読セッションは、春学期に引き続き担当教員に企画運営をお願いした。その 他の 3 クラスは筆者が担当した。ただし、会話セッションは教務補佐 3 名のほか 随時日本人ボランティアの協力を得て運営した。

 以下に、各クラスの内容を簡潔に述べる。

2-3 クラスの概要

【能力試験(以下、JLPT)準備クラス】

 JLPT の過去問を解き、テストの準備を進めるクラスである。コンピュータルー ムで実施し、聴解の音声はコンピュータにヘッドフォンを付けて各自聞けるよう にした。初回は、春学期のクラスを参考に学習者が各自で受験級を決定し、模擬 試験を実施した。学習者は、試験終了後に答えを見て自己採点をした。次の回か

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機会を提供することである。本コースに参加することにより、日本語の学習意欲 が向上し、春学期に所属していたクラスから秋学期に進むクラスに向けてよりス ムーズに移行できることを目指した。ただし、今学期はあくまでもコースの「試行」

期間であると位置づけ、単位交換および成績付与は行わないことにした。

2-2 実施期間とスケジュール

 実施期間は 2015 年 7 月 21 日(火)から 8 月 7 日(金)までと、8 月 17 日(月)か ら 9 月 4 日(金)までであった。春学期終了一週間後から 3 週間、お盆休みを挟ん でさらに 3 週間の計 6 週間にわたって実施されたことになる。実施期間の長さは、

学生が継続して参加した場合、学習成果を感じるにはある程度の時間が必要だと 考え、6 週間と設定した。

 週間スケジュールは次の通りである。4 つのクラスを毎日開講し、期間中いつ 来ても、何かしらの学びの機会が提供できるようにした。

表 1 コースの週間スケジュール

月 火 水 木 金

クラス JLPT 準備

クラス e-Learning

クラス e-Learning

クラス 日本語多読

セッション 日本語会話 セッション 時間 13:00-14:30 13:00-16:00 13:00-16:00 13:00-14:30 13:00-14:30 場所 コンピュータ

ルーム コンピュータ

ルーム コンピュータ

ルーム ラウンジ ラウンジ

 多読セッションは、春学期に引き続き担当教員に企画運営をお願いした。その 他の 3 クラスは筆者が担当した。ただし、会話セッションは教務補佐 3 名のほか 随時日本人ボランティアの協力を得て運営した。

 以下に、各クラスの内容を簡潔に述べる。

2-3 クラスの概要

【能力試験(以下、JLPT)準備クラス】

 JLPT の過去問を解き、テストの準備を進めるクラスである。コンピュータルー ムで実施し、聴解の音声はコンピュータにヘッドフォンを付けて各自聞けるよう にした。初回は、春学期のクラスを参考に学習者が各自で受験級を決定し、模擬 試験を実施した。学習者は、試験終了後に答えを見て自己採点をした。次の回か

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らは、教師と話し合いの上で、違う級の試験を受けたり、問題集を解いたりした。

上の級にチャレンジする学習者もいれば、「完璧に理解したい」と問題集をひたす ら解く学習者もいた。授業終了時には、その日に解いた問題と次回に解きたい内 容をシートに記入し、教師に提出させた。授業は全 5 回であった4

【e-Learning クラス】

 Net・Academy2 を使って各自勉強するクラスである。コンピュータ室で実施し た。Net・Academy2 とは、アルク社が提供する自律学習のための e-Learning 教 材である。学内のサーバに教材を設置し、ネットワークを通じて教材を提供する ため、登録を済ませた学生は、学内のコンピュータはもちろん、自宅からでもア クセスが可能となる。Net・Academy2 は,5 つのサブコース(聴解、読解、語彙、

文字、能力試験ミニテスト)で構成され、英語および中国語の学習補助が付いて いる(図 1)。なお、本学が開発した e-Learning 教材である JPLANG は、今年 7 月下旬にリニューアル作業を実施することとなり、時期的な問題から夏期コース での使用は見送ることにした。

図 1 NetAcademy2 聴解コースの画面例(Alc ホームページより引用)

 初回は、教師が Net・Academy2 のサブコースのうち、聴解と読解をデモンス トレーションして見せた。学習者は、適宜自分のレベルに合った問題を解き、質 問があれば教師に聞いた。3 時間の授業中は、出入り自由としたが、実際には適

4・ JLPT クラスは、1 日休日と重なったため、他のクラスよりも実施回数が 1 回少なかった。

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宜休憩を取りながら最初から最後まで教室で勉強する学生がほとんどであった。

授業終了時に、その日にやった項目を記入、提出させた。授業は全 12 回であった。

【多読セッション】

 『レベル別日本語多読ライブラリー にほんごよむよむ文庫』をはじめとした レベル別読み物を中心に、さまざまな書籍を読むクラスである。学習者がそれ ぞれ自分で好きな本を選び、読み進める。読み終わったら、感想シートに読ん だ本のタイトルと感想を記入する。多読に際しては、「やさしいレベルから読む」

「辞書を引かない」「分からない言葉は飛ばす」「進まなくなったらやめる」(粟野他 2012)の 4 つのルールを確認して授業を進めた。授業の最後には、各自が読んだ 本を紹介し、コメントしあった。授業は全 6 回であった。

 

【会話セッション】

 様々な形態で会話とアクティビティを行うクラスである。始めの 15 分はアイ スブレーキングを目的として、クラス全体でアクティビティをする。アクティビ ティは、フルーツバスケットや伝言ゲームなど体を動かすものや、漢字やカタカ ナのしりとり、物の形態を説明して答えさせるゲームなどを取り交ぜた。残りの 時間では、学習者は初級・中級・上級のレベル別グループに分かれて、特定のテー マについて日本語母語話者と一緒に話し合った。

 話し合うテーマは各レベル別に 3 つ用意しておき、その中から 2 つ選び、それ ぞれのテーマに 20 分程度かけて意見交換を行うこととした。レベル別のテーマ は、例えば、「あなたの趣味は何ですか(初級)」、「あなたの国の迷信を教えてくだ さい(中級)」「どうすれば子供同士のいじめをなくせると思いますか(上級)」など である(表 2)。1 回目の話し合いが終わった時点で、グループごとに話し合った 内容を簡潔に報告しあい、クラス全体で感想を共有した。なおレベルは自己申告 とし、各グループに必ず日本語母語話者の教務補佐かボランティア学生が入るよ うに配置した。授業は全 6 回であった。

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宜休憩を取りながら最初から最後まで教室で勉強する学生がほとんどであった。

授業終了時に、その日にやった項目を記入、提出させた。授業は全 12 回であった。

【多読セッション】

 『レベル別日本語多読ライブラリー にほんごよむよむ文庫』をはじめとした レベル別読み物を中心に、さまざまな書籍を読むクラスである。学習者がそれ ぞれ自分で好きな本を選び、読み進める。読み終わったら、感想シートに読ん だ本のタイトルと感想を記入する。多読に際しては、「やさしいレベルから読む」

「辞書を引かない」「分からない言葉は飛ばす」「進まなくなったらやめる」(粟野他 2012)の 4 つのルールを確認して授業を進めた。授業の最後には、各自が読んだ 本を紹介し、コメントしあった。授業は全 6 回であった。

 

【会話セッション】

 様々な形態で会話とアクティビティを行うクラスである。始めの 15 分はアイ スブレーキングを目的として、クラス全体でアクティビティをする。アクティビ ティは、フルーツバスケットや伝言ゲームなど体を動かすものや、漢字やカタカ ナのしりとり、物の形態を説明して答えさせるゲームなどを取り交ぜた。残りの 時間では、学習者は初級・中級・上級のレベル別グループに分かれて、特定のテー マについて日本語母語話者と一緒に話し合った。

 話し合うテーマは各レベル別に 3 つ用意しておき、その中から 2 つ選び、それ ぞれのテーマに 20 分程度かけて意見交換を行うこととした。レベル別のテーマ は、例えば、「あなたの趣味は何ですか(初級)」、「あなたの国の迷信を教えてくだ さい(中級)」「どうすれば子供同士のいじめをなくせると思いますか(上級)」など である(表 2)。1 回目の話し合いが終わった時点で、グループごとに話し合った 内容を簡潔に報告しあい、クラス全体で感想を共有した。なおレベルは自己申告 とし、各グループに必ず日本語母語話者の教務補佐かボランティア学生が入るよ うに配置した。授業は全 6 回であった。

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表 2 レベル別テーマ例(8 月 7 日実施)

初級 中級 上級

もらって一番うれしかっ たプレゼントは何ですか

もらって一番うれしかっ たプレゼントは何ですか

親が子どもの携帯電話を 見るのはいい?

あなたの国では風邪を引 いたらどうしますか

親が子どもの携帯電話を 見るのはいい?

日本は中学生から制服を 着る学校が多いですが、

それについて賛成?反 対?

日本語を勉強したきっか けは何ですか

あなたの国の大学は何月 から始まりますか。日本 の大学のスケジュールに ついてどう思いますか。

これからあなたが訪れて みたい場所はどこです か。(日本国内でも、海外 でも)

2-4 登録状況その他

  登 録 人 数 は、 全 部 で 40 名 ほ ど で あ っ た。 内 訳 は JLPT ク ラ ス 25 名、

e-Learning クラス 17 名、多読セッション 29 名、会話セッション 32 名で、複数 のクラスに登録した学生が多かった。春学期に全学に登録していた学生が 228 名 であったことを考えると、約 18 %の学生が登録したことになる。

3. コースの実施結果 3-1 出席人数について

 まず、コース全体の出席について述べる。図 1 に見られるように、出席者は 1 回につき、2-3 人の日もあれば 10 名以上の日もあった。全体的に、最初の 1-2 週 間は参加人数が多かったが、それ以降は減少する傾向が見られ、最終週は特に少 なかった。

 だが、最終週に向かうにつれ出席人数が減るかというとそうではなく、第 4 週 は第 3 週よりも出席が多い。出席人数をクラス別に詳しく見ると、JLPT 以外の クラスは第 3 週よりも第 4 週目のほうが多いか同数で、JLPT クラスは第 4 週目 よりも第 5 週目のほうが多かった(図 2)。

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図 2 全クラスの出席状況

・ 【JLPT クラス】・ 【e-Learning クラス】

・ 【多読セッション】・ 【会話セッション】

図 3 クラス別の出席状況

2 3 54 6 7 8 9 10

0

1 1

2 3 4 5 6 7 8

0 1

2 4 6 8 10 12 14

0

2 2

4 6 8 10 12

0

2 4 6 8 10 12 14

0 2

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図 2 全クラスの出席状況

・ 【JLPT クラス】・ 【e-Learning クラス】

・ 【多読セッション】・ 【会話セッション】

図 3 クラス別の出席状況

2 3 54 6 7 8 9 10

0

1 1

2 3 4 5 6 7 8

0 1

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0 2

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 次に、どれだけの人数が継続して授業に参加していたのか、クラス別に述べる。

全回を通じて出席率が 60 %以上の人数を図 4 に示す。

JLPT 5(20.0 %)

e-Learning 3(17.6 %)

多読 5(17.2 %)

会話 1(3.1 %)

図 4 全回を通じて出席率が 60 %以上の人数

(かっこ内はクラスに登録した延べ人数における割合)

 図4の結果から、JLPTクラス、多読セッションは継続して出席する学生が多く、

逆に会話セッションは、毎回違う顔ぶれが揃うことが多かったことが分かる。

3-2 アンケート結果について

 コース期間中に、アンケート用紙(一部英訳あり)を配布し、無記名で協力を募っ たところ、19 名から回答を得た。調査の概要と主な結果は、以下の通りである。

1) 調査の概要

調査期間:2015 年 8 月 3 日~ 8 月 21 日 対象者の登録クラス(複数回答可):

・ JLPT(12)、e-Learning(5)、多読セッション(11)、会話セッション(11)

  調査方法:授業中にアンケート用紙を配布し、授業後に教室に設置したボッ クスへ入れるように指示した。

2) 調査の結果(かっこ内は人数)

①・クラスの時期

・ ちょうどいい(15)、長すぎる(1)、短すぎる(3)

②・クラスの時間

・ ちょうどいい(12)、午前中のクラスがいい(5)、その他(2)※

 ・ ※その他の内訳:もっと早く始める(8 時から)、10 時から 13 時がいい

③・授業の満足度

・ (「5:大変そう思う」から「1: 全然そう思わない」までの 5 レベルで質問した。

数字は回答者の人数)

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JLPT クラス  5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 4 5 5 0 0

授業のやり方はよかった 6 4 3 0 0

e-learning クラス 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 1 2 2 1 0

授業のやり方はよかった 1 1 3 0 0

多読セッション 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 4 4 2 1 0

授業のやり方はよかった 4 4 2 1 0

違うクラスの友達と勉強できてよかった 3 5 2 0 0

会話セッション 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 6 3 1 1 0

授業のやり方はよかった 7 1 1 2 0

違うクラスの友達と勉強できてよかった 6 3 0 1 1

④・一言感想(原文のまま、【】内のカテゴリーは筆者による)

【有益さ】

・・ 自律型学習コースは役に立ちました。先生方、ありがとうございました !

・・ とてもやくにたつと思います。 

・・ This・ course・ is・ very・ useful・ for・ me,・ especially・ in・ order・ to・ improve・ my・

Japanese・grammar,・reading・and・speaking・skills.

【楽しみ】

・・ いろいろ話して楽しかったです。

【改善点・全般】

・・ もしよければ、午後のクラスを午前中におくほうがいいと思います。

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JLPT クラス  5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 4 5 5 0 0

授業のやり方はよかった 6 4 3 0 0

e-learning クラス 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 1 2 2 1 0

授業のやり方はよかった 1 1 3 0 0

多読セッション 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 4 4 2 1 0

授業のやり方はよかった 4 4 2 1 0

違うクラスの友達と勉強できてよかった 3 5 2 0 0

会話セッション 5 4 3 2 1

授業の内容はよかった 6 3 1 1 0

授業のやり方はよかった 7 1 1 2 0

違うクラスの友達と勉強できてよかった 6 3 0 1 1

④・一言感想(原文のまま、【】内のカテゴリーは筆者による)

【有益さ】

・・ 自律型学習コースは役に立ちました。先生方、ありがとうございました !

・・ とてもやくにたつと思います。 

・・ This・ course・ is・ very・ useful・ for・ me,・ especially・ in・ order・ to・ improve・ my・

Japanese・grammar,・reading・and・speaking・skills.

【楽しみ】

・・ いろいろ話して楽しかったです。

【改善点・全般】

・・ もしよければ、午後のクラスを午前中におくほうがいいと思います。

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【JLPT クラス】

・・ JLPT のクラスはレベルが決められたらもっといいと思います。

・・ JLPT じゅんびクラスはとてもいいクラスですけど、1 しゅうかん 1 回だけは たりないと思います。もっとクラスに出て、motivation があがると思います。

【多読セッション】

・・ みんなと話すことができるのはとてもよかったと思います。このシリーズは 初級の学生にとって役に立った。

【会話セッション】

・・ 会話のクラスはとても楽しみです。もっといろいろなことをはなせたらいい だと思います。

・・ 違うクラスの友達は、私に全然話しません。(:() 

4. 考察

4-1 クラスの実施期間および実施回数について

 夏期コースが進むにつれて出席率が下がった理由としては、春学期修了生の帰 国や旅行などが考えられる。実際に、夏期コース期間中に「来週帰国します」と 教師やクラスメイトに挨拶する学生の姿も見られた。そのため、コース期間の短 縮など、期間の見直しが必要かと思われる。

 だが、全体的に第 4 週目の出席率が第 3 週よりも高かったことから、夏期コー ス全体を 2 つに分け、前半と後半でクラスの内容を変えることも検討したい。例 えば、JLPT クラスでは前半は過去問を解き、後半は弱点克服を目指す、などで ある。

 次に、クラスの実施回数としては、JLPTクラス(週1回)とe-Learningクラス(週 2 回)は変更を検討したい。JLPT クラスは、出席人数が第 5 週で再度増加したこ とやアンケートの感想にも「もっと回数を増やしたい」という意見があったこと からも、実施回数を増やすのが望ましいと考えられる。反対に、e-Learning クラ スは、自宅でも学習が可能なため、初回に学習方法を説明して後は学習者に任せ る、あるいは週 1 回質問コーナーを設けるなど、実施方法も含めて改善を考えた い。

4-2 クラス間交流について

 JLPT および e-Learning クラスは、コンピュータの前に座って個別に作業する

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内容だったため、クラスメイトとの私語もほとんど見られなかったのに対し、多 読および会話セッションは、グループで対話する時間が設けられていた。アンケー トの結果からも、「違うクラスの友達と勉強できてよかった」に「大変そう思う」「そ う思う」と答えた人が多く、多読セッションのコメントには、「みんなと話すこと ができるのはとてもよかった」というコメントも見られた。一人で読書をした後 に、その感想を共有する体験の楽しさを実感してもらえたのではないかと考える。

このように、自律型学習とはいえ、他の学習者との交流におおむね肯定的な評価 が得られたと言える。

 だが、会話セッションにおいては、「全然そう思わない」「そう思わない」も各 1 名ほどおり、一言感想に「違うクラスの人は私と全然話しません」というコメン トもあった。同一人物のコメントかどうかは分からないが、参加者の期待通りの 交流が実施できなかったことが窺われる。グループ分けは基本的に学生に自分の レベルを自己申告してもらい、着席も自由にさせたが、その結果、仲良し同士が 近くに座っていることが多かったようである。教師が、グループ分けで仲良しば かりが固まらないようにする、途中で席替えをさせる、など配慮する必要があっ たと思われる。活動型のクラスでは、全般的に満足度が高いとはいえ、楽しめな かった学生も存在したことを、教師側は認識しなければならないだろう。

4-3 教師の介入および学習者の自律性について

 夏期コース全体を通じて、学習者の自律性を意識して運営したつもりではあっ たが、e-Learning クラスの出席率および満足度の相対的低さを考えると、学習 を継続させるための工夫も考えなければならない。谷井他(2007)は、学習者の タイプに適したメールサービス等によるフィードバックについて言及している。

谷井(2007)のいうフィードバックはメールサービスによるものであるが、例え ば振り返りシートに教師がコメントを記入するなど、教師から学生に向けての フィードバックを行うことも有効であろう。

 その一方で、学習者の自律性も伸ばすことを考慮しなければならない。JLPT クラスの一言感想においては「自分でレベルを決められたらよかった」というコ メントがあった。教師と話し合ってレベルを決定していたが、参加者はそのレベ ルよりも上のレベルの問題が解きたかったことが推測される。過去問のレベルお よび教材の選択も学生に任せた方が良かったのかもしれない。松籐他(2007)で は学習者が教材を選択する試みが報告されているが、自分に合った教材を選ぶこ

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内容だったため、クラスメイトとの私語もほとんど見られなかったのに対し、多 読および会話セッションは、グループで対話する時間が設けられていた。アンケー トの結果からも、「違うクラスの友達と勉強できてよかった」に「大変そう思う」「そ う思う」と答えた人が多く、多読セッションのコメントには、「みんなと話すこと ができるのはとてもよかった」というコメントも見られた。一人で読書をした後 に、その感想を共有する体験の楽しさを実感してもらえたのではないかと考える。

このように、自律型学習とはいえ、他の学習者との交流におおむね肯定的な評価 が得られたと言える。

 だが、会話セッションにおいては、「全然そう思わない」「そう思わない」も各 1 名ほどおり、一言感想に「違うクラスの人は私と全然話しません」というコメン トもあった。同一人物のコメントかどうかは分からないが、参加者の期待通りの 交流が実施できなかったことが窺われる。グループ分けは基本的に学生に自分の レベルを自己申告してもらい、着席も自由にさせたが、その結果、仲良し同士が 近くに座っていることが多かったようである。教師が、グループ分けで仲良しば かりが固まらないようにする、途中で席替えをさせる、など配慮する必要があっ たと思われる。活動型のクラスでは、全般的に満足度が高いとはいえ、楽しめな かった学生も存在したことを、教師側は認識しなければならないだろう。

4-3 教師の介入および学習者の自律性について

 夏期コース全体を通じて、学習者の自律性を意識して運営したつもりではあっ たが、e-Learning クラスの出席率および満足度の相対的低さを考えると、学習 を継続させるための工夫も考えなければならない。谷井他(2007)は、学習者の タイプに適したメールサービス等によるフィードバックについて言及している。

谷井(2007)のいうフィードバックはメールサービスによるものであるが、例え ば振り返りシートに教師がコメントを記入するなど、教師から学生に向けての フィードバックを行うことも有効であろう。

 その一方で、学習者の自律性も伸ばすことを考慮しなければならない。JLPT クラスの一言感想においては「自分でレベルを決められたらよかった」というコ メントがあった。教師と話し合ってレベルを決定していたが、参加者はそのレベ ルよりも上のレベルの問題が解きたかったことが推測される。過去問のレベルお よび教材の選択も学生に任せた方が良かったのかもしれない。松籐他(2007)で は学習者が教材を選択する試みが報告されているが、自分に合った教材を選ぶこ

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とは難しい反面、それが成功すると満足度が高まることが指摘されている。さら に、学習者に目標をあらかじめ明記させておく、学習者間で教材や学習方法の情 報・意見交換を行う、などの試みが実施されており、成果が報告されている。今 後のコース運営の際には、そうした学習者の自律性を伸ばすような試みも取り入 れていきたい。

5. まとめ

 夏期コース実施の試みについて、出席状況とアンケート調査を中心に考察した。

その結果、実施期間の長さや授業回数について、検討が必要であることが分かっ た。また、満足度を上げるためには学習者同士の交流や学習に対するフィードバッ クなど、ある程度の教師の介入も必要であることが示唆された。同時に学習者の 自律性を高めるために、教材の選定や目標設定などを学習者側に委ねるなどの工 夫も必要になってくるだろう。

 今後は、いくつかの改善点を盛り込んだコース設計を目指していきたい。

参考文献

粟野他(2012)編著『日本語教師のための多読授業入門』アスク出版

谷井宏尚・諏訪博彦・太田敏澄(2007)「m ラーニングにおける自律型学習支援システ ム開発に関する研究」『経営情報学会全国研究発表大会要旨集』90-93.

佐藤勢紀子(2012)「日本語教育における e-learning 利用の可能性― ALC・NetAcademy 導入の事例から―」ウェブマガジン『留学交流』Vol.11 独立行政法人日本学生支援 機構

松籐薫子・絹谷弘子・エドワード・シェイファー・牛江ゆき子(2007)「自律型学習を 目指した英語自習における支援効果について」『お茶の水女子大学人文科学研究』

第 3 巻 ,・113-127.

スペースアルク「e- ラーニング コース紹介 日本語コース」

・ http://www.alc-education.co.jp/academic/net/course-e/japan.html?aid=course

・ (2015 年 11 月 28 日参照)

228041_外大_留日センター論集42号_4校.indb 171 2016/03/16 0:37:16

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Report on the Self-study Japanese Language Classes of Japanese Language Program of TUFS

OKA Yoko

In 2015, Japanese Language Program of TUFS provided four self-study Japanese language classes - JLPT preparation class, e-Learning class, Extensive reading session, Japanese speaking session - during the summer quarter. This report focuses on the attendance rate of the students and the survey by questionnaire, and provides analysis of them. The findings showed that 1) the validity of course period and class schedule should be considered, 2) interactive communication among students increases their motivation, 3) development of the autonomy of students - for example, choosing the textbooks or setting goals - is needed.

図 2 全クラスの出席状況 ・ 【JLPT クラス】・ 【e-Learning クラス】 ・ 【多読セッション】・ 【会話セッション】 図 3 クラス別の出席状況2354678910011234567801246810121402246810120246810121402

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