• 検索結果がありません。

〖遣産確認等請求事件

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "〖遣産確認等請求事件"

Copied!
23
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

遺贈と登記 : 不動産の二重譲受人双方が譲渡人を 相続した場合の対抗関係について

その他のタイトル Das Vermachtnis und Die Eintragung

著者 ?森 八四郎, ?田 絵美

雑誌名 關西大學法學論集

57

6

ページ 1183‑1204

発行年 2008‑03‑15

URL http://hdl.handle.net/10112/12233

(2)

上げたいと思う︒

ー不動産の二重譲受人双方が譲渡人を相続した場合の対抗関係について

最高裁昭和四六年︱一月一六日判決民集二五巻八号一︱八二頁︶

〖遣産確認等請求事件

財産法と家族法の接点ないし交錯領域の研究に興味を感じ︑それを進展せしめるにあたり︑とりあえず︑﹁遣贈と登記﹂を取り

右の交錯領域としては︑﹁利益相反行為﹂︵法人代表者と法人︑親と子・後見人と被後見人の関係︶︑﹁無権代理と相続﹂︑﹁夫婦の 日常家事行為と表見代理﹂などと並んで︑いわゆる﹁相続と登記﹂の問題がある︒﹁相続﹂自体︑権利変動原因︑したがって物権

nH

と 登 記

(3)

旅館を経営していたA

が、不動産などの財産を残して昭和二四年―一月六日死亡した。

Aの妻Bと四人の子x.C•D.E

A

B

の子であり既に死亡した

F

に代わりその子

G .

H

が当該遺産を法定相続分にしたがって相続ないし代襲相続した結果︑

‑ 1

3 ︑

1 ‑

3

︑子

2 ‑

3

としている︒︶この時点で︑

昭和二八年一

0

登記はしなかった︒その後︑登記未了のまま昭和三一年三月二七日に

C

反訴原告︑控訴人︑被上告人︶

被控訴人︑上告人︶

x.C•D.Eが2-15、

G .

H

1 ‑ 1 5

の持分を有することとなった︒︵改正前民法九

0

0

条一項は︑法定相続分を配偶

B

は本件不動産につき自己の持分を︑

に相続がなされた︒そして︑

に遺贈する旨の公正証書を作成した 事実の概要と判旨

位の並存ないし兼有という視点から考究しようと思う︒ かに考えるかという

いわゆる

A

死亡を理由とする相続登記はなされていなかった︒

A

の死亡後旅館経営を引き継いだ

C

に公正証書で贈与したが︑

C

の妻である

Y

と七名の子等

Y

│ Y

B

は改めて︑昭和三三年一二月一九日上記持分を

X

に関する最判昭和四六年

変動原因であるのだから︑それが︑不動産物権変動の対抗要件たる登記といかなる関係に立つか︑すなわち︑第三者に相続による 物権変動を主張するために登記を必要とするか否かが一般的に問題とされ︑解明されていなければならない︒もちろんこれまで︑

個別的に優れた研究が公にされていて︑それに付け加えるべきものは少ないと評する向きもあるが︑他方︑

残されているとも感じられないてはない︒それゆえ︑﹁相続と登記﹂の問題を総合的に研究し︑統一的視野の下に理論的に考究す

まず関連する全ての判例を個別的に判例研究する必要性を痛感するに至った︒

ニ ニ

O

いまなお不透明な点が 右のような考えの下に先ず取り上げるべき問題として︑不動産の二重譲受人双方が譲渡人を相続した場合の両者の対抗関係をい

B

は︑上記

C

への贈与及び

X

への遺贈の間に︑他の

一月一六日︵以下︑最判昭和四六年とする︶を︑

二重地

(4)

t

者に遺贈する旨の公正証書を作成したり︑

X

に遺贈する旨の公正証書︵ただし︑昭和三三年の公正証書とは遺言執行者が異な る︶を作成しているが︑これは昭和三三年の

X

に対する遺贈の公正証書によって取り消されたものと解されているようである︒

原審及び上告審では特に触れていない︶︒昭和三四年三月︱二日に

B

が死亡し︑その一年後てある昭和三五年三月一五日︑

X

本件不動産につき

A

死亡による共同相続登記をするとともに︑右遺贈を登記原因として

B

の持分の取得登記を了した︒

そして

X

は︑本件不動産のほか︑現

C

名義の不動産も旅館経営の収益によって建築されたもので一時は

A

名義となっていたこ

︵被告︶に対しては自己が

7 ̲ 1 5

の持分を有することの確認を︑

とを理由に

A

の遺産を構成すること︑及び昭和三三年に

B

がその所有する持分を自己に遺贈したことを理由に︑他の生存相続人

C

の妻

Y

とその七名の子

Y l

Y

に対しては持分の確認とともに

C

名義の不動産につき抹消登記手続を求めた︒これに対し

y

相続人であった

C

が将来自分のものになることを当然のこととして

A

を喜ばせるために

A

名義の登記としただけで︑現

C

名義の

不動産はもちろん︑

B

の贈与に基づき本件不動産のうち

B

の持分も

C

の所有に属するものであって

Y

らがこれを相続したとして︑

X

のした相続登記と持分取得登記の抹消登記手続を求めて反訴を提起した︒

第一審(福岡地判昭和三九・九•八)

は ︑

A

の相続人に対する

X

の請求を︑確認の利益がないことを理由に却下した︒また︑

Y

らに対する請求中︑現

C

名義の不動産は

C

の財産であるとしてこれに係る

X

の請求は棄却したが︑本件不動産に対する

X

分確認請求については︑

X

に対する遺贈と

C

に対する贈与は二重譲渡の関係にあり︑対抗要件を備えている

X

に対し

Y

らは対抗 できないとして、

Xの請求を認容した。反訴請求も棄却されたため、

Yらが控訴した。原審(福岡高判昭和四三•六·――-)

﹁一般に不動産の二重譲渡においては︑譲受人が譲渡人の法定推定相続人である場合でも︑譲渡人の生存中には民法第一七七条 の適用を見ることは論を侯たないところてあるが︑譲渡人が死亡しその遺産相続が開始した場合には︑相続人たる譲受人は譲渡 人の地位を初括承継し︑譲渡人の他の譲受人に対する所有権移転の登記義務を承継する結果︑最早他方の所有権取得を否定し︑

自己の所有権取得を主張する権利を失ったものと解するのが相当てある︒﹂と判示した上で︑以下のように判示した︒すなわち︑

A

名義となっていた現

C

名義の不動産は︑法定推定家督

(5)

yl

C(

B

の共同相続人間においては︑ その相続分

1 ‑

3

の割合による

1 ‑

X

Bの相続人であるから自己の遣贈による持分取得を

9

の持分を取得する︒しかし︑

Yらに主張する権利を失い︑他方

Y

Xに主張する権利を失ったため︑の包括承継人として贈与による自己の持分取得をY

B

Bの持分中

Y

の取得した

1 ‑

9

を控除した

2 ‑

9

に対する自己の相続分

1 ‑

5

の割合による

2 ‑ 4 5

相続したものとする︒よって︑

分を合わせた︑

したような場合︑その優劣は対抗要件である登記をどちらが備えたかで決定すべぎであり︑親の死亡の前後で変わる必要はない こと︑原審の示した判断基準は︑あくまで他方の譲受人が譲渡人と関係のない第三者である場合のものであり︑譲受人双方が相 続人であり包括承継人たる地位になんら差異がない場合には該当しないこと︑等を理由として上告した 判昭和三五年を挙げ︑原審はこれを検討することなく踏襲していると批判︶︒

破棄自判

は ︑

B

の包括承継人ではないため︑

B

C

間の贈与契約に基づき︑

X

は本件不動産につ彦︑

A

死亡による相続を理由とする持分とB死亡による相続を理由とする持

8 ‑ 4 5

の持分を有するとした︒これに対し︑

§ 

B

C

に贈与した本件不動産に対する持分

1 ‑

3

X

は︑親がその所有不動産を息子に贈与し︑さらにこれを娘に遺贈

﹁被相続人が︑生前︑その所有にかかる不動産を推定相続人の一人に贈与したが︑その登記未了の間に︑他の推定相続人に右 不動産の特定遺贈をし︑その後相続の開始があった場合︑右贈与および遺贈による物権変動の優劣は︑対抗要件たる登記の具備 の有無をもって決すると解するのが相当であり︑この場合︑受贈者および受遺者が︑相続人として︑被相続人の権利義務を包括 的に承継し︑受瞳者が遺贈の履行義務を︑受遺者が贈与契約上の履行義務を承継することがあっても︑このことは右の理を左右 するに足りない︒﹂として︑

Xが本件不動産につき適法に登記を有していることから︑

7 ̲ 1 5

の共有持分を有することを認容した︒

この判例は︑栽族間において贈与又は遺謄という形で不動産の二重譲渡がなされ︑被相続人であった譲渡人が死亡したことに よって開始した相続により︑譲受人双方が譲渡人の地位を相続した場合の対抗関係について︑被相続人たる譲渡人の死亡の先後に

︵上告理由中に︑広島高

(6)

原告

x

H

関わらず対抗要件︵登記︶を備えた者が優先すると判示した最初の最高裁判例である︒

最判昭和四六年は︑不動産の二重譲渡における譲受人双方が︑登記の履行請求権を有する特定承継人たる地位と︑その履行義務 を負う承継人たる地位を併せ持つ場合の両者の優劣に関する初めての最高裁判例である︒

この問題に関連する本判決以前の下級審判例として︑譲受人の一方のみが︑受贈者としての権利者の地位と︑相続人として相続 によって引き継いだ義務者の地位を併せ持つ事例である広島高判昭和三五年三月三一日高裁民集一三巻二号︱一三七頁︵以下︑広島

高判昭和三五年とする︶

と東京地判昭和三九年一月一︱︱︱一日下民集一五巻一号五四頁︵以下︑東京地判昭和三九年とする︶がある︒

Y

は︑同年九月二日︑

A

より本件山林の贈与を受けた︒そしていずれも移転登記手続未了のまま︑昭和二七年二月︱四日︑

A

は死亡した︒そこで

X

は ︑

Y

が相続により

A

の権利義務を承継したことに基づき︑

めて本訴を提起し︑昭和二七年四月一︱一日︑

Y

に代位して

Y

のために相続による所有権移転登記手続をなした︒第一審︵津山簡

裁︶及び原審︵岡山地裁︶

Y

はその所有権を

X

に対抗できない︒この状態において相続が開始し︑

以下にこれを紹介する︒

1

とも

x

勝訴︒原審は︑以下のように判示している︒すなわち︑

A

の行為は二重譲渡であり︑

A

の生存

︵高裁民集一三巻二号二三七頁︶所有権移転登記手続等請求事件 は︑昭和二三年五月一日︑被告

Y

Y

に対し本件山林の所有権移転監記手続を求

Y

A

の法律上の地位を承継した︒民法一七七条

~

A

より本件山林を買い受けた︒

(7)

有権を相続することはあり得ないが︑ 上告棄却 ているので

X

に対抗し得る︑として上告した︒

の﹁第三者﹂には当該物権変動の当事者及びその包括承継人は含まれないため︑

X

の代位により

Y

のために所有権移転登記手続

がなされたからといって

Y

X

に対し登記の欠訣を主張しえないし︑登記義務を免れることはできない︒これに対し︑

身は本件山林を

A

から謄与されているため︑その所有権に基づき

A

に対し所有権移転登記請求権を取得しているのであって︑本

件山林に関する限り︑

X

の代位によるとはいえ

Y

のためになされた相続を原因とする所有権取得登記は有効なもので︑現在の真実の権利状態を公示し

X

に対する

A

の法律上の地位を承継しない︑そのため

X

Y

は民法一七七条にいう第三者の関係であって︑

Y

A

に対する関係では受贈者として既に本件山林につき所有権を取得していて︑移転登記請求権を取得しているのでその所 担していた本件山林所有権の移転登記義務についても承継していることが明らかである︒﹁即ち

A

の生前においてはいわゆる不

動産の二重譲渡の場合に該当し︑

有権を対抗し得た関係にあり︑

Y

X

は互にその権利を主張し得ない立場にあり︑

Y

が先に自己名義の所有権取得登記を得ておれば自己の所有権を以て

X

に対抗し得べく︑反対に

X

は所有権取得を主張し得ず︑従ってその後

Y

のため相続が開始しても

X

に対する登記義務の承継とゆうことはあり得ない︒し

かし本件の如く

Y

が被相続人から生前贈与を受けた不動産につき登記のないまま被相続人が死亡し︑その相続をした場合には異

なる︒即ち

Y

は相続前生前贈与による所有権を以て第三者に対抗し得なかった関係上︑右贈与がなくして相続が開始された場合

と同一の立場になり

Y

は被相続人の

X

に対する所有権移転登記義務を承継するものといわなければならない︒したがってこの場

合は

Y

は所謂︱︱重譲渡を受たものとしての立場を失ったものとゆうべく︑

記なき故を以て

X

の所有権を否定し得ないと同時に︑

し優先的所有権取得を主張し得ないものと解すべきである︒又相続による所有権取得登記に対し生前なされた贈与による所有権

Y

A

の相続人として被相続人の法律上の地位を承継しており︑

Y

は︑自

A

X

に対して負

いずれか早く登記を経由して始めてその所

Y

は民法第一七七条にいわゆる第三者に該当せず︑登

Y

は最早生前贈与による登記ができず︑相続による登記があっても

X

に対

(8)

廿 ハ

にあたるとして控訴した︒ この判例は︑不動産の二重譲渡における譲受人の一方が︑その所有権移転については未登記のまま︑相続によって譲渡人の地位

を承継したことで︑権利者たる地位と義務者たる地位を併せ持った場合︑相続人たる譲受人はもはや権利者としての地位を主張し

えず︑他方の譲受人に対する被相続人の所有権移転登記義務のみを承継するとした判例である︒

A

1 0 0 0

円にて買い受けた︒その際︑代金の内金四万

円を即日支払い︑残代金は同年末日限り︑所有権移転登記手続の完了と同時にこれを支払う旨定めた︒その後︑

同月一一八日所有権移転登記を経由した︒その後︑

A

は︑同年三月に死亡した︒

A

より︑残代金

を支払えば登記をする旨の申し出があったため︑同年一

0

Y

A

に対し︑残代金を支払った︒しかし

A

は︑その後の

Y

の再三の要請にもかかわらず︑本件土地が当時一筆の土地の一部であり分箪登記に手数を要することを理由に︑所有権移転登

A

より贈与され︑これを原因として

そこで

X

は ︑

Y

に対し︑自己の所有権に基づき︑建物収去土地明渡を求めて提訴した︒これに対し︑

y

は︑所有権移転登記手

続を求めて反訴を提起した︒第一審︵中野簡裁︶

しても︑現に

Y

が居住しAより本件土地を買い受けたことを知りながら︑Aの死亡直前に贈与を受けるというのは背信的悪意者

X

記手続を行わなかった︒

②東京地判昭和三九年一月一三一日

は ︑

X

の請求を認容した︒

Y

は ︑

A

X

間の贈与は不存在であり︑仮にあったと ︵下民集一五巻一号五四頁︶建物収去土地明渡請求事件 取得登記と同一の遡及的効力を附与することはできない︒﹂

︱ ︱ ︱ 一

(9)

まず︑基礎的な問題として︑遺贈の効力が︑物権的効力を有するか︑債権的効力を有するか︑というものがある︒すなわち︑

﹁受遺者は︑遺贈が効力を生じると同時に︑当然遺贈物上の権利を取得するのか︑それとも︑受遺者は︑遺贈された権利の移転を

2

理論的前提 裁判所は︑まず︑﹁本件土地は︑していないにもかかわらず︑売買に基づく所有権の取得をもって

X

に対抗できるかどうかは︑

とのできる第三者にあたるかどうかによって決せられることとなる︒﹂その上で︑不動産翌記法四条五条︵現同法五条一項及び

合でも︑背信的と認められる場合は︑登記の欠訣を主張することができないものと解すべきだとした︒そしてこれを本件に当て

直前にその死亡を予見し︑相続による所有権取得にかえて生前贈与により本件土地の所有権を取得しようと図ったこと︑

Y

に登記手続きを怠ったような事情はないことから︑

この判例は︑不動産の二重譲渡における譲受人の一方が︑登記を備えた後に譲渡人が死亡し︑相続によって売主としての義務者 の地位を有した場合︑当該譲受人が背信的と認められるならば︑他方の譲受人は登記なくして対抗てきる︑としたものである︒

遣贈と登記という問題に関しては︑従来︑被相続人からの譲受人と︑相続人又は相続人からの権利取得者との優劣問題として論

(1 ) 

じられることが多かった︒本判例の研究に入る前に︑前提となる理論を検討する︒

X

は ︑

取消自判

A

の生前に

Y

X

とに二重に譲渡されたこととなり︑従って︑

0 )

Y

が所有権取得の登記を経由

X

Y

の登記の欠鋏を主張するこ

の登記の欠訣を主張することができない場合というのは限定的に解すべぎではなく︑両条に直接該当しない場

A

が既に本件土地を

Y

に売り渡しており︑売主としての義務を負担していることを知りながら︑

A

死亡の

X

Y

に対して登記の欠峡を主張できないというものであるとした︒ 二二六

(10)

失するし る ︒

(2) 

例においても︑同様の立場を採ると解される︒

(2 ) 

相続人に請求することのできる債権を取得するに止まるのかの争いである﹂と説明されており︑中でも特定物遺贈の場合の効力が

(3 ) 

物権的効力説は︑遺賭の効力につき︑立法者が財産権変動の一般原則の適用を予定していたことを挙げ︑特定物遣贈の場合︑遺 賄の効力発生と同時に権利は受遺者に移転するとする︒ただし︑この場合でも相続人などの遺贈義務者は︑移転登記に協力する等

の義務を負うとする︒

一方︑債権的効力説は︑例えば相続人が限定承認した場合︑相続債権者が受遺者に優先して弁済を受けると 規定されているにもかかわらず︵九三一条︶︑遣贈に物権的効力を認めてしまうと︑受遺者が相続債権者に優先することになり︑

受遺者と相続債権者の保護の調整が前後矛盾するとして︑物権的効力説を批判する︒これに対し︑物権的効力説は︑受遺者が当然 に権利を取得しても︑対抗要件を具備するまては相続債権者に対抗できないため︑従って︑相続債権者の権利を侵害しないと抗弁

(4 ) 

この問題につき︑判例は︑大判大正五年︱一月八日民録ニニ輯︱二七八頁において︑特定遺贈に物権的効力を認めており︑本判

(5 ) 

遺贈による特定不動産の権利の取得を第三者に対抗するための登記の要否 特定物遺贈によって不動産の権利を取得した者は︑その所有権を第三者に対抗するために︑登記を要するか否かという間題であ 学説においては︑遺贈は遺贈者の意思表示による物権変動であり︑この点他の物権変動と異ならないということを理由に︑登記

( 6) 

必要説が通説となっている︒これに対し︑登記不要説は︑①受遺者は遺贈の存在自体を知らない場合があり︑登記を必要とすれば 受遺者にあまりに酷てある︑②遣言の効力が生じて受遺者に所有権が移転すると︑被相続人はもはや二重譲渡をなしうる能力を喪

︵九八五条︶︑遺言作成後に遺贈の目的物を他に譲渡した場合︑遺言が撤回されたものとみなされるから

ニニ七

二 0

(11)

( 7 )  

項︶︑遺贈の場合︑被相続人は一︱重譲渡をなしうる地位を一度ももたない︑などを理由に︑登記は不要であると指摘する︒

しかし︑これら登記不要説の批判に対し︑幾代教授は︑以下のように

T

寧な反論を行っている︒すなわち︑

相続人も遺贈の事実を知らないまま第三者に当該不動産を譲渡する場合があり︑このような場合の第三者が勤勉に登記を具備する

ことにより受遣者より優先されることは不当ではない︑かつ︑相続人からの権利取得の多くは有償であり︑遺賭は無償の権利取得

であることも考慮に入れるべきであるとする︒また一︱点目については︑﹁生存中の遣贈者は一︱重譲渡をなしうる地位にない﹂との

意味は︑後発の抵触処分によって遺贈の効力それ自体が失効するがゆえに対抗問題は生じない︑ということであって︑その逆で対

抗間題が生じないのではない︑そもそも一種の法定の解除条件付法律行為である遺贈による受遺者の権利は並みよりも弱く︑その

権利が遺贈者の死亡という事実によって登記なくして万人に対抗しうる絶対的効力を取得するのは不可解である︑とされる︒そし

て︑登記必要説と登記不要説の違いは︑遣贈を生前贈与に近いものとみるか︑相続に近いものと見るかという立場の違いであり︑

社会的利益衡量の結果︑実質的により妥当なのはどちらか︑

処理した最判昭和三三年一

0

月︱四日民集︱︱一巻︱四号三一

という視点を挙げた上で︑登記必要説を主張される︒

一方判例は︑かつては遺贈や生前贈与をも含めて︑相続開始時までに被相続人から権利を取得した者は︑相続人及び相続人から

(9 ) 

の権利取得者に対しては︑相続人の無権利を主張することにより︑登記なくして他方に優先するという判例法理を採っていた︒し

( 1 0 )  

かし︑これは大連判大正一五年二月一日民集五巻四四頁によって改められ︑被相続人からの受贈者と相続人からの譲受人は対抗関

係にたち︑他方に優先するためには登記を要するとされた︒その後も遺謄の場合については大審院自体の判例が割れていたが︑最

( 1 2 )  

高裁は︑最判昭和三九年一二月六日民集一八巻一二号四三七頁において︑生前贈与の受贈者と相続人からの譲受人の優劣を対抗問題で

( 1 3 )  

︱︱頁を引用して︑特定物遣贈に基づく所有権の取得も登記をしなけ

れば第三者に対抗できないとした︒このように現在ては︑受贈者又は受遣者は︑登記を経由しなければ第三者︑具体的には相続人

から当該不動産の所有権を譲渡された第三者に対抗できないとされている︒

この点につき︑本判例は︑通説・判例の立場を踏襲し︑登記必要説に立つと解される︒

一点目については︑

(12)

本判例との関係において︑そもそもの二重譲渡の成立の問題として︑九九六条との関係が挙げられる︒つまり︑例えば譲渡人た る被相続人

A

が生前

B

に当該不動産を贈与したことで︑当該不動産は

A

の死亡時に相続財産に属しないと考えるならば︑九九六条 に基づき︑当該不動産を対象とする特定物遺贈は効力を生じない︒そうであれば︑そもそも二重譲渡は生じないと考えられる︒し かし︑判例は前述の最判昭和三三年一

0

月一四日において︑譲渡人たる被相続人の生存中で︑登記未了の間は完全に排他性ある物 権変動が生じたわけではないのて︑被相続人は改めて他に譲渡することが可能であるとし︑これは相続の対象となりうるとしてい る︒そして︑遣贈についても︑前述の最判昭和三九年三月六日において︑生前贈与と同様に扱うとしているので︑未登記である限 り︑その不動産は相続財産に含まれており︑九九六条の適用によって遣贈が無効になるとはいえない︒

本判例においても︑この点を特に検討することなく︑当然に相続財産に含まれ︑

本判例の検討

i

譲受人が権利者の地位と義務者の地位を併せ持つ場合

ひいては遺贈の効力は有効であるとの前提に 本判例研究において取り上げる最判昭和四六年は︑遺贈と登記を巡る問題の中でも特に︑被柑続人が同一不動産の贈与及び遺贈

を二者にしたことて︑それぞれの受賄者及び受遺者は自らの所有権を主張しそれに基づく登記移転請求権を有すると同時に︑両者 とも相続人であったことから︑被相続人の承継人として他方に登記義務を負うという事案である︒すなわち︑譲受人双方が︑登記 の移転請求権を有する特定承継人たる地位と︑その履行義務を負う包括承継人たる地位を併せ持つ場合である︒この場合に関する 判例は︑本判例以前にはなく︑これが最初の最高裁判例である︒

︱ ︱

1

において述べたように︑当事者が︑譲受人たる権利者の地位と︑譲渡人たる義務者の地位を両方取得した裁判例として︑

立っている︒

生前贈与の対象不動産は︑

( 1 4 )  

九九六条の適用対象となるか否か

ニ ニ

(13)

広島裔判昭和三五年と東京地判昭和三九年がある︒この両判例はいずれも︑譲受人の一方のみが権利者と義務者の地位を取得した 場合であり︑直接に最判昭和四六年と事案を同じくするものではないが︑これら両判例と最判昭和四六年を比較したい︒

まず広島高判昭和三五年は︑譲渡人たる被相続人死亡時に︑譲受人の及方ともが登記を得ていなかった場合である︒この場合に

つき︑広島高裁は︑以下のように判示した︒すなわち︑

につき所有権移転登記を経ていれば︑譲受人としての権利者の地位を

X

1 0

︵買受人︶に対抗することができる︒しかし︑未登記の状

態で相続が始まった以上︑もはや

Y

A

からの贈与による所有権取得を第三者に対抗できず︑当該謄与がなかったのと同様に︑

A

X

に対して有する所有権移転登記義務を承継することになり︑二重譲渡の譲受人たる地位を失ったとした︒なぜ︑

A

の地位を相

続したことで

Y

が権利者たる地位を喪失するのかについては説明がなく︑あいまいなままである︒しかし︑本広島高判は︑譲受人

の一方が︑譲受人たる権利者の地位と︑譲渡人たる義務者の地位を併せ持つ場合︑権利者の地位のみを有する相手方に対しては︑

両地位を併せ持つ譲受人の権利者としての地位は後退し︑相続によって引き継いだ義務者としての地位が強調されるということを 示しており︑これについては賛成できる︒なぜならば︑譲受人かつ相続人である者の有する権利者としての地位は︑未だ排他性を

備えておらず︑他方︑被相続人の相手方に対する義務は︑相続人が具体的に承継しているからである︒

一方︑東京地判昭和三九年は︑譲渡人たる被相続人死亡時に︑既に︑譲受人たる権利者の地位と譲渡人たる義務者の地位を併せ 持つ相続人が登記を備えていた場合である︒本東京地判そのものは︑登記を経た状況等から︑当該譲受人兼相続人を背信的として 一七七条の第三者には当たらないとし︑他方の権利者の地位のみを有する譲受人の権利を保護している︒仮に︑前者が背信的でな かった場合は︑どうなっていただろうか︒つまり︑相続開始時までに譲渡人から両地位を併せ持つことになる譲受人への所有権移 転登記が正当になされていた場合︑その時点で当該不動産に関する権利は確定するために︑両地位を併せ持つ譲受人は権利者たる 地位に基づき︑他方の譲受人に自己の権利を主張することができる︒しかし︑相続によって引き継いだ譲渡人としての地位は残る ため︑両地位を併せ持つ譲受人は︑売主としての義務の履行不能の結果︑他方の譲受人に対して損害賠償義務を負うことになると

︵受贈者・相続人︶が

A

から生前贈与を受けた本件不動産

(14)

廿 ハ

︻ 事 実 の 概 要

昭和二四年︑本件土地︵農地︶

最判昭和六三年︱二月一日

る︒以下にこれを紹介する︒

(2) 

考えられる︒

最判昭和四六年は︑譲受人双方が︑譲受人たる権利者の地位と譲渡人たる義務者の地位を併せ持つ場合であり︑最高裁はこれを 対抗問題として処理した︒これは︑広島高裁の場合と異なり︑譲受人双方の地位や利益状況が異ならないため︑相続によって引き 継いだ義務者たる地位が後退し︑権利者性のみが前面に出された結果であると考えられる︒広島高判昭和三五年て前提として述べ られているように︑譲渡人たる被相続人の死亡時まてに譲受人のいずれかが登記を備えていれば︑当該不動産に関する権利が確定 するのであって︑このような問題は生じなかったのであり︑間題となるのは相続開始時に譲受人双方とも未登記の場合である︒そ して︑被相続人の義務は両者とも相手方に対して承継しており︑両すくみの関係となるから︑その地位は後退し︑権利者としての 関係が前面化し対抗関係になると考える︒判旨が︑﹁受贈者が遺贈の履行義務を︑受遺者が贈与契約上の履行義務を承継すること があっても︑このことは右の理を左右するに足りない︒﹂と言っているのは︑このようなことを指しているのだと解したい︒ただ し︑このような末登記の場合︑被相続人の地位を相続によって承継していることから︑両地位を併せ持つ譲受人の権利者たる地位 が前面化するからといって︑義務者たる地位が常に完全には喪失するとは限らないと考える 譲受人双方が︑権利者たる地位と義務者たる地位を併せ持つもう︱つの判例

l

最判昭和六三年︱二月一日 前述のとおり︑最判昭和四六年は非常に稀な事案であり︑事案を同一にする直接の判例は︑最判昭和六三年︱二月一日のみであ

︵判例集未登載︑民商一

0

0

巻六号一七三頁︶土地所有権移転登記手続請求事件

の登記簿上の名義人である長男

A

は︑これを占有耕作していた三男の

B

に対し︑本件土地の明

(15)

~

渡し及び損害賠償請求を求めて提訴したが︑第一審は本件土地を

B

の所有に帰属するものとして

A

の請求を棄却した︒これに対

し ︑

A

は控訴したが︑昭和二八年︱一月一九日︑両者の間で裁判上の和解が成立した︒その内容は︑①

B

は︑本件土地が

A

ものであることを承認すること︑②

A

は ︑

B

及びその子孫に対し︑本件±地を無償で耕作する権利を与え︑その権利を失わせ

るような一切の処分をしないこと︑③

A

の死亡後は︑本件土地を

B

及びその相続人に贈与すること︑などであった︒

B

が死亡したため︑その妻

X

及び子

x

X

が同人を相続した︒

本件土馳を

z

たため︑同人をz

A

( A B

の兄弟で︑次男︶に売却した後に︑昭和四七年四月三

0

日に死亡した︒これにより︑その妻

Y

と母

Y

が同人

を相続した︒その後︑

X

Y

Y

を相手取って︑死因贈与に基づく本件土地の所有権移転登記を求めたのが本件てある︒

Y

らは︑生前に

A

が本件土地をz

に売却したことによって死因贈与は取り消されたと抗弁した︒なお︑本件係争中に

Y

が死亡し

Y

Y

X

│ x

B

死亡により︑孫が代襲相続︶が相続した︒

昭和三八年︱二月一九日︑

第一︷番は︑本件和解による死因贈与は︑その成立の経緯に照らして撤回することはできないとしたため︑

Y

らが控訴︒特に︑

z

は独立の当事者として参加し︑死因贈与は後日の取消しの可能性を含むものであって︑まさに

A z

間の売買契約によって本件

死因贈与は撤回されたとし︑売買を原因とする自己

( N

)

への所有権移転登記手続を求めた︒しかし原審も︑

x

らの主張を認め

た︒その理由は︑以下のとおりである︒すなわち︑本件和解の成立経緯からみて本件死因贈与は︑瞳与者が受贈者に対し贈与物 件の所有権を移転することを確定的に約したものと認められ︑後の取消し又は変更を許すことが明らかに不相当と認められる特 別の事情がある場合には︑膳与者の最終意思を尊重する遺贈と同一視すべきではないため︑本件死因贈与に民法一

0 ‑

用されないし︑本件死因贈与が取消し可能なものてあることが前提とされていたという

Z

の主張は失当である︑ということであ

る︒そこでzは︑①死因贈与に民法一

0

二ニ条は準用されるべきである︑②仮に死因贈与の取消しが認められないとしても︑

本件死因贈与と本件売買とは二重譲渡の関係となり︑

z

X

らは対抗関係にたっとして︑上告した︒これに対し︑最高裁は︑① については原審と同様に﹁贈与に至る経過︑それが裁判上の利解でされたという特殊な態様及び和解条項の内容等を総合すれば︑

(16)

廿 ハ

は、結局、~ 及びその効力︶

につき審理させるため︑破棄差戻しとした︵最判昭和五八年一月二四日民集三七巻一号ニ︱頁︶︒

から 本件の死因贈与は︑贈与者である

A

において自由には取り消すことができないものと解するのが相当てある︒﹂と判示して︑

の請求を棄却した︒しかし︑②の主張については︑贈与者による死因贈与の自由な取消しの可否と︑贈与者が目的不動産を第三 者に売却することの可否は次元を異にする別個の問題であり︑前者が許されないからといって︑このことから直ちに︑﹁贈与者 は死因贈与の目的たる不動産を第三者に売り渡すことができないとか︑又はこれを売り渡しても当然に無効であるとはいえない

︵受贈者と買主との関係はいわゆる二重譲渡の場合における対抗問題によって解決されることになる︒︶︑原審が前記のよう な理由のみて売買に関する

z

の主張を排斥したことは正当でないといわなければならない︒﹂として︑この点︵売買契約の存否

は︑次のように判不して

X

らを勝訴とし

その後︑差し戻し︷番である東京高判昭和五九年九月二七日 た︒すなわち︑﹁二重譲渡の各譲受人が相互に譲渡人の義務をも負担しているという複合的な地位にある場合︑譲受人間の優劣

義務の負担者という一面を捨象して権利者の面にのみ着目し登記の有無︑先後によってこれを決める︑但しこ の場合いわゆる背信的悪意者の法理の適用によって修正されるべきてある︑同各譲受の経緯︑内容︑登記の有無︑先後等を総 合して信義則に照らして優劣を決める︑

のいずれかの途をとるほかないと解される︒﹂その上で︑

z

は︑本件和解時には

B

の側

にたってその成立に尽力しており︑当該和解の趣旨及び内容を熟知していたことから︑その趣旨を没却するような本件売買契約

求を認めるべきである︑とした︒これに対し︑ は信義則に反するものであり︑いの立場に立てば背信的悪意者として︑回の立場に立てば信義則に照らし︑いずれも

X

らの請

A

及び

Y

の死亡により相続した持分を超

z

が上告した︒その理由は︑①

z

は ︑

える部分については義務を負わない︑②原判決の解釈論はきわめてあいまいで法的安定性を欠く︑③背侶的悪意者に関する判 例法理を異種のケースに適用することは危険である︑また④

z

が背信的悪意者に該当する旨の判決は判例に違背する︑⑤原

審は背信性の立証責任を誤って

z

に課している︑というものである︒

上告棄却

~

(17)

用にすぎないとする︒

① 

一七七条によって解決したのは論理の借

上告理由①ー③については︑﹁生前その所有にかかる不動産を特定の者に死囚贈与した者が︑右死因贈与が取消を許されない ものであるのに︑他の者にも右不動産を売渡し︑その登記をしないまま死亡した場合において︑受贈者及び買受人が︑譲渡人の 共同相続人の一人を相続したために︑受瞳者が売買契約上の履行義務を︑買受人が死因贈与契約上の履行義務を︑それぞれ承継 したとしても︑右死因贈与及び売買による物権変動の優劣は︑対抗要件である登記の有無によって決するものと解するのが相当

︵最判昭和四六年︱一月一六日民集二五巻八号一︱八二頁参照︶︑この場合︑右買受人がいわゆる背信的悪意者であると きは︑買受人は受贈者の登記の欠鋏を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないというべきである︒﹂同④ー⑤について は︑原審の確定した事実関係のもとにおいて︑﹁

Nが登記の欠鋏を主張することの許されないいわゆる背信的悪意者に該当する

最判昭和四六年と最判昭和六三年のように︑不動産の二重譲受人双方が譲渡人を相続した場合とは︑必然的に︑穀族間のみ で問題が生じているということになる︒そこで︑両判例の評釈において︑このような親族間の問題に︑取引の安全を目的とす

( 1 7 )  

る一七七条を適用すべきではないという批判が存在する︒この立場によれば︑例えば最判昭和四六年の場合︑

B

から

C

に対す

る贈与を死因贈与とみなした上で︑後に

B

X

への遺賭がなされたために一〇二三条二項に基づき

C

への贈与は撤回された

と考えることで︑譲渡人

B

の最終意思を尊重する論理構成をとるべきであったとする︒そして︑判例がそのような構成をとら

しかし︑このような勝手な解釈は許されないと思う︒裁判所が贈与と認定している以上︑その認定に沿って解釈すべきてあ

る︒そしてその認定によれば︑最判昭和四六年は︑譲受人双方とも︑権利者たる地位と相続人として引き継いだ義務者たる地 (3) 

ひとえに当事者のいずれもが死因贈与を主張しなかったためであり︑

とした原審の判断は正当である﹂とし︑ であり

z

の上告を棄却した︒

(18)

位を兼有している︒よって︑両者の利益状況に差はなく︑民法一七七条の予定する対抗関係にあると考えてよく︑

( 1 8 )  

適用して登記の有無によって決するという判例の立場に賛成する︒

一七七条を

判例に従えば︑不動産の二重譲渡の譲受人双方が相続人となり︑譲受人としての権利者たる地位と︑相続によって引き継い だ義務者たる地位を併せ持つ場合︑譲受人の第三者性︵権利者性︶を強調し︑この関係を対抗問題で処理する︒では右記の場 合で︑かつ両譲受人とも未登記のまま相続が開始したとすると︑実際上はどのような手続きてもって登記を先に備えることが

( 1 9 )  

できるのか︒当然︑権利者たる地位を他の相続人に主張し︑これを理由とする所有権移転登記が認められ登記に協力されれば 争いは生じないが︑今回の場合は︑二重譲渡の譲受人双方が相続人であり︑権利者たる地位を主張して争っている他方の相続 人の協力は得られない︒この場合︑実際に他方の相続人に先んじて登記を得るための手段は︑どのようなものが考えられるの

譲受人双方が︑

いかなる理由で権利者たる地位を有するに至ったのかにより︑その手続きは異なるが︑大きく分けて︑二つ

︱つは︑譲受人が売買や生前贈与によって当該不動産を譲渡されており︑被相続人たる譲渡人が︑

譲受人ないし代理人に対し︑当該不動産の所有権移転登記手続を委任し︑そのための書類等を交付していた場合である︒通常︑

︵六五三条︶︑登記申請のための代理人の権限は︑委任者本人の死亡によっても消滅し

︵不登法一七条一項︶︒そのため︑被相続人たる譲渡人が死亡し相続が開始した後でも︑譲渡人からの移 転登記を取得することができる︒もう︱つは︑遺謄により当該不動産を取得した場合である︒遺言執行者が指定されている場 合︑遺百執行者は被相続人たる譲渡人の遺言に従って︑遺贈を原因とする所有権移転登記手続を行うことができる︒また︑遺 言執行者が指定されていない場合︑受遺者は裁判所に対し遺言執行者の選任を申し立てることができ︑選任後は︑遺言執行者 が指定されていた場合と同様︑遺言執行者の行為によって登記を得ることができる︒死因贈与によって権利を譲り受けた場合

は︑登記を取得するためには他方の相続人の協力が必要であるため︑非常に難しいと言えるが︑譲渡人たる被相続人の死亡前 ないとの規定がある 委任は委任者の死亡により終了するが に分類されると考えられる︒

゜ ② 

二三五

参照

関連したドキュメント

としても極少数である︒そしてこのような区分は困難で相対的かつ不明確な区分となりがちである︒したがってその

   縮尺は100分の1から3,000分の1とする。この場合において、ダム事業等であって起業地

要請 支援 要請 支援 派遣 支援 設置 要請 要請

受理担当部門は、届出がされた依頼票等について必要事項等の記載の有無等を確認

確認事項 確認項目 確認内容

確認事項 確認項目 確認内容

引き続き、中間処理業者の現地確認を1回/3年実施し評価を実施す

[r]