藤原宮朝堂院の調査(飛鳥藤原第120次)
8月末、5ヶ月間に及んだ調査がようやく終了し ました。場所は藤原宮朝堂院地区の一郭です。朝堂 東第二堂と呼ばれる建物と東面回廊について検証す るのが、今回の調査の主な目的でした。この場所は 戦前、日本古文化研究所によって部分的な発掘が行 われていますので、建物規模などの大枠はわかって います。そのため「改めて調査をする必要かおるの か」という声も聞こえなくはありませんでした。
しかし、やはり発掘はやってみるものです。古文 化研究所は発掘成果にもとづいて、東第二堂を桁行 15間、梁行4間に復元していました。ところが、
今回改めて全面的な発掘をしたところ、実は梁行5 間であったことが判明しました。東第二堂は、孫庇 が朝庭部分に張り出すという、これまでに例のない 特異な構造をもっていたのです。
また東第二堂は基壇をもつ瓦葺き礎石建ちの建物 でありながら、床を貼っていた可能性も、今回の調 査で新たに浮上してきました。
ともに、これまでの「常識」をくっがえす重要な 成果といえます。しかも、これらの点がわかったの は現地説明会の少し前のことでした。なかでも梁行 5間という知見は、現地説明会のわずか3日前に得
たものです。全く冷や汗ものでした。
7月20日の現地説明会では、猛暑にもかかわら ず500名近い人が集まり、熱心に耳を傾けてくれま
3
奈文研ニュースNo.6
現地説明会のようす(紙筒を立てて柱位置を表示)
した。調査部一同、心より感謝しております。
(飛鳥藤原宮跡発掘調査部 市 大樹)