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あとがき

著者 山村 睦夫

雑誌名 東西南北

巻 2007

ページ 329‑330

発行年 2007‑03‑15

URL http://id.nii.ac.jp/1073/00002456/

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あとがき

『東西南北2007』をお届けします。本号は、3つの シンポジウムの報告と講演会報告1つ、そして各研究 プロジェクトの成果をまとめた各種論稿14本という構 成になりました。

「競争的環境下の大学」という社会状況のなかにあ って、和光大学においても「改革」や入試などへの取 り組みが日常業務化し、教育の現場で必要とされる努 力と時間も一層増大してきているのが実感されます。

そうした状況下で原稿をまとめてくださった方々には、

心からお礼申し上げます。

それぞれ「ネットワーク」「ジェンダー」「若者」を テーマとした3つのシンポジウムは、いずれも今日私 たちが、研究者としても、ひとりの人間としても、正 面から見据えるべき課題への取り組みといえるでしょ う。シンポジウムでの諸報告と討論が、問題をさらに 掘り下げる契機となることを願っております。また、

ボスニア・ヘルツェゴビナの現在を取り上げた講演会 報告は、日頃私たちの視野に入って来にくい地からの 言葉であり、従来から『東西南北』が担ってきた特徴 を継ぐものです。さらに、研究プロジェクトの報告は、

7つの研究グループの中間的な成果です。内容もとり まとめ形態もさまざまであり、多様とも混淆ともいえ ますが、これら研究プロジェクトの成果公表に、より 適切な表現方式・公表形態を生み出していくのは、研 究所の今後の課題でもあります。

ところで、『東西南北』は、2005年から判型が変わ りましたが、性格においてもこの間変化を続けていま

──

329

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す。発刊当初、たぶんに和光大学の知的広報誌的な性 格をもっていましたが、近年は、研究プロジェクトの 成果公表媒体たる役割を強めています。今後は、その 両面がより高度なレベルで融合しながら発展すること が課題となるでしょう。

前者の、知的広報誌的性格は、学術シンポジウムや 各種学術交流の取り組みを通じて、真摯に、時には尖 鋭に、問題の探求を積み重ねるならば継承し得るもの と思われます。また、プロジェクト研究に限定せず、

学内の意欲的な研究に積極的な光を当てていくことな ども考えられるかも知れません。

後者の方向については、緒についたところといえま す。各学部紀要と並んで、研究所の紀要が独自の光を 放つための基盤は、多様で活発な共同研究の存在に求 められるでしょう。

和光大学の共同研究の流れは、同一研究領域の研究 者が限られるなかで、学際的な研究の創出を通じて、

研究の活性化を追求したものと伝え聞きますが、小規 模な大学で多様な共同研究がなされているのは貴重な ものです。ただ、現実の共同研究活動をみますと、必 ずしも活発とはいえない状況にあり、共同研究の気運 が希薄化しているのも事実です。したがって、今後、

個人研究の実情に即した研究支援なども考慮すべき課 題となるかと思われます。しかし、依然、個性的で質 の高い共同研究の創出は、大学の個性化に対応して一 層必要とされているものといえます。研究所のあり方 としても、総合文化研究所の「総合」が「無個性」に ならないためには、共同研究を通じて、研究所内に、

二三の特定研究の場を創り出すことなども試行されて もよいのではないかと思っています。

いずれにせよ、『東西南北』が、和光大学の各種研 究の活発な展開に資する存在になれることを期してお ります。

和光大学総合文化研究所所長 山村睦夫

330

──和光大学総合文化研究所年報『東西南北』2007

参照

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