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学 位 論 文 の 要 旨

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Academic year: 2021

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様式第2号(第5条,第11条関係)

「課程博士用」

学 位 論 文 の 要 旨

注)和文2,000字以内又は英文800語以内       続紙 有□ 無□

専    攻 安全システム工学  専攻 ふりがな 氏  名

 いずみ こうじ  泉   洸次

学位論文題目

 漸近的平坦な重力レンズ模型の拡張およびその性質

(A generalized gravitational lens model

with asymptotic flatness and its properties)

 漸近的平坦な重力レンズ模型の拡張およびその性質

(A generalized gravitational lens model

with asymptotic flatness and its properties)

 漸近的平坦な重力レンズ模型の拡張およびその性質

(A generalized gravitational lens model

with asymptotic flatness and its properties)

学位論文要旨 学位論文要旨 学位論文要旨 学位論文要旨

 重力レンズは現代の天文学及び宇宙論において重要な役割を果たしている。系外惑 星探査や暗黒物質及び暗黒エネルギーの調査等様々な分野に対して重力を用いた望遠 鏡として広く応用されている。

 宇宙には多種多様な天体が無数に存在する。その中には直接観測が難しい天体も多 数存在する。 重力レンズを使うことによってそのような天体でも間接的に観測が可能 である。 そのためには、銀河等の既知の天体だけでなく、理論上その存在が予言さ れているダークマターやダークエネルギー等の未知の物質・エネルギーで構成される 時空構造の理解が必要である。しかし、これらの時空構造は非常に暗いため、未だ直 接観測されておらず、性質や状態、密度分布等の理論予想の検証が困難であり、よく 理解されているとはいいがたいのが現状である。

 そこで有効になるのが、重力場中の光の軌道(光的測地線)に着目することであ る。光の軌道は物質やエネルギーのつくる重力場にのみ依存する。よって、物質やエ ネルギーの性質が不明確であり、また十分な明るさがなくとも、その近辺を通った光 を観測することにより、間接的にその存在を発見することが可能であると考えられ る。

 重力場中を伝搬した光はそうでない光と比べて、観測されたときに様々な変化が見 られる。その変化は、

(

光源の

)

像の分離・変形、明るさの変化、または光の到達時間 のずれとして現れる。

 しかし、重力場中の光の軌道を研究する際に、複雑な密度分布を持つ天体や多数の 天体を対象とする場合、次数の高い光の軌道の方程式を取り扱うことになり計算が非

(2)

常に困難である。また、未知の時空構造を対象とする場合、密度分布等のパラメータ への依存性を決める際、任意性を持たせる必要がある。

  現在、ある質量分布中を伝搬する光の経路は大規模シミュレーションにより数値 的に計算する手法が主流である。しかしこれは、膨大な計算時間や計算コストがかか ることや、観測量がモデルのパラメータにどのように依存するかが明らかでない等の 問題が存在する。そこで申請者はそれらと違った解析的手法を用いてする研究に取り 組み、重力レンズの観測可能量が時空構造のパラメータにどのように依存しているか を明らかにした等、数値計算ではできないような成果を上げてきた。

 本論文では以下の三つの研究について述べる。

研究1:多体系による重力場中の光の軌道方程式に対する摂動解法の構築

研究2:Schwarzschild時空やワームホールと呼ばれる時空間トンネルのような構造 を持った時空、またそれらをさらに一般化した計量を用いた重力レンズに関する物理 量の計算とそれらを発見する手法の立案

研究3:木星質量程度のダークマターハローによるマイクロレンズ効果と観測可能性 の議論

 研究1では高次の方程式である多数の天体による重力場中の光の軌道方程式を、あ る一つの天体とそれ以外の天体との質量比が微少量であるとしてテイラー展開するこ とで、摂動解を導いた。研究1の特色として、複数のレンズ天体間同士の視線方向の 距離を違うものとして計算することに成功したことと、レンズ方程式を天体の質量比 を展開パラメータとして摂動的に解いたことが挙げられる。本研究の前には複数のレ ンズ天体が同じ距離にあるとした計算しか行われていなかった。またこの研究は、解 析的手法により光の経路を与え、かつ、モデルのパラメータ依存性を明らかにしたと いう点で特徴的である。

 研究2では質量等の時空構造を特徴付けるパラメータをε、計量と呼ばれる2点間 の距離を表す量において平坦時空からのずれを空間の中心からの距離

r

の関数として

r

−nと表し、パラメータやパラメータ依存性に任意性を持たせた時空構造を仮定した 上で、重力レンズに関する物理量を求めた。結果として、光の曲がり角、像の変形、

増光曲線、光中心、時間の遅れといった観測可能量を得た。この時空は、

Schwarzschild時空とエリスワームホールの計量の成分がそれぞれ距離の−1乗、−2

乗であることから推定し考案された。研究2の特色は、

Schwarzschild

時空やワーム ホール、またはボイド等を含んだ計量を用いて重力レンズに関する物理量を計算する ことで様々な時空の性質を包括的に扱うことができるという点である。

(3)

 研究3ではダークマターハローの質量を木星質量程度と仮定し、増光曲線を求め ることを一つの目標としている。研究3の特色は将来的にダークマターハローの重 力レンズが観測された時そこからダークマターハローの密度分布を推定することが できる点である。もともと理論とシミュレーションで得られるダークマターの密度 分布に違いがあり、この研究により観測から密度分布が決定されることが期待され る。

(4)

参照

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