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特集 「根管充填」の特集企画について

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岩医大歯誌3 1−39,1978 1

特集 「根管充填」の特集企画について

編集委員

  上野和之, 関山三郎

 岩手医科大学歯学雑誌も創刊以来3年目を迎 え,この辺で何か特別な企画でも組み入れては との話題が編集委員会の席上で出たのはもう半 年も前のことであろうか。その第一弾が今回の 特集「根管充墳」である。私たち委員は,特集 の企画を命じられるままに立案に時を費やした が,もっとも困惑したのはテーマの選択であっ た。確かに,単にテーマだけを羅列するなら ぽ,狭い歯科口腔領域の中でもその枚挙にいと まがない。しかしながら,与えられたいろいろ な制約,たとえばできるだけ多くの執筆者によ って,できるだけ多くの見地から一っのテーマ にっいて御高説を賜わり,かっ読者にも興味を もって拝読されるような日常臨床面のこととな ると,その内容は極めて制限されてくる。一国

城の主の多いこの世界では,迂かっにテーマ を決めてしまうと,1科の独演会ともなりかね ないのが現実である。

 丁度,その頃であろうか,日本歯科医学会の 関連分科会で,現在の根管治療に対する保険医 療制度の問題が答申されてきたのは、歯内療法 の中の一っである根管治療は,むし歯や歯槽膿 漏などによって障害された歯を保存するため の,もっとも基本的な治療である。それにも拘 らず,根管治療ほど現在の日本の保険医療制度 の中で冷や飯を食わされてきたのは世界でもそ の例をみない。単に,痛みがなけれぽ良いでは ないかという狭量のもとに,また,五十歩百歩 ではないかという偏見のもとに,さらには,現 在の保険制度では鯛で海老を釣るが如しという 現実のもとに,根管治療ほど軽視された治療は ないであろう。とくに,最近のように,目で見 える部分の修復治療が高度にかっ高価になれば

なるほど土台となる根管治療が重要になること はいうまでもない。この処置内容の良否は,現 在の歯科医学で避けて通ることの出来ない関所 でもある。今回の特集が脱稿する前に,根管治 療にっいて,保険医療制度の面からも,十分と はいえないが,大きな改良がなされたことは誠 に喜ばしいことと考えている。

 今回のテーマ「根管充填」は,根管治療の最終 処置ともいえる治療法である。とくに,加圧根充 が保険医療制度でも重視されるに至った現在で は,この特集のもっ意味は大きいのではないか と,企画に携わった委員も内心ほくそ笑んでい る次第である。企画後発行までの時間的な制約 や紙数の制限などもあり,御執筆を賜わった諸 先生方に多大な御無理,御迷惑をおかけしてし まったが,この責任は全て担当委員にあること を明記したい。この特集が,日常臨床に携わっ ている諸先生方の糧として,何らかのお役に立 てれば,編集委員としては無上の幸せである。

 最後に御多忙中にも拘らず快く御執筆下さっ た高宮先生,鈴木(哲)先生,八幡先生,石橋先 生,村井先生,鈴木(鍾)先生に心からの御礼を 申し上げ,特集「根管充墳」の序にかえたい。

      (53.2,15.)

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