• 検索結果がありません。

同 性 カ ッ プ ル の 法 的 保 護 に つ い て

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "同 性 カ ッ プ ル の 法 的 保 護 に つ い て"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

!31

〈論 説 〉

同 性 カ ッ プ ル の 法 的 保 護 に つ い て

一一 ドイツの 登 録 生 活 パ ー トナー シ ップ 法 を 中 心 と して 一

三 宅 利 昌

=響 ζ論 生恥 トナーシップ法

フラ ンスの齢 契約法 と ドイツ勘 比較検討 むす び に代 え て

は じめ に

(1)婚 姻 は、 法 律 上 の制 度 で あ る。 婚姻 の締 結 そ の もの は 自由で あ るが 、 い っ た ん婚 姻 をす る と 、そ の 関係 か ら生ず る効 果 は あ らか じめ定 め られ て い て、 そ の効果 を変 え る こ とはで き ない。婚 姻 を した 男 女 は夫 婦 とい う法 的 地位(身 分) を取 得 し、制 度 と しての保 障 を受 け る こと に な る。

一 方、婚 姻 しな いで 共 同 生活 を して い る カ ップ ル に は 、本 来 、制 度 上 の保 障 は何 も な い。 カ ップ ルの 関係 は 、 そ の 内容 を 当事 者 が 自由 に決 め る こと が で き るが 、 そ の関 係 か ら問題 が生 じた場 合 に は 、 当事 者 間 の約 定 か ら導 か れ 得 る保 護 を う け る ことが で き るだ け で あ る。 当事 者 が 婚 姻 に よ る効果 を欲 して い な い

に もか か わ らず 、 そ れ に よ る保 障 を与 え て保 護 す る必 要 は な い と い う こ とで あ る。

しか し、 当事 者 が 婚 姻 に よ る効 果 を欲 してい て も、 そ れ が で き ない場 合 は ど うで あ ろ うか 。婚 姻 制 度 の枠 外 の関 係 と い う理 由で 、 す べ て を当事 者 間 の 約 定 に委 ね る と い う こ とで は 、場 合 に よ っては 、 当 事 者 の保 護 に 欠 け る こ と に な ろ う。

婚 姻 をす る こ と な く共 同生 活 を営 む カ ップル は 、大 き く二 っ の形 態 に分 か れ

(2)

132

る。 一 っ は、 両 当事 者 が望 め ば婚 姻 で き るの に、 あ え て婚 姻 を選 択 しな い もの で あ る。 も う一 っ は 、 両 当事 者が 婚 姻 を望 んで い て も、 それ がで き な い もの で あ る。 前 者 は異 性 愛 の カ ップル の 問題 で あ る。 これ に対 して 、後 者 は、 同性 愛 の カ ップ ル を 中心 にお い て検 討す る必 要 が あ る問題 で あ る。 破 綻 主 義 の離 婚 法 が定 着 しっ っ あ る現 在 で は 、 いわ ゆ る重 婚 的 内縁 の保 護 の 問題 は、 こ こで の 中 心 的 な問 題 で は な い。

(2)婚 姻 関 係 を 望 ま な い カ ップ ル に っ い て 、 諸 外 国 で は 、 そ の共 同生 活 関係 に 、約 定 に基 づ くも の を除 き、 一 切 の法 的 保 護 を与 え ない とい う態 度 が と られ て きた。 最 近 の契約 同棲 の増 加 に伴 い 、 カ ップ ル間 の 子 どもにっ いて は 、親 権 ・ 相 続 そ の他 の面 で 、 婚 姻 関係 に よ る子 ど も とま った く同等 に扱 う立 法 が進 ん で い る。 しか し、 男女 の契 約 同棲 の カ ップル そ の もの にっ い て は 、婚 姻 に準 じた 保 護 を与 え る制 度 を も うけ る こ と には消 極 的 で あ る。

他 方 で 、 同性 の カ ップル にっ い て は 、 そ の実 態 が 明 らか で は なか った こと も あ り、 久 し く何 の保 護 も考 慮 され て こ なか った 。 しか し、近 年 、 同性 カ ップ ル の法 的 地 位 を確 か にす る こ とを 求 め る運 動 が次 第 に強 ま り、 こ う した動 き に後 押 しされ て 、北 欧 諸 国 を中 心 に、 同 性 の カ ップル に対 して登 録 とい う方 法 を通 じて婚 姻 類 似 の 法 的 効 果 を 認 め る立 法 が 行 わ れ た(デ ンマ ー ク が1989年 に、

1)

ノ ル ウ ェー が1993年 に 、 そ して ス ウ ェー デ ンが1994年 に そ れ ぞ れ 同 性 の カ ッ プ ル に 関 す る 立 法 を 行 っ た)。 そ の 後 、 北 欧 諸 国 の 影 響 も あ っ て 、 オ ラ ン ダ

2)3)

(1997年)、 ベル ギ ー(1998年)、 フ ラ ンス(1999年)に お い て 、 同 性 の カ ッ プル を含 め て 、婚 姻 関 係 に ない カ ップル の共 同生 活 関係 に一 定 の保 護 を与 え る 立法 が 相 次 い で行 わ れ た 。 今 回 の ドイ ツの 同性 カ ップル に関 す る立 法 も この流 れ の 中 に あ る。

(3)本 稿 で は 、 ドイ ツの 登 録 生 活 パ ー トナ ー シ ップ法 を 、婚 姻 と の 比較 に お い て概 観 し、 同性 の カ ップル に どの よ う な範 囲で 法 的 保 護 が 与 え られ るの か を 探 る ことが主 な課題 とな る。 また 、 それ に加 え て、 ドイツ以外 の 諸 国 を含 め て、

婚 姻 をす る こ とな く共 同生 活 を営 む カ ップル の法 的 保 護 のあ り方 を 、 わ が 国 の 内縁 の保 護 との比 較 にお いて 検 討 して い くこ とにす る。

(3)

同性 カ ップル の法的保 護 につ いて

X33

ドイ ツ の 登 録 生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ(eingetragene Lebenspartnerschaft)法

4)

登 録 生 活 パ ー トナ ー シ ップ 法 は 、2001年2月16日 に 公 布 さ れ 、 同 年8月1 日か ら施 行 さ れ て い る(以 下 、 パ ー トナ ー シ ップ 法 と い う)。 同 法 は 、 「パ ー ト ナ ー シ ップ の 創 設 」、 「パ ー トナ ー シ ップ の 効 果 」、 「別 居 」、 「パ ー トナ ー シ ップ の 解 消 」 に 関 す る 規 定 の 、4章 、19ヵ 条 か ら構 成 さ れ て い る(本 稿 に お い て 特 に 断 ら な い 場 合 、 条 文 は 同 法 の 条 文 を 示 す)。 ま た 、 同 法 の 成 立 に と も な い 、 BGBの 関 連 す る規 定 の 改 正 も行 わ れ た 。

1パ ー トナ ー シ ッ プ の 成 立 と そ の 要 件

(1)両 当 事 者 が 「同 じ性 別(同 性)」 で あ る こ と が 、 生 活 パ ー トナ ー ジ ップ の 創 設 の 第 一 の 要 件 で あ る(1条1項1文)。 フ ラ ン ス の 民 事 連 帯 契 約(Pacte CivildeSalidarite)お よ び ベ ル ギ ー 、 オ ラ ン ダ の 登 録 パ ー トナ ー シ ッ プ 法 は 》 当事 者 の 性 別 に 関 係 な く、 同 性 者 間 の み な らず 、 異 性 者 間 の 生 活 共 同 体 に も適 用 され るが 、 ドイ ツ のパ ー トナ ー シ ップ法 は 、 北 欧 諸 国(デ ンマ ー ク、 ノル ウ ェー 、 ス ウ ェー デ ン)の 立 法 と 同 じ く、 そ の 適 用 対 象 を 同 性 者 間 に 限 って い る 。

② 生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ は 、2人 の 者 の 間 で の み 結 ぶ こ と が で き 、2人 上 の 者 の 間 で は 結 ぶ こ と が で き な い(1条1項1文)。 婚 姻 の 場 合 の 一 夫 一 婦 の 原 則(PrinzipderEinpaarigkeit)が 、 パ ー トナ ー シ ップ に お い て も 要 件 と さ れ て い る 。

(3)生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ 締 結 の 効 果 を 生 ず る に は 、 当 事 者 が 、 管 轄 官 庁 に 同 時 に 出頭 して 、 み ず か らそ の 生 涯 の あ い だ 継 続 的 に パ ー トナ ー シ ッ プ を 結 ぶ

5)

意 思 を 有 してい る こ とを表 示 しなけれ ば な らな い(1条1項1文 お よび3文)。

また 、 意 思 表 示 は、 条 件 っ きで あ った り、期 限 っ きで あ っては な らない(1条 1項2文)。 この締 結 の 意 思表 示 に 関 す る規 定 は 、婚 姻 の場 合 の それ に ほ ぼ 一 致 してい る。

なお 、パ ー トナ ー シ ップ締 結 の意 思 に暇 疵 が あ る場 合 にっ いて は 、 法 律 は特

6)

に規 定 を 置 い てい ない。 そ こで 、 登録 パ ー トナ ー シ ップ締 結 につ い て の 意 思 表 示 に は 、BGBの 意 思 表 示 に 関 す る一 般 条 項 が 適 用 され る こ と に な る(BGB

(4)

134

116条 以 下)。 した が って 、 例 え ば 、 パ ー トナ ー の 本 質 的 な性 質 に 関 す る錯 誤 を理 由 とす る取 消(BGB119条2項)ま た は 詐 欺 を理 由 とす る取 消(BGB123 条)が 考 え られ る。

(4)さ らに、 当 事 老 が 、 自分 達 の パ ー トナ ー シ ップ の財 産 制 に 関 す る表 示 を 行 う こ とが 、 成 立 の要 件 と され る(1条1項4文)。 パ ー トナ ー シ ップを 結 ぶ 場 合 に は 、婚 姻 の場 合 と異 な り、 当事 者 は 、事 前 に 自分 達 のパ ー トナ ー シ ップ に お け る財 産 関係 にっ い て取 り決 め を した うえ で 、 それ を 表示 す る必 要 が あ る

a>

と い う こ と に な る(6条1項1文)。 こ の 場 合 、 当 事 者 は 、 調 整 共 同 制

8}

(Ausgleichsgemeinschaft)に 従 う こ と を 合 意 す る こ と に よ っ て(6条2項)、

ま た は 公 正 証 書 に よ っ て 自分 達 の 財 産 関 係 に っ い て の 契 約(「 パ ー トナ ー シ ッ プ財 産 契 約(Lebenspartnerschaftsvertrag)」)を 締 結 す る こ と に よ って(7 条1項)、 そ の 財 産 関 係 に っ い て の 表 示 を 行 う こ と に な る 。

な お 、 登 録 パ ー トナ ー シ ッ プ の 場 合 に は 、 婚 姻 の 場 合 の よ う な法 定 財 産 制 は 存 在 し な い 。 当 事 者 が 、 そ の 財 産 関 係 に っ い て 合 意 し、 ま た は 約 定 を 行 い 、 こ れ を 表 示 しな い 場 合 に は 、 パ ー トナ ー シ ップ は そ も そ も 成 立 し な い こ と に な る 。

しか し、 財 産 関 係 に 関 す る 表 示 を 行 った 場 合 で も 、 そ の 調 整 共 同 制 の 合 意 が 無 効 で あ る場 合(例 え ば 、 そ の 合 意 が 詐 欺 を 理 由 に 取 り消 さ れ た 場 合 な ど)や あ る い は 、 財 産 関 係 に っ い て の 契 約 が 無 効 で あ る 場 合 が あ り得 る。 こ う した 場 合 に は 、 当 事 者 は 、 別 産 制(Verm6genstrennung)に 服 す る こ と に な る(6

s>

条3項)。

⑤ 最 後 に 、 生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ締 結 の 障 害 事 由 に っ い て 述 べ て お く。

未 成 年 者 は 、 生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ を 結 ぶ こ と は で き な い(1条2項1号)。

既 婚 者 お よ び す で に 他 の 者 と生 活 パ ー トナ ー シ ップ を 締 結 して い る者 も重 ね て パ ー トナ ー シ ップ を 結 ぶ こ と は で き な い(1条2項1号)。 こ の 障 害 事 由 は 、 婚 姻 の 場 合 の 一 夫 一 婦 制 の 原 則 か ら き て い る 。 これ に 反 した パ ー トナ ー シ ップ の 締 結 は 無 効 で あ る(一 夫 一 婦 制 に 反 した 婚 姻 が 取 り消 し得 る も の と され て い る の と 異 な る 。BGB1306条 、1314条 参 照)。 な お 、 逆 に 、 す で に 他 の 者 と 生 活 パ ー トナ ー シ ッ プ を結 ん で い る こ と は 、 婚 姻 締 結 の 障 害 と は され て い な い が 、

 の

障害 事 由に な ると解 され て い る。

また 、 直系 血 族 相 互 間 お よ び父 母 の双 方 ま た は一 方 を 同 じくす る兄 弟姉 妹 相

(5)

同性 カ ップルの 法的保 護 にっ いて135

互 間 に お い て は 、 パ ー トナ ー シ ップ を締 結 す る こ と は で き な い(1条2項2号 お よ び3号)。

さ らに 、 当 事 者 双 方 が 、 パ ー トナ ー シ ップ 締 結 の 際 に 、 パ.̲一.トナ ー シ ップ の 本 質 的 義 務(2条 参 照 。 相 互 の 扶 養 義 務 、 共 同 の 生 活 形 成 の 義 務 な ど。 詳 し く は 後 述)を 負 わ な い こ と に っ い て 一 致 して い る 場 合 に は 、 パ ー トナ ー シ ップ の 締 結 は 無 効 で あ る(1条2項4号)。 これ は 、 他 の 目的 の た め に パ ー トナ ー シ ッ

プ が 結 ば れ る こ と を 防 止 す る こ と を 目的 とす る 。

2パ ー トナ ー シ ップ の 効 果 (1)身 分 関 係 上 の 効 果

(a)パ ー トナ ー シ ッ プ に お け る 相 互 の 権 利 義 務

パ ー トナ ー シ ップ を 締 結 した 当 事 者 は 、 夫 婦 の場 合 と 同様 に 、 相 互 に 責 務 を 負 う(2条2文 、BGB1353条2項2文)。 ま た 、 相 互 に 配 慮(Fursorge)お

よ び 援 助(Unterstutzung)の 義 務 を 負 い 、 共 同 の 生 活 形 成 に っ い て も 義 務 を 負 う(2条1文)。

扶 養 義 務

相 互 の 配 慮 お よ び 援 助 の 義 務 の 本 質 的 内容 は 、 扶 養 義 務 で あ る 。 パ ー トナ ー は た が い に扶 養 義 務 を 負 う(5条 、BGB1360条1項1文)。 扶 養 の 程 度 お よ び 方 法 に っ い て は 、 詳 細 な定 め は な く、 「相 応 な扶 養(angemesseneUnterhalt)」

と され て い る。 そ れ ぞ れ の パ ー トナ ー の 関 係 に応 じ て 、 パ ー トナ ー 達 の 世 帯 の 費 用 や 個 別 的 費 用 を 充 足 す る た め に 必 要 と さ れ るす べ て の も の が こ こ に 含 ま れ る が(BGB1360条a参 照)、 同 一 世 帯 で 生 活 す る他 方 パ ー一トナ ー の 子 の 生 活 費 は 含 まれ な い 。 他 方 パ ー トナ ー の 子 の扶 養 は 、 約 定 に基 づ か な け れ ば な ら な い こ と に な ろ う。

なお 、 婚 姻 の場 合 に は 、 夫 婦 の 一 方 は 、 家 事 を行 う こ と を 委 託 さ れ た と き は 、 通 常 は 労 働 お よ び 財 産 を も っ て 果 た さ れ る べ き 扶 養 義 務 を 、 家 事 を 行 う こ と に よ って 果 た す こ とが で き る が(BGB1360条1項2文)、 パ ー トナ ー シ ッ プ の 場 合 に は 、 こ の よ う な 定 め は な い 。

共 同 の 生 活 形 成 の 義 務

夫 婦 は 、 た が い に 、 婚 姻 上 の 共 同 生 活(ehelicheLebensgem.einschaft)を

(6)

X36

す る 義 務 を 負 う(BGB1353条1項2文 。 わ が 国 の 民 法 の 同 居 義 務 に あ た る)。

婚 姻 上 の 共 同 生 活 をす る 義 務 に は 、 家 庭 的 共 同 生 活(hauslicheGemeinschaft) を形 成 す る 義 務 と と も に 、 原 則 と して 、 性 的 共 同 体(Geschlechtsgemeinschaft)

エわ

に 関 す る 義 務(貞 操i義務)が 含 まれ る と解 さ れ て い る 。 これ に 対 して 、 パ ー ト ナ ー シ ップ の 場 合 に は 、 パ ー トナ ー は 、 た が い に 「共 同 の 生 活 形 成(gemeinsame Lebensgestaltung)」 に っ い てi義務 を 負 う も の と さ れ る(2条1文)。 この 「共

同 の 生 活 形 成 」 の 義 務 が 、 家 庭 的 共 同 生 活 を 形 成 す る 義 務 と 同 一 で あ る の か 、 す な わ ち 、 パ ー トナ ー は た が い に 共 同 生 活 を 義 務 づ け られ る の か は 明 確 で は な

12)

い 。

(b)パ ー トナ ー シ ップ に お け る 氏

パ ー トナ ー シ ッ プ の 当 事 者 は 、 共 通 の 氏 を 称 す る こ と を義 務 づ け られ な い 。 パ ー トナ ー の 一 方 の 出 生 時 の 氏(Geburtsname)を 共 通 の 氏 と す る こ と も で き る が 、 そ の 決 定 を しな け れ ば 、 各 パ ー トナ ー が そ れ ま で の 自 己 の 氏 を 引 き 続

zs)

き称 す る こ とに な る(3条1項 参 照)。 この点 は 、 同 氏 を原 則 とす る夫 婦 の 場 合 と異 な る(BGB1355条1項1文 参 照)。

共 通 の 氏 を 称す る こ とを選 択 した場 合 に は、 央 婦 の場 合 と同様 に、 自己 の 氏 を変 更す るパ ー トナ ー の一 方 は、 それ まで の 自己 の氏 を 、共 通 の 氏 の前 また は

147 後 ろ に 付 け 加 え る こ と が で き る(Begleitname.3条2項)。

な お 、 パ ー トナ ー シ ップ の 終 了 後 も 、 氏 を 変 更 した パ ー トナ ー の 一 方 は 、 そ の 氏 を 引 き続 き 称 す る こ と が で き る が 、 も と の 氏 に 復 す る こ と も で き る(3条

3項 参 照)。

(c)パ ー トナ ー シ ップ に お け るパ ー トナ ー の 法 律 上 の 地 位

パ ー トナ,.̲..シッ プ の 締 結 に よ り 、 パ ー トナ ー の 一 方 は 、 他 方 の 家 族 の 一 員 (Familienangeh61iger)と み な さ れ る(11条1項 。 な お 、 これ と 異 な る 決 定 を した 場 合 は こ の 限 りで は な い)。

ま た 、 パ ー トナ ー シ ッ プ の 締 結 に よ り、 各 パ ー トナ ー と他 方 の 血 族 と の あ い だ に 姻 族 関 係(Schwagerschaft)を 生 ず る(11条2項1文)。 こ の 姻 族 関 係 は 、 そ の 基 に な る パ ー トナ ー シ ップ が 解 消 され て も存 続 す る(11条2項3文)。

(2)財 産 関 係 上 の 効 果

(a)日 常 家 事 処 理 権(Sch1鵬selgewalt)

(7)

同性 カ ップル の法 的保護 にっ い て137

パ ー トナ ー シ ッ プ に お い て も 、 婚 姻 の 場 合 と 同 様 に 、 各 パ ー トナ ー は 日常 家 事 処 理 権 を も っ 。 各 パ ー トナ ー は 、 パ ー トナ ー シ ップ 上 の 生 活 の 需 要 を 相 応 に 充 足 す る行 為 を 、 他 方 パ ー トナ ー に 対 して も ま た 効 力 を も っ も の と して 処 理 す る権 利 が あ る。 この よ う な行 為 に っ い て は 、 原 則 と して 、 パ ー トナ ー 双 方 が と も に権 利 を 取 得 し、 義 務 を 負 う こ と に な る(8条2項 、BGB1357条)。 な お 、 この 規 定 の 目的 は 、 債 権 者 を 保 護 す る こ と に あ る の で 、 同 じ世 帯 で 生 活 す る 子

15)

の 需 要 を 充 足 す る た め の 法 律 行 為 も こ こ に 含 ま れ る と 解 さ れ る 。 (b)財 産 処 分 の 制 限

パ ー トナ ー の 一 方 は 、 他 方 の 同 意 を 得 な け れ ば 、 自己 の 全 財 産 を 処 分 す る こ と は で き な い(8条2項 。BGB1365条1項1文)。 そ の 世 帯 に 属 す る 物

(Haushaltsgegenstande)に っ い て も 、 そ の 処 分 に つ い て は 同 様 の 制 限 を 受 け る(8条2項 、BGB1369条)。 こ の 処 分 の 制 限 は 、 パ ー トナ ー シ ップ の 経 済 的 基 盤 を 保 っ た め と され る。 婚 姻 の 場 合 に は 、 夫 婦 財 産 制 と して 、 剰 余 共 同 制 が と られ て い る 場 合 の み 、 処 分 の 制 限 を 受 け る が 、 パ ー トナ ー シ ッ プ の 場 合 に

is)

は 、 そ の財 産 制 に か かわ らず 財 産 の処 分 を制 限 され る。

(c)相 続 権

生 存 パ ー トナー は 、原 則 と して、 配偶 者 と同 じ相 続 権 お よ び遺 留分 権 利 が あ る。

被 相 続 人 の生存 パ ー トナー は、 法 定相 続 人 と して 、第 一 順 位 群 の血 族 と と も に相 続 す る と きは 、相 続 財 産 の4分 の1を 相 続 し、 ま た 、第 二 順 位 群 の血 族 ま た は祖 父 母 と と も に相 続 す る と き は 、相 続 財 産 の2分 の1を 相 続 す る(10条

ユつ

1項1文[BGB1933条1項1文])。 第 一 順 位 群 の 血 族 、 第 二 順 位 群 の 血 族 、 な らび に 祖 父 母 が 存 在 しな い 場 合 に は 、 生 存 パ ー トナ ー が 全 財 産 を 相 続 す る (10条2項[BGB1931条2項])。 ま た 、 生 存 パ ー トナ ー に は 、 生 存 配 偶 者 の 場 合 と 同 様 に 、 先 取 分(Voraus)が 認 め られ る 。 第 二 順 位 群 の 血 族 ま た は 祖 父 母 と と も に 相 続 す る と き は 、 相 続 分 の ほ か に 、 土 地 の 従 物 以 外 の 、 パ ー トナ ー シ ップ 上 の 世 帯 に 属 す る 物 お よ び パ ー トナ ー シ ップ の 締 結 の た め の 贈 物 を 取 得 す る こ と が で き る(10条1項2文 乃 至4文[BGB1932条])。

相 続 開 始 の 時 点 に お い て 、 パ ー トナ ー シ ップ の 解 消 の 手 続 が 進 行 して い る 場 合 に は 、 法 定 相 続 権 は 認 め られ な い(10条3項)。 ま た 、 被 相 続 人 が 、 遺 言 に

(8)

r38

よ って 、生 存 パ ー トナ ー を相 続 か ら廃 除 した 場 合 に は 、生 存 パ ー トナ ー は 、遺 留 分 と して相 続 財 産 か ら法 定 相 続 分 の半 分 を請 求 す る こ とが で き る(10条6 項)。

なお 、 パ ー トナ ーは 、 夫 婦 の場 合 と同様 に 、共 同 で遺 言書 を作 成 す る こ と も で き る(10条4項)。

(d)借 家 権 の承 継

死 亡 した パ ー トナ ーが 家 屋 の 賃借 人 で あ った 場 合 に、 生存 パ ー トナ ー は、 そ の者 と共 同 の世 帯 で あ った 場 合 には 、 そ の賃 貸 借 関係 を承継 す る(BGB569条

1項2文)。 た だ し、 生存 配 偶 者 の場 合 とは違 い 、 生存 パ ー トナ ー は 、死 亡 し たパ ー トナ ー の 子 が 望 む とき に は(同 一 の 世 帯 で 生 活 して い る こ とが 必 要)、

そ の者 と共 同 して賃 貸 借 関 係 を承 継 す る こ とに な る。

これ に対 して 、生 存 配 偶 者 は、 同一 の世 帯 で生 活 して い る賃借 人 の子 に優 先 し、単 独 で 当該 婚 姻 住 居 の賃 貸 借 関 係 を承 継 す る。 生 存 配偶 者 が賃 貸 借 関 係 の 承継 を拒 絶 した場 合 に は 、子 が これ を承 継 す る こ とに な る(BGB569条2項1

  ラ

文)。

(3)親 子 関 係

(a)生 活 パ ー トナ ー シ ップ に お け る 養 子 縁 組

ドイ ツ の養 子 法 で は 、 養 親 と な る者 が 婚 姻 して い る場 合 、 夫 婦 は 共 同 して 養 子 縁 組 を 行 わ な け れ ば な らな い と され て い る(BGB1741条2項2文)。 しか し、

こ の 規 定 は 、 パ ー トナ ー シ ップ に は 適 用 さ れ ず 、 ま た 、 パ ー トナ ー シ ッ プ法 に お い て も 、 パ ー トナ ー 双 方 が 共 同 して 養 子 縁 組 を 行 う こ と は 認 め られ て い な い 。

した が っ て 、 パ ー トナ ー シ ッ プ を 結 ん で い る 者 は 、 未 婚 者 の 場 合 と 同様 に 、 単 独 で 養 子 縁 組 を 行 う こ と だ け が 認 め られ る こ と に な る(BGB1742条1項1文)。

ま た 、 パ ー トナ ー の 一 方 が 他 方 パ ー トナ ー と と も に親 と な る こ と を 目的 と し て 、 他 方 の 実 子 を養 子 と す る こ と(い わ ゆ る連 れ 子 養 子)も 認 め られ て い な い 。 パ ー トナ ー の0方 は 、 他 方 の 連 れ 子 で あ っ て も 、 そ の 実 父 母 の 承 諾 を 得 れ ば 、 養 子 縁 組 を す る こ と は で き る 。 しか し、 配 偶 者 の 一 方 が 相 手 の 連 れ 子 を 養 子 と す る 場 合 と は 異 な り、 他 方 と と も に親 と な る こ と は で き な い(BGB1754条1

項 参 照)。 こ の 場 合 、 養 子 縁 組 を す れ ば 、 子 と 実 親 で あ る 他 方 パ ー トナ,̲̲一.と 親 子 関 係 は 終 了 し 、 養 子 縁 組 を した パ ー トナ ー だ け が 子 の 親 と な る(BGB

(9)

同性 カ ップル の法 的保護 にっ いて139

1754条2項 、1755条1項1文)。 っ ま り、 パ ー トナ ー 間 に お い て 、 法 律 上 の 親 の 地 位 の 交 替 が 起 こ る こ と に な る わ け で あ る。

(b)監 護 権 の 一 部(kleinesSorgerecht)の 付 与

パ ー トナ ー シ ップ に お け る 共 同 養 子 縁 組 は 認 め られ な い が 、 パ ー トナ ー の 一 方 の 未 成 年 の 子 が 、 同 じ家 庭 内 で と も に生 活 を す る こ と も あ り う る 。 そ こで 、 パ ー トナ ー シ ップ法 は 、 こ の よ う な場 合 に 備 え て 、 子 ども の 親 で は な い 他 方 パ ー

トナ ー に 、 一 定 の 条 件 の も と 、 親 と して の 配 慮 権(elterlichesSorgerecht)の 一 部 を 付 与 す る こ と を 認 め た

実 親 で あ る パ ー トナ ー の 一 方 が 、 単 独 で 親 と して の配 慮 権 を も っ 場 合 に 、 パ ー トナ ー 双 方 が 合 意 した と き は 、 他 方 パ ー トナ ー は 子 の 日常 生 活 上 の 事 務 に っ い

19?

て共 同 決 定 権 を もっ(9条1項1文)。 この場 合 、 家 庭 裁 判 所 は 、 子 の 福 祉 の た め に 必要 で あ る と きは 、 この共 同決 定 権 を制 限 また は剥 奪 す る こ とが で き る (9条3項)。 パ ー トナ ーが 一 時 的 で は な く別 居 して い る場 合 に は 、 この権 利 は存 在 しな い(9条4項)。 なお 、 急 迫 の必 要 が あ る と きは 、 監 護 権 の 一 部 を もっ パ ー トナ ー は、 子 の 福 祉 のた め に必 要 なす べ て の法 律 上 の行 為 を行 う権 限 を もっ(9条2項)。 この場 合 、他 方 に 対 して直 ち に報告 を行 う必要 が あ る。

(c)面 接 交 渉

パ ー トナ ー シ ップが 解 消 され た場 合 、他 方 パ ー トナ ー の子 と家 庭 的 共 同 体 に お い て比 較 的 長 期 間 にわ た って共 同生 活 を して いた パ ー トナ ー は 、子 の福 祉 に 反 しな い 限 りで 、 子 と の面 接 交 渉 権(Umgangsrecht)を もっ(BGB1685条

2項)。 パ ー トナ ー の 面 接 交 渉 権 は 、 他 方 パ ー トナ ー が そ の 子 に対 す る単 独 の 配 慮権 を もっ の か 、 また は共 同の 配慮 権 が存 在 す るか にか か わ らず 認 め られ る。

3別 居 お よび パ ー トナ ー シ ップ の解 消 (D別

パ ー トナー シ ップの 関係 が破 綻 した とき に は、 そ の解 消 の 前 に、 当事 者 が別 居 す る場 合 が あ る。別 居 の場 合 に は 、婚 姻 の場 合 と 同様 に、 パ ー トナ ー の 一方 は、 他 方 に対 して 、扶 養 を 請 求 す る ことが で き る(12条)。 た だ し、別 居 後 の 扶 養 請 求 にお い ては 、夫 婦 の場 合 に比 べ て 、各hの パ ー トナ ー の経 済 上 の 自立 が よ り強 く前 面 に 出て くる。 夫 婦 の別 居 の場 合 に は、 外 で 取 得活 動 を行 わ ず 、

(10)

140

も っぱ ら家 事 労 働 に従 事 して き た配 偶 者 は、 例 外 的 に のみ 、別 居 後 の 生 計 の 資 をみ ずか らの取 得活 動 に よ って得 る ことを要 求 され る(BGB1361条2項 参 照)。

これ に対 して、 パ ー トナ ー シ ップの場 合 に は、 取 得 活動 をせ ず 、家 計 を預 か っ て きた パ ー トナ ー の一 方 は 、別 居 後 は 、原 則 と して 、 そ の生 計 の資 をみ ず か ら 得 る こ と を要 求 され る(12条1項2文 参 照)。

なお 、 別 居 した パ ー トナ ー は 、扶 養 請 求 の ほか 、 家具 の 分配 お よ び共 同の住 居 の一 部 の単 独 使用 の 指定 な どを請 求 す る こ とが で き る(13条 、14条)。

20)

(2)角 皐ラ肖(Aufhebung)

パ ー トナ ー シ ップ は 、 婚 姻 の 解 消 の 場 合 と 同 様 に 、 パ ー トナ ー の 一 方 の 死 亡 に よ って 当 然 に 解 消 され る ほ か 、 所 定 の解 消 原 因 に基 づ い て裁 判 所 の判 決 に よ っ て 解 消 さ れ る(15条1項)。 判 決 に よ るパ ー トナ ー シ ッ プ の 解 消 に お い て は 、 離 婚 の 場 合 と は 異 な り 、 パ ー トナ ー シ ッ プ の 失 敗(Scheitern)ま た は 破 綻

21)

(Zerruttung)は 、 直 接 的 に は 解 消 原 因 と さ れ て い な い 。 パ ー トナ ー シ ップ 法 は 、 解 消 原 因 と して 次 の3っ の 場 合 を 定 め て い る 。

パ ー トナ ー 双 方 が 、 パ ー トナ ー シ ッ プ を 継 続 す る 意 思 が な い こ と を 表 示 し、

そ の 表 示 か ら1年 が 経 過 した 場 合 に は 、 裁 判 所 は パ ー トナ ー シ ップ を 解 消 す る 判 決 を 行 う(15条2項1号)。 パ ー トナ ー の 一 方 が 、 パ ー トナ ー シ ッ プ を継 続 す る意 思 が な い こ と を 表 示 し、 そ の 表 示 が 相 手 方 に 送 達 され て か ら3年 が 経 過 した 場 合 も 同 様 で あ る(同2号)。 さ ら に 、 他 方 パ ー トナ ー の 一 身 に 関 す る 理 由 か ら、 申立 人 に パ ー トナ ー シ ッ プ の 継 続 を 求 め る こ と が 期 待 さ れ う る も の で は な い 場 合 に は 、 表 示 か ら の待 機 期 間 と は 関 係 な く、 パ ー トナ ー シ ップ は 解 消 さ れ う る(同3号 。BGB1565条2項 参 照)。 解 消 の 意 思 表 示 は 、 本 人 に よ って 行 わ れ な け れ ば な らず 、 表 示 の 日時 を 確 定 す る た め 、 公 的 な証 書(6ffentliche Beurkundung)を 必 要 とす る(同 条4項 。 表 示 に は 条 件 ま た は 期 限 を っ け る

22)

こと はで き ない)。

なお 、 相 手 の一 身 に関 す る理 由 に よ る解 消 の場 合 を除 き、解 消 の判 決 まで の 間 は 、解 消 の意 思 を表 示 した パ ー トナ ー は 、 それ を撤 回す る こ とがで き る(15 条3項1文)。 双 方 の合 意 に基 づ く解 消 の意 思表 示 を一 方 が撤 回 した と きは 、 パ ー トナ ー の一 方 の意 思 に基 づ く解 消 の場 合 と同様 に処 理 され る。 す なわ ち、

裁判 所 は 、合意 に基 づ く解消 の意思表 示 の時 か ら3年 が 経過 した とき には、パ ー

(11)

同性 カ ップルの法 的保 護 にっ い て ヱ41 トナ ー シ ッ プ を 解 消 す る(同2文)。 撤 回 の 意 思 表 示 に つ い て も 、 公 的 な証 書 が 必 要 で あ る(同 条4項)。

(3)解 消 の 効 果 (a)財 産 関 係

パ ー トナ ー シ ップ解 消 に よ って 、 そ の 生 活 関 係 に お い て 築 か れ た 財 産 は 、 当

23)

事 者 が 選 択 した 財 産 制 に 従 って 清 算 され る。 パ ー トナ ー シ ップ の 場 合 に は 、 婚 姻 の場 合 とは異 な り、恩給 や 定 期 金保 険 の保 険金 な どの 分与(Versorgungsausgleich)

は 行 わ れ な い(BGB1587条 、1587条a参 照)。

(b)解 消 後 の 扶 養

パ ー トナ ー シ ップ の解 消 後 は 、 パ ー トナ ー 各 自が 自 己 の 責 任 に お い て 生 活 を 維 持 し な け れ ば な ら な い 。 しか し、 解 消 後 に 、 パ ー トナ ー の 一 方 が 自分 で 生 計 の 資 を得 る こ とが で き な い と き は 、 特 に 、 年 齢 、 疾 病 そ の 他 の 障 害 に よ っ て 、 そ の 者 に 取 得 活 動 を期 待 し得 な い 間 お よ び そ の 限 度 に お い て 、 他 方 に 対 して 扶 養 を請 求 す る こ と が で き る(16条1項)。 なお 、 離 婚 配 偶 者 も 同 様 に 扶 養 請 求 権 を も っ が 、BGBは 、 扶 養 を 請 求 し得 る 要 件 を 、 パ ー トナ ー シ ッ プ 法 に 比 べ

24)

て 、 よ り詳 細 に列 挙 して い る。

扶 養 の程 度 は、 パ ー トナ ー シ ップにお け る生活 関 係 に従 って決 定 され るが 、 扶 養 請 求 者 の相 応 な生 活 に必 要 な範 囲 に限 られ る。 生 活 に必 要 な範 囲 には 健 康 保 険 の 費用 な ど も含 まれ る(16条2項2文 。BGB1578条1項1文 、 同2文 段 、 同2項 参 照)。 なお 、 扶 養 権 利 者 で あ る前 パ ー トナ ー が 、 婚 姻 し、 ま た は 新 た にパ ー トナ ー シ ップを締 結 した と き に は、 そ の 扶養 請 求 権 は消 滅 す る(16 条2項1文)。

扶 養 を必要 とす る者 が 複 数 あ る場 合 の扶 養 の順 位 につ い て は、 前 パ ー トナー は、 配 偶 者 の場 合 に比 べ て 、後 順位 に置 か れ る。 パ ー トナ ー シ ップ法 は 、 パ ー トナ ー シ ップ解 消後 の扶 養 の順 位 にっ い て は 、解 消 され たパ ー トナ ー シ ップ の 関係 よ りも、他 方パ ー トナー の 親 子 関係 を優 先 し、 また 、離 婚 の場 合 を含 め た 婚 姻 関係 を優 先 して い る。 前 パ ー トナ ー は 、扶 養 を必 要 とす る と き は 、相 手 の 新 た なパ ー トナ ー シ ップ のパ ー トナ ー に先 だ って扶 養 を受 け る こ とが で き る (16条3項 前 段 。 配 偶 者 の 場 合 と 同 様 で あ る。BGB1582条1項1文 参 照)。

また 、前 パ ー トナ ー は、相 手(扶 養 義 務 者)の 子 を 除 くそ の他 の血 族 に先 だ っ

(12)

X42

て 扶養 を受 け る こ とが で き るが 、 そ の他 のす べ て の扶 養 権 利 者 に対 して は後 順 位 に お かれ る(同 後 段)。 す なわ ち、 配 偶 者 の場 合 と は異 な り、前 パ ー トナ ー は、 扶 養 義 務 者 の未 成 年 の 子 は も と よ り、成 年 に達 した 子 よ りも後 順位 に置 か れ 、 さ らに、 扶 養義 務 者 の現 在 の 配偶 者 お よび前 の配 偶 者 よ りも後 順位 に置 か れ ると い う こと に な る。

(c)住 居 お よ び家 具 に関 す る家庭 裁 判所 の 決 定

パ ー トナ ー シ ップの解 消 の際 には 、 パ ー トナー双 方 の 問で 、 どち らが 共 同 の 住 居 に 引 き続 き居 住 す る のか 、 また は、 どち らに家 具が 帰 属 す るのか につ いて 協 議 が行 わ れ る。 協 議 が 調 わ な い と き は、 申立 に基 づ い て 、家 庭 裁 判 所 が 、 公 平 な裁 量 に基 づ い て 、個 々の場 合 の一 切 の事 情 を考慮 して 、住 居 お よ び家 具 に 関す る権 利 関 係 を定 め る こ と に な る(17条1文 お よ び2文)。 この 決 定 は 、 権 利 を形 成 す る効 果(rechtsgestaltendeWirkung)を もっ(同 条3文)。

共 同の 住居 に関す る決定

共 同 の住 居 が パ ー トナ ー双 方 に よ って賃 借 され て い る場 合 には 、裁 判 所 は、

賃 貸 借 関係 の変 更 に よ って 、パ ー トナ ー の一一方 が 単 独 で 賃貸 借 契約 を継 続 す る ことを決 定 す る ことが で き る(18条1項1号)。 また 、共 同の住 居 がパ ー トナー の一方 によ って賃 借 され て い る場 合 に は、そ の パー トナー に代 わ って、他 方パ ー

トナー が 当該 住 居 の賃 貸 人 と な る こ とを決 定 す る こ とが で き る(同2号)。

なお 、共 同 の住 居 が パ ー トナ ー の 一方 の所 有 また は共 有 に属 す る場 合 に、 そ の住 居 に居 住 で き な くな る こ とが他 方パ ー トナ ー に と って不 当 に苛酷 で あ る と き は、 裁 判 所 は、 他 方 パ ー トナ ー の た め に 、 当該 住 居 にっ い て の賃借 関係 を創 設す る こ とが で きる(同 条2項)。

家 具 に関 す る決 定

パ ー トナ ー シ ップ の継 続 中 、共 同 に属 して い た 家 具 にっ い て は 、 「婚 姻 住 居 お よび 家 具 の 扱 い に 関す る法 令 」 の8条 乃 至10条 に よ り、 そ の 帰 属 が 定 め ら れ る。裁 判所 は 、場 合 に よ って は、 一 方 の単 独所 有 に属 す る物 で あ って も、他 方パ ー トナ ー に与 え る こ とが で き る(19条 参 照)。

4小

こ こで 、 生活 パ ー トナ ー シ ップ に認 め られ る効果 を、婚 姻 の効 果 との比 較 に

(13)

同性 カップルの法的保護について143 お い て整 理 して お くこ とにす る。

(1)カ ップル の 共 同生 活 に結 び っ け られ る効 果 に 関 して は 、 パ ー トナ ー シ ッ プは 、婚 姻 に類似 した扱 い を受 け る。 た とえ ば 、 パ ー トナ ー相 互 間 の扶 養 義 務 や 日常 家 事 に関す る債 務 の連 帯 責 任 にっ いて は 、婚 姻 の配 偶 者 の場 合 と同 等 に 扱 わ れ る。 また 、パ ー トナ ー シ ップ の継続 中 に お け る当事 者 の財 産 上 の 関係 に っ いて は 、パ ー トナー シ ップ上 の財 産制 や 各 パ ー トナ ー の財 産処 分 の制 限 な ど、

多少 の違 いは あ るが 、婚 姻 の場 合 と ほぼ 同等 の扱 い を受 け る。 しか し、 同居 義 務 ・貞 操 義 務 な ど、婚 姻 にお け る共 同生活 上 の 本質 的 義 務 にっ いて は 、 パ ー ト ナ ー シ ップの 場合 に は 、 明確 に規 定 され て い ない。 この ほか 、 相続 権 、 共 同 の 氏 、姻 族 関 係 の 発生 な ど、登 録 に よ って創 設 され る身 分 関 係 に よ る効果 に関 し て は 、婚 姻 の 配偶 者 の場 合 と 同等 に扱 われ て い る。

② 次 に、離 婚 後 の扶 養 とパ ー トナ ー シ ップ解 消 後 の扶 養 が重 な る場 合 な ど、

婚 姻 関 係 上 の 効果 とパ ー トナ ー シ ップ上 の効 果 とが 衝 突 す る と こ ろで は 、婚 姻 の優 越 性 が 認 め られ て い る。 要 扶 養 者 が複 数 あ る と き は、 婚 姻 の 当 事者(他 パ ー トナ ーの 前配 偶 者 お よび現 在 の配偶 者)が 、前 パ ー トナ ー に先 だ って扶 養 を受 け る こ とが で き る。 こ こに は 、「婚 姻 お よび 家 族 は 、 国家 秩 序 の特 別 の保 護 を受 け る」 とす る基 本法(6条1項)に 対 す る配 慮 が うか が え る。

(3)最 後 に、 養 子 縁 組 に っ い て は 、 パ ー トナ ー シ ップは 婚 姻 と全 く異 な る 扱 い を受 け る。 パ ー トナ ー シ ップ の 当事 者 に は 、共 同養 子 縁 組 は認 め られ て お ら ず 、 この点 で 、婚 姻 と は 区別 され る。

全 体 と して み る と、パ ー トナー シ ップは 、婚 姻 の場 合 の よ う に、家 族 を形 成 す る も の と まで は 言 え ない が、 当事 者 間 の 関係 は家 族 関係 の一つ と して位 置 づ け る ことは で き よ う。

フラ ンスの連 帯民 事契約 法 と ドイ ッ法 の 比較 検討

25)

1フ ラ ンスの 連 帯 民 事 契 約(PACS)法 の 概 要 (1)連 帯 民事 契 約 の 締 結

連 帯 に基 づ く民事 契 約(以 下 、PACSと 略 す)は 、 異 性 また は 同性 の カ ップ ル が 自分 達 の共 同生 活 を規 律 す るた め に結 ぶ 契 約 で あ る(仏 民515‑1条)。

(14)

144

PACSを 結 ぶ 当事 者 は 、成 年 に達 して い る こ とが 必 要 で あ る。 また 、 直系 血 族 相 互 間お よび 三 親 等 まで の傍 系 血 族 間 にお い ては 、PACSを 結 ぶ ことは で き な い。 さ らに、 カ ップ ルの0方 が 、婚 姻 関係 に あ る場 合 や 、既 に他 の 者 とPACS を結 ん で い る場 合 にお い て も 同様 で あ る。 これ に反 す る場 合 は 、PACSを 締 結 す る こ と はで きず 、無 効 と なる(仏 民515‑2条)。 なお 、後 見 を受 け て い る成 年 者 も 同様iであ る(仏 民506‑1条)。

PACSの 締 結 にあ た って は 、 当事 者 は 、共 同 の住 居 を定 め 、 そ の住 所 を管 轄 す る小 審 裁 判 所 書 記 課 に、 当事 者 間 の約 定 の 書面 を提 出 し、 共 同 で届 出 を行 う

(仏 民515‑3条)。

(2)契 約 締 結 の 効 果

PACSを 締結 した 当事 者 は 、 相 互 に物 質 的 な援 助 を しなけれ ば な らな い。 援 助 の 内容 は契 約 で定 め られ る。 また 、 パ ー トナ ー の一 方 が 日常 生活 上 の 必要 に よ り第 三 者 と契 約 を した とき は、 それ に よ って生 じた債 務 にっ い て、パ ー トナ ー 双 方 が 連 帯 して責 任 を負 う こと に な る。共 同 の住 居 に関 す る債 務 につ い て も同 様 で あ る(仏 民515‑4条)。

PACSに お け る財 産 関係 は 、 当事 者 間 の約定 に よ って定 め られ る。 パ ー トナ ー一 は 、約 定 の 中 で 、PACSの 締 結 後 に有 償 で 取 得 した 家具 を不 分割 制 とす るか否 か を指 定 す る。指 定 が ない とき は、 そ の持 分 は2分 の1と 推 定 され る。 有償 で 取 得 した そ の他 の 財 産 に っ い て も、 取 得 また は 出 資 の際 にそ の持分 につ いて定 め なか った 場 合 に は 、各 パ ー トナ ー の 持 分 は2分 の1と み な され る(仏 民515

‑5条)

当事 者 は、 夫 婦 の場 合 とは異 な り、 同居 義 務 や 貞操 義 務 を負 わ な い。 また 、 共 同 で の 養 子 縁 組 は認 め られ な い。 なお 、 税 制 上 、PACSの 当 事 者 には 、 契 約 の継 続 期 間 に よ り、 一 定 の優 遇 措 置 が認 め られ て い る。

(3)契 約 の 終 了

PACSの 終 了 に は 、 一 方 の 死 亡 に よ る 終 了 の 他 に 、次 の場 合 が あ る(仏 515‑'丁 条)

パ ー トナー 双 方 の合 意 に よ る終 了

合 意 に よ る契 約 の終 了 の場合 に は 、パ ー トナ ー の どち らか 一方 の住 所 地 を管 轄 す る小 審 裁 判 所 書 記 課 に、 書面 で共 同 の届 出 をす る。

(15)

同性 カ ップルの法的保護にっいて145

パ ー トナ ー の一 方 の意 思 に よ る終 了

一 方 の 意 思 に よ って契 約 を終 了 させ る場 合 に は、 他 方 にそ の 旨 を書面 を も っ て通 知 し、 同一 の書 面 を 、契 約 締 結 の届 出を した 小 審 裁 判 所 書 記 課 に提 出 しな けれ ば な らない。

婚姻 に よ る終 了

パ ー トナ ー の 一方 は婚 姻 をす る こ と に よ って 、PACSを 終 了 させ る こ とが で き る。 この場 合 、他 方 に そ の 旨を書 面 を も って通 知 し、 同一 の 書 面 お よ び婚 姻 の記 載 の あ る出 生証 明書 の写 しを契 約 締 結 の 届 出 を した 小 審 裁 判 所 に提 出 しな けれ ば な らない 。

(4)契 約終 了 の効 果

PACSが 解 消 され る場 合 に は 、パ ー トナ ー間 に お け る財 産 の 分割 は 、 約 定 ま た は合 意 に基 づ い て行 わ れ るほか 、 相続 財 産 の 分 割 方 法 等 に関 す る規 定(仏 832条)に 従 って 行 わ れ る(仏 民515‑一一6条)。 なお 、PACSか らは 相 続 権 は生

じな い。

2パ ー トナ ー シ ップ法 とPACS法 の 相 違 点

パ ー トナ ー シ ップ 法 とPACS法 は 、 そ の成 立 ま た は締 結 上 の 障 害 事 由 や 財 産 上 の効 果(日 常 家 事債 務 の連 帯責 任 な ど)に っ い て は類 似 す る点 もみ られ る。

しか し、 そ もそ も前 者 は 、婚 姻 と 同 じく、 制 度 のマ つ で あ り、 後 者 は 当事 者 間 の契 約 につ いて 規律 す るも の で あ る ことか ら、 多 くの 点 で 異 な る。 こ こで は 、 主 な相 違 点 を挙 げ て お くこ とにす る。

PACS法 は 、 カ ップ ル の共 同生 活 上 の 相 互 の援 助 義 務 自体 や 、有 償 で 取 得 し た 財 産 の帰属 な どの財 産 上 の 関係 にっ い て規 定 を置 くが 、 そ の具 体 的 内 容 は、

当事 者 間 の 約 定 に よ って規 律 す る こと を求 め て い る。 っ ま り、財 産 関係 の 契 約 的 処 理 を 目指 した立 法 で あ る点 に そ の特 徴 が あ る。 そ の反 面 、 カ ップル 間 の 共 同生活 上 のそ の他 の効 果(同 居 義 務 ・貞操 義務 な ど)に っ い て は定 め てお らず 、 ま た、 契 約 の解 消 も相 手 方 お よ び小 審裁 判所 へ の 書面 に よ る通 知 で 足 りる な ど 簡 単 で あ り、 さ らに契 約 解 消 後 の扶 養 な ども考 慮 され て い ない。 一 方 、 パ ー ト ナ ー シ ップ法 は 、パ ー トナ ー間 の財 産 関係 を契 約 で 定 め る こと も可能 で あ るが 、 パ ー トナ ー シ ップ上 の財 産 制 の選 択 を含 め て 、共 同生 活 上 の効 果 は法 定 され て

(16)

146

お り、 そ の成 立 、 効果 お よび解 消 に関 す る規 定 の 内 容 は 、PACS法 と比較 す る と、 は るか に婚 姻 に近 い もの とい う こ とが で き る。

この よう な相 違 が生 じた理 由 の一 つは 、そ の適用 対 象 にあ る。 パー トナー シ ッ プ法 は 、 同性 の カ ップル のみ に適 用 され る もので あ るの に対 して 、PACS法 は 、 同性 の カ ップ ル のみ な らず 、 異性 間 カ ップル に も適 用 され る。

この 点 、PACS法 は 、 そ もそ もは 同性 愛 者 の要 請 に答 え る もので あ るが 、 同 性 愛 の カ ップル に法 的 保 護 を与 え る こ とに対 す る保 守 派 の 反 対 に配 慮 して 、異

26}

性 間 カ ップ ル に も適 用 され る も の と して立 法 が行 わ れ た。 同性愛 者 に対 して法 的 保 護 を与 え る こ とへ の抵 抗 に加 え て 、 異性 間 カ ップ ル に も適用 され る もの と

した こ とで 、 そ の立 法 の 内容 に は限界 が あ った と 言 え よ う。

これ に対 して 、パ ー トナ ー シ ップ法 は、 同性 の カ ップ ル に適用 を限定 した こ とに よ って 、 そ の評 価 は と もか く、 婚 姻 に類 似 した制 度 化 が 実 現 した とい う こ とが で き る(異 性 間 カ ップ ル に と って は、婚 姻 に類 似 した 制 度 を も う一っ 設 け て もあ ま り意 味 の あ る ことで は な い)。 ドイ ツで は、 基 本 法(6条)に よ って 、 婚 姻 お よび 家 族 は 、 国家 秩 序 の特 別 の保 護 を 受 け る こ とが保 証 され てい る。 そ の基 礎 に は、一 夫 一 婦 の婚 姻 は 、子 どもを生 み 育 て るた め の最 善 の場 で あ って 、

これ を保 護 す る こ とは公 的 な利 益(δffentlicheInteresse)に 寄 与す る こ とで あ る と い う考 え 方 が あ る。 しか し、 この ことは 、 同性 の カ ップ ル を含 め て、婚 姻関 係 に な い カ ップル に対 す る法 的保 護 を考 慮 す る こと を妨 げ る もので は ない。

今 回 の ドイ ツ の立 法 は、最 近 の ヨー ロ ッパ の 諸 国 にお け る同性 の カ ップル に対 す る差 別 の廃 止 と い う動 きに 沿 って 、 そ の法 的保 護 を優 先 して行 った ものだ と み る こ とが で き る。

3親 子 関 係 と同 性 カ ップ ル

最 後 に 、共 通 す る点 と して、 同性 カ ップル と子 ども と の関係 にっ い て触 れ て お く。 ドイ ツ にお い て も、 フ ラ ンス にお い て も、 同性 の カ ップル が 共 同 で養 子

27J

縁 組 をす る ことは認 め られ て い な い。 そ の理 由 は、 子 どもは、 い うまで もな く、

男 女 の結 び っ きか ら生 まれ る もの で 、 同性 の カ ップルか らは生 まれ る もので は ない こ と、 また、 同性 の カ ップル の も とで養 育 され る こと は、 子 どもの精 神 的 な発 達 に マ イ ナ ス の影 響 を及 ぼ す とい う こ とに あ る。

(17)

同性 カ ップルの法的保護 にっ いて147

しか し、共 同養 子 縁組 を認 め ない と して も、 同性 の カ ップル の家 庭 にお い て、

子 どもが 一 緒 に生 活す る こ とは あ りう る。 パ ー トナ ー の一 方 に子 どもが あ る場 合 だ けで な く、パ ー トナ ー の 一方 が単 独 で養 子 縁 組 を し、 他 方 と と も に そ の子 を養 育 す る場 合 が あ る。 ま た 、現 段 階 で は、 ドイ ツ にお いて も、 フ ラ ンス にお い て も、法 律 上 認 め られ て い ないが 、二 人 の女 性 が 、 パ ー トナー シ ップ を結 ん だ後 に 、人 工 授 精 で 子 どもを っ くる こ とも起 こ り得 る。 こ う した 場 合 、 パ ー ト ナ ー の一 方 と子 との 間 には法 律 上 の親 子 関 係 が あ るが 、 他 方 とそ の 子 ども と の 間 で は、 事 実 上 の 親 子 関係 を生 じるにす ぎ ない こ と に な る。

ドイ ツのパ ー トナ ー シ ップ法 は、 この よ うな場 合 にっ いて 、他 方 パ ー トナ ー に も、部 分 的 に監 護 権 を与 え る こと に して い る が(9条 参 照)、 子 ども の 立 場 か らみ ると不 十 分 な点 もあ る。 事 実 上 の親 子 関 係 で は 、 子 は扶 養 請 求権 や 相 続 権 を持 た な い。 した が って 、親 で あ るパ ー トナ ー の一 方 が扶 養 能 力 を 失 った 場 合 や死 亡 した 場 合 には 、他 方 パ ー トナ ー に扶 養 の請 求 を す る こ とは で き な い。

また 、パ ー トナ ー シ ップの解 消 の場 合 にお い て も 、パ ー トナ ー シ ップ法 は 事 実 上 の親 に面 接 交 渉権 を認 め て い るが 、そ れ だ け で は子 の福 祉 に適 合 した対 応 を と る ことが で き ない場 合 も あ る。 た とえ ば、 子 の実 親 また は養 親 で あ るパ ー ト ナ ー の一 方 が 外 で 取得 活 動 を行 い、 親 で な い他 方 が も っぱ らそ の 子 を監 護 して い る場 合 な どは 、 パ ー トナ ー シ ップ の解 消 の 際 に、 これ まで 監 護 に あ た っ て き た他 方 パ ー トナー に面 接 交 渉 権 を認 め るだ け で な く、 監 護 権 を委 ね る こ とが 子 の福 祉 に適 合 す るで あ ろ う。 同性 の カ ップル につ い て も 、共 同縁 組 を認 め る こ と は、 これ らの 点 で は 、意 義 の あ る こ とで あ る。

そ こで 、検 討 しなけれ ば な らな い問題 は 、 子 どもが 同性 の カ ップル の家 庭 で 養 育 され る場 合 に 、 そ の成 長 発 達 に どの よ う な影 響 が あ るか で あ る。 この 問題 につ いて は 、 同性 の カ ップル の家 庭 にお い て養 育 され る こ とは 、 子 どもの 精 神 的 な発 達 にマ イナ ス の影 響 を もた らす とい う考 え方 が 現在 で も依 然 と して根 強 くあ る。 しか し、最 近 で は、 この よ う な考 え方 を否 定 す る見解 もみ られ る。 す なわ ち、 同性 カ ップル の家 庭 で あ って も、婚 姻 家 庭 に 比べ て 、親 と して の 適 格 性 な らび に子 ど もの発 達 可 能性 に 重大 な相 違 が あ るわ け で は な い。 また 、 親 が 同性 愛 者 あ る こ とが 、 子 どもの性 的指 向(sexuelleOrientierung)に 影 響 を 及 ぼす とい う こ とで は な く(親 が 同性 愛 で あ る場 合 に 、 そ の子 どもが 同性 愛 と な

(18)

148

る割 合が 高 い とい う統 計 は、今 の と ころみ られ な い)、 そ の家庭 で の成長 に よ っ て、 子 どもが 男性 また は女 性 と して の性 自認 の発 達 を害 され る とか 、 あ る い は

28)

異 常 な性 的行 動 を 引 き起 こす と い う根拠 も ない、 と い うわ け で あ る。

この考 え方 は 、 同性 の カ ップ ルが 、 法 律上 に お い て も、 共 に親 と して子 ども を もっ こ と を認 め るべ きで あ る とい う主 張 に結 びっ く。 しか し、他 方 で 、 同性 愛 に対 す る社 会 的 偏 見 と差 別 は依 然 と して存 在 して お り、 同性愛 の親 とそ の子 どもが社 会 的 な差 別 を受 け る可能 性 は強 い。 た だ 、 そ う した 社会 的偏 見や 差 別 は 同性 愛 で あ る こと 自体 に対 す る もの で あ る。 法 的 な親 と な る こ とを認 め る こ

と に よ って そ れ が 助 長 され る とい うわ けで は ない。 ま た 、共 に親 と な る こ とが 認 め られ な くと も、 同性 の カ ップル の家 庭 で 、 そ の子 どもが 養 育 され る こ とに 変 わ りは な い。 何 が 子 どもの 成長 発 達 に と って最 も大 切 で あ るか 、 子 の利 益 と は何 か と い う こと に焦 点 を 合 わせ て検 討 す る必要 が あ ろ う。

むす び に代 えて

婚 姻 関 係 に な い カ ップル の 法 的保 護 の あ り方 にっ い て 、パ ー トナー シ ップ法 も、PACS法 も、わ が 国が参 考 とす べ き内 容を含 ん で い る。 婚姻 関係 に ない カ ッ プ ル の大 部 分 の 問題 は、 そ の共 同生 活 の解 消 後 に生 じる。 したが って、 共 同 生 活 の解 消 後 の カ ップ ル の財 産 関係 な どの処 理 を どの よ うに規 律 す るか が 最 大 の

問題 と な って くる。

パ ー トナ ー シ ップ法 にお いて は 、パ ー トナ ー シ ップの締 結 に あ た って、 当事 者 は、 パ ー トナ ー シ ップ にお け る財 産 関係 にっ い て、 法 定 の制 度 に よ る こと を 選 択 す るか 、 また は公 正 証 書 に よ る契 約 に よ って定 め なけ れ ば な ら ない とされ る。 いず れ の 方法 に よ る と して も、 あ らか じめ 自分 達 で 財 産 関係 につ い て決 定 して お くこ と を求 め られ てい るわ けで あ る。PACS法 に お い て は 、 も とよ り財 産 関 係 の契 約 的処 理 に そ の重 点 が 置か れ て お り、PACSを 締 結 す るに は 、 まず 当事 者 が 共 同生 活 上 の財 産 関 係 にっ いて約 定 し、 そ の書 面 を小審 裁判 所 に提 出 して そ の 届 出 を行 う こ とに な って い る。 以上 か ら明 らか な よ う に、 こ う した 当 事 者 間 の合 意 また は それ に基 づ いた 約 定 が基 礎 に あ って、 共 同 生 活 関係 の解 消 の場 合 には 、 約定 また は法 律 の規 定 に基 づ い た財 産 関 係 の処 理 が 行 わ れ る こ と

(19)

同性 カ ップルの法的保護 にっいて149 に な るわ け で あ る。

パ ー トナ ー シ ップに して も、PACSに して も、 一定 の共 同生 活 関係 を結 ぶ 以 上 は 、 自分 達 の責 任 にお いて 、 そ の生 活 上 の関 係 にっ い て あ らか じめ 定 め て お くこ とが求 め られ てお り、 そ の上 で一 定 の制 度 上 の保 護 を受 け られ る こ とに な る。 一方 、婚 姻 を しない カ ップル 、 あ るい は 、 これ らの制 度 に よ る こと を選 択 しない 同性 また は異 性 の カ ップル は、 こう した 制 度 に基 づ いた保 護 を受 け る こ と は ない。 したが って、 自分達 の共 同生 活 上 の関 係 はす べ て約 定 に よ って規 律 す る以外 には な く、 明示 も し くは黙 示 の約 定 が な けれ ば保 護 を受 け る こ と は で き ない こ とを覚 悟 してお く必 要 が あ るわ けで あ る。

と ころで 、 これ に対 して 、わ が 国で は、 婚 姻 関 係 に な い男 女 にっ い て 、 当事 者 間 の約 定 に基 づ い て保 護 を 図 ると い う意 識 は 強 くは なか った 。 わ が 国で は 、 婚 姻 の社 会 的実 体 は あ るが婚 姻 の届 出 を して い な いた め法 律 上 は 夫 婦 と は認 め られ ない 関係 を 内縁 と呼 び 、 内縁 関 係 に は、 婚 姻 に認 め られ る効 果 の う ち 、届 出 に よ って創 設 され る身 分 関係 を前 提 とす る効 果(相 続 権 な ど)を 除 い て 、共 同生活 に結 びっ け られ る効果(同 居 ・協 力 ・扶 助 の 義務 、婚 姻 費用 の分 担 義 務 、

日常 家事 債 務 の連 帯 責任 、財 産 分 与 な ど)が 準 用 され ると して、 そ の保 護 が 図 られ て きた。 婚 姻 届 を して い ない に もか か わ らず 、 婚 姻 に準 じた 保 護 が 行 わ れ て きた こ とに は それ な りの理 由が あ った 。 か つ て、 わ が 国で み られ た 内縁 の 多

くは 、 旧法 上 の 「家 」制 度 に 由 来 す る原 因(婚 姻 にっ い て の戸 主 の 同 意(旧 750条)が 得 られ な い とか 、 両 当事 者 が 法 定 推 定 家 督相 続 人 で 婚 姻 が で き な い

(旧744条)と い った理 由)か ら生 じた も のや 、相 手 の 女性 が 家 風 に合 うか ど うかや 、子 どもで き るか どうか を確 か め る まで 届 出 を のばす と い う風 習 に よ っ て生 じた もので あ った 。っ ま り、 これ らの場 合 、 当事 者 が婚 姻 を望 ま な い とい う こ とか ら届 出 を しない もの で は なか った わ け で あ る。 そ こで 、学 説 は 、 女 性 の 自立 が 困難 で あ った 当時 の社 会 状 況 を踏 まえ て、 弱 い立場 に立 た され た 者 を 保 護 しよ う とい う配 慮 か ら、 こう した 男女 関係 を婚 姻 に準 じて扱 うべ きだ と し、

判例 も次 第 に 内縁 に婚 姻 と同様 の効 果 を認 め る よ う に な り、 内縁 準 婚 理 論 が 定 着 した。 しか し、 これ とは異 な り、今 日で は 、 共 同生 活 を営 む 意 思 は持 って い て も、婚 姻 の定 型 的 内容 に対 す る疑 問 か ら、 あ るい は 法 律 に縛 られ た くな い な どの理 由か ら、 あ え て婚 姻 の届 出 を しない カ ップル が 増 え て きて い る。 こ う し

参照

関連したドキュメント

[r]

「知的財産権税関保護条例」第 3 条に、 「税関は、関連法律及び本条例の規定に基

・ RCIC 起動失敗,または機能喪失時に,RCIC 蒸気入口弁操作不能(開状態で停止)で HPAC 起動後も

非常用ガス処理系 プレフィルタ ガラス繊維 難燃性 HEPA フィルタ ガラス繊維 難燃性 高圧炉心注水ポンプ室空調機 給気フィルタ 不織布 難燃性

添付資料1 火災の影響軽減のための系統分離対策について 添付資料2 3時間耐火壁及び隔壁等の耐久試験について 添付資料3

水素を内包する設備を設置する場所 水素検出方法 直流 125V 蓄電池室 水素濃度検知器を設置 直流 250V・直流 125V(常用)・直流

原子炉建屋 高圧炉心注水系ポンプ 原子炉区域・タービン区域送排風機 原子炉建屋 残留熱除去系ポンプ 原子炉区域・タービン区域送排風機

連系する系統の保護方式に応じ,主保 護として,当社側と同じ保護リ レー( 電流差動リレ ー,方向比 較リレー ,回 線選択リ レー,環 線系統保 護リレ