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扇状地模型を用いた流木混じり土石流の衝突荷重測定実験

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017 年 2 月 2 日

扇状地模型を用いた流木混じり土石流の衝突荷重測定実験

環境資源学専攻 森林・緑地管理学講座 流域砂防学 野坂 隆幸

1.はじめに

国土の大部分を森林に覆われた日本では,土石流発生時,多量の流木が土石流の先端部に集中し て流下することが多い。こうした流木が扇状地上の構造物に衝突し,破壊する事例は多数報告され ている。本研究では,土石流の流下に伴って形成される流木塊に特に着目し,それが扇状地上での 構造物への衝突荷重に及ぼす影響を,水路実験にて明らかにした。

2.実験方法

実験水路は,勾配の急な渓流部(勾配 20°,長さ 2m,幅 10cm)と,勾配の緩い扇状地部(勾配 5°,長さ 2m,幅 1m)から構成される。渓流部の河床に土砂を 7cm 厚に敷き詰めた上に流木をばら まき,飽和させた後に 25ℓ /秒の給水をすることで土石流を発生させた。土砂試料には,平均粒径 3 ㎜の土砂試料 L と平均粒径 1 ㎜の土砂試料 S の 2 種類を用い,流木試料には直径 3 ㎜,長さ 9cm のヒノキ材の丸棒を用いた。流木量は,0 本(対照実験) ,50 本(流木塊の形成は殆ど見られず) , 100 本(場合によって流木塊が形成) ,200 本(殆どの場合で流木塊が形成)の 4 ケースを設定した。

発生させた土石流の衝突荷重は,扇状地上に設置したロードセル(荷重変換器)で測定した。ここ で,流下距離にともなう荷重の変化を調べるために,予備実験の結果を参考に,荷重の測定箇所を,

土砂試料 L では扇頂部から 5cm,15cm,30cm の 3 ケース,土砂試料 S では 5cm,15cm,30cm,60cm,

90cm の 5 ケースに設定した。

3.結果と考察

実験結果より,扇状地を流下する土石流に対し,その先端に形成される流木塊には,①構造物へ の土石流の衝突に対する緩衝材としての作用,②衝突荷重を増加させる衝突物としての作用,③後 続流の流向を変化させる障害物としての作用,の 3 つ

があることが分かった。土砂試料 L において,作用① は土石流流下域で,作用②は到達限界付近で見られた が,後続流による再移動は見られなかったため,作用

③は確認されなかった。一方,土砂試料 S においては,

粒径が細かく,土砂礫が流木塊に捕捉されなかったた め,作用①と②は見られなかった。しかし,流下途中 に堆積した流木塊により後続流の流向が変化したこと から,作用③については観察された。

各条件の荷重値を比較した際,作用①が作用した場 合も扇頂部付近は荷重が大きく,作用②と③が作用し た場合の荷重はあまり大きくないことが分かる。した がって,土石流対策においては,扇頂部付近でのハー ド対策の推進とともに,流木による危険度増加に備え て,複数の避難経路の確保や塀等の防護壁の整備と

いった個人単位での対策をとることが望ましい。

図 1 扇頂部からの距離に応じた土石流荷重 の変化

参照

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