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浮選法による陶磁器用粘土の脱鉄

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Academic year: 2021

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長崎大学学芸学知日触科学研究報告第15号13‑16 (1964)

浮選法による陶磁器用粘土の脱鉄

川崎晴通

(昭和38年12月15日受理)

Elimination of Iron from China Clay by Floatation

Harumichi KAWASAKI

I緒言

筆者はさきに佐賀泉山の陶石についてセッケソ連浮選法による脱鉄を試み,かなりの効果が あることを知った。‑)一般に浮選法による場合,粒子表面に対する摘発剤の吸着量の関係から 練粉砕試料は不利であるが,棟細に混入している鉄分を除去するためには,原料を微粉砕する ことも必要になってくる。今回は後紛砕試料として陶磁器成形用バイ土を使用し,陽イオン性 捕薬剤による正浮選2),活性化剤および陰イオソ性押葉剤による逆浮選3)を試みた結果,ある 程度の結論を得たのでここに報告する。

Ⅱ実験方法

実験に使用したノくイ土は長崎県波佐見窯業試験場提供のもので,数種の原料を混合し,フt/

ットミルおよびボ‑ルミルで粉砕後,磁力脱鉄し,フィルタ‑ブZ/スで脱水後真空土煉機にか けたものである。大体の化学組成は次の通りである。

SiO, Al20= Fe2Os Ig. loss 12.5% 15.b% 1.1% 3.8%

浮選方旗は,大体前報. )に準じた。すなわち乾燥試料10gを秤取してMS型50g浮選機の槽 中に入れ,正浮選の場合は塩酸と水理化ナトリウムでpI王を調節した蒸留水のみ,逆浮速の場 合は塩化アルミニウムを含みpIIを調節した蒸留水でみたし, 20分間下部インベラ‑のみでか きまぜ,さらに捕薬剤および起泡剤を加えて下部インベラ‑のみで10分間かきまぜ,最後に上 部インベラ‑のみで10分間浮選を行った。

精鉱は減圧こしわけによりろ紙でこし分けて脱水し, 110‑Cで半日乾燥して秤量した。

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*長崎大学学芸学部化学教室

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川  崎 晴 通

供のカチオソS A(第一級アγモニウム系),カチォンM2−100(第四級アγモニウム系)の 三種について予備的に実験したところ,カチオーゲγについては浮選状況が良好でなく,カチ

オγM2−100は溶解性においてやや難点があったので,今回はカチオγS Aについてのみ実験 を行った。

 其他陰イオソ性捕集剤としてオレイγ酸ナトリウム,起泡剤としてイソアミルアルコール,

活性化剤または仰制剤として塩化アルミニウムを使用した。

置 正  浮 選

 予備実験の結果カチオγS Aを捕集剤として正浮選を行った場合パルプが酸性の場合のみ浮 選が行われ,pH3。5以下では収率が悪く,またpH3.5〜7.0の場合でもカチオγS Aのみでは 起泡性が悪くよい収率が得られないことが認められた。そこでまず起泡剤の添加による収率の 上昇を期待して実験をすすめた。

 まずパルブ全量300ccにつきカチオγS Aの添加量を10mgとし,アミルアルコールの添加量 に対する収率の変化と精鉱中の鉄分の変化をもとめた。結果をF玉9.1に示す。すなわち収率は

Fig,

100

go

80

70

60

50

2

L

1.0

0.e

0.6

0.4

.2

20 40  60  80  100 U20 一一一一

A㎡y!eqlcohol mg/300cc Collec†ing・gen↑:C・†ionSA

       lo mg/300CC

pH5・。一5・5

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浮選法による陶磁器用粘土の脱鉄

15

アミノレアルコールの添加量の増加とともに増加するが,その量が150mg/300ccをこえるとその 増加割合は減少する。 また精鉱の鉄分はアミルアルコールの添加量の増加とともに減少する が,その量が70mg/300ccのとき最小値(Fe203として0.61%)を示し,それからはアミルア ルコールの増加とともに増加する。

 次にアミルアルコールの添加量を70mg/300ccとしてカチオγS Aの添加量に対する収率と 精拡の鉄分を求めた。結果をFig.2に示す。すなわちカチオγS Aの増加とともに収率も増加 するが,その量が20mg/300cc(そのときの収率77%)以上になると増加割合は減少する。ま た精拡中の鉄分はカチオンS Aの添加量が10mg/300ccのとき最小値(Fe203として0.61%)

を示し・それからは次第に増加してカチオンSAの量が40mg/3GOcc以上になると,鍔、分の除 去はほとんど行われなくなる。

       臼g・2        Fig,3

 10◎       100

go eo

70

60

50

8

 lO 20 50 40 50 60

    Co輯onSA  mg/500cc

Fr。?hing・genhAmyleqlc。h。1

      70 mg/CC

 ρH 5、O−5・5

o幽

0

0.2

go

60

70

60

50

28

   ノG『

  !

.!1ひ

二「

L

l.o

o.8

0.6

o.4

0.2

40   60

AC奮ivα ng

 80    o◎   120    40

Sodium oleo奮e mg/300cc qgen堂:AIC㌧6H20    110 mg/50◎CC

P臼  7,0一げ7・5

IV逆  浮  選

微粉砕されたベィ土に対してはカチオγS Aによる正浮選ではあまりよい結果が得られなか ったので,アノレミニウム塩を活剤兼仰制剤,オレイγ酸ナトリウムを捕集剤とする逆浮選を試

みた。

予備約な実験の結果pH7〜8,姫化アルミニウムの添加量110mg/300ccを最適状件と認め

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ユ6 川 崎 晴 通

オレィγ駿ナトリウムの添加量に対する収率と精拡の鉄分を求めた。結果をFl9.3に示す。

 図からも明らかなように,正浮選にくらべて収率はあまり相違はなく,捕集剤は多量を必要 とするが起泡剤の必要はない。しかも鉄分の低値の範囲が広く,オレィγ酸ナトリウムの量が 100mg/300ccのとき鉄分(Fe20・として)0.6%の精鉱が84%の高収率で得られるところから バイ土の浮選脱鉄には逆浮選が適していると思われる。

V成形および焼成

 陶磁器原料中の鉄分が問題になるのは,これが製品に斑点を示して不適格となることであり また鉄分の量が僅少であれば酸化焼成が可能になり,燃料の節約ができるからである。半透明 紬嘆用の場含,焼成後0.3mm以上の粒子は紬によっても被覆されないから4), もし上記の残 存鉄分が焼成前0.1mm以上の粒子を形成しているならば浮選効果は半減する。 そこで浮選試 料を成形後焼成しその表面を金属顕微鏡によってしらべた。すなわち浮選試料を水でねり,石 膏型で厚さ6mm,径16mmに成型し,1100Cで半日乾燥後ルツボに入れ,電気ルッボ炉で3

時間加熱した。

 40D。Cに加熱したものは,有機物の分析にもとづく炭素粒が残留したものか,表面は灰黒色 をおびていたが, 顕微鏡で観察しても(×100)炭素粒子および原試料に含まれていた黄鉄鉱 粒子は認められなかった。8000Cに加熱したものは淡黄内至淡褐色を示し,やはり黄鉄鉱粒子

は認められなかった。

 以上の結果から残存鉄分はコ・イド状粒子となって分散しているものと思われ,浮選精鉱は 還元焼成の場合は透明紬でも使用できるが,酸化焼成にはまだ十分でないといえる。

w結

 浮選法による陶磁器用粘土の脱鉄を試みた結果大体次の結論を得た。

1)浮選法により大体1μ以上の黄鉄鉱粒子は除去できるが,コ・イド状の粒子は除去できな

 い。

2)陽イオγ性捕集剤による正浮選よりも,除イオγ性捕集剤による逆浮選の方が良結果を期

 待できる。

 本研究を進めるにあたり,実験を協力された東輝也,試料を提供された長崎県波佐見窯業試 験場,界面活性剤を提供された第一工業製薬,日本油脂の諸氏へ謝意を表したい。また本研究 費の一部は昭和38年度および昭和39年度長崎大学学芸学部研究奨励費によった。

参  考  文  献 1)川崎= 工業化学雑誌 58,910(1955)

2)三野: 浮選 6,26(1957)

5)大石: 窯業会誌 71,c541(ユ965)

参照

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