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氏名 鈴木スズキ

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 鈴木

ス ズ キ

洋弥

ヒ ロ ミ

所 属 理工学研究科 生命科学専攻 学 位 の 種 類 博士(理学)

学 位 記 番 号 理工博 第

264

号 学位授与の日付 平成

30

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第

4

条第

1

項該当

学 位 論 文 題 名

Phosphorylation of maize phot1, a blue light receptor kinase, by pulse irradiation of low-fluence-blue-light has a key role in first positive phototropism

弱青色光照射によって誘導されるトウモロコシ

phot1

のリン酸化は 一次正光屈性に関与する(英文)

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 岡本 龍史 委員 教 授 久永 眞市 委員 准教授 鐘ヶ江 健

委員 教 授 瀬尾 光範

(

連携大学院

)

【論文の内容の要旨】

植物が示す環境応答の一つに、地上部が光の方向に偏差成長する光屈性反応がある。こ の反応は植物が光の方向を何らかの形で感受し、植物ホルモンの一つであるオーキシン

(IAA)

の偏差分布を形成し、

IAA

含有量が多い非照射側の組織が伸長することで生じると

考えられている。しかし、光受容から

IAA

の偏差分布形成、屈性までの詳細な分子機構 は明らかにされていない。この光屈性形成機構の解明を困難にしている原因の一つに、光 屈性反応様式の多様性があげられる。現在、地上部の光屈性反応は植物が受容する光量に 従って三つの反応、弱青色光パルス照射によって誘導される一次正光屈性、中程度の光照 射での不屈性、強青色光連続照射で誘導される二次正光屈性に分けられている。これらの 反応の初期応答は、青色光受容体型キナーゼである

phototropin1 (phot1)

の青色光受容に よるキナーゼ活性の変化と考えられている。実際、

phot1

は二次正光屈性反応を誘導する 強青色光照射によって自己リン酸化し活性化することが報告されている。しかし、一次正 光屈性を誘導する弱青色光照射での

phot1

のリン酸化状態の変化についての報告はない。

これは一次正光屈性が二次正光屈性よりも弱い光量で誘導されるため、リン酸化状態の変 動が微量であり、検出が困難であることが原因と考えられてきた。

トウモロコシなどの単子葉植物の幼葉鞘は一次正光屈性の観察に古くから用いられて

いる。当該研究室でのトウモロコシ幼葉鞘を用いた先行研究から、幼葉鞘先端部での弱青

(2)

色光受容が一次正光屈性に必須であること、弱青色光受容後に先端部で形成される

IAA

偏差分布により屈性が引き起こされることが明らかにされており、トウモロコシ幼葉鞘の 一次正光屈性における初期応答は先端部で起こることが示されてきた。本研究では始めに、

青色光受容に必須なトウモロコシの青色光受容体遺伝子についてデータベースサーチを 行い、既知の

ZmPHOT1

に加えて、これまで報告の無かった

ZmPHOT2

を見出した。定

PCR

による解析から、幼葉鞘には

ZmPHOT1

、幼葉には

ZmPHOT2

がそれぞれ高発 現していることを明らかにした。また、抗イネ

phot1

抗体を用いたウエスタンブロッティ ングにより、

Zmphot1

タンパク質が

ZmPHOT1

mRNA

と同様に幼葉鞘に多く存在す ることを明らかにした。さらに、

SDS-PAGE/

ウエスタンブロッティングにより、

Zmphot1

のリン酸化状態に対する弱青色光照射および強青色光照射の影響を調べた結果、一次正光 屈性を誘導する弱青色光照射による明確な変化は観察できなかった。一方、二次正光屈性 を誘導する強青色光照射による

Zmphot1

のバンドシフトが観察され、そのバンドシフト は

λ-

フォスファターゼ処理によって観察されなくなった。これらの結果から、強青色光照 射によって

Zmphot1

のリン酸化レベルが上昇すること、および弱青色光照射による

Zmphot1

のリ ン酸化 状態 の変化が ごくわず かあ ることが 示唆され た。 より詳細に

Zmphot1

のリン酸化状態の変化を調べるために、リン酸化プロテオーム解析を幼葉鞘先

0-3 mm

を材料として進めた。網羅的なリン酸化プロテオーム解析では、弱青色光照射

によってリン酸化状態が明らかに変化するタンパク質は検出されなかった。そこで、より 検出感度の高い

Multiple reaction monitoring

によって、

Zmphot1

由来のリン酸化ペプチ ドを選択的に解析した結果、

Zmphot1

Ser291

および

Ser376

のリン酸化レベルが一次 正光屈性を誘導する弱青色光照射によって上昇することがわかった。また、これらのリン 酸化レベルは幼葉鞘の弱青色光照射側半分の方が非照射側半分よりも高いことが示され た。続いて、これらの弱青色光照射によって上昇するリン酸化の一次正光屈性への関与を 明らかにするために、シロイヌナズナの

phot1phot2

欠損変異体に野生型

ZmPHOT1

遺伝 子、リン酸化部位を

Ala

に置換した変異型

ZmPHOT1

遺伝子をそれぞれ導入し形質転換 植物体を作出した。シロイヌナズナ

phot1phot2

欠損変異体は一次正光屈性や二次正光屈 性、葉柄の角度、葉緑体集合運動、葉の展開、気孔の開閉などの

phot

が関わる青色光応 答反応が失われている。野生型

ZmPHOT1

遺伝子を導入した形質転換植物体ではそれら 青色光応答反応が回復することが確認された。一方、変異型

ZmPHOT1

遺伝子を導入し た形質転換体では一次正光屈性は回復しなかった。よって、弱青色光照射によって誘導さ

れる

Zmphot1

のリン酸化は一次正光屈性に関与している可能性が示された。同じ変異型

ZmPHOT1

を導入した形質転換体の他の表現型も観察したところ、二次正光屈性、葉柄の

角度、葉緑体集合運動は回復していたが葉の展開と気孔の開閉は回復していなかった。以

上の結果から、青色光応答に応じて必要とされる

Zmphot1

のリン酸化部位はその生理反

応により異なることが示唆された。

参照

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