認知行動療法におけるストレング・ストレングス TEBBモデルに基づくストレングスビリーフづくりの 試み
著者 山本 眞利子
雑誌名 久留米大学心理学研究
巻 12
ページ 50‑59
発行年 2013‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/11316/409
KurumeUniversity
PsychologicalResearch2013,No.12,50‑59 原 著
認知行動療法におけるストレング°ストレングスTEBBモデルに基づく
ストレングスビリーフづくりの試み山 本 員 利 子
要 約
近年,ストレングスを認知行動療法に取り入れる試みが行われている(クイケン・パデスキー・ダッ ドリー,2012)。山本(2011,2012)では,ストレングスモデル,ストレングスTEBBモデルに基づき,
ストレングスを取り入れた認知づくりや行動づくりを試みている。本研究では,ストレングスワード (山本2011,2012)に基づき,クライエントのストレングスを探し,それをストレングスビリーフづ くりのために用いるストレングスビリーフシートの開発を試みた。また.心理テストから見つかった クライエントのストレングスをストレングスモデルに従い,新たな信念づくりに取り入れる方法を試 みた。この他,ストレングスTEBBモデルに従い,人が解決及び回復する過程で用いられているスト レングスシンキングをカード化したもの(山本,2012),人の強みが描かれているストレングスカード を用いて。ストレングスビリーフづくりを試みた。
キーワード:認知行動療法,ストレングス,ストレングスモデル,ストレングスTEBBモデル
問 題 と 目 的
山本(2010,2011,2012a,2012b)では,ストレン グスをセラピーに取り入れ,ストレングスを認知,情 緒,行動,からだの反応づくりに活かすストレングス モデルやストレングスTEBBモデルを提唱している (図2.図3)。海外でも近年,ポジティブ認知行動療 法(Bannmk,2012)が登場し,クイケン・パデスキー・
ダッドリー(2012)らも,ストレングスを用いた認知 行動療法を提唱している。
まず,問題モデル(図1)に基づき述べる。例えば,
仕事でミスをした。仕事でミスをすることはあること だ。だが,クライエントさんの中には,「このミスに よって多くの人に迷惑をかけてしまった。このミスは 自分のせいだ。私が悪い。こんな私はきっと,周囲か らもダメだと思われているに違いない。これから大事 な仕事は任せてもらえない」と思ってしまう。このよ うに思うと気分も重くなる。このようなネガティブな
久 留 米 大 学
自動思考は,からだにも影響を及ぼし,からだが緊張 しだるくなる。会社に近づくと息苦しくなる。その結 果,会社に行きにくくなり休むという行動となる。信 念.思考・情緒・行動・からだの反応は繋がっており 悪循環に陥る。しかし,ミスは個人的な原因でのみ起
こるわけではない。会社内のシステムや組織が原因で 起こることもある。例えば,その時間帯,たまたまお 客さんを誘導するスタッフがいなかったとか。ところ が,クライエントさん本人はなかなかそのようには思 えない。セラピーでは,問題モデルに基づきクライエ ントさんのネガティブな自動思考・情緒・行動.から だの反応を整理し,事実と照らし合わせて丁寧に見直 すことで問題解決への手がかりを得ることもある。そ うする中で.その人特有の信念・心のくせ(スキーマ)
が見えてくる。スキーマとは,「心のくせとも言える もので,個人がそれぞれもっている基本的な人生観や 人間観,価値観である。それは.極めて個人的な確信,
信念である」(大野,2010)。ネガティブな自動思考.
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情 緒 ・ 行 動 ・ か ら だ の 反 応 を 整 理 す る が , 最 後 に そ の 人なりの心のくせにつきあたる。例えば,先の例では,
会 社 の 誰 か ら も 言 わ れ た わ け で は な い が , ク ラ イ エ ン トさん本人が,「自分はダメな人間だ。自分はできな い」と信じていることもある。すると,「自分がダメな 人間だからミスをするんだ。私が悪いんだ」というネ ガティブな信念が「明日になったら,きっとみんな私 のミスを知っていて ダメな子だと思っているに違い ない。」とネガティブな自動思考にまで拡がる。筆者 の言葉では,このようなネガティブビリーフが,ネガ ティブな自動思考に影響を及ぼす。
筆者は,クライエントさんとのセラピーの中で気づ いてきた。このネガティブビリーフは,実はもともと はクライエントさん自身の,ご本人のものではないこ とに。これは,クライエントさんが幼い頃や過去に,
ご家族の方や周りの方から言われ続けてきた言葉.も しくは浴びせかけられてきた言葉だったりもする。改 善しつつあるクライエントさんの言葉をかりると 「自 分のものではない」ものを,まるで自分の考えや自分 の言葉と思わされ,思い込み自分のうちに受け入れて しまったものである。クライエントさんの内に忍び込 んでしまった言葉である。このようなネガティブな信 念は,クライエントさんの内に忍び込み,クライエン トさんの世界の中で潜み,ときどき顔を出す。だが,
最も大きい問題は,その言葉をクライエントさんがま るで自分の言葉や自分の考えであると信じ込み,思い こんでしまい,本当の自分の考えや自分の言葉と区別 がつかなくなっているという点である。結果的に,ク ライエントさんは何が自分の言葉で,何が自分の考え で , 何 が 他 の 人 の 言 葉 で 何 が 他 の 人 の 考 え な の か わ か
らず混乱し混沌としている。
筆者はストレングスモデル(図2)やストレングス TEBBモデル(図3)に基づく認知療法・認知行動療 法を行っているが,本来,クライエントさんにはその 人を強めるクライエントさん独自のその人なりのスト レングスがあると信じている。そして,ストレングス によって思考・情緒・行動・からだの反応はつながっ て い る と 考 え 実 践 し て い る 。 筆 者 は こ の ス ト レ ン グ ス モデル,ストレングスTEBBモデルに従い,人には,
その人を強める信念,筆者の言葉では「ストレングス ビリーフ」があると信じている。この点,Padesky&
Mooney(2012)らも,レジリエンスビリーフ(resili‐
encebeliefS)という言葉を用い,このレジリエンスビ リーフの構築を試みている。大野(2011)も,スキー マ に は プ ラ ス の 側 面 と マ イ ナ ス の 側 面 が あ る と し ( 大
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野,2003) 「前向きスキーマ」について述べている。
大野(2011)は,いずれにしても,セラピーの最終段 階では.「スキーマに挑戦する最終的な目的は,柔軟性 のある自分らしいスキーマを作り出すことにある」と 言う。クライエントさんのニーズにもよるが,筆者も ク ラ イ エ ン ト さ ん に は ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ が あ る と 信じており,ストレングスやストレングスビリーフを 見つけ,構築し,実際の生活の中で活かすことを試み
ている。
本 研 究 で は , ス ト レ ン グ ス モ デ ル , ス ト レ ン グ ス TEBBモデルに基づき,クライエントさんがまだ気づ いてはいないが潜在的にはある,クライエントさんの ス ト レ ン グ ス や ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ を 見 つ け 顕 在 化 し 現実の生活場面で役立つような柔軟でその人らし い ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ づ く り を 試 み る 。 ス ト レ ン グ ス を 具 体 的 に 認 知 療 法 ・ 認 知 行 動 療 法 に 取 り 入 れ た 具 体的なアプローチはまだ,それほど多くはない。スト レ ン グ ス ビ リ ー フ に 関 す る 具 体 的 な ツ ー ル は さ ら に 少 ない。そこで,本研究では,ネガティブなビリーフに 替わるその人らしい,柔軟で現実的な生活場面で役 に た ち そ の 人 を 強 め る 信 念 を ス ト レ ン グ ス ピ リ ー フ と 命名し,ストレングスビリーフを構築するためのアプ ローチやツールのいくつかの開発を試み検討する。以 下,事例の一部分をあげつつ述べるが,プライバシー の保護ため,実際の事例に加筆や修正を加えた架空の
ものである。
1 ) ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ シ ー ト を 用 い た ス ト レ ン グ スビリーフづくり
ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ を 構 築 す る た め . ク ラ イ エ ン
力、
図 1 ) 問 題 モ デ ル
認知行動療法におけるストレング・ストレングスTEBBモデルに基づくストレングスビリーフづくりの試み
力、
図 2 ) ス ト レ ン グ ス モ デ ル
行 動 情 緒
図3)ストレングスTEBBの外在化モデル
卜さんと一緒につくったストレングスビリーフシート の一例について述べる。表1)はこれを示したもので ある。
ステップ①:ネガティブビリーフの同定と外在化 先に述べたように,問題モデル(図l)に従い,問 題状況における思考・情緒・行動・からだの反応につ いて整理することで,クライエントさんの発言から共 通 の テ ー マ や 最 後 ま で 繰 り か え さ れ る 共 通 の 言 葉 が 見 つかる。例えば,「自分はダメだ」「自分はできない」
「自分は誰からも必要とされていない」「自分は誰から も愛されない」など,自分の価値を否定するような言
葉もある。そして,このような言葉がいつ・どこで・
誰と.どのような状態で派生したかについて聞いてい くと,それらは「どうせ,あんたはダメなんだから」
「どうせ,あんたはできないんだから」などと,クライ エントさんご自身から出てきた言葉ではなく,他者か ら言われ続けてきた言葉だったことがわかることもあ る。まず,このようなネガティブなピリーフはどのよ うなもので,どこから派生してきたのかを同定する。
そして,その言葉を書き出し,それは本当は誰の言葉 なのか,誰の考えなのかを整理する。自分以外の他者 から言われてきたものか,または,社会通念上,一般 的に理想とされている考えや言葉なのか,過去に自分 が思い,または思わされてきた言葉なのかについて,
ストレングスビリーフシートの①と②で整理する。こ のように,ストレングスビリーフを同定し外に出しク ラ イ エ ン ト さ ん と 切 り 離 し 外 在 化 す る 。 ネ ガ テ ィ ブ ビ リーフを同定し外在化することで,クライエントさん は,それはもともと,自分のものではないこと,過去 に派生したものであること,過去に周囲から思わされ てきたことで,今でもときどき出現するが,真実では なく,今,実際に起こっているものではないことに気 づく。このように,ネガティブビリーフを同定し,外 在化し今.ここのクライエントさんと切り離すことで,
ネガティブピリーフに対処しやすくする。
ステップ②:ストレングス探し
ステップ①で述べたように,クライエントさんが苦 悩しているとき,クライエントさんが本来もっている ストレングスビリーフが見えず,ネガテイブビリーフ と混在し,クライエントさんと同一化し混乱している と言える。ステップ①では.まずネガティブビリーフ を外在化することで,クライエントさんとネガティブ ビリーフを切り離し区別する。
クライエントさんから取り出されたネガティブなビ リーフ,例えば,「自分は何をやってもダメ」「自分は で き な い 」 の 言 葉 を 外 に 取 り 出 し 文 字 化 す る 。 ネ ガ テ ィ ブ ビ リ ー フ と ク ラ イ エ ン ト さ ん と の 区 別 を よ り 明 確かつ意識化するため,そのネガティブな言葉に対し て,セラピストは『それは,もともとあなたのもの?
それは今でも役にたっている?それは,昔,周りから 言われてきた言葉みたいだけど,それって本当にそう かなあ?」などと聞く。ネガティブビリーフが幼いこ ろから植えこまれてきた場合も多く,今までネガテイ ブビリーフについて疑うことをしたことがないクライ エ ン ト さ ん の 中 に は . 「 今 ま で そ う い う ふ う に 考 え た
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ことがありませんでした」と答えられる方もいる。ク ラ イ エ ン ト さ ん の ス ト レ ン グ ス と ス ト レ ン グ ス が 活 か されている状況は必ずある。そこで,ストレングスビ リーフシートの③に従い.セラピストがクライエント さんと一緒にストレングスを探す。ストレングスの探 し方やストレングスが活かされている状況の探し方 は,イメージ,メタファー,ストレングスグッズやス トレングスイベントなどを用いる場合もあるが,人が 回 復 や 解 決 す る 過 程 で し ば し ば 用 い て い る ス ト レ ン グ スワード(山本,2011.2012a,2012b)を手がかりに 行うこともある(表l)。クライエントさんにないも のよりは「ある」ものに,クライエントさんにない力 ではなく「ある力」に,クライエントさんができてい なかったことよりも,「できていること」「できてきた こと」に,クライエントさんがずっと「やれてきたこ と」に,クライエントさんが「したいこと」「好きなこ と」「なりたいこと」などに焦点を当て探す。これらは 必ずある。例えば,「これまで,何をやってもダメだっ ていうことだけど,今日までずっと、会社勤めはでき てきたんですね。忍耐力があるんですね』,「お客さん に,「ありがとう』って言ってもらえたことは?』とお 尋ねすると,クライエントさんは「ありますね」と言 う。『誰かのお役に立てたこともあるのですね。誰か の た め に 何 か す る こ と は お 好 き で す か ? な さ り た い こ とですか』と続けると,「そうですね。そういうことが 好きですね。人のために何かしたいですね」と答えら れる。セラピーが進むにつれ,わかることは,クライ エントさんの多くは,本当に誰かのためになることが
したいと思っておられるということだ。本当は人が好 きなのだ。本当は誰かのために,何かをしたいと思っ ておられるのだ。このような,その方らしいストレン グスをクライエントさんと一緒に探す。すると,会社 を 辞 め ず 続 け て い る 忍 耐 力 の ス ト レ ン グ ス が 見 つ か り,お客さんや人を大切にする,大切にしたいという ストレングスが見つかり,仕事が好きというストレン グスが見つかる。そして,これらのストレングスが活 かされている状況や出来事(ストレングスイベント)
も見つかる。
ステップ③:「私は」ではじまるネガティブビリーフの 書き替えとストレングスビリーフの構築 ステップ2で,表lの③のストレングスワードを用 い て , ク ラ イ エ ン ト さ ん の ス ト レ ン グ ス を 探 す こ と が できると,④でストレングスを取り入れたストレング ス ビ リ ー フ を つ く る 。 こ の プ ロ セ ス で は , ク ラ イ エ ン
卜さんに「私は…」を主語にして、①②で同定された ネガティブなビリーフを書き替えてもらう。先の例で は,「何をやってもダメ,できない」=>「私は,ずっと 同じ会社で仕事を続けることができている」と書き直
し,「誰からも必要とされていない」=>「私は,この前,
お客さんにお礼を言ってもらえた。誰かの役にたって いるのかもしれない」,と書き替えることができる。
そして,「今の私は,お客さんによっては「ありがと う』って言ってもらえる方もおられるので,いつも何 をしても私ががダメというわけではないみたい。お客 さんのために役にたちたいという気持ちがあるから続 けられてきたんだと思う。これからは,昔言われた人 の評価ではなく,この気持ちを大事にしていこう」と なる。筆者は,必ず「私は」という主語を入れて書き 替えてもらう。なぜなら,「私は」と入れることで,ネ ガ テ ィ ブ な ビ リ ー フ は 本 来 は 自 分 の も の で は な い こ と,すくなくとも,今.ここの自分はそのように思っ てはいないことが意識できるようになる。潜在的なス トレングスに気づけたクライエントさん自身が,今,
考 え て い る こ と を 書 く こ と で ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ が できる。クライエントさんたちの中には,このような プロセスで,今まで,「私は」という言葉がなく,今ま で「私は」という主張ができなかったことを語られる こともある。「私は」を入れることで,すぐなくてもセ ラピストだけは自分を否定せず,自分のストレングス,
ストレングスもった自分を認めてくれるという安心感 があり,書き替えの作業ができるのかもしれない。ま た,ストレングスやストレングスビリーフが見つかっ たクライエントさんは,ネガティブビリーフについて,
「それは,私のものではないんですね」と語られ,「自 分で書くというプロセスがとても大事ですね」と話さ れた。クライエントさん自身が,ストレングスを書き 出すこと,書き直すことで,クライエントさんなりの クライエントさん独自の言葉,ストレングスビリーフ が つ む ぎ だ さ れ , つ く ら れ る 。
ステップ④:書き替えたストレングスビリーフを活か す 一 視 覚 化 し 声 に 出 す 一
書 き 替 え た ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ を カ ー ド に 書 き 常 に 持 参 し て も ら う 。 こ れ は , 生 活 場 面 で 構 築 し た ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ を 実 際 に 活 か す た め で あ る 。 ス ト レ ン グ ス ピ リ ー フ が で き た と し て も , も と も と の ネ ガ テイブビリーフの方が強いこともある。それがときど き出現する。急には姿を消すというわけでもない。そ の た め , 日 々 の 生 活 の 中 で 活 か し 易 く す る た め に カ ー
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認 知 行 動 療 法 に お け る ス ト レ ン グ ・ ス ト レ ン グ ス T E B B モ デ ル に 基 づ く ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ づ く り の 試 み
ド化して視覚化し日々,持参し実際にその行動化を試 みてもらう。また,カード化することで,そのストレ ン グ ス ビ リ ー フ を 声 に 出 し て 読 ん で も ら う 。 こ れ に は,理由がある。なぜなら,ネガティブビリーフはク ライエントさんが,周囲から数年,いや数十年言われ 続けてきた言葉だったりするからだ。回数は少ないも のの言われてきたときの印象やインパクトが強すぎ て,クライエントさんの中で,何度も何度もリフレイ
ンされてきたものでもある。そのため,クライエント さんが「私は,人のために役にたつことが好きだ」「私 は,人のために何かできることがあるし,したいと思っ ている」「私は人に親切にしたい」などのストレングス ビリーフを声に出して読みあげることで,耳をとおし
てこれらが入りやすくする。この点,大野(2011)も.
「また,そのときに,書き替えたスキーマを文章にして 残しておいて,後で必要に応じて読み返すようにする と,次第にそれが自分のものになってきます」とある。
もちろん,直ぐにストレングスビリーフが頻繁に出現 したり,直ぐに意識化できるようになるわけではない が,クライエントさんがいったん自分のストレングス ピリーフに気づき,つくれれば,ネガテイブビリーフ が 出 て き た と き に で も 巻 き 込 ま れ る こ と が 少 な く な る。ネガテイブビリーフと冷静に向き合い,自分と区 別できるようになる。そして,それらを退かせ対処で きる。また,その言葉から,「あ〜ちょっと,休んだ方 がいいのかなあ?」と自分をコントロールできるよう
表1)ストレングスビリーフ構築シート例(山本,2013)
ネガティブビリーフ(例:また失敗した。私のせいだ。何をしてもできないダメな 私)‐みんな私のことを何をやってもできないと思っている(自動思考)
いつ。どこで。計 誰 の 言 葉 ? 言
更 一 F ー コ ア
例)よく昔から何をしても弟と比べられて、父によく言われていた言葉です
ご璽工
周りの人 れていること社会的に言わ窪雪雲フ
三f、淫
それって本当?今のあなた(自分)の考え?それは役にたっている?
ストレングス。ストレフグスが活かされている状』
●…はある‐仕事は好きだし、仕事はある
●…はいる‐話せる友達や同僚はいる
●…はしている/する=ずっと仕事は続けている
●…の力はある=忍耐力はある。親切心はある
●…はしてきた=ずっとあきらめずに仕事をしてきた
●…はしたい/なりたい−これからもお客さんの役にたちたい
●…はできる/できた/できそう‐お客さんに親切にはできる
●…はよかった‐お客さんに「ありがとう」って言ってもらえたことはよかった
、 。
今の「私」は…….。。
今の私は…「今はお客さんによっては『ありがとう』って言ってもらえる方もおら れるので、いつも何をしても私がダメというわけではないみたい。お客さんのた めに役にたちたいという気持ちがあるから続けられたんだと思う。これからは 昔、言われた人の評価ではなく自分のこの気持ちや考えを大事にしていこう」
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①ネガティブピリーフ の 同 定
②ネガテブビリーフ の 外 在 化
②ネガティブビリーフ と今の自分の考えと の 区 別
③ストレングス探しと ストレングスが活か されている状況を見 つ け る
④ストレングスを取り 入れたストレングス ビリーフをつくる
久留米大学心理学研究第12号2013
にもなる。
2)ストレングスモデルの心理テストによるストレン グスを用いたストレングスビリーフづくり
意図してストレングスを見つけるためにではなく,
セラピーの中でテストを行うことがある。通常,テス トはその人の弱さだけではなく,強みのストレングス も明確に客観的にクリアーにすることができる。テス トもまた,クライエントさんなりのストレングスを見 つける際に役にたち,ストレングスのビリーフづくり に 活 か せ る こ と を あ る ク ラ イ エ ン ト さ ん は 教 え て く れ た 。 以 下 , ス ト レ ン グ ス モ デ ル に 従 い 述 べ る 。
ステップ①:問題モデルにおける思考・情緒・行動・
か ら だ の 反 応 を 知 る
問題モデル(図4)に基づき,いつ・どこで・どの ようなことがあり,誰からどのようなことを言われた かについて明らかにする。そして,そのときの思考・
情緒・行動・からだの反応を明確にする。ご主人や子 どもとうまくかかわれず悩んでいたあるクライエント さんは,いつもきつく主人にも子どもにも言ってしま い喧嘩ばかりしていた。きつくはっきりと言ってしま うことで,家庭の中がぎくしゃくし,離婚問題が生じ ていた。セラピストが人にきつく言ってしまうときに ついて聞くと,「相手に今.ここで言わないと。今しか ない」という強い思い(思考)があり,注意となって しまう(行動)。すると,言われた相手は怒るか,距離 を と り そ の 場 か ら 離 れ る 。 そ の 後 も よ そ よ そ し く な る。言った後は「さ−つと冷たく感じる」(情緒)。か らだは言ったあとからどっと疲れる(からだの反応)
ということだった。このように,問題モデルにおける 思考・情緒・行動・からだの反応を明確にすることで,
そ こ で 何 が 生 じ て い る か が わ か る 。 ク ラ イ エ ン ト さ ん は「責任感というか,正義感が強いんです」と話され た 。 責 任 感 と 正 義 感 は そ の 人 の 強 み で も あ る 。 し か し,これらが強すぎるとかえってうまくいかない。そ の こ と も ク ラ イ エ ン ト さ ん は よ く 理 解 し て い る 。 こ の ようなときは,セラピストがあえて発言しなくても,
セラピストがそっとその沈黙の中で,その方の傍に静 か に あ た た か く 見 守 り た た ず む だ け で 十 分 な こ と も あ る。
ステップ②:心理テストからストレングスを探す ステップ①にあるように,問題モデルのままで進め ていくと,責任感が強すぎる,正義感が強すぎる自分
が 悪 い と い う 展 開 に な る 。 こ の ま ま 進 め ば 問 題 モ デ ル のままである。これをやり続けると,クライエントさ んもセラピストもきつくなり,まず,セラピーはうま く進まない。クライエントさんは自分を責め,セラピ ストは「困りましたね」で終わるだろう。このような とき,セラピストは,クライエントさんの問題に焦点 をあまり向け続けるのではなく,ストレングスモデル に基づき(図5),クライエントさんのストレングスを 探 す 。 こ の と き た ま た ま , カ ル テ に 以 前 行 っ た エ ゴ グラムの結果が筆者の目に入った。そこで,「でも,こ のテストの結果からすると,あなたはNPが高く,人 を思いやる力や優しさがあるようですね。それに,私 は今までのあなたとのセラピーで,あなたは,本当に 人を思いやれる優しい人だと思いますし,私はそう感 じていますよ」と,セラピストの実感を添えてお伝え した。すると,クライエントさんは目頭を押さえつつ,
「はあ〜」と深いため息をつき,涙し,どこか心のつか えがとれたようなほっとした表情をされた。
ステップ③:ストレングスを活かしストレングスビ リーフをつくる
ストレングスモデルに基づき(図5),ストレングス が見つかると,セラピストが「このような,優しさや 人を思いやれるストレングスが活かされているときは どんな時ですか?最近,ありましたか?』とお聞きす ることで,クライエントさんが答えられる。この場合,
聞こうとするとほぼ同時に,クライエントさんの方か ら,「この前,たまたま,家の近くで困っている人がい たんです。いつもなら,どうせ私が言ったって迷惑な だけだから(ネガティブビリーフ)と思って声をかけ ないんです。でも今回やってみようと思って,思い きって声をかけてみたんですね。すると,その人が喜 んでくれたんです。そのとき,自分の気持ちのまま,
素直にやってみたんです。幸せな気分でした」と話さ れた。セラピストがストレングスモデルに基づき,ク ライエントさんの素直さ・人を思う優しさであるスト レングスが活かされているときの思考・情緒・行動な どをお聞きすると,素直に人のためになることをやっ てみよう,言ってみよう(ストレングスシンキング)
と思い,素直に自分の思いが言えると(ストレングス ビヘービア),とても嬉しい,幸せ(ストレングスエモー ション)ということだった。「人がどうのこうのでは なく,人がどう思うかではなく,自分がしたいから,
自分が優しくしたいからでいいのですね」(ストレン グ ス ビ リ ー フ ) と 新 た に で き た , ご 自 分 の ス ト レ ン グ
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きて
3)ストレングスTEBBモデルによるストレングス シンキングカードとストレングスカードを用いてス
トレングスビリーフをつくる
ストレングスTEBBモデル(図3)に従い,ストレ ングスを取り入れたストレングスビリーフづくりにお いて,人が解決や回復する過程で用いている思考であ るストレングスシンキング(表2)をカード化したス トレングスシンキングカード(山本2012a,2012b)や,
人にあるストレングスが愛らしいかわいい絵で描かれ ているストレングスカード(エリオット・マローニ・
オニール,2005)を用いることもある。以下の手続き を図6)に従い述べる。
ス ビ リ ー フ に つ い て 話 さ れ た 。 こ の よ う に , ス ト レ ン グスモデル(図5)に基づき,クライエントさんの優 しさ・素直さのストレングスにつながる思考・情緒・
行動・からだの反応を見つけ,いったん整理すると他 の経験にも話が及ぶ。そして,ついには,クライエン トさんは,これまで自分が人に優しくしたいと思って も,幼い頃,両親からそのような行為が拒否されてき たこと,そうして「私がしたって,言ったって受け入 れてもらえない」というネガティブビリーフができて きたことを語る。だが,「それは過去のことで今,起 こっていることではなく」,「自分の行為は,全ての人 に受け入れられないわけではない」というものになっ た 。 過 去 の ネ ガ テ イ ブ ビ リ ー フ と 今 , 自 分 が 本 当 に 思っているストレングスビリーフとの区別を行うこと ができるようになった。そして,今後は「素直にやは り,人に優しくして生きていきたい」というストレン グスと新たなストレングスビリーフを見つけ,つくり,
このストレングスピリーフに基づき生きていくことを 選択された。
ステップ①:問題モデルの思考・情緒・行動・からだ の反応の整理
問題モデル(図l)に基づき,問題状況での思考・
情緒・行動・からだの反応を整理する。例えば,職場 でかなり仕事ができる人がいるあるクライエントさん は,その人が忙しくしていると「自分もしなければな らない。あれも,これもしなければならない。自分は あの人に比べて何もできていない」と思えてしまう(自 動思考)。そう思うと.自分はダメな人間のように思 えてきて,やる気がおこらずみじめな感じになり(情 緒),からだも重くなる(からだの反応)。何から手を つ け て い い の か わ か ら ず 混 乱 し て 何 も で き な く な る (行動)。このような悪循環が生じる。このクライエン トさんのネガティブビリーフには「自分があれもこれ もしなければならない。できない自分はダメだ」とい う完全主義的な信念がある。このような問題モデルに 基づく思考・情緒・行動・身体の反応を整理する。
言わ
認 知 行 動 療 法 に お け る ス ト レ ン グ ・ ス ト レ ン グ ス T E B B モ デ ル に 基 づ く ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ づ く り の 試 み
ステップ②:ストレングスシンキングカードとストレ ングスカードのストレングスビリーフづ くり
このような方の中にも,ストレングスシンキングは ある。その方に「こういうあなたにあったらいいなあ
〜と思うような考えはどれですか?」と,40枚のスト レ ン グ ス シ ン キ ン グ カ ー ド の 中 か ら 数 枚 選 ん で も ら う。ご主人の御両親とご一緒に住まわれ,かつ看護師 をされているある方は,「私はわたし」「自分にできる ことをすればいい」「一人じゃない」を選ばれた。これ らのカードを選んだ理由を聞くと,「あれもこれもも うできないけど,自分にできることをすればいいって 思います。これまで,家のこと,子育てのこと,そし て仕事も全て,他の人と同じようにあれもこれもでき 図 4 ) 問 題 モ デ ル
図5)ストレングスTEBBモデル
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ないといけないって思ってきたけど,私は,もともと そういう人ではないよう。私は,私なりに,自分のよ いところを大事にしていけばいいように思います。そ こだけを見て。周りの評価は気にせずに。もう開きな おります。私には主人もいますし,娘もいます。ひと りではないので,家族がいればなんとかなるかと。こ れからも」と。偶然だった。筆者は正直,驚いた。ク ライエントさんは自分のストレングスをもう一度見な おしていたのだ。そして,それを今後の人生に活かそ うとしている。そこで,セラピスが人のストレングス が書かれているストレングスカードキッズを出し,「こ の中から,先ほど,自分のいいところっておっしゃい ましたね。ご自分のいいところ,ストレングスをこの 中から数枚選んでください」とお声かけした。すると,
この方は,「自分は他の人に愛情を持っています」「自 分は人のことを思いやることができます」「自分は思っ たことをやり通します」「自分は幸せです」などを選ば れた。その理由をセラピストが聞くと,「これまでは,
あの人のように,あれもこれもしないといけない,で きないとダメだと思っていました。でも,私が本当に したいことは,弱っている人へのサポートなんだと思 います。これまでは,それができていたので充実感も あ っ た ん だ と 思 い ま す 。 私 は こ れ か ら は , 人 か ら は 何も評価されないかもしれませんが,落ち着いたら,
もう一度,弱った人のサポートができる職場に戻るか もしれません。でも,私には主人もいてくれるので幸 せだと思います。今回主人がいてくれたから,乗り 越えられたんだと思います」と話された。セラピスト が,『もう一度,ご自分の価値観を見直し,ご自分のな
りの価値観を見つけられたんですね。そういう影の部 分のお仕事は,誰からも評価されないかもしれません が,きっと誰かのためにはなっていると思いますよ。
大事な部分ですよね」と,セラピストもクライエント
表2)ストレングスTEBBモデルのストレングスシンキング
(山本,2012.2013)
ス ト レ ン ク ス シ ン 三 F ン ク 考えを少し変えられそう あ き ら め な い な ん と か な り そ う . ひ ら き な お る こ と も 大 事 ど う に か な る か も ・ そ こ ま で 悪 い こ と は 起 こ ら な い か も 大 丈 夫 か も し れ な い ・ そ こ ま で 悪 い こ と は し て い な い でも・・はよかった/・・・よりはよかった.しかたないなあ
マ イ ペ ー ス で も い い ・ そ ん な 気 に す る こ と で も な い 少 し ず つ で も 変 え て い け そ う ・ こ れ で 同 じ ミ ス は し な い だ ろ う 受 け 入 れ よ う . − 人 じ ゃ な い
う ま く い く か も ・ 誰 か に 頼 め ば い い で き る こ と か ら や っ て い こ う 。 乗 り 越 え ら れ そ う 自 分 の 気 持 ち を 大 切 に し よ う 。 ま あ 一 い い っ か あ き ら め が つ い た ・ も 一 い い っ か 好 き な こ と を や っ て い け ば い い 。 ま た 違 う こ と を か ん ぱ ろ う 自 分 に は 強 い と こ も あ る ・ 私 は わ た し や れ る こ と を や ろ う . 完 壁 で な く て も い い そ ん な 人 も い る ・ 自 分 を 見 つ め る い い 機 会 こ れ も い い 経 験 に な る か も 。 自 分 が や り た い こ と を し よ う 無 理 せ ず や っ て み よ う ・ 悩 む の は も う や め よ う な る よ う に な る ・ 自 分 に で き る こ と を す れ ば い い
〜 か も し れ な い 〜すれIまい い
さ ん と 共 に 涙 ぐ ん で し ま っ た 。 ご 自 分 の ス ト レ ン グ ス に気づかれ,ストレングスだけをもう一度見つめ握り しめ,いらないものを捨てさり,自分らしさを選択し た潔い勇気と喜びの涙だった。
考 察
ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フ シ ー ト を つ く る ま で の プ ロ セ スは,筆者にとってとてもきつかった。クライエント さんは過去に言われつづけてきた言葉をセラピーの中 で 何 度 も 何 度 も 繰 り 返 さ れ る 。 そ の 言 葉 を 聞 く に つ れ,まるで浴びせられるようにセラピストも打ちのめ される。最後には,「私には無理ではないか。他のセ ラピストの方がよいのではないか」「私は役にたって い な い の で は な い か 」 「 ク ラ イ エ ン ト さ ん は ネ ガ テ イ ブ ビ リ ー フ を 消 そ う と し て お ら れ る の で は な い か 。 私 に は 無 理 だ 。 で き な い 。 こ の ま ま 続 け て い い の か 」 な ど な ど 自 分 を 責 め る 自 動 思 考 が 動 き 出 す 。 長 く 悩 み つ いに,私にはできないけれど,きっとこの言葉を繰り 返し,繰り返しクライエントさんは聞かされてきたの だから,この苦しみから逃げないでおこうと決め,ク ライエントさんに正直に,『私がネガティブビリーフ を消すことはできないが,ただ1傍でより添うことは 今後もできるかもしれない」とお伝えした。すると,
消せなくても,自分との区別ができるだけでいいとの ことで,セラピストとしても人としてもぎりぎりのと ころで,もうない底をついたエネルギーを絞りだしく みだし,クライエントさんと一緒につくったものだっ た。当然これで、全てが解決するとも,完全によく なるとも全く思わない。それほど簡単なものでもな い。ただ,その後,クライエントさんからはネガテイ ブビリーフの出現が少なくなり,幾分楽になったとの
ストレングス カード・キッズ
ー く
〆
、
〆 ストレングス シンキング カード
ー
〈
聖
〆
、
9
分は人のことをおもいやることができます│自分は他の人に愛情を祷っています I自分は思ったことをやり通します
■
自 分 は 幸 せ で す
L
J L
私 は わ た し
一 人 じ ゃ な い 自分にできることを
す れ ば い い
、
ノ
図6)ストレングスカードキツズとストレングスシンキングカー ドの活用例
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認知行動療法におけるストレング・ストレングスTEBBモデルに基づくストレングスビリーフづくりの試み
報告を受けた。まだ,まだ,改良のあるストレングス ビリーフシートであり,その方,その方に応じて柔軟 に変える必要もあるが,今後のストレングスピリーフ づくりに何らかの手がかりになれば幸いだ。
テストを用いたストレングス探しと,そのストレン グスをビリーフづくりに活かした例では,人を思いや る優しさ,人に親切にしたい思いやりという,その人 なりのストレングスを心理テストのスコアーで示した というわけではない。それは,セラピストとしての実 感だった。セラピーの中で,本当にセラピストがその 人のストレングスだと実感した上での伝え方だったよ うに思う。この実感をともなってはじめて,クライエ ントさんに伝わるのかもしれない。ストレングスシン キ ン グ と ス ト レ ン グ ス を 活 か し た ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フづくりでは,どのような問題状況にあったとしても.
一見,見えなくもストレングスやストレングスシンキ ングは必ずあり,その方なりのストレングスビリーフ があり つくられ,そのストレングスを活かした生き 方や生活をクライエントさんは願っていること,選択 しようとしていることを教えてもらった。ただ,セラ ピストは,謙虚に静かにその場で『今は見えなくても,
あ な た に は ス ト レ ン グ ス が あ る 。 ス ト レ ン グ ス ビ リ ー フがありますよ」という沈黙の声を内に抱きながらた たずみ,時にはセラピストとしての実感を伴い伝える だけだが,クライエントさんはどこかでその声を感じ てくれているようだった。
セラピー,ストレングスビリーフづくりにおいて.
必要なことは,本当にセラピストがその方なりのスト レングスを大事に思っているという気持ちではない か。クライエントさん,クライエントさんのストレン グ ス を 信 じ る 気 持 ち が ク ラ イ エ ン ト さ ん に 伝 わ る と き,クライエントさんの主体性(宮田,2002)が動き だすように思う。
追 記
ス ト レ ン グ ス カ ー ド は ネ ッ ト に て , ス ト レ ン グ ス カードと入力すれば竹田氏に繋がり,購入できます。
ストレングスシンキングカードは山本(2012b)の「ス トレングスの認知行動療法ワークブック」(ふくろう 出版)にて購入できます。
謝 辞
セラピストとして人としてきついとき,苦しいとき
それを支えて下さるのは,やはり,もっと苦しんだク ライエントさんの存在です。彼ら彼女らの多くは,倒 れたところからしばらくして膝を立て立ちあがる。何 度も何度も。セラピストとして人として失敗や失望,
挫折の中にあるとき,彼女や彼らのストレングスやレ ジリエンスを実感できることで,私自身も支えられて い ま す 。 い つ も 感 謝 し て い ま す 。 ま た 今 回 よ き 出 会いやよきご著書やご文献から,多くのヒントを得る ことができました。大野裕先生,パデスキー先生,天 国におられます宮田敬一先生に心よりお礼を申し上げ ます。
引 用 文 献
Bannink,F、2012PracticmgPositiveCBT WILEY‑BLACKWELL
宮田敬一2002日常生活の智慧としてのデイストラ クションブリーフサイコセラピー研究,Vol,11,
13−19.
大 野 裕 2 0 0 3 こ こ ろ が 晴 れ る ノ ー ト 創 元 社 大野裕2010認知療法・認知行動療法治療者用マ
ニ ュ ア ル ガ イ ド 星 和 書 房
大野裕2011はじめての認知療法講談社現代新書 Padesky,CA,&Mooney,KA2012Strengths‑Based
Cognitive‑BehaviouralTherapy:AFour‑Step ModeltoBuildResilienceClinicalPsychologyand PsychotherapyClin・PsychoLPsychother,19, 283‑290.
ウイレム・クイケン,クリスティーン.A・パデスキー,
ロバート・ダッドリー(大野裕監訳/荒井あゆみ,
佐藤美奈子訳)2012認知行動療法におけるレジリ エ ン ト と 症 例 の 概 念 化 星 和 書 房
山本填利子2010ストレングスアプローチ入門ふ くろう出版
山 本 員 利 子 2 0 1 1 ス ト レ ン グ ス ア プ ロ ー チ ワ ー ク ブ ッ ク ふ く ろ う 出 版
山本員利子・近松正孝・山園エリ・阿部美咲・岡田紀 子・吉田渉人2012aブリーフセラピーの包括的 ス ト レ ン グ ス T E B B モ デ ル に 基 づ く 認 知 療 法 ・ 認 知行動療法的アプローチの試み一現在・未来志向の 認 知 づ く り 一 久 留 米 大 学 心 理 学 研 究 第 1 1 号 23‑34.
山本員利子2012bストレングスの認知行動療法 ワ ー ク ブ ッ ク ふ く ろ う 出 版
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久留米大学心理学研究第12号2013
AttemptfbrBuildmgStrengthBriefbasedonStrengthModel andStrengthTebb'sModelinCognitive‑BehavioralTherapy
MARIKoYAMAMoTo(恥γ"77zg[ノウzizノe湾勿)
Abstract
lnrecentyears,attemptshavebeenmadetoincorporatestrengthsintocognitive‑behavioraltherapy(Padesky,
2012).Yamamoto(2011,2012)isattemptmgtobuildcognitionandbehaviorthatincorporatesstrengthsbasedonthe strengthsmodelandTebb'sstrengthsmodeLThepresentstudyuncoveredstrengthsbasedonstrengthswordsfbr clients(Yamamoto,2011,2012),andusedthemtodevelopastrengthsbriefsheetforbuildingstrengthsbriefSIn accordancewiththestrengthsmodel,clientstrengthsrevealedinpsychologicaltestswerealsomcorporatedintothe processfbrbuildingnewbeliefS、Inaddition,inaccordancewithTebb,sstrengthsmodel,cardscontalmngstrengths ofthoughtthatapersonusesintheresolutionandrecoveryprocesswereused(Yamamoto,2012)andstrengths cardsdepictingaperson,sstrengthstobuildstrengthsbriefs.
Keywords:cognitive‑behavioraltherapy,strengths,strengthsmodel,Tebb,sstrengthsmodel
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