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Microsoft Word - non■海外労務版NL2015年冬号 docx

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NEWS LETTER

2015 年冬号

(2015 年 1 月 15 日発刊)

本号の目次

ニュース <トップニュース> ・厚生年金保険 外国人の資格取得時にロー マ字氏名届の提出が必須に… 1 ・外国人を雇用する際に必要となる手続等 (トップニュースの解説)… 2 ・労災保険「特別加入」の加入・脱退などの 手続期間が拡大… 3 ・日本政府 ルクセンブルクとの社会保障協 定締結へ… 3 ・中国「新・安全生産法」が公布。重大事故 が発生で最高 2000 万の罰金も… 4 中国人事労務コラム 中国の従業員が求める賃金の支払とは? … 5 海外赴任コラム 定めておきたい赴任者・出張者の感染症 対策ルール… 6 外国人雇用コラム 留学生を新卒採用する際の注意点… 7 世界各国の労働法制 台湾(中華民国)… 8

<トップニュース>

厚生年金保険

外国人の資格取得時にローマ字氏名届の提出が必須に

日本で働く外国人の従業員には、基本的に日本人と同様に厚生年金保険の適用がありますが、今回、 その被保険者資格を取得する際の手続に変更がありました。 以前より、外国人の従業員が厚生年金保険の被保険者資格を取得する際には、「アルファベット氏名 (変更)届」を任意で事業主から提出することになっていましたが、2014 年 10 月 1 日から、「ローマ字氏名 届」を原則全員提出することが必要となりました。 これは、日本年金機構が年金記録を適正に管理していくための取り組みの一つで、外国人の従業員や 外国人の被扶養配偶者の「厚生年金保険被保険者資格取得届」「厚生年金保険被保険者氏名変更届」 「国民年金第三号被保険者関係届」等を提出する際に併せて提出が必要となります。 このローマ字氏名届には、在留カード(または特別永住者証明書)または住民票に記載されているロー マ字氏名を大文字で記載することになっています。なお、既に被保険者資格を取得している外国人の従 業員についても適正な年金記録の管理のために、この届を提出することが望ましいとされていますので、 現在雇用している外国人の従業員も含め、漏れなく提出をしていくことがよいでしょう。 <参考リンク> 日本年金機構「『ローマ字氏名届』の提出をお願いします」 http://www.nenkin.go.jp/n/data/service/0000022096zuAGXZpmGD.pdf

海外労務版

平澤国際社労士事務所 東京都港区芝公園1-2-4STビル4階 TEL:03-5402-8491/FAX:03-5402-8494

(2)

外国人を雇用する際に必要となる手続等

(トップニュースの解説)

今回、新たに提出が必須とされたローマ字氏名届以外にも外国人の従業員を雇用する場合には、日本 人を採用する際の手続に加え、別途必要となる手続や取扱いがありますので、以下でそれらを紹介します。 1.外国人雇用状況報告 外国人の従業員の雇入れや離職がある際には、公共職業安定所(ハローワーク)に外国人雇用状況報 告を提出する必要があります。報告の方法は、雇用保険の被保険者資格取得の有無により以下のとおり 分かれます。 (1)雇用保険の被保険者となる場合 ⇒雇用保険の「被保険者資格取得届(退職時は「被保険者資格喪失届」)」の備考欄に「国籍・地域」 や「在留資格」などの必要事項を記載して報告を行います。 <提出期限>取得時:翌月 10 日 喪失時:離職日の翌日から 10 日以内 (2)雇用保険の被保険者とならない場合 ⇒「外国人雇用状況届出書」に必要事項を記載して報告を行います。 <提出期限>雇入れ時・離職時ともに翌月の末日 2.ローマ字氏名届 今回新たに義務化された手続です。外国人が厚生年金保険の被保険者資格を取得する際や氏名変更 を行う際には、ローマ字氏名届を日本年金機構(年金事務所)に提出することが必要となりました。 3.外国人労働者の雇用労務責任者の選任 外国人の従業員を常時 10 人以上雇用するときは、外国人労働者の雇用管理に関する責任者を選任す る必要があります。 <外国人の従業員を雇用する際に必要となる主な手続等> 手続名 内容 提出先 1 外国人雇用状況報告 上述のとおり。 公共職業安定所 (ハローワーク) 2 ローマ字氏名届 上述のとおり。 日本年金機構 (年金事務所) 3 外国人労働者の雇用 労務責任者の選任 上述のとおり。 届出不要 4 社会保障協定に関す る適用証明書の提出 母国と日本とが社会保障協定を締結しており、日 本で社会保険の加入免除を受けるために必要。 日本年金機構 (年金事務所) 5 在留資格の取得 日本に入国するためには必ず必要となるもの。就 労をするには就労可能な在留資格が必須。 入国管理局 6 住民票への登録 居住する市町村の住民基本台帳(住民票)への登 録を行う。 市区町村 参考:厚生労働省ホームページ等

(3)

労災保険「特別加入」の加入・脱退などの手続期間が拡大

従業員が業務中にけがなどをした場合には、日本国内であれば、労働者災害補償保険(以下、「労災保 険」)の適用があり、そこから治療費などの給付を受けることができます。しかし、海外に出向している従業 員の場合は、日本の法律である労災保険法の適用が及ばないため、労災保険の給付を受けることができ ません。そこで労災保険では、海外赴任者が特別に労災保険に加入し、給付の適用を受けることができる 「海外派遣者の特別加入制度」を設けています。 この制度に加入するためには、個人ごとに手続を行う必要がありますが、この手続期間が 2014 年 10 月 1 日から変更となりました。変更内容は、次のとおりです。 新規加入、変更の手続 従前 加入(変更)を希望する日前 14 日間 変更後 加入(変更)を希望する日前 30 日間 脱退の手続 従前 脱退を希望する日以前 14 日間(※脱退は当日の手続も可能) 変更後 脱退を希望する日以前 30 日間(※脱退は当日の手続も可能) 給付基礎日額変更の 事前申請 従前 3 月 18 日から 3 月 31 日までの 14 日間 変更後 3 月 2 日から 3 月 31 日までの 30 日間 これにより、以前に比べると、余裕を持って労災保険の特別加入手続を行うことができるようになりました が、手続に遅れが生じると、補償対象とならず、無保険の期間ができてしまったり、余分な保険料を支払う こととなってしまいますので、手続は計画的に行うようにしましょう。 <参考リンク> 厚生労働省「平成 26 年 10 月1日から労災保険の「特別加入」の加入・脱退などの手続き期間が広がります。」 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000059520.pdf

日本政府 ルクセンブルクとの社会保障協定締結へ

2014 年 10 月 10 日、日本政府は、東京において「社会保障に関する日本国とルクセンブルク大公国と の間の協定」(日・ルクセンブルク社会保障協定)の署名を行いました。 現在、日本・ルクセンブルク両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者(企業駐 在員など)には、日本・ルクセンブルク両国の年金制度および医療保険制度等への加入が義務付けられ ているため、社会保険料を日本と現地とで二重払いしなければならないという問題が生じています。今回 の日・ルクセンブルク社会保障協定は、この問題を解決することを目的としており、この協定が効力を生ず れば、派遣期間が 5 年以内の一時的なものであれば、原則として、派遣元国の年金制度および医療保険 制度等にのみ加入することとなります。また、両国での保険期間を通算してそれぞれの国における老齢年 金の受給要件となっている年数を満たせば、年金を受給することができます。 今回の署名を受け、外務省は今後この協定の締結について、国会に承認を求めることを予定していま す。 なお日本は、これまでに 17 か国と社会保障協定を締結しており、ルクセンブルクとの協定は 18 番目 のものとなります。 協定が発効済の国 署名済未発効の国 ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、 オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー イタリア、インド、ルクセ ンブルク <参考リンク> 厚生労働省「日・ルクセンブルク社会保障協定の署名」 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000060564.html

(4)

中国「新・安全生産法」が公布。重大事故発生で最高 2000

万元の罰金も。

先般開催された第 12 期全人大常務委員会第 10 回会議では、改正安全生産法が多数の票決によって 採択されました。この安全生産法では生産型企業での違法行為に対する処罰の度合いをさらに強化し、 重大な事故が発生した場合、最高で 2,000 万元の罰金に処することが盛り込まれています。 改正後の安全生産法は、生産安全事故が発生した企業に対し、発生した事故の等級に応じて 20 万元 から 2,000 万元までの罰金に処するとし、特に重大な事故が発生した場合には 500 万元以上 1,000 万元 以下、その中でも死亡者を出すような深刻な事故の場合は 1,000 万元以上 2,000 万元以下の罰金に処す るとしています。 生産型企業の主要な責任者が安全生産管理という職責を誠実かつ具体的に履行していないことによっ て生産事故が起きた場合は、その事故の等級によってその責任者の前年度の年収の 30%から 80%の罰 金を科すこととしています。また、生産型企業の主要な責任者は、重大あるいは非常に重大な事故と認定 された場合、かつその事故の発生に明確な責任がある場合には、政府によって管理されるブラックリストに 載せられ、その責任者は今後、同様の企業の生産責任者に就くことが禁じられる措置も講じられました。 このように、政府による責任の所在の明確化、事故の発生に対する責任処罰の強化を明記したことによ り、改正安全生産法はその内容に大きな進展を遂げたと評価されています。国務院と県級以上の各級政 府が安全な生産協調体制を確立し、生産型企業を安定的に運用し、万が一安全生産の監督管理におけ る重大な問題が発生した場合には、速やかに解決の対策を講じるものとしています。また、郷、鎮人民政 府などが当行政区域における安全生産への指導を強化するものとするという規定も追加されました。 社会から大きな関心が持たれた事故への調査については、改正安全生産法において、事故調査に関 する報告は法律によって遅延なく社会に向けて公示するものとするという新たな規定が追加されました。改 正後の安全生産法は 2014 年 12 月 1 日より施行されています。 出所:2014 年 9 月 1 日「京華時報」 訳:プレシード <生産安全事故が発生した企業に対する罰金> 事故の程度 罰金額の範囲 事故が発生した場合 20 万元以上 2,000 万元以下 特に重大な事故が 発生した場合 500 万元以上 1,000 万元以下 死亡者を出すような 深刻な事故の場合 1,000 万元以上 2,000 万元以下

(5)

中 国 人 事 労 務

コ ラ ム

中国の従業員が求める賃金の支払とは?

中国で従業員を新たに雇用した場合や、毎年 の昇給時期になると決まって聞こえてくるのが、 「手取り給与」という言葉です。例えば、日本で新 卒者の賃金を決めたり提示する場合は「月額 20 万 円」などと書きますが、この 20 万円の中には所得 税も住民税も、社会保険料も含まれているわけで すが、中国ではこのように控除される給与を引かれ た後、実際に手元に残る賃金こそが従業員の興味 が注がれる対象になります。したがって、新規に従 業員を採用する場合でも、「手取りで 3,000 元欲し い」というような言い方になりますし、一方の管理者 もよくわかっていますので、「手取りでいくらが希望 ですか?」という言い方をするわけです。日本でも 人によっては控除後の賃金をこっそり計算している 方もいるかも知れませんが、このような手取り賃金 が話題になることなど、そうそうありません。 ところがこの「手取り賃金」が案外曲者です。そ のひとつは、手取り賃金だけだと安く感じる賃金で あっても、中国の場合、社会保険料が結構高額に なったりしますので、見かけの賃金よりも社会保険 料や所得税を上乗せした「総額賃金」がかなり高 めになります。ところがよく考えてみると、本人に対 しては手取り保証を行っているわけですから、本来 本人が負担すべき所得税や社会保険料は、実は 会社が負担していることと同じ意味合いになるので す。ということは、実際本人に支払うべき賃金以外 の人件費が非常に高額なものになってしまいます。 手取り賃金には、正確な人件費が見えにくくなる、 といった問題があるのです。 もうひとつの問題は、中国では従業員の戸籍に よって管理されているため、戸籍のある場所によっ て、例えば農村戸籍の従業員の社会保険料が都 市戸籍の従業員よりも高い場合があります。その 場合、手取り賃金は都市戸籍の従業員の方が高 いのに、総額賃金になると逆転してしまうこともあり ます。昇給はあくまでも総額に対して行うので、そう なると総額が高い従業員の昇給の方が高くなって しまうという不公平も生じます。ただ、会社を設立し たばかりのときはこのような習慣であってもわからな いことも多く、従業員が望んでくるように手取りで賃 金を決定しているケースがほとんどで、会社を運営 していくうちにこのような課題も徐々にわかってくる ものです。見かけの賃金は安く見えても、実際の人 件費は非常に高額である、従業員間で不公平が 生じる、等々、このように手取り賃金で管理を行っ ていると、様々な弊害が起こって来ます。ですから、 ある程度従業員が増えてきたところで、一気に総 額で賃金管理を行った方が賢明です。その場合 は手取りから逆算して総額を求め、それに合わせ た賃金テーブルを作って賃金の決定や昇給管理 を行うなど、企業としてもどこかの時点で対策を講 じる必要があるでしょう。 (執筆:プレシード 中国人事労務コンサルタント 清原学)

(6)

海 外 赴 任

コ ラ ム

定めておきたい赴任者・出張者の感染症対策ルール

「海外赴任規程」の策定においては、赴任者に 支給する賃金や住居等に関する処遇について定 めるケースが一般的です。具体的にどのように賃 金が支払われるのかを諸手当のあり方も含めてま とめたり、住居についても単身者や家族帯同者、 それぞれでどの程度のグレードのサービスアパー トメント等に居住することができるのか等をルール 化しておくことで、海外赴任者の管理を画一的に 行うことができるのです。 ところが、そういった規程による運用の中で、意 外にも多くの企業で定められていない事項があり ます。それは、海外赴任者の現地における感染症 対策です。日本においては馴染みのない感染症 も、現地に行けば日常的に感染をする病気も少な くありません。2014 年夏に耳にすることが多かった デング熱などはその代表例ではないでしょうか。ま た、海外の現地においての感染症として悪名高い 狂犬病については、日本からの赴任者が多い中 国国内においても年間 2,000 人超、インドにおい ては年間 20,000 人超(厚生労働省調べ)の発生が 報告されていることは意外にも知られていません。 そういった感染症は、デング熱やエボラ出血熱の ように爆発的な感染といった状況になって初めて 日本の本社は関心を示しますが、通常はまるで無 関心です。しかし、実際に海外において生活をし ていると、衛生面の不安を感じることがあったり、野 良犬を多く見かけたりしますので、海外赴任者の みならず帯同家族においても、気になるところです。 現地において感染症に罹患をするのではないか、 という不安を払拭させるには、少なくとも赴任前に 現地において発生している疾病等についての発 生状況を確認した上で、予防接種を行っておくこと を考えていかなければなりません。もっとも、中国 の上海市内の都心部にしか滞在をしないというの であれば、その必要性は低いでしょうが、現地に赴 任をすると地方への出張も少なくないでしょうから、 厚生労働省等の発表資料や情報によって、対応 を判断する必要があります。 こうした対応を企業が考えることによって、現地へ の赴任者は安心して働くことができるのみならず、 日本の家族も安心をさせることができるものと思い ます。 <アジアでの狂犬病の発生状況> 国名 発生人数 インド 約 20,000 人(2008 年) 中国 2,466 人(2008 年) バングラディシュ 約 2,000 人(2006 年) ミャンマー 約 1,100 人(2006 年) フィリピン 約 250 人(2008 年) 2013 年 7 月 厚生労働省調べ

(7)

外 国 人 雇 用

コ ラ ム

留学生を新卒採用する際の注意点

今回は、新年度を迎えるこの時期になると、企 業の担当者が不安を感じることが多い、留学生を 正社員として新卒採用する際の在留資格の変更 について紹介します。 1.新卒採用に必要となる在留資格の変更 日本に滞在する外国人は、必ず何らかの在留 資格を持っています。留学生が、日本の大学など の教育機関に学生として学びに来ている場合は、 「留学」の在留資格に該当します。この「留学」の 在留資格は、入国管理局に許可を得て短時間の アルバイト行う場合を除き、就労をすることが認め られていないものです。 さらに、大学などの教育機関を卒業し、学生とし ての身分がなくなれば、「留学」の在留資格の対 象からは外れることとなるため、日本で新卒採用 者として就職するには、在留資格を「留学」から就 職後の業務に応じたものへと変更することが必要 となります。具体的には、入国管理局において、 在留資格の変更許可申請を行うことが求められま す。 この申請手続は、4 月入社に向けて、毎年 12 月 から各入国管理局において受付が開始されます (各入国管理局によって受付開始時期に異なりが ある場合があります)。学生本人でも申請はできま すが、学生に任せきりにしていると、申請手続が 必要なこと自体を知らなかったり、申請に不備があ り不許可となったり、あるいは申請が遅く、就労許 可が入社日までに間に合わず、就労ができないと いうこともあるので、企業が積極的にサポートを行 うことが望ましいでしょう。 入国管理局や申請手続を代行する行政書士も 年末から春にかけては、このような手続申請が増 えることにより、繁忙期となるため、早めに申請や 依頼をしておくことが必要となります。 2.そもそも就労が認められない場合も ただ、1.で紹介をしたケースは、在留資格の変 更が問題なく許可される場合の話です。日本で外 国人の就労が認められているのは、専門的な知 識や技能をもっている場合に限られており、いわ ゆる単純労働を継続的に行わせることは認められ ていません。 そのため、多店舗展開している企業では、学生 時代に例えば飲食店で調理や接客などのアルバ イトをしていて、働きぶりがよいので、そのまま正社 員になってもらおうとする例がよくありますが、(外 国料理の調理師でなく)簡単な調理や接客は、い わゆる単純労働の提供にあたるため、卒業後に正 社員として学生時代と同じ業務内容をしてもらうこ とはできないのです。これは、店長にするという場 合であっても同様で、多店舗展開しているうちの 1 店舗の店長ということでは、「投資・経営」の在留 資格の対象にはあたらず、就労が認められません。 留学生を新卒採用する場合には、本人が学生 時代に専攻し学んできた分野の内容に即した業 務や母国語を活かした業務に就労させることが必 要となります。この点が日本人を新卒採用する場 合とは大きく異なるので、内定を出したのに、就労 許可がおりなかったとならないよう、あらかじめ留 意しておく必要があります。 <参考リンク> 入国管理局「各種手続案内」 http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/

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世 界 各 国 の

労 働 法 制

台湾(中華民国)

1.概況

2.祝祭日

台湾の祝祭日は、以下のとおりです。なお、祝 祭日の具体的な日付は毎年異なります。 <2014年の場合> 日付 祝日の名称 1 月 1 日 元旦 1 月 31 日 ~2 月 6 日 春節(旧正月) 3 月 8 日 婦女節 ※女性のみ対象(半休) 4 月 5 日 4 月 7 日 清明節 5 月 1 日 ~5 月 3 日 労働節(メーデー) 5 月 4 日 青年節 ※14 歳以上 28 歳以下の青年のみ(半休) 6 月 1 日 児童節 ※14 歳未満の児童のみが対象の祭日 6 月 2 日 端午節 8 月 1 日 中国人民解放軍建軍紀念日 ※現役軍人のみ対象(半休) 9 月 8 日 中秋節 10 月 1 日 ~10 月 7 日 国慶節(建国記念日)

3.雇用契約

雇用契約には、期間の定めがあるものと期間の 定めがないものに分かれます。期間の定めがある 契約を結ぶことができるのは、臨時的、短期的、季 節的、特定の労働の場合に限られます。継続性の ある労働の場合には、期間の定めのない契約を結 ばなくてはなりません。

4.就業規則

30 人以上の従業員を雇用する場合には、法律 に定められた項目について規定した就業規則を作 成し、行政機関に提出し、公開をしなければなりま せん。

5.労働時間・休憩・休日

労働時間 1 日について 8 時間、2 週間について 84 時間 を超えてはなりません。 休憩時間 継続して 4 時間就労した場合は、少なくとも 30 分の休憩を与えなければなりません。 休日 定休日として、7 日に少なくとも 1 日の休日を与 えなければなりません。 時間外労働 組合(労働組合がない場合は労使会議)の同意 を得た場合に実施できますが、1 日につき 4 時間 (通常の労働時間と時間外労働を合わせて 12 時 間)を超えてはなりません。また、時間外労働の総 時間は、1 ヶ月で 46 時間を超えてはなりません。な お、天災事変等によりそれ以上の時間外労働を要 する場合は、組合に通知または管轄の行政機関 に届出をする必要があります。 このコーナーでは毎回 1 つの国を取り上げ、 その国の労働法制について紹介します。 今回は、台湾(中華民国)です。 国 名:台湾(中華民国)(Taiwan) 面 積:36,192 平方キロメートル(九州とほぼ同じ) 人 口:2,337 万人(2013 年末時点/出所:内政統計年報) 言 語:中国語(公用語)、閩南語(台湾語)、客家語 宗 教:仏教、道教、キリスト教 公用語:中国語(公用語)

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6.割増賃金

時間外労働については、下表に基づく割増賃 金を加算して賃金支払いをしなければなりません。 1 日の時間外労働 割増賃金額 2 時間以内 通常時の 1/3 倍加算 2 時間超 4 時間以内 通常時の 2/3 倍加算 天災事変の場合 通常時の 2 倍支給 なお、休日に労働をさせる場合には、通常時の 2 倍の給与を支給する必要があります。

7.年次有給休暇

年次有給休暇は、勤続年数に応じて、毎年、下 表の日数を与えなければなりません。 勤続年数 付与日数 1 年以上 3 年未満 7 日 3 年以上 5 年未満 10 日 5 年以上 10 年未満 14 日 10 年以上 1 年ごとに 1 日追加 (最大 30 日)

8.年少者

15 歳未満の者 原則として雇用してはなりません。 15 歳以上 16 歳未満の者 年少労働者とされ、以下の取扱いがあります。 年少労働者の取扱い ○重く危険な労働に従事させてはならない。 ○法定代理人同意者および年齢を証明する書 類を備え置かなければならない。 ○労働時間は、1 日 8 時間、週 40 時間を超え てはならない。 ○休日労働してはならない。 ○午後 8 時から翌朝 6 時までの時間帯に働い てはならない。

9.女性労働

深夜労働の制限 企業が女性を夜 10 時から翌朝 6 時までの時間 帯に就業させることは原則として禁止されていま す。ただし、労働組合(労働組合がない場合は労 使会議)の許可を得て、以下の条件を満たす場合 には認められています。 (1)必要な安全衛生設備の提供。 (2)通勤に公共の交通手段が利用できない場合、 それらに代わる交通手段または宿発施設の提供。 なお、妊娠および授乳期間中の深夜労働は禁 止されており、健康上その他正当な理由がある場 合には深夜労働を強制することはできません。 妊娠・出産・育児 妊娠・出産・育児に関しては、次の取扱いに基づ いて雇用しなくてはなりません。 妊娠・出産・育児に関する取扱い ○出産前後に 8 週間の産休を与える。 ○妊娠 3 ヶ月以上経過、その後に流産した場 合、4 週間の産休を与える。 ○産休中の給与は、勤続 6 ヶ月以上の場合は 全額補填、6 ヶ月未満は半額を補填する。 ○配偶者が出産する際は、3 日間の出産休暇 を与えなければならない。 ○1 歳未満の乳児に対する授乳期間に限り、休 憩時間以外に 1 回 30 分、1 日 2 回の授乳時 間を与える。授乳時間は労働時間とみなす。 ○勤続1年以上の者は、子が満 3 歳になるま で、2 年間を上限として育児休業を取得する ことができる。

10.定年

企業は、原則として満 65 歳以上でなければ定 年退職をさせられません。なお、以下の年齢に達 した従業員は自ら定年退職の申し出が可能です。 自ら定年退職の申し出ができる従業員 (1)勤続年数 15 年以上で満 55 歳以上の者 (2)勤続年数 25 年以上の者 (3)勤続年数 10 年以上で 60 歳以上の者

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11.解雇

解雇予告 企業側が一方的に労働契約を解除する場合に は、以下の予告期間を設けなければなりません。 勤続年数 予告 3 ヶ月以上 1 年未満 10 日前までに 1 年以上 3 年未満 20 日前までに 3 年以上 30 日前までに この予告を行わず解雇をした場合には、予告期 間の賃金を支払わなければなりません。 解雇手当 企業側が一定の事由により、労働契約の解除 をする場合には、満 1 年ごとに1ヶ月の平均賃金 に相当する解雇手当を支払う必要があります。

12.各種休暇

法令で、次の各種休暇が定められています。 忌引休暇 対象となる親族が死亡した際には、次の有給休 暇を与えます。 対象親族 日数 父母、養父母、継父母、配偶者 8 日 祖父母、子、配偶者の父母、 配偶者の養父母または継父母 6 日 兄弟姉妹、配偶者の祖父母 3 日 結婚休暇 結婚する際は、8 日間の有給休暇を与えます。 傷病休暇 傷害、疾病または生理を理由に、治療や休養 を必要とするときは、以下の範囲内において傷病 休暇を申請することができます。 (1)入院していない場合は、1 年のうち、30 日まで。 (2)入院した場合は、2 年のうち、計 1 年まで。 (3)両者を合わせ、2 年のうち、計 1 年まで。 公傷休暇 業務災害により障害、傷害、疾病となった場合 は、公傷休暇となります。 自己都合休暇 従業員は、自己都合による休暇を 1 年のうち 14 日以内であれば申請することができます(無給)。

13.職業災害補償(労災補償)

従業員が労働災害により、死亡、身体障害、傷 害、疾病を被った場合には、使用者は以下の補 償をしなければならないとされています。 補償 内容 医療費用 の補償 治療に必要となる医療費を補償す る。 賃金補償 治療で労働できない期間、従来の 賃金を補償する。ただし、満 2 年 に達しても完治せず、障害の給付 を受けられないときは、40 ヶ月分 の平均賃金を一括で支給すること で補償責任が終了する。 障害補償 障害の程度に応じて、法令に定め られた補償額を一括支給する。 死亡補償 平均賃金の 5 ヶ月分を葬祭費とし て、40 ヶ月分を死亡補償として、 遺族へ一括で支給する。 参考:日本貿易振興機構(ジェトロ)ホームページ等

次号予告

次号(2015 年春号)は、2015 年 4 月 15 日 発刊予定です。「世界各国の労働法制」の コーナーでは、タイを取り上げる予定です。 <免責事項> 当ニュースレターの掲載内容につきましては、細心の注意を払っておりますが、掲 載内容の正確性、有用性、確実性について当事務所が一切を保証するものではあり ません。また、当ニュースレターに関連して損害等が生じた場合であっても、その理由 の如何に関わらず、当事務所は一切の責任を負うものではありません。

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