新型コロナウィルス流行と
高齢化社会における総合病院
NCGM
国立国際医療研究センター
理事長
國土典宏
令和2年11月16日
NCGM
NCC 国立がん研究 センター6つのNational Center
(国立高度専門医療研究センター)
NCGG 国立長寿医療 研究センターG
lobal Health Contribution
➢ 国際医療協力・人材育成と地球規模人間の安全保障へ
の貢献
G
rand General Hospital
➢ すべての病態・感染症に対応できる総合病院、誰一人
取り残さない医療
G
ateway to the Precision Medicine
➢ ゲノム医療と個別化医療、高度先進医療の研究拠点
Republic of Senegal 岩田 ○ ○ ~17.11.15 Democrati c Republic of the Congo Republi c of Zambia Socialist Republic of Viet Nam 園田 ○ ~18.05.17 西原 ○ ○18.05.15 Kingdom of Cambodia
NCGM Staffs Abroad
2017現在 長期海外派遣職員 Republic of the Union Myanmar 小川 ○明 ~17.06.09 野崎 ○ ~17.11.14 Papua 西本 ○ ○ ~18.01.26 水水 ○ ○ ~17.04.18 清水 ○ ○ ~17.08.16 野村嶋 ○ ○子 ~17.04.14 Mongoli a 大島 ○ ○ ~17.05.17 金田 ○ ○ ~17.04.18NCGM国立国際医療 研究センター病院 2020.11.1 現在 人口 (人) 高齢者(65歳 以上の割合
NCGMセンター病院
外国人患者数(入院と外来)
過去5年間の推移
外来初診患者数 新入院患者数 (人) (全体の12.5%) (全体の5.7%) (注)2016年1月より電子カルテで国籍情報が必須項目となった為、2017年度以降の数値が2016年度までと異なる。外 国 人 患 者 数
73ヵ国
中国 韓国 ベトナム 米国 ミャンマー ネパールNCGMセンター病院外科における
高齢者(75歳以上)と鏡視下(低侵襲)手術の頻度
大腸がん 肺がん 胃がん 肝がん 膵がん 肺がん 胃がん 肝がん 大腸がん%
高齢者
%
鏡視下手術
NCGMが過去に経験した健康危機対応
兵隊假病院 東京陸軍病院 ペルー大使館 人質事件 SARS 中国・ベトナムCOVID-19
武漢帰国者 クルーズ船 スペインかぜ エボラ出血熱 コンゴ民主共和国 新型インフルエンザ (A/H1N1) エボラ出血熱 アフリカ西部 デング熱 MARS新感染症対応訓練
2019.7.26
コロナ前最後の中国出張
昆明→長沙 2020.1.17-20
2020.1.23
Covid-19対応
総合病院機能
重症・中等症患者
の治療
地域医療
PCRスポット
軽症者ホテル運営
疫学
ゲノム解析
患者レジストリー
診断法開発
抗体・抗原検査
重症化予測
治療法開発
新薬・回復者血漿療法
(ワクチン)
検疫・クラスター
対応
政府・都への情報
提供と助言
武漢帰国者対応2020.1.29-2.17
通算5便:829名(うち793名をスク
リーニングして48名(5.8%)陽性)
0 0 0 0 0 0 0 0 01 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2627 3131 30 36 34 33 38 44 41 45 43 47 44 39 4242 35 3232 35 28 31 33 35 3435 39 3333 23 26 2828 31 28 25 30 24 20 2627 2021 22 25 20 1819 222322 20 17 20 15 18 13 10 13 1212 10 1212 11 15 9 14 13 6 56 10 13 15 12 8 13 15 12 10 13 9 8 7 9 15 20 19 21 1717 24 19 23 22 17 21 17 23 2626 30 23 25 24 222322232322 26 28 30 27 26 20 24 17 6 6 7 8 7 7 7 7 8 8 8 8 8 6 6 6 6 6 7 8 6 6 7 7 6 6 6 6 5 4 4 4 4 4 4 4 4 3 4 4 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 機 器 使 用 患 者 数 在 院 患 者 数 軸ラベル (※疑い症例含む) ECMO COVID-19在院患者数 人工呼吸器
NCGMセンター病院Covid-19在院患者数の推移
人工呼吸器 ECMO重症度 収容人数 診療体制 Phase
1
酸素投与が必要 人工呼吸 人工呼吸+ECMO 10名 2名 1名 疑い例:内科系診療科 確定例:救命救急科、呼吸器内科、腎臓内科、 DCC、ACC 重症度 収容人数 診療体制 Phase2
酸素投与が必要 人工呼吸 +ECMO 20-40名 6名 内2名 疑い例:内科系診療科 確定例:救命救急科、呼吸器内科、腎臓内科、 DCC、ACC 適宜他科も応援人工呼吸器装着患者が4名でPhase2へ
状況を見ながら判断
COVID-19の発生状況と診療体制
NCGM/20200401版定時手術80%
定時手術50%
手術室ゾーニング
COVID陽性ゾーン
OR10(陰圧室)
OR7, 8, 9, 11, 12,
13, 14
COVID陰性ゾーン
の手術室
OR1, 2, 3, 4, 5, 6
OR11 OR8 OR10 ビ ニ ル カ ー テ ン OR7 OR9 OR14 OR13 OR12 予定手術 (COVID-)の入退 室陰圧室
軽 症 化 ホテル 自宅療養 ・区医師会 ・区薬剤師会 ・ 病状悪化 軽 症 化 NCGM 東京医大 慶應大 大久保 重 症 化 重症 軽~ 中等症 軽症 女子医大 東京都 ベッド コントロール 新宿区新型コロナ 検査センター PCR + Sat O2 質問票に記載 新宿区医師会等 各診療所による 電話/対面診療 新宿区 保健所 ※必要な検査・投薬 紹介状 発生届 協力 スタッフの派遣 ・各病院 NCGMを窓口とした各病院の 病床確保の調整 連携 ベッドコントロール JCHO山手 JCHO新宿
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 検査・医療提供体制
案 内 帰国者・接触者外 NCGM 情報 聖母 2020.08.01改訂 軽症・ 有症状濃 厚接触者新宿区
PCR検査スポット
97 74 101 10792 107 168156 136149135 215 186 146 210 154 134 109123 -20.0% -10.0% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 100 150 200 250 300 350 患 者 数 ( 人 ) 新宿区新型コロナ検査スポット患者数推移 -:陽性率
検査数総計5,977
うち陽性1,335(22.3%)
重症化しやすい人
• 65歳以上の人
• 老人ホームや介護施設
に住んでいる人
• 慢性呼吸器疾患、中等症~重症の気管支喘息
• 重篤な心疾患
• 免疫不全患者(治療中の
がん
、臓器移植、HIV感染症など)
• 重度の肥満(BMI40以上)
• 糖尿病
• 透析・慢性腎疾患
• 肝疾患
○ 協力医療機関から登録された症例は、6月6日以降に入院した症例において、6月5日 までに入院した症例よりも高齢者の割合が低い。 0 100 200 300 400 500 600 700 800 6月5日以前の入院 6月6日以降の入院
新型コロナ患者レジストリー
0 100 200 300 400 500 600 700 800 6月5日以前の入院 6月6日以降の入院第1波
第1波
第2波
第2波
3,336人
2,011人
施設にいる高齢者全体のうち何%がコロナで亡く
なったか
• ドイツ
0.4%
• スウェーデン
2.8%
• イギリス
5.3%
• スペイン
6.1%
• 日本
0.01%以下
新型コロナ対応
民間臨時調査会で
も高く評価された
知られざる日本のコロナ対策
「成功」要因──介護施設
日本の介護関連行政と介護施設が非常に初期の段階で、コロナ対策を開始 1月29日:厚労省が各自治体の介護保険担当者に新型ウイルスについての周知 2月24日:面会制限指示→多くの介護施設側は面会禁止の通知と受け取る2月末までには介護施設の「ロックダウン」
通所サービスなどで自主休業もしくは利用手控え
2月と3月の利用率が著しく減少 従来からインフルエンザ等への対策がなされ施設内でルーティン化
高齢者施設内に感染対策委員会を設置するなど、細やかなガイドラインとマニュアルの整備 インフルエンザ流行時には高齢者施設の面会制限などが以前から行われてきた 施設の「ロックダウン」に関して入所者の家族らが慣れていた 2020年7月16日Newsweek日本語版 国内感染者累計141名発熱・肺炎あり、在宅にてPCR検査
を施行した
疑似事例
2015年7月より、訪問診療・訪問看護導入
2019年2月 38度 肺炎・心不全
【インフルエンザ迅速検査】陰性→DNARであるが病院入院希望
3月自宅退院
2020年5月1日 痰切れにくい、SpO2 86% 左肺湿性ラ音 36.3
度→【採血】
在宅酸素導入
97才
女性
独居
要介護4
廃用症候群
変形性腰椎症
胸椎圧迫骨折
難聴高度(筆談)
高血圧
鼻腔よりPCR検査
(保健所に連絡、行政検査)
標準予防策+フェイスシールド、キャップ装着
咳嗽反射、飛沫なし
在宅での
PCR検査
5月2日【血液検査】
5月3日 保健所より連絡
新型コロナウィルスPCR陰性
点滴は希望されず
5月11日 自宅にて呼吸停止、亡くなる
死亡診断書:肺炎 と記入
甥御様より「新型コロナウィルスではないことを
書いていただけませんか」と依頼あり→「PCR検
WBC : ↑10000
好中球 : ↑90.2%
CRP定量 : ↑0.33
プロカルシトニン : ↑0.31
BNP : ↑816
担癌状態はCovid-19重症化のリスク
死亡 死亡 血液がん 肺がん 消化器がん 乳がんCOVID-19流行以降、
Covid-19流
行時にがん
の治療を延
期すべき
か?
延期すべきでない
延期すべき
食道がん
肝がん
膵がん
今後の展望
Covid-19を
克服するた
めには?
PCR検査体制
の充実
COVID-19の診断法の推移:結果が短時間で出せる院内PCRヘ移行
【院内検査】 ・定時測定(10時〆切分:前日15時~当日10時までの検体):3-4時間で結果 ・2020年8月6日から術前PCR、緊急入院(コロナ感染蓋然性の高い例)に対して迅速PCR(1時間程度)で対応 患者数(人) 0 20 40 60 80 100 120 2 0 2 0 /3 /9 2 0 2 0 /3 /1 6 2 0 2 0 /3 /2 3 2 0 2 0 /3 /3 0 2 0 2 0 /4 /6 2 0 2 0 /4 /1 3 2 0 2 0 /4 /2 0 2 0 2 0 /4 /2 7 2 0 2 0 /5 /4 2 0 2 0 /5 /1 1 2 0 2 0 /5 /1 8 2 0 2 0 /5 /2 5 2 0 2 0 /6 /1 2 0 2 0 /6 /8 2 0 2 0 /6 /1 5 2 0 2 0 /6 /2 2 2 0 2 0 /6 /2 9 2 0 2 0 /7 /6 2 0 2 0 /7 /1 3 2 0 2 0 /7 /2 0 2 0 2 0 /7 /2 7 2 0 2 0 /8 /3 2 0 2 0 /8 /1 0 2 0 2 0 /8 /1 7 2 0 2 0 /8 /2 4 2 0 2 0 /8 /3 1 2 0 2 0 /9 /7 2 0 2 0 /9 /1 4 2 0 2 0 /9 /2 1 2 0 2 0 /9 /2 8 2 0 2 0 /1 0 /5 2 0 2 0 /1 0 /1 2 2 0 2 0 /1 0 /1 9 外注PCR 院内PCR 院内抗原定時手術(移動困難例) COVID感染 の判断 手術前日までに結果の確認 陰性 DCCに相談