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第3回 大津市歴史文化基本構想策定検討会議
議事概要
1. 日 時:平成 31 年1月 22 日(火)15:00~17:15 2. 場 所:大津市歴史博物館 講堂 3. 出席者 区分・専門 氏名 所属・役職 備考 学識 経験者 建築 島田 敏男 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 文化遺産部文化遺産部長 欠席 建築 石田 潤一郎 武庫川女子大学客員教授 絵画 川本 桂子 美術史家 彫刻・工芸品 岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館 上席研究員(兼)美術室長 書籍・典籍、 古文書、歴史資料 下坂 守 京都国立博物館名誉館員 座長 史跡・名勝・ 孝古資料 瀧浪 貞子 京都女子大学名誉教授 史跡・名勝・ 孝古資料 鈴木 久男 京都産業大学教授 民俗文化財 無形文化財 伊達 仁美 京都造形芸術大学教授 欠席 都市計画 大場 修 京都府立大学大学院教授 その他 必要と 認める 者 自治連合会 代表 仲川 欣伸 瀬田東学区自治連合会会長 観光関係者代表 井上 敏 びわ湖大津観光協会専務理事 文化財所有者 代表 福家 俊彦 園城寺執事長 副座長 公募 柴山 直子 有限会社柴山建築研究所代表 オブザーバー 仲川 靖 滋賀県教育委員会文化財保護課主幹 事務局:大津市教育委員会(舩見教育長、山口課長、和田副館長、田中課長補佐、杉江主査、 西中主任、柿本技師) 株式会社スペースビジョン研究所(宮前(所長)、徳勢) 傍聴者:無し 4. 資料 ・次第・配布資料一覧 ・大津市歴史文化基本構想策定会議名簿(平成 31 年1月 22 日現在) ・資 料 1:大津市歴史文化基本構想(案)(事前送付) ・参考資料1:第2回大津市歴史文化基本構想策定検討会議後の主な修正事項(事前送付) ・そ の 他 1:「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部を改正する法律 の概要 ・そ の 他 2:歴史文化基本構想策定事業 関連講座(案内リーフレット)5. 議事要旨 【第1~2章について】 ●1 章の構想策定の背景と目的では、大津市の歴史文化の特徴と取組姿勢をわかりやすく記載すべき。 ●2章の取りまとめ方については、他都市の事例も参考に、大津市の歴史文化との関わりが分かるよ うに項目の追加、削除も含めて再構築すべき。 【第3章について】 ●3-1のタイトルを「地域の歴史」から「大津の通史」などと修正した方が良い。 ●大津の歴史の記載の基本文献、参考文献を巻末に提示すべき。 ●中世が大津の特徴を為す時代であるので、もう少し強調すべき。 ●3-2の指定等文化財の「時代」の欄は、時代区分の基準をどこかに加筆すべき。 ●3-2の未指定の文化財については、調査方法や未指定文化財の特徴、課題について記載し、文化 財別の割合などは強調しなくても良い。 ●3-5の活用の課題はもう少し具体的に記載すること、文化財分野別の課題を整理することなどを 再検討すべき。 ●埋蔵文化財分野では、発掘調査の記録、データも大量に残っているが活用されていない。行政だか らできるのだという情報公開が必要。 【第4章について】 ●活用については、3-5の課題も受けて、大津の目指すべき方向性を書き込むべき。 ●文化財の種別等に応じて活用の方針を書き分けた方が良い。 【参考資料について】 ●未指定の文化財の出典を表のなかで記載可能であれば追加記載をすべき。 ●文化財の存否の確認作業の結果、失われたものがあっても一覧表に滅失したことを記載すべき。
3 6. 議事概要 (1)開会・挨拶 (舩見教育委員会教育長) (2)出席者紹介・配布資料確認 (3)第2回検討会議後の主な修正事項と第3回会議の議題について報告 (4)議事 【議事1.「大津市歴史文化基本構想(案)」について】 〇1~2章について 委 員:地質や地勢についての記述があるが、これは項目として歴史文化基本構想策定のガイドライ ンなどで決められたものか。 事 務 局:文化庁のガイドラインの構成に添ってとりあげている。自然環境は地域の歴史に影響を与え ているということもあり、記載している。 委 員:そうであれば、構造的な説明を補足すれば良いと思うが。 委 員:2章で大津市の社会環境と自然環境、3章で大津市の歴史文化について記載される構成とな っているが、2章と3章のつながりが弱いと感じる。他都市の歴史文化基本構想で社会・人 文環境という項目を設けている構想もあり、祭り、行事や工芸、美術について記載されてい る。大津市の歴史文化基本構想では、祭り、行事について、参考資料には一覧表が記載され ているのみである。例えば、他都市のように、どんな時期にどんな特色がある祭り、行事が されているかを年中行事としてまとめたものを追加してはどうか。全てを羅列する必要はな いので、代表的なものを抽出して簡潔に整理することを検討してはどうか。また、大津市に は工芸や美術で特筆すべきものは少ないが、大津絵などの失われてしまったものも含めて、 記載できるものがあると思う。それらの説明なしで歴史文化に移行すると、全体のバランス がよくないため、2章に追加してはどうかと思う。自然環境も歴史文化に係る部分は丁寧に 記載し、あまり関係ない部分は省略してはどうか。 事 務 局:他都市の事例も参考に、全体のバランスを見て、再考する。 委 員:社会人文環境の記載を追加してつなぎにすることも考えられる。検討をお願いする。 委 員:地質の図面などを見ると、興味深いと感じる。守山石などは大津の歴史文化にも関係するが、 自然環境との関わりが文中で触れられていない。歴史文化に関する次節の本文とリンクすれ ば良いと思う。 委 員:社会環境、自然環境と節を区分すると科学的な感じがする。気候や風土などの土地柄を示す ことで、歴史文化につながると思う。気候も温暖であること、地質時代からの変動がわかれ ば、歴史文化の助走にむすびつくのではないかと思う。 委 員:2章が異質な感じがするので、既往資料や本文を活かしながら、助走になるように、緩衝材 的な内容を追加してはどうか。 事 務 局:対応を検討する。 〇3章について 委 員:39 頁からは古代から現代までの通史をまとめているが、出典が記載されていない。本文に出 典を組み込むと煩雑になるので巻末に参考文献の一覧表を追加してはどうか。また、65 頁の 未指定の文化財についてまとめてあることは本構想の最大の成果であると思う。参考資料編 にも出典を明記して頂きたい。未指定文化財が現存するかの確認をされようということであ
るが、無いものを表から削除するのではなく、そのままに残して頂きたい。65 頁の本文は未 指定文化財を分野別の割合などについて記載されているが、割合はそれほど重要ではない。 むしろ、どんな調査が行われていて、どんな点が注目点であり、未指定文化財がどういう状 況であるかをまとめた方が良い。また、66 頁以降の課題をきちんとまとめることも必要であ る。課題ということでいうと、大津市の指定文化財のうち、建造物は寺院建築が多く、住宅 は市指定が2件あがっているだけである。住宅系は大津は少ないことを再認識した。近江八 幡市などでは市を代表する民家がある。住宅系の指定文化財が少ないことを登録文化財の登 録で補おうとしているのは良く理解できるので、指定文化財に住宅建築が少ない点を取組の 課題としてあげてはどうか。 事 務 局:通史については、出典は書いていない。本来は各々の事実についての出典をあげるべきかと 思うが、煩雑になるので、基本文献、参考文献を巻末に追加する。また資料編の未指定文化 財については、表のなかで参考文献の番号を記載するなどにより対応可能かと思うが、表を 修正可能かどうか検討する。また、未指定のあるなしについては職員が確認して裏付けをと るようにしている。かつては存在したものについても、リストのなかで無くなってしまった ということを記載するように検討する。保存活用の課題については、5節 75 頁で記載して いるが、再度、現状での課題を明確にするため、わかりやすいような構成にするよう再考す る。 委 員:3-5で課題が総括的に書かれているが、こまかな課題も記載するかどうか再検討をお願い したい。また、建造物に限らず、文献や美術品の課題もあると思うので、分野別の課題の整 理も検討されたい。 委 員:分野別の課題に関連するが、埋蔵文化財分野では、発掘調査の記録は膨大に残っているが出 版されない。写真や報告書に記載されていないデータも大量に残っているが活用されていな い。日の目に触れることなくお蔵入りの状態である。担当者が亡くなったらこうしたデータ は出てこないことになる。埋蔵文化財分野では行政だからできるのだという情報公開が必要 であり、ぜひ、これを機会に進めて頂きたい。担当者でしか分からない課題があると思われ るので、これを課題として取り上げて頂きたい。指定文化財の一覧表で失われたものも記載 されているのは感激した。 委 員:分野別にいろいろ課題もあると思う。建造物、埋蔵文化財、美術工芸など、分野別の課題を あげて頂きたい。 委 員:75 頁の保存に向けた課題は具体的に書かれているが、活用に向けた課題は抽象的な表現にな っている。細かくは書きにくいのかもしれないが、データベースの構築なども含めて、具体 性をもった表現にならないか。 事 務 局:文化庁の研修会で文化財の保存活用の先進事例をテーマとしたシンポジウムがあった。篠山 市や八女市、台東区などの事例では町家の有効活用をしていることや、萩市ではまちじゅう 博物館の取組などの報告があったが、建造物の活用が事例発表の中心になっていた。大津は 未指定の文化財が多いので、神社の祭りなど、活用とは地域のみんなで盛り立てていくこと であると考えている。 委 員:39 頁から地域の歴史について通史が書かれている。この構想は専門家だけでなく市民も目に 触れる機会があると思う。縄文から近代まで大津には実物が存在しており、博物館で展覧で きるという全国でも稀な自治体である。そのため、大津市の歴史文化とは何か、大津市が日
5 本の歴史文化にしめる位置づけを伝えるようなワンフレーズを3章の最初に記載してはど うか。また、大津の歴史では中世が重要であり、山門が占めていた位置は政治、経済、文化 の面で絶大であった。大津には鎌倉時代の新仏教もあるが、山門があることが一番の歴史文 化の特徴である。大津全体の位置づけにも関わるので中世を強調してはどうか。文学でも慈 円が抜けているのではないか。検討頂きたい。 委 員:これが大津の特徴であるということを強調すべきであろう。郷土とは何かが浮かび上がって くる必要がある。個人的意見ではあるが、延暦寺は中世を代表する寺院であり、延暦寺を代 表とする宗教の集中が無くなって近世が生まれたともいえる。中世は延暦寺に象徴されると 思われる。そういう意見を踏まえて検討されたい。 委 員:今の意見に関連するが、伊勢の斎宮について記載されていない。勢多の頓宮が斎宮に関連す るといわれている。勢多の頓宮は近江国府にあったとされている。どこかにこの事項を盛り 込むことを検討して欲しい。 委 員:大津は大坂の繁栄の基礎となった都市である。中世は大津が日本の中心だったという時代で あり、日本の歴史のなかでも重要な位置づけがなされたことを、大津の歴史文化のポイント としてうちだせば良いのではないか。 委 員:63 頁の表に記載されている時代区分は何か出典があるのか。昭和初期はいつを指すかなどを 示したほうが良い。 事 務 局:出典は登録にあたっての文化庁の資料である。時代区分については、滋賀県の目録に示され ているのでそれを示すようにする。 〇4章について 委 員:84 頁に地域計画に移行とあるが、歴史が時系列で書かれている。他都市の事例であるが、多 様性や地域性がある長崎市では人文環境から地区の特徴をまとめ、エリアで歴史文化の特徴 をまとめている。歴史として時系列だけでなく、地域という別の切り口からみることも考え られるのではないか。大津の歴史の特徴を出すには別の切り口もあるのではないか。それに 関連して、1章の背景と目的が大津の特性が反映されていないように感じる。長崎市の歴史 文化基本構想は、第1章に構想の肝になる部分がかかれていて、わかりやすい。ひとつの参 考としてはどうか。また、京都は町家について町家を活性化するため、未指定のものも保全 の担保をしようとしており、建築基準法の緩和を実施して、建築物の活用につながった。空 き家活用と、国宝級の寺社の活用と、埋蔵文化財や美術工芸の活用は分けて考えるべきでは ないか。そのなかで登録有形文化財をどう扱うかを書き込めると良い。建築基準法の緩和も 指定文化財でなければ受けられない。こうしたことも課題となるので、京都市の事例も参考 として記載してはどうか。 委 員:保存と活用は、埋蔵文化財や美術工芸と建造物は異なる。現在は民家などの活用が主体とな っている。大津としての方針をどうするかを検討してはどうか。 事 務 局:大津市では地域毎のストーリーをつくるのではなく、全域を対象としている。7つの地域に 分けるとこれまでのかつての地域の歴史の焼き直しになるので、全市を対象として新たなス トーリー展開を考えている。また、保存と活用は文化財分野によって違うが、文化財の特質 もあるので、そのあたりをどのように書き込んでいくかは議論のポイントになるとは考えて いる。再考する。 委 員:各地の伝建地区での建築物の活用を見ると、同じような感じになっている。愛知県豊田市足
助ではまちなみをあまり変えていない。それぞれの家の歴史は手書きで書いてある紙が貼っ てあったり、昔の面影を留めている。大津の町も下手をするとドリームランドになってしま う。奈良の五条ではお金をかけて町家を高級レストランにしているが気軽に立ち入れる雰囲 気ではない。建築物の活用で大津はどちらを目指すのか。商業ベース中心に他地域からの資 本を入れて活用するのか、地域住民が大事に活用するのか。その意味では、この構想には中 世の堅田の絵図や近江八景を入れて頂きたい。 事 務 局:84 頁に記載のある大津市歴史的風致維持向上計画は、現在、本構想と並行して検討を進めて いる。文化財を核として面的な事業を対象とした計画であり、その計画では、堅田、浜大津、 膳所、石山などの地区レベルで計画を運用していくことになる。本構想は、地域住民が動か したいと思うことを動かしていくきっかけであり、行政はそれを支援していくことになる。 そのために市民遺産制度についても提示している。市民の動きを支援しながら、なんとか市 民の力で歴史文化を守っていこうという方向を考えている。 委 員:金沢市の茶屋街でも建造物を活用しているのは市外の人で、最初は地域の人も賛成したが、 地域の人は少なくなっている。活用をどうするかは考えた方が良い。経済的原理で活性化は しているが歴史文化の観点から見ると町は映画のセットのようになっている。 委 員:観光に関わるものとして、意見を述べる。延暦寺の執行は、「観光は文化財が存在する目的 のひとつである」ということを言われていた。つまり、文化財を観光に活用しながら保存し、 さらなる活用へとつなげ、そして、それが市民の手による歴史文化の保存や活用につなげる ことができれば良いという趣旨であった。大津の歴史文化に興味のない市民もいる。そうい う市民であっても生活文化のなかで歴史文化が誇りになるように、この構想を活用できれば と感じている。歴史文化ストーリーは読み物として素晴らしい。 委 員:市役所から近江神宮までの地域は重要だと思うが、歴史的風致維持向上計画でどのように位 置づけられているのか。 事 務 局:歴史的風致維持向上計画は、国の法律で位置づけられる計画で、重要文化財建造物を核とし て区域を定め、その区域内の環境をまもるための事業を実施していくための計画である。ま ちづくり計画課が担当している。委員会が立ち上がったばかりであり、具体的内容までは決 まっていない。 委 員:目次の3-1のタイトルが「地域の歴史」となっているが、「地域」という用語を使うと混 乱するため「大津市の通史」などとしてはどうか。全般的にはまとめ方は感心している。大 津市は日本の縮図とも言えるさまざまな歴史をもっており、その歴史の重層的があるがゆえ に、これという特徴を一言では表現しにくい。これはやむを得ないことだと思う。地域毎の 割り方をするのは難しいのも事実だと思うが、市民がこの構想を見ていくのであれば、例え ば、地域毎の索引をつくることも検討してはどうか。 事 務 局:先ほども説明したように地域毎となると、坂本、大津は分厚い内容になるが、触れる部分が 少ない地域もあり、そのことが明確に出てくるのは避けたいと思う。地域の人の目に触れた 時に、手がかりになるにはどうしたら良いかを検討する。 委 員:地域というのは7つの地域ということではなく、比叡山と坂本はつながりがある、堅田は琵 琶湖のつながりがあるなどで良い。歴史的風致維持向上計画では、そのような「地域」を扱 っているので、本構想でも地域で何かのくくり方をして、構想と計画をつなげられないかと 思った。90 頁以降の歴史文化ストーリーで、歴史としてくくるものとエリアとしてくくるも
7 のがあるので、ここで地域のくくりについて対応しているということであれば、それで良い と思われる。通史のところは「日本の歴史からみた大津」という位置づけとし、テーマやエ リアでくくった話は後半でしっかりと記されれば良いと思う。他都市の事例を見ると、市民 が読んで、自慢できるような書き方がされており、そういうことも参考としても良いのでは ないか。 委 員:大津の歴史文化は複雑であるのは理解する。今のご意見などを参考に検討頂きたい。 〇その他 事 務 局:今後のスケジュールであるが、5月頃に検討会議を開催する。本日の意見への反映と5章の 部分について意見を頂き、5章の修正については委員個別に確認していただくことを前提に、 この検討会議の確定稿としたい。その後、パブリックコメントを実施して、8月から9月に は構想を固めたいと考えている。 (委員了解) (その他資料2についての説明) (5)閉会・挨拶 (山口教育委員会文化財保護課課長)