経済統計:期末試験
村澤 康友 2017 年 7 月 31 日
注意:3問とも解答すること.結果より思考過程を重視するので,途中計算等も必ず書くこと(部分点は大 いに与えるが,結果のみの解答は0点とする).
1.(20点)以下の用語の定˙義を式または言葉で書きなさい(各˙ 20字程度).
(a)両側検定問題
(b)F統計量
(c)回帰モデル
(d)最良線形不偏推定量(BLUE)
2.(30点)大きさnの1変量データを(x1, . . . , xn)とする.µ:= E(xi)をOLSで推定したい.
(a)OLS問題を書きなさい.
(b)µのOLS推定量を求めなさい.
(c)OLS残差の和が0となることを示しなさい.
3.(50点)X新聞とY放送が同日に行った内閣支持率の世論調査の結果は次の通りであった.
有効回答数 内閣支持率
X新聞 400 50%
Y放送 400 40%
両調査とも母集団は日本の有権者全体である.調査結果の差異について以下の問いに答えなさい.
(a)Bin(1, p)の平均と分散を求めなさい.
(b)Bin(1, pX),Bin(1, pY)から独立に抽出した無作為標本(X1, . . . , Xm),(Y1, . . . , Yn)の標本比率(=
標本平均)をpˆX,pˆY とする.pˆX−pˆY の漸近分布を求めなさい.(ヒント:まずpˆX,pˆY の漸近分 布を求める.)
(c)次の検定を(近似的に)行うための検定統計量を式で与えなさい.
H0:pX=pY vs. H1:pX ̸=pY
(d)検定の有意水準を5%とする.標準正規分布表を利用して検定の棄却域を定めなさい.
(e)上の世論調査の結果について検定を実行しなさい.
解答例
1. 統計学の基本用語
(a)H0:θ=θ0 vsH1:θ̸=θ0.
• 検定問題として書かなければ0点.
(b)H0の下でF分布にしたがう検定統計量.
(c)E(Y|X)を与える式.
• E(Y|X)のみは3点.
(d)分散が最小となる線形不偏推定量.
•「誤差が最小」はダメ.
2. OLS
(a)
minm
∑n
i=1
(xi−m)2 and m∈R
(b)1階の条件は
∑n
i=1
(−2)(xi−m∗) = 0 正規方程式は
∑n
i=1
xi−nm∗= 0
したがって
m∗= 1 n
∑n
i=1
xi
• 正規方程式で5点.
(c)OLS残差はei:=xi−m∗.したがって
∑n
i=1
ei=
∑n
i=1
(xi−m∗) 正規方程式より右辺は0.
• OLS残差で5点.
• OLS残差を示さなければ0点.
3. 母比率の差の検定
(a)平均は
1·p+ 0·(1−p) =p 分散は
(1−p)2·p+ (0−p)2·(1−p) =p(1−p)2+p2(1−p)
=p(1−p)
• 各5点.
2
(b)標本比率の漸近分布は
ˆ pX
∼a N (
pX,pX(1−pX) m
)
ˆ pY
∼a N (
pY,pY(1−pY) n
)
両者は独立なので
ˆ
pX−pˆY ∼a N (
pX−pY,pX(1−pX)
m +pY(1−pY) n
)
• 標本比率の漸近分布で5点.
• 母分散を単にσ2X, σY2 と書いたら5点減.
• この段階でpX=pY としたら0点.
• 母数pX, pY と推定量pˆX,pˆY を混同したら0点.
(c)標準化すると
ˆ
pX−pˆY −(pX−pY)
√pX(1−pX)/m+pY(1−pY)/n
∼a N(0,1)
検定統計量は
Z := pˆX−pˆY
√pˆX(1−pˆX)/m+ ˆpY(1−pˆY)/n
• 分母をpX, pY で書いたら5点減.pX=pY =pとしても同様.
• 標本分散を単にs2X, s2Y と書いたら5点減.
(d)棄却域は(−∞,−1.96]∪[1.96,∞].
• [1.96,∞]のみは5点減.
• 片側検定は0点.
(e)検定統計量の値は
Z= .5−.4
√.5(1−.5)/400 +.4(1−.4)/400
= .1
√.49/400
= .1 .7/20
≈2.86 したがってH0は棄却される.
• 検定統計量の値が正しくなければ0点.
• 検定統計量の値が正しくても結論を間違えたら5点減.
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