II-02
物体まわりの流れと抗力担当:真田 俊之(総
R410)
内線:
1605, Email:[email protected]
When preparing the manuscript, read and observe carefully this sample as well as the instruction manual for the manuscript of the Transaction of Japan Society of Mechanical Engineers. This sample was prepared using MS- word.--- ---
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関 連する講義
ⅠⅡ : 流れ学,流体力学,流体力学,環境工学
1. 目 的
流 体 の 流 れ の 中 に あ る 物 体 と 流 体 と の 間
に 相対速度があるとき,その物体には流体から力が作用する.この力のうち,相対速度に平行な方向の成分を
抗 ( drag ) 揚 力 ,垂直な方向の成分を 力
( lift
)
本実験の準備 レポートに必要な図等の電子データは,真田のWebページ
(http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~ttsanad/lecture.html)に置いていますので自由に使用下さい.(本質の理解 に十分な時間を使って欲しいため)
・ 実験にはノートパソコンを持参すること.(エクセルが使用できる環境が必要)
・ USBメモリを持参すること.(グループでのデータの受け渡しに使用)
・ 実験の内容に加え,マノメータについて復習しておくこと
と 呼 ぶ
. 抗 力 や 揚 力 は
, 自 動 車 や 航 空 機
, ス ポ ー ツ な ど 幅 広 い 分 野 で 非 常 に 重 要 な 事 項 で あ る
. 例 え ば
, 自 動 車 で は 抗 力 低 減 に よ っ て 燃 費 が 向 上 で き
, よ り 環 境 に 配 慮 し た も の づ く り
が 可能となる.また新幹線や航空機などの高速な輸送機器においては,騒音の問題とも密接に関連している.
抗 摩 : friction 力は,物体表面に作用する流体摩擦による力( 擦抵抗
drag ) 圧 : pressure drag ま 形 : form と圧力分布による力( 力抵抗 たは 状抵抗
drag
) と に 分 け て
考 え る こ と が で き る
. 本 実 験 で は 抗 力 を 計 測 す る こ と を 通 し て
, 物 体 形 状 に よ る 抗
力 の違いや抗力の発生メカニズム,特にはく離について理解を深める.さらに,流速と圧力の測定を通して,
ベ ルヌーイの定理
な ど の 流 体 力 学
に関する知識と経験を融合することを目的とする.実験では(1)天秤(2)物体表面の圧力分布,による
2種 類の方法によって,抗力を測定する.
2. 理 論
一 中 に 理 様流 置かれた円柱まわりの流れを考える. 想流体
の vは (1). 場合,円柱表面の任意の点における流体の速度 以下の式で表される
(1)
こ Uは Òは sin Ò こで, 一様流の流速, 円柱表面よどみ点からの角度である.速度が
で 90°で 2Uと 表されるため,よどみ点で速度はゼロになり, 最大速度 なる.
p0, Úを pはベ 一様流中の圧力を 流体の密度 とすれば,円柱表面任意の点における圧力を ルヌーイ
の 定理によって
(2)
よ Rの 1 り求めることができる.このような半径 円柱まわりの理想流体の流れを図
に Ò = 90° 示す.図に示されるように,円柱前後で流線が対称となり,また
付 近で流線の間隔が狭くなり,流れが加速されていることがわかる.
図1 円柱まわりの理想流体の流れ(図の曲線は流れ関数の等値線,すなわち流線を示す.)
動 ( 2) ÚU2/2) 抗 CD と 本実験では,一様流中の 圧 式( の右辺第二項: を用い, 力係数
呼 Drag用 ばれる無次元数を抗力 いて定義する.
(3)
こ A こで, は
物 体 の 基 準 面 積 で あ り
, 物 体 の 正 面 投 影 面 積 が 一 般 的 に 使 用 さ れ る
. 抗 力 係 数 は
, 抗 力 の 指 標 と な
る 無 次 元 数 で あ り
, 例 え ば
, 同 一 断
面 の物体 一流速の中に置かれ 際 単位長 が た , 積 同 に,その抗力の違いを示す.本実験では, さあたりの抗力
Dを dを 定義し,円柱直径 用いて
(4)
と 比 する.抗力が動圧に対し
例
関 係 きから抗力 数 にある場合,その 傾 係 CD
を 求めることができる.実験において
得 っ さ, た 場 合( られた抗力が DI だ I は 長 Id = 物体の
A) ÚU2/2) ,動圧( との
比 係 例 数 a
は 5) 式( のように表される.そのため,抗力
係 られる . 数は式( 4) 6) 得 より,式( で
(5)
(6)
化 円柱表面の圧力を無次元
し た 圧
力 係 数 Cp は
(7)
と 係 表される.理想流体の場合,圧力
数 は 式
( び 1) ( 2) およ より
(8)
と 抵 なる.したがって理想流体では,圧力分布が円柱の前後において対称となるため,圧力
抗 は ゼ ロ と な る
.
一
方
, 粘 性 流 体 で は 圧 力 抵 抗 が 生 じ る
. 円 柱 表 面
に 界層 が形成さ 境 れ , それが
途 中で表面からはがれて後流を形 成 し ,圧力分布が非対称となるためである.図
2に 示されるように,
単 位
長 く抗力 積 素 働 さあたりの円柱に 働 Dは 微小 面 要 ds に く力 ÎD ,
の を 流れ方向成分
積 得 している. 分す られる.ここで, 粘性 による摩擦力は無 視 る こ とによって
(9)
( 10 )
式 10 ) ( を無次元
化 する.
( 11 )
図2よ り,円柱の場合には
( 12 )
が 立 成
す る
た 数 係 積 得 積 範囲 が め , 抗力 係 CD は 数 Cpcos Òを 分す られる.ここで 分 圧力 る こ とによって
0〜180°で 注 あることに
意 す る
.
( 13 )
図2 円柱 微
小 面 要 に く力 積 素 働
3. 実 験
2
種 働 類の方法によって物体に
く 抗 力 を 計 測 す る
. 以 下 そ
れ れの実験について実験方法について 述べ る. ぞ
な 開始 前に 室 お実験
内 度と大 圧を計測しておくこと. 温 気
3・1 (実験1)天秤による抗力の測定
円 柱や
翼 に く抗力を,天秤を用 い て 直接測定する.図 ,平 板 働 3
に 測 定 の 概 略 を 示 す
. 図 に 示 す よ う に 計 測 原 理 は 単 純 で
, 気 流 に よ り 試 験 体 に か か る 抗 力 を
, 重 り を 用 い て 天 秤 で 釣
り合いを取り測定をする.以下に測定手順を示す.実験後のデータ処理に必要となるため,試験体の仕様を図
4 お び よ
表 1
に 装 示す.なお,本実験
置 で は す で
に 校正済 得 釣 みのため, られた り合い値がそのまま抗力値となる.
(1) 試
験 翼 )およ ンス ア 設 験体は実験時に 定する. 体 ( 円柱・ ・平 板 びバラ ームを 置する.なお 試 指
(2) 流 態 れが無い状
で
の 釣 り, 釣 る. り合いを 取 り合い値を基準値としてメモを 取
(3) チ ャ ン バ
ー ほぼ よどみ点 ( 状
態 風 測定 部 孔 ビ チュ ー で接 続 : 速ゼロ)およ び の圧力測定 とマノメータを ニール ブ する.
(4) 風 洞 の 電 源 を
入 れ て 流 れ を 作
り,バランスアームが釣り合う重さを測定し抗力を求める.同時に釣り合ったときの圧力(チャンバー内圧力 P(全
圧 部 静 ), 圧力 p0( 圧) 測定 ) を 計測する.
(5) 風
速 を 3
点 程 度 変 化 さ せ な が ら
( 4
) を 繰 り 返 す
. な お 風 速 の 調 整 は
, 風 速 調 整 バ ル ブ に よ
っ て 行 う
. こ の と き
, バ ル ブ の 根 本 に あ る ダ イ ア ル は バ ル ブ を 固 定 す る た め の も の で
, こ れ を 閉
め ル が動かなくなり 固 ル を 定しておくこと. る , と 一 定の流速に バ ブ 定することができる.実験中は バ ブ 固
図3 実験
装 概略 図(天秤による 抗 力 の測定) 置
表 1
試
験 ( 翼 体 型 の 形状( a) b) 板 c) 円柱( 平
4 図
試 板 験体 a: 円 b: 平 ,c: 翼 ) の 柱, 型 形 状(
3・2 (実験2)圧力分布による抗力の測定
円 柱
試験体 代表寸法
d [mm]
長さ(紙面奥行 き)
I [mm]
(a) 円柱 12.5 48.0
(b) 平板(三角形) 12.5 48.0
(c) 翼(NACA0020) 12.5 48.0
に 働 く 抗 力 を 測 定 す る た め に
, 円 柱 表 面 に 設 け ら れ た 圧 力 測 定 孔 に よ り
, 円 柱 ま わ り の 圧 力 分 布 を 計 測
す る
. 圧 力 は マ ノ メ ー タ を 用 い て 測 定 す る
. な お 圧 力 測 定 孔 は
一 設 つしか
け ら れ て
い せ 手順 を示す. な い ため,円柱を 回転 さ ることにより,圧力分布を求める.以下に測定
(1) 試 験 体
( 円 柱
, 角度
指 しているもの)を 取 とマノメータとを ビ チュ ー で接 続 示器が付 属 り付け,圧力測定 孔 ニール ブ する.
(2) チ ン ャ
バ び の圧力測定 とマノメータを ニール ブ する. ーおよ 測定 部 孔 ビ チュ ー で接 続
(3) 圧 孔 力測定
を 置する を れて流れを作り 部 . , 測 定 よ Ò = 0°) 設 風 の電 源 入 の圧力 どみ点( に 洞
p0(
静 圧) を 測 定する.
(4) よ 順番 に円柱 表 pを 5°ず どみ点から 面圧力 計測する.このとき,
つ Ò =180°ま で測定する.
こ 変化 を のとき,円柱表面圧力の
注 観察 しておくこと. 意深く
4. 整 理
そ ぞ れ れ
の
実 指 い抗力 数を求めよ. 験 に おいて,以下の 示に 従 係 4
が
終 い. わり 終了 して 良 次 第 ,実験を
4・1 (実験1)天秤による抗力の測定
試
験 られたデータを って 整 完 る. に , よ 以 って 下に 得 従 理し,表 2を 成さ せ
(1) チ ン ャ
バ のマノメータの みの 差 圧を求 液 め る .なお ーと測定 部 読 Áh よ 差 体密度 Úw り
は 液 ,
体 度が 気温 と 仮 温 同じ と 定し,表 3を 使って求めよ.
( 14 )
(2) チ
ャ ン バ ー
と測定部との間でベルヌーイの式( 15 )を適用し,測定部での動圧および速度を求める.気体密度 Úa は気体の状態方程式( 16 )を使って求める(式( 16 )は例として,大気圧で温度が 18℃
の 場合を示している).
( 15 )
( 16 )
(3) 測定値に対し基準(風速ゼロの時の測定値)との差を取り,抗力値を求める.また1gmf =9.81×10-
3 Nの 係 関
を 用
い 単位換算 することにより 験体 全 , 試 体に加わる抗力値を求める.
(4) 図 4
に 示 す よ う に
, 動 圧 と 抗 力 値 と の 関
係 ッ 例していることを 確 傾 係 る. をプ トする. 比 かめ,その きから式( 6) 数を 得 ロ を用いて抗力
表 2 秤
量 得 法に られた抗力値 よ っ て
表 3 液
体 の密度) 密 度 ( 1atmに 水 (2) おける
図3 抗力値と動圧の関
係
温度 T [℃]
密度 Úw
[g/cm3]
温度 T [℃]
密度 Úw
[g/cm3]
温度 T [℃]
密度 Úw
[g/cm3]
温度 T [℃]
密度 Úw
[g/cm3]
温度 T [℃]
密度 Úw
[g/cm3]
0 0.99984 7 0.99990 14 0.99924 21 0.99799 28 0.99623
1 0.99990 8 0.99985 15 0.99910 22 0.99777 29 0.99594
2 0.99994 9 0.99978 16 0.99894 23 0.99754 30 0.99565
3 0.99996 10 0.99970 17 0.99877 24 0.99730 31 0.99534
4 0.99997 11 0.99961 18 0.99860 25 0.99704 32 0.99503
5 0.99996 12 0.99949 19 0.99841 26 0.99678 33 0.99470
6 0.99994 13 0.99938 20 0.99820 27 0.99651 34 0.99437
読み hP
読み hp0
差圧 P - p0
動圧 1/2 ÚU2
速度
U 測定値 基準との差 抗力 DI
[mm] [mm] [Pa] [Pa] [m/s] [gmf] [gmf] [N]
117 94 33
134 98 42.5
4・2 (実験2)圧力分布による抗力の測定 試
験 られたデータを 従 理し,表 完 る. に , よ 以 って 下 得 って 整 4を 成さ せ
(1) 円 柱表面圧力と
静 みの 差 圧のマノメータの 読 Ál を Ál 求め,
に 応 対
し た
垂 差 傾斜 角度 直 高 さより 圧を求める.このとき,マ 'は 30°で ノ ある. メ ータの
( 17 )
(2) 圧 係 力
数 の
定 係 義 , 式( 7 ) 数を求める. 0° より圧力 な お ,
の 差 場合,
圧 と 動 圧
が 係 等 し くなるため圧力 数は 1.0と なる.
(3) 同
様 に,理想流体の場合の圧力
係 係 数を求める.理想流体の圧力 数は式( 8) にて定義されている.
(4) 実
験 結 果 お よ び 理 想 流 体 の 場 合 に お い て
, 無 次 元 の 圧 力 で
ある圧力係数を角度の関数としてプロットせよ.円グラフでも同様なグラフを作成する.(作図例を図
4に 示す.)
(5) 実 結果 およ び 験
理 想 流 体 の 場
合 係 に お いて,圧力 数 Cp の cos Ò を 5 求める.図
を 結果 の場合 Cpcos Ò を Ò 参考に実験
の 関 数 と し
て プ ロ ッ ト せ よ
. さ ら に
, 式
( 10
) に 従 い 抗 力 係
数 を求める.なおここで数値
積 ュ 式( 台 公 分としてニ ートン・コーツの 公 形 式)などを用いればよい.
表 4 円 柱まわりの圧力分布
角度
Ò 読み
lp
静圧との差
Ál 垂直高さ
Álsin ' p– p差圧0 Cp Cp
[理想流体] Cpcos Ò Cpcos Ò
[理想流体]
[ °] [mm] [mm] [mm] [Pa]
0 1.000 1.000
5 0.970 0.966
10 0.879 0.866
15 0.732 0.707
20 0.532 0.500
180
図4 円柱まわりの無次元圧力分布(圧力
係 ラフ ) 数分布図,右:円グ
図5 Cpcos Ò 円柱まわりの
5. 検 討
以 下の事項について実験
結
果 について考 察せ よ.
5・1 (実験1)天秤による抗力の測定
□ 実験した
試 係 数の違いについて考 験体の抗力 数を 比較 し,抗力 係 察せ よ.
5・2 (実験2)圧力分布による抗力の測定
□ 係 円 について 述べ よ. 柱 ま わりの流れにおいて,はく離と抗力との関
□ Reynolds数 実験時の を計
算 られた抗力 数を 文献 値と 比較せ し, 得 係 よ.ここで Re
数 15 ) は式( で示される.なお
粘 ン の式( 度の値は サザラ ド 16 ) 算せ よ. を用いて計
( 15 )