学校法人八洲学園
八洲学園大学
科目名:生老病死と村社会
●科目概要
世界のグローバル化が唱えられ、日本という単独な国では生きてゆけない。世界に通用する人材を 育成することが教育の課題となっている。しかし人間が「心を通わすことができる人数は
100
人から200
人まで」といわれている。こうした人間関係で成り立っている社会を「村社会」と言ってきた。閉鎖的では開放性がなく、排他 的、独善的社会と位置付けてきた。そうした時代に村にとどまらず、各藩(今でいえば独立した小国)を 旅し、人間の真の生き方を追求した人がいた。それが芭蕉であり、芭蕉は村の社会にあって、日本国 中の人と交信し、高い精神と、平談俗語を持って人の輪を作った。それが開かれた社会であり、その中 で人間が必ず出会う「生老病死」について常に意識し続け、人間を見る目、人間と自然、人間と人間の 関係の中で高い精神性の境地を得た。その真髄を書き残したのが『奥の細道』だった。日本人なら知ら ない人のいない名著を読み「生老病死」という人の宿命を考察する。
●教員コメント
芭蕉の残した『奥の細道』は当時としては前人未到の地に踏み込み、そこで自分を見つめ、自然と人 間を対比させながら、人間の真の姿を追求した名作である。単なる旅行記でも、単なる随筆でもない。
「生老病死」という人間の本質に迫ろうとする姿勢から生まれた名品である。原稿用紙でわずか五十 枚、芭蕉はこの文章を何度も推敲した。それは旅日記ではなく哲学書だからである。事実に反した記 述に満ちているのも人生の考察だからである。
●教科書
芭蕉の残した『奥の細道』の文章が掲載されている書ならば、何でもよいのです。文庫本で本文だけ のもの、研究者が書いたもの、注釈が記されたもの、どんなものでも読んでみたいと思う本を手にして ください。
履修方法:テキスト履修 担当教員:中田雅敏