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災害に強いまちづくりガイドライン ~ 計画 整備にあたっての着眼点 留意点 ~ ( 平成 30 年 3 月 ) 平成 30 年 3 月

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災害に強いまちづくりガイドライン

~計画・整備にあたっての着眼点・留意点~

(平成 30 年3月)

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2016 年も災害の多い年であった。度重なる災害に対して、社会の確かな進歩を感じながら も、いまだ対策の不十分さをも痛感させられた。個人的な思い入れが強いかもしれないが、 障がい者や高齢者など、いわゆる災害時要援護者について考えさせられることが多かった。 4 月の熊本地震では、NHK が被災した障がい者の方々や家族の状況を精力的に報道しており、 多くの知見や感銘を受けた。以前に、ある自治体の「災害時要援護者避難支援プラン」策定 の手伝いをしていたことがあり、その時に阪神淡路大震災時の被災障がい者の状況に関心を 持つようになった。いわゆる「障がい者」には、目や耳の不自由な方、手足の不自由な方の ほかに、外見では判断しにくい各種の内臓障がい者、医療装置をはずせない難病患者、知的 障がい者や発達障がい者、精神障がい者などがあり、障害の内容は千差万別で、避難行動や 被災後の生活への対応は多岐にわたりかつ細心の注意が必要である。熊本地震の際にはそれ ぞれの障害内容についての全国的な民間支援組織があり、地元では、各種の障がい者支援を 引き受け、調整するセンターを組織するなど、阪神淡路の時と比べると格段の進歩が見られ た。それでも、障がい者の方々や家族のご苦労は並大抵ではなく、多くの課題が見受けられ た。一歩進めばまた新たな問題が現れ、災害被害の広がりと奥深さを見る思いであるが、災 害に対する社会の対応は着実に前進していると勇気づけられた。 一方、8 月末には、岩手県岩泉町の高齢者グループホームで、避難準備情報が出されてい たにも関わらず、9 人の入居者が亡くなるという残念な災害が生じた。避難準備情報は、平 成 16 年 7 月の豪雨災害時に高齢者の被害が大きかったことを反省して、平成 17 年 3 月に内 閣府が「災害時要援護者避難支援ガイドライン」を策定し、避難支援プランを作成するよう 促した中で、要援護者の避難支援を開始すべき勧告または指示として定められたものである。 前に述べたように、このプラン作成に関わったことがあるが、当時からプラン作成に取り組 んだ自治体はごく少数であった。岩泉町の場合にも午前 9 時に避難準備情報は出されていた。 私の知った報道では、ホーム関係者が午後に役場に立ち寄ったが、特に役場から避難を要請 されてはなく、当人も避難準備情報の正しい認識はないまま、大きな被害を招くことになっ たようである。役場が避難支援プランに取り組んでおれば避難準備情報の意味を理解してお り、ホーム関係者にも適切な指示が出せたはずであるが、内容を理解することなく言葉だけ で判断するこの国の悪習が顕れた結果と言えなくもない。 これを受けて内閣府は、12 月に、「避難準備情報」を「避難準備・高齢者等避難開始」に 変更した。また、マスコミでも「避難準備情報」に“高齢者や障がい者は直ちに避難してく

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ださい”と注釈を加えるようになった。岩泉町職員に格別の落ち度があったのではなく、災 害時要援護者に対する配慮が叫ばれてから 10 年近く経ても、社会には十分受け入れられてな かったのである。熊本の例では前進しつつもまた新たな課題に取り組む一方、岩手の例では 10 年前になしておくべき課題にやっと取り組み始めたともいえる。 平成 18 年 3 月の「災害時要援護者避難支援ガイドライン」検討会では、“自助・地域(近 隣)の共助を基本とし、市町村は避難準備情報の発令、要援護者及び避難支援者までの迅速・ 確実な伝達体制の整備が不可欠、具体的な避難支援計画を策定しておくことが必要”として いる。実際の避難行動では自助、共助に頼らざるを得ないが、その基本となる体制や計画は 「公」が責任を持つべきである。一般に唱えられている「自助・共助・公助」が、単純に、 “「公」が責任を持てないから、自助・共助でやってください”と受け止められているとす れば残念である。 我々が取り組んできた「災害に強いまちづくり」も、基本的な計画は「公」が責任を持っ て策定するが、計画の実施・実行はすべて十分とは言えなく、その点については「自助・共 助」をお願いしたいという立場で進めてきたと自負している。「時間軸に沿った備え」や「事 前復興」などは、その具体的な検討結果である。 本年度は、昨年度から検討を始めた「事前復興まちづくり」に、本格的に取り組んだ。参 考にした「津波災害からの復興まちづくりガイダンス」は、東日本大震災後の被災地におけ る体験に基づいたものであるだけに、指摘された事項はいずれも問題の本質を捉えており、 具体的で説得力に富んでいる。しかしながら、それらは被災した地域住民や地元自治体で現 実に生じたものであり、経験のない地域が容易に想像しうるものではない。「災害に強いま ち」を実現するためには、ひとりひとりの住民、住民同士をつなぐ地域共同組織の積極的な 行動が不可欠であるが、公的主体が責任を持って、地域の長期的な防災計画を策定するため に不可欠な情報収集や情報整理、関連諸機関との調整や協議、地域における各種の検討・計 画・実施体制の整備やルールづくりなどを確立しておかねばならない。このような“自助、 共助、公助”の関係は、「災害時要援護者避難支援計画」にも共通している。改めて、災害

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目 次

1 ガイドライン策定の目的と利用方法 ... 1 (1)ガイドライン策定の目的 ... 1 (2)ガイドラインの利用方法 ... 2 (3)東日本大震災 ... 4 (4)南海トラフの巨大地震 ... 10 (5)四国地方における土砂災害 ... 19 2 災害に強いまちづくりの推進に向けて ... 22 (1)災害に強いまちづくりの必要性 ... 22 (2)四国地方における災害に強いまちづくり ... 23 3 災害に強いまちづくりの検討 ... 26 (1)災害に強いまちづくりの検討 ... 26 (2)災害に強いまちづくりの必要性の明確化 ... 28 (3)まち全体の現状把握、分析、課題抽出 ... 30 (4)対象地域の現状把握、分析、課題抽出 ... 43 (5)時間軸での備えに関する検討及び課題の集約 ... 47 (6)基本方針の策定 ... 54 (7)基本施策の策定 ... 55 ■四国地方における災害に強いまちづくりに向けた備え体系図(案) .. 56 ■災害発生時から1ヶ月程度の時間軸でみた施策・取組み ... 57 4 地域条件による災害に強いまちづくり ... 64 (1)5つの地域条件 ... 64 (2)地域条件による留意事項 ... 69

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5 災害に強いまちづくり計画 ... 79 【命を守るために逃げる】 (1)危険な場所を知る ... 80 (2)速やかな避難により命を守る ... 84 【避難時の生活環境を整える】 (3)避難生活に備える ... 129 (4)集落・地域の孤立に備える ... 141 【災害に強いまちをつくる】 (5)住宅、建築物等の倒壊・火災から命を守る ... 149 (6)まちの構造を強くする ... 161 (7)まちの構造を見直す ... 182 【災害に負けない人・組織等をつくる】 (8)地域防災力の向上 ... 204 (9)災害発生時の行政機能の維持・発揮 ... 229 6 おわりに ... 245 〈参考1〉災害に強いまちづくり検討会 ... 248 〈参考2〉津波防災地域づくりに関する法律等について ... 250 〈参考3〉大学と地方公共団体が連携した取組み ... 253 〈参考4〉防災事業支援メニュー ... 270 〈参 考〉「災害に強いまちづくり計画」地域モデル(案) ...別冊

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1 ガイドライン策定の目的と利用方法

(1)ガイドライン策定の目的

「災害に強いまちづくりガイドライン」(以下「本ガイドライン」という。)は、四国地 方の地方公共団体が、災害に強いまちづくりをめざした計画立案や事業の実施を行う際の着 眼点・留意点を示すものです。「災害に強いまちづくり」に取組むことで、災害による被害 を最小限に抑えることが期待されます。 現在においても各施策のガイドラインはありますが、本ガイドラインはそれらを横断的に まとめたものです。 東北地方太平洋沖地震(以下「東日本大震災」という。)は、津波等による死者・行方不 明者が 2 万人弱という未曾有の大災害をもたらしました。多大な犠牲のもとに災害に強いま ちづくりに対する多くの教訓が残され、災害対策基本法の改正や国の防災基本計画、各県の 地域防災計画の修正等が進められています。 四国地方で大きく懸念される災害としては、南海トラフの巨大地震があげられますが、そ の災害対策には、市町村間で大きな温度差があるのが実情です。また、四国山地は全国でも 有数な地すべり地帯であり、中央構造線などが縦断し、土砂災害の発生しやすい地帯でもあ ります。 そこで、四国地方の特徴を踏まえ、災害対策に積極的に取り組まれている 13 市町と学識経 験者、各県の担当部署等を中心に意見交換を行い、四国地方整備局で整理したものをガイド ラインとしてとりまとめました。 今後、他の市町村が、本ガイドラインを参考としてまちの将来の姿を考え、災害に強いま ちづくりの検討が進められることを期待します。 なお、四国各県において南海トラフ巨大地震による被害想定の公表が行われました。これ により、各地方公共団体は、今後積極的に「災害に強いまちづくり」に取組むことになると 思われます。そのため、本ガイドラインに不足する事項が生じるかもしれません。従って、 最新時点での幅広い知見に基づく整理を踏まえながら、必要に応じて随時見直しを行うこと を考えています。 本ガイドラインは、四国地方の地方公共団体が、災害に強いまちづくりを計画・実施 する上において参考になる事項についてとりまとめたものです。

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(2)ガイドラインの利用方法

■対象とする災害 ・四国地方は、太平洋と瀬戸内海に囲まれ、海岸線沿いに市街地が開けるとともに、中央 部は急峻な地形にあり、災害に対して厳しい地形・地質状況を有しています。 ・四国地方が今後直面する大規模な災害としては、南海トラフを震源とする地震があり、 その地震の発生確率は 30 年以内に 70~80%程度(文部科学省地震調査研究推進本部、 平成 30 年 1 月)とされ、四国各地で甚大な被害が想定されています。 ・また、四国地方は、中央構造線などの影響による脆弱な地質や急峻な地形にあり、台風 の常襲地帯であることから、豪雨災害を受けやすい条件にあります。平成 16 年には四国 に6個の台風が上陸し、多くの水害・土砂災害を発生させ、死者・行方不明者も 61 人と なる大規模な被害を発生させました。 ・このような四国地方の災害特性を踏まえ、本ガイドラインにおいて想定する災害は、「南 海トラフ巨大地震をはじめとした地震・津波」と「豪雨等による水害・土砂災害」によ るものとし、被害の最小化を想定したまちづくりをめざします。 ■ガイドラインの利用方法 ・本ガイドラインは、四国地方で災害に強いまちづくりを実践している地方公共団体の事 例等を参考に策定しています。また、整備事例等として、具体的な図や写真を使用し、 わかりやすく示しています。 ・活用していただく対象は、四国地方の地方公共団体職員を想定しています。本ガイドラ インを参考に、各市町村において将来のまちの姿を考え、災害に強いまちづくりを行う ためのハード整備及びソフト施策が促進され、地域の防災力向上に寄与することを期待 します。 ・なお、市町村が作る災害に強いまちづくり計画は一度限りの作成ではなく、必要に応じ 本ガイドラインにおいて想定する災害は、「南海トラフ巨大地震をはじめとした地震・ 津波」と「豪雨等による水害・土砂災害」とします。

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■津波の位置づけ ・津波対策を推進するに当たり、基本的に2つのレベルの津波が想定されます。 ・1つは、住民避難を柱とした総合的な防災対策を構築する上で想定する「最大クラスの 津波」(L2津波)です。もう1つは、海岸堤防等の構造物によって津波の内陸への侵 入を防ぐ海岸保全施設等の整備を行う上で想定する「比較的発生頻度の高い津波」(L 1津波)です。 ○最大クラスの津波(L2津波) ・発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波。 ・対応方針として、住民等の命を守ることを最優先とし、住民避難を軸にハード・ソフト のとりうる手段を尽くした総合的な対策を確立する必要があります。 ・ 海岸保全施設等のハード対策によって、津波による被害を可能な限り軽減するとともに、 それを超える津波に対しては、避難することを中心としたソフト施策を実施する必要が あります。 ○比較的発生頻度が高い一定程度の津波(L1津波) ・最大クラスの津波に比べ発生頻度は高く、津波高は低いものの、大きな被害をもたらす 津波(数十年から百数十年に1度襲来する津波)。 ・対応方針として、人命・住民の財産保護、地域経済の継続の観点から、海岸保全施設等 を整備する必要があります。 ・海岸保全施設等については、比較的発生頻度が高い一定程度の津波に対して整備を進め るものとし、設計対象の津波高を超えた場合でも、施設の効果が粘り強く発揮できるよ うな構造物等の整備を進めて行く必要があります。 ■災害に強いまちづくりのステップ ・本ガイドラインが想定している災害は南海トラフの巨大地震で、L2クラスです。 ・東日本大震災以降、四国地方の各地方公共団体においても、L2クラスの地震・津波を 想定した防災・減災対策の取組が進められていますが、まだ十分に対応できていない地 方公共団体が存在するのが実情です。 ・そのため、「命を守るために逃げる」「避難時の生活環境を整える」「災害に負けない 人・組織等をつくる」ための津波避難場所や避難所等の整備、体制整備等のソフト施策 についてはL2クラスを想定した取組を目指し、「災害に強いまちをつくる」ためのハ ード整備等については、L1、L2対応とステップを踏みながら整備を進めるという考

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(3)東日本大震災

■東日本大震災について ・平成 23 年 3 月 11 日 14 時 46 分頃に三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震は、マグニ チュード 9.0 という国内観測史上最大規模の地震で、震度7にも及ぶ地震動に加えて強 大な津波を発生させ、東北地方の太平洋側を中心に甚大な被害をもたらしました。 ・この地震は、震源域が非常に広範囲で、強い揺れと継続時間の長い地震動や巨大な津波 が発生したこともあり、沿岸部の市街地等に壊滅的な被害を与えました。また、長期に わたり強い余震が発生するとともに、液状化や地盤沈下が広範囲で発生しました。 ・その結果、多数の犠牲者が生じ、甚大な資産が失われ、わが国に大きな経済的痛手を与 えています。また、東京電力㈱の福島第一原子力発電所が津波により被災し、今なお終 息に向けての努力が継続されています。 石巻市門脇地区及び門脇小学校(火災)の被災状況

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出典:想定 3 地震と東北地方太平洋沖地震の津波高さの比較(第 27 回中央防災会議資料)

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■四国地震防災基本戦略に示されている東日本大震災から学ぶもの 「四国地震防災基本戦略~来たるべき巨大地震に備えて~」(四国南海トラフ地震対策 戦略会議、平成 26 年 3 月第1回改定)では、東日本大震災から学ぶものとして、以下の内 容を示しています。目次より「Ⅱ 東日本大震災から学ぶもの」の項目を列記します。 ①災害の防御・軽減効果を発揮した社会資本 ・これまでの着実な施設整備により被害を軽減 ◇高台に配置された宮城県女川町立病院等 ・巨大地震・津波の前には「守りきれない」事態が発生 ・高速道路等の信頼性の高い施設整備により、迅速な緊急輸送路の確保に貢献

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②命を守った迅速な避難行動 ・教訓と訓練による的確な行動が迅速な避難に寄与 ・迅速な避難に様々な施設が貢献 ・迅速な避難行動の方法を身につけることが必要 ③迅速かつ的確な応急対策及び復旧活動 ・迅速かつ的確な初動により、一刻を争う救助・救援、救出活動に寄与 ・関係機関の連携が活動の効率を左右

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・交通・情報の孤立状態が救援活動等を阻害 ・活動に必要な物資・機械の調達手段を確保しておくことが不可欠 ・活動人員の安全の確保が必要 ・広域的かつ総合的な支援体制の構築が必要 ・早期の被災状況把握が迅速な復旧活動に寄与 ・輸送ルート、ライフラインの回復・確保が復旧活動の基礎 ・大きな課題となる大量の災害廃棄物の処理

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■その他の調査検討結果に示される東日本大震災から学ぶもの 東日本大震災に関する多くの調査検討が行われ、その結果に示される「東日本大震災か ら学ぶもの」を抽出すると、以下のとおりです。 ○想定外からの脱却 ・地震や津波は「必ず来る」もので、自然災害はいつでも想定を超えます。最大の被害想 定に基づき、まずは「人の命」を救うことです。 ・「L2津波」から人命を守るためには、海岸保全施設のみに頼ることは困難であり、「多 重防御」の考え方が重要となります。そのため、ハード整備とソフト施策の一体的な取 組みが重要となります。 ・津波に対し、私たちにとって「逃げる」は「生きる」ことです。したがって、緊急避難 場所へ避難しても、想定を超える津波の場合には、さらに高い場所へ避難するという「想 定にとらわれない避難」の考え方が必要です。 ・居住は津波浸水想定エリアから安全なエリアへの誘導を基本としますが、津波避難困難 地域が生じる場合は、その対応が必要となります。 ・地震及び津波対策には複数の選択肢や冗長性(リダンダンシー)を持つべきです。また、 早期の復旧・復興をめざし、応急仮設住宅の建設用地や廃棄物の仮置き場等を事前に決 めておくことも必要です。 ○各種体制整備の必要性 ・大きな津波は河川を遡上し、堤防を越えることがあります。津波の波力はすさまじく、 何もかもを奪い、膨大な廃棄物を残します。復旧・復興には、これら災害廃棄物の処理 を念頭におく必要があります。 ・被災地の復旧・復興のため、国、全国の地方公共団体、自衛隊、消防及び警察等の関係 機関、NPO、ボランティア等による支援活動が行われます。それらの受入れ体制の構 築が必要です。 ・突然の大規模災害に見舞われたため、復興への備えが不十分であった被災地では、復興 の進捗の遅れが指摘されています。大規模な被害が想定されているまちでは、被災後の 早期の復旧・復興を見据え、事前に「将来のまちの姿」を検討しておくことが有効です。 【津波防災地域づくりに関する法律】 〈参考2〉参照 ・東北地方太平洋沖地震の津波による甚大な被害を踏まえ、将来を見据えた津波災害に強 い地域づくりを推進する必要があり、「津波防災地域づくりに関する法律」及び「津波防 災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が平成 23 年 12 月 14 日に制定されました。

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(4)南海トラフの巨大地震

南海トラフの巨大地震は、南海トラフを震源とする巨大地震で、最大クラスのマグニチュ ードは、東日本大震災と同程度の 9.0 と想定されます。 また、南海トラフを震源とする地震の 1 つである「東南海・南海地震」とは、「東南海・ 南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成 21 年 6 月1日施行)」によれ ば、「遠州灘西部から熊野灘及び紀伊半島の南側の海域を経て土佐湾までの地域並びにその 周辺の地域における地殻の境界を震源とする大規模な地震をいう。」と定義されています。 「東南海地震」は、南海トラフ沿いの遠州灘西部から紀伊半島南端までの地域で発生する 地震のことを、「南海地震」は、同じ南海トラフ沿いの紀伊半島から四国沖で起こる地震の ことをいいます。 南海トラフを震源とする地震の特徴は以下のとおりです。  非常に揺れの大きな地震であること  継続時間が長いこと  必ず津波が発生すること  繰り返し発生していること  東南海地震及び南海地震が同時または連続的して発生する可能性があること  東南海地震、南海地震の順に東から発生すること 南海トラフの巨大地震は四国地方に大きな被害を与えると予測されていますが、過去に発 生した地震はそれぞれ異なる様相を示しています。記録によれば、宝永地震(1707 年、M8.4) は東海沖から四国沖までのプレートが一挙にずれたため、最大クラスの津波を発生させてい ます。安政東海地震と安政南海地震(共に 1854 年、M8.4)は 32 時間以内に 2 つの地震が発 生し、昭和東南海地震(1944 年、M7.9)と昭和南海地震(1946 年、M8.0)は約 2 年の間隔が あいて地震が起こり、津波や地震動は比較的小さかったと考えられます。 将来発生する南海トラフを震源とする地震がどのようなタイプであるかさえ、想定できな い状況です。同時に起こるのか、数時間後にたて続けに起こるのか、数年後に復興の最中で 2 回目の地震が起こるのか、その規模はどの程度なのか等です。いろいろな想定が必要であ

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①想定震源域 ・南海トラフの巨大地震の震源域は、東は東海地方から西は九州の太平洋に至るもので、 東南海・南海地震の震源域に比べ大きく拡大しました。 ・これまでの四国地方における防災・減災対策は、東南海・南海地震等を想定していまし たが、今後は南海トラフの巨大地震等を対象とする必要があります。 出典:内閣府公表資料

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②震度の分布 ・四国地方における最大震度をみると、2003 年の中央防災会議の公表では、震度 7 の揺れ が想定されていた市町村は 4 市町村でしたが、新たな想定(2012 年)では 58 の市町村 (四国内の 6 割の市町村)に拡大しています。 地方公共団体での最大震度 最大震度 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 最大震度 7 (58 市町村 :全市町村の 61%) 徳島市、鳴門市、小松 島市、阿南市、吉野川 市、阿波市、美馬市、 三好市、上勝町、石井 町、那賀町、牟岐町、 美波町、海陽町、北島 町、藍住町,板野町、 上板町(18 市町) 観音寺市、東かがわ市、 三豊市(3 市) 宇和島市、新居浜市、 西条市、大洲市、四国 中央市、西予市、東温 市(7 市) 高知市、室戸市、安芸 市、南国市、土佐市、 須崎市、宿毛市、土佐 清水市、四万十市、香 南市、香美市、東洋町、 奈半利町、田野町、安 田町、北川村、芸西村、 本山町、大豊町、土佐 町、いの町、中土佐町、 佐川町、檮原町、日高 村、津野町、四万十町、 大月町、三原村、黒潮 町(30 市町村) 最大震度 6 強 (34 市町村 :同 36%) 勝浦町、佐那河内村、 神山町、松茂町、つる ぎ町、東みよし町(6 高松市、丸亀市、坂出 市、善通寺市、さぬき 市、土庄町、小豆島町、 松山市、今治市、八幡 浜市、伊予市、上島町、 久万高原町、松前町、 馬路村、大川村、仁淀 川町、越知町(4 町村)

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③津波の高さ ・四国地方における最大津波高をみると、太平洋側では 10m超えの津波の襲来が想定され ており、30mを超える箇所も見受けられます。また、瀬戸内側においても、3~5mの津 波が想定されています。 愛媛県 香川県 4 4 4 4 4 4 5 5 5 21 11 11 13 21 -10 20 30 40 四 国中央 市 新居 浜市 西条市 上島町 今治市 松山市 松前町 伊予市 大洲市 伊方町 八幡 浜市 西予市 宇和 島市 愛南町 津 波 高 m) 4 4 4 3 3 4 4 3 3 4 5 3 -10 20 30 40 観音寺市 三豊市 多度津町 丸亀市 宇多津町 坂出市 高松市 直島町 土庄町 小豆島町 さぬき市 東かがわ市 津 波 高 m) 25 27 34 22 34 31 22 25 24 17 16 15 14 16 14 13 16 24 19 -10 20 30 40 宿毛 市 大月 町 土佐清水市 四万十 市 黒潮 町 四万十 町 中土佐 町 須崎 市 土佐 市 高知 市 南国 市 香南 市 芸西 村 安芸 市 安田 町 田野 町 奈半利 町 室戸 市 東洋 町 津 波 高( m) 7 7 7 6 16 24 15 21 -10 20 30 40 鳴門市 松茂町 徳島市 小松島市 阿南市 美波町 牟岐町 海陽町 津 波 高( m)

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④津波(1m)が到達するまでの時間 ・四国地方における最短津波到達時間(津波高+1m)をみると、高知県や徳島県では 10 分以内に津波到達が想定される市町村があり、3 分という極端に短い時間の市町村も見 受けられます。一方、瀬戸内側では、3 時間経過した以降に津波が到達する場所もあり ます。 愛媛県 香川県 240 300 360 最 短 津 波 30 0 30 2 21 6 11 6 19 7 16 7 10 6 95 81 -60 120 180 240 300 360 観音寺市 三豊市 多度津町 丸亀市 宇多津町 坂出市 高松市 直島町 土庄町 小豆島町 さぬき市 東かがわ市 最 短 津 波 到 達( 分) 137 133 118 141 46 56 53 29 19 -60 120 180 240 300 360 四国 中央市 新居 浜市 西条 市 上島 町 今治 市 松山 市 松前 町 伊予 市 大洲 市 伊方 町 八幡 浜市 西予 市 宇和 島市 愛南 町 最 短 津 波 到 達( 分) 240 300 360 最 短 津 波

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⑤津波による最大浸水面積 ・四国地方における最大浸水面積(浸水深+1cm 以上)をみると、高知県で 15,780ha(ケ ース④)、徳島県で 11,750ha(ケース③)、愛媛県で 4,050ha(ケース⑪)、香川県で 2,790ha(ケース④)と広範囲の被害が想定されています。特に、高知県、徳島県や愛媛 県の太平洋側では、10m以上の浸水深が想定されている地域もあり、甚大なる被害の発 生が危惧されます。 愛媛県 香川県 高知県 徳島県 ※図は、ケース④における浸水分布であり、必ずしも各市町村の最大浸水面積を表すものではない。 ※グラフは各市町の浸水深+1cm 以上の最大浸水面積 1, 620 950 2, 600 2,4 20 3, 080 47 0 25 0 610 -1,000 2,000 3,000 4,000 鳴門市 松茂町 徳島市 小 松島市 阿南市 美波町 牟岐町 海陽町 浸 水 面 積( h a) 22 0 22 0 50 20 0 0 87 0 69 0 90 80 11 0 29 0 10 0 -1,000 2,000 3,000 4,000 観音寺市 三豊市 多度津町 丸亀市 宇多津町 坂出市 高松市 直島町 土庄町 小豆島町 さぬき市 東かがわ市 浸 水 面 積( h a) 200 26 0 10 0 40 440 140 370 200 30 300 33 0 24 0 890 720 -1,000 2,000 3,000 4,000 四国中央市 新居浜市 西条市 上島町 今治市 松山市 松前町 伊予市 大洲市 伊方町 八幡浜市 西予市 宇和島市 愛南町 浸 水 面 積( h a) 1, 33 0 34 0 1,5 20 48 0 1, 20 0 34 0 600 1, 45 0 51 0 3, 38 0 1, 550 1 ,30 0 18 0 1, 05 0 18 0 14 0 200 75 0 43 0 -1,000 2,000 3,000 4,000 宿毛市 大月町 土佐清水市 四万十市 黒潮町 四万十町 中土佐町 須崎市 土佐市 高知市 南国市 香南市 芸西村 安芸市 安田町 田野町 奈半利町 室戸市 東洋町 浸 水 面 積( h a)

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⑥被害想定(死者数) ・四国地方が大きく被災するケースでは、四国全体での死者数は約 8.7 万人と想定され、 これは東日本大震災での死者・行方不明者の 4 倍以上の人的被害となります。 ・高知県と徳島県では、津波を要因とした死者数の比率が高くなっています。 ※グラフの値は、四国全体の被害が 最も大きい以下の条件による想定 地震動 陸側ケース 津波 ケース④ 37,000 600 1,600 49,000 23,000 20,000 30,000 40,000 50,000 死 者 数( 人

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⑦被害想定(建物被害) ・四国地方が大きく被災するケースでは、四国全体での全壊棟数は約 61 万棟と想定されて います。 ・すべての県において、「揺れ」を要因とした全壊棟数の比率が高くなっています。 ※グラフの値は、四国全体の被害が 最も大きい以下の条件による想定 地震動 陸側ケース 津波 ケース④ 時期 冬 18 時 風速 8m/s 90,000 37,000 117,000 167,000 4,400 7,400 1,400 11,000 10,000 49,000 22,000 53,000 22,000 127,900 54,500 187,800 240,500 4,60012,000 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 全 壊 棟 数 揺れ 液状化 津波 急傾斜地崩壊

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⑧津波被害と浸水深の関係 ・内閣府公表資料によれば、津波被害と浸水深の関係を以下のように示しています。 ・「災害に強いまちづくり」を行うには、この浸水深を十分に認識しておく必要があります。 例えば、津波避難に必要な時間を算定する場合は、0.3mの浸水が生じる時間が必要とな り、土地利用を考える際には、浸水深 2.0m以上が想定される地域では居住に適さない ことがうかがわれます。 出典:南海トラフの巨大地震モデル検討会(第二次報告)津波断層モデル編 ―津波断層モデルと津波高・浸水域等について- 平成 24 年 8 月 29 日(P28 より抜粋) 【津波被害と浸水深の関係】 0.3m以上 :避難行動がとれなく(動くことができなく)なる 1.0m以上 :津波に巻き込まれた場合、ほとんどの人が亡くなる 2.0m以上 :木造家屋の半数が全壊する(注:3m以上でほとんどが全壊する) 5.0m以上 :2 階建ての建物(或いは 2 階部分まで)が水没する 10.0m以上 :3 階建ての建物(或いは 3 階部分まで)が完全に水没する

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(5)四国地方における土砂災害

四国地方の地質は、中央構造線などの影響を受けて脆弱であるとともに、地形も急峻で、 加えて台風の常襲地帯であり、豪雨災害を受けやすい条件を備えています。 土砂災害危険箇所数をみると、四国地方には 53,275 箇所の土砂災害危険箇所を有しており、 全国の1割以上の箇所数を占めています。また、人口千人当たり土砂災害危険箇所数を比較 すると、全国の 4.1 箇所/千人に対し、四国地方では 13.4 箇所/千人と約3倍となっており、 土砂災害の危険性の高い地域となっています。 表 土砂災害危険箇所数 土石流 危険渓流 注1) 地すべり 危険箇所 注2) 急傾斜地崩壊 危険箇所 注3) 合計 人口 人口千人当たり 危険箇所数 四国 15,875 1,390 36,010 53,275 3,977 千人 13.4 徳島県 2,244 591 10,166 13,001 785 千人 16.6 香川県 2,902 117 3,953 6,972 996 千人 7.0 愛媛県 5,877 506 8,807 15,190 1,431 千人 10.6 高知県 4,852 176 13,084 18,112 764 千人 23.7 全国 183,863 11,288 330,156 525,307 128,057 千人 4.1 注1)平成 14 年度公表、注2)平成 10 年度公表、注3)平成 14 年度公表 ※人口は平成 22 年国勢調査 国土交通省 砂防部資料を加筆 http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link20.htm 近年の土砂災害の発生状況をみると、年次によって増減はあるものの、四国地方にて 71.4 件/年で災害が発生している状況にあります。これは、全国で発生している土砂災害の件数 1,046 件/年の 6.8%を占め、人口比率の 3.1%に比べて非常に高い値となっており、土砂災 害の発生の危険性が高い地域といえます。 近年の都道府県別土砂災害発生状況 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 年平均 四国 56 45 29 50 67 108 86 47 164 62 71.4 徳島県 7 8 20 27 32 42 9 4 18 3 17.0 香川県 0 0 0 3 3 16 1 6 3 6 3.8 愛媛県 37 19 3 17 24 27 25 16 21 22 21.1 高知県 12 18 6 3 8 23 51 21 122 31 29.5 全国 1,441 966 695 1,058 1,128 1,422 837 941 1,184 788 1046.0 国土交通省 砂防部 http://www.mlit.go.jp/river/sabo/taisaku_syojoho/dosyasaigai_hasseijokyo.pdf

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■平成 16 年の台風災害 平成 16 年は、四国に6個の台風が上陸し、各地において大きな被害を発生させました。 台風の規模 主な被害の発生状況 台風 10 号 7 月 30 日~8 月 4 日 最低気圧 945hpa 暴風域 (最大)半径 200km、 強風域 (最大)半径東 480km 西 410km ・徳島県神山町で総降水量 1,243mm を記録 (旭丸観測所 7 月 30 日~8 月 2 日) ・徳島県で 25 年ぶりに災害救助法を適用(上那賀町・ 木沢村) ・上那賀町、木沢村の豪雨で道路寸断、落橋により孤 立 台風 15 号 8 月 17 日~8 月 19 日 最低気圧 970hpa 暴風域 (最大)半径 130km、 強風域 (最大)半径南東 600km 北西 370km ・大川村、土佐町で記録的な豪雨により小学生ら約 160 人を含む住民が孤立 ・香川県、愛媛県で土石流などにより被害多数 台風 16 号 8 月 27 日~8 月 31 日 最低気圧 910hpa 暴風域 (最大)半径 280km、 強風域 (最大)半径南 800km 北 560km ・高松港で観測開始以降第1位の潮位 2.46m を記録 ・徳島県で最大瞬間風速 54.1m/s を記録 (8月では観測開始以降最高) ・大洲市の肱川で危険水位を超え、水位 6.85m を記録 して氾濫 台風 18 号 9 月 5 日~9 月 7 日 最低気圧 925hpa 暴風域 (最大)半径 240km、 強風域 (最大)半径東 650km 西 560km ・宇和島市で観測開始以降第1位の最大瞬間風速 47.3m/s を記録 ・土砂崩れにより木沢村、安芸市で一部住民が孤立 台風 21 号 9 月 29 日~9 月 30 日 最低気圧 940hpa 暴風域 (最大)半径 170km、 強風域 (最大)半径 480km ・JR予讃線、松山自動車道、国道 11 号など幹線道 路が寸断 ・土砂崩れや山腹崩壊により西条市で一部住民が孤立 台風 23 号 10 月 20 日 最低気圧 940hpa 暴風域 (最大)半径 260km、 強風域 (最大)半径 800km ・室戸市沖で観測史上最大の大波、有義波高 13.55m を記録 ・高知県室戸岬沖で観測開始以降第3位の最大瞬間風 速 59m/s を記録 ・今夏の台風による人的被害が最大

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平成 16 年の台風災害により、四国全域で、死者・行方不明者が 61 人、延べ約5万8千 棟が床上・床下浸水の被害を受けるなど、多くの被害が発生しました。 また、全国で 2,101 件の土砂災害が発生し、そのうちの 489 件(全国比約 23%)が四国 管内で発生しており、四国において甚大な被害が発生しました。 四国管内の被災状況 参照:平成 16 年台風災害を振り返って~四国地方整備局の取組と今後の対応~ http://www.skr.mlit.go.jp/bosai/bosai/kiroku/higai/taihu16nendo.pdf

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2 災害に強いまちづくりの推進に向けて

(1)災害に強いまちづくりの必要性

・「災害に強いまち」とは、今後発生が想定される大規模な地震や水害・土砂災害等からま ちを守り、被害を最小化(減災)できるまちをいいます。 ・そのためには、建築物の耐震化・耐浪化・不燃化、道路・橋梁・河川・港湾・漁港・上下 水道等の耐震化・強化等のハード整備、さらには、消火・避難・救助等の「自助」、「共 助」、「公助」によるソフト施策の一体的な取組み強化が必要です。 ・今後の大規模災害の発生を考慮すれば、ハード整備・ソフト施策の両輪による、中長期に 亘る災害対策を進めていく必要があります。例えば、従来のインフラ整備においても、防 災・減災、避難、復旧・復興のし易さ等の視点を踏まえた検討が必要といえます。しかし ながら、現在のまちづくりにおいては、それらの視点は未だ不足している状況にあります。 ・一方、「まちづくり」の観点では、非日常である災害時に対して、日常の視点を踏まえた 検討が重要です。災害対策によるハード整備・ソフト施策が、日々の生活の質の向上へ寄 与するといった視点での検討に取組む必要があります。 ・人口減少や少子高齢化の進行、限られた財源等の中で、災害に強いまちづくりを行うため には、効果的・効率的な計画・整備が必要です。 ・また、日常時の利用などに配慮した防災・減災対策として、景観への配慮や経済的な価値 を生み出す施策の検討などを進めていく必要があります。 ・このように、「災害に強いまちづくり」は、住民や関係者等との連携・協働により、防災・ 減災、避難、復旧・復興の視点、災害発生という非日常への対応ばかりでなく日常生活の 質を高める視点、まちの構造を見直す等の長期的な視点を持って進めるまちづくりで、あ らゆる手法を排除しないということができます。 災害に強いまちづくりとは、災害による被害をできるだけ小さくし、かつ日常の生活 の質を向上させるまちづくりです。

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(2)四国地方における災害に強いまちづくり

■四国らしさ-四国の地域特性、防災特性の把握 四国地方の海岸部は、長い海岸線沿いに市街地が開け、中央部は急峻な四国山地を有し ています。台風の通り道であることから、山間部では土砂災害、河口に広がる市街地では 内水氾濫の被害が多く発生しています。また、海岸部は都市部も含め高潮や地震による津 波災害の履歴がみられます。このように、四国地方は災害履歴の多い地方であり、過去の 災害から学ぶことが重要です。 四国山地では、急峻な山々に農山村集落が点在し、交通ネットワークの不足等の要因か ら、災害時に集落の孤立が憂慮されています。また、過去の災害経験等から、地域コミュ ニティ力は比較的強いといわれてきましたが、近年の人口減少や少子高齢化、平成の大合 併による行政区域の拡大等により、地域コミュニティ力の衰退が懸念されています。 四国地方は、四国霊場八十八箇所を代表とする優れた歴史と文化を有する地方であり、 歴史的なまち並みや優れた景観を有するまちが数多く見られます。災害に強いまちづくり を進めていくためには、まちの歴史や景観などとの調和が必要です。 ■施策の展開に向けた重要な視点 ①長期的な視点 災害に強いまちづくりの基本的な考えは、あくまでも「人命を守る」ためのハード整備 を時間をかけてでも行い、あわせてソフト施策を行うことで「人命を守る」ための効果を より一層高めることです。したがって、20~30 年、さらに 50 年、100 年といった長期的な ビジョンを持ってまちの構造を見直すとともに、様々な分野の社会資本整備の取組みにあ たり、防災・減災の視点を持つことが重要です。 また、大規模災害時における早期の復旧・復興のため、被災しても復旧・復興しやすい まちづくりの実現に取り組む必要があります。 具体的には、地震が起きるまでに時間のある可能性があることから、都市計画マスター プラン等を活用して、20~30 年といった長期的な視点でまちの構造を災害に強いものに変 えていくこと、その際、事前復興計画で描かれたまちの姿に徐々に近づけていく視点が重 要となります。 ②限界を知る 住民、関係者等及び地方公共団体は、地方公共団体が行う人員、資材等での災害対応に ついて「限界がある」ことを共有しておくことが必要です。したがって、地方公共団体が 持つ「災害への対応能力」を正確に把握し、その不足部分をどのように補うかを住民及び

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関係者等(自主防災組織、災害ボランティア、NPO、医療福祉関係、庁内関係部署、そ の他関係組織等)と真剣に検討する機会が必要です。被害想定を十分行った上で、それに 対する防災・減災対策を進めていく上での役割分担を明確にしていくことが重要です。 ③住民・大学等との連携 「自分たちのまちは自分たちで守る」ことを基本に、住民や関係者等と一緒になって、 まちの現状、課題、災害に強いまちづくりを行うための施策等を考えてくことが重要です。 一緒になって考えていくことで、住民の災害に対する意識の向上にもつながります。 住民参画の具体的な手法としては、ワークショップやタウンウォッチング、アンケート 調査、ヒアリング等があり、地域の実情や目的にあった手法を用いることが重要です。 また、このような取組みを進める中で、地域コミュニティの醸成を図り、共助の意識を 高めていくことも必要です。 さらに、専門的な立場からの支援やアドバイスを受けるため、大学との連携を図る等の 方法を考えていく必要があります。 【ワークショップの概要】 ◆概要 様々な課題に対応するために、少人数(5 人~10 人程度)のグループ に分かれて議論や作業をする方法が一般的です。グループ内での議論 の結果を発表することによって、多様なアイディアを導き出します。 ◆ポイント 参加者間での議論を通じて多様な視点を共有し、共同作業を通して創 造的な解決のアイディアを見出すことをねらいとします。 参加者間相互の円滑な議論を進めるための進行役(ファシリテーター 等)が必要です。 【タウンウォッチングの概要】 ◆概要 歩きながらまちの魅力や課題を発見する手法です。防災・減災や安全、 景観などのテーマをもとに地域を歩くことで、普段は気がつかない新 たな発見をすることが期待されます。 ◆ポイント 防災・減災をテーマにした場合、自宅から避難施設までの避難経路を

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【ワークショップの事例紹介】 ◆概要 徳島県美波町における地域モデル(案)の検討にあたって、職員を対 象としたワークショップを開催しました。役場周辺の密集市街地を対 象エリアとし、まちの構造(避難経路の確保、細街路の拡幅、耐震改 修等)に着目した意見交換を行いました。 ◆ポイント ワークショップを2回開催し、1回目は課題・問題点の抽出、2回目 は「災害に強いまち」をめざした対策の検討を行いました。 2回目のワークショップでは、密集市街地の指標である、延焼危険性 と閉塞危険性の指標を用いた現況評価を踏まえたうえで、グループで とりまとめた“災害に強いまちの姿”での指標算出を行い、客観的な 評価を行いました。 ◆使用データ 延焼危険性と閉塞危険性の指標算出のために、以下のようなデータを 使用しました。 ・対象地区の面積 ・道路網のデータ(幅員ごとの延長) ・建築物のデータ(構造、建築年度) ・空家・空地 ◆開催状況 グループ討議の状況 グループ発表の状況 (平成 23 年 11 月、12 月)

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3 災害に強いまちづくりの検討

(1)災害に強いまちづくりの検討

「災害に強いまちづくり」を計画・整備していくためには、まず、その必要性を明確にす ることが重要です。次に、「まち全体」の現状把握・分析を行い、防災・減災上の課題を抽 出し、重点的に対応すべき事項を有する地域(以下「対象地域」という。)を選定します。 「対象地域」の現状・課題を把握するには、2つの方法が必要と考えます。1つは「関係 者ヒアリングや資料・現地調査等の既存の情報を分析することで現状を認識し、課題を抽出 する方法」です。もう1つは「発災後から 1 ヶ月程度の期間に起こり得る状況を想定(被災 シナリオの作成)し、課題を抽出する方法(時間軸での備えに関する検討)」です。 2つの方法は、「既存の情報」及び「発災時を想定」することでまちの現状や課題を把握 するもので、2つの方法を同時に行うことで、災害に強いまちづくりを進める上で不足する 考え方や具体的な施策等が漏れなく、より鮮明に見えてくると考えます。 これらの方法により、地域や災害の特性を踏まえた「対象地域」の現状・課題を把握し、 課題を集約します。その後、災害に強いまちづくりを行うための基本方針及び基本施策を決 定し、具体的な「災害に強いまちづくり計画」を策定・実施することとなります。

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(2)災害に強いまちづくりの必要性の明確化

「災害に強いまちづくり」に取組むためには、「災害に強いまちづくり」を行う必要性を 明確にしておくことが重要です。必要性を明確にしておかなければ、まちづくりの検討中で 利害が対立した場合に、利害関係者からの協力を得られなくなるおそれ等が生じます。 【着眼点・留意点】 ①住民の行動や災害発生のシナリオを想定しながら必要な対策を検討する ・災害発生のシナリオを想定する際には、地震・津波が突発的に起きる災害であるのに対 し、水害・土砂災害は気象情報等によって危険性が高まっていることが想定できるとい った違いを認識しておくことが重要です。特に、地震・津波を対象とした場合は、災害 が発生してから速やかな避難行動を行うことになりますが、水害・土砂災害を対象とし た場合、災害が発生する時点では、避難を完了している状態にあることをめざしていく 必要があります。 ・地震・津波災害の際には、被災者は、災害の発生前又は発災時には一時的に避難場所へ 逃げ、危険な状況が去った後に一定の期間避難生活を送る避難所に移動し、その後応急 仮設住宅や災害公営住宅で居住するということが一般的に考えられます。 ・命を守ることを考えれば、避難場所の計画や整備も重要ですが、時間軸の検討における 視点でみると、避難所についても滞在が長期に及びますので、生活環境の確保や支援受 入等、色々な視点から十分検討の上、計画や整備を進めていく必要があります。 ・また、災害発生後に必要となる応急仮設住宅の建設地や災害廃棄物仮置き場等の場所を 事前に決めておき、その用地を確保しておくことは、速やかな復旧・復興に役立ちます。 ・このように、まず被災状況(被災シナリオ)を想定したうえで、時間とともに変化する 避難者の状況やニーズ、必要となる対応等を検討することが必要です。 四国地方は、長い海岸線、急峻な地形等を有し、過去に多くの災害を受けています。 近い将来、南海トラフの巨大地震・津波の発生が予測されるとともに、多発する水害・ 土砂災害に備えるために、災害に強いまちづくりが急がれます。

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たは見直し時において、「災害に強いまちづくり」を進めていくための検討は欠かせま せん。その検討結果は「災害に強いまちづくり」を進める上で有効です。 ・また、逆に「災害に強いまちづくり」の検討の中で出てきた土地利用等の方策を、上位 計画に反映させることも必要です。 ③多くの主体が参画して検討する ・まちづくりを進めるためには、生活基盤や産業振興、保健・医療・福祉などの様々な視 点が必要となります。南海トラフの巨大地震等の大規模災害の発生を考慮すると、「災 害に強いまちづくり」を行うために、計画段階から多くの住民の参画を促し、様々な主 体が「災害に強いまちづくり」を考える場を設ける必要があります。 ・また、様々な機会を通して、住民の防災意識の高揚につなげていくことも重要です。 ④総合的な「まちづくり」の中で考える ・「災害に強いまちづくり」には、限られた地域や単発的な施策の導入といった局所的な 対応ではなく、まち全体や複数の施策の連携等、総合的な対応が必要となります。 ・また、災害発生後の復旧・復興を想定した場合、国や県、自衛隊等の支援拠点(広域防 災拠点)は、道路啓開がどこから、どのように進むかでその場所を検討することとなり ます。 ・このように、総合的なまちづくりは、市町村の多様な部局間の横断的な取組みとして、 また、市町村単独で行うのではなく、国や県等と情報共有を図り、計画・実施する必要 があります。 ・「災害に強いまちづくり」は、短期・中期施策の実施ばかりでなく、50 年、100 年先を 見据えたまちづくりでもあります。 ⑤事前復興計画を検討する ・東日本大震災の教訓の中に、大規模災害の被災の可能性がある地域では、被災から速や かな復旧・復興を行うため、被災することを前提とした復興後のまちづくりを事前に検 討しておくことの重要性が示されました。 ・四国地方においても、応急仮設住宅の建設地や災害廃棄物の仮置き場等の用地選定をは じめ、その後の早期の復興をめざす「新たなまちの姿」を検討する「事前復興計画」の 検討が有効です。 ・その際、新たなまちへの復興とは、現在考えられている防災面を考慮したまちの将来像 の具現化であり、上位計画との整合、上位計画への反映、住民参加による策定等が必要

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(3)まち全体の現状把握、分析、課題抽出

「災害に強いまちづくり」を行うためには、地方公共団体職員がまちの状況をよく知って おくことが重要です。現状把握のために必要なデータの一例を下記に示しますが、関係者へ の確認や現地調査等を通じて、状況を確実に把握しておくことが重要です。 「まち全体」の現状把握・分析により、課題を抽出することで、災害に強いまちづくりを 検討していく「対象地域」を見つけ出します。 ◆現状把握のために必要なデータ(例) ・人口(総人口、年齢階層別人口、世帯数、高齢者数等)→国勢調査、住民基本台帳 ・将来人口(総人口、年齢階層別人口、世帯数、高齢者数等)→国立社会保障・人口問題研 究所資料 ・地形・地質→主題図(国土交通省国土地理院)、地質図(独立行政法人産業技術総合研究 所) ・まちの歴史(なりたち)→市町村史 ・産業→農林業センサス、経済センサス ・土地利用(将来像、市街化区域、土地利用規制)→総合計画、土地利用計画、都市計画マ スタープラン、都市計画図、農業振興地域 ・各種施設(福祉施設、土木構造物、ライフライン等)→全図、国土基本図、都市計画総括 図、その他地方公共団体所有資料 ・道路交通→道路交通センサス、道路整備状況(地方公共団体所有) ・まちの防災・減災対策→地域防災計画、BCP(事業継続計画)、津波避難計画、避難場 所・避難所一覧、その他防災活動拠点配置関係資料 ・防災体制・消防団情報→地方公共団体地域防災計画、地方公共団体所有資料 社会情勢の変化の中で、「まち全体」の現状・課題を把握し、地方公共団体職員がま ちの状況をよく知っておくことが重要です。「まち全体」の現状把握・分析により、課 題を抽出し、重点的に対応すべき事項を有する「対象地域」を見つけ出します。

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【着眼点・留意点】 ①まちの現状と社会情勢の把握 ・まちを取り巻く社会情勢は、人口減少や少子高齢化、南海トラフの巨大地震や大型化す る台風等の発生、厳しい財政事情及びICT(情報通信技術)の進歩等により大きく変化 しています。したがって、まち全体の現状を正確に把握することが重要です。 ・まち全体の現状を把握するため、「四国地震防災基本戦略」に示される東日本大震災よ り学ぶべきこと等を踏まえ、きめ細かな調査(高台、住宅、避難場所・避難所、備蓄場 所、避難経路、危険箇所の状況等)が必要です。 ・まち全体の現状は、各種のデータ整理だけにとどまらず、職員や住民の声等からも把握 することが重要です。必要に応じて、現地調査や関係者ヒアリングを実施することも有 効です。 ②災害履歴の把握 ・地震は繰り返し発生する特性を有しており、津波による浸水や水害・土砂災害等の災害 履歴を知っておくことが非常に重要です。 ・地元の古老は災害に関する実体験を有しているため、古老に話を聞き、記録を保存して おくことは、意識啓発に役立ちます。また、小中学生等がインタビュアになれば、防災 学習や郷土学習にもつながります。 ・災害履歴は、地方公共団体等が保有している古文書や市町村史に記述されている事例が 多く見られ、その記録は、地域防災計画等において確認することができます。

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【事例】 ○中土佐町(中土佐地域)の災害履歴 (中土佐町地域防災計画より抜粋) 【地震災害】 発生年月日 地震名 規模 (M:マグニチュード) 被害状況 684.11.28 (天武 13 年) 白鳳地震 8.4 『日本書紀』に「土佐国田苑五十万項没為海」と記されてお り、田畑 12 平方キロメートル海中に没したとおもわれる。 887.8.25 (仁和 3 年) 仁和地震 8.6 近畿地方を中心に大きな被害がでたようであるが、高知県の 記録なし。 1099.8.3 (廉和元年) 廉和地震 8.0 高知県内で「作田千余町歩皆以成海底」の記載があり、大き な津波があったと思われる。 1361.8.3 (天平 16 年) 天平地震 8.4 摂津、阿波、土佐で津波の被害があり、流失家屋や死者が多 数あったと思われる。 1605.2.3 (慶長 9 年) 慶長地震 7.9 室戸方面で 800 余人の死者がでた記録しか残っていないが、 「国々浦々破損滅亡ス」の記載もあり、本町もかなりの被害 があったと思われる。 1707.10.28 (宝永 4 年) 宝永地震 8.6 「亥の大変」と呼ばれるもので、久礼八幡宮の柱が1本も残 らず流失した大地震で、津波も 20 余mに達したと思われる。 (上ノ加江でも広埜神社、禅源寺が流失)久礼で死者 200 余 人。 1854.12.24 (安政元年) 安政地震 8.4 津波の高さや被害は県下各地とも宝永地震より小さかった ようであるが、それでも 10m前後の津波が押し寄せ、久礼で は札場から中島にかけて流失。上ノ加江、矢井賀でも流失多 数。 久礼八幡宮被害なし。 1946.12.21 (昭和 21 年) 南海地震 8.0 被害は四国、九州、中国、近畿及び中部地方の一部にわたり、 津波が来襲した。 本町では久礼の半分が浸水、上ノ加江では町浦北部と広埜神 社以南が浸水。 【風水害等】 発生年月日 災害名 被害状況 昭和 9.9.21 室戸台風 上ノ加江小学校倒壊 昭和 29.9.13 台風 12 号 上ノ加江海岸堤防決壊 昭和 34.9.26 伊勢湾台風 全壊 6 戸、半壊 2 戸、浸水家屋 60 戸 昭和 38.8.8~9 台風 9 号 全壊 2 戸、半壊 50 戸、橋の流失 10 カ所他で 1 億 5 千万円の 被害 昭和 45.8.21 台風 10 号 八幡前の堤防決壊、海水が西町から札場に流れ込み浸水。久 礼川が満水となり札場、中島はほとんど床上浸水。全壊 34 戸、半壊 83 戸、床上浸水 159 戸、床下浸水 406 戸、軽傷 3 名。

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【津波堆積物調査】 土佐湾の湾央のただす池では、約 4,800 年前までの記録が残っています。その間で 14 回の巨大な津波(砂層が確認できる津波は宝永地震クラスの大きな津波を生じたもの)が 発生したと考えられます。また、南海トラフ沿岸では最大約 7,000 年前までの記録を得て います。宝永地震クラスは 300 年~350 年に 1 回来ており、2,000 年前に一度はその約 2.5 倍程度の津波砂層が見られます。 出典:南海地震の履歴(中央防災会議「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する 専門調査会第 2 回会合」高知大学岡村眞委員提出資料) ③-1 災害特性、被害想定の把握(地震・津波) ・東日本大震災の事例を踏まえ、起こりうる災害の特性や被害想定は、災害に強いまちづ くり計画立案のための基礎データとなります。 ・被害想定は内閣府公表資料のほか、各都道府県での想定結果があります。被害想定の前 提条件が異なる場合がありますので、防災・減災対策の検討を行うにあたっては、前提 条件等を確認しておく必要があります。 ○津波被害と津波浸水深、津波浸水域 ・内閣府資料において、津波被害と津波浸水深についての考え方が示されています(P18 参照)。 ・津波浸水深 0.3m以上で避難行動がとれなくなりますので、これまでに避難できる方策 を検討する必要があります。 ・避難場所・避難所は津波浸水想定区域外で確保することが必要です。それらへ避難する

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ります。 【高知県版第2弾】南海トラフの巨大地震による震度分布・津波浸水予測について (P36 参照) ・高知県は平成 24 年 12 月に公表した上 記資料において、津波被害と浸水深の 関係を示しています。 ・避難は、津波浸水深 0.3mになるまでの時間で行うことが前提 ・避難場所・避難所は、津波浸水想定区域外に設置することが前提

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・最大クラスの津波を想定した津波浸水区域(予測図)が示されています。

例)安芸市(その1)

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・津波の被害状況は、災害の発生時期(季節)や時間帯によって変化します。そのため、 条件を変化させた津波シミュレーション等によって、「どこの地域が浸水し、どの道路 が寸断され、どのくらいの住民が避難できるのか」等のきめ細かな被害想定を行う必要 があります。 ・災害履歴を知り、分析しておくことは重要なことであり、行政と大学等の研究機関が連 携を図りながら、ヒアリング等を通じて詳細な被害の実態調査を行っておくことが必要 です。 ・災害は、天候や発生時間によっても状況が異なりますので、対策の検討が必要です。 ◆参考資料(四国各県の被害想定に関する主な資料) ・徳島県津波浸水想定の公表について(徳島県 HP、南海地震防災課、平成 24 年 10 月) http://anshin.pref.tokushima.jp/docs/2012121000010/ ・徳島県南海トラフ巨大地震被害想定(第二次)の公表について(徳島県 HP、南海地震防 災課、平成 25 年 11 月) http://anshin.pref.tokushima.jp/docs/2013112100023/ ・香川県地震・津波被害想定(第一次公表)(香川県、平成 25 年 3 月)(内閣府公表に基 づいて見直し中) http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir2/dir2_2/dir2_2_6/weg83x150518113921.shtml ・香川県地震・津波被害想定(第四次公表)(香川県、平成 26 年 3 月) http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir2/dir2_2/dir2_2_6/wergwu150612133004.shtml ・愛媛県地震被害想定調査結果(第一次報告)(愛媛県、平成 25 年 7 月) http://www.pref.ehime.jp/bosai/higaisoutei/higaisoutei24.html ・愛媛県地震被害想定調査結果(最終報告)(愛媛県、平成 25 年 12 月) https://www.pref.ehime.jp/bosai/higaisoutei/higaisoutei25.html ・【高知県版第2弾】南海トラフの巨大地震による震度分布・津波浸水予測について(高 知県 HP、危機管理部南海地震対策課、平成 24 年 12 月) http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/010201/nannkai-3.html ・【高知県版】南海トラフ巨大地震による被害想定について(高知県 HP、危機管理部 南

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○土地利用の考え方 ・住居系の土地利用に関する浸水深の許容範囲は、岩手県が「復興まちづくり/土地利用の 考え方について」を示し、市街地に壊滅的被害をもたらさない浸水程度ということで、 概ね 2m以内と考えています。最大クラスの津波に対しての居住可能な深さの参考値と 考えられます。 ○復興まちづくりで考える土地利用(岩手県) ・岩手県は、東日本大震災からの復興のため、復興まちづくりと土地利用の考え方をまとめ ています。 ・住居系の土地利用に関する浸水深の許容範囲は、市街地(集落)の壊滅的被害をもたらさ ない浸水程度のことで、概ね 2m以下を考えます。 ・土地利用は、公共系、住居系及び業務系に大別し、以下の考えで配置することを考え、防 災性と生活の利便性を兼ね備えた市街地の形成を図ることを考えます。 ●公共系・・・庁舎、公民館、学校等の災害対策の拠点となるもの ・災害発生時に対策本部や避難所・救護施設となる庁舎、公民館等の公的施設は、浸水し ないエリアに誘導します。 ・学校及び地区公民館(地域コミュニティにおいて使用される集会所等のこと)は、浸水 しないエリアへ誘導することを基本としつつ、学区や町内会等の利便上やむ得ない場合 は、避難対策や構造制限等の条件付きで浸水リスクのあるエリアに設置することも可能 とします。 ●居住系・・・住宅、病院、災害弱者関連施設等の居住を伴うもの ・津波リスクの最も低い内陸側から誘導することを基本とします。 ・配置にあたっては、公共交通サービスとの関連性や、土砂災害等の危険性に配慮します。 ・避難行動要支援者が滞在する病院や災害弱者関連施設は、浸水しないエリアに誘導しま す。 ●業務系・・・事務所、店舗、工場等の居住を伴わないもの ・津波に対する安全度の観点のみならず、利便性や業務内容に配慮しながら地域産業の活 性化の観点からエリアを設定します。 ・津波襲来時に二次災害をもたらすおそれのある燃料や薬品等の保管・配置・管理等に十 分配慮し、流出防止の対策を担保するための措置を講じることとします。 以上をまとめたものが、次頁の表です。地方公共団体の「事前復興計画」を検討する際に 参考になると考えます。

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③-2 災害特性、被害想定の把握(土砂災害) ・土砂災害危険箇所や土砂災害(特別)警戒区域等については、各県の HP や地方公共団体 が作成している防災マップ等にて公表されています。 ・土砂災害危険箇所は、土石流、地すべり、急傾斜の崩壊が発生するおそれのある箇所と して各県が調査を実施したものです。 ・土砂災害(特別)警戒区域は、土砂災害防止法に基づき指定された区域として、警戒避 難体制の整備や土地利用制限等の規制がかかる範囲となります。 土砂災害危険箇所 定義 土石流危険渓流 土石流の発生の危険性があり、土石流が発生した場合に被害が 予想される区域に、人家や公共施設がある渓流 地すべり危険箇所 地すべりが発生している或いは地すべりが発生するおそれがあ る危険箇所区域のうち、河川、道路、公共建物、人家等に被害 を与えるおそれのある範囲 急傾斜地崩壊危険箇所 傾斜度 30 度以上、高さ 5m 以上の急傾斜地で人家や公共施設に 被害を与えるおそれのある急傾斜地 土砂災害(特別)警戒区域 定義 土砂災害警戒区域 都道府県知事は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等 の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地 の区域で、当該区域における土砂災害を防止するために警戒避 難体制を特に整備すべき土地の区域として政令で定める基準に 該当するものを、土砂災害警戒区として指定することができる。 土砂災害特別警戒区域 都道府県知事は、警戒区域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生し た場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい 危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の 開発行為の制限及び居室を有する建築物の構造の規制をすべき 土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災 害特別警戒区域として指定することができる。 ※土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 第 7 条及び第9条参照

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◆参考資料 ・徳島県 土砂災害警戒区域等マップ http://maps.pref.tokushima.jp/landslide/ ・徳島県 防災・減災マップ http://maps.pref.tokushima.jp/bousai/ ・香川県 香川の砂防 http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/etc/subsite/kagawa_sabo/index.shtml ・愛媛県 土砂災害危険箇所マップ http://www.pref.ehime.jp/h40700/5743/dmap/ ・高知県 防災マップ http://bousaimap.pref.kochi.lg.jp/hazmapkochi/hazmap/ ・各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域(国土交通省) http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link_dosya_kiken.html ④現地調査の実施 ・市町村合併等により、地方公共団体職員が担当する地域は広くなり、これまでに接した ことのない情報が増えています。「災害に強いまちづくり」の計画立案は、現地に即し たきめ細かな計画となりますので、不明な点は関係者に確認するばかりでなく、現地調 査等により、状況を確実に把握しておくことが重要です。 ・地方公共団体職員が、災害の起こりやすい場所を現地調査する場合には、2 人以上での 行動や適正な服装、通信器材の携帯等の安全性を確保した行動を取る必要があります。 ⑤分析、課題抽出 ・現在までに取組まれてきた防災・減災対策を確認し、残された課題を明確にしておく必 要があります。 ・まち全体の課題を示した課題図の作成は、関係者の情報共有に役立ちます。 ・まちの地形・地質情報、浸水想定区域等のリスク情報、道路網や防災施設の配置状況等 の情報を重ねた図の作成は、現状を見つめ直し、分析し、課題を抽出していく上で役立 ちます。

・情報の重ね合わせには、GIS(地理情報システム(Geographic Information System)) 等の活用が有効です。また、情報としては都市計画基礎調査などの既存資料を活用する ことも有効です。

表  時間軸(水害・土砂災害)の例  時間軸  住民の主な行動  事前  土砂災害に対する危機意識を高める  大雨警報等の発表時~  避難準備・高齢者等避難開始に基づく要配慮者等の避難  土砂災害警戒情報等の発表時~  避難勧告・避難指示(緊急)による避難  災害の発生  水害・土砂災害の発生時~72 時間  避難の完了、避難所での滞在  72 時間~1週間  避難所生活  1週間~1ヶ月  避難所生活、応急仮設住宅等への入居、自宅へ戻る  ・時間軸では、以下の状況を想定します。    ①現象    ②建物

参照

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