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囮 教育研究員研究報告書

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Academic year: 2021

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全文

(1)

高等学校

成8年

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

平 成8年

教 育 研 究 員(高 校 ・地理 歴 史)名 簿

都 立 墨 田 工 業 高 校

都 立 第 四 商 業 高 校

西

担 当 東京都教育庁指導部高等学 校教育指導課 指導主事

(3)

研 究 主 題

現 代 社 会 の 変 化 を 理 解 し、 主 体 的 に 生 き る 力 を 育 て る 授 業 展 開 の 工 夫

主題設 定 の理 由 と研究 の経過

1国 際 化 に と も な う 課 題 世 界 の 共 生 を め ざ して 一

2

16Q4FOρ0

青 年 海 外 協 力 隊(JOCV)の 活 動 従軍慰安婦問題

イ ス ラ ー ム の 復 興 日 系 ア メ リカ 移 民 日 本 の 食 料 自 給 率 世界 の難民問題

米 ・大 豆 を 事 例 と して

334ρ07Qσ01

II近 世 ・近 代 に お け る 日本 と 諸 外 国 の 接 触 ・交 流

19GO﹂4

近 世 に お け る 日 欧 の 交 流 姿 勢

江戸時代後期 にお ける対外 観の変化 明 治 初 期 に お け る 日 本 と諸 外 国 と の 交 流 大 正 期 に お け る 国 際 社 会 と 日 本 外 交

99471﹂1111

情報 化の進展 と社会生活 の変 化

19Gδ4

19世 紀 の イ ギ リ ス に お け る 大 衆 新 聞 の 普 及 経 済情報か らみた世界恐慌

ソ連 ・旧 東 欧 諸 国 の 情 報 産 業 の 停 滞 気象 情報 と社会生活

880引131129白9右

一1一

(4)

研 究 主 題

現 代 社 会 の 変 化 を 理 解 し 、 主 体 的 に 生 き る 力 を 育 成 す る 授 業 展 開 の 工 夫

主題設定 の理 由 と研 究の経 過

冷 戦 構 造 の 終 焉 や 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 な ど の 進 展 は 、 国 際 関 係 を よ り緊 密 化 さ せ 、 国 境 を 越 え て 相 互 に 理 解 し合 う こ と を 、 ま す ま す 重 要 に さ せ て い る。 ま た 、 地 球 的 規 模 で の情 報 通 信 ネ ッ

ト ワ ー ク 化 の 進 展 は 、 高 度 情 報 通 信 社 会 の 到 来 を 現 実 の もの と す る と と も に 、 想 像 を は る か に 超 え て わ れ わ れ の 社 会 生 活 を 大 き く変 え つ つ あ る 。 こ う した 、 今 後 と も一 層 進 展 す る と予 測 さ れ る 国 際 化 や 情 報 化 な ど の 社 会 の 変 化 に 対 応 で き る 青 少 年 の 育 成 は 、 こ れ か ら の 教 育 の 極 め て 重 要 な 課 題 と 言 え る 。 そ こ で 本 部 会 で は 、 急 速 に 変 化 す る現 代 社 会 の 特 質 を 理 解 さ せ る と と も に 、 情 報 化 社 会 の 進 展 に 伴 っ て ま す ま す 求 め られ る 「自 らの 課 題 を 見 つ け 、 自 ら考 え 、 自 ら 問 題 を 解 決 して い く資 質 」 ま た 、 国 際 化 が 進 展 す る 中 で よ り 強 く求 め られ る 「世 界 か ら信 頼 さ せ る 日本 人 と して の 資 質 」 な ど の 「生 き る 力 」 の 育 成 を 目指 して 、 三 っ の 視 点 か ら研 究 主 題 に 取 り組 む こ と に し た 。

1国 際 化 に 伴 な う 課 題 世 界 の 共 生 を め ざ して 一

現 代 社 会 に お け る 地 球 的 規 模 の 国 際 化 の 進 展 は 、 世 界 の 諸 地 域 に お い て 人 的 ・物 的 交 流 を 活 発 化 さ せ 、 国 際 的 な 相 互 依 存 関 係 を 深 め さ せ て い る 。 しか し、 一 方 に お い て 、 政 治 ・経 済 ・文 化 の 他 、 人 権 な ど の 新 し い 摩 擦 や 様 々 な 問 題 を 発 生 さ せ て い る 。 こ う した 現 代 の 国 際 社 会 の か か え る諸 課 題 の 解 決 に 向 け 、 世 界 の 国 々 の 共 生 が よ り一 層 求 め ら れ る と と も に 、 「世 界 に 貢 献 す る 国 家 」 と して の 日 本 の 役 割 が 大 き く期 待 さ れ て い る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 日 本 の 国 際 化 に 伴 う 諸 課 題 を 的 確 に 把 握 さ せ 、 ま た 、 世 界 の 諸 地 域 の 生 活 ・文 化 を 偏 狭 な 視 野 か ら認 識 す る こ と の な い 、 国 際 社 会 に 生 き る 日 本 人 と して の 自覚 を 育 成 す る授 業 展 開 の 工 夫 を試 み た 。

II近 世 ・近 代 に お け る 日 本 と 諸 外 国 の 接 触 ・交 流

経 済 ・社 会 ・文 化 等 の 様 々 な 面 で の 国 際 交 流 が 活 発 に 進 展 して い る現 代 の 日 本 に お い て 、 真 の 国 際 交 流 を 達 成 す る た め に は 、 交 流 相 手 国 の 歴 史 的 伝 統 や 多 元 的 価 値 観 を 偏 見 な く認 識 し 、 主 体 的 か っ 友 好 的 な 対 応 を す る こ と が 重 要 で あ る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 東 ア ジ ア 世 界 に 加 え て 、 日 本 と は 異 質 の 文 化 を もつ ヨ ー ロ ッパ 世 界 な ど と の 交 流 が 開 始 さ れ た 近 世 以 降 の 日 本 と諸 外 国 と の 接 触 ・交 流 に 着 目 し、 「近 世 に お け る 日 欧 の 交 流 姿 勢 」 「江 戸 時 代 後 期 に お け る 対 外 観 の 変 化 」 「明 治 初 期 に お け る 日本 と諸 外 国 と の 交 流 」 「大 正 期 に お け る 国 際 社 会 と 日 本 外 交 」 の 四 っ の テ ー マ を 取 り上 げ 、 国 際 交 流 に よ る 日 本 の 政 治 ・外 交 ・思 想 の 変 化 を 理 解 さ せ る

こ と を 通 して 、 現 代 の 日 本 に お け る 望 ま し い 国 際 交 流 の 在 り方 を 考 察 さ せ る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。

情 報 化 の 進 展 と 社 会 生 活 の 変 化

現 代 の 世 界 に お け る 急 速 な 情 報 技 術 産 業 の 発 展 は 、 マ ル チ メ デ ィ ア と い う言 葉 に 象 徴 さ れ る 高 度 情 報 化 社 会 を 実 現 さ せ る と と も に 、 地 球 的 規 模 の 情 報 ネ ッ トワ ー ク を 通 して 、 多 種 多 様 の 膨 大 な 量 の 情 報 を 我 々 の 社 会 生 活 に 提 供 す る こ と を 可 能 に し、 経 済 社 会 活 動 を 大 き く変 化 さ せ て い る 。 ま た 、 情 報 の 価 値 は 一 層 高 ま り 、 情 報 を 主 体 的 に選 択 し、 活 用 す る こ と を ま す ま す 重 要 に さ せ て い る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 情 報 技 術 産 業 の 発 展 の 社 会 的 背 景 と情 報 化 社 会 の 特 質 に 注 目 し、 「19世 紀 の イ ギ リ ス に お け る大 衆 新 聞 の 普 及 」 「経 済 情 報 か ら み た 世 界 恐 慌 」

「ソ 連 ・旧 東 欧 諸 国 の 情 報 産 業 の 停 滞 」 「気 象 情 報 と 社 会 生 活 」 の 四 っ の テ ー マ を 取 り上 げ 、 情 報 化 が 社 会 生 活 に 及 ぼ す 影 響 に っ い て 理 解 を 深 め さ せ る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。

(5)

1国 際 化 に と も な う 課 題 世 界 の 共 生 を め ざ して 一

1青 年 海 外 協 力 隊(JOCV)の 活 動

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 第 二 次 世 界 大 戦 後 、 日 本 は 約20年 間 、 被 援 助 国 と し て 、 ア メ リ カ合 衆 国 を 中 心 と し た 先 進 国 よ り援 助 を 受 け 、 経 済 発 展 の 基 礎 を 築 い た 。 世 界 的 な 経 済 大 国 と な っ た 現 在 、 国 際 社 会 の 安 定 と 発 展 に 対 す る 日 本 へ の 期 待 も 大 き く 、 政 府 開 発 援 助 (ODA)で は 経 済 開 発 を 中 心 と して 金 額 的 に は世 界 最 大 の 援 助 供 与 国 と な っ た 。 し か し 、 東 西 冷 戦 終 焉 後 、 国 際 社 会 の 開 発 援 助 に 対 す る考 え 方 は 変 化 しっ っ あ る 。 援 助 の 対 象 と し て 地 球 環 境 保 全 、 疫 病 防 止 、 貧 困 撲 滅 な ど の 分 野 が 注 目 さ れ る よ う に な る と と も に 、 援 助 の 在 り方 も 「人 」 を 中 心 とす る よ り き め の 細 か い 活 動 が 重 視 さ れ る よ う に な っ て き て い る 。 日 本 のODAの 一 っ で あ る 青 年 海 外 協 力 隊(JOCV)は 、1965年 発 足 以 来 、 受 け 入 れ 国 の 人 々 と生 活 と労 働 を 共 に し な が ら援 助 活 動 を 続 け て い る が 、 近 年 、 ま す ま す 大 き な 期 待 が 寄 せ ら れ て い る 。 そ こ で 、 途 上 国 に お け る青 年 海 外 協 力 隊 に よ る援 助 活 動 を 事 例 と して 、 日 本 の 発 展 途 上 国 に 対 す る 援 助 活 動 の 果 た す 役 割 と課 題 に っ い て の 考 察 を 通 し て 、 国 際 社 会 に 生 き る

日本 人 と して の 自 覚 と資 質 を 育 成 す る こ と を ね ら い と し て 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

(2}本 時 の ね ら い 本 時 は4時 間 構 成 の 第3時 限 目 に 当 た る。 第1時 限 で は 、 被 援 助 国 日 本 の 実 状 、 こ れ ま で のODAの 実 績 と問 題 点 、 東 西 冷 戦 終 焉 後 の 援 助 の 変 化 を 理 解 さ せ る 。 第 2時 限 で は 、JOCVの 活 動 を 扱 っ たVTRの 視 聴 と 隊 員 に よ る 手 記 に っ い て 、 感 想 を ま と め さ せ る 。 本 時 で は 、JOCVの 実 際 の 活 動 の 紹 介 を 通 して 、 途 上 国 の 現 実 や 貧 困 や 環 境 破 壊 な ど地 球 的 課 題 を 理 解 さ せ る。 ま た 、 他 国 と の 相 互 依 存 関 係 を 深 あ て い る 日本 に お け る 国 際 協 力 の 在 り 方 、 更 に 、 国 際 社 会 に お け る 共 生 の 意 義 に つ い て 考 察 さ せ る 。 第4時 限 で は 、 NGOの 役 割 と 課 題 を 取 り上 る 。 学 習 指 導 要 領 で は 「地 理A」 の 「(3)現 代 社 会 の 課 題 と 国 際 協 力 」 の 「ウ 地 球 的 課 題 へ の 国 際 協 力 と 日本 」 で 扱 う 。

(3)展

学習項 目

・前 時 の 確 認

○ バ ン グ ラ デ ィ シ ュ 、 ガ ー ナ な ど(地 域 別 に6力 国

・資 料 「青 年 海 外 と 感 想 の 発 表 取 り上 げ る)で 活 動 し て い るJOCV隊 員 に つ い て 協 力 隊 募 集 要 項

のVTRの 視 聴 と手 記 を ま と め た感 想 文 を 発 表 す る 。 (派 遣 国 一 覧)」

・JOCVの

OJOCVの 隊 員 派 遣 国 を 調 べ 、 白 地 図 に 記 入 し 、 ・世 界 国 勢 図 会 派 遣 先 ・援 助 す べ て 途 上 国 で あ る こ と を 理 解 す る 。 ・派 遣 国 白 地 図

内容 の確認 OJOCVの 援 助 が 多 様 で あ る こ とを 知 る 。

・JOCVの

○ 導 入 で 取 り上 げ た6力 国 に つ い て 、 隊 員 た ち の 手 ・資 料 「異 文 化 と 援助 活動 の現

記 を も と に 、 次 の 事 項 に っ い て ワ ー ク シ ー ト を ま と

の 接 点 で 」 「黄 金

め る 。

の 果 樹 」 「ク ロ ス

①派遣国 の国名 ロ ー ド 」

一3一

(6)

② 援 助 活 動 の 種 類 と 派 遣 場 所(都 市 ・農 村 等) ・ ワ ー ク シ ー ト 作

③ 日 本 と の 生 活 ・文 化 の 違 い

④ 派 遣 国 の 現 状 と 抱 え て い る 問 題

○ 異 な る 風 土 、 異 な る 文 化 の 中 で の 協 力 活 動 の 困 難 さ 、 ま た 、 途 上 国 は 経 済 開 発 、 人 口 増 加 、 貧 困 な ど 様 々 な 問 題 を か か え て い る こ と を 理 解 す る 。

・大 規 模 開 発 ○経済分野 などの大規模開発援助 と隊員 たちの草の

援助 と草 の根 根 協 力 を 比 較 し、 開 発 援 助 の み が 国 際 協 力 で は な い ・資 料 「ODA白

協力

こ と を 理 解 す る 。

書 」

・国 際 的 相 互 OJOCVの 地 道 な 協 力 活 動 が 発 展 途 上 国 の 人 々 に

依存関係 の深 理 解 さ れ 、 大 き な 役 割 を 果 た して い る こ とを 理 解 す

ま り と国 際 協 力 の 在 り方

る 。

○ 被 援 助 国 で あ っ た 日本 の 歴 史 を 理 解 す る と と もに 、 ・ 資 料 「 リ ヨ ン サ 協 力 の 成 果 は先 進 国 と途 上 国 双 方 の 発 展 に 結 び っ い

ミ ッ ト経 済 宣 言 」

て い る こ と を 考 察 す る 。

(4)評 価 の 観 点 ①JOCVの 活 動 を 通 して 、 途 上 国 の か か え る 問 題 や 、 援 助 に 対 す る 多 様 な ニ ー ズ に っ い て 理 解 で き た か 。 ② 世 界 の 発 展 に は 、 「先 進 国 と 途 上 国 の 密 接 な 協 力 関 係 が 求 あ ら れ る 」 と い う こ と を 理 解 で き た か 。 ③ 途 上 国 の た あ に 力 を 尽 くす 青 年 た ち の 活 動 の 意 義 を 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ①VTRや 手 記 な ど の 資 料 は 生 徒 が 理 解 しや す く、 興 味 を もて る よ う、

そ の 内 容 を 精 選 す る 。 ② 使 用 す るVTRや 手 記 は 地 域 別 、 援 助 分 野 別 に 内 容 を 構 成 す る 。

③ 国 際 協 力 の 在 り方 に つ い て は 、 援 助 国 と 被 援 助 国 双 方 の 立 場 に 立 っ て 考 え さ せ る よ う配 慮 す る 。

2.従 軍 慰 安 婦 問 題

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 冷 戦 構 造 の 崩 壊 に よ り、 イ デ オ ロ ギ ー 対 立 に よ る 国 家 間 の 緊 張 関 係 が 緩 和 さ れ る に 伴 い 、 ア ジ ア 諸 国 で は 民 主 化 が 徐 々 に 進 行 して い る 。 こ う し た 中 、

日 中 ・太 平 洋 戦 争 に お け る 戦 争 被 害 の 回 復 を 個 人 の 権 利 と して 認 識 し 、 個 人 へ の 戦 後 補 償 を 日本 に 求 め る 声 が 高 ま っ て い る。 しか し、 こ の 問 題 に っ い て 、 日 本 政 府 は 個 人 へ の 補 償 も 含 め 日本 の 戦 後 賠 償 は す で に 解 決 済 み で あ る と い う立 場 を と って い る 。 こ の よ う な 補 償 を 求 あ る側 と 日 本 政 府 と の 対 立 は 、 日本 の 戦 後 賠 償 の 内 容 と 、 国 際 条 約 や 国 際 慣 習 法 の 解 釈 を 十 分 知 らな くて は 理 解 で き な い 。 そ こ で 、 元 従 軍 慰 安 婦 の 訴 訟 を 事 例 と し て 、 日本 の 戦 後 補 償 問 題 に っ い て の 認 識 を 深 め さ せ る と と も に 、 国 際 化 の 進 展 す る 日 本 に お い て 、 ア ジ ア 諸 国 と の 共 生 を 考 え さ せ る こ と を ね ら い と し て 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は2時 間 構 成 の 第2時 限 に 当 た る。 第1時 限 で は 「冷 戦 構 造 の 崩 壊 と 日本 」 を 扱 う。 本 時 で は 、1995年 に 提 訴 さ れ た 中 国 人 元 従 軍 慰 安 婦 の 訴 訟 を 取 り上 げ 、 彼

(7)

女 た ち が 要 求 して い る 日 本 政 府 に よ る 謝 罪 と 賠 償 が ど の よ う な 事 由 と 法 的 根 拠 に 基 づ い た も の な の か 、 ま た 、 そ れ に 対 す る 政 府 の 対 応 に っ い て 、 そ れ ぞ れ の 主 張 を 多 角 的 に 理 解 さ せ る と と も に 、 両 者 の 主 張 の 相 違 点 に っ い て 考 察 さ せ る 。 さ ら に 、 民 間 基 金 に よ る彼 女 た ち へ の 補 償 活 動 な ど を 紹 介 し、 従 軍 慰 安 婦 問 題 の 現 状 を 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史 A」 の 「(5)現 代 の 世 界 と 日本 」 の 「ウ 現 代 の 世 界 と 日 本 」、 「日 本 史B」 の 「(7)現 代 の 世 界 と 日 本 」 の 「ウ 現 代 の 世 界 と 日本 」 で 扱 う。

学 習項 目

・ 日本 政 府 や ○ 日 中 ・太 平 洋 戦 争 で 、 日本 に よ る 戦 争 ・占 領 行 為 ・資 料 「関 係 裁 判 企業 を相 手 と で 被 害 を 受 け た と し て 、 そ の 損 害 賠 償 を 求 あ た 訴 訟

一 覧 表 」

す る訴 訟 の 現

が ア ジ ア 諸 国 の 人 々 に よ っ て20数 件 起 こ さ れ て い る

こ と を 知 る 。 ま た 、 こ れ ら の 裁 判 が こ の 数 年 間 に 集 中 して 提 起 さ れ て い る 点 に も注 目 す る。

・従 軍 慰 安 婦 ○ ア ジ ア 各 地 に 派 遣 さ れ た 日本 軍 部 隊 で 「慰 安 所 」 の歴 史的経過 が 設 置 さ れ た 経 過 を 理 解 す る 。

・中 国 人 元 従 01995年8月 、5人 の 中 国 人 元 慰 安 婦 が 日本 政 府 を ・資 料 「原 告 側 訴 軍慰安婦 訴訟 相 手 に 謝 罪 と賠 償 を 求 め て 提 訴 し た こ と を 知 る 。 状 」

04人(1人 は 提 訴 取 下 げ)の 中 国 人 元 慰 安 婦 が 被 っ

・新 聞 「訴 訟 の 口

た と す る 被 害 の 実 態 を 理 解 す る 。 答 弁 論 」

○ 中 国 人 元 慰 安 婦 が 訴 え た 法 的 根 拠 を 理 解 す る 。

① 当 時 の 条 約 、 国 際 慣 習 法 に よ れ ば 「慰 安 所 」 設 ・原 告 の 被 害 証 言

置 は 違 法 で あ る こ と 、 ま た 、 ハ ー グ 条 約 に よ る 被 を 輪 読 さ せ る 。

害者 の損害賠償請求 が可能 なこと

② 当時 の中国民法 に基づ く謝罪 と賠償請求

○ 日 本 政 府 側 の 主 張 を 理 解 す る 。 ・資 料 「国 側 答 弁

① ハ ー グ 条 約 に よ る 個 人 補 償 は 請 求 不 可 能 で あ る 書 」

こ と

② 当時の 日本民 法で は公務 員の不法行為 に国 は責 任 を 負 わ な い と い う 原 則 が あ っ た こ と

・民 間 基 金 に 0日 本 政 府 が 個 人 補 償 に っ い て 解 決 済 み と す る 理 由 ・資 料 「日 中 共 同 よ る補償活動 を 理 解 し、 ま た 、 民 間 基 金 に よ る補 償 活 動 や そ の 現 声 明 」

状 を 知 る 。 ・新 聞 「ア ジ ア 女

性 基 金 」

・従 軍 慰 安 婦 0原 告 側 、 国 側 の 主 張 を そ れ ぞ れ 踏 ま え て 、 こ れ ら ・作 文 用 紙 を 配 布

問 題 の 解 決 を の 問 題 の 解 決 の 在 り方 を 考 察 し、 自分 の 意 見 を 書 く。

考 え る

一5一

i

(8)

(4)評 価 の 観 点 ① 元 従 軍 慰 安 婦 た ち が 訴 訟 を 起 こ した 背 景 と理 由 を 理 解 で き た か 。 ② 原 告 側 、 国 側 の そ れ ぞ れ の 主 張 の 対 立 点 を 理 解 で き た か 。 ③ 資 料 や 新 聞 記 事 の 内 容 を 意 欲 的 に 読 み 取 り、 内 容 を 的 確 に 理 解 す る こ と が で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 裁 判 関 係 の 資 料 は 出 来 る 限 り分 か り易 く説 明 し 、 生 徒 の 理 解 が 深 ま る よ う に 配 慮 す る 。 ② 資 料 や 新 聞 等 は客 観 性 の 高 い も の を 使 用 し、 事 実 の 正 確 な 理 解 に 導 く よ う配 慮 す る 。

3.イ ス ラ ー ム の 復 興

(1)教 材 と し て 取 り 上 げ た 理 由 冷 戦 終 焉 後 、 世 界 で は 民 族 ・宗 教 対 立 に よ る 紛 争 や 摩 擦 が 多 発 す る よ う に な っ た 。1960年 代 よ り 、 多 数 の 海 外 か ら の 移 民 を 受 け 入 れ て 来 たEU諸 国 で は 、 イ デ オ ロ ギ ー 対 立 の 緊 張 に 変 わ り 、 民 族 ・宗 教 対 立 の 緊 張 が 表 面 化 す る よ う に な っ て い る 。 特 に 、 イ ス ラ ー ム 系 移 民 は 、 石 油 危 機 以 降 、 単 身 男 子 労 働 者 と し て の 一 時 的 滞 在 か ら 家 族 を 伴 っ た 定 住 が 多 く な り 、 移 民 の 中 に は 「こ こ ヨ ー ロ ッ パ の 地 に 定 住 し 、 イ ス ラ ー ム と と も に 生 き る 」 と い う 意 識 が 生 ま れ 、 ヨ ー ロ ッ パ 社 会 へ の 同 化 よ り も 、 イ ス ラ ー ム の 価 値 観 に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ ー の 形 成 を 進 め よ う と す る 動 き(イ ス ラ ー ム の 復 興)が 目 立 っ て い る 。 こ う し た 、EU諸 国 内 に お け る イ ス ラ ー ム の 復 興 は 、 国 際 社 会 で の 政 治 イ デ オ ロ ギ ー 化 し た イ ス ラ ー ム 原 理 主 義 と 混 同 さ れ た り 、 同 一 視 さ れ た り し て 、 西 欧 人 に 理 解 さ れ る こ と も 多 く 、 様 々 な 軋 礫 を 生 じ て い る 面 も あ る 。 そ こ で 、EU諸 国 な ど に お け る イ ス ラ ー ム の 復 興 を 事 例 と し て 、 現 代 の 国 際 社 会 に 生 起 す る 民 族 ・宗 教 対 立 に つ い て の 考 察 を 深 あ さ せ る こ と を ね ら い と し て 本 教 材 を 取 り 上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は6時 間 構 成 の 第5時 限 に 当 た る 。 第1時 限 で は 「イ ス ラ ー ム の 世 界 」、 第2時 限 で は 「イ ス ラ ー ム 世 界 の 発 展 」、 第3時 限 で は 「南 ア ジ ア ・東 南 ア ジ ア 世 界 の 発 展 」、 第4時 限 で は 「中 世 に 輝 い た イ ス ラ ー ム 文 明 」 を 扱 う 。 本 時 で は 、 イ ス ラ ー ム 現 代 史 と し て 、 ヨ ー ロ ッ パ に 移 民 し た イ ス ラ ー ム 教 徒 に 対 す る 宗 教 差 別 や イ ン ド ネ シ ア に お け る イ ス ラ ー ム 教 徒 の 草 の 根 活 動 を 事 例 と し て 取 り あ げ 、"イ ス ラ ー ム 復 興"の 動 き が 必 ず し も 政 治 イ デ オ ロ ギ ー 化 し た 運 動 で は な い こ と を 理 解 さ せ る と と も に 、 欧 米 に お け る 脅 威 論 の 背 景 に っ い て 考 察 さ せ る 。 第6時 限 で は 、 国 境 を 越 え て 活 動 を は じ め て い る イ ス ラ ー ム 勢 力 の 動 き を 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「世 界 史B」 の 「(3)西 ア ジ ア ・南 ア ジ ア の 文 化 圏 と

東 西 交 流 」 の 「エ ユ ー ラ シ ア の 東 西 交 流 」 で 扱 う 。

(3)展 開 例

学 習項 目

・復 興 運 動 の は じ ま り か ら 現 在 ま で

○ イ ス ラ ー ム の 復 興 の 動 き が19世 紀 末 に は じ ま っ た こ と を 確 認 す る 。

○ 最 近 の 政 治 イ デ オ ロ ギ ー 化 し た イ ス ラ ー ム 原 理 主 義 運 動 を 知 る 。

・資 料 「年 表 」

・新 聞 「タ リバ ン」

・EU諸 国 の

○ 冷 戦 体 制 の 崩 壊 と と も に 、 イ ス ラ ー ム を 脅 威 と す

・ 「EU域 外 か ら

(9)

の 新 し い 宗 教 言 説 が 蔓 延 し は じめ た こ と を 理 解 す る 。 ら の 労 働 者 流 入 」 差 別 ○ 雇 用 不 安 、 家 長 の 権 威 失 墜 、 世 代 間 の 断 絶 、 人 種 図 の 作 成

差 別 な ど 、 イ ス ラ ー ム 系 移 民 た ち が か か え て い る 諸

問 題 を 理 解 す る 。

○ イ ス ラ ー ム の 覚 醒 に っ い て 、 ド イ ツ ・ オ ラ ン ダ ・ ・ ワ ー ク シ ー

フ ラ ン ス の 様 子 を 理 解 す る 。

・ イ ン ド ネ シ ○ 結 婚 ・離 婚 相 談 所(BP4)な ど の 活 動 を 通 して 、 ・BP4の カ ウ ン ア の 草 の 根 運

ム ス リ ム が 「パ ン チ ャ シ ラ 」 の 国 是 に 基 づ き 自 分 た セ リ ン グ に 関 す る

ち の 社 会 に イ ス ラ ー ム の 教 え を 浸 透 させ て い く道 を

質 問 を 行 う 。

選 ん だ こ と を 理 解 す る 。

01980年 代 以 降 の 主 な イ ス ラ ー ム 復 興 運 動 の 内 容 を

理 解 す る 。

・ 今 日 の イ ス ○ 今 日 の イ ス ラ ー ム 復 興 運 動 は 、 イ デ オ ロ ギ ー と し

・ 資 料 「コ ー ラ ン

ま ラ ー ム 復 興 運 て の"復 興 主 義"と い う よ り も 、 む し ろ 素 朴 な 同 胞

(第30章20節)」

動 と近 代化 感 情 で あ る こ と を 理 解 す る 。

○ 社 会 経 済 の 近 代 化 の 進 展 に よ り、 日 常 生 活 に お け ・ 新 聞 「イ ス ラ ー

る イ ス ラ ー ム 化 が 強 ま っ て い る こ と に っ い て 理 解 す

ム 原 理 主 義 」

る 。

(4)評 価 の 観 点 ① 復 興 運 動 が イ ス ラ ー ム 世 界 の あ ら ゆ る所 で 見 ら れ る こ と を 理 解 で き た か 。

② 欧 米 に お け る イ ス ラ ー ム 脅 威 論 の 背 景 を 理 解 で き た か 。 ③EU諸 国 や イ ン ドネ シ ア な ど の イ ス ラ ー ム 復 興 運 動 と政 治 イ デ オ ロ ギ ー 化 し た イ ス ラ ー ム原 理 主 義 運 動 の 違 い に っ い て 理 解 で き た か 。 ④ 新 聞 記 事 な ど の 資 料 を 意 欲 的 に 読 み 取 り 、 内 容 を 十 分 理 解 す る こ と が で き た か 。 (5)指 導 上 の 留 意 点 ① イ ス ラ ー ム原 理 主 義 な ど の 新 聞 記 事 に っ い て は 、 客 観 的 か っ 公 正 な

内 容 の もの を 使 用 す る よ う配 慮 す る 。 ② イ ス ラ ー ム 世 界 、 ヨ ー ロ ッパ 世 界 の 説 明 に 当 た っ て は 、 出 来 る 限 り図 説 ・地 図 帳 な ど を 用 い て 、 地 理 的 な 広 が り を 理 解 さ せ る よ う配 慮 す る 。 ③ コ ー ラ ンの 読 み 取 り は 、 内 容 を 理 解 で き る よ う十 分 時 間 を 取 る 。

4.日 系 ア メ リ 力 移 民

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 今 日、 日 本 は 物 資 を 中 心 とす る国 際 化 か ら人 的 な 交 流 を 中 心 と す る 国 際 化 が 進 展 す る 時 代 に な っ た と 言 わ れ る 。 ア ジ ア 諸 国 を 中 心 に 多 数 の 外 国 人 労 働 者 が 、 様 々 な 職 場 に 就 労 す る よ う に な り、 人 の 国 際 化 が 、 ご く 日常 的 か っ 身 近 に 実 感 さ れ る

よ う に な っ て い る 。 しか し、 これ ら の 外 国 人 労 働 者 と の 接 触 は 、 日 本 人 に と っ て 、 異 な る 生 活 文 化 を 認 識 す る 機 会 で あ る と同 時 に 、 摩 擦 の 機 会 と も な り、 外 国 人 労 働 者 に 対 す る 差 別 感 や 偏 見 が 問 題 に な る こ と も あ る 。 そ こで 、 日 系 ア メ リカ 移 民 を 事 例 と し て 、 明 治 以 降 の 日 本 人 に と っ て 富 め る 先 進 国 で あ り、 ま た 、 異 な る 生 活 文 化 を もっ ア メ リカ 社 会 に 移 住 し た 日 系 人 が 、 ど の よ う に生 活 し、 ま た 、 ど の よ う な 困 難 を 経 験 し た の か を 理 解 す る こ と を 通 して 、

一7一

1

(10)

現 代 の 日 本 に お い て 、 外 国 人 労 働 者 が お か れ て い る 社 会 的 立 場 な ど に つ い て 考 察 さ せ る と と も に 、 異 な る生 活 文 化 を 偏 狭 な 視 野 か ら認 識 す る こ と の な い 態 度 の 育 成 を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は4時 間 構 成 の 第3時 限 に 当 た る 。 第1時 限 で は 「資 本 主 義 形 成 期 の 社 会 問 題 」、 第2時 限 で は 「近 代 日 本 の 植 民 地 支 配 」 を 扱 い 、 い ず れ も 現 代 日 本 の 社 会 問 題 を 視 点 に 考 察 さ せ る 。 本 時 で は 、 日 系 ア メ リ カ移 民 と 、 受 入 国 ア メ リ カ 合 衆 国 と そ の 社 会 の 対 応 、 ま た 、 第 二 次 世 界 大 戦 後 の ア メ リ カ 合 衆 国 の マ イ ノ リテ ィ ー政 策 の 変 化 を 通 して 、 日本 が 、 異 な る 生 活 文 化 を もっ 人 々 と 、 ど の よ う に 共 生 して い くべ き か を 考 察 さ せ る 。 第4 時 限 で は 、 第1時 限 か ら第3時 限 の 授 業 を 振 り返 らせ 、 歴 史 的 視 点 か ら現 代 の 人 権 問 題 に っ

い て 考 察 さ せ 、 感 想 文 を 書 か せ る 。 本 時 の 内 容 は 、 学 習 指 導 要 領 で は 「日 本 史B」 の 「(5) 近 代 日 本 の 形 成 と ア ジ ア 」 の 「ウ 国 際 関 係 の 推 移 と 近 代 産 業 の 発 展 」 で 扱 う。

学習項 目1

・外 国 人 労 働 者 の 現 状

○ 外 国 人 労 働 者 に つ い て 知 って い る こ と を 、 班 内 で 話 し合 い 、 班 ご と に 発 表 す る。 ま た 、 外 国 人 労 働 者

が お か れ て い る社 会 的 現 状 を 知 る。

・ ワ ー ク シ ー ト 配

・日 系 ア メ リ カ 移 民 と の 共 通 点

・ア メ リ カ合 衆 国 の 社 会 状 況 と移 民 受 入

・日 系 人 受 入 れ と 排 日運 動

・太 平 洋 戦 争 中 の 強 制 収 容 と近年 の謝 罪 ・ 補 償

○ 日 系 ア メ リ カ移 民 が 日本 の 文 化 を 保 ち な が ら生 活 し、 ま た 、 多 額 の 仕 送 り を 本 国 に送 金 した こ とな ど 、 現 在 の 日 本 に お け る 外 国 人 労 働 者 と の 共 通 点 に っ い て 知 る 。

○ ア メ リカ合 衆 国 が 、 日本 に と って 豊 か な先 進 国 だ っ た こ と 、 ま た 、 移 民 の 国 が 、 実 は ア ン グ ロ サ ク ソ ン 中 心 主 義 の 国 で 、 他 文 化 に は 排 他 的 で あ っ た こ と を 理 解 す る 。

○ ア メ リカ 合 衆 国 の 社 会 に お い て 、 当 初 、 出 稼 ぎ 日 本 人 が 、 補 完 労 働 力 と して 歓 迎 さ れ た が 、 労 働 観 ・ 生 活 観 の 違 い や 人 種 的 差 異 か ら 、 次 第 に 排 除 さ れ る よ う に な っ た こ と を 理 解 す る 。

○ 太 平 洋 戦 争 中 の 強 制 収 容 の 状 況 と 、 独 ・伊 系 移 民 と の 差 に 着 目 し、 そ の 原 因 を 考 察 す る 。

○ 戦 後 の ア メ リ カ 合 衆 国 の マ イ ノ リ テ ィ ー 政 策 を 理 解 し、 ま た 、 日 系 人 強 制 収 容 へ の 謝 罪 と補 償 の 背 景 を 考 察 す る 。

・ ビ デ オ 「簡 易 モ ス ク に 集 う 人 々 」

「日 系 人 の ホ ー ム ム ー ビ ー 」

・資 料 「19世 紀 中 ご ろ の ア メ リ カ 合 衆 国 の 政 治 家 の 発 言 」

・ 資 料 「日 系 一 世 の 女 性 の 回 想 」

・ ビ デ オ 「強 制 収 容 の 様 子 」

・資 料 「ア メ リ カ 合 衆 国 市 民 の 自 由 法(1988)」

ま と あ

・異 な る 生 活 文化 を もっ人 々

0日 本 人 と は異 な る生 活 文 化 を もっ 外 国 人 労 働 者 の 数 は 、 今 後 と も増 加 す る と予 測 さ れ る こ と 、 ま た 、

・ ワ ー シ ー

(11)

と の 共 生 そ の こ と に 対 す る 日 本 社 会 の 対 応 と 共 生 の 在 り方 に っ い て 考 察 さ せ る。

(4)評 価 の 観 点 ① ア メ リ カ 合 衆 国 が 、 戦 後40年 以 上 を 経 て 、 日 系 人 へ の 謝 罪 と補 償 を 行 っ た 背 景 を 理 解 で き た か 。 ② 現 在 の 日 本 に お け る 外 国 人 労 働 者 の お か れ て い る 社 会 的 立 場 に っ い て 考 察 す る こ と が で き た か 。

指 導 上 の 留 意 点 ① 生 活 文 化 の 違 い に よ る 摩 擦 に つ い て は 、 少 数 者 が 一 方 的 に 多 数 者 に 同 化 す べ き で あ る と い う結 論 を 出 す こ と が な い よ う に 、 互 い に 異 な る生 活 文 化 に 対 し て 寛 容 に な る こ と の 必 要 性 を 考 え さ せ る よ う に す る 。 ② 日 系 ア メ リ カ移 民 が 、 排 日 運 動 へ の 抵 抗 の 際 に 、 中 国 系 移 民 と の 差 別 化 を 図 り 、 自 らを 白 人 に近 い存 在 と して 位 置 付 け て い た こ と に っ い て も触 れ る 。

5.日 本 の 食 糧 自 給 率 米 ・大 豆 を 事 例 と し て 一

(1)事 例 と し て 取 り上 げ た 理 由 今 日 、 世 界 の 食 料 問 題 は地 球 的 課 題 と して 認 識 さ れ て い る が 、 そ の 現 れ 方 は 、 各 地 域 に よ っ て 異 な る 。 物 の 国 際 化 が 著 し く進 展 して い る 日本 で は 、 第 二 次 世 界 大 戦 後 、 海 外 か らの 食 料 の 輸 入 量 が 急 増 し、 食 料 自 給 率 は 著 し く低 下 し て い る 。 現 在 、 大 豆 や 小 麦 を は じあ と して 、 魚 介 類 や 野 菜 な ど の 生 鮮 食 料 、 主 食 の 米 な ど 、 多 種 多 様 の 食 料 が 大 量 に 海 外 か ら輸 入 さ れ る よ う に な っ て き て い る 。 味 噌 、 醤 油 、 寿 司 な ど の 日 本 の 伝 統 的 な 食 品 や 料 理 な ど も 、 そ の 原 料 や 材 料 の 多 くを 海 外 に 依 存 して い る 。 そ こ で 、 日本 人 の 食 生 活 に 欠 か せ な い 米 と大 豆 の 輸 入 を 事 例 と して 、 食 料 の 国 際 化 と そ の 課 題 に っ い て 考 察 さ せ る と と も に 、 世 界 の 中 で も特 に 食 料 の 海 外 依 存 度 の 高 い 日 本 の 国 際 協 調 の 在 り方 に つ い て 考 え さ せ る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に 当 た る 。 第1時 限 で は 、 米 を は じめ と し て 、 豆 腐 ・寿 司 ・納 豆 な ど 日本 の 伝 統 的 食 事 を 事 例 に 日本 の 食 文 化 に っ い て 理 解 さ せ る 。 第

3時 限 で は 、 江 戸 前 寿 司 な ど を 事 例 に 、 日本 の 水 産 物 の 輸 入 量 の 増 加 に っ い て 理 解 さ せ る 。 本 時 で は 、 身 近 な 食 料 で あ る米 ・大 豆 の 海 外 依 存 度 、 輸 入 国 、 ま た 、 日 本 人 の 食 生 活 に お け る 米 と大 豆 の 違 い を 考 え させ る。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「地 理A」 の 「(3)現 代 世 界 の 課 題 と 国 際 協 力 」 の 「ウ 諸 地 域 か ら み た 地 球 的 課 題 」 で 扱 う 。

学 習 項 目

・ 日 本 の 米 ・大 豆

0日 本 の 米 と大 豆 の 自給 率 、 輸 入 量 に っ い て 知 ・資 料 「食 料 需 給

の 自給 率 る 。 表 」

○ 米 は 、1993年 の 凶 作 時 に 輸 入 さ れ は じ め た こ

と 、 ま た 、 大 豆 の 輸 入 率 が 非 常 に 高 い こ と を 理

解 す る 。

・米 ・大 豆 の 輸 入

○ 統 計 資 料 に よ り米 ・大 豆 の輸 入 国 を 調 べ 、 ワ ー

・ 資 料 「ア グ ロ ト

一9一

(12)

ク シ ー ト に 記 入 す る 。

レ ー ド ハ ン ド ブ

・輸 入 米 の 評 判 ○ 「日 本 人 好 み の 味 で あ っ た か 」 な ど 、 輸 入 米 ッ ク 」

を 食 べ た 時 の 感 想 に つ い て グ ル ー プ で 話 し合 う 。

・ ワ ー ク シ ー

・大 豆 の 自 給 率 の 0和 食 に 欠 か せ な い 味 噌 ・醤 油 の 原 料 の 大 豆 が ・資 料 「食 料 需 給 低 さ

ほ と ん ど 海 外 か ら輸 入 さ れ て い る こ と 、 ま た 、

表 」

そ の 理 由 を 理 解 す る 。

・大 豆 の 輸 入 国

○ 資 料 に よ り 大 豆 の 輸 入 国 を 調 べ 、 ワ ー ク シ ー

・資 料 「通 商 白書 」

ト に 記 入 す る 。

・ ワ ー ク シ ー

・輸 入 米 と輸 入 大 ○ 輸 入 米 と 輸 入 大 豆 に つ い て ど ち らが 、 日本 人 豆 の用途 の比較 の 日常 の 食 生 活 に 定 着 して い る か 考 え る 。

○ 主 食 と副 食 、 大 豆 は 豆 腐 ・味 噌 ・醤 油 な ど の 加 工 品 が 多 い こ と な ど 、 米 と 大 豆 と は 食 用 に 当 た っ て の 加 工 法 ・用 途 が 基 本 的 に 違 う こ と を 理

解 す る 。

○ 米 は1993年 の 凶 作 以 降 、 輸 入 さ れ 始 め た こ と ・資 料 「食 料 需 給

を 理 解 す る 。 表 」

・米 と大 豆 の 輸 入

○ 米 と 大 豆 の 主 な 輸 入 国 を ワ ー ク シ ー ト に ま と

・ ワ ー ク シ ー

国 の比較

あ 、 そ の 違 い を 理 解 す る 。

・世 界 の 共 生 を め ○ 統 計 資 料 を も と に 、 日本 が 米 ・大 豆 な ど を は

ざ して じ め と して 、 食 糧 の 多 くを 海 外 に 依 存 し て い る こ と を 理 解 す る 。 ま た 、 食 糧 の 海 外 依 存 率 の 高 い 日 本 の 国 際 協 調 の 在 り 方 に つ い て 考 察 す る 。

(4>評 価 の 観 点 ① 米 ・大 豆 を は じ め と して 、 日本 の 食 糧 輸 入 が 地 球 的 な 広 が りを み せ て き て い る こ と を 理 解 で き た か 。 ② 日 本 人 の 日常 生 活 が 、 食 料 輸 入 を 通 して 海 外 と 密 接 に 結 び っ い て い る こ と を 理 解 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 資 料 か ら読 み 取 っ た 内 容 は 、 適 宜 、 十 分 時 間 を 取 り ワ ー ク シ ー ト に 記 入 さ せ 、 ま た 、 考 察 さ せ る 。 ② ま と め で は 、 統 計 資 料 を も と に 、 米 ・大 豆 の 他 、 食 料 の 多

くを 海 外 か ら輸 入 して い る こ と に つ い て 、 具 体 的 に 理 解 さ せ る よ う配 慮 す る 。

6.世 界 の 難 民 問 題

(1)教 材 を 取 り上 げ た 理 由 東 西 冷 戦 の 終 焉 後 、 各 国 の 相 互 依 存 関 係 が 深 化 す る と と も に 、 各 国 間 の 国 際 協 力 が 一 層 求 め られ る よ う に な っ て き て い る 。 一 方 、 現 在 、 世 界 の 各 地 で 民 族 紛 争 ・宗 教 対 立 が 多 発 し、 そ れ に 伴 い 多 くの 難 民 が 生 ま れ 、 国 際 的 に 大 き な 課 題 と な っ て い る 。 こ う し た 世 界 の 難 民 問 題 の 解 決 に 向 け 、 国 際 社 会 で は 日 本 の 果 た す 役 割 に 対 す る期 待 が 大 き い 。 しか し、 日 本 で は 難 民 受 け 入 れ 問 題 に っ い て 、1970年 代 の イ ン ド シ ナ 難 民 受 け 入 れ 問 題 以 降 、 余 り関 心 は 高 ま らず 、 国 内 社 会 の 閉 鎖 性 も指 摘 さ れ て い る 。 そ こ で 、 現 代 世 界 で

(13)

起 こ っ て い る 難 民 問 題 を 事 例 と し て 、 日本 社 会 の 閉 鎖 性 や 考 え 方 を よ り グ ロ ー バ ル な 視 点 か ら見 っ あ 直 す と と も に 、 国 際 社 会 に お け る難 民 受 け 入 れ 問 題 に つ い て の 日 本 の 役 割 を 考 察 さ せ 、 日本 と 国 際 社 会 と の 共 生 に っ い て 考 え さ せ る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。 (2)本 時 の ね ら い 本 時 は6時 間 構 成 の 第4時 限 に 当 た る 。 第1時 限 で は 、VTRの 視 聴 を 通 して 、21世 紀 に 向 け て の 様 々 な 地 球 的 課 題 に 着 目 さ せ 、 そ れ ら の 課 題 の 要 因 に っ い て 考 え さ せ る 。 第2時 限 で は 、 世 界 の 人 口 問 題 に っ い て 、 特 に 急 速 な 人 口 増 加 と そ れ に 伴 う課 題 に っ い て 理 解 さ せ る 。 第3時 限 で は 、 世 界 の 民 族 問 題 に つ い て 、 政 治 ・経 済 的 側 面 、 伝 統 文 化 や 宗 教 的 側 面 な ど か ら 、 そ の 原 因 と背 景 に っ い て 理 解 さ せ る 。 第5・6時 限 で は 、 地 球 的 課 題 と私 達 の 生 活 に っ い て 、 各 班 で ま と め 発 表 さ せ る 。 ま た 、 本 時 で は 、 冷 戦 終 焉 後 の 世 界 の 民 族 紛 争 に 着 目 し 、 大 量 の 難 民 発 生 の 現 状 に っ い て 理 解 さ せ る と と も に 、 国 際 社 会 に お け る 難 民 受 け 入 れ 問 題 と 日本 の 難 民 政 策 に っ い て 考 察 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「地 理A」

「(8)現 代 世 界 の 課 題 と 国 際 協 力 」 の 「ウ 地 球 的 課 題 へ の 国 際 協 力 と 日本 」 で 取 り 扱 う。

学習項 目

世界 の民族 ○ 冷 戦 後 も世 界 で は 、 民 族 紛 争 な ど に よ り大 量 の 難 民

・VTRr世 界 の1

紛争

が 発 生 し て い る こ と に 着 目 す る 。 難 民 は ど こ に 」i

・世 界 に お

○ 難 民 の 発 生 地 域 が 、 途 上 国 や 東 欧 諸 国 で あ る こ と に

・資 料 「世 界 の 民

け る難 民 の

っ い て 理 解 す る 。

族紛争 地図」

発生状況 ○途上国や東欧諸国 で発生す る難民問題 が、経済的不 平 等 問 題 に よ る 対 立 や 民 族 問 題 な ど と 深 く関 わ って い

る こ と に つ い て も 理 解 す る 。

・難 民 受 け ○ 難 民 の 発 生 が 年 々 増 加 し て い る こ と 、 ま た 、 難 民 を ・作 業 「世 界 の 難 入 れ諸 国 多 く受 け 入 れ て い る の が 途 上 諸 国 や 欧 米 諸 国 で あ る こ 民 地 図 の 作 成 」

と を 理 解 す る 。

・難 民 と は

○ 難 民 条 約 に よ る 難 民 規 定 の 変 遷 を 通 して 、 難 民 に 対

何 か す る 考 え 方 の 変 化 を 理 解 す る 。 ・資 料 「難 民 条 約 」

① 国 連 難 民 条 約 と ア フ リカ 難 民 条 約 で の 難 民 規 定 や 1 難 民 に 対 す る 考 え 方 の 変 化 に っ い て

② 難 民 が 急 増 す る フ ラ ン ス に お け る 新 し い 取 り組 み

・資 料 「西 欧 の 難} 1

に っ い て

民 統 計 」

・ 日 本 の 難

○ 日本 の難民受 け入 れ政策 と難民 の定住状況 を理解す ・ ワ ー ク シ ー

民政策 るQ ・ 資 料 「イ ン ド シ

① 日 本 で は 難 民 が 定 住 せ ず 、 難 民 の 多 くが 欧 米 に 移 ナ 難 民 」 民 して 行 っ た こ と に っ い てi

② ア メ リカ の 難 民 政 策 と 日 本 の 難 民 政 策 の 違 い に っi

[

1

い て

一il一

(14)

ま と あ

難民 問題 の 解決

○ 現 在 の 難 民 問 題 の 解 決 は 、 一 国 だ け の 援 助 や 難 民 引 き 受 け で は 不 可 能 で あ る こ と 、 ま た 、 そ の 解 決 に は 国 際 的 な 人 道 的 援 助 や 協 力 が 必 要 で あ る こ と を 考 察 さ せ

る 。

・新 聞 記 事

・資 料 「日本 のO DAJ

(4)評 価 の 観 点 ① 現 代 の 世 界 に お け る 多 くの 難 民 問 題 の 背 景 に は 、 民 族 紛 争 が あ る こ と を 理 解 で き た か 。 ② 難 民 問 題 を 解 決 す る た め に は各 国 の 積 極 的 な 国 際 協 力 が 必 要 で あ る こ と を 理 解 で き た か 。

〈5)指 導 上 の 留 意 点 ① 写 真 ・VTRな ど の 視 聴 覚 教 材 の 使 用 に 当 た っ て は 、 難 民 の 実 情 な ど を 実 感 的 に 理 解 さ せ る よ う に そ の 構 成 と説 明 に つ い て 工 夫 す る 。 ② 難 民 と 移 民 と の 違 い 、 ま た 、 難 民 問 題 は 人 権 問 題 で あ る こ と に つ い て 理 解 で き る よ う、 難 民 条 約 の 理 念 と 具 体 的 規 定 に っ い て 詳 し く説 明 す る 。

II近 世 ・近 代 に お け る 日本 と 諸 外 国 の 接 触 。交 流

1近 世 に お け る 日欧 の 交 流 姿 勢

(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由1543年 の ポ ル トガ ル 人 の 種 子 島 漂 着 で 開 始 さ れ た 近 世 に お け る 日欧 交 流 は 、 日本 と ヨ ー ロ ッパ 世 界 が 直 接 交 流 を 始 あ た 点 で 、 日 欧 交 流 史 に お け る 意 義 深 い 出 来 事 だ っ た が 、 当 時 の 双 方 の 交 流 姿 勢 は対 照 的 で あ っ た 。 ヨ ー ロ ッパ 諸 国 は 日本 に 積 極 的 な 関 心 を 抱 き 、 日本 人 を 優 秀 な 民 族 と評 価 す る な ど 、 好 意 的 姿 勢 を 示 し た 。 し か し、 日 本 は 交 易 に は大 き な 関 心 を 抱 い た が 、 ヨ ー ロ ッパ の 精 神 文 化 の 流 入 に は 寛 容 で は な く 、 ヨ ー ロ ッ1¥°人 を 意 図 的 に軽 蔑 す る 傾 向 さ え 示 し た 。 そ こ で 、 近 世 に お け る 日 欧 の 交 流 姿 勢 に 差 異 が 生 じた 背 景 や 要 因 を 理 解 さ せ る こ と を 通 して 、 現 代 の 日 本 に お け る 国 際 交 流 の 在 り 方 を 考 察 さ せ る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り 上 げ た 。

(2)本 時 の ね ら い 近 世 に お け る 日 欧 交 流 は 日 本 史 、 世 界 史 双 方 で の 重 要 な 出 来 事 で あ り、

本 教 材 は両 教 科 で 、 共 に3時 間 構 成 の1時 間 と して 扱 う。 日 本 史 で は 、 幕 藩 体 制 形 成 ま で の 動 向 を 概 観 し た 後 、 本 時 で は 、 日 欧 交 流 に お け る 日 本 の 対 応 の 様 子 と 交 流 姿 勢 の 問 題 点 を 理 解 さ せ 、 第3時 限 で 鎖 国 政 策 の 目 的 と 影 響 を 考 察 さ せ る 。 世 界 史 で は 、 ヨ ー ロ ッパ 諸 国 の 海 外 進 出 、 そ れ に 伴 う世 界 情 勢 の 変 化 を1時 間 づ っ 概 観 し た 後 、 本 時 で は 、 ヨ ー ロ ッパ 諸 国 の 進 出 を 受 け た ア メ リカ 大 陸 、 ア ジ ア の 対 応 に っ い て 、 日 本 を 事 例 と し て 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日本 史A」 の 「② 幕 藩 体 制 の 形 成 と推 移 」 の 「ア ヨ ー ロ ッ パ 文 化 と の 接 触

と鎖 国 」、 「世 界 史A」 の 「(2>諸 文 明 の 接 触 と 交 流 」 の 「エ16世 紀 の 世 界 」 で 扱 う。

学 習項 目

・近 世 日 欧 交 流 に お け る 交 流 姿 勢 の 差 異

○ 近 世 日 欧 交 流 に お い て 、 日 本 と ヨ ー ロ ッパ 諸 国 の 相 手 に 対 す る 認 識 が 対 照 的 だ っ た こ と を 、 「ザ ビ エ ル 書 簡 」 及 び 「鉄 炮 記 」 の記 述 の 比 較 を通 して 知 る。

・ 資 料 「ザ ビ エ ル

書 簡 」 「鉄 炮 記 」

(15)

○ 日 本 の 世 界 認 識 が 中 華 思 想 の 強 い影 響 を 受 け て い ・中 華 思 想 の 紹 介

た こ と を 確 認 す る 。

・ 日 欧 交 流 の 016世 紀 後 期 〜17世 紀 、 ヨ ー ロ ッ パ 人 が 渡 来 し 、 文

・資 料 「略 年 表 」 概観 化 交 流 や 交 易 が 行 わ れ た こ と を 理 解 す る 。

ノマ ○ ヨ ー ロ ッパ 諸 国 が 日 本 を 対 等 な 文 明 世 界 、 日 本 人

・イ ェ ズ ス 会 資 料

諸 国 の 日本 認 を 優 秀 な 民 族 と 見 な す な ど 、 好 意 的 に 評 価 して い た 「日本 諸 事 要 録 、

こ と を 、 イ エ ズ ス 会 資 料 な ど か ら 確 認 す る 。

同 補 遺 」 「日 欧

ツ ノマ ○ キ リ ス ト教 布 教 や 交 易 の た め に 積 極 的 な 日 本 研 究 文化比較 」 諸国 の交流姿 を 行 い 、 特 に 、 日 本 の 慣 習 や 生 活 様 式 に 強 い 関 心 を

・ オ ラ ン ダ 東 イ ン

示 し て い た こ と を 、 資 料 か ら 読 み 取 る 。

ド会 社 関 係 資 料

・ 日 本 の ヨ ー

○ 外 見 や 生 活 様 式 の 違 い か ら 、 日 本 の 中 に ヨ ー ロ ッ

「東 方 案 内 記 」 「日

ロ ッ パ 人 に 対

パ 人 を 軽 蔑 す る 傾 向 が あ っ た こ と を 、 資 料 か ら読 み 本 大 王 国 志 」 「鎖

す る認識 取 る 。 国 論 」

○ イ エ ズ ス 会 の 日 本 研 究 が 軽 蔑 対 策 と して の 側 面 も ・資 料(排 耶 書)

も っ て い た 点 に 注 目 す る 。

「排 耶 蘇 」 「南 蛮

・ 日 本 の 交 流

○ キ リス ト教 に 批 判 的 だ っ た こ と 、 交 易 に 関 す る情 寺 興 廃 記 」 「邪 教 姿勢 報 の 収 集 が ヨ ー ロ ッパ 世 界 全 体 へ の 関 心 に 繋 が っ て 大 意 」

い な か っ た こ と を 、 資 料 か ら 読 み 取 る 。

・資 料 「華 夷 通 商 0ヨ ー ロ ッパ 世 界 の 技 術 一 般 へ の 関 心 が 鎖 国 体 制 成 考 」 「西 洋 紀 聞J

立 後 に 現 れ た 点 に 注 目 す る 。

○ 未 知 で 異 質 な 文 化 へ の 「恐 れ 」 が 日本 の 交 流 姿 勢 に 大 き な 影 響 を 与 え 、 こ れ が 拒 否 反 応 に 繋 が っ た こ と を 考 察 す る 。

・国 際 交 流 と ○ 近 世 日 欧 交 流 に お け る 交 流 姿 勢 の 差 異 に っ い て 、

相 互 理 解 の 在

り方 に つ い て

そ の 背 景 と 要 因 を 理 解 す る 。

○ 現 代 日 本 に お け る 国 際 交 流 、 諸 外 国 と の 相 互 理 解

の 望 ま し い 在 り 方 に つ い て 考 察 す る 。

(4)評 価 の 観 点 ① 近 世 日欧 交 流 に お い て 、 日本 と ヨ ー ロ ッパ 諸 国 が 対 照 的 な 交 流 姿 勢 を 取 っ て い た こ と を 理 解 で き た か 。 ② 近 世 日欧 交 流 で の 交 流 姿 勢 の 差 異 が 相 手 に 対 す る 認 識 の 違 い

に 起 因 して い る こ と を 理 解 で き た か 。 ③ 日本 の 交 流 姿 勢 の 問 題 点 を 考 察 で き た か 。

(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 使 用 す る 文 献 史 料 は 、 必 要 箇 所 を 現 代 語 訳 し て 示 す よ う配 慮 す る 。

② 近 世 日 欧 交 流 に お け る 日 本 の 交 流 姿 勢 の 問 題 点 に 関 して は 、 日本 人 の 意 識 の 中 に 存 在 し た

「恐 れ 」 の 観 念 を 指 摘 す る に 留 め 、 可 能 な 限 り生 徒 に 考 察 さ せ る よ う に 配 慮 す る 。

一13一

(16)

2.江 戸 時 代 後 期 に お け る 対 外 観 の 変 化

(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 江 戸 時 代 後 期 の 、 国 学 ・洋 学 な ど の 新 し い 思 想 の 成 立 は 、 日本 固 有 の 文 化 を 賞 揚 さ せ る一 方 、 西 洋 近 代 文 明 に 対 す る敬 意 と 憧 憬 を 抱 か せ る よ う に な っ た 。 そ の 結 果 、 伝 統 的 中 国 観 の 束 縛 は 少 しず つ 緩 み 、 従 来 ま で の 華 夷 秩 序 か ら離 れ て 、 西 力 東 漸 の 国 際 情 勢 を 的 確 に 認 識 さ せ る よ う に な っ た 。 こ う した 対 外 観 の 変 化 は 、 欧 米 列 強 の 東 ア ジ ア 進 出 に 対 す る 、 日 本 社 会 の 鋭 敏 な 反 応 で あ り 、 ま た 、19世 紀 半 ば 、 欧 米 列 強 の 開 国 要 求 が 厳 し く な る 中 で 、 日 本 人 が 「西 洋 の 衝 撃 」 を 正 面 か ら受 け 止 あ 、 国 内 政 治 を 変 革 して 、 短 期 間 に 近 代 国 家 を 成 立 さ せ た 背 景 と も な っ た 。 そ こ で 、 江 戸 時 代 後 期 の 新 し い 思 想 の 成 立 を 事 例 と して 、 鎖 国 体 制 の も と 、 積 極 的 に 欧 米 世 界 と の 交 流 を 求 あ た 者 た ち の 思 想 と行 動 を 理 解 さ せ る こ と を 通 して 、 国 際 化 の 進 展 す る現 代 社 会 に お い て 、 主 体 的 に 生 き る 力 を も っ 生 徒 を 育 成 す る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。

本 時 の ね ら い 本 時 は2時 間 構 成 の 第1時 限 に 当 た る 。 本 時 で は 、 鎖 国 体 制 下 の 国 学 ・ 洋 学 の 成 立 に よ っ て 、 伝 統 的 中 国 観 が 揺 ら ぐな か 、 少 しず っ 日本 人 の 対 外 観 が 変 化 し 、 欧 米 列 強 の 東 ア ジ ア進 出 と い う 国 際 情 勢 を 理 解 す る素 地 が で きっ っ あ っ た こ と を 理 解 さ せ る 。 第 2時 限 で は 、 幕 末 期 、 国 際 情 勢 を 的 確 に 認 識 し た 者 た ち が 、 国 内 の 政 治 体 制 の 変 革 を 求 め て 行 動 し た 契 機 を 、 穰 夷 の 実 行 と挫 折 の 経 験 を 通 し て 理 解 す る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史 A」 の 「(3)日 本 の 近 代 化 へ の 道 と19世 紀 の 世 界 」 の 「イ 新 思 想 の 展 開 と教 育 の 普 及 」、 「日 本 史B」 の 「(4)幕 藩 体 制 の 推 移 と 文 化 の 動 向 」 の 「工 国 際 環 境 の 変 化 と 幕 藩 体 制 の 動 揺 」

で 扱 う 。

(3)展

学 習項 目

・鎖 国 下 の 日

○ 鎖 国 政 策 を と る 幕 藩 体 制 下 に お い て 、 日本 人 の 対

・年 表

本 人の対 外観 外 観 が ど の よ う な も の で あ っ た か 確 認 す る 。

○ 江 戸 時 代 ま で の 日 本 人 の 伝 統 的 中 国 観 を概 観 す る。

・荻 生 但 裸 の ○ 荻 生 祖 篠 が 、 後 代 の 解 釈 を 排 し、 実 証 的 な 方 法 で ・資 料 「学 則(荻 方 法論 儒 学 の 原 典 を 理 解 し よ う と した こ と を 知 る 。 生 但 裸)」

・国 学 の 成 立 ○ 国 学 者 が 、 中 国 の 影 響 を 受 け る 前 の 日 本 人 の 心 を ・ 資 料 「直 毘 霊 と伝統的中国 探 り、 伝 統 的 中 国 観 を 拒 絶 した こ と を 理 解 す る 。 (本 居 宣 長)」

観 の拒絶 ○ 但 挾 の 方 法 論 が 国 学 者 に与 え た 影 響 を 確 認 す る 。

・杉 田 玄 白 の

○ 西 洋 の 解 剖 図 を 携 え 、 臆 分 け に 立 ち 会 っ た 杉 田 玄

・資 料 「 解 体 新 書 ・

決意 と洋学の 白 らの 驚 き を 具 体 的 に 知 る 。 蘭学事始(杉 田玄 成立 ○中国医学の誤 りと西洋医学 の優秀性 を認識 した玄 白)」

白 ら が 「夕 一 ヘ ルeア ナ ト ミ ア 」 翻 訳 を 決 意 し た こ

・図 版 「解 体 新 書

と を 知 る 。

挿 絵 」

○ 西 洋 の 自 然 科 学 へ の 理 解 が 深 ま る と と も に 、 伝 統 的 中 国 観 が 変 化 して い く こ と を 考 察 す る 。

参照

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