高等学1
平 成9年 度
教 育 研 究 員 研 究 報 告 書
團
東 京 都 教 育 委 員 会
平 成9年 度
教 育 研 究 員 名 簿
農 業 ・工 業 部 会
班 学 校 名 氏 名 所 属 学 科
小 石 川 工 業 高 等 学 校 金 田 裕 治 機 械
i
工 芸 高 等 学 校 八 王 子 工 業 高 等 学 校
高 柳 勝 彦 田 野 倉 市 郎
イ ン テ リ ア
機 械
田 無 工 業 高 等 学 校 高 橋 康 宏 建 築
農 芸 高 等 学 校 福 田 修 一 食 品 製 造
2
向 島 工 業 高 等 学 校 化 学 工 業 高 等 学 校
山 下 敏 広 近 藤 安 彦
総 合 技 術 工 業 化 学
農 林 高 等 学 校 鈴 木 秀 彦 林 業
世 田 谷 工 業 高 等 学 校 早 川 忠 憲 電 子 機 械 練 馬 工 業 高 等 学 校 吉 田 守 電 子 機 械
3
北 豊 島 工 業 高 等 学 校 古 川 正 信 総 合 技 術 本 所 工 業 高 等 学 校 奥 澤 稔 電 子 機 械 町 田 工 業 高 等 学 校 浅 川 毅 電 気 情 報担 当
教育庁指導 部高等学校教育指導課 主任指導主事 指 導 主 事 指 導 主 事
雄一男
敏耕文
川野野
小花星
社 会 の 変 化 に 対 応 した 職 業 教 育 の 推 進 と 開 か れ た 学 校 づ く り
目 次
は じめ に
1社 会 の 変 化 に 対 応 す る 教 育 1科 学 技 術 の 発 展 と 職 業 教 育
1研 究 の 趣 旨 2研 究 の 内 容 と 方 法 3調 査 結 果 と考 察 4事 例 研 究
(1)事 例1市 民 講 師 制 度 の 活 用 (2)事 例2校 外 学 習 を 通 して (3)事 例3
5研 究 の ま と め 2環 境 問 題 と 職 業 教 育
1研 究 の 趣 旨 2研 究 の 内 容 と 方 法 3調 査 結 果 と 考 察 4事 例 研 究
(1)事 例1 (2)事 例2 5研 究 の ま と め II開 か れ た 学 校 づ く り
1研 究 の 趣 旨 2研 究 の 内 容 と方 法 3調 査 結 果 と考 察 4事 例 研 究
(1)事 例1 (2)事 例2 (3)事 例3 5研 究 の ま と め お わ り に
ICの 実 験 装 置 の 製 作 と実 験 を 通 して
廃 材 の 有 効 利 用 を 目指 して 身 近 な環 境 問 題 の 調 査 ・研 究
生 徒 が 主 体 的 に 取 り組 む 地 域 に 開 か れ た 学 校 づ く り
「将 来 の ス ペ シ ャ リス ト」 に 向 け て の 取 組 み 地 域 に 根 ざ した 学 校 づ く り
一1一
2 3 3 3 3 4 7 7 7 8 9 10 10 10 10 13 13 14 16 17 17 17 18 21 21 22 22 23 24
は じめ に
平 成8年7月 に 出 さ れ た 第15期 中 央 教 育 審 議 会 の 「21世紀 を 展 望 し た 我 が 国 の 教 育 の 在 り方 に つ い て 」 の 答 申 は 、 こ れ か ら の 教 育 の 在 り方 と して 、 ゆ と りの 中 で 生 き る 力 を 育 成 す る こ と を 提 言 し て い る 。 ま た 、 国 際 化 、 情 報 化 、 科 学 技 術 の 発 展 等 社 会 の 変 化 に 対 応 す る 教 育 の 在 り 方 や 地 域 に 開 か れ た 学 校 づ く り に つ い て も提 言 し て い る 。 一 方 、 理 科 教 育 及 び 産 業 教 育 審 議 会 で は 、 「今 後 の 専 門 高 校 に お け る教 育 の 在 り方 等 に つ い て 」 の 検 討 が 行 わ れ て い る 。
こ の よ う に 専 門 高 校 の 薪 し い 在 り方 が 求 め ら れ る 中 、 本 研 究 部 会 は 、 今 後 の 専 門 高 校 は 社 会 の 変 化 に 対 応 す る こ と と 開 か れ た 学 校 づ く り を 推 進 して い く こ と が 最 も重 要 で あ る と考 え た 。 そ こ で 、 「社 会 の 変 化 に対 応 した 職 業 教 育 の 推 進 と 開 か れ た 学 校 づ く り」 を 研 究 テ ー マ と し 、
「科 学 技 術 の 発 展 と職 業 教 育 」、 「環 境 問 題 と 職 業 教 育 」、 「開 か れ た 学 校 づ く り」 の3分 野 に つ い て 、 都 立 の 農 業 高 校 と工 業 高 校 の 実 態 調 査 及 び 事 例 研 究 を行 う こ と と し た 。
○ 科 学 技 術 の 発 展 と 職 業 教 育
科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 す る た め に は 、 基 礎 ・基 本 の 育 成 と技 術 革 新 に 対 応 で き る 能 力 と 実 践 的 な 態 度 を 育 て る こ とが 必 要 で あ る 。 そ の た め 、 各 教 科 ・科 目 の 指 導 内 容 ・方 法 を 工 夫 し 、 施 設 ・設 備 の 更 新 や 新 規 導 入 を 行 う と と も に 、 社 会 教 育 施 設 や 企 業 の 研 究 所 な ど と の 連 携 を 図 る な ど 、 日 常 的 に 先 進 的 な 科 学 技 術 に 触 れ る こ とが で き る 教 育 条 件 を 整 備 す る こ とが 重 要 で あ る 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 都 内 の 農 業 ・工 業 高 校 で の 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 職 業 教 育 に つ い て の 取 組 み の 現 状 、 学 校 外 の 施 設 等 と の 効 果 的 な 連 携 の 在 り方 、 今 後 重 視 して 取 組 む べ き課 題 等 を 明 ら か に す る こ と と した 。 ま た 、 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 授 業 の 実 践 事 例 に つ い て 研 究 し た 。
○ 環 境 問 題 と 職 業 教 育
オ ゾ ン ホ ー ル の 拡 大 を 防 ぐ た め の フ ロ ン ガ ス の 使 用 禁 止 や 地 球 の 温 暖 化 防 止 の た め の 炭 酸 ガ ス の 排 出 規 制 な ど 、 環 境 問 題 は 今 や 早 急 に 解 決 を要 す る 国 際 的 な 課 題 と な り、 各 国 が 足 並 み を そ ろ え て そ の 対 策 に 取 り組 む こ とが 求 め ら れ て い る 。 環 境 問 題 を 解 決 す る た め に は 、 学 校 教 育 に お い て 、 生 徒 が 環 境 問 題 に 関 す る 認 識 を 深 め 、 自 らが 具 体 的 に 解 決 に取 り組 む 姿 勢 を は ぐ く む 必 要 が あ る 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 都 内 の 農 業 ・工 業 高 校 の 環 境 教 育 の 現 状 を把 握 す る と と も に 、 環 境 問 題 を 取 り上 げ た 授 業 の 実 践 事 例 を研 究 し 、 今 後 の 環 境 教 育 の 在 り方 を 示 唆 す る こ と
と し た 。
○ 開 か れ た 学 校 づ く り
専 門 高 校 は 、 こ れ まで に も公 開 講 座 や 文 化 祭 な ど に よ り 、 地 域 社 会 へ の 学 校 施 設 の 開 放 や 専 門 に 関 す る 情 報 の 提 供 を 行 い 、 開 か れ た 学 校 づ く り に 取 り組 ん で き た 。 最 近 で は 、 地 域 の 人 材 の 活 用 や 各 種 イ ベ ン トへ の 参 加 な ど に よ り、 地 域 社 会 と の 連 携 を 進 め て き て い る 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 都 内 の 農 業 ・工 業 高 校 に お い て 、 生 徒 の 専 門 分 野 に 対 す る 興 味 ・関 心 を 高 め る た め に 効 果 が あ る と思 わ れ る 各 種 イ ベ ン ト(競 技 会 ・展 示 会)へ の 参 加 が ど の よ う に行 わ れ 、 ど の よ う な 教 育 効 果 を 上 げ て い る の か を 調 査 す る と と も に 、 開 か れ た 学 校 づ く りの 実 践 事 例 に つ い て 研 究 し 、 開 か れ た 学 校 づ く り に 効 果 的 な教 育 活 動 に つ い て 明 ら か に す る こ と と した 。
1社 会 の 変化 に対 応 す る教 育 1科 学技術 の発展 と職 業教育
1研 究 の 趣 旨
第15期 中 央 教 育 審 議 会 の 「21世紀 を 展 望 した 我 が 国 の 教 育 の 在 り方 に つ い て 」 の 答 申 に お い て 、 「社 会 の 変 化 に 対 応 す る 教 育 」 が 提 言 さ れ て い る 。 こ れ か ら の 変 化 の 激 し い 社 会 に 対 応 す る た め に は 、 国 際 化 、 情 報 化 、 科 学 技 術 の 発 展 、 環 境 問 題 な ど に 対 応 す る 教 育 が 重 要 で あ る 。 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 す る 教 育 に 関 連 して 、 文 部 省 で は 、 平 成8年 度 よ り青 少 年 の 科 学 技 術 へ の 興 味 ・関 心 を高 め る た め 、 科 学 技 術 ・理 科 教 育 推 進 の モ デ ル事 業 を 実 施 して い る 。
し か し 、 職 業 教 育 で は 、 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 具 体 的 な 指 導 例 が 少 な い 。
そ こ で 、 現 在 、 都 立 の 農 業 ・工 業 高 校 に お い て 「科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 職 業 教 育 」 が ど の よ う に 取 り組 ま れ 、 実 施 さ れ て い る か に つ い て 、 ア ン ケ ー ト調 査 を 行 い 、 現 状 の 把 握 と 分 析 を 行 っ た 。 そ し て 、 農 業 ・工 業 高 校 に お け る科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 職 業 教 育 の 進 め 方 に つ い て 考 察 した 。
〈 研 究 の 方 法 〉
ア ン ケ ー ト調 査 内 容
授業実践 と可能性先 現
ま
行 ○科学技術教育への意識 ○ 基 礎 ・基 本 の 学 習 体 験 調 ○職業教育の実践状況
状
○ 企 業 との連 携(現 場 見 学)
と
査 ○条件整備の課題 分○ イ ベ ン ト見 学 ・参 加
研
○学校外施設 との連携 ○市民講師制度の活用
究 析 め
○市民講師制度の活用状況 ○先端技術の体験学習
図1‑1
2研 究 の 内 容 と方 法 (1)調 査 対 象
都 立 の 農 業 高 校 と工 業 高 校 の 全 学 科 の 専 門 教 科 担 当 教 員(各 学 科1名)に ア ン ケ ー ト調 査 を 依 頼 し た 。 ア ン ケ ー トの 回 収 率 は82.3%で あ っ た 。
表1‑1ア ン ケ ー ト調 査 対 象 校 ・学 科 及 び 回 収 結 果
調 査 校 対象学科 回答校 回答学科
農業高校 9校
27学 科
4校14学 科
工業高校
28校 120学 科 26校 107学 科
合 計
37校 147学 科 30校 121学 科
一3一
(2>調 査 内 容
ア 農 業 ・工 業 高 校 に お け る 「科 学 技 術 の 発 展 に対 応 し た 職 業 教 育 」 に つ い て の 取 組 み 状 況
イ 職 業 教 育 の 実 践 と条 件 整 備 の 課 題
ウ 東 京 都 総 合 技 術 教 育 セ ン タ ー 、 社 会 教 育 施 設(博 物 館 等)、 企 業 な ど と の 連 携 工 市 民 講 師 制 度 の 活用 状 況
(3)調 査 時 期 平 成9年7月 (4)調 査 方 法
質 問 紙 法 に よ る 調 査(各 質 問 項 目 は 選 択 肢 よ り回 答 す る 方 法 ま た は 記 入 方 式 と し た)
3調 査 結 果 と考 察
調 査 し た 「科 学 技 術 の 発 展 に対 応 し た 職 業 教 育 」 へ の 取 組 み 状 況 は 次 の 通 りで あ っ た 。 質 問1「 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 職 業 教 育 の 必 要 性 を 感 じ ま す か?」
科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 職 業 教 育 の 必
要 性 に 対 す る 教 師 の 意 識 は 、 「感 じ る 」 と の 回 答 が63。6%と 最 も 多 く 、 続 い て 、 「強
く 感 じ る 」 と の 回 答 が25.6%で あ っ た 。 合 わ せ て 約9割 の 教 師 が そ の 必 要 性 を 感 じ て い た 。
強 く感 じる 感 じる どち らとも言 えない
㎜2臥6飴
一一6翫6瓢
一
5.8%
iJ
0.0%25.0%
図1‑2
50.0% 75.0%
質 問2
科 学 技 術 へ の 興 味 ・関 心 の 育 成 に 、 「取 り組 ん で い る 」 と の 回 答 が65.3%と な っ て い た 。 ま た 、 「積 極 的 に 取 り 組 ん で い る 」 は10。7%で 、 既 に 多 数 の 学 校 で 取 り 組 ま れ て い た 。 し か し 、 約2割 の 学 科 で 取 り 組 め て い な い こ と も 分 か っ た 。
「科 学 技 術 へ の 興 味 ・関 心 の 育 成 に 、 日 頃 、 職 業 教 育 で 取 り 組 ん で い ま す か?」
積 極 的 に取 組 んで いる 取 組 ん でいる 取組 ん でいな い その他
¥¥¥¥¥¥V
心10・7髄一一65.3暢
一
懸19那
ロ 0.8瓢
ll
0.0%25.0%
図1‑3
50.0% 75.0%
質 問3「 こ れ か らの 職 業 教 育 に お い て 、 『科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 職 業 教 育 』 め に 必 要 な 条 件 は何 で あ る と お 考 え で す か?」(複 数 回 答)
条 件 整 備 と し て は 「施 設 ・設 備 の 充 実 」 が66.1%と 最 も 高 い 値 を 示 し た 。 続 い て 、
「教 材 ・教 具 の 開 発 」 が47.9%、 「指 導 方 法 の 改 善 」 が44.6%、 「教 育 課 程 の 改 善 」 が 38.8%で あ っ た 。
施 設 ・設 備 の 充 実 教 材 ・教 具 の 開 発 教 育 課 程 の 改 善 指 導 方 法 の 改 善 そ の他
を 行 う た
0.0%25.0%
図1‑4
50.0% 75.0%
質 問4「 科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 職 業 教 育 を 実 施 して い る 『科 目 名 』 を お 答 え 下 さ い 。」
ま た 、 「今 後 、 ど の よ う な 『科 目 』 で 実 施 で き る と考 え ま す か?」(複 数 回 答)
実験 ・ 実 習
製 図
課 題研 究 農 桑情 報処理 情 報技 術基硬 その他
o.o%
図1‑5
25.0%50.0%
実 施 して い る科 目
75.0%
実験 ・ 実 習
製 図
課 題研 究 農 業情 報処 理 情 報技 術基礎 その 他
0.OX25.OX50.OX
図1‑6実 施 が期 待 さ れ る科 目
75.OX
「科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 職 業 教 育 」 を 実 施 し て い る 科 目 は 、 「課 題 研 究 」 が 最 も 高 く 67.4%で あ っ た 。 続 い て 、 「実 験 ・実 習 」 が56.5%、 「農 業 情 報 処 理 ・情 報 技 術 基 礎 」 が40.2
%の 順 で あ っ た 。 さ ら に 、 「製 図 」 や そ れ 以 外 の 多 く の 科 目 で も 実 施 さ れ て い た 。
ま た 、 「実 施 さ れ て い る 科 目 」 と 今 後 「実 施 が 期 待 さ れ る 科 目 」 が ほ ぼ 一 致 し た 傾 向 と な っ た 。
表1‑2科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 職 業 教 育 を 実 施 し て い る 科 目 ・実 習 内 容
科
目
実験実習
工 業 基 礎 、 自動 車 工 学 、 計 測 ・制 御 、 電 気 基 礎 、 電 力 応 用 、 通 信 技 術 電 子 技 術 、 機 械 工 作 、 環 境 工 学 、 農 業 基 礎 、 応 用 微 生 物 、 栽 培 環 境 食 品 流 通 、 園 芸 デ ザ イ ン 、 生 物 工 学 基 礎 、 総 合 実 習
新 素 材 実 習 、 工 業 計 測 技 術 、CAD/CAM実 習 、 電 子 実 習 、 建 築 実 習 自 動 車 実 習 、MCロ ボ ッ ト実 習 、 総 合 実 習 、 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 実 習 グ ラ フ イ ッ ク ア ー ツ 実 習 、 金 型 実 習 、CAD実 習 、IC実 習 、 測 量 実 習 電 気 実 習 、 マ シ ン ク ラ フ ト実 習 、 コ ン ピ ュ ー タ 応 用 実 習
質 問5「 先 端 技 術 の 学 習 の た め に 過 去5年 間 で 導 入 し た 設 備 ・機 械 ・機 器 が あ り ま す か?」
ま た 、 「導 入 を 希 望 す る 設 備 ・機 械 ・機 器 は あ り ま す か?」
表1‑3導 入 済 み 設 備 ・機 械 ・機 器 名 表1‑4導 入 を 希 望 す る 設 備 ・機 械 ・機 器 名
導 入 済 み設備 ・機 械 ・機器 名
引張試 験 機 、 三次 元 切削 加工 機 、 イ ン トラ ネ ッ ト対応 パ ソコ ン NC彫 刻 機 、電 子モ ジュー ル設 計製作 装 置 、燃焼 解析 実 験装 置 バ イオ トロ ン、 トー タルス テ ー シ ョン、液体 クロ マ トグ ラフ ィー 放電 加工 機 、プ リン ト基 盤製 作装 置 、気 象衛 星 受信 実習 装 置 三次 元測 定磯 、 ク リー ンル ー ム、凍 結乾 燥機 、CAD装 置 パ ワー エ レ ク ト17ニ クス システ ム実 習装 置 、NCフ ライ ス盤 CAD/CAMシ ステ ム、FA実 験 装置 、 ロ ボ ッ トシステ ム CNC旋 盤 、ハ イビ ジ ョン実 習装 置 、 シー ケ ンス制 御実 習装 置 光通信 実験 装 置 、製 茶 プ ラ ン ト、電 子計 算組 織 、 タ ワー ク レー ン エ ン ジンァ ナ ラ イザ ー 、 トー タル スキ ャナ ー、CNCフ ライ ス盤 内燃機 関性 能 総合 試 験装 置 、MC、 ワイヤ ー カ ッ ト放電 加工 機
導 入 を希 望す る設 備 ・機械 ・機器 名
GCマ ス、新 素材 プ リン ト、 スケー ル ミル、 自動 制御 実 習装 置 自動制 御装 置 、 リニ ア モー ター カー 、画像 形 成機 器 、放 電加 工機 マル チ メデイ ァ装 置 、MC用 コ ンピ ュー タ シス テム 、バ ッ クホー ロボ ッ トシステ ム、 シーケ ンス制 御 実習 装置 、FA実 験 装置 電 気泳 動 装置 、 バ ーチ ャル リャ リテ ィー シス テム、 パ ソ コ ン装 置 陶芸設 備 、 ウオ ー ター ジ ェ ッ ト加 工 機、A/D変 換 装置 電子 計算機 組 織 、太 陽光 発電 実 習装 置、 パ ソ コ ン通信 シ ステ ム バ イオ トロ ン、 ク リー ンベ ンチ 、倉庫 管 理 シ ステ ム、精 密加 工 機 電 子顕 微鏡 、 バ イ オ実験 装置 、GPS測 量機器 、CAD装 置 DNA分 析 装 置 、気 象衛 星受 信実 習 装置 、 ネ ッ トワー ク シス テム CAD/CAMシ ステ ム、 レーザ ー加工 機
各 学 科 と もCADや 自動 制 御 の 機 器 、 各 学 科 の 特 徴 に 基 づ い た 先 端 機 器 の 導 入 が 望 ま れ て い た 。 導 入 し た い 理 由 と し て は 、 既 存 設 備 の 老 朽 化 や 最 新 の 技 術 ・設 備 の 導 入 が 挙 げ ら れ て い た 。
一5一
質 問6「 科 学 技 術 の 体 験 の 場 と して 、 学 校 外 で ど の よ う な 施 設 を 利 用 して い ま す か?」
ま た 、 「そ の 実 施 学 年 を お 答 え 下 さ い 」(複 数 回 答) 学 校 外 施 設 の 利 用 は 、1学 年 で は 「社 会
3学年
教 育 施 設(博 物 館 等)」 の 利 用 が 多 か っ た 。
2学 年 で は 「企 業 ・工 場 ・研 究 所 」 の 利 用 が 多 か っ た 。3学 年 で は 、 「東 京 都 総 合 技 術 教 育 セ ン タ ー 」 の 利 用 が 多 か っ た 。
学 年 の 進 行 に 伴 い 専 門 に 関 係 し た 施 設 の 利 用 が 増 え る 傾 向 に あ る 。
質 問7
「専 門 全 体 の 興 味 ・関 心 」 の 向 上 の た め が59.8%と 多 く 、 体 験 学 習 と し て 位 置 付 け て 行 わ れ て い た 。
ま た 、 「レ ポ ー ト提 出 ・発 表 」 に よ っ て 、 体 験 した 内 容 の 理 解 を 深 め て い る 例 が 多 か っ
た 。
2学 年
1学 年 4.3°K
13.0%
8.7%
8.7%
田東 京 都 総 合教 育 技 術 センター ロ社 会 教 育 施設(博 物館 等) e企 業 ・工 場 ・研 究 所
■その 他
図1‑7
「学 校 外 施 設 の 利 用 を 、 ど の よ うに 授 業 に 活 用 し て い ま す か?」(複 数 回 答)
レポー ト提 出 ・発 表 授 業内 容の 理 解 興 味 ・関 心 関連 づ けていない その 他
0.0%25.0%
図1‑8
50.0%
75.0瓢
質 問8「 学 校 外 施 設 の 利 用 に よ り 、 生 徒 の 学 習 効 果 は上 が り ま した か?」(複 数 回 答) 学 校 外 施 設 の 利 用 に よ る 生 徒 の 学 習 効 果
は 、 「大 変 効 果 が あ る 」7.6%、 「効 果 が あ る 」33.7%を 合 わ せ て 約4割 が 効 果 が あ る と 回 答 し た 。 そ れ ほ ど 効 果 が 上 が っ て い な い と の 回 答 も 比 較 的 多 く 、 学 校 外 施 設 の 利 用 に 当 た っ て は 、 学 習 へ の 結 び 付 け を 図 る
こ と が 課 題 で あ る 。 質 問9
市 民 講 師 制 度 を 「活 用 し て い る 」 が 全 体 の22.3%で あ っ た 。
ま た 、 「今 後 検 討 し た い 」 が14.0%と 少 な く 、 市 民 講 師 制 度 が 普 及 し て い な い 現 状 が あ る 。
大 変 効 果 が ある 効 果 が ある や や 効 果 が ある あ まり効 果 が な い そ の 他
o.ox
「市 民 講 師 制 度 を活 用 して い ま す か?」
一
燃 §7.6%
一
33.7%
,
1.1%
¥¥¥ III
活 用 してい る
活 用していない 今 後検討 したい
10.0%20.0%30.0%40.0%
図1‑9
雛22溺
一一5ag稠
,
¥¥¥¥¥¥¥,4.ox I
o.ox20.ox
図1‑10
40.0% 80.0%
質 問10
「市 民 講 師 」 を 登 用 し て 授 業 を 行 っ た 結 果 、 「大 変 効 果 が あ っ た 」 が48.1%、 「効 果 が あ る 」 が51.9%で あ っ た 。 市 民 講 師 の 評 価 は 高 い と 考 え ら れ る 。
「市 民 講 師 制 度 の 活 用 は 、 職 業 教 育 に お い て 効 果 が 上 が り ま す か?」
大 変 効 果 が あ る 効 果 が あ る
あま り効 果 が ない o.oz20.ox
図1‑11
一 一 柵
一
㎜ ㎜ ㎜ ㎜5…1
一
〇.ox
lI
40.0% 60.0%
質 問11
こ と は 何 か お 答 え 下 さ い 。」(複 数 回 答) 魅 力 あ る 授 業 を 展 開 す る た め に 必 要 な こ と は 、 「新 し い 技 術 の 体 験 」 が59.5%と 最 も 多 く 、 続 い て 、 「教 材 開 発 」 が56.2%、
「研 修 へ の 参 加 」 が43.0%、 「指 導 法 の 工 夫 」 が38。0%で あ り 、 こ れ ら の 重 要 性 が 指 摘 さ れ た 。
「科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 した 魅 力 あ る授 業 を展 開 す る た め に 、 指 導 上 で 特 に 必 要 な
教材開発
指導 工夫 新しい技術の体験 研修 への参加 その他
o.ox 25.0%
図1‑12
50.0% 75.0%
卑
業 を 行 う 。 ノ ミ 、 鋸 、 墨 壷 の 熟 練 し た 扱 い に は 、 本 職 の 腕 が 光 り 、 実 際 の 技 術 に
ふ れ る 生 徒 の 目 は 真 剣 そ の も の で あ る 。 写 真1‑1
基 礎 ・基 本 的 な 技 術 の 習 得 を 目 的 と し て 、1学 年 で こ の 制 度 を 活 用 し て3年 が 経 過 し た が 、 生 徒 の ア ン ケ ー ト調 査 で は 、 図1‑13の よ う な 結 果 が 得 ら れ た 。
市 民 講 師 と の 学 習 体 験
1.市 民 講 師 の 方 と学 習 して、ど の ように 感 じま した か?
ア.大 変 よい と感 じた イ.よ い と感 じた ウ.よ い と感 じな い
㎜ ㎜ 皿皿 皿盟 罰 皿㎜ ㎜[20.3%。7.
2.専 門 の 技 能 に、 興 味 ・関 心 が 高 ま りま したか?
ア,大 変 興 味 ・関 心 が 高 ま った イ.興 味 ・関 心 が 高 まった ウ.あ ま り高 ま らな い
ア413% イ513% ウ74%
3,職 巣 教 育 の 基 礎 ・甚 本 に 役 立 ちま した か?
ア,大 変 役 立 った イ.役 立 った ウ.あ ま り役 立 た なか った
ア655% イ243%ウ96%
図1‑13
市 民 講 師 を 活 用 し た 授 業 に 対 し 、 「大 変 よ い と 感 じ た 」 は 約8割 の 回 答 を 得 た 。 ま た 、
「興 味 ・関 心 を 持 っ た 」 は9割 以 上 の 回 答 を 得 た 。 こ の 結 果 か ら 、 市 民 講 師 を 登 用 し た 授 業 を 行 う こ と に よ り 、 生 徒 の 興 味 ・関 心 ・意 欲 を 高 め 、 技 術 の 習 得 が 出 来 た と 考 え ら れ る 。
3学 年 で は 市 民 講 師 の 現 場 の 見 学 を 実 施 し た 。 市 民 講 師 と 連 携 し 、 実 際 の 仕 事 場 を 見 学 す る こ と は 、 「開 か れ た 学 校 づ く り」 に 結 び 付 く と 考 え ら れ る 。 今 後 は 、 よ り 幅 広 い 分 野 で 、 こ の 制 度 の 活 用 を 検 討 し て い き た い 。
一7一
(2)事 例2校 外 学 習 を 通 し て
都 立B工 業 高 校 で は 第1学 年 の 全 て の 学 科 の 生 徒 が 、1年 間 に1回 、 各 ク ラ ス ご と に 、
「社 会 工 場 見 学 」 と し て 、 イ ベ ン ト や 企 業 見 学 な ど の 体 験 学 習 を 行 っ て い る 。 今 年 度 は 、 幕 張 で 行 わ れ た 「東 京 モ ー タ ー シ ョ ー 」 を 見 学 し た 。 こ の 事 例 に つ い て 研 究 し た 。
見 学 に 当 た り 、 事 前 調 査 と し て 、 生 徒 の 興 味 ・関 心 や 、 基 礎 知 識 を 中 心 に ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ た 。 ま た 、 見 学 後 に 、 見 学 し た 内 容 の 理 解 度 、 内 容 に 対 す る 興 味 ・関 心 ・意 欲 、 生 徒 各 自 の 進 路 決 定 へ の 参 考 の 程 度 な ど に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た 。
見 学 前 の 調 査 で は 、 見 学 内 容 に つ い て は29.1%の 生 徒 が 「よ く 知 ら な い 」 と 回 答 し 、 専 門 知 識 に つ い て は 、
32.3%の 生 徒 が 「よ く 知 ら な い 」 と 回 答 し た 。 実 施 後 の 調 査 で は 、 見 学 内 容 に つ い て は 「よ く 理 解 で き た 」 と 「理 解 で き た 」 を 合 わ せ て89.9
%、 自 分 の 進 路 決 定 へ の 参 考 の 程 度 は 、
「か な り 役 立 つ 」 と
「少 し 役 立 つ 」 を 合 わ せ て93.2%で あ っ
た 。 図1‑14
こ の こ と か ら 、 企 業 ・工 場 ・博 物 館 な ど の 施 設 を 利 用 し た 体 験 学 習 は 教 育 効 果 が 極 め て 高 い と 思 わ れ る 。 そ の た め 、 今 後 も 学 校 外 の 体 験 学 習 が 積 極 的 に 行 わ れ て い く で あ ろ う と 考 え ら れ る 。 今 後 の 課 題 と し て は 、 体 験 学 習 に つ い て の 事 前 調 査 の 在 り 方 や 体 験 学 習 後 の 指 導 法 の 工 夫 な ど が 考 え ら れ る 。
(3>事 例31Cの 実 験 装 置 の 製 作 と 実 験 を 通 し て
都 立C工 業 高 校 機 械 科3学 年 の 「実 習 」 に お い て 、IC(集 積 回 路)の 実 験 装 置 製 作 の 授 業 を 行 っ た 。ICの 実 験 は 、 計 測 ・ 自 動 制 御 の 分 野 で 取 り 扱 わ れ て お り 、 本 事 例 で は 、 電 子 部 品 の 理 解 を 深 め る 方 法 と し て 、 簡 単 な 実
験 装 置 を 作 り 、AND・OR・NOTな ど のI Cの 特 性 を 知 る た め の 基 礎 実 験 を 行 っ た 。
授 業 前 の 調 査 で は 、 ほ ぼ 全 員 の 生 徒 がICに つ い て 「よ く 分 か ら な い 」 と 回 答 し て い た 。
授 業 後 の 調 査 で は 、 全 員 がICの 性 質 に つ い
て 「理 解 で き た 」 又 は 「だ い た い 理 解 で き た 」 写 真1‑2
と 回 答 し た 。 ま た 、 授 業 に つ い て 、 全 員 が 「興 味 ・関 心 を も っ た 」 と 回 答 し た 。
こ の 授 業 実 践 か ら 、 科 学 技 術 の 発 展 に 伴 う 要 素 や 新 し い 技 術 の 習 得 に は 、 生 徒 に と っ て 、
事 前 調 査i.見 学す るイベ ント内容 につ いてよく知 って います か?
ア.よく知 って いる イ.少 し知 っている ウ,よ く知 らない
lll器:4%III・ ・1.・…9.1%
2.見 学 内 容 につ いて、どの 程度 の専 門知 識 を知って いますか?
ア.よ く知 っている イ.少 し知って いる ウ.よく知 らない
}匿:9.7%・ ・・… 一 ウ32.3%一'
事 後 調 査
7見 学 内容 に つい て、どの程 度 の 専 門知 識 が理 解 できましたか?
ア.よく理 解 できた イ.理 解できた ウ.分 か らなか った
11111匿:23.3%・ ・6.・・ ・ ・…1
2.今 回 の見 学(体 験)は 、自分 の 進路 に 役立 った と思 います か?
ア,か な り役 立 つ イ.少 し役 立 つ ウ.そ れ ほ どでもな い
1冊ll聡 器 訓lllm・ ・9.…s.awe
分 か りや す く 、 興 味 ・関 心 ・意 欲 が も て る よ う な 基 礎 教 材 の 活 用 や 、 指 導 法 の 工 夫 が 必 要 で あ る こ とが 分 か っ た 。 今 後 は 、 様 々 な 要 素 に つ い て 、 教 材 の 開 発 を行 う と と も に 、 指 導 方 法 の 工 夫 を 行 う こ とが 必 要 で あ る 。 ま た 、 基 礎 実 験 で 得 た 知 識 や 技 術 を ど う 発 展 さ せ て い くか の 検 討 も必 要 で あ る 。
5研 究 の ま と め
今 回 の 研 究 か ら 分 か っ た こ と は 、 科 学 技 術 の 発 展 に 応 じた 教 育 の 必 要 性 を多 く の 専 門 高 校 の 教 師 が 感 じて い る こ と で あ る 。 そ して 、 科 学 技 術 の 発 展 に 応 じ た 教 育 を 展 開 す る た め 、
「実 験 ・実 習 」、 「課 題 研 究 」 等 の 体 験 ・経 験 型 の 科 目 で の 取 組 み が な さ れ て い る こ と で あ る 。 ま た 、 情 報 処 理 能 力 を 育 成 す る た め 、 「農 業 情 報 処 理 」、 「情 報 技 術 基 礎 」 に も 期 待 が も た れ て い る 。
科 学 技 術 を 体 験 す る 場 と して 活 用 さ れ て い る 学 校 外 の 施 設 は 、1学 年 で は 、 社 会 教 育 施 設 (博 物 館 等)が 多 い 。2学 年 以 上 で は 、 専 門 分 野 の 学 習 に 関 連 し 、 将 来 の 進 路 選 択 の 資 料 と な る こ と も あ っ て 、 企 業 ・工 場 ・研 究 所 の 利 用 が 多 か っ た 。学 校 外 の 施 設 を利 用 す る に 当 た っ て は 、 今 後 、 よ り一 層 、 こ れ ま で の 学 習 との 連 携 を 図 る こ とが 課 題 で あ る 。
「市 民 講 師 制 度 の 活 用 」 は 学 習 効 果 が 大 きい 。 企 業 の 技 術 者 や 地 域 の 専 門 家 を 招 く こ と か ら 、 専 門 的 な 知 識 ・技 術 の 習 得 に 非 常 に 効 果 が 上 が り、 生 徒 の 興 味 ・関 心 ・意 欲 を引 き 出 し、
魅 力 的 な 授 業 の 展 開 が 期 待 で き る 。
科 学 技 術 の 発 展 に 対 応 し た 教 育 を 行 う た め に 、 先 端 的 で 高 度 な 機 器 を 整 備 す る こ とが 必 要 で あ る 。 そ れ に 伴 い 、 教 師 に は 、 研 修 参 加 に よ る 専 門 的 力 量 の 向 上 、 指 導 方 法 の 工 夫 、 教 材 開 発 な どが 必 要 に な る 。 ま た 、 学 校 内 の 施 設 で は 不 十 分 な 分 野 の 指 導 を企 業 ・工 場 ・研 究 所 の 見 学 等 で 補 う と と も に 、 学 校 外 の 優 れ た 人 材 を市 民 講 師 と して 招 へ い し、 こ れ ら を 図1‑
15の よ う に 有 機 的 に 結 び 付 け る 教 育 シ ス テ ム を作 り上 げ る こ とが 必 要 で あ る と 考 え る 。
専 門高校 地 域
学 習
○ 興 味 ・関 心
○ 基 礎 ・基 本
○ 応 用 ・発 展 施設等
○ 社 会 教 育 施 設
○ 企 業 ・現 場 見 学
○ 東 京 都 総 合 技 術 教 育 セ ン タ ー
設 備
○基礎工学機 器
○実験装 置 ・実習機械
○先端技術機器 人 ○市民講師
○講演会
教 師
○ 研 修
○指導方法 の工夫
○教材 開発
イ ベ ン ト ○ イ ベ ン ト参 加 ・見 学
学 校 ○学校間連携 図1‑15科 学技 術 教 育 の 育成 ・連 携 の 概 念 図
一m
2環 境問題 と職業教育
1研 究 の 趣 旨
第15期 中 央 教 育 審 議 会 に お い て 、 「社 会 の 変 化 に 対 応 す る 教 育 」 が 提 言 さ れ 、 国 際 化 、 情 報 化 、 科 学 技 術 の 発 展 と と も に 環 境 問 題 が 挙 げ ら れ て い る 。 社 会 経 済 活 動 の 拡 大 や 人 口 の 増 大 は 、 環 境 の 持 つ 復 元 能 力 を超 え 、 地 球 温 暖 化 、 オ ゾ ン層 破 壊 、 砂 漠 化 な ど 、 人 類 の 生 存 基 盤 で あ る 地 球 環 境 そ の も の に 、 取 り返 しの つ か な い 影 響 を 及 ぼ す 恐 れ を 生 じ させ て い る 。 こ の よ う な 環 境 問 題 に対 応 す る た め に は 、 各 国 が 地 球 規 模 で 協 調 し、 取 組 み を 進 め る 必 要 が あ る 。 そ して 我 々 は 、 人 間 と環 境 の 関 わ り に つ い て 理 解 を 深 め 、 自 然 と共 生 し、 身 近 な と こ ろ か ら、 具 体 的 な 行 動 を と る こ とが 求 め られ て い る 。 こ の よ う に 環 境 問 題 は 、 極 め て 幅 広 い 問 題 で あ る た め 、 環 境 教 育 も 、 そ の 対 象 は 身 近 な 問 題 か ら地 球 規 模 の 問 題 ま で 広 が り を も ち 、 そ の 学 習 領 域 も 自 然 科 学 ・社 会 科 学 の 分 野 か ら 一 人 一 人 の 感 性 や 心 の 問 題 に ま で 及 ん で い る 。
現 在 、 専 門 高 校 に お い て は 、 環 境 教 育 は 十 分 な 学 習 体 系 を 整 え て お ら ず 、 環 境 問 題 に 関 す る 内 容 は 様 々 な科 目 の 中 で 部 分 的 に 取 り扱 わ れ て い る に と ど ま っ て い る の が 現 状 で あ る 。 ま た 、 生 徒 が 環 境 問 題 に 興 味 ・関 心 を 持 っ て い て も 、 系 統 的 な 学 習 を す る こ と が で き ず 、 よ り 深 い 学 習 が 望 め な い 状 況 に あ る 。 こ れ は 、 教 師 の 環 境 問 題 に 対 す る 認 識 の 相 違 や 教 材 不 足 に よ る も の と 考 え ら れ る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 農 業 ・工 業 高 校 の 教 師 及 び 生 徒 に 環 境 問 題 に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し、 今 後 環 境 問 題 を 学 習 し て い く上 で 、 ど の よ う な 配 慮 が 必 要 か
を 検 討 す る こ と と した 。 2研 究 の 内 容 と 方 法
(t)調 査 対 象
教 師 に つ い て は 、 農 業 ・工 業 高 校 の 全 学 科 に ア ン ケ ー ト調 査 を 依 頼 し、 各 学 科 代 表1名 に 回 答 して も ら っ た 。 生 徒 に つ い て は 、 農 業 ・工 業 高 校 の う ち 、 研 究 員 所 属 の13校 に ア
ンケ ー ト調 査 を 依 頼 し、 第3学 年 全 員 に 回 答 して も ら っ た 。 表1‑5ア ン ケ ー ト調 査 校 と回 答 者 数
調査校 回答者数 合 計
教 師 農業高校9校
15名
工業高校28校60名 75名
生 徒 農業高校2校
237名
972名
工 業 高 校11校735名
② 調 査 内 容
ア 教 師 へ の ア ン ケ ー ト
① 自 然 破 壊 の 主 な 原 因 と環 境 教 育 の 必 要 性
② 環 境 教 育 を 実 施 して い る 場 合 、 そ の 取 組 み 内 容 と 問 題 点 イ 生 徒 へ の ア ン ケ ー ト
① 環 境 問 題 に 対 す る 関 心 度 及 び 認 知 度
② 環 境 問 題 に 関 して 今 後 学 習 し た い 内 容
3調 査 結 果 と考 察
(1}環 境 問 題 に 対 す る 関 心 度
「環 境 問 題 に 関 心 が あ り ま す か 」 と い う 設 問 に 対 す る 生 徒 の 回 答 を 図1‑16に 示 す 。 生 徒 の7割 弱 が 「関 心 が あ る 」 と答 え て お り、 農 業 高 校 の 生 徒 の 方 が 工 業 高 校 の 生 徒 よ り も環 境 に 対 す る 関 心 が 高 か っ た(図1‑17)。 中 で も林 業 科 、 農 業 土 木 科 、 園 芸 科 の 生 徒 の 関 心 度 が 高 か っ た 。 こ れ は 、 農 業 高 校 の 学 習 内 容 が 、 自然 を 対 象 と し 、 環 境 問 題 に 関
連 して い る た め と 考 え ら れ る 。 環境 問題に関心があるか
口関心 がある
■関心 がない
図1‑16図1‑17 (2)自 然 破 壊 の 主 な 原 因
「自 然 破 壊 の 主 な 原 因 は 何 で す か 」 と い う 設 問 に 対 し 、 教 師 と 生 徒 の ア ン ケ ー ト結 果 は 次 の 通 り で あ っ た(図1‑18)。
家庭ゴミ 緑地の減 少 地球温暖 化 産業廃棄物 乱 開発 水質汚 染 大気汚染 酸性雨
自然破壊の主原 因は何 か
図1‑18
教 師 、 生 徒 と も に 大 気 汚 染 を 第 一 位 に 挙 げ て い る 。 近 年 マ ス コ ミ 等 に 多 く 取 り 上 げ ら れ て い る た め か 、 フ ロ ン ガ ス ・ ダ イ オ キ シ ン 問 題 な ど を 含 め た 大 気 汚 染 に 関 す る 認 知 度 が 高 か っ た 。 教 師 、 生 徒 間 で 相 違 が 見 ら れ た の は 、 「 乱 開 発 」、 「産 業 廃 棄 物 」、 「家 庭 ご み 」 で あ っ た 。 「産 業 廃 棄 物 」 と 「家 庭 ご み 」 は 、 い ず れ も 廃 棄 物 と し て 捉 え る こ と が で き る が 、 生 徒 は よ り 身 近 な レ ベ ル で の 意 識 が 高 い こ と が 分 か る 。 今 後 、 ご み 問 題 に 関 し て は 、 ダ イ
一11一
オ キ シ ン な ど の 大 気 汚 染 との 関 連 性 を 学 習 す る 必 要 が あ り 、 分 別 回 収 ・ リサ イ ク ル に よ る ゴ ミの 減 量 化 を 推 進 し て い く上 で も重 要 な 課 題 と な る 。 「乱 開 発 」 は 、 抽 象 的 な 言 葉 で あ っ た た め か 生 徒 の 認 知 度 は 低 か っ た 。 今 後 、 「乱 開 発 」 が 自 然 破 壊 に つ な が る こ と も 学 習 さ せ る 必 要 が あ る 。
(3)環 境 問 題 に つ い て 授 業 を 行 っ た 結 果
「授 業 で 環 境 問 題 を 扱 っ た 際 、 生 徒 の 反 応 は ど う で す か 」 に つ い て の ア ン ケ ー ト調 査 の 結 果 を 図1‑19に 示 す 。
約8割 の 教 師 が 「生 徒 の 関 心 が 高 ま っ た 」 と答 え て い た 。 環 境 問 題 を授 業 で 扱 う こ と に よ り、 生 徒 の 環 境 問 題 へ の 意 識 を 高 め る こ と が で き る こ とが 分 か っ た 。 今 後 、 教 材 を 充 実 し指 導 方 法 を 整 え る こ と に よ り 、 さ ら に 高 い 効 果 が 得 ら れ る と 考 え ら れ る 。
高 ま った とは 言 え な い
14%
わ からない 7%
高 まっ た 79%
図1‑19 (4>環 境 教 育 の 問 題 点
環 境 問 題 を テ ー マ に 授 業 を 行 っ た(又 は 行 い た い)教 師 に 、 環 境 教 育 を 行 う上 で の 問 題 点 を記 述 して も ら っ た 。 そ の 結 果 を 表1‑6に 示 す 。
表1‑6指 導 上 の 問 題 点
① 指導 方 法 に 関 す る もの ② 教材 ・資 料 に関 す る もの ③ そ の 他
・ 一 方 的 な立 場 で 指導 して しま う 。 ・ 使 い や す い教 科 書 が な い 。 ・ 時 間 の 余 裕 が な い 。
・導 入 が 難 し い。
・ 実 習 用 の教 材 研 究 が 困 難 で あ る 。 ・ 範 囲が広 くて授 業 で は追 いつ か ない 。
・ 複 雑 な要 因 の掘 り下 げが 難 しい 。
・ビ デ オ ソ フ トが 不 足 し て い る。・ 教 科 間 の 位 置付 け や 分 担 が 難 しい 。
・ 客 観 的 に伝 え る こ とが難 しい 。
・ 興味を示さない生徒に対する指導が難しい 。
・ 施 設 見 学 の 機 会 を与 え た い 。
・長期の観測や実験の継続が困難
。
指 導 上 の 問 題 点 と して 、 「客 観 的 に 伝 え る こ と が 難 しい 」 や 「一 方 的 な 立 場 で 指 導 して し ま う」 な ど 、 指 導 上 の 難 し さ を 感 じる 教 師 が 多 か っ た 。 ま た 、 「使 い や す い 教 科 書 が な い 」 な ど 、 教 材 ・資 料 に 関 す る もの や 、 「時 間 の 余 裕 が な い 」 や 「指 導 範 囲 が 広 く 授 業 で は 追 い つ か な い 」 な ど の 問 題 点 を 指 摘 す る も の もあ っ た 。 こ う した 問 題 点 を十 分 検 討 し、
今 後 の 環 境 教 育 を進 め る 必 要 が あ る 。 (5)今 後 学 習 した い 内 容
生 徒 の 身 近 な こ と や 興 味 ・関 心 の あ る こ と か ら環 境 教 育 を 始 め る た め に は 、 教 師 は 生 徒 の 関 心 を把 握 し 、 こ れ に 即 し た 指 導 を す る 必 要 が あ る 。 そ こ で 「今 後 ど の よ う な 環 境 問 題 を勉 強 した い で す か 」 と い う ア ンケ ー ト調 査 の 結 果 を 図1‑20に 示 す 。
蓼
,
今後勉強 したい内容
図1‑20
「大 気 汚 染 」 が 学 習 した い 項 目 の 第1位 で あ り、 次 い で 「地 球 温 暖 化 」、 「乱 開 発 」 な ど も 関 心 が 高 か っ た 。 特 に 「地 球 温 暖 化 」 や 「乱 開 発 」 は 、 図1‑18に 示 さ れ る よ う に 、 こ れ ら を 自然 破 壊 の 主 な 原 因 と し て 挙 げ て い た 生 徒 は1割 弱 だ っ た 。 し か し 「地 球 温 暖 化 」 や 「乱 開 発 」 に は 、 多 くの 生 徒 が 強 い 関 心 を も っ て お り、 今 後 勉 強 し た い 内 容 と し て 挙 げ て い た 。 こ の よ う に 、 生 徒 が 新 た に 関 心 を も ち は じめ た 項 目 を授 業 に 取 り入 れ て い く こ と は 大 切 で あ る 。
4事 例 研 究
(t)事 例1廃 材 の 有 効 利 用 を 目 指 して
都 立D工 業 高 校 で は 、 環 境 教 育 を推 進 す る に 当 た っ て 生 徒 の 身 近 な 問 題 点 に 着 目 し、 今 ま で ゴ ミ と して 捨 て ら れ て い た り、 焼 却 さ れ た り して い た 廃 材 の 再 利 用 化 を模 索 した 。 都 立E農 業 高 校 か ら 提 供 を 受 け た ヒ ノ キ の 廃 材 を 教 材 に して 、 「課 題 研 究 」 に お い て 、 研 究 に 取 り組 ん だ 。
生 徒 か ら 、 「ヒ ノ キ の 風 呂 桶 が 腐 ら な い の は な ぜ か 」、 「遺 跡 か ら発 掘 さ れ る ヒ ノ キ が 原 形 を と ど め て い る の は な ぜ か 」、 「木 の 香 りの 心 地 よ さ は なぜ か 」 な ど の 疑 問 が 出 た 。 こ れ ら の こ と に つ い て 検 討 を重 ね た 結 果 、 ヒ ノ キ 特 有 の に お い が 腐 ら な い 役 目 を して い る と の 仮 説 を 立 て 、 こ の に お い の 成 分 抽 出 実 験 に 取 り組 ん だ 。
教 科 書 や テ キ ス トが な い と こ ろ か ら の ス タ ー トで あ る た め 、 文 献 調 査 か ら始 め た 。
に お い の 成 分 の 抽 出 の 方 法 、 ヒ ノ キ の 試 料 写 真1‑3
一13一
『
化 、 適 当 な 溶 媒 の 選 定 、 抽 出 液 の 利 用 法 、 抽 出 後 の 廃 材 の 処 理 法 な ど 、 調 査 量 が 多 い に もか か わ らず 生 徒 は 真 剣 に取 り組 ん だ 。
に お い の 成 分 が 、 ヒ ノ キ チ オ ー ル と 呼 ば れ る 物 質 で あ る こ とや 、 こ れ に は 抗 菌 ・殺 菌 の 性 質 が あ る こ とが 分 か っ た 。 こ の 性 質 を 利 用 し て 、 ア ル コ ー ル に 溶 か して ヒ ノ キ の 香 りが す る 殺 菌 剤 に 利 用 で き る こ と 、 廃 油 を 原 料 と し て 製 造 して い る セ ッ ケ ン に 添 加 して 殺 菌 力 が 強 い と い う付 加 価 値 が 得 ら れ る な ど が 発 展 的 に 理 解 で き た 。
さ ら に ヒ ノ キ チ オ ー ル 抽 出 後 の 廃 材 は 、 抗 菌 ・殺 菌 成 分 が 抽 出 さ れ て い る の で 、 土 に戻 せ る こ と も推 測 で き た 。
抽 出 実 験 は 、 連 続 的 に 長 時 間 行 う根 気 の い る操 作 で あ る が 、 ヒ ノ キ の チ ッ プ を 作 る 作 業 を 改 善 し た り、 溶 媒 を選 定 した り して 、 実 験 を 行 い な が ら 自 ら考 え る 能 力 を 養 っ た 。 ま た 、 最 近 で は 森 林 浴 や ア ロ マ テ ラ ピ ー な ど 、 自 然 回 帰 の た め に 環 境 に 興 味 ・関 心 を も つ 生 徒 が 増 え て き た 。
こ の よ う に 、 身 近 な環 境 問 題 に つ い て 、
写 真1‑4
写 真1‑5
実 験 ・実 習 を 継 続 的 に 行 う こ と に よ っ て 、 生 徒 自 ら が 課 題 を 設 定 し 、 解 決 す べ き 方 策 を 見 つ け 出 す こ と が で き る と 考 え る 。
(2)事 例2身 近 な 環 境 問 題 の 調 査 ・研 究
都 立E農 業 高 校 で は 、 「課 題 研 究 」 で 生 徒 の 身 近 な 環 境 問 題 を 取 り上 げ 、 調 査 研 究 及 び 論 文 発 表 を 行 う こ と に よ り環 境 教 育 を 実 践 し て い る 。 今 ま で の 環 境 教 育 が 教 師 か ら の 知 識 の 伝 達 が 多 か っ た こ と を 考 慮 し、 生 徒 自 身 に よ る 課 題 の 設 定 と資 料 等 の 収 集 を留 意 して 指 導 した 。 ま た 、 現 在 注 目 さ れ て い る 環 境 問 題 が 、 生 徒 が こ れ まで 学 習 して きた 「農 業 基 礎 」、
「育 林 」、 「造 園 計 画 」 な ど の 専 門 科 目 とい か に 関 連 し て い る か を 理 解 さ せ る こ と に 重 点 を 置 い た 。
1学 期 は ビ デ オ や レ ー ザ ー デ ィス ク な ど を 用 い て 環 境 問 題 全 般 を 学 習 させ た 。 ま た 、 生 徒 の 興 味 ・関 心 を引 き 出 す た め に 、 生 徒 に 感 想 を 発 表 さ せ 、 そ れ ぞ れ の 考 え 方 を 確 認 さ せ
た 。
研 究 テ ー マ の 決 定 は1学 期 末 ま で と し 、 夏 休 み を 利 用 して テ ー マ と関 連 し た 資 料 の 収 集 を 行 っ た 。 ま た 、 夏 休 み 中 に 一 度 中 間 報 告 の 日 を 設 け 、 各 人 の 進 行 状 況 を 確 認 す る と と も に 、 資 料 収 集 に 関 す る ア ドバ イ ス を 行 っ た 。
緊
生 徒Aは 「安 全 な 水 道 水 を 飲 む た め に 」 と い う 子 一 マ を 設 定 し、 在 住 して い る 市 の 水 路 清 流 課 で 聞 き取 り調 査 を行 っ た 。 そ して 、 市 内 に あ る4カ 所 の 浄 水 場 を 調 査 し、 日常 使 用 し て い る 水 道 水 の 現 状 を把 握 し た 。 生 徒Bは 「ゴ ミ の 行 方 に つ い て 」 とい う テ ー マ を 設 定 し 、 自分 た ち の 出 す ご み が ど の よ う な 過 程 を経 て ど こ に た ど り着 くの か 、 ま た ど の 様 に 処 理 さ れ て い る の か を調 べ る た め に 、 市 役 所 の 清 掃 課 、 ゴ ミ焼 却 場 、 処 分 場 な ど を調 査 した 。
2学 期 は 、 夏 休 み の 問 に 収 集 し た 資 料 を も と に 文 章 を 作 成 す る と と も に 、11月 に 予 定 さ れ て い る 文 化 祭 で の 口 頭 発 表 の 準 備 を 行 っ た 。 論 文 の 内 容 を 模 造 紙 に ま とめ 、 図 や 表 を 作 成 し て 一 般 の 人 に 理 解 し て も ら え る よ う に 工 夫 した 。 文 化 祭 で の 中 間 発 表 で は 、 生 徒 は 緊 張 し た 表 情 で 、 一 般 の 来 校 者 の 前 で 発 表 し質 問 に 答 え て い た 。
表1‑7年 間 指 導 計 画
指 導 項 目 指 導 内 容
○文章読解
・文 章 を 読 ませ 、 理 解 の ポ イ ン トを 指 導 す る 。 1
○文章構成・段 落 や 節 、 序 論 、 本 論 、 終 論 な ど を 理 解 さ せ る 。
学 ○ 環 境 問題 に 関す る
・現 在 注 目 さ れ て い る 環 境 問 題 を 学 習 さ せ る 。
期 基礎的な学習
○研 究 テ ー マ の決 定
・自 分 の 取 り組 む テ ー マ と 内 容 を 決 定 さ せ る 。
夏 ○資料収集 ・図 書館 、市役所等で資料収集 をさせ る。
休 ○文章作成
・論 文 の 作 成 を 開 始 さ せ る 。
み2
○文章修正 ・毎 時 の進 行 状 況 を報 告 させ 、文章を修正 させる。, ○資料再収集
・追 加 資 料 等 を 収 集 さ せ る 。 3
○中間発表・文 化 祭 で 口 頭 発 表 さ せ る 。
学 ○発表資料作成 ・発 表 用 資 料 を模 造 紙 に書 かせ る 。 期 ○論文発表
・発 表 を 行 い 質 疑 応 答 を させ る 。
調 査 研 究 を 行 っ た 生 徒 の 感 想 は 、 「毎 日 飲 ん で い る 水 道 水 は 、 実 は と て も危 険 で あ
り、 飲 む の が 怖 くな っ た 」、 「日常 平 気 で 捨 て て い る ゴ ミ か ら と て も有 毒 な 化 学 物 質 が 作 り 出 さ れ る こ と が 分 か っ た 」、 「都 市 化 さ れ た 便 利 な 社 会 が 実 は 危 険 で あ る こ とが 分 か っ た 」 な ど で あ っ た 。
マ ス メ デ ィ ア 等 に よ り環 境 問 題 に 関 す る 情 報 は 氾 濫 して い る が 、生 徒 は 自 ら研 究 テ ー マ を設 定 し 、身 近 な環 境 問 題 に つ い て 調 査 ・
研 究 を 行 う こ と に よ り、 環 境 問 題 を よ り 一
写 真1‑6
層 身 近 に 感 じ る こ と が で き た 。 ま た 、 実 際 に 現 場 を 見 る こ と に よ り 、 環 境 問 題 に 対 し て 興 味 ・関 心 を 高 め る と と も に 、 日 常 生 活 を 省 み る 機 会 を 得 た 。
一15一
学 校 教 育 に お い て 、 生 徒 に 環 境 問 題 を 理 解 させ る こ と は重 要 な 課 題 で あ る 。 し か し、 そ の 内 容 は 広 範 に 渡 り、 一 つ 一 つ の 問 題 は 複 雑 で あ る 。 農 業 高 校 に お け る 学 習 内 容 は 環 境 問 題 と 深 く関 連 して お り、 生 徒 は 調 査 ・研 究 を行 う に 連 れ て そ の 関 連 性 と重 要 性 を理 解 した 。 今 後 、 環 境 問 題 を 生 徒 に理 解 させ る た め に は 、 各 教 科 の 有 機 的 な 連 携 が 必 要 で あ る 。
5研 究 の ま と め
今 回 の ア ン ケ ー ト結 果 か ら 、 環 境 問 題 に 対 し て は 生 徒 も教 師 も 関 心 が 高 く、 環 境 教 育 の 必 要 性 が 強 く感 じ られ た 。 環 境 教 育 を 導 入 す る た め に 困 難 な こ と は 、 「一 方 的 な 立 場 で 指 導 し て し ま う 」 と い う 指 導 方 法 に 関 す る もの か ら 、 「使 い や す い 教 材 が な い 」 と い う 情 報 面 ま で 多 様 で あ る 。 こ れ は 環 境 問 題 が 地 球 規 模 の 問 題 で あ り、 相 互 関 係 の 強 い もの で あ る こ とか ら 、
「ど こ か ら着 手 し 、 ど こ まで 教 え れ ば よ い の か 」、 「個 人 的 な価 値 観 で 指 導 し て い る の で は な い か 」 な ど 、 教 師 が 大 き な 迷 い を もつ た め で あ る 。 ま た 、 環 境 問 題 は 多 くの 領 域 に 影 響 を 及 ぼ して い る た め 、 単 一 教 科 に よ る 教 育 が 困 難 で あ る こ と な ど もそ の 原 因 と な っ て い る 。
指 導 方 法 に 関 して は 、 教 師 の 独 断 や 個 人 的 な 価 値 観 の 反 映 を 回 避 す る た め に 、 教 師 と 生 徒 の 認 識 の 違 い を 十 分 に把 握 し、 生 徒 が 今 後 学 習 した い 内 容 と関 連 さ せ 、 生 徒 の 関 心 の あ る 項
目 か ら 指 導 して い く こ と が 大 切 で あ る 。
事 例 研 究 か ら は 、 農 業 ・工 業 高 校 で は専 門 教 科 の 実 験 ・実 習 を 通 して 、 体 験 的 な 環 境 教 育 を 実 践 す る こ と が 可 能 で あ る こ とが 分 か っ た 。 生 徒 は 、 こ れ らの 環 境 問 題 に 関 す る 学 習 を 通 して 、 地 球 温 暖 化 、 オ ゾ ン層 の 破 壊 、 酸 性 雨 な ど 地 球 規 模 の 環 境 問 題 を 理 解 す る と と も に 、 地 域 で の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 、 日常 の 消 費 生 活 等 を通 し て 、 大 気 汚 染 、 騒 音 問 題 、 ゴ ミ 処 理 と い っ た 身 近 な 環 境 問 題 を 理 解 す る 必 要 が あ る 。
今 日 の 高 校 教 育 に は 、 こ れ ら の 課 題 を 解 決 し 、 よ り よ い 環 境 を 創 造 す る た め に 実 際 に 行 動 で き る 力 を 身 に付 け た 人 材 を 育 成 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。 専 門 高 校 に お い て 、 知 識 ・技 術 を も と に具 体 的 に 行 動 で き る 生 徒 を 育 成 す る た め に は 、 環 境 教 育 の た め の 十 分 な 学 習 時 間 を確 保 す る こ と や 、 身 近 で タ イ ム リ ー な教 材 の 導 入 、 体 系 的 な授 業 内 容 の 組 立 て や 教 科 問 の 連 携 が 必 要 で あ る 。 さ ら に 、 最 先 端 の 分 析 機 器 の 導 入 や 、 そ れ ら を 活 用 して 生 徒 の 興 味 ・関 心 に 即 し た 学 習 指 導 を行 う た め の 教 員 の 研 修 の 機 会 も必 要 で あ る 。
ま た 、 環 境 問 題 に 取 り組 む に は 、Thinkglobally,actlocally.(地 球 規 模 で 考 え 、 地 域 で 行 動 す る 。)と い う 姿 勢 が 必 要 と さ れ る 。 現 在 の さ ま ざ ま な 環 境 問 題 は 、 社 会 の 経 済 シ ス テ ム や 個 人 の 生 活 ス タ イ ル に 深 く根 ざ した も の で あ る た め 、 家 庭 や 地 域 社 会 と 連 携 した 環 境 教 育 の 推 進 が 必 要 で あ る 。
こ れ か ら の 専 門 高 校 は 、 生 徒 の 環 境 教 育 を担 う だ け で な く、 地 域 の 環 境 教 育 を 担 わ な け れ ば ば な ら な い 。 現 在 、 個 々 の 教 師 の 工 夫 や 努 力 に よ っ て 進 め ら れ て い る環 境 教 育 の 様 々 な 内 容 を 集 約 す る と と も に 、 新 しい 教 科 の 設 置 や 体 系 的 な 教 育 課 程 の 編 成 が 必 要 で あ る 。