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回 教育研究員研究報告書

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Academic year: 2021

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(1)

高等学校

成9年

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

平 成9年

教 育 研 究 員 名 簿(理 科)

分 野

都 立 田 園 調 布 高 等 学 校

都 立 蔵 前 工 業 高 等 学 校

都 立 第 一 商 業 高 等 学 校

教育庁 指導部高等学校教育指導課 指導主事

(3)

生 徒 の 興 味 や 学 習 意 欲 を 引 き 出 し、

科 学 的 な 思 考 力 を育 て る 理 科 の 指 導 の 工 夫

1研 究 主 題 設 定 の 理 由

II具 体 的 な 研 究 方 針

2

研 究 を 進 め る 上 で の 留 意 点

2

研究 内容

3

4

1「 簡 易 速 度 計 」 の 教 材 化 に よ り 、 エ ネ ル ギ ー 概 念 の 形 成 を 図 る 指 導 法 の 工 夫 … … …4

2身 近 な 物 質 で 考 え る 酸 化 還 元 反 応 「酸 素 と結 び つ く酸 化 」 か ら

「電 子 の 授 受 で 考 え る酸 化 還 元 」 へ の 指 導 展 開 の 工 夫

3ギ ム ネ マ を使 っ た 味 覚 変 容 実 験 に よ る ヒ トの 感 覚 の 教 材 化 と指 導 法 の 工 夫

11

ig

(4)

生徒 の 興 味 や学 習意 欲 を引 き出 し、

科 学 的 な 思考 力 を育 て る理 科 の指 導 の 工 夫

1研 究主題設定 の理 由

現 行 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 の 基 本 的 な 考 え 方(高 等 学 校 理 科)は 、 以 下 の よ う な も の で あ っ た 。

① 基 礎 ・基 本 の 重 視 と個 性 を 生 か す 教 育 の 充 実

理 科 離 れ 」 を 防 ぐ た め の 、 日常 生 活 との か か わ りや 科 学 技 術 の 応 用 面 の 重 視

③ 自 ら 学 ぶ 意 欲 と 社 会 の 変 化 に 主 体 的 に 対 応 で き る 能 力 の 育 成 の 重 視

ま た 、 平 成6年 か ら8年 に 全 国 の 公 立 小 中 学 校 で 実 施 さ れ た 「新 学 力 テ ス ト」(教 育 課 程 実 施 状 況 調 査)の 結 果 に よ る と 、 理 科 に つ い て は 、 知 識 ・計 算 能 力 は 着 実 に 身 に 付 い て い る が 、 自 分 で 考 え 、 表 現 す る 力 は 弱 い こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 特 に 中 学 で は 、 「理 科 嫌 い 」 の 生 徒 が 増 え て い る こ とが う か が わ れ る 。 こ の 結 果 は 、 高 等 学 校 の 学 習 指 導 要 領 改 訂 の 基 本 的 な 考 え 方 を 裏 付 け る も の で あ り、 あ ら た め て 生 徒 の 「理 科 離 れ 」(「理 科 嫌 い 」)へ の 対 応 や 、 生 徒 自 ら が 考 え 、 表 現 す る 力 の 育 成 が 求 め ら れ て い る 。 我 々 が 高 校 で 理 科 の 指 導 に 当 た る 際 に も 、 こ う

し た 生 徒 が 入 学 して い る こ と を 考 慮 す べ きで あ ろ う 。

こ れ ま で も 、 平 成7年 度 教 育 研 究 員 の 研 究 に お い て 、科 学 的 思 考 が で きる 理 科 好 き な生 徒 を 育 て る こ と を 目標 と した 教 材 開 発 と 指 導 法 の 実 践 的 な研 究 が 行 わ れ た 。 ま た 、 平 成8年 度 同 研 究 に お い て は 、 自 ら学 ぶ 意 欲 を 引 き 出 し、 科 学 に 親 し み を感 じ させ 、 探 究 す る 能 力 ・態 度 を 育 て る 理 科 の 指 導 法 の 工 夫 が 報 告 さ れ て い る 。

以 上 の よ う な 背 景 と先 行 研 究 の 内 容 を 踏 ま え 、 こ れ か らの 時 代 に お い て 理 科 教 育 に 求 め ら れ る も の は 何 か に つ い て 考 察 と検 討 を 重 ね た 。 主 眼 と な っ た の は 「理 科 離 れ 」(「 理 科 嫌 い 」)へ の 対 応 と 自 分 で 考 え 表 現 す る 力 の 育 成 で あ る 。 そ の 結 果 、 日 常 生 活 と 関 係 の 深 い 事 物 ・現 象 の 観 察 、 実 験 を 行 う こ と で 、 生 徒 の 興 味 や 学 習 意 欲 を 引 き 出 す と と も に 、 授 業 の 中 で 科 学 的 な 思 考 力 を 育 て る こ と が 重 要 で あ り、 そ の た め の 教 材 開 発 や 指 導 法 の 工 夫 が 必 要 で あ る と の 結 論 に 達 し た 。 こ の た め 標 記 の よ う な研 究 主 題 を 設 定 した 。

II具 体 的 な研 究 方針

研 究 の 概 要

物 理 で は 、 速 度 が 簡 単 に 測 れ る 装 置 を 用 い 、 実 験 に よ り力 学 的 エ ネ ル ギ ー 概 念 の 形 成 を 図 る 授 業 展 開 を 試 み た 。

化 学 で は 、 銅 や ヨ ウ 素 の 酸 化 還 元 を 中 心 に 、 薬 品 に よ る 反 応 と 電 気 分 解 に よ る 反 応 を 関 連 付 け て 酸 化 還 元 を 考 え さ せ る 指 導 方 法 を研 究 した 。

生 物 で は 、 身 近 な 事 象 と して ヒ トの 感 覚 の う ち 味 覚 を と りあ げ 、 ギ ム ネ マ に よ る 味 覚 変 容 と

一2一

(5)

い う生 徒 の 直 接 経 験 を 通 し て 生 物 現 象 を 探 究 す る 方 法 を 習 得 さ せ 、 問 題 解 決 の 能 力 を 育 成 す る こ と を ね ら い と し た 授 業 を 試 み た 。

1日 常 生 活 と 関 係 の 深 い 事 物 ・現 象 の 観 察 、 実 験 を 通 して 、 生 徒 の 興 味 や 学 習 意 欲 を 引 き 出 す 。

物 理 で は 、 「簡 易 速 度 計 」 を 積 極 的 に 活 用 して 、 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 概 念 の 形 成 を 図 れ る よ う に 工 夫 した 。

化 学 で は 、 日 常 生 活 で 使 う物 質 を 利 用 して 簡 易 的 な 滴 定 を 行 っ た 。 ま た 、 手 廻 し発 電 機 を 利 用 し て 、 自 ら 発 電 し電 気 分 解 を 行 う と い う 体 験 を 通 じて 酸 化 還 元 を 学 べ る よ う に工 夫 した 。

生 物 で は 、 甘 味 阻 害 物 質 を含 む ギ ム ネ マ を 使 い 、 甘 味 の み を マ ス キ ン グ す る と ど の よ う に 味 覚 が 変 化 す る の か と い う こ と か ら 生 徒 の 興 味 ・関 心 を高 め 、 探 究 活 動 へ の 導 入 を 図 っ た 。

2科 学 的 な 思 考 力 を 育 て る た め の 指 導 計 画 を立 て る 。

物 理 で は 、 「簡 易 速 度 計 」 と摩 擦 を 減 らす 装 置 を 用 い て 、 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 分 野 で の 生 徒 実 験 を 行 う こ と で 生 徒 の 探 究 的 な 活 動 を 可 能 に し た 。

化 学 で は 、 酸 化 還 元 の 本 質 を は じ め 酸 化 剤 、 還 元 剤 、 電 気 分 解 ま で 同 じ物 質 を 用 い て 科 学 的 な 考 え 方 が で き る よ う に し た 。 特 に 、 電 気 分 解 に よ っ て も 薬 品 が 同 じ よ う に 反 応 す る こ と を 実 験 で 実 証 で き る よ う に 工 夫 し た 。

生 物 で は 、 甘 味 が な く な っ た 理 由 を 考 え る と い う 仮 説 の 設 定 に と ど ま ら ず 、 そ の 仮 説 を ど の よ う な 実 験 を し て 検 証 し た ら よ い か 、 問 題 提 起 → 仮 説 設 定 → 実 験 に よ る 仮 説 の 検 証 と い う 過 程 を 通 して 自 然 科 学 の 研 究 の 道 筋 を た ど ら せ る と い う よ う に全 体 の 指 導 の 流 れ を設 定 した 。

研 究 を進 め る上 での 留意 点

以 下 の2点 に 留 意 して 研 究 を 進 め た 。

◎ 「IAを 付 した 科 目 」 「IBを 付 し た 科 目」 の ど ち ら で も 活 用 で き る よ う に した 。

◎ 実 験 に 使 う器 具 ・薬 品 は な る べ く 日常 的 な も の を 使 う と と も に 、 科 学 概 念 を 形 成 で き る よ う に 工 夫 し た 。

物 理 で は 、 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 保 存 の 実 験 に 関 し て 、 測 定 の 誤 差 を 減 ら し て 生 徒 実 験 の 精 度 を 高 め る 工 夫 を した 。 ま た 、 煩 雑 な デ ー タ処 理 が 避 け られ る よ うに 実 験 装 置 を工 夫 し、 コ ン ピ ュ ー タ を 活 用 し て 、 生 徒 が 興 味 ・関 心 を 高 め な が ら 、 しか も科 学 的 に 考 察 で き る よ う に 配 慮 し た 。 化 学 で は 、 各 学 校 の 生 徒 の 実 態 に 合 わ せ て 指 導 が で き る よ う に1時 間 単 位 で の 実 験 と し 、 反 応 は な る べ く簡 単 な 反 応 式 と な る も の を 選 ん だ 。

生 物 で は 、 感 覚 受 容 の し くみ そ の も の を 事 象 と し て 理 解 さ せ る こ と よ り も 、 実 験 に お け る グ ル ー プ 活 動 の 中 で 生 徒 が 考 え た 疑 問 や 、 そ れ を 解 決 す る た め の 方 法 を 考 え る 過 程 を 重 視 し た 。 ま た 、 教 材 と し て 全 国 ど の 学 校 で も取 り扱 う こ とが で き る よ う に 配 慮 し た 。

(6)

IV研 究 内 容

1「 簡 易 速 度 計 」 の 教 材 化 に よ り 、 エ ネ ル ギ ー 概 念 の 形 成 を図 る 指 導 法 の 工 夫 (1)は じ め に

力 学 的 エ ネ ル ギ ー に つ い て の 授 業 は 、 従 来 、 教 師 か ら 生 徒 へ の 一 方 的 な 指 導 に な り が ち で あ っ た 。 そ の 問 題 点 は 、

力 学 的 な 仕 事 や エ ネ ル ギ ー 概 念 の 厳 密 な 定 義 は 抽 象 的 で あ り、 数 式 の 取 扱 い を 避 け る こ と は 困 難 が あ る 。

教 材 を 身 の 回 りの 事 物 の 中 に 見 い 出 し、 お も ち ゃ や 遊 園 地 の 乗 物 な ど を 教 材 化 し た 例 が あ る が 、 定 性 的 な 扱 い が 多 く 、 教 室 で の 定 量 的 な 取 り扱 い が 難 しい 。 定 量 的 な 測 定 と して は 、 記 録 タ イ マ ー を 用 い た 方 法 や 、 水 平 投 射 運 動 に よ る 方 法 が 行 わ れ て い る が 、 こ れ ら に は 、 次 の よ う な 難 点 が あ る 。

(ア)記 録 タ イ マ ー の テ ー プ の 解 析 は 、 運 動 の 経 過 を 測 定 す る に は 優 れ た 面 が あ る が 、 こ の 単 元 以 前 に 何 回 か 利 用 して い て 方 法 と して の 新 鮮 味 を 欠 く と と も に 、 作 業 に 手 間 が 掛 か る た め 実 験 の 目的 を 見 失 わ せ る 恐 れ が あ る 。

(イ)水 平 投 射 運 動 に よ る 方 法 は 、 理 解 力 の 高 い 生 徒 を 除 き 、 実 験 結 果 の 直 接 的 な 因 果 関 係 を と ら え さ せ る の が 難 しい 。

こ う し た こ とで 、 現 象 は 現 象 の ま ま 、 数 式 は 訓 練 的 な 扱 い に な りが ち で あ る 。 現 象 と 数 式 を結 び つ け る た め に は 、 こ の 単 元 で は 速 度 の 直 接 測 定 と運 動 摩 擦 の 克 服 が 必 要 で あ る 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 生 徒 の 興 味 や 学 習 意 欲 を 引 き 出 し、 科 学 的 な 思 考 力 を 育 て る た め に 、 直 観 的 で 定 量 的 な 関 係 を 理 解 さ せ る た め の 教 材 の 開 発 及 び 指 導 法 の 工 夫 を 行 っ た 。

(2)指 導 計 画

本 内 容 は 「物 理IA」 で は 、 学 習 指 導 要 領 の(3)エ ネ ル ギ ー と 生 活 ウ エ ネ ル ギ ー の 移 り変 わ りで 運 動 エ ネ ル ギ ー に お い て 、 「物 理IB」 で は 、(2)エ ネ ル ギ ー ア 力 学 的 エ ネ ル ギ ー で も取 り扱 え る よ う に 配 慮 し た 。

授 業 展 開 に お い て 、 次 の 点 に 留 意 し た 。

定 量 実 験 は 全 て 生 徒 実 験 を 基 本 に 考 響萎

え 、 各 校 の 実 状 に 応 じ て 、 ワ ー ク シ ー トを工 夫 し た 。

実 験 教 材 は 、 誤 差 が 出 な い よ う に 摩 擦 の 影 響 が な い 装 置 を工 夫 した 。 また 、 実 験 の 目的 を 明 確 に す る た め 、 赤 外 線

セ ン サ ー を 利 用 し た 「簡 易 速 度 計 」 を 用 い て 、 速 度 を 直 接 測 定 し た 。

生 徒 の 報 告 書 を 分 析 し 、 本 研 究 の 一 層 の 改 善 を 図 っ た 。

訓 緯∵ 懸 鐵1螺̲藤

㍉熔

尋駕 鑑藩 講

図1‑1生 徒 の 実験 風 景

くネ魁㌢

一4一

(7)

表1‑1 「力 学 的 エ ネ ル ギ ー 」 の 指 導 計 画

学 習 事 項 時間 学 習 内 容 及 び 留 意 点 実 験 教 材

〈 単 元 名 〉 ① 摩擦の影響の排 除方法の探究(各 自の探究 活動、班討議) ・力 学 台車

仕 事 とエ ネ ル ギ ー ② 瞬 間 の 速 度 の調 べ 方 に つ い て(測 定 器 に実 際 に触 れ 、考 察 す ・エ ア ・パ ッ ク 滑 走 体

る 。) ・自 作 エ ア ・ ト ラ ッ ク

物体 の運動 を正確 に調 ・記 録 タ イマ ー の 利 点 と欠 点

べ る た め に ・光 電 タ イマ ー の 利 点 と欠 点(「 簡 易 速 度 計」 の取 扱 い に ・記 録 タ イ マ ー 2 ・タ イヤ の 回転 数 な どそ の 他 の つ い て注 意 し、使用方法 を ・光 電 ス イ ッ チ

方 法 と利 点 と決 定 理 解 す る 。) 自作 光電 ス イ ッチ

③ 「規 則 性 を見 つ け る方 法 の探 究 」 簡 易速 度 計 」

ワ ー ク シ ー ト、 グ ラ フ ・コ ン ピ ュ ー タ の 利 用 自 動 車 の メ ー タ ー

・ コ ン ピ ュ ー タ

・表 計 算 ソ フ ト、 グ ラ フ

1仕 事 と仕事 率 ① エ ネ ルギ ー と して 利 用 され て い る もの ・新 聞 記 事 (導 入) (エ ネル ギ ーの 形 態 に注 目 し、 日常 生 活 の 中 で の エ ネ ル ギ ー ・雑 誌 な どの 特 集

エ ネ ル ギ ー とは の 言 葉 の 使 わ れ 方 か らエ ネル ギ ー を考 え る 。) (夏休 み な どの課 題)

② 様 々 なエ ネ ルギ ー の 共 通 点

③ 鋼 球 の もつ エ ネ ル ギー(演 示 実 験) ・鋼 球

a)仕 (運動 エ ネ ルギ ー、 位 置 エ ネル ギ ー の 例 に よ り、 力 学 的

b)仕 事 の 原理 エ ネ ルギ ー を提 示 す る。)

c)仕 事 率 ④ 力 学 的 な仕 事 の 定 義(仕 事 は 区 間 を指 定 す る こ と)

2 「何 か ら何 へ 、 ど こか ら ど こ まで」 ・エ ア ・ ト ラ ッ ク ー 式

⑤ 力 学 的 仕 事 の 一 般 化 ・い ろい ろ な力 の す る 仕 事 ・バ ネ 秤(200gw) (物理 量 の 定 義 、 記 号 、単 位 、 移 動 の 向 き に対 す る 力 の 向 き ・糸 、 滑 車 、 分 度 器 、

と 、正 ・負 の 仕 事 、 外 力 に逆 ら って す る仕 事) ・下 げ 振 り 、

⑥仕事の原理(演 示実験) ・て こ、複 滑 車 、輪 軸 、

⑦仕事率の定義 ・ジ ヤ ツ キ

⑧生徒実験 「仕事の原理」

(実験 を通 して 、仕 事 、重 力 に逆 ら って す る外 力 の 仕 事 率 の 計 算 、単 位 を実 感 させ る。)

II仕事 と ① 運 動 エ ネ ル ギー の 定 義(運 動 エ ネ ルギ ーの 定 式 化 、 状 態 を表 ・力 学 台 車、 レ ン ガ な 運 動 エ ネ ル ギ ー す 量 、斜 面 上 を滑 走 す る物 体 につ い て の 重 力 の した 仕事 と速

a)運 動 エ ネル ギ ー 度 の 関係 を考 察 す る。) ・「簡 易 速 度 計 」

b)エ ネ ル ギ ー の 注)学 習 の段 階 に応 じて 、具 体 的 な運 動 と して 自由 落 下 運 ・エ ア ・ ト ラ ッ ク ー 式

原理 動 や 、一 般 的 な力 を例 にす る。 ・振 り子、 分 度 器 、

② エ ネ ル ギ ー の原 理 ・下 げ 振 り、関 数 電 卓 、

2 (運動 エ ネ ル ギ ー の変 化 と外 力 が 物 体 に した 仕 事 の 関 係)

③ 生 徒 実 験 「エ ネ ル ギ ーの 原理 」

・定 滑 車 、バ ネ秤 注)台 車 の 運 動 に つ い

・重 力 の した仕 事 の測 定(斜 面 の 傾 き と滑 走 距 離 か ら) て 測 る場 合 は 、 台 車

・滑 走 体 の 速 度 の 測 定(「 簡 易 速 度 計 」 の 設 置) 止 め な ど も必 要 。 注)学 習 の段 階 に応 じて 、 自 由落 下 運 動 、力 学 台 車 の 運 動

で 測 定 す る 。

④ デ ー タ処 理(グ ラ フ化 に よ って 考 察 し、実 験 結 果 か ら運 動 工 ・表 計 算 ソ フ ト

ネ ル ギ ーの 式 を導 く。) ・グ ラ フ 用 紙

m力 学 的 エ ネ ル ギ ーの ① 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の保 存(演 示 実 験) ・定 滑 車 装 置 、杭打 ち 保 存 と位 置 エ ネ ルギ ー (エ ネ ル ギ ーの 原 理 よ り、正 ・負 の 仕 事 を した物 体 の 運 動 工 機 、

a)力 学 的 エ ネ ル ギ ー ネ ル ギ ー の変 化 に注 目す る。重 力 が行 っ た仕 事 のエ ネ ルギ ー ・力 学 台 車 な ど の保存の法則 源 を考 察 し、位 置エ ネ ル ギ ーの 考 え方 を導 く。)

② 重 力 に よ る位 置 エ ネ ル ギ ー ・重 力 場 演 示 用布

b)重 力 に よ る位 置 (重力 な ど の保 存 力 の場 の考 え方 を学 び 、特 に重 力 に よ る 位 ・鋼 球2個 エ ネ ル ギ ー 置 エ ネ ル ギ ー の表 し方 を導 く。基 準 点 に留 意 す る。) ・バ ネ 振 り子 一 式

③ 弾 性 力 に よ る位 置エ ネ ル ギ ー(生 徒 の 実 験) ・バ ネ 秤、 定 規

c)弾 性 力 に よ る位 3 ・バ ネ定 数 の測 定 ・エ ア ・ ト ラ ッ ク ー 式

置 エ ネ ルギ ー ・バ ネ に蓄 え ら れ た力 学 的エ ネ ル ギ ー の測 定

④ デ ー タ処 理(グ ラ フ化 に よ っ て考 察 し、弾 性 力 に よ る位 置 工 ・表 計 算 ソ フ ト

ネ ル ギ ー の 式 を 導 く。) ・グ ラ フ 用 紙

⑤ ま とめ(位 置エ ネ ル ギ ー の導 入 に よ り力 学 的 エ ネ ル ギ ーの 保 ・コ ー ス タ ー の 模 型 存 を確 認 し、 そ の利 用 につ い て ま とめ る。) ・衝 突 球、 振 り 子 、 ス

タ ン ド 、 「簡 易 速 度

⑥ 発 展 生 徒 実験 「振 り子 のエ ネ ル ギ ー」 計 」

・発射 装 置

(8)

(3)主 な 教 材 の 紹 介

「簡 易 速 度 計 」(図1‑2)

速 度 を 直 接 測 定 す る に は 、 市 販 の 光 電 タ イ マ ー を 用 い れ ば よ い が 、 か な り 高 価 で 生 徒 実 験 に 必 要 な 数 を 揃 え る の は 難 し い 。 子 供 用 の お も ち ゃ で 、 某 メ ー カ ー の 赤 外 線 セ ン サ ー を 用 い た 簡 易 計 測 器(頒 価1,800円)が あ る 。 こ れ に は 速 度 測 定 機 能 が あ る の で 、 「簡 易 速 度 計 」 と し て 利 用 し た 。 測 定 単 位 が[㎞/h]で あ る た め 、[m/s]へ の 単 位 換 算 を し な け れ ば な ら な い が 、0.OOkm/hか ら99.99km/hま で 測 定 可 能 で あ る 。 内 部 の 配 線 の 断 線 が お こ る こ と が あ り 、 衝 撃 に や や 弱 く 、 ま た 生 徒 が 指 先 の 速 さ を 測 ろ う と し て け が

を す る 恐 れ も あ る の で 注 意 し た い 。

さ ら に 、 時 計 機 能 、 ラ ッ プ タ イ ム(1/100秒 単 位)や 、 積 算 ラ ッ プ タ イ ム の 測 定 機 能 が あ り 、 他 の 物 理 実 験 の 測 定(相 対 速 度 、 運 動 量 な ど)に も 応 用 で き る 。

自 作 光 電 タ イ マ ー(図1‑3)

「簡 易 速 度 計 」 は 赤 外 線 を 用 い て い る た め 、 可 視 光 を 用 い て 動 作 原 理 を 説 明 で き る 演 示 実 験 用 の 測 定 器 を 開 発 し 、 製 作 し た 。

CdS(光 セ ン サ ー)に レ ー ザ ー な ど の 可 視 光 を 当 て て お き 、 光 源 とCdSの 問 を 物 体 が 通 過 し た と き の 光 の 遮 断 時 間(遮 光 時 間)を 測 定 す る 。 通 過 す る 物 体 の 大 き さ と 遮 光 時 間 か ら 、 物 体 の 速 度 を 求 め る こ と が で き る 。 遮 光 時 間 は 、IC555に よ る 発 振 ク ロ ッ ク 数 をICカ ウ ン タ ー で 測 り 、7セ グ メ ン ト 表 示 素 子 に よ り3桁 で 表 示 す る 。 ま た 、 表 示 の リ セ ッ ト と 計 測 の ス タ ー トは 、 遮 光 時 に 自 動 的 に 行 わ れ る の で 、 繰 り 返 し測 定 す る こ と も で き る 。

麟 ギ

図1‑2「 簡 易 速 度 計 」 自 作 エ ア ・ ト ラ ッ ク(図1‑4)

ア ル ミ 製 の 角 チ ュ ー ブ(長 さ1.OOm一 辺 約 20mm)に 、1〜2cm間 隔 で 穴(直 径1.0〜1.5mm)

を 開 け 、 ド ラ イ ヤ ー か ら 送 風 で き る よ う に し た 。 「簡 易 速 度 計 」 を 乗 せ る 台 も 付 け て あ る 。 傾 斜 は ス タ ン ド を 用 い て 調 整 す る 。

滑 走 体 は ア ル ミL材 を10〜20cmに 切 っ た も の を 用 い た 。

1レ1

鉱灘 鋤 講

1,轟 縫羅 聾

鏡 畷 鐸 ・瀞 欝

講 撃 窒::

箋糞 薦 鍵羅

図1‑3自 作 光 電 タ イ マ ー

騨錘

ペ ッ トボ トル の 先 を 切 った もの

角 イ ス用 ゴム 足 (21mm角 用)

L

アル ミ角 チ ュ ーブ (1m×20mm角)

図1‑4自 作 エ ア ・ トラ ッ ク

m一

(9)

エ ネ ル ギ ー 保 存 測 定 用 振 り 子(図1‑5)

内 径1〜2mmの ア ル ミ 管 を 木 片 に 付 け 、 釣 り用 の テ グ ス を 通 し て 鋼 球(直 径20mm穴 あ き) を 吊 し た も の 。 使 用 す る ス タ ン ドの 高 さ に 応

じ て 長 さ を 調 節 す る 。

発 射 装 置

初 速 な し で 振 り 子 の 鋼 球 を 発 射 す る の に ボ ル ト に エ ナ メ ル 線 を 巻 き 付 け た 電 磁 石 を 利 用 し た 。 よ り容 易 に 扱 え る 装 置 と し て 、 固 定 し

ルニコ磁石 を着脱することでもで き1

力 学 台 車 用 マ ー カ ー

「簡 易 速 度 計 」 で 力 学 台 車 の 速 さ を 測 る た

図1‑5振 り子 め の 旗 。L字 型 の ポ ー ル の ゴ ム 台 の 裏 に ゴ ム 磁 石 を 貼 り 付 け た も の 。

(4)実 験 ・実 習 内 容

授 業 展 開 の 中 で 、 本 研 究 に 関 わ る項 目 の 指 導 は 以 下 の よ う に 行 っ た 。 物 体 の 運 動 を正 確 に 測 る た め の 工 夫

(ア)摩 擦 力 の 排 除

(イ)瞬 間 の 速 度 測 定

(ウ)規 則 性 の 見 つ け 方

物 体 の 運 動 へ の 摩 擦 力 に よ る 影 響 を な くす 方 法 を 探 究 さ せ 、 エ ア ・ トラ ッ ク の 構 造 と原 理 を 理 解 さ せ る 。

速 度 測 定 の 方 法 を 瞬 間 の 速 度 の 定 義 に 基 づ い て 理 解 さ せ る 。 記 録 タ イ マ ー の 利 点 と欠 点 を 考 察 さ せ 、 光 電 タ イ マ ー を紹 介 す る 。 光 電 タ イ マ ー の 構 造 と原 理 の 概 要 を 示 し 、 「簡 易 速 度 計 」 の 使 い 方 を 理 解 さ せ る 。

グ ラ フ に よ り定 量 的 な 関 係 を導 くた め の 方 法 を 理 解 さ せ る 。 比 例 関 係 の グ ラ フ に す る た め に 座 標 軸 の 物 理 量 の 定 め 方 及 び グ ラ フ か ら量 的 関 係 を 表 す 式 の 求 め 方 を 学 ば せ る 。

エ ネ ル ギ ー の 原 理

力 学 台 車 に 糸 を つ け 、 定 滑 車 を通 し て 吊 し た 錘 に よ り一 定 の 力 を 加 え 続 け る 。

約50cmの 移 動 の 前 後 の 速 度 を2台

「簡 易 速 度 計 」 で 求 め 、 運 動 エ ネ ル ギ ー の 変 化 を 算 出 し 、 そ の 間 に 加 え た 力 が 台 車 に した 仕 事 との 関 係 を 調 べ る 。

糸 の 張 力 は 台 車 に 付 け た バ ネ 秤 り の 運

動 中 の 値 を 直 接 測 る(図1‑6)。

r

図1‑6力 学 台 車 の 運 動

(10)

力 学 的 な 仕 事 と 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 保 存 (ア〉 自 由 落 下 す る 物 体 の エ ネ ル ギ ー

定 点 か ら鋼 球 を 自 由 落 下 さ せ 、 机 面 か ら の 高 さh(位 置)ご と に 落 下 速 度vを 「簡 易 速 度 計 」 で 測 り 、 重 力 の し た 仕 事 と 速 度 の 関 係 を 考 察 さ せ る 。 落 下 距 離 が 落 下 速 度 の2乗 に 比 例 す る こ と をh‑v2グ ラ フ を 作 成 して 確 認 さ せ る 。 重 力 の した 仕 事 と の 関 係 か ら運 動 エ ネ ル ギ ー を 表 す 式 を 発 見 さ せ る(図1‑7)。

(イ)斜 面 上 を 滑 走 す る 物 体 の エ ネ ル ギ ー 図1‑7自 由落 下

斜 面 上 の 滑 走 距 離 を 測 り 、 重 力 の 斜 面 方 向 に し た 仕 事 と 速 度 の 関 係 を 調 べ 、(ア)の 方 法 の 同 様 に 、 運 動 エ ネ ル ギ ー の 式 を 発 見 さ せ る(図1‑8)。

(ウ)振 り 子 の エ ネ ル ギ ー

初 速0で 振 り 子 を 振 ら せ 、 高 さ を5.Ocmお き に 変 え 、 最 下 点 で の 速 さ を そ れ ぞ れ 測 る 。 こ の と き 、 前 述 の 鋼 球 の 発 射 装 置 を 用 い る と よ い 。h‑v2グ ラ フ を 作 成 さ せ 、 発 射 点 と 最 下 点 で の 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 関 係 を 考 察 さ せ る 。(ア)、(イ)の場 合 と グ ラ フ が 一 致 す る こ と を 確 認 さ せ

、 重 力 の 位 置 エ ネ ル ギ ー の 理 解 を 深 め さ せ る 。 (̲)弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー

水 平 に 置 い た エ ア ・ ト ラ ッ ク 上 で 、 一 端 を バ ネ に 付 け た 滑 走 体 の 速 度 と バ ネ の 伸 び と の 関 係 を 調 べ る 。 バ ネ に は 実 験 用 の バ ネ を 用 い て も 、 秤 量200gwの バ ネ 秤 を 用 い て も よ い 。 定 滑 車 に よ りバ ネ を 鉛 直 方 向 に 吊 せ る よ う に し て あ る(図1‑9)。

バ ネ の 自 然 長 や バ ネ を 含 む 運 動 体 の 質 量 を 考 慮 し な が ら 、 運 動 エ ネ ル ギ ー の 増 加 か ら 弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー を 表 す 式 を 発 見 さ せ る 。 ま た 、 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 保 存 の 検 証 実 験 と し て 扱 う こ と も で き る 。

図 肇m重 力 の す る仕 事

図1‑9弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー

一8一

(11)

(5)授 業 結 果

以 上 の よ う に 、 本 研 究 で 扱 っ た 教 材 は 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 指 導 の 分 野 だ け で も様 々 に 応 用 で き る 可 能 性 が あ る 。 ま た 、 施 設 等 の 状 況 が 異 な る 全 日制 普 通 科 高 校4校 に お い て 実 践 し た 結 果 、 生 徒 は 楽 し く興 味 を も っ て 実 験 に 取 り組 み 、 得 ら れ た デ ー タ は 、 定 量 的 な 関 係 を 十 分 示 し て い る こ と が 確 か め ら れ た 。

身 近 な お も ち ゃ で あ る 「簡 易 速 度 計 」 を用 い た こ と 、 ま た 自 作 の エ ア ・ トラ ッ ク を 積 極 的 に 実 験 に 取 り入 れ た こ と で 、 生 徒 の 感 動 は 大 き か っ た よ う で あ る 。 特 に 、 測 定 結 果 の グ ラ フ 化 は 比 例 関 係 が は っ き り出 る の で 、 こ の こ と か ら力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 保 存 を 理 解 で き た と答 え た 生 徒 が 多 か っ た 。 計 算 が 必 要 な 場 合 に は 、 コ ン ピ ュ ー タ を 活 用 し た 。 表 計 算 ソ フ トを 用 い て 回 帰 直 線 を 得 る な ど の 工 夫 を行 い 、 生 徒 の デ ー タ 処 理 の 負 担 を軽 く した 結 果 、 短 い 実 験 時 間 で も 豊 富 な 結 果 が 得 ら れ た 。 弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー の 実 験 に つ い てA 校2年 生 の デ ー タ を 例 と して 下 に 示 し 、 一 連 の 実 験 全 体 に つ い て の 感 想 を 紹 介 す る 。 (ア)測 定 結 果 弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー

表1‑2生 徒の データ 表1‑3グ ラフ

滑 走 体 の 質 量(kg) フ ッ ク部 の 質 量 バ ネ定 数(N/m)

0.0497 0.02a 19.6

X 速度v Xの2乗 エ ネ ル ギ ー

0,000 0,000 0.00000 0.0000 0,025 0,468 0.00063 o.007s 0,050 0,869 0.00250 o.oz7i 0,075 1,245 0.00563 0.0556 o.ioo 1,606 o.oiOOO 0.0925

エ ネ ル ギ ーK=0.5*(0.022+0.0497)*v*v

X係 数

X係 数 の 標 準 誤 差 バ ネ 定 数(N/m) 誤 差(%)

9.1766087 0.260973 18.35

6.36 (イ)生 徒 の 感 想

「コ ン ピ ュ ー タ を 使 っ た り 、 い ろ ん な 器 具 を 使 っ た り し て 、 と て も 興 味 が も て た 。 ま た 、 プ リ ン トで は 関 係 式 を 導 き 出 す な ど 、 難 し い 計 算 もあ っ た け ど 、 答 え を 出 せ た と き は う れ し か っ た 。」

「エ ネ ル ギ ー と い う の は ど う い う も の な の か 最 初 は 余 り よ く 分 か ら な か っ た が 、 実 験 の 結 果 か ら 式 が 出 て き て 、 そ れ が 公 式 と 重 な っ た り す る 。 理 解 が 容 易 に で き る よ う に な っ て よ か っ た 。」

[J]o .i 11' 0.08 0.07

不0・06 ル0 .05

0.04 0.03 0.02 0.oi

単位1/千 Xの2乗

1011 [zlll]

図1‑10振 り子 の エ ネ ル ギ ー

(12)

(6)今 後 の 課 題

自 作 エ ア ・ トラ ッ ク は 、 製 作 に 手 間 が 掛 か る が 、 安 価 で 効 果 的 で あ る 。 しか し 、 送 風 機 の 風 量 と穴 の 大 き さ や 間 隔 の 関 係 は 、 滑 走 体 の 浮 上 に応 じて 生 ず る 前 方 の 風 の 抵 抗 の 問 題 は 未 解 決 で あ る 。 特 に 、 装 置 を コ ン パ ク トに した た め に 、 使 え る 滑 走 体 の 質 量 が 小

さ く、 実 験 に 制 約 が あ る こ と が 分 か っ た 。

「簡 易 速 度 計 」 は2点 問 の 平 均 の 速 度 を 測 定 す る も の な の で 、 こ れ を 瞬 間 の 速 度 の 測 定 に 用 い た 場 合 、 位 置 の 同 定 が 問 題 に な る 。 初 速 が 小 さ く 加 速 度 が 大 き な 運 動 で は 、

「簡 易 速 度 計 」 の 中 央 の 点 の 位 置 か ら最 大 約1.Ocmの ず れ が 生 じる こ と が 分 か っ た 。 自 作 エ ア ・ ト ラ ッ ク を ス タ ン ドで 固 定 した が 、 生 徒 に は 左 右 の バ ラ ンス が 取 りに く く、

設 置 上 の 困 難 が あ っ た 。 ま た 、 「簡 易 速 度 計 」 は 、 従 来 の 方 法 で は 時 間 の か か り す ぎ た デ ー タ解 析 の 過 程 を 省 き 、 デ ー タ も豊 富 に 得 ら れ た が 、 単 位 換 算 に 予 想 以 上 の 時 間 を 取

られ て し ま っ た 。

生 徒 が グ ラ フ を 作 成 す る 際 に 、 実 験 と並 行 し て コ ン ピ ュ ー タ に デ ー タ を 入 力 さ せ 、 結 果 をCRT画 面 上 で 予 測 させ る と効 果 的 だ が 、 実 験 室 に コ ン ピ ュ ー タ が 設 置 さ れ て い る 学 校 は4校 中1校 の み で あ っ た 。

教 材 へ の 興 味 ・関 心 は 高 ま り、 力 学 的 エ ネ ル ギ ー の 概 念 形 成 に は 効 果 が あ っ た が 、 結 果 か ら応 用 す る 力 や 物 理 的 な 思 考 力 を 高 め させ る た め に は 一 層 の 工 夫 と 、 指 導 の 積 み 重 ね が 必 要 で あ る こ と を あ ら た め て 痛 感 し た 。

(7)お わ り に

年 間 を 通 じ て 役 立 つ 実 験 器 具 を 開 発 し 、 授 業 に 生 徒 実 験 を 多 く取 り入 れ 、 学 習 効 果 を 高 め る こ と を 目指 して 研 究 し た 。 そ の 結 果 実 験 器 具 も 、 ワ ー ク シ ー ト も、 手 作 り の 教 材 は 生 徒 に 親 し ま れ 指 導 効 果 が 大 きい こ とが 確 認 で き た 。

本 研 究 に つ い て 特 に 留 意 し た3点 に つ い て は 、 以 下 の よ う な 結 果 が 得 ら れ た 。

生 徒 実 験 を 行 う に 当 た り、 ワ ー ク シ ー トの 工 夫 や コ ン ピ ュ ー タ の 活 用 な ど に よ り大 き な 成 果 が 得 られ た 。 ま た 、1校 は 「物 理IA」 で 自 由 落 下 運 動 を 例 に エ ネ ル ギ ー の 移 り 変 わ り を 指 導 し、 ま た3校 で は 「物 理IB」 で 仕 事 ・エ ネ ル ギ ー の 関 係 を 重 視 し た 指 導 が で き た 。

力 学 的 エ ネ ル ギ ー 実 験 の 際 に 摩 擦 の 影 響 を 防 ぐた め に 工 夫 した 「自作 エ ア ・ トラ ッ ク」

は 、 弾 性 力 に よ る 位 置 エ ネ ル ギ ー に つ い て の 実 験 例 か ら 、 教 材 と して 十 分 使 え る こ と が 分 か っ た 。

ま た 、 「簡 易 速 度 計 」 は 生 徒 が 手 軽 に 扱 え 、 速 度 の 直 接 測 定 器 と し て 有 効 で あ っ た 。 教 材 を 数 多 く作 成 し な け れ ば な ら な か っ た が 、 生 徒 の 興 味 や 学 習 意 欲 を 引 き 出 す 上 で

も 、 大 き な 成 果 が あ っ た 。 ま た 、 生 徒 は授 業 時 間 外 に も 教 材 の 準 備 を 手 伝 っ た り 、 実 験 教 材 を 見 に 来 た り して 、 高 い 関 心 を 示 した 。

教 卓 に並 べ ら れ た 実 験 教 材 を 見 て 、 生 徒 が わ くわ く して い る 姿 か ら 、 さ ら に 物 理 の 内 容 に 関 心 を も ち 、 理 解 を 深 め 、 生 徒 自 らの 探 究 的 な 自 発 学 習 が う な が さ れ る よ う に 、 教 師 が 常 に 創 意 工 夫 を して 教 材 の 研 究 を 進 め 、 授 業 の 一 層 の 改 善 を さ ら に 心 が け る 必 要 が あ る 。

一10一

(13)

2身 近 な物 質で考 える酸化 還元反応[τ (1)は じ め に

酸 化 還 元 反 応 は 、 日 常 生 活 の 中 で 数 多 く起 こ っ て い る 現 象 で あ る 。 に も か か わ ら ず 、 現 行 の 授 業 の 内 容 で は 、 電 子 の 授 受 で 定 義 付 け を行 っ た 後 、 酸 化 数 へ と発 展 して お り、 身 近 な 現 象 と結 び 付 け た 指 導 は 困 難 で あ る 。 さ ら に 、 電 池 、 電 気 分 解 へ と進 み 、 と も す れ ば そ れ が 酸 化 還 元 反 応 で あ る と い う こ と が 生 徒 に 理 解 さ れ な い ま ま単 元 が 終 わ っ て し ま う こ と

も あ る 。

本 研 究 で は 、 身 の 回 りの 物 質 の 中 で 、 化 学 式 や 化 学 反 応 式 が わ か り や す い 物 質 を と り あ げ た 。 そ し て 、 生 徒 が 理 科 に 興 味 を も ち 、 意 欲 的 に 取 り組 む 態 度 を 養 う と と も に 科 学 的 な 思 考 力 を 育 て る こ と を 目標 と し た 授 業 展 開 を 行 っ た 。

(2)授 業 計 画 及 び 留 意 点

授 業 計 画 を 立 て る の に 当 た り 、 生 徒 の 酸 化 還 元 反 応 へ の 認 識 を 調 査 し た 。

「酸 化 還 元 反 応 」 の 学 習 を す る 前 に

中 学 校 で 酸 化 還 元 反 応 を 学 習 し ま し た が 、 皆 さ ん が ど の 位 理 解 して い る か を 知 り た い の で 、 次 の 質 問 に 答 え て 下 さ い 。

「酸 化 」 「還 元 」 と は 何 か 答 え て くだ さ い 。

身 近 で 起 こ る 「酸 化 反 応 」 「還 元 反 応 」 を 書 い て 下 さ い 。

身 近 に あ る 「酸 化 剤 」 「還 元 剤 」 を書 い て 下 さ い 。

調 査 の 結 果 、 大 半 の 生 徒 が 、 酸 化 反 応 は 酸 素 と化 合 す る こ と で あ り、 そ の 具 体 的 な 例 と し て 、 鉄 や 銅 の さ び を あ げ て い る 。 還 元 反 応 を理 解 して い る生 徒 は 半 数 以 下 で あ っ た 。 従 っ て 、 本 研 究 は 金 属 の 酸 化 か ら導 入 す る 授 業 展 開 を 行 っ た 。

第1限 目… … 「酸 化 還 元 の 復 習 と発 展 」

銅 と酸 化 銅 を 復 習 と し て 扱 っ た 銅 と銅 イ オ ン 及 び ヨ ウ 素 と ヨ ウ 化 物 イ オ ン 対 比 さ せ る こ と に よ り 、 酸 化 還 元 が 、 電 子 が 関 与 して い る こ と に 気 付 く よ う な 授 業 展 開 を し た 。

第2限 目… … 「酸 化 還 元 を 電 子 の 授 受 で 理 解 す る 」

手 廻 し発 電 機 を 利 用 して 、 銅 と 銅 イ オ ン の 酸 化 還 元 反 応 と ヨ ウ 化 物 イ オ ン の 酸 化 の 実 験 を 行 い 、 酸 化 還 元 反 応 が 、 電 子 の 授 受 に よ り行 わ れ て い る こ と に 気 付 く よ う な 工 夫 を した 。

第3限 目 … … 「酸 化 還 元 と 酸 化 剤 ・還 元 剤 」

第1限 で 導 入 した 銅 の 酸 化 還 元 に 基 づ い て 、 酸 化 剤 ・還 元 剤 に つ い て 説 明 付 け を した 。 ま た 、 具 体 的 な 例 と し て 、 ビ タ ミ ンC(酸 化 防 止 剤)な ど の 身 の 回 りの 物 質 を取 り上 げ た 。 ヨ ウ素 溶 液 中 に お け る ビ タ ミ ンCの 還 元 性 の 実 験 を行 い 、 生 徒 が 理 解 しや す い よ う な 指 導 法 を 工 夫 し た 。

第4限 目 … … 「ヨ ウ素 入 り う が い 薬 を 用 い た ビ タ ミ ンCの 簡 易 的 な 定 量 実 験 」

うが い 薬 を 用 い て 市 販 の 清 涼 飲 料 水 の 酸 化 還 元 滴 定 を 簡 易 的 に 行 い 、 清 涼 飲 料 水 中 に 含 ま れ て い る ビ タ ミ ンCの 量 を 求 め る 実 験 を 考 案 し た 。

(14)

(3)授 業 内 容

授 業 第1限 ・酸 化 還 元 の 復 習 と 発 展 く 目 的 〉

中 学 校 で 酸 化 還 元 を 学 習 し て い る 。 酸 化 と は 物 質 が 酸 素 と 化 合 す る 変 化 で あ り 、 還 元 と は 酸 化 物 か ら 酸 素 を と り 除 く 反 応 で あ る 。 本 時 は 、Cu・CuOとCuSO4及 び12・

KIを 取 り扱 い 、 酸 化 還 元 が 酸 素 と の 関 わ り だ け で は な い こ と を 理 解 さ せ る 。

〈 展 開 〉

演 示 実 験(A)・ 中 学 校 の 学 習 の 復 習

① 銅 線 を 強 熱 す る と空 気 中 で 酸 化 銅 の 黒 い さ び が 生 じ る 。

② 乾 燥 し た 試 験 管 に 水 素 を 入 れ 、 熱 い 酸 化 銅 を 差 し込 む と 還 元 さ れ て 、 き れ い な 銅 線 に な る 。 試 験 管 の 内 壁 に は 、 水 蒸 気 が 曇 り と な っ て 確 認 で き る 。

演 示 実 験(B)・ 発 問 の た め の 演 示

① 希 硫 酸 を 温 め 、 銅 線 を 差 し込 む 。 過 酸 化 水 素 水 を 加 え る と 銅 が 反 応 し て 、 青 色 の 溶 液 に な る 。

② ヨ ウ 化 カ リ ウ ム 水 溶 液 に 過 酸 化 水 素 水 を 加 え る と 、 ヨ ウ 素 の 褐 色 を 呈 す る 。 さ ら に デ ン プ ン 溶 液 を 加 え て も よ い 。 説 明 ・発 問(酸 化 還 元 の 反 応 相 手 は 酸 素 だ け な の か)

Cu→CuO Cu→CuSO4 Cu→Cu2+

21‑→1、

CuO→Cu CuSO、 →Cu Cu2+→Cu

I・ →21

酸 化 ・還 元 と い う 化 学 変 化 で は 、 何 が 変 化 し て い る か と い う 発 問 を す る 。 価 数 の 変 化 か ら 電 子 が 関 与 し て い る こ と

に 気 付 く よ う に 導 く 。 ま と め

(B)は 、 銅 や ヨ ウ 素 イ オ ン が 過 酸 化 水 素 に よ り 酸 化 さ れ

た 反 応(Cu→Cu2++2e‑、21‑→12+2e‑)で

る 。 酸 化 還 元 は も と も と 酸 素 と の 化 合 ・解 離 で 考 え ら れ た

〆 [ 〆

e‑

O a

図2‑1

現 象 だ が 、 反 応 の 相 手 を 酸 素 だ け に 限 定 す る 必 要 は な い 。 さ ら に 、酸 化 還 元 の 本 質 を 理 解 さ せ る と き 「電 子 の 移 動 が 関 係 して い る の で は な い だ ろ う か 。」 と 生 徒 が 気 付 く

よ う 指 導 す る 。

授 業 第2限 ・酸 化 還 元 と 電 子 の 授 受 く 目的 〉

第1限 で 酸 化 還 元 は 、 酸 素 だ け が 反 応 の 相 手 で は な い こ と 、 さ ら に 電 子 の 移 動 で 考 え

一12一

(15)

られ る こ と を学 習 し た 。 本 時 は 、 電 子 の 授 受 が 酸 化 還 元 の 本 質 で あ る こ と を 、 手 廻 し発 電 機 を 用 い た 実 験 を 通 し て 理 解 させ る 。

〈 展 開 〉

演 示 実 験(第1限 の 復 習 及 び 補 足) 第1限 の 演 示 実 験

銅 の 加 熱 に よ る 酸 化(A)一 過 酸 化 水 素 に よ る 銅 の 酸 化(B)一

(B>一 銅 の 還 元

Fe

CuSO.

過 酸 化 水 素 に よ る ヨ ウ 素 の 酸 化(B)一 を 行 う 。

さ ら に 、 以 下 の 実 験 を 行 う 。 硫 酸 銅 水 溶 液 の 中 に 鉄 板 を 浸 す 。 銅 が 還 元 さ れ て 鉄 板 の 表 面 に 析 出 す る 。(B)一

(Fe板) CuSO4[============v>Cu

(c)‑O

c腿/州 ト

甑、

図2‑2 生 徒 実 験(C)

希 硫 酸 溶 液 に 銅 線 を2本 浸 し、 直 流 電 流 を流 す 。 陽 極 の 付 近 が 青 色 の 溶 液 に 変 わ っ て い く。 銅 は 陽 極 に 電 子 を 与 え て 銅 イ オ ン(II)に な る 。

硫 酸 銅 水 溶 液 に ニ ッ ケ ル 板 を2枚 浸 し 、 直 流 電 流 を 流 す 。

陽 極 に 銅 が 析 出 す る 。 銅 イ オ ン(II)は 陰 極 で 電 子 を 受 け 取 っ て 銅 に な る 。

ヨ ウ化 カ リ ウ ム 水 溶 液 に デ ン プ ン溶 液 を 入 れ る 。 銅 線 を2本 浸 し 、 直 流 電 流 を 流 す 。 陽 極 の 付 近 の 溶 液 が 青 紫 色 に 変 わ っ て い く。 ヨ ウ 化 物 イ オ ン は 陽 極 に 電 子 を 与 え て ヨ ウ 素 に な る 。

ま と め

こ こ で あ げ た 実 験 か ら分 か る よ う に 薬 品 で 起 こ る 化 学 反 応 は 、 電 気 を 利 用 し て も 、 同 様 の 変 化 を 起 こ す こ とが で き る 。 す な わ ち 、 酸 化 還 元 反 応 は 、 薬 品 に よ る 化 学 反 応 で あ っ て も 、 電 子 の 授 受 が そ の 本 質 と考 え ら れ る 。

授 業 第3限 ・酸 化 還 元 と酸 化 剤 ・還 元 剤 く 目 的 〉

酸 化 還 元 の 本 質 は 電 子 の 授 受 で あ る こ と を 第2限 で 学 習 した 。 さ ら に 、 「酸 化 さ れ た 」

=「 還 元 した 」=「 還 元 剤 と し て 働 く」 と い う 内 容 を理 解 さ せ る 必 要 が あ る 。 本 時 の ね ら い は 、 化 学 変 化 を 表 に ま と め て 理 解 さ せ 、 実 験 も行 っ て 酸 化 還 元 の 全 体 像 を 理 解 さ せ る こ と で あ る 。

〈 展 開 〉

演 示 実 験(A)・ 中 学 校 で 学 習 した 反 応 を利 用 して 酸 化 剤 、 還 元 剤 を 説 明 す る

① 銅 線 を 強 熱 す る と 空 気 中 で 酸 化 銅 の 黒 い さ び が 生 じ る 。

② 乾 燥 した 試 験 管 に水 素 を 入 れ 、 熱 い 酸 化 銅 を 差 し込 む と還 元 さ れ て 、 き れ い な 銅 線

(16)

に な る 。 試 験 管 の 内 壁 に は 、 水 蒸 気 が 曇 り と な っ て 確 認 で き る 。 こ の 反 応 を 、 銅 に 注 目 す る と 次 の 表 の よ う に な る 。

Cu+(O)‑CuOCuO+H、‑Cu+H,0

甚晃凝Cu\ H、 →H、0

\(相 手 を)還 元 した 還 元 剤

1義 淋

酸化剤

H、 →H、0 酸 化 され た

(相手 を)還 元 した 還 元 剤

ま と め

銅 は 、 還 元 さ れ る と き 、 相 手 を 酸 化 す る 。 こ れ を 酸 化 剤 と い う。

水 素 は 、 酸 化 さ れ て 相 手 を還 元 す る 。 こ れ を 還 元 剤 とい う 。 発 展 還 元 剤 で あ る 酸 化 防 止 剤 に つ い て

清 涼 飲 料 水 に 混 合 さ れ て い る ビ タ ミ ンC(VC)は 、 酸 化 防 止 剤 と し て も働 く。 こ れ は 、 清 涼 飲 料 水 が 酸 化 さ れ な い よ う に 、 自 分 が 身 代 わ り に 酸 化 さ れ る こ と で 相 手 を 還 元 す る 還 元 剤 で あ る 。

生 徒 実 験(D)

① ヨ ウ 化 カ リ ウ ム 水 溶 液 に 銅 線 を2本 浸 し、 手 廻 し発 電 機 で 直 流 電 流 を 流 す 。

陰 極 側 に ヨ ウ 素 が 発 生 す る の が 確 認 で き る 。

② ヨ ウ 化 カ リ ウ ム 水 溶 液 に ビ タ ミ ンCを 混 ぜ て 、 銅 線 を2本 浸 し、 手 廻 し発 電 機 で 直 流 電 流 を 流 す 。

陰 極 側 に ヨ ウ 素 が 発 生 す る が 、 見 る 間 に 無 色

透 明 に な っ て い くの が 確 認 で き る 。 図2‑3

授 業 第4限 ・ヨ ウ 素 入 り う が い 薬 を用 い た ビ タ ミ ンCの 定 量 く 目的 〉

第3時 限 で 酸 化 剤 ・還 元 剤 に つ い て 学 習 し 、 食 品 な どの 酸 化 防 止 剤 と し て 還 元 剤 が 用 い ら れ て い る こ と を学 ん だ 。 本 授 業 で は 、 身 近 な物 質 で あ る ビ タ ミ ンC(ア ス コル ビ ン酸) と ヨ ウ 素 の 反 応 を 利 用 し、 ビ タ ミ ンCを 酸 化 す る の に 要 し た ヨ ウ 素 の 量 か ら 試 料 中 に 含 ま れ る ビ タ ミ ンCの 量 を 求 め る 実 験 を 行 い 、 酸 化 還 元 を 定 量 的 に 取 り扱 う 。

〈 展 開 〉

【原 理 】 酸 化 さ れ る 、

ビ タ ミンC+12→ 酸 化 され た ビ タ ミンC+21‑

(褐 色)(無 色)

L還 元 され る 一 1 +Iz+デ ン プ ン →13一 デ ンプ ン錯 体

(青 紫 色) 図2‑4

一14一

(17)

【操 作 手 順 】

①2つ の コ ニ カ ル ビ ー カ ー に ビ タ ミ ンC錠 水 溶 液*1を10meず つ 入 れ る 。

希 塩 酸(0.1mol/e)を 各0.5me加 え 、 白 色 プ ラ ス チ ッ ク 製 パ ッ ド の 上 に 置 く 。

② ① の1つ に ヨ ウ 素 入 り う が い 薬(目 薬 瓶 入 り)を1滴 ず つ 加 え る 。

ヨ ウ 素 の 褐 色 が 消 え て な く な る ま で に 要 す る う が い 薬 の 滴 数 を 測 定 す る 。 (① の2つ 目 の コ ニ カ ル ビ ー カ ー は 終 点 を 判 断 す る た め に 利 用 す る 。)

③ ① の2つ 目 の コ ニ カ ル ビ ー カ ー に 、 デ ン プ ン 溶 液 を3滴 を 加 え る 。

② と 同 様 に う が い 薬 を1滴 ず つ 加 え る 。

ヨ ウ 素 一 デ ン プ ン錯 体 の 青 紫 色 が 消 え て な く な る ま で に要 す る う が い 薬 の 滴 数 を 測 定 す る 。

④ 清 涼 飲 料 水 や 果 汁 飲 料 を10mげ つ と り 、 ② 、 ③ と 同 様 の 操 作 を 行 う 。

(注)*1:ビ タ ミ ンC錠1錠 を 、100m8の 蒸 留 水 に 溶 か す 。 こ れ を 更 に10倍 に 希 釈 し た も の で16.7mg/100m8に 相 当 す る 。 用 時 調 製 す る 。

【結 果 】 デ ン プ ン 溶 液 を 加 え な か っ た 場 合 と 加 え た 場 合 の 結 果 を 総 合 し 、 ヨ ウ 素 う が い 薬 の 消 費 量 を 求 め た 。 ビ タ ミ ンCの 濃 度 は ビ タ ミ ンC錠 水 溶 液 を 基 準 に 以 下 の 式 よ り求 め た 。

ビ タ ミ ンC(mg/100mの=16.7× 飲 料 中 の ヨ ウ 素 量/ビ タ ミ ンC錠 水 溶 液 の ヨ ウ 素 量 表2‑1

ビタ ミンC錠 水 溶 液 ビ タ ミン入 り 清 涼 飲 料 水

りん ご果 汁

・果 肉 入 り飲 料

100

オ レ ン ジ 果 汁 ・2 ス ポ ー ツ 飲 料 ゆ3

ヨウ 素 うが い 薬

16滴 22滴 17滴 6滴 ×5 10滴 ×5

ビ タ ミ ンCの 濃 度 16.7mg/100mP 23.Om8/100m2 17.7mg/100m2 31.3mg/100me 52.2mg/100m¢

(注)*2で は ヨ ウ素 お よ び ヨ ウ 素 一 デ ン プ ン錯 体 の 色 が 判 断 しや す い よ うに 、 また 、

*3で は ビ タ ミ ンC含 有 濃 度 が 高 い た め に 、 蒸 留 水 で5倍 希 釈 し た も の を 試 料 と し て 用 い 、 原 液 の 濃 度 に 換 算 し た 。

(4)指 導 結 果 と 分 析

酸 化 還 元 に つ い て の 理 解 の 変 化

中 学 校 ま で の 酸 化 還 元 と 本 授 業 実 践 後 に お け る 生 徒 の 理 解 度 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 を行 っ た 。

酸 化 につ い て 還 元 につ い て

指導前 d●@"9 36.2 指導前 雛,蕃%'

8%

指導 後 27,$% 58.2

54%

指導後 38、2艶 49.1

酸素 で理 解 猛讐 勢

図2‑5

(18)

実 験 で は 、 色 の 変 化 が 繰 り 返 さ れ る た め 、 生 徒 達 は い つ も よ り も 興 味 深 そ う に 反 応 を 観 察 し て い た 。 中 学 校 で 理 科 が 苦 手 で あ っ た 生 徒 が 多 く 、 実 験 前 に 行 っ た 「酸 化 、 還 元 と は 何 か?」 と い う ア ン ケ ー ト の 質 問 に 対 し酸 素 に 触 れ た 生 徒 は 、 酸 化 で は36.2%、 元 で は8.5%で あ っ た 。 実 験 後 は 、 各 々72.2%、61.8%と な っ た 。 こ の う ち 、 電 子 の 移 動 が 理 解 で き た 生 徒 は 全 体 の14.5%、12.7%に な っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 科 学 的 な も の の 見 方 が 育 っ た と は 言 い が た い が 、 理 解 で き る よ う に な っ た の で は な い か と思 う 。 印 象 的 だ っ た の は 、 「酸 化 は 酸 素 に 限 定 し て 使 う 用 語 で 、 他 の 物 質 と の 反 応 に 使 う の は お か し い 。 ま し て 電 子 を 失 う 反 応 だ と い う の は と ん で も な い 。」 と い う 感 想 が あ り 、 生 徒 の 認 識 の 方 法 に 驚 か さ れ た 。

生 徒 の 感 想

・酸 化 と は 酸 素 だ け が 結 合 し て い う 反 応 だ け じ ゃ な い こ と が わ か っ た

。 疑 問 に 思 っ た の は 電 子 が 放 出 さ れ て も 酸 化 っ て い う 言 葉 の 意 味 。 う ま く 説 明 で き な い け ど"酸 化"っ て い う 言 葉 じ ゃ な い 方 が い い 気 が し た 。 こ の 言 葉 が 、"酸 化 と は → 酸 素 と 結 合 す る こ

と"、 っ て い う イ メ ー ジ を 作 っ て い る 気 が し た 。

・今 日 の 実 験 で は 酸 化 と 還 元 と い う 考 え だ け で な く、 電 子 が で き る=酸 化 な の で は … と い う の も 少 々 わ か っ た 。 ノ ー ト を 書 い て い る だ け で は よ く わ か ら な い も の が あ る が 、 実 験 に な る と 自 分 が 納 得 し て 理 解 し て い け る 気 が し た 。

・酸 化 と 還 元 は 何 ぞ や?の 一 番 基 本 的 な こ と は ま あ ま あ わ か っ た か な と い う 感 じ だ け ど 後 は 何 い っ て る の?み た い な 感 じ で さ っ ぱ り?

・実 験 に 興 味 は も て た が、 理 解 す る と な る と 結 構 難 し い 。

・電 子 の 出 入 り の 説 明 は 分 か り や す か っ た

・何 と な く 分 か っ て き た け れ ど、 化 学 式 だ け で 見 る と 分 か ら な く な る こ と も あ る 。

・ ビ タ ミ ンCが 入 っ て い る と 書 い て あ る ジ ュ ー ス に 本 当 に 入 っ て い る の は、 び っ く り し た 。

・ ビ タ ミ ンCで ヨ ウ 素 の 色 が 消 え る と い う こ と は、 う が い 薬 で う が い し た 後 ビ タ ミ ンC を 飲 ん だ り 食 べ た り す る と 効 果 が な く な る か も し れ な い と 思 っ た 。

・ り ん ご 果 汁 入 り 飲 料 に 加 え ら れ た ビ タ ミ ンCは 、 空 気(酸 素)に よ っ て 色 が 変 わ る の を 防 ぐ 効 果 が あ る こ と が わ か っ た 。

・今 日 の 実 験 は す ご く よ く や っ た。 自 分 で 自 分 を 誉 め て あ げ た い 。

・家 で も で き そ う な 実 験 で 楽 し か っ た

・お も し ろ 味 が な か っ た。 興 味 を そ そ ら れ な か っ た 。 今 回 の 指 導 内 容 に お け る ア ン ケ ー ト及 び そ の 分 析

ア ン ケ ー トの 内 容

① 実 験 の 意 味 が 分 か り ま した か(分 か っ た →1

② 実 験 に 興 味 が も て ま し た か(も て た →1

③ 他 の 物 質 で や りた い で す か(や りた い →1

*次 の 内 容 が わ か り ま した か(分 か っ た →1

④ 酸 化 還 元 は 酸 素 の 出 入 りす る 反 応 で あ る

⑤ 酸 化 還 元 は 酸 素 以 外 の 物 質 の 出 入 りで 考 え て よ い

少 し 分 か っ た →2分 か ら な い →3) す こ し も て た →2も て な い →3) や っ て も よ い →2し た く な い →3) 少 し 分 か っ た →2分 か ら な い →3)

⑥ 酸 化 さ れ る=還 元 す る

⑦ 還 元 す る=還 元 剤

一16一

参照

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