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≪卒論報告≫国語教育における朗読に関する研究―指導上の工夫としての「記号づけ」の可能性―

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Academic year: 2021

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25. 横浜国大国語教育研究 No.46 (2021). 《卒論報告》. 国語教育における朗読に関する研究. ―指導上の工夫としての「記号づけ」の可能性―. 伊藤 朱音. キィワード:朗読指導、 朗読記号、 詩、 記号づけ . 1. 問題の所在と本研究の目的. 『学習指導要領解説国語編』(文部科学省, 2017). において、朗読は「児童一人一人が思ったり考えた. りしたことを、表現性を高めて伝えることに重点が. ある」と定義されている。ここから、朗読指導は、. 作品理解・作品解釈(「思ったり考えたり」するこ. と)の指導という側面と、音声表現(「表現性を高. めて伝えること」)の指導という側面を併せ持つと. 言える。従って学習者は、朗読するとき、文章内容. を解釈し作品の世界を想像しつつ、それをいかに音. 声で表現するか考える、ということを同時に行わな. くてはならず、学習者がそのようなかたちで朗読が. できるようになるための技能を育成していく必要が. ある。. 学習者が自ら朗読をできるようにするための指導. 上の工夫として使われてきたもののひとつに「朗読. 記号」がある。「朗読記号」は文章の行間に書くし. るしであり、具体的には間・イントネーション・強. 調・転調・緩急変化といった音声表現の工夫のしる. しや、「元気よく」「悲しげに」などの単語の指示. を示すものを指す。. 本研究では、朗読指導において、「朗読記号」を. 本文に付与していく学習活動(以下「記号づけ」). が有効であるという仮説を立てたうえで,その仮説. を実証的に明らかにすることを目的とする。. 2. 研究方法. 本研究の目的を達成するため、以下の 4 つの手. 順で研究を進める。. 1「朗読記号」を使った朗読指導の実践例を把握. し、詩の朗読に必要な「朗読記号」を調査する。. 2「朗読記号」の効果を調べるため、大学生 128 名. を対象に実験を行う。半分は「朗読記号」を使っ. て朗読した学習群で、もう半分は「朗読記号」の. 代わりにワークシートを使って朗読した学習群. である。. 3 実験の被験者に対し、アンケート調査を行う。. これによって、被験者全体の傾向を把握する。. 4 音響分析ソフトを使い、朗読音声を分析する。. 3. 論文の構成. 序 章 研究の所在と目的. 第 1 章 小学校国語科指導要領における音読・朗読. 第 2 章 「記号づけ」の在り方. 第 3 章 「記号づけ」の効果を調べる実験. 終 章 本研究のまとめ及び今後の展望. 4. 研究の成果. 第 1 章では、朗読が、文部科学省の学習指導要領. においてどのように位置づけられてきたか、その位. 置付けの変遷を明らかにした。. 第 2 章では、「朗読記号」の使用に対する、朗読. の指導者たちの意見を確認したあと、実際に朗読指. 導の実践で使われている「朗読記号」を把握した。. さらに、それまでの議論を踏まえ、必要となる「朗. 読記号」を整理した。. 第 3 章では、「記号づけ」の効果・影響を明らか. にするための実験の結果を報告し、分析を行った。. 実験後に行ったアンケート調査の分析によって、詩. の朗読に対して否定的な感情を持つ主な原因のひと. つには、音声表現を決定する(どのように音声で表. 現するかを自分で決める)ことに対する不安・戸惑. いや羞恥心があることを確認した。さらに、被験者. による「記号づけ」や、朗読のピッチ曲線等を分析. することで、「朗読記号」が音声に及ぼす影響を考. 察した。その結果、大小や強弱を具体的に指示する. 記号や言葉は、不自然な朗読に導く傾向があること. を示した。また、間の記号と、「元気よく」「悲し. げに」などといった、状況や態度を示す言葉が、朗. 読の表現性を高める可能性を示した。. 5.主な参考文献. 渡辺知明. 朗読の教科書.第 2 版, Pan Rollng, 2014,. 339p.

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