• 検索結果がありません。

学位論文内容の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文内容の要旨"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 黒 田 一 朗

     学位論文題名

    A study on programmable processors      ●

    fOrdigitalsignalproceSslng

(デイジタル信号処理向きプログラマブルプロセッサに関する研究)

学位論文内容の要旨

  1980年に登場したDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)は並列乗算器とハーパー1ミアー キテ クチャの採用により、ソフトウェアによるりアルタイム信号処理を実現可能にした。

これ は、水平型マイクロブログラム制御方式等の採用によルプロセッサ内の複数のハード ウェ アを制御して、プログラムフェッチ、デコード、複数のデー夕転送とアドレス演算、

積和 演算等の算術演算の並列実行を可能にし、当時のマイク ロプロセッサに対して2桁高 い信 号処理性能を実現することができたためである。しかし詮がら、効率のよいプログラ ムを 作成するには、ブログラマがハードウェアアーキテクチヤを理解した上でのアセンプ ラプ ログラミングが必要であったため、プログラムの生産性が悪く、開発者の確保も難し・

い等 の問題があった。そのため、プログラム開発が容易で、しかも高い信号処理性能を実 現で きるプロセッサおよびソフト開発環境が望まれていた。

  そ のーつのアプローチとして考えられたのが、DSPのアーキテクチャの改良とプログラム 生成 ヅールの開発による、DSP用 の高級言語プログラミング環境の実現である。DSPのアー キテ クチャの改良としては、固定小散点演算で必要なスケーリング処理を回避してプログ ラミ ングを容易にする浮動小散点演算の採用が考えられた。但し、そのために演算ハード ウェ ア規模の削減、整数演算との親和性ぬど解決すぺき課題があった。一方、DSP用の高級 言語 開発環境としては、Cコンバイラの開発も進められたが、実用的に十分な実行効率を実 現で きないため、DSP処理の記述に適したシグナルフローグラフやプロック図をぺースにし た専 用高級言語記述から効率のよいプログラムを生成する方式が考えられた。また、この よう 奄ツールでは応用分野を広げるために、異奄る標本化レートの処理の同時実行等、様々 詮実 時間信号処理システムの効率良い実現のためのスケジューリング方式が検討された。

しか しながら、このようtaDSPと専用高級言語によるアブローチは、シグナルフローグラフ やプ ロック図での記述に向いた処理では一定の成功を納めたが、より複雑な処理には十分 対応 できないという問題があった。

  こ れに対して、90年代に入るとRISCアーキテクチャの登場による動作周波数の向上や、

VLSIの集積度の向上による並列乗算器の搭載により、RISCプロセッサによる信号処理の実 現が 現実的にぬってきた。 RISCプロセッサは、単純詮命令セットの採用により、動作周波

37 ‑

(2)

敷の向上 を実現するパイプライン処理の導入と、効率のよいCコンパイラの実現を同時に実 現するこ とを可能にした。特に、90年代後半にをると、PIPEGに代表されるマルチメディ ア処理が 注目されるようにをり、その実現手段として、DSPの発展形であるメディアプロセ ッサと共 にマルチメディア処理向けに命令セットを拡張したメディア拡張マイクロプロセ ッサが有 望視された。メディア拡張マイクロプロセッサは、これよルマルチメディア処理 に専用化 されたメディアプロセッサに比ぺると様々を制約があり、十分凝性能を実現する のは容易ではなかったが、実用l19 td:Cコンパイラの利用が可能等の理由により、次第に広く 使われる ようになった。但し、そのために、HPEG処理等の効率の良い実現方式や、これに 適した命 令セットの開発が必要であった。また、このようにメディア拡張マイクロプロセ ッサが普 及するようになると、)JPEG処理のみをらず、その上で他の画像処理や信号処理の 実現が期 待されるようにをった。そこで、これらの処理に対して、メディア拡張マイクロ プ ロ セ ッ サ 向 き の 実 現 ア ル ゴ リ ズ ム の 開 発 が 必 要 と さ れ る よ う に な っ て き た 。   本論文 は以上に述ぺた2っのアプロ ーチに基づいた信号処理およびマルチメディア処理 の為のプ ログラマプルプロセッサシステムの実現方式にっいて報告する。本論文は,全6 章より構成される.

  第1章 では 本研 究分 野の 背景 と本 研究 の目 的 ,本 諭文の構成を述ぺる。続いてDSPぺ ースのアプローチについて第2章及び第3章でのぺる。

  第2章 で は1チ ッ プ32ピ ッ ト 浮 動 小 数 点DSPお よ ぴ 浮助 小数 点演 算器 が採 用し た演 算方式に っいて述ぺる。特に提案した浮動小数点演算方式によルディジタル信号処理応用 に対して ハードウェア規模の削減しぬがら高い精度と高速演算を両立できることを示す。

  第3章 では プロ ック 図記 述を 利用 したDSPの 為の ソフトウェア設計システム の開発お よび異な る標本化レートの処理を同時に実現するスケジューリングアルゴリズムにっいて 述ぺる。 静的スケジューリングと助的スケジューリングを組み合わせた新スケジューリン グ 法の 提案 によ りDSPにお いて非同期マルチレートシステムを実現する際の割 り込み処 理によルオーパーヘッドを削減することができることを示す。

  次にマ イクロプロセッサペースのアプローチにっいて第4章及び第5章において述ぺる。

  第4章ではマルチメディア拡張マイ クロプロセッサとメディアプロセッサのマルチメデ イ ア処 理性 能に つ いてMPEGピデ オデ コー ダを 用い て評価を行い、得失を明確 にする。

さらにこ の検討を基にデー夕転送と並列メディア処理演算を同時に実行できるメディア拡 張マイク ロプロセッサアーキテクチャを提案する。また、並列メディア処理演算器で採用 し た 正 負 対 称 丸 め 方 式 に よ りMPEG処 理 で 十 分 ぬ 精 度 を 実 現 で き る こ と を 示 す 。   第5章では画像や動画において見え にくい部分を強調する適応画像強調アルゴリズム、

及びメデ ィア拡張マイクロプロセッサを用いた高速実現方式にっいて述ぺる。並列メディ ア 処理 演算 器を 利 用し た高 速実 現ア ルゴ リズ ムに より20 0MHzの メデ ィア 拡張 マイク ロ プ ロ セ ッ サ で720x480画 素 、 毎 秒 30枚 の 処 理 を 実 現 で き る こ と を 示 す 。   最後の章では本諭文の結諭にっいて述ぺる。

‑ 38

(3)

学位論文審査の要旨

     学位論文題名

A study on programmable processors     for digital signal processing

( デ イ ジ タ ル 信 号 処 理 向 き プ ロ グ ラ マ ブ ル プ ロ セ ッ サ に 関 す る 研 究 )

  1980年に登場したDSP(ディジタルシグナルプ口セッ サ)は並列乗算器とハーバードア ーキテクチャ の採用により、ソフトウェアによるりアルタイム信号処 理を実現可能にし た 。こ れは 、当 時の マイ クロプロセヅサ に対して2桁高い信号処理性 能を実現すること ができた。し かしながら、効率のよいプログラムを作成するには、プ ログラマがハード ウ ェア アー キテ クチ ャを 理解 した 上で のア セン ブラ プログラミング が必要であったた め、プログラ ムの生産性が悪く、開発者の確保も難しい等の問題があ った。そのため、

プログラム開 発が容易で、しかも高い信号処理性能を実現できるプロ セッサおよびソフ ト開発環境が望まれていた 。

  その ーつ のア プロ ーチ として考えられ たのが、DSPのアーキテクチ ャの改良とプログ ラム生成ツー ルの開発による、DSP用の高 級言語プログラミング環境の実現である。DSP のアーキテク チャの改良としては、固定小数点演算で必要なスケーリ ング処理を回避し てプログラミ ングを容易にする浮動小数点演算の採用が考えられた。 但し、そのために 演算ハードウェア規模の削 減、整数演算との親和性など解決すぺき課題があった。一方、

DSP用の高級言語開発環境としては、Cコンバイラの開発も進められた が、より複雑な処 理には十分対応できないと いう問題があった。

  これ に対 して 、90年代 に入 るとRISCアー キテ クチ ャの登場による 動作周波数の向上 や、VLSIの集 積度の向上による並列乗算器の搭載により、RISCプロセ ッサによる信号処 理 の実 現が 現実 的に なっ てき た。 特に 、90年代 後半 になると、MPEGに代表されるマル チ メデ ィア 処理 が注 目さ れるようになり 、その実現手段として、DSPの発展形であるメ デ ィア プロ セッ サと 共に マル チメ ディ ア処 理向 けに 命令セットを拡 張したメディア拡 張マイクロプ ロセッサが有望視された。メディア拡張マイクロプロセ ッサは、マルチメ ディア処理に専用化された メディアプ口セッサに比べると様々な制約があり、現在では、

様々な処理に 対して、メディア拡張マイクロプロセッサ向きの実現ア ルゴリズムの開発

39

一 則 孝 喜 正 恭 永 柴 川 宮 小 小 授 授

」 授

教 教

査 査

主 副

(4)

が必要とされるようになってきた。

  本 論文 は以 上に 述べ た2つ のア プロ ーチ に基 づぃ た信 号 処理 およ びマ ルチ メデ ィア 処理の為のプログラマブルプ口セッサシステムの実現方式について報告する。本論文は,

全6章より構成される.

  第1章 で は 本 研 究 分 野 の 背 景と 本研 究の 目的 ,本 論文 の構 成を 述べ る。 続い てDSP ベースのアブローチについて第2章及び第3章でのべる。

  第2章 で は1チ ッ プ32ビ ッ ト 浮 動 小 数 点DSPお よ び 浮 動 小 数 点 演 算 器 が 採 用 し た演 算方式について述べる。特 に提案した浮動小数点演算方式によルディジタル信号処 理応 用に 対し てハ ード ウェ ア規 模の 削減 しな がら 高い 精 度と高速演算を両立できるこ とを示す。

  第3章 で は ブ ロ ッ ク 図 記 述 を 利 用 し たDSPの 為 の ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 シ ス テ ム の 開 発お よぴ 異な る標 本化 レー トの 処理 を同 時に 実現 する ス ケジューリングアルゴリズム につ いて述べる。静的スケジュ ーリングと動的スケジューリングを組み合わせた新スケ ジ ュ ー リ ン グ 法 の 提 案 に よ りDSPに お い て 非 同 期 マ ル チ レー トシ ステ ムを 実現 する 際 の 割 り 込 み 処 理 に よ ル オ ー バ ー ヘ ッ ド を 削 減 す る こ と が で き る こ と を 示 す 。   次 に マ イ ク ロ プ ロ セ ッ サ ベー スの アプ ロー チに つい て 第4章及 び第5章に おい て述 べる。

  第4章で はマ ルチ メデ ィア 拡張 マイ クロ プロ セッ サと ヌ ディ アプ ロセ ッサ のマ ルチ メ デ ィ ア 処 理 性 能 に つ い てMPEGビデ オデ コー ダを 用い て 評価 を行 い、 得失 を明 確に する 。さらにこの検討を基にデ 一夕転送と並列メディア処理演算を同時に実行できるメ ディ ア拡張マイクロプロセッサ アーキテクチャを提案する。また、並列メディア処理演 算器 で採 用し た正 負対 称丸 め方 式に よりMPEG処理 で十 分 な精度を実現できることを示 す。

  第5章で は画 像や 動画 にお いて 見え にく い部 分を 強調 す る適 応画 像強 調ア ルゴ リズ ム、 及びヌディア拡張マイクロ プ口セッサを用いた高速実現方式について述べる。並列 メ デ ィ ア 処 理 演 算 器 を 利 用 し た 高 速 実 現 ア ル ゴ リ ズ ム に よ り20 0MHzの メ デ ィ ア 拡 張 マ イ ク 口 プ ロ セ ッ サ で720x480画 素 、 毎 秒30枚 の 処 理 を 実 現 で き る こ と を 示す。

  最後の章では本論文の結論について述べる。

  こ れを要するに、筆者は、信 号処理およびマルチメディア処理の為のプログラマブル プロ セッサシステムの実現に向 けて、新しいアーキテクチャの提案とそれを用いた汎用 性の 高い情報処理システム実現 について述ベ、次世代信号処理ブロセッサの設計・開発 に関 する有益な知見を得ており 、マルチメディア情報処理の分野に貢献するところ大な るものがある.

  よ って筆者は,北海道大学博 士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める.

40

参照

関連したドキュメント

この項目の内容と「4環境の把 握」、「6コミュニケーション」等 の区分に示されている項目の

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

の 立病院との連携が必要で、 立病院のケース ー ーに訪問看護の を らせ、利用者の をしてもらえるよう 報活動をする。 の ・看護 ・ケア

予備調査として、現状の Notification サービスの手法で、 Usability を考慮したサービスと

ている。本論文では、彼らの実践内容と方法を検討することで、これまでの生活指導を重視し

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年

1、研究の目的 本研究の目的は、開発教育の主体形成の理論的構造を明らかにし、今日の日本における