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不淘洗米の食味について

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(1)

18 食物学会誌 ・第46号

研 究 報 告

不 淘 洗 米 の 食 味 に つ い て

A Study

on the Taste

of CLEAN

RICE

and Germ

Rice

Hiro Ikeda 1.緒 言 不 淘洗 米 は手 軽 に炊 飯 出 来 る米 と して 消 費 者 に その 開 発 を期 待 さ れ,ま た 排 水 汚 染 の 改 善 に役 立 つ と も言 わ れ て い る。 不 淘 洗 米 に は ク リー ン ラ イ ス や胚 芽 精 米 な ど が あ る。 ク リー ン ラ イ ス とは精 米 の最 終 過 程 で 蒸 気 や 霧状 の水 を 少 量 吹 きか け,最 後 ま で残 って い る細 か い糠 を こ の水 で 落 して 磨 い た もの で,洗 わ な いで 使 用 で き る米 で あ る。 胚 芽 精 米 は 専 用 の精 米 機 を 使 用 し て,冷 却 掲 精 法 で 掲 精 し,仕 上 げ に専 用 の研 米 機 で 米 肌 に付 着 して い る小 さ な糠 をふ き取 って 磨 き上 げ,最 後 に精 選 機 で 爽 雑 物 を 除 い た胚 芽 部 分 が80%残 存 した 米 を 言 う 。胚 芽 精 米 は精 白米 に は含 ま れ て い な い ビタ ミンEを 多 く含 み,さ らに 精 白米 よ り ビタ ミ ンB1, B2,ナ イ ア シ ン,脂 質,繊 維 な ど を 多 く含 ん で い る。 洗 う と残 った 胚 芽 の 部 分 が取 れ,栄 養 的 な 価 値 が 減 少 す る た め 洗 わ な い で使 用 す る1'2)。しか し胚 芽 精 米 は, 色 や 香 りな ど に馴 染 み が な い た め そ の 普 及 率 は高 い と は 言 え な い 。 現 在 ま で に ク リー ンラ イ ス や 胚 芽 精 米 の 炊 飯 方 法 や 食 味 な ど に 関 す る 報 告 は少 な い。 そ こで これ らの米 の 適 切 な炊 飯 方 法 を 検 討 す る こ と を 目 的 と して,浸 漬 時 間 ・蒸 ら し時 間 ・加 水 量 を 変 えて 一 定 の 条 件 で 炊 飯 を 行 な い,物 理 的 性 状 及 び 官 能 検 査 に よ り,そ の 最 適 条 件 を 調 べ た 。 併 せ て 美 味 し く食 べ られ る方 法 に つ いて 検 討 した 。 II. 実 験 方 法 1.試 料 米 前 年 度 京 都 府 産 ・コ シ ヒカ リの 玄 米 を精 白米(91%), 調理学 ク リー ン ラ イ ス(91%),胚 芽 精 米 に搗 精 した も の を 試 料 米 と した 。 2.炊 飯 条 件 1)浸 漬 時 間 の 変 化 精 白米150gに 水(20℃)を 加 えて5回 撹 伴 後 換 水 し,こ れ を5回 操 り返 して 洗 米 した 後,米 重 量 の1.6 倍 に な るよ うに 水 を 加 え て 浸 漬 す る 。 ク リー ンラ イ ス 及 び胚 芽 精 米150gに 米 重 量 の1.6倍 の 水(20℃)を 加 え て5回 撹伴 し,そ の ま ま 浸 漬 す る。 各 試 料 米 に水 を 加 え た 時 点 を0分 と し,10分,30分,60分,120分 間,20℃ に設 定 した イ ンキ ュ ベ ー タ ー 内 で 浸 漬 を 行 な う。 浸 漬 後 直 接 炊 き 日立 電 気 釜PR-51型 を使 用 し て 炊 飯 を 行 い,15分 間 蒸 ら した 飯 を 測 定 用 試 料 と した 。 2)蒸 ら し時 間 の 変 化 1) と 同 条 件 で 洗 米 ・浸 漬(60分)・ 炊 飯 を行 な い, ス イ ッチが 切 れ た 時点 を0分 と し,0分 ・5分 ・15分 ・30分 間 蒸 ら した 飯 を 測 定 用 試 料 と した 。 3)加 水 量 の 変 化 各 試 料 米150gに,加 え る水 の 量 を米 重 量 の1.2∼ 1.95倍 と し,前 述 と 同 様 に 洗 米 ・浸 漬(60分)・ 炊 飯 蒸 ら し(15分)を 行 な っ た 飯 を測 定 用 試 料 と した 。 な お,炊 飯 に要 した 時 間 は 沸騰 まで10∼12分,ス イ ッチ が切 れ るま で20∼25分 間 で あ っ た。 この 時 間 の 差 は 加 水 量 に よ る もの で あ る。 3.測 定 項 目 ユ)吸 水 量 の 測 定 精 白米,ク リー ン ライ ス 及 び胚 芽 精 米 各20gに 水 (20。C)を 加 え て 先 に述 べ た 方 法 で 洗米 ・加 水(米 重 量 の1.5倍)し,2∼180分 間 浸 漬 を行 な っ た後 米 を ザ ル に取 り,表 面 の 余 分 な水 分 を布 巾 で 除 去 した 後 重 量 を 測 定 し,吸 水 に よ る重 量 増 加率 を求 め た 。

(2)

- 19-各試料米の加水量を変えて浸漬時間60分,蒸らし時 間15分の一定で炊飯を行ない,①と同条件でレオメタ ーによる測定を行なった。 ④水分量の測定 各試料飯の水分量を電子水分計(株式会社 YMC製) で測定し,百分率で求めた口 3) 官能検査 精白米1.6倍, クリーンライス1.58倍,旺芽精米 1. 68倍の加水量で炊いた,白飯及び醤油味付け飯(薄 口醤油, 0.6%塩分濃度に調製)について官能検査を 行なった。パネノレは本学の学生20名で、行ない,検査項 目は表

1

に示した通り,香り,外観,味,触感,硬さ, 粘り,総合評価の7項目について9点評価法で評価し, 一元配置の解析法で解析した。

1

1

1

結果及び考察

1

.

試料米の浸潰による重量変化 浸漬による米の重量増加率を図1に示した。いずれ の試料米も浸漬30分間の吸水が著しい。精白米の重量 増加率は189oであるのに対し,匪芽精米への増加率は 17%で吸水速度はわずかに遅いが,クリーンライスへ 平成3年12月 (1991)年 2) 物理的測定 ①浸漬時聞によるテクスチャーの変化 異なる浸漬時間の各試料米について炊飯後15分間蒸 らした後,釜の中央部の飯を軽く混ぜあわせ,水滴の 影響を防ぐためガーゼを敷いたシャーレに移し,さら にガーゼで覆って

1

時間室温に放置し,レオメーター (不動工業 K K製)により 1粒法でテクスチャーを測 定した。測定はプランジャー :30mmφ,クリアラン ス:0.25mm,テープルスピード:60mm/min,メー ター感度切り換えスイッチ:2kg,入力電圧:0.5Vの 条件で行なった。回R爵曲線は硬さ, 粘り(付着性), バランス度について解析した。 1回の測定には1試料 につき20回測定を繰り返し,硬さ及び粘りの最大及び 最小のものをそれぞれ2個ずつ除き,残り12回の測定 値の平均を求めた。 ②蒸らし時間によるテクスチャーの変化 試料米は加水量1.6倍,浸漬時間60分の一定とし, 同様に炊飯を行ったのち,異なる蒸らし時間の各々の 試料飯について①と同条件でレオメーターによる測定 を行なった。 ③加水量によるテクスチャーの変化 官 能 検 査 用 紙 表

1

91 非常に良い 8 よかなり良い 7 1 一 良 い 61 一 少 し 良 い 5 よ 普 通 氏名 4 1 一 少 し 悪 い 31 悪い 2 1 一 か な り 悪 い 日 1l 一 非 常 に 悪 い 年 触感 91 非常に良い 81 一 か な り 良 い 評価表 7l 一 良 い 61 一 少 し 良 い 5 1 一 普 通 4 l 一 少 し 悪 い 31 一 悪 い 2i かなり悪い 1 1 一 非 常 に 悪 い 香り 9 ﹂非常に硬い 81 一 か な り 硬 い 7 1 一 硬 い 613 し硬い 5 1 一 丁 度 良 い 4 l 一 少 し 軟 ら か い 3 上軟らかい 21 かなり軟らかい 1l 一 非 常 に 軟 ら か い 石事大 9l 一 非 常 に 良 い 81 一 か な り 良 い 7l 一 良 い 6l 一 少 し 良 い 5 1 一 普 通 4 上少し悪い 31 一 悪 い 2 よかなり悪い 11 一 非 常 に 悪 い 外 観 9l 一 非 常 に 強 い 8 l 一 か な り 強 い 7 1 一 強 い 61 一 少 し 強 い 5l 一 普 通 4 1 一 少 し 弱 い 3 1 一 弱 い 2 1 一 か な り 弱 い 11 一 非 常 に 弱 い 粘り 9l 一 非 常 に 良 い 81 一 か な り 良 い 7l 一 良 い 61 一 少 し 良 い 5 1 一 普 通 4 l 一 少 し 悪 い 3 よ 悪 い 2 上かなり悪い 1 1 一 非 常 に 悪 い 味 9 1 一 非 常 に 良 い 8 よかなり良い 7l 一 良 い 61 一 少 し 良 い 5 1 一 普 通 4 1 一 少 し 悪 い 3 上 悪 い 2l 一 か な り 悪 い

- L

非常に悪い 総合評価

(3)

- 20-~

20

暢 真 野 制 刷

1

5

o

1

5

30

60

90

1

2

0

180

漫漬時間(分) 図1 浸漬による米の重量増加率(水温 200 C) ・:精白米,・:クリーンライス, .:旺芽精米 の吸水は速く19.5%の増加率であった。精白米への浸 ι

0

6

2

8

4

0

0

7 ' 広 U V 広 V 広 d R u k . V 水分量(%)

B

C

A

100

90

80

70

60

50

40

0

粘 リ

(

g

)

Tア: z主;

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f

官 室 長 i :毛 -.l':t; z 墨z 、 -・

:

l

、 1・::: 温、、、

.

2 ‘、、、、= 皐盆主=ζ

1

t

ι

B

C

A

食物学会誌・第46

漬による吸水は関らが報告3) しているように米粒の周 辺から水は一様に浸透せず,表面組織の弱し、医芽除去 部などから米粒中心に向かつて割れ目様のすじを付け ながら浸透していくためである。一方,庇芽精米の吸 水が精白米にくらべて遅いのは,旺芽が除去されてお らず,また細胞の密な糊粉層が残っているためである。 これに比べてクリーンライスは精白米よりさらに表面 の除糠が進んでおり,吸水し易い状態になっているも のと考えられる。

2

.

浸漬時間の違いによるテクスチャーへの影響 浸漬時間の異なった各試料飯の水分量とテクスチャ ー測定値を図2に示した。加水量1.6倍の一定で,浸 漬時聞を変えて炊飯を行なった場合の飯の水分量は59 '"'-'63労であった。浸漬直後炊きあげた場合,米中心部 まで吸水されていないため各試料飯の水分量は少ない が, 30分以上浸漬するとその差は少なくなった。しか し匠芽精米は他の試料飯に比べ約

2

;

ちも水分量の少な い乙とが認められた。浸漬時間が少ない場合,米中心 部への吸水が充分で、ないため,炊飯後飯の周囲に遊離 n v ハu n v n u n u n u ハ U n U 7 ﹃ A ﹃ t E Q U R d

4

3

3

3

2

2

硬 さ

(

g

)

0.30

0.26

0.22

0.18

0

.

1

4

0.10

バランス度 宣 竃三込E喧可E一-一一一 、 、 ‘ 、 ー ・・ー・・.O・:r色.・、、

r

. . 白包 .‘ • 畠お-ε ---.... • • .zz z E

A

B

C

2

浸漬時間の違いによる水分量とテクスチャー測定値 A:精白米 B:クリーンライス C:庇芽精米

囚:

0

うれ図:

10

分,白:

30

分,図:

60

分,臼:

120

(4)

平成 3年12月 (1991年)

0

6

2

8

4

0

0

7

6

6

5

5

5

水分量(%)

B

C

A

-

21-400

370

340

310

280

250

硬 さ

(

g

)

粘 リ

(

g

)

バランス度

100

0.30

90

0.26~

F

l

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80

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-0.22

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A

B

C

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8

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1:., r:.

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3

蒸らし時間の違いによる水分量とテクスチャー測定値 A:精白米 B:クリーンライス C:匪芽精米 囚

o

分,図 5分,巴:15分,囚:30分 水として残り,乙の水が蒸発することもその一因と考 えられる。硬さは浸漬直後炊きあげた飯が最も硬く, 特に庇芽精米は中心部への水の吸収が遅いため,糊化 が充分に行なわれず,硬い飯になったものと思われる。 浸漬時間が長くなるに従い,米中心部への吸水・糊化 が行なわれペこれによって硬さも低下し,浸漬時間 120分では最低値を示した。 しかし, 試料米の組成が 異なるため,精白米 309g,クリーンライス 292g,伍 芽精米 319gとなり, クリーンライスが最も軟らかく, 庇芽精米は最も硬い飯であった。粘りは,浸漬時間が 長くなるに従い強くなる傾向を示すが, 120分浸漬す ると低下した。精白米の粘りは,他の試料飯にくらべ て低い傾向を示した。バランス度は浸漬時間

6

0

分迄高 くなり, 120分浸潰すると低下した。以上の乙とから 水分量が安定し,粘りが最大であった浸漬

6

0

分を以後 の炊飯における浸漬時間と定めた。

3

.

蒸らし時間の違いによるテクスチャーの変化 加水量1.6倍,浸漬時間 60分で炊飯を行ない,蒸ら し時間を変えて得た試料飯の水分量及び、テクスチャー 測定値を図3に示した。蒸らし0分ではいずれの試料 飯も水分量は低く,これは蒸らさない場合,飯粒表面 の水分が内部に吸収されずに遊離水として存在し,操 作中の蒸発量が多くなるためである日。 15分及び30分 ではほとんど水分量には差がなかった。硬さは蒸らし 0分が最も硬く,これは一般に蒸らし中の温度は30分 経過後でも 900 C 以上であるため6,7ら この期間中に も糊化が進むと云われていることから,飯中心部の糊 化が不充分であるためと考えられる。蒸らし時聞が経 過するに従い糊化が進み,飯粒へ均一に水分が吸収さ れて軟らかくなる傾向を示し, 15分及び30分では硬さ に差は見られなかった。粘りでは消火直後の粘りが最 も強く,これは飯表面に付着している水分が飯粒中に 吸収されていないためと考えられ,蒸らし時間の経過 と共に飯表面の水分は内部へと吸収されていき,粘り は蒸らし15分で最小となった。バランス度は蒸らし 0 分では各試料飯ともに高い値を示し,硬さと粘りのパ

(5)

食物学会誌・第

4

6

号 qfM 9 -硬 さ

(

g

)

水分量(%)

400

70

370

340

310

280

250

0

66

62

54

50

0

58

バランス度 s E F Z E E ';:( -ー ー ー 一 、‘ 、、、 .・ ・2・2・・ ・:1=ー-、‘:I~

0

.

3

0

0

.

1

4

0

.

1

0

0

0.22

0.26

0.18

粘 り

(

g

)

部総秘跡齢

-B

100

40

0

80

90

70

60

50

C

B

4

加水量の違いによる水分量とテクスチャー測定値 A:精白米 B:クリーンライス C:匪芽精米

A

囚:

1.20倍,図:1.351

T

t

巴:

1.50倍,回:1.65倍,

臼:

1.80倍,国:1.95倍 りすぎ,完全に水分が飯粒中に吸収されず,飯粒表面 が水っぽくなったためと考えられる。バランス度は加 水量の増加に伴って高くなり1.80倍で最高値を示した。 以上のように加水量を変化させた場合,水分量,硬さ, 粘り,バランス度に与える影響の大きいことが明かと なった。

5

.

加水量による各試料飯のテクスチャーと食味評価 先の結果をもとに米重量の1.5---1.7倍の間で加水量 の幅をさらに狭くして水分量及びテクスチャーの測定 を行ない,さらに予備的に行なった官能検査により, 硬さ約 300g,粘り約 80gの飯が好まれたことから, 精白米1.6倍,クリーンライス1.58倍,庇芽精米1.68 倍の加水量が適当である事が判明した。そこで乙れら の条件で炊飯した飯について水分量及びテクスチャー の測定を行ない,併せて官能検査を行なった。水分量 及びテクスチャーの測定値を図

5

に示した。

3

試料 飯の水分量は加水量が精白米1.

6

倍, クリーンライス 1.58倍,旺芽精米1.68倍の時62.5%前後となり, ランスが悪い事を示した。以上のことから水分,硬さ がほぼ一定した時点の蒸らし15分を蒸らし時間と定め テク た。

4

.

加水量の違いによる変化 浸漬時間60分,蒸らし時間15分の一定条件で加水量 を 1.2---1.95倍に変えて炊飯を行なった各試料米の水 分量及びテクスチャーを図

4

に示した。水分量は加水 量が増加するのにともなって増加した。一般に美味し い飯の水分量といわれている 62::i:::1勉に近い飯は,精 白米では1.65倍で62.9%,クリーンライスでは1.50倍 で61.5%,医芽精米では1.65倍で61.7%となり,加水 量の異なることが分かる。硬さは水分量と反比例して 加水量の増加とともに軟らかくなることが認められる。 しかし,試料米の種類によって同じ加水量でも硬さは 異なり,匠芽精米が最も硬い傾向を示した。粘りは加 水量の増加とともに増加し,精白米,医芽精米では1.80 倍が,クリーンライスでは1.65倍が最大値を示した。 1.95倍の加水量で粘りが低下したのは水分量が多くな

(6)

平成3年12

(1991年)

0

6

2

8

4

0

0

7

6

6

5

5

5

100

90

80

70

60

50

水分量(%)

400

370

340

310

280

250

丹 O n r u 硬 さ

(

g

)

A

C

A

B

バランス度

A

5

加水量の異なる 3試料飯の水分量とテクスチャー測定値

A:

精白米,

B:

クリーンライ界

C:

庇芽精米 表2 3試料水の白飯の官能検査 スチャーでは硬さは305"-'310g,粘りは81"-'82g,パラ 分散比 A - B A - C B - C ンス度は0.265"-'0.269を示し,水分量,テクスチャー 香 り においでほぼ同一条件の飯を得るととができた。そこ 3.1 0.4 0.8 1.2 でこの加水量で炊いた飯について官能検査を行ない, 外 観 14.6 0.9 1.9本本 2.8事 * 味 0.5 0.2 0.5 0.3 その結果を表2に示した。外観の評価では危険率1 % 触 感 0.5 0.3 0.3 0.0 有意で他の試料飯に比べ庇芽精米の方が悪いという評 硬 さ 0.5 0.2 0.2 0.4 伺であった。香りの評価は有意な差としては表われな 粘 り 1.2 0.7 0.2 0.5 かったものの旺芽精米に対する値は低い傾向を示した。 総合評価 2.8 0.3 0.9 1.2 他の評価項目では有意差は認められなかった。この外 * 本 :P <0. 01 観に対する評価は,庇芽精米は充分に磨かれていると

*

:

P <0.05 は云え,表3に示した測色色差計(日本電色工業K K A:精白米(加水量1.6倍) 製)で測定した測定値に見られるように,精白米やク B:クリーンライス(加水量1.58倍) C:佐芽精米(加水量1.68倍) リーンライスと比較して

L

値がやや低値を示し,着色 傾向が見られる。これは匪芽の部分が付着しているた

粘り (

g

)

0

.

3

0

0

.

2

6

0.22

0.18

0

.

1

4

0

.

1

0

3

各試料米及び飯の色差測定値米

⋮ 一

A

、、??-HJ 日﹃ R M 米 飯 L a b L1E L a b L1E 精白米 64.61 -0.63 13.05

69.60 -2.39 4.65

クリーンライス 66.19 -0.92 12.34 1.47 69.64 -2.37 5.96 1.38 庇芽精米 60.11 0.75 14.49 4.40 66.73 -1. 49 9.82 6.06

(7)

食物学会誌・第46号 水分量(%) - 24ー 硬 さ

(

g

)

400

70

370

250

0

310

280

340

ロ パ 一

一 日 ⋮

⋮ 明 ⋮

⋮ ⋮ ⋮

一 C

66

58

54

50

0

62

A

バランス度

日 ⋮ ⋮ ⋮

一 ⋮ ⋮ ⋮

⋮ ⋮ ⋮ ⋮

一 ⋮ ⋮ ⋮

問 ⋮ ⋮ 一

B

0.35

0.30

0

.

1

5

0.25

0.20

0

.

1

0

0

粘り (

g

)

100r

一一

70

60

50

0

90

80

6

醤油味付け飯の水分量とテクスチャー測定値 A;精白米 B;クリーンライス C;眼芽精米 油使用, 0.6;ち塩分濃度)として先と同条件で炊飯を 行ない,水分量及びテクスチャーを測定し,併せて官 能検査を行なった。水分量及ひ'テクスチャー測定値を 図6!乙示した。水分量は白飯の場合よりも約1労減少 し , 61.3""61.8%となった。 これは貝沼らの報告8ゅ にも見られるように醤油中に含まれる Na+ などの影 響で炊飯中の吸水が悪くなって自由水が多くなること から,操作中に蒸発したためと考えられる。硬さには あまり変化はないが,粘りは減少し,従ってバランス 度は高くなる傾向を示した。醤油味付け飯の官能検査 の結果を表 4に示した。白飯では目玉芽精米と他の試料 飯との間で危険率

1

;

ち有意で差の認められた外観は, 醤油味付け飯にすることによって5必の有意な差とな って差の小さくなることが認められた。また香りは醤 油の香りが加わることによって差はほとんど認められ なくなった。しかも味については精白米より庇芽精米 のほうが危険率

5%

有意で美味しいという評価を得た。 以上の結果から庇芽精米やクリーンライスなどの不 淘洗米の炊飯条件は,加水量を庇芽精米は精白米より 多めの1.68倍,クリーンライスは精白米よりやや少な めであり,白い飯と同時に官能検査を行なっているた め,外観評価に影響したものと思われる。食べ慣れた り,或は単独で庇芽精米を食する場合,影響は少ない と考えられる。

6

.

醤油味付け飯のテクスチャーと食味評価 旺芽精米の,この外観の差を出来るだけ少なくする 方が望ましいと思われるため,醤油味付け飯(薄口醤 醤油味付け飯の官能検査 表

4

B-C

り 観 0.7 0.9本 0.2 0.2 0.3 0.6 0.4 A - C 0.2

0

.

8

本 0.6本 0.0 0.2 0.6 0.5 A - B 0.5 0.1 0.4 0.3 0.1 0.0 0.1 分散比 1.8 5.1 7.0 0.3

0

.

8

1

.

3

0.4 香 外 味 触 感 硬 さ 粘 り 総合評価

*

:

P

<0.05

A:

精白米(加水量1.

6

倍) B:クリーンライス(加水量1.

5

8

倍) C:庇芽精米(加水量 1.68倍)

(8)

平成

3

1

2

(

1

9

9

1

年) めの1.

5

8

倍で,浸漬時間

6

0

分,蒸らし時間

1

5

分にする ことによって,水分量,硬さ,粘り,バランス度など の差がなくなり,精白米と変わらない食味で食べられ ることが明かとなった。また庇芽精米の好まれない理 由であった外観,香りなども醤油を添加することによ って評価は高まり,栄養的な面も考えあわせると最初 は味付け飯などにして食べやすくし,習慣づけていく とょいと考えられる。

I

V . 要 約

不淘洗米のクリーンライス及び匪芽精米の適切な炊 飯条件や美味しく食べられる方法について検討した。 浸漬時間

6

0

(

2

0

0

C

)

,蒸らし時間

1

5

分で炊飯を行な った場合,各試料飯の水分量やテクスチャー測定値が ほぼ等しくなる適切な加水量は異なり,精白米では米 重量の1.6倍であったが,クリーンライスでは1.

5

8

倍, 庇芽精米では

1

.

6

8

倍であった。官能検査による評価は, 精白米とクリーンライスでは差は認められなかったが, Jff芽精米の外観及び香りの評価は低い結果であった。 しかし,醤油味付け飯にすることによって伍芽精米の

-

25-外観,香りの評価は高まり,また味に対する評価は

5

%有意で美味しいと云う結果であった。

参 考 文 献

1

)

香川波:四訂食品成分表,

3

1

4

(

1

9

9

0

)

女子栄 養大学出版

2

)

香川 綾:目玉芽精米健康法,

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女子栄養 大学出版

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関千恵子,貝沼やす子:家政学雑誌,

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松元文子,鈴木やす子:家政学雑誌,

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5)貝沼やす子,江間章子,関千恵子:日本家政学雑 誌,

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6

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長井みどり他:家政学研究,

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7)貝沼やす子,江間章子:日本家政学雑誌,

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8)関千恵子,貝沼やす子,松元文子:調理科学, 8,

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伊藤千恵子,貝沼やす子:調理科学,

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図 3 蒸らし時間の違いによる水分量とテクスチャー測定値 A: 精白米 B: クリーンライス C: 匪芽精米 囚 o 分,図 5 分,巴: 1 5 分,囚:3 0 分 水として残り,乙の水が蒸発することもその一因と考 えられる。硬さは浸漬直後炊きあげた飯が最も硬く, 特に庇芽精米は中心部への水の吸収が遅いため,糊化 が充分に行なわれず,硬い飯になったものと思われる。 浸漬時間が長くなるに従い,米中心部への吸水・糊化 が行なわれペこれによって硬さも低下し,浸漬時間 1 2 0 分では最低値を示した。 しかし,

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