第 2 章 ド イ ツ
は じ め に
複 数 就 業 1
( 副 業 ) は 、ド イ ツ 特 有 の 「 ミ ニ ジ ョ ブ ( 僅 少 雇 用 )」 制 度 と 深 く 関 わ っ て い る 。
ド イ ツ 労 働 市 場・職 業 研 究 所 2
(IAB) の 分 析 3
に よ る と 、2014年 の 時 点 で 社 会 保 険 加 入 義 務
の あ る 雇 用 労 働 者 全 体 の6.7%が 副 業 を し て お り 、 副 業 者 の9割 は 、 労 働 者 の 社 会 保 険 料 負
担 が 免 除 さ れ る ミ ニ ジ ョ ブ の 枠 内 で 副 業 を し て い た 4
。
そ の た め 、ま ず こ こ で は 、「 ミ ニ ジ ョ ブ 」の 制 度 を 説 明 し て お き た い 。 ミ ニ ジ ョ ブ(Minijob)
と は 、 賃 金 平 均 月 額 が450ユ ー ロ 以 下 で あ る 「 僅 少 雇 用 (geringfügige Beschäftigung)」
の 通 称 で あ る 。 パ ー ト タ イ ム 労 働 の 一 種 で 、 最 低 賃 金 や 休 暇 な ど は 、 通 常 の 労 働 者 と 同 等 の
権 利 が 認 め ら れ る 5
。 ま た 、労 災 保 険 は 適 用 さ れ る が 、そ の 他 の 社 会 保 険 ( 医 療 、介 護 、失 業 )
は 適 用 さ れ な い 。 ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 は 、 所 得 税 と 社 会 保 険 料 の 労 働 者 負 担 分 が 免 除 さ れ る 。
年 金 保 険 に つ い て は 、2013年 か ら ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 も 原 則 加 入 義 務 対 象 ( 総 収 入 の3.9%
の 保 険 料 負 担 ) と な っ た が 、労 働 者 が 使 用 者 に 文 書 で 適 用 除 外 を 申 請 す る と 免 除 さ れ る 6
。 一
方 で 、使 用 者 の 社 会 保 険 料 負 担 は 免 除 さ れ ず 、税 金 7
( 所 得 税2%)、健 康 保 険 (13%)、年 金
保 険(15%)の 計 30%の 保 険 料 負 担 義 務 が あ る 8
。 こ れ は 、使 用 者 が 保 険 料 負 担 を 逃 れ る 目 的
で ミ ニ ジ ョ ブ を 利 用 し な い た め の 措 置 で あ る 。
な お 、 賃 金 平 均 月 額 が450.01ユ ー ロ 以 上 、850ユ ー ロ 以 下 の 雇 用 は 、 ミ デ ィ ジ ョ ブ
(Midijob) と 呼 ば れ 、 社 会 保 険 が 適 用 さ れ る 。 た だ し 、 労 働 者 負 担 分 の 保 険 料 に つ い て は 、
所 得 に 応 じ て 減 額 さ れ る 。
社 会 保 険 加 入 義 務 が あ る 「 本 業 」 に 従 事 し な が ら 、1つ の ミ ニ ジ ョ ブ を 行 う 場 合 は 、 本 業
1
本稿の執筆にあたり、JILPT海外情報協力員のフロリアン・コートマン氏(アーキス法律事務所弁護士)より 資料提供があった。記して謝意を表したい。
2
連邦雇用エージェンシー(BA)の公共研究機関。職員数は約300人で、うち200人が労働市場に関する調査・ 政策研究を担い、100人が研究調整、総務、経理、広報等を担っている。
3
Sabine Klinger und Enzo Weber (2017) Zweitbeschäftigungen in Deutschland-Immer mehr Menschen haben
einen Nebenjob, IAB Kurzbericht(22/2017),(http://doku.iab.de/kurzber/2017/kb2217.pdf). 4
ただし、このIABの分析に官吏(Beamter)や自営業者等は含まれていない。 5
ただし、ドイツ労働市場・職業研究所(IAB)の実態調査によると、ミニジョブ労働者の3分の1は有給休暇が なく、過半数は、疾病時の賃金継続支払い(労働者が病気をして休暇を取得する場合に、使用者は6週間にわたっ て従前の賃金の100%支払う義務がある)を受けていなかった。さらに無期雇用のミニジョブ労働者の15%強 は「労働契約書を使用者から受け取っておらず、主要な労働条件についても伝えられなかった」と回答している (全雇用労働者における同割合は3.5%のみ)。以上、労働社会省プレスリリースより(16. Oktober 2015);
(http://www.bmas.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2015/rechten-von-minijobbern-geltung-verschaffen.
html)(2018年1月11日閲覧)。 6
連邦労働社会省サイト
(http://www.bmas.de/EN/Our-Topics/Social-Security/450-euro-mini-jobs-marginal-employment.html) (2018 年1月11日閲覧)。
7
賦課金(最高0.99%)が発生することもある。 8
の 賃 金 と 合 算 し な く て よ い 。
ミ ニ ジ ョ ブ に 関 す る 法 的 枠 組 み は 、ハ ル ツ 改 革 9
( 労 働 市 場 改 革 ) が 進 行 す る 中 で2003年 4月1日 に 大 幅 に 変 更 さ れ た 。 所 得 上 限 が 月 額325 ユ ー ロ か ら400ユ ー ロ ( 当 時 ) に 引 き
上 げ ら れ 、 社 会 保 険 加 入 義 務 と 所 得 税 が 免 除 さ れ た こ と に よ っ て 、 ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 の 純 所
得 が 大 幅 に 増 加 し た 。 同 時 に 、 週 労 働 時 間 の 上 限 (15時 間 ) が 廃 止 さ れ 、 時 給 の 下 限 が 事
実 上 廃 止 さ れ た 。2003年 改 革 の 主 な 目 的 は 、 低 賃 金 労 働 市 場 へ の ア ク セ ス を 容 易 に し 、 新
た な 雇 用 を 生 み 出 す こ と だ っ た 。
改 正 後 、 ミ ニ ジ ョ ブ の 労 働 者 数 は 増 加 し た が 、 労 働 組 合 か ら は 、 社 会 保 険 加 入 義 務 が あ る
通 常 の 雇 用 が 低 賃 金 の ミ ニ ジ ョ ブ に 置 き 換 え ら れ 、 低 賃 金 セ ク タ ー を 拡 大 さ せ る 要 因 に な っ
て い る と の 批 判 が 繰 り 返 し な さ れ て い る 。 ま た 、 ミ ニ ジ ョ ブ を 含 む 非 正 規 雇 用 で の み 働 く 労
働 者 の 老 後 の 貧 困 リ ス ク も 懸 念 さ れ る よ う に な っ て い る 10
。
そ こ で 、2013年1月 か ら 所 得 上 限 を 月 額400ユ ー ロ か ら450ユ ー ロ に 引 き 上 げ る と 同 時
に 、 原 則 と し て ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 も 年 金 保 険 加 入 義 務 の 対 象 と し た 。 し か し 、 こ れ ま で の と
こ ろ 、 大 多 数 の ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 は 、 使 用 者 に 文 書 で 適 用 除 外 を 申 請 し 、 年 金 保 険 の 労 働 者
負 担 分 を 免 が れ て 働 い て い る の が 実 態 で あ る 11
。 ま た 、2015年1月 に は 、法 定 最 低 賃 金 の 導
入 に 伴 い 、 ミ ニ ジ ョ ブ の 時 給 の 下 限 が 復 活 し た (2017年 現 在 、 時 給8.84ユ ー ロ )。
第 1 節 複 数 就 業 の 状 況
1 . 複 数 就 業 者 の 数 、 労 働 者 に 占 め る 割 合
副 業 者 に 関 す る 統 計 数 値 は 、 対 象 や ラ ン ダ ム サ ン プ リ ン グ の 範 囲 、 メ ル ク マ ー ル の 設 定 方
法 に よ っ て 、 多 少 異 な っ て い る 。
例 え ば 、連 邦 雇 用 エ ー ジ ェ ン シ ー (BA) が2017年12月 に 発 表 し た 雇 用 統 計 12
に よ る と 、
副 業 と し て ミ ニ ジ ョ ブ に 従 事 す る 労 働 者 の 数 は 、2017年10月 の 時 点 で 、278万3,600人 だ
っ た 。 つ ま り 、2017年10月 に は 、 社 会 保 険 加 入 義 務 の あ る 雇 用 労 働 者 の8.5%が 副 業 を し
て い た こ と に な る ( 図 表2-1)。 た だ し 、こ の 人 数 に は 、(1) 自 営 で 副 業 を 行 っ て い る 者 、(2)
月 収450ユ ー ロ を 超 え て 副 業 を 行 っ て い る 者 は 含 ま れ て い な い 。
9
2000年代前半に行われた就労促進を目的とする規制緩和や失業給付の見直しなどの一連の労働市場改革を指す。 ミニジョブに関する法的枠組みの変更は、労働市場改革法の一環であるハルツ第Ⅱ法で定めた規定に基づいてい る。
10
JILPT海外労働情報(2016年1月)『ミニジョブの現状と課題』。 11
Sabine Klinger und Enzo Weber (2017). 12
連邦雇用エージェンシー(2017年12月)
(https://statistik.arbeitsagentur.de/Navigation/Statistik/Statistik-nach-Themen/Beschaeftigung/
図 表2 - 1 ド イ ツ の 副 業 者 数
( 単 位:人 )
2017年8月 2017年9月 2017年10月
労 働 者 総 数 ( 社 会 保 険 加 入 ) 32,409,700 32,739,500 32,787,500
ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 総 数 7,476,900 7,486,200 7,480,600
- ミ ニ ジ ョ ブ の み に 従 事 4,741,800 4,704,000 4,697,000
- 副 業 と し て ミ ニ ジ ョ ブ に 従 事 2,735,200 2,782,100 2,783,600
出 所: BA(2017) .
他 方 、 前 述 の ド イ ツ 労 働 市 場・職 業 研 究 所 (IAB) の 調 査 13
に よ る と 、2017年 第2四 半 期
の 時 点 で 、307万 人 の 就 業 者 が 、 本 業 の ほ か に 副 業 を 行 っ て い た 14
。 こ の 人 数 は 、IAB の 労
働 時 間 算 出 レ ポ ー ト (IAB-Arbeitszeitrechnung) に 基 づ き 、 官 吏 15
や 自 営 業 者 も 含 ん だ 数
値となっている。図表2-2の通り、副業者数は2002年までは125万人前後で伸び悩んでいたが、
2003年 の 第3四 半 期 に 強 い 上 昇 ト レ ン ド が 突 然 始 ま り 、2017年 ま で に2.5倍 近 く 増 加 し た 。
こ の2003年 以 降 の 急 激 な 上 昇 に は 、前 述 の ミ ニ ジ ョ ブ の 法 改 正(2003年 )が 影 響 し て い る 。
図 表2 - 2 副 業 者 数 の 推 移 ( 2 0 0 0年 第1四 半 期 ~2 0 1 7年 第2四 半 期 )( 単 位:百 万 人 )
出 所: IAB(2017).
IABの 同 調 査 で は 、 現 時 点 で 詳 細 分 析 が 可 能 な2014年 の 「 雇 用 者 ヒ ス ト リ ー デ ー タ
(BeH)」 を 用 い て 、「 社 会 保 険 加 入 義 務 の あ る 雇 用 労 働 者 」 と 「 副 業 者 ( こ こ で は 官 吏 や 自
営 業 者 は 含 ま な い )」 の 分 析 を 行 っ て い る 。 そ れ に よ る と 、2014年 は 、209万 人 の 副 業 者 が
い た 一 方 で 、 単 一 の 仕 事 し か し て い な い 者 は2,914万 人 で あ り 、 雇 用 労 働 者 全 体 ( 約3,123
13
Sabine Klinger und Enzo Weber (2017). 14
ドイツ統計局によると、2017年第2四半期の就業者数は約4,421万人であった。従って、当該時期に307万人 が副業をしている場合、就業者全体に占める割合は約6.9%相当と思われる。
(https://www.destatis.de/DE/PresseService/Presse/Pressemitteilungen/2018/02/PD18_046_13321.html) 15
ドイツの公務員は、主として公権力の行使に携わる「官吏(Beamte)」と、私法上の雇用関係にある「公務被 用 者(Tarifbeschaftigte)」 と に 分 け ら れ る。「 官 吏 」 は、 団 結 権 は 保 障 さ れ て い る も の の、 給 与 等 は 法 定 さ れ るため協約締結権はなく、争議権も認められていない。団体交渉を通じて賃金等を決定する「公務被用者」は、 民間労働者と同様に、三権ともに保障されている(平成23年人事院白書)
万 人 ) に 副 業 者 が 占 め る 割 合 は6.7%で あ っ た 。 そ し て 、 す で に 冒 頭 で 述 べ た 通 り 、IABが
算 出 し た こ の6.7%と い う 副 業 者 の う ち 、90%が ミ ニ ジ ョ ブ の 枠 内 で 副 業 を し て い た 。
ま た 、IABの 分 析 で は 、副 業 者 は 、全 年 齢 階 級 で 女 性 の 方 が 多 く 、中 高 年 層 (40~ 50歳 )
が 占 め る 割 合 が 最 も 多 か っ た ( 図 表2-3)。 ま た 、 本 業 の 収 入 が 低 い 方 が 、 そ し て 、 フ ル タ
イ ム よ り も パ ー ト タ イ ム 労 働 者 の 方 が 、 副 業 を す る 確 率 が 高 か っ た 。
図 表2 - 3 副 業 者 が 雇 用 労 働 者 全 体 に 占 め る 割 合 ( 性 別 、 年 齢 階 級 別 ) 2 0 1 4年
出 所: IAB(2017).
2 . 複 数 就 業 に 係 る 法 令 上 の 位 置 づ け
ド イ ツ で は 、 副 業 に 関 し て 雇 用 契 約 等 で の 制 限 は 見 ら れ る が 、 理 由 を 問 わ な い 一 律 の 全 面
禁 止 は 、 認 め ら れ て い な い ( 無 効 で あ る ) 16
。
使 用 者 は 「 正 当 な 利 益 」 に 影 響 を 及 ぼ さ な け れ ば 、 従 業 員 の 副 業 に 同 意 す る 義 務 が あ る 。
た だ し 、 こ れ は 裏 を 返 す と 、 従 業 員 が 「 競 合 他 社 で 副 業 す る 場 合 」「 類 似 事 業 を 立 ち 上 げ て
使 用 者 の 競 争 相 手 に な る 場 合 」「 副 業 で 無 理 を し て 本 業 で 能 力 を 出 し 切 れ な い 場 合 」 等 は 、
副 業 を 認 め な く て も 良 い と い う こ と で も あ る 。
ま た 、 労 働 法 上 は 、1つ の 職 に 専 念 す る 従 業 員 と 副 業 者 は 、 同 等 の 労 働 者 と し て の 請 求 権
を 有 す る 。 こ れ に は 、 病 気 に な っ た と き や 母 性 保 護 期 間 中 の 賃 金 継 続 支 払 い 、 有 給 休 暇 の 請
求 権 の ほ か 、 企 業 に よ っ て 異 な る 休 暇 手 当 や ク リ ス マ ス 手 当 等 の 請 求 権 も 含 ま れ る 17
。
な お 、連 邦 休 暇 法 (BUrlG) 18
に 基 づ く 休 暇 中 、休 暇 の 目 的 に 反 す る 副 業 ( 雇 用 、請 負 、自
営 を 問 わ ず ) は 原 則 と し て 禁 止 さ れ て い る 19
。
16
“Nach der Arbeit ist vor der Arbeit” stuttgarter-nachrichten.de(06. November 2017). 17
同上。 18
労働者の休暇を定めた法律で、6カ月以上の就業継続期間がある労働者は1年につき24日以上の年次有給休暇 を取得できる(同法3条、4条)ことなどが規定されている。
19
第 2 節 複 数 就 業 者 に 対 す る 労 働 時 間 ・ 健 康 管 理 の 考 え 方 2 0
1 . 労 働 時 間
労 働 者 の 健 康 管 理 上 の 配 慮 か ら 、 労 働 時 間 の 上 限 規 制 が あ り 、 本 業 と 副 業 は 合 算 さ れ る 。
し か し 、「 自 営 」 で 副 業 を す る 場 合 は 、 労 働 時 間 に カ ウ ン ト さ れ な い 21
。
( 1 ) 労 働 時 間 規 制 に お け る 通 算 の 有 無
労 働 時 間 法 22
(ArbZG)2条1項 に 基 づ き 、 複 数 の 使 用 者 の 下 で 働 く 労 働 者 の 労 働 時 間 は
通 算 さ れ る 。2015年 に 法 定 最 低 賃 金 が 導 入 さ れ て か ら 、 使 用 者 は 全 て の 労 働 時 間 を 記 録 す
る 義 務 を 負 っ て い る 。 使 用 者 は 、 通 常 の 社 員 で あ れ 、 ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 で あ れ 、 出 勤 記 録 を
残 し 、給 与 台 帳 に 記 帳 し な け れ ば な ら な い 。 最 低 法 定 賃 金 の 時 給8.84ユ ー ロ(2018年 時 )は 、
ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 に も 適 用 さ れ る 。 さ ら に ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 は 、 通 常 の 従 業 員 と 同 じ 権 利 を
有 し て お り 、 有 給 休 暇 の 権 利 と 病 欠 時 と 祝 日 を 含 め た 給 与 支 払 い 継 続 が 保 証 さ れ る 。
図 表2 - 4 同 日 に2カ 所 の 使 用 者 ( A ・ B ) の 下 で 働 く 労 働 者Xの 場 合
労 働 者Xの1日 の 労 働 時 間
0 – 6時 間 6 – 8 時 間 8 – 10 時 間
使 用 主A 使 用主B
例 え ば 、 図 表2-4の よ う に 働 く 労 働 者Xの 場 合 が 考 え ら れ る 。 こ の 場 合 、 使 用 者Bは 同
日 の 早 い 時 間 に 労 働 者Xが す で に 使 用 者Aの た め に 働 い て い た こ と を 知 ら な く と も 、 労 働
時 間 が 合 算 さ れ て 、 労 働 時 間 法 の 上 限 に 違 反 し て 労 働 者 を 働 か せ て し ま う 危 険 性 が あ る 。 使
用 者Aと 使 用 者Bは 、従 業 員 の 勤 務 時 間 に つ い て 互 い に 通 知 す る 義 務 は な い 23
。 従 っ て 、使
用 者 は こ う し た リ ス ク を 避 け る た め に 、 他 の 使 用 者 の た め に 働 い た 労 働 時 間 を 従 業 員 は 使 用
者 に 通 知 し な け れ ば な ら な い こ と を 雇 用 契 約 の 中 で 明 記 す る こ と が 必 要 に な る だ ろ う 24
。 つ
ま り 、 使 用 者 は 労 働 者 に 対 し て 副 業 の 有 無 や そ の 労 働 時 間 等 に つ い て 申 告 を 求 め る 権 利 を 有
し て お り ( 照 会 権 、質 問 権 ) 25
、例 え ば 労 働 者 に 対 し て 雇 用 契 約 で 、「 副 業 ( 兼 職 ) 届 け 」、「 勤
務 時 間 ( 記 録 )」、 兼 職 先 の 「 源 泉 給 与 税 控 除 証 (ELStAM)」、 等 の 情 報 提 供 を 求 め る こ と に
よ り 、 リ ス ク を 回 避 す る こ と が で き る 。
20
労働時間法の解説等については、JILPT労働政策研究報告書No.36『諸外国のホワイトカラー労働者に係る労 働時間法制に関する調査研究』第2章(橋本陽子執筆部分)を参考にした。また、副業者に対する法規制の考 え 方 に つ い て は、 根 本 到「 副 業 を め ぐ る 法 的 規 制 と 労 働 者 の 私 生 活 の 自 由 」『 日 本 労 働 研 究 雑 誌 No.522/July
2006』を参考にした。 21
Baeck/Deutsch ArbZG/Baeck/Deutsch ArbZG § 2 No. 17. 22
「Arbeitszeitgesetz(ArbZG)」(最終改正: 11. November 2016) (https://www.gesetze-im-internet.de/arbzg/BJNR117100994.html). 23
Baeck/Deutsch Arbzg /Baeck /Deutsch ArbZG §16 No. 31. 24
Baeck/Deutsch ArbZG/ Baeck /Deutsch ArbZG §16 No. 30. 25
( 2 ) 通 算 の 範 囲 、 手 段
労 働 時 間 法 (ArbZG)3条 に 基 づ き 、 本 業 と 副 業 を 合 算 し た 労 働 時 間 は 、 原 則 と し て1日 8時 間 を 超 え て は な ら な い 。 た だ し 、6カ 月 以 内 ま た は24週 間 以 内 の 平 均 で1日 8 時 間 を
超 え な い 場 合 に 限 り 、1日 10時 間 ま で 延 長 す る こ と が で き る 。 ま た 、ArbZG 7条 に 基 づ き 、
1週 間 当 た り48時 間 を 超 え て は な ら な い が 、 こ れ に つ い て も 一 定 の 条 件 下 で 延 長 が 可 能 で
あ る 。 例 え ば 変 形 労 働 時 間 制 の 場 合 、 最 大 で 週 に10×6=60時 間 ま で 働 く こ と が 許 容 さ
れ る 。6カ 月 間 の 調 整 期 間 は 、 協 約 や 協 約 の 開 放 条 項 を 通 じ て 、 事 業 所 協 定 に よ る 延 長 が 可
能 で あ る (ArbZG 7条1項1号b)。
な お 、ArbZG5条 が 規 定 す る 「1日 の 労 働 時 間 が 終 了 し た 後 に 最 低11時 間 の 連 続 し た 休
息 時 間 が 与 え ら れ な け れ ば な ら な い 」と い う 連 続 休 息 時 間( イ ン タ ー バ ル 規 制 )に つ い て は 、
副 業 を し た 場 合 に こ の 規 定 が ど の よ う に 適 用 さ れ る か に つ い て は 明 ら か に な っ て い な い 。 諸
説 あ り 、 そ れ ぞ れ の 就 業 に つ い て 休 息 時 間 が 確 保 さ れ る こ と で 足 り る と い う 見 解 も あ る が 、
非 労 働 時 間 が11 時 間 以 上 確 保 さ れ る こ と を 求 め る 見 解 が 有 力 で あ る 26
。 同 じ く 、副 業 に よ っ
て 法 定 労 働 時 間 を 超 過 し た 場 合 に い ず れ の 使 用 者 が 責 任 を 負 う の か に つ い て も 、 ① 本 業 の 使
用 者 が 常 に 責 任 を 負 う 、 ② 後 か ら 労 働 契 約 を 締 結 し た 使 用 者 が 責 任 を 負 う 、 ③ 労 働 時 間 の 順
序 に 関 係 な く 労 働 時 間 を 違 法 に 超 過 し た 場 面 の 使 用 者 が 責 任 を 負 う 、 な ど 諸 説 あ る 。 現行法
上、労働時間違反は、使用者のみに罰則が設けられているが、労働者の副業を使用者が知らな
いことも多く、使用者の故意・過失認定は困難を伴うため、制度上の問題とする見解もある
27 。
( 3 ) 履 行 義 務 者
労 働 時 間 法 (ArbZG)16条 に 基 づ き 、 使 用 者 は 、1日 の 所 定 労 働 時 間 を 超 え る 時 間 を す
べ て 記 録 す る 義 務 を 負 う 。
労 働 時 間 の 記 録 は 労 働 者 の 申 告 に 委 ね ら れ 、 労 働 者 に 正 確 な 自 己 申 告 を 行 わ せ る 義 務 を 使
用 者 が 負 う こ と を 事 業 所 協 定 で 明 記 す べ き で あ る と さ れ て い る 28
。
同 文 脈 に お い て 、 労 働 者 側 が 、 副 業 に よ る 合 算 し た 労 働 時 間 を 故 意 に 申 告 せ ず 、 労 働 時 間
法 に 違 反 し た 場 合 、 使 用 者 か ら の 解 雇 理 由 と な る 可 能 性 が あ る 29
。
( 4 ) 履 行 確 保
使 用 者 が 労 働 時 間 法 に 違 反 し た 場 合 は 、ArbZG 22条 、23条 に 基 づ き 、 過 料 及 び 罰 金 刑
が 科 さ れ る 。
26
根本到「副業をめぐる法的規制と労働者の私生活の自由」『日本労働研究雑誌 No.522/July 2006』p.19。なお、
11時間の休息時間(インターバル)を、労使あるいは使用者間でどのように設定するかについて、具体的な事 例が記載された文献は見つからなかった。
27
同上。 28
JILPT労働政策研究報告書No.36『諸外国のホワイトカラー労働者に係る労働時間法制に関する調査研究』第
2章(橋本陽子執筆部分)p.92. 29
2 . 健 康 管 理
労 働 者 の 健 康 配 慮 義 務 に 関 す る ル ー ル ( ど の 事 業 所 が 義 務 を 負 う か )
労 働 保 護 法 30
(ArbSchG)3条1項 で 、「 労 働 に 際 し て 労 働 者 の 安 全 衛 生 に 影 響 を 及 ぼ す 状
況 を 考 慮 し て 、 必 要 な 労 働 災 害 防 止 対 策 を 講 ず る 義 務 を 負 う 」 と 規 定 さ れ て い る よ う に 、 原
則 と し て 使 用 者 は 、 従 業 員 の 健 康 管 理 に 責 任 が あ る 。
同 法 は 、1人 の 従 業 員 が 異 な る 使 用 者 の た め に 働 い て い る ケ ー ス を 、 明 示 的 に 規 定 し て い
な い 31
。 派 遣 労 働 者 の よ う に 、 使 用 者 と 労 働 場 所 が 異 な る 場 合 に は 、 使 用 者 双 方 が 協 力 し な
け れ ば な ら な い こ と は 一 般 に 認 め ら れ て い る 。 し か し 、 判 例 で は 、 従 業 員 が 自 分 の 意 思 で 副
業 を し て い る よ う な 場 合 に は 、 使 用 者 同 士 が 協 力 す る と い う 義 務 は 殆 ど 成 立 し な い 。 結 論 と
し て 、 各 使 用 者 は 、 自 分 の 職 場 ( そ れ ぞ れ の 影 響 力 の 領 域 ) に 限 定 さ れ た 配 慮 義 務
(Fürsorgepflicht) を 負 う と い う 見 解 が 有 力 で あ る 32
。
第 3 節 労 働 保 険 ・ 社 会 保 険 の 適 用 と 給 付 の 考 え 方 及 び そ の 実 務
1 . 制 度 の 概 要
適 用 と 給 付 の 考 え 方 、 そ の 実 務
労 働 者 ( 従 業 員 ) は 、 一 般 的 に 社 会 保 険 負 担 の 対 象 に な る 。 し か し 、 す で に 冒 頭 で 説 明 し
た 通 り 、 ミ ニ ジ ョ ブ で 働 く 場 合 、 月 収450 ユ ー ロ 以 下 で あ れ ば 、 社 会 法 典 第4編 33
(SGB
IV)8条 に 基 づ き 、 所 得 税 、 社 会 保 険 の 労 働 者 負 担 分 が 免 除 さ れ る ( 年 金 保 険 に つ い て は 、
原 則 加 入 の 義 務 対 象 だ が 、 使 用 者 に 書 面 で 適 用 除 外 申 請 を す れ ば 免 除 さ れ る )。 し か し 、 使
用 者 に つ い て は 免 除 さ れ な い 。 こ れ は 、 保 険 料 負 担 を 逃 れ る 目 的 で ミ ニ ジ ョ ブ が 利 用 さ れ る
こ と を 回 避 す る た め で あ る 。 使 用 者 は 、 ミ ニ ジ ョ ブ で あ っ て も 、 年 金 保 険 料 と し て 賃 金 の
15%、 健 康 保 険 料 と し て13%、 及 び 税 金2%の 計30%を 負 担 す る 。
2 . 保 険 の 適 用
複 数 就 業 者 に 関 す る 各 保 険 の 取 扱 い
ミ ニ ジ ョ ブ 以 外 で 副 業 を す る 労 働 者 ( 自 営 を 除 く ) は 、 図 表2-5の 通 り 、 通 常 は 社 会 保 険
に 加 入 し て 労 使 で 保 険 料 を 負 担 し 、 そ れ ぞ れ に 対 応 し た 被 保 険 者 の 請 求 権 も 獲 得 す る 。
し か し 、ミ ニ ジ ョ ブ は 、社 会 保 険 の 労 働 者 負 担 分 が 免 除 に な る 分 、社 会 保 険 ( 医 療 、介 護 、
失 業 ) は 適 用 除 外 と な る 。 た だ し 、 使 用 者 の み が 保 険 料 を 負 担 す る 労 災 保 険 は 適 用 さ れ る 。
な お 、 健 康 保 険 に つ い て は 、 事 業 者 が 保 険 料 を 負 担 し て も ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 が 医 療 給 付 請 求
30
「労働安全衛生法」とも言われる。「Arbeitsschutzgesetz(ArbSchG)」(最終改正: 31. August 2015 ) (https://www.gesetze-im-internet.de/arbschg/BJNR124610996.html)。
31
Schack,Kollmer/Klindt/Schucht,Arbeitsschutzgesetz,ArbSchG No. 37-44. 32
Schüren/Hamann /SchürenAÜG§11 Rn. 134. 33
権 を 得 る こ と は な い 34
が 、年 金 保 険 に つ い て は 、年 金 給 付 の 算 定 基 礎 と な る 報 酬 点 数 へ 反 映
さ れ る 仕 組 み に な っ て い る 35
。
複 数 の ミ ニ ジ ョ ブ に 従 事 し て い る 場 合 は 、 合 算 さ れ 、 月 額450 ユ ー ロ を 超 え る と 、 社 会
保 険 加 入 義 務 が 発 生 す る 36
。 ま た 、 社 会 保 険 加 入 義 務 が あ る 本 業 を し な が ら 複 数 の ミ ニ ジ ョ
ブ を 行 う 場 合 、1つ を 除 い て 本 業 の 収 入 と 合 算 す る こ と と さ れ る ( 収 入 通 算 ) 37
。
図 表2 - 5 ド イ ツ の 社 会 保 険 負 担 率 ( 2 0 1 7 )
年 金 保 険 18.7% ( 労9.35%、 使9.35%)
健 康 保 険 14.6% ( 労7.3%、 使7.3%)
雇 用 保 険 3.0% ( 労1.5%、 使1.5%)
介 護 保 険 2.55% ( 労1.275%、使1.275% )
労 災 保 険 1.19% ( 使 用 者 の み 負 担 )
出 所: Germany Trade & Invest(2017).
3 . 労 災 給 付
複 数 事 業 所 で 勤 務 す る 者 の 労 災 保 険 の 給 付 の 取 扱 い
労 災 保 険 の 負 担 義 務 は 、使 用 者 の み に 課 さ れ て い る( 図 表2-5)。ま た 、社 会 法 典 第7編(SGB
VII)2条 に 基 づ き 、ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 も 含 む す べ て の 労 働 者 は 、労 災 保 険 の 被 保 険 者 で あ り 、
労 災 が 起 き た 場 合 、 従 前 賃 金 の 約8割 の 傷 病 給 付 (Verletztengeld) が 支 払 わ れ る (SGB
VII 45条 、47条 )。
例 え ば 、 使 用 者Aと 使 用 者Bに 雇 用 さ れ て 兼 業 し て い る 労 働 者Xが 労 災 に 遭 い 、 ど ち ら
の 仕 事 も 続 け ら れ な い 場 合 、 休 業 ( 補 償 ) 給 付 の 額 は 、 使 用 者AとBの 双 方 か ら 得 る 合 計
収 入 を 基 に 計 算 さ れ る 。 他 方 、 労 働 者Xが 労 災 に 遭 い 、 使 用 者Aの 仕 事 は 継 続 で き る が 、
使 用 者Bの 仕 事 は 継 続 で き な い 場 合 、 原 則 と し て 使 用 者Bの 収 入 の み に 基 づ い て 給 付 さ れ
る 38
。
34
健康保険は、被保険者資格を得た場合、完全給付が発生するが、事業者負担のみでは被保険者資格が得られな いため、給付請求権は発生しない。
35
衣 笠 葉 子「 非 正 規 労 働 者 へ の 被 用 者 保 険 の 適 用 拡 大 の 在 り 方 と 法 的 課 題 」『 日 本 労 働 研 究 雑 誌No. 659/June
2015』p.54. 36
例 え ば2つ の ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 を し て い て、1つ が 月 額300ユ ー ロ、 も う1つ が 月 額200ユ ー ロ で 合 計 月 額 が
500ユーロの場合、労働者は両方のミニジョブの社会保険料を負担しなければならない(ただし、年間で2つ のミニジョブの平均月額が450ユーロ以下になる場合は、社会保険を負担しなくても良い)。
37
同上。 38
お わ り に
冒 頭 に 紹 介 し たIABの 調 査 39
(2017年 ) の 通 り 、ド イ ツ の 副 業 者 の9割 は 、本 業 に プ ラ ス
し て 月 収450ユ ー ロ 以 下 の ミ ニ ジ ョ ブ の 枠 内 で 副 業 を し て い る 。 同 調 査 の 分 析 に よ る と 、
副 業 者 に は 女 性 や 中 高 年 層 が 多 い 。 ま た 、所 得 の 観 点 か ら 見 る と 、賃 金 分 布 全 体 に わ た っ て 、
フ ル タ イ ム 就 業 者 よ り も パ ー ト タ イ ム 就 業 者 の 方 ( 本 業 の 収 入 が 低 い 者 ) が 、 も う 1 つ 別 の
仕 事 を 行 っ て い た 。
ミ ニ ジ ョ ブ に 対 す る 考 え 方 は 、 労 使 で 異 な る 。 ド イ ツ 使 用 者 団 体 連 盟 (BDA) は 、「 闇 労
働 ( 社 会 保 険 料 負 担 な ど か ら 逃 れ る 目 的 で 届 出 な し に 行 わ れ る 労 働 ) の 防 止 に 重 要 な 役 割 を
果 た し て い る 」 と し て 評 価 し て い る 。 一 方 、 ド イ ツ 労 働 総 同 盟 (DGB) は 「 社 会 保 険 義 務
の あ る 雇 用 を 空 洞 化 さ せ 、 低 賃 金 セ ク タ ー を 固 定 ・ 拡 大 さ せ る 要 因 に な っ て い る 」 と し て 、
批 判 的 に 捉 え て い る 。IABも 上 述 調 査 の 分 析 の 結 果 、ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 の 社 会 保 険 負 担 免 除
は 、 低 所 得 者 の 副 業 を 加 速 さ せ 、 公 平 性 を 欠 い た 制 度 だ と し て 懐 疑 的 な 立 場 を と る 。 そ の 理
由 と し て 、 ① ミ ニ ジ ョ ブ に よ る 税 ・ 社 会 保 険 制 度 の 免 除 は 、 低 所 得 者 だ け で な く 、( 社 会 政
策 上 支 援 が 不 要 な ) 高 所 得 者 も 恩 恵 を 受 け る 点 、 ② ミ ニ ジ ョ ブ の 所 得 が 収 入 に お い て 重 要 な
位 置 を 占 め る 低 所 得 者 層 に 対 し て は 、 職 業 上 の 持 続 的 な 発 展 が 定 か で な い ( キ ャ リ ア 形 成 が
し づ ら い ) 点 、 ③ 年 金 制 度 の 維 持 に 殆 ど 貢 献 し な い 点 、 ④ ミ ニ ジ ョ ブ 労 働 者 ( 特 に パ ー ト タ
イ ム と ミ ニ ジ ョ ブ の 組 み 合 わ せ で 働 く 女 性 等 ) の 老 後 の 貧 困 リ ス ク が 増 す こ と に な る 点 、 な
ど を 挙 げ て い る 。 調 査 を 統 括 し たIAB の エ ン ゾ ・ ヴ ェ ー バ ー 氏 は 、「 重 要 な の は 、 本 業 で 収
入 を 得 る 可 能 性 を 向 上 さ せ る こ と で あ り 、 本 業 に 専 念 し 、 本 人 が 望 む 労 働 時 間 で 働 き 、 キ ャ
リ ア 形 成 を 構 築 す る こ と が 、 老 後 の 貧 困 リ ス ク を 減 ら す こ と に も つ な が る 。 低 所 得 者 に 対 し
て は 、 通 常 の 税 ・ 社 会 保 障 上 の 優 遇 措 置 で 対 応 が 可 能 で あ り 、 ミ ニ ジ ョ ブ を 通 じ て 税 ・ 社 会
保 険 料 を 免 除 す る こ と は 、 誤 っ た 道 へ 導 く こ と に な る 」 と 結 論 付 け て い る 。
〔 参 考 文 献 〕
・ Die Wahrheit über den deutschen Nebenjob-Boom, WeltN24(04.11.2015).
・ Sabine Klinger und Enzo Weber (2017) Zweitbeschäftigungen in Deutschland-Immer mehr
Menschen haben einen Nebenjob, IAB Kurzbericht(22/2017).
・ Experten wollen Subventionen für Minijobs abschaffen, WeltN24 (18.10.2017). ・ Neumarkter haben immer öfter Nebenjobs, Region Neumarkt(01. November 2017).
・ Zweitjob erlaubt? Nach der Arbeit ist vor der Arbeit, stuttgarter-nachrichten.de(06. November 2017).
・ 衣 笠 葉 子 「 非 正 規 労 働 者 へ の 被 用 者 保 険 の 適 用 拡 大 の 在 り 方 と 法 的 課 題 」『 日 本 労 働 研 究 雑 誌 No.
659/June 2015』。
・ 根 本到 「 副 業 を め ぐ る 法 的 規 制 と 労 働 者 の 私 生 活 の 自 由 」『 日 本 労 働 研 究 雑 誌 No.522/July 2006』。
・ JILPT労 働 政 策 研 究 報 告 書 No.36『 諸 外 国 の ホ ワ イ ト カ ラ ー 労 働 者 に 係 る 労 働 時 間 法 制 に 関 す る 調
査 研 究 』 第2章ド イ ツ ( 橋 本 陽 子 執 筆 部 分 )。
・ 三 菱UFJリ サ ー チ & コ ン サ ル テ ィ ン グ(2011)『 多 重 就 労 者 に 係 る 労 働 時 間 管 理 の 在 り 方 に 関 す る
39
調 査 研 究 報 告 書 ( 富 永晃 一執 筆 部 分 )』。