1 は じ め に
我々ヒトをはじめ生体は,細胞を基本構成単位とし, 個々の細胞内では DNA や RNA,タンパク質など種々の生 体分子が結合・解離など反応,すなわち相互作用すること で生体の機能を維持することが可能となる1).生体分子の 相互作用を検出・分析し,機能を知る「バイオ分析」は, 癌化や細胞死など生体内で起こる事象の詳細を明らかにす ることにつながるほか,生活習慣病や癌,感染症など各種 疾病の診断など幅広い応用が可能である. バイオ分析には,酵素免疫測定法(enzyme-linked immu-nosorbent assay: ELISA)2) やポリメラーゼ連鎖反応(poly-merase chain reaction: PCR)3),ゲル電気泳動法(gel elec-trophoresis)4)が広く利用されている.しかしこれら手法 は,① 操作が煩雑,② 試薬量が多い,③ 感度が低い (ng mL−1オーダー),④ 分析結果を可視化するために色素 や酵素などの試薬を用いて染色・標識する必要がある,と いう問題があった. 前述した問題を解決するために,近年では半導体微細加 工技術を駆使し,流路やポンプ,バルブを数 cm 角のチッ プ上に搭載した分析システム「micro total analysis system (μTAS)」が開発され,操作の簡便化,試薬量軽減,高感度 化に成功している5)∼8).しかし,これまでに開発されてい るデバイスの多くは,既存の分析手法を微小な反応場で実 現しているものが主であり,染色・標識操作が必要という 点は解決されていない.加えて,近年のバイオ分析におけ る傾向として,分子レベルでの生体分子の相互作用を検出 可能なデバイスに対する要求が高まっている9)∼11). 著者らは,前述した課題の解決及び要求に応えるため に,ナノメートルサイズの構造より観察される光学特性を 利用した新しいバイオ分析デバイスの開発に取り組んでい る.その成果を本総合論文の場を借りて紹介する.2 ナノフォトニクスを駆使したバイオ分析デバイ
スの開発
ナノメートルサイズの構造より観察される光学特性を用 いて光デバイス機能の発現や微細な光加工を行う研究領域 が「ナノフォトニクス」である12).ナノフォトニクスは, 通信13)や太陽光発電14),ストレージ15)など我々の生活にか かわるデバイスの性能を凌駕することが期待され,盛んに 研究が進められている. 金や銀など貴金属ナノ構造より発現される局在表面プラ ズモン共鳴(localized surface plasmon resonance: LSPR)16) や,半導体ナノ構造によって発現する量子ドット(quan-tum dots: QDs)17),誘電体ナノ構造より発現されるフォト ニック結晶(photonic crystal: PhC)18)のように,ナノメー トルサイズの構造より観察される光学特性は,材料物性・ サイズ・形態に依存する.加えて,著者らが新しいバイオ 分析デバイスを開発するために,これら光学特性に着目し た理由は, ① 抗原抗体反応など生体分子相互作用に起因 する周辺の屈折率変化やナノ構造の形態変化に対して鋭敏 に光学特性変化を示す点,② 個々のナノ構造が非常に微 小なサイズである点にある.これは前述した課題である染ナノフォトニクスを基盤技術としたバイオ分析デバイスの開発
遠藤 達郎
1 生体内では,DNA やタンパク質など種々の生体分子が相互作用することで機能維持を実現することがで きる.これら生体分子の相互作用を検出し,分析を行う技術を開発することは,生命現象の理解に加え,将 来の医療や創薬への応用につながる.しかし,既存の分析技術・装置では蛍光物質や酵素を標識する方法が 一般的であり,操作が煩雑という問題があった.本総合論文では,これらの問題を解決するためにナノメー トルサイズの構造より観察される光学特性を応用する技術である「ナノフォトニクス」を駆使した新規バイ オ分析デバイスの開発について群術する.ナノメートルサイズの構造は,量子サイズ効果によってバルク状 態とは異なる光学・電気・磁気特性を示すことが知られている.特に光学特性は,周囲の屈折率変化に対し て鋭敏に変化を示すことから,標識操作を行うことなく DNA ハイブリダイゼーションや抗原抗体反応など 生体分子間相互作用によって生じる屈折率変化を高感度に検出可能となり,これまでのバイオ分析技術・装 置の性能を大幅に向上させることが期待できる. © E-mail : [email protected] 1 大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分 野 : 599-8531 大阪府堺市中区学園町 1-1総合論文
色・標識操作が不要となり,将来的に分子レベルでの生体 分子相互作用検出が可能なデバイスが開発可能となる.さ らに,ナノフォトニクスを用いたバイオ分析デバイスは, これまでに開発されてきた表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance: SPR)19)や光ファイバー20),光導波路 (optical waveguide)21)を用いたバイオ分析デバイスよりも 更なる高感度化が期待できる. これら特徴から,以下に著者らがこれまでに開発したバ イオ分析デバイスの成果について述べる.
3 局在表面プラズモン共鳴を用いたバイオ分析デ
バイスの開発
LSPRは,特異的な吸収帯を可視領域中に観察すること ができ,それはバルク状態の貴金属とは異なる色彩を呈す る.近年では,貴金属ナノ粒子より観察される色彩を利用 した医療診断デバイスが実用化されている.加えて,貴金 属ナノ構造周辺で屈折率変化が起こると,光吸収特性が変 化することから,その変化量を測定することで,生体分子 相互作用を検出・分析することが可能となる. 本項では,著者らが開発した LSPR を検出原理としたバ イオ分析デバイスについて述べる. 3・1 コア・シェル型プラズモニックバイオ分析デバイス LSPRを検出原理として用いたバイオ分析デバイスは, 貴金属ナノ粒子を用いたものが多く報告されている22).著 者らは,これまでに報告されている貴金属ナノ粒子を用い 収ピーク波長 : 520 nm)が可能であり,上下金層の厚さを 制御することで観察される色彩,すなわち吸収ピーク波長 を制御することが可能である.さらに誘電体ナノ粒子であ るシリカナノ粒子が LSPR 電場を増強させる役割を果たす ことから29),これまでに報告されている LSPR を検出原理 として用いたバイオ分析デバイスよりも更なる高感度化 (検出限界 : pg mL−1オーダー)を実現することに成功して いる. 著者らは,コア・シェル型ナノ構造基板を用いてこれま でに,腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor: TNF)に関与 する DNA の高感度検出(検出限界 : 1 pM)24)や,ペプチド 核酸(peptide nucleic acid: PNA)─DNA ハイブリダイゼーション,抗原抗体反応を用いた血液凝固因子23),細胞代謝 産物27)の高感度検出に成功している. またコア・シェル型ナノ構造基板より励起される LSPR が,高感度に生体分子間相互作用を検出可能な点を利用 し,多項目同時分析が可能なマルチバイオ分析デバイス [Fig. 1(b)]を作製し,特性評価を行った25).作製したバ イオ分析デバイスは,25×75 mm のサイズに最大 300 項目 のタンパク質相互作用分析が可能なチップ構造を有し,こ れまでに報告されている LSPR を検出原理として用いたバ イオ分析デバイスの中でも分析可能項目数が世界最多であ る. さらに著者らは,試料溶液の塗布,特性評価にディスペ ンサーをベースマシンとして使用・半自動化することで, 各操作ステップ数を飛躍的に削減した多項目同時分析シス テムを開発することに成功した.本バイオ分析デバイス及 びシステムは,一連の操作をコンピューター上で操作可能 であり,一検査項目に必要な試料溶液が pL オーダーと少 なく,抗原抗体反応を多項目解析可能とすることで,抗体 医薬をはじめとするスクリーニング用途に応用可能であ り,また,健康診断項目の検出・定量も可能である. 3・2 貴金属ナノ粒子包含ハイドロゲルを用いたバイオ 分析デバイス 著者らは,コア・シェル型ナノ構造基板を用いたバイオ 分析デバイス開発に加え,高分子保護銀ナノ粒子を用いた 新しい分析デバイス開発も行っている.ここでは,保護層 として poly(vinylpyridine)(PVP)を被覆させた銀ナノ粒子 Fig. 1 (a) Schematic illustration of a core-shell
structured nanoparticle layer substrate for LSPR excitation. (b) Photograph of a core-shell structured nanoparticle layer substrate for multiple bioanalysis.
(粒径 : 20 nm)及び酸化酵素を刺激応答性ハイドロゲル中 へ包含させたバイオ分析デバイス(Fig. 2)を開発した30). 著者らは,PVP 保護銀ナノ粒子が長期安定性に優れ,過 酸化水素と反応することで LSPR によって観察される色彩 が変化することを見いだした31)32).PVP 保護銀ナノ粒子 は,目視にて黄色の色彩(吸収ピーク波長 : 408 nm)が観 察される.ここへ過酸化水素を導入すると,PVP 保護銀ナ ノ粒子が酸化し,色彩が黄色から無色透明へと変化する. これは PVP 保護銀ナノ粒子が,これまでに報告されている 過酸化水素プローブと同様の機能を有していることを示し ている.著者らは,PVP 保護銀ナノ粒子が酸化することで 生じる吸収ピーク強度変化を測定している.しかし PVP 保 護銀ナノ粒子は,溶液中に分散した状態では pH や塩濃度 に依存して容易に凝集・沈殿してしまうことから,著者ら は刺激応答性ハイドロゲル中へ包含させることを着想し た.ハイドロゲル中へ PVP 保護銀ナノ粒子と過酸化水素を 生成する酸化酵素を包含させることで PVP 保護銀ナノ粒 子凝集・沈殿を防ぐとともに,種々の形状を有するバイオ 分析デバイスの作製が可能である. 前述した特徴を利用し,著者らは刺激応答性ハイドロゲ ルとして polyacrylamide[poly(AAm)]を用い,ゲル中に PVP保 護 銀 ナ ノ 粒 子 と グ ル コ ー ス 酸 化 酵 素(glucose oxidase: GOx)を包含させたバイオ分析デバイスを作製 し,目視で高感度にグルコース検出・定量することに成功 した.本バイオ分析デバイスは,酵素反応によって刺激応 答性ハイドロゲル内の浸透圧が変化し,試料溶液を内部に 取り込むため[Fig. 2(a)],ゲル中への試料溶液拡散を利 用した場合に比べ,顕著な色彩変化観察・グルコース定量 (定量可能範囲 : pM∼mM オーダー)が可能であった[Fig. 2(b)]. これまでに報告されている LSPR を検出原理としたバイ オ分析デバイスの多くは,コア・シェル型ナノ構造基板を 用いたバイオ分析デバイスと同様に抗原抗体反応や DNA ハイブリダイゼーションのようにナノ構造周囲の屈折率変 化を誘起可能な反応においてのみ検出・定量可能であっ た.本バイオ分析デバイスは,これまで困難であった酵素 反応の検出も可能となる. 現在は,PVP 保護銀ナノ粒子を用いて抗原抗体反応の検 出が可能なバイオ分析デバイスの開発を進めている.本成 果は,安価かつ簡便に測定対象の検出・定量が可能であ り,多項目検査が可能なバイオ分析デバイス開発への発展 が期待できる.
4 フォトニック結晶を用いたバイオ分析デバイス
の開発
著者らは,LSPR を検出原理として用いたバイオ分析デ バイスと並行して,シリコンやガラス,ポリマーのように 誘電体材料がナノメートルサイズで周期的に配列した光デ バイス「PhC」を用いたバイオ分析デバイスの開発を行っ ている. PhCは,基材の物性,周期,サイズを制御することで任 意の波長の光を回折させることができる.近年では PhC の 特性を利用し,光通信33)やレーザー34),太陽光発電35)など 種々の応用を指向した光デバイスの研究が進められてい る.加えて PhC は,LSPR と同様に周囲の屈折率変化に対 して鋭敏に光回折特性変化を示すことから,バイオ分析デ バイスとしての応用が期待されている. 本項では,著者らが開発した PhC を検出原理としたバイ オ分析デバイスとナノインプリントリソグラフィー(nano-imprint lithography: NIL)を基盤技術として考案した光デ バイス作製技術「プリンタブルフォトニクス」について述 べる. 4・1 三次元フォトニック結晶を用いたバイオ分析デバ イスの開発 PhCは,一∼三次元で周期的なナノ構造を有する光デバ イスであり,次元に応じて回折可能な入射光に制限があ る.しかし三次元 PhC の場合は,どの角度から照射した入 Fig. 2 (a) Stimuli-responsive hydrogel-silver nanoparticle composite for detection of enzymatic reactions. (b) LSPR absorbance change due to the introduction of 1 mM glucose.射光でも回折させることが可能という特徴を有する.著者 らは,ポリスチレンナノ粒子を用いて三次元 PhC を作製 し,バイオ分デバイスの開発を行った36). Fig. 3(a)に三次元 PhC を用いたバイオ分析デバイスの 構造概略図を示す.著者らは,粒径 200 nm のポリスチレ ンナノ粒子をガラス基板上へ集積化させた後,poly(AAm) または polydimethylsiloxane(PDMS)で包含させることで バイオ分析デバイスを作製した.本バイオ分析デバイス は,試料溶液を滴下すると,poly(AAm) または PDMS が膨 潤・収縮し,並行して集積化させたナノ粒子間距離が変化 する.このナノ粒子間距離変化によって回折波長が変化 し,観察される色彩が変化することとなる.これは,pH 試 験紙のように試料溶液中の測定対象物質濃度を色彩変化と して目視で検出・定量可能となることを示している. 著者らは,これまでに PDMS を用いて作製した三次元 PhCにて揮発性有機化合物36)の検出・定量に成功している (定量範囲).PDMS は,ベンゼンやトルエン,キシレンな ど有機溶媒の極性に応じて異なる膨潤特性を示す.粒径 200 nmのポリスチレンナノ粒子を用いて作製した三次元 PhCは,約 550 nm にピークが観察されるが,アセトンな 4・2 ポリマー製二次元フォトニック結晶の作製とバイ オ分析デバイスへの応用 前述した三次元 PhC は,簡便かつ色彩の変化を観察する ことでバイオ分析が可能であることを示してきた.しか し,ナノ粒子を高い再現性かつ大面積で集積化させること が困難という課題があった.加えて,一・二次元 PhC を作 製する場合においても,シリコンを基材として用い,電子 線描画装置や反応性イオンエッチング装置のように高額・ 大型の装置で作製する必要があることから,① 材料・作 製コストが高額,② 大面積化・量産が困難,③ シリコン を基材として用いるため可視領域の光を回折させることが 困難という課題があった. この課題を解決するために,電気・電子回路を印刷する 技術である「プリンタブルエレクトロニクス」37)のように 「光デバイスを印刷して作製する」ことを「プリンタブル フォトニクス」を提案するとともに,プリンタブルフォト ニクスを用いて作製したポリマー製二次元 PhC を用いて バイオ分析デバイスの開発を行った. 4・2・1 プリンタブルフォトニクス プリンタブル フォトニクスの基盤技術となる NIL は,金型を介してナノ メートルサイズの構造をポリマーへ転写する技術である. プリンタブルフォトニクスの優位点は,① 金型を用意す れば高い再現性で光デバイスを作製可能な点,② 安価な ポリマーを基材として用いる点,③ 安価な NIL 装置で作 製が可能な点,④ クリーンルームが不要な点にある. 著者らは,企業と連携することでプリンタブルフォトニ クスを用いて二次元 PhC(Fig. 4)を大面積(最大 A4 サイ ズ)で作製することに成功している.加えて PDMS や polyvinyl chloride(PVC),polyethylene glycol diacrylate (PEGDA),polymethyl methacrylate(PMMA)など種々の ポリマーを基材として用いた二次元 PhC の作製に成功 し38),プリンタブルフォトニクスを駆使した光デバイス作 製の有用性を明らかにすることができている. さらにプリンタブルフォトニクスを用いて作製した光デ バイスは,前述した優位点とともに,ポリマーを基材とし て用いることから高い柔軟性を有し,任意の形状に裁断可 能な点もシリコンやガラスを用いて作製した光デバイスと 異なる.これは,バイオ分析デバイス作製にあたり,使用者 が望む形態のデバイスを容易に提供することが可能となる. Fig. 3 (a) Construction and detection principle of a
three-dimensional photonic crystal using polystyrene nanoparticles. (b) Peak shift due to the introduction of acetone.
4・2・2 プリンタブルフォトニクス製二次元フォトニッ ク結晶の作製とバイオ分析デバイスへの応用 著者ら は,プリンタブルフォトニクスを用いて作製したポリマー 製二次元 PhC を用いてバイオ分析デバイスへの応用を 行った.Fig. 5(a)に作製したポリマー製二次元 PhC を用 いた抗原抗体反応の検出手順を示す.ポリマー製二次元 PhCを用いたバイオ分析は以下の手順で行う.① ポリ マー製二次元 PhC を作製する.② ポリマー製二次元 PhC 表面へ抗体の固定化及びブロッキング操作を行う.③ 抗 体固定化ポリマー製二次元 PhC へ試料溶液を滴下し,抗体 と抗原を反応させる.④ 試料溶液を洗浄し,乾燥させる. ⑤ 乾燥させたポリマー製二次元 PhC へ白色光を照射し, 反射スペクトルを測定する. 著者らは,直径・間隔 230 nm のホールアレイ形状を有 するポリマー製二次元 PhC を作製し,上記手順によって抗 原抗体反応を用いてインフルエンザウイルス39)やフィブリ ノーゲン40),インスリン41)の高感度検出に成功している. 作製したバイオ分析デバイスは,波長 500 nm において PhCに由来する特異的な反射ピークを有し[Fig. 5(b)], あらかじめ抗体を固定化し,インフルエンザウイルスなど 抗原と抗体とが結合すると,反射ピーク波長及び強度が変 化する.その変化量は抗原濃度,すなわち PhC 周辺の屈折 率変化に依存するため,変化量を測定することで,抗原濃 度の定量が可能である. ポリマー製二次元 PhC を用いた本バイオ分析デバイス は,インフルエンザウイルス検出事例の場合,イムノクロ マトグラフィーを検出原理として用いたインフルエンザウ イルス検出キットよりも 50 倍低い検出限界濃度(10 pg mL−1)で検出することに成功した.また,溶液中インスリ ンの直接検出・定量することにも成功しており,リアルタ イム検出への応用も可能であることを明らかにしている. またポリマー製二次元 PhC は,サイズや周期を制御する ことで任意の波長の光を回折・反射させることが可能なこ とから,蛍光増強デバイスとしても有用であることを明ら かにしている.著者らは,作製したポリマー製二次元 PhC が,DNA インターカレーターである SYBR Green の励起 光・蛍光を反射させることを見いだし,10 pM と低濃度の DNAにおいても検出することに成功している42).
5 ま と め
このように,著者らはナノフォトニクスを基盤技術とし て用いた新しいバイオ分析デバイス開発に取り組んでき た.ナノフォトニクスを基盤技術として用いることで,既 存の技術よりも高感度なバイオ分析デバイスを開発するこ とができたのは,ナノメートルサイズの構造が周辺屈折率 に対して鋭敏に光学特性が変化するだけでなく,ナノ構造 自体の構造が変化することで生じる光学特性変化も寄与し ているためである. バイオ分析デバイスを開発するにあたり,ナノフォトニ Fig. 4 Construction and photograph of a printablephotonics technology-based photonic crystal
Fig. 5 (a) Schematic illustration of the experimental procedure for detecting of antigen-antibody reaction using a printable photonics technology-based photonic crystal. (b) Reflection peak spectrum of a printable photonics technology-based photonic crystal.
難であった「デバイスと試料溶液界面での選択的抽出・交 換反応を積極的に活用した高性能バイオ分析デバイス」へ と発展させた研究を進めている38). 謝 辞 本総合論文で紹介した研究成果は,科学研究費補助金, 先端計測分析技術・機器開発プログラム,研究成果最適展 開支援プログラム,厚生労働省科学研究委託費,旭硝子財 団,村田学術振興財団,日揮・実吉奨学会によって得られ た成果である.また,大阪大学民谷栄一教授,斎藤真人助 教,トロント大学 Kagan Kerman 博士,九州大学三浦佳子 教授,東京工業大学初澤毅教授, 田保子准教授,横浜国 立大学馬場俊彦教授,東京大学長島優博士など多くの先生 方より多大なるご指導を賜った.ここに謝意を表する. 文 献
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Development of Nanophotonics-based Bioanalytical Devices
Tatsuro E
NDO1E-mail : [email protected]
1
Graduate School of Engineering, Osaka Prefecture University, 1-1, Gakuen-cho, Naka-ku, Sakai-shi, Osaka
599-8531
(Received January 5, 2015; Accepted February 12, 2015)