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目 次 1. 自衛隊衛生の現状に関する説明 自衛隊及び自衛隊衛生の概要 日常の病院前救護と有事における第一線救護 有事における処置 治療 後送体制の概要 2. 第一線救護における適確な救命に関する検討 米軍等の実戦から得られた知見及び第一線救護処置 これまでの検討 1

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(1)

平成27年4月

防衛省

自衛隊の第一線救護における

適確な救命について

(2)

1. 自衛隊衛生の現状に関する説明

○自衛隊及び自衛隊衛生の概要

○日常の病院前救護と有事における第一線救護

○有事における処置・治療・後送体制の概要

2. 第一線救護における適確な救命に関する検討

○米軍等の実戦から得られた知見及び第一線救護処置

○これまでの検討

1

(3)

1.自衛隊衛生の現状に関する説明

(4)

自衛隊の任務と行動

本来任務(自衛隊法第3条の任務) ⇒ 自衛隊法第6章(自衛隊の行動)で規定

○ 主たる任務(第1項)(「直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛すること」) ・ 防衛出動(第76条) ・ 防御施設構築の措置(第77条の2) ・ 防衛出動下令前の行動関連措置(第77条の3) ○ 第1項の従たる任務(「必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」) ・ 国民保護等派遣(第77条の4条) ・ 命令による治安出動(第78条) ・ 治安出動下令前に行う情報収集(第79条の2) ・ 要請による治安出動(第81条) ・ 自衛隊の施設等の警護出動(第81条の2) ・ 海上における警備行動(第82条) ・ 海賊対処行動(第82条の2) ・ 弾道ミサイル等に対する破壊措置(第82条の3) ・ 災害派遣(第83条) ・ 地震防災派遣(第83条の2) ・ 原子力災害派遣(第83条の3) ・ 領空侵犯に対する措置(第84条) ・ 機雷等の除去(第84条の2) ・ 在外邦人等の輸送(第84条の3) ○ 第2項の従たる任務(「主たる任務の遂行に支障を生じない限度」で、「別に法律で定めるところにより」実施) ・ 後方地域支援等(第84条の4第1項、第2項第1号・第2号) ・ 国際緊急援助活動(第84条の4第2項第3号) ・ 国際平和協力業務(第84条の4第2項第4号) いわゆる「国際平和協力活動」

付随的な業務 ⇒ 自衛隊法第8章(雑則)等で規定

・ 土木工事等の受託(第100条) ・ 教育訓練の受託(第100条の2) ・ 運動競技会に対する協力(第100条の3) ・ 南極地域観測に対する協力(第100条の4) ・ 国賓等の輸送(第100条の5) ・ 不発弾等の処理(附則第4項) 3

(5)

自衛隊衛生の任務と組織

○ 自衛隊は、任務遂行の上で、隊員個人の健康水準を最適に保ち、ひいては、集団と

しての最適の健康水準を保つことが必要であるため

自衛隊衛生は、

・平時においては、隊員採用時の身体検査、隊員の診療及び健康診断、保健指導、

メンタルヘルスケア等を担うとともに医薬品等の衛生資材の補給、医療施設の

整備充実等を実施。

・有事においては、部隊と連動して、医療の確保、医薬品等の衛生資材の補給、

傷病者の治療・後送等の任務を担う。

・更に、災害派遣や国連平和維持活動(PKO)、国際緊急援助活動等に医官等の

衛生(科)隊員を派遣。

○ 上記の任務を達成するため、

・各幕に衛生担当部署、内局に大臣官房衛生監及び人事教育局衛生官を設置

・衛生(科)部隊、衛生資材の補給、衛生職域隊員に対する教育、衛生に関する

研究を担う部隊・機関を編成

・全国に自衛隊病院及び駐屯地等に医務室を設置

4

(6)

防 衛 大 臣 平成26年7月1日現在 副 大 臣 政務官(2名) 政策参与(3名以内) 事 務 次 官 (内部部局) 大 臣 官 房 防 衛 政 策 局 運 用 企 画 局 人 事 教 育 局 経 理 装 備 局 地 方 協 力 局   防 衛 研 究 所   情 報 本 部   技 術 研 究 本 部   装 備 施 設 本 部   防 衛 監 察 監   地 方 防 衛 局 統合幕僚長 陸上幕僚長 海上幕僚長 航空幕僚長   防 衛 大 学 校   防 衛 医 科 大 学 校 統合幕僚監部 陸上幕僚監部 海上幕僚監部 航空幕僚監部 (首席後方補給官) (衛生部長) (首席衛生官) (首席衛生官) 衛 生 監 衛 生 官 第 1 術 科 学 校 潜 水 医 学 実 験 隊 補 給 本 部 航空総隊 衛 生 課 保 健 管 理 室 統 合 幕 僚 学 校 自 衛 隊 指 揮 シ ス テ ム 隊 方面隊 中 央 即 応 集 団 自衛隊艦隊 地方隊 教 育 航 空 集 団 練 習 艦 隊 自 衛 隊 地 区 病 院 自 衛 隊 体 育 学 校 自 衛 隊 地 方 協 力 本 部 医 務 室 衛 生 学 校 研 究 本 部 補 給 統 制 本 部 学 校 (衛生 幕僚) 航空支 援集団 航空教育集団 航 空 開 発 実 験 集 団 幹 部 学 校 補 給 本 部 自 衛 隊 中 央 病 院 (医務官) ( 医 務 官 (医務官) 方 面 総監部 師 団 旅 団 補給処 駐 屯 地 業 務 隊 方 面 衛 生 隊 護 衛 艦 隊 等 航 空 集 団 (医務官) (医務官) 気 象 群 輸 送 航 空 隊 航 空 機 動 衛 生 隊 航 空 団 ( 医 務 官 衛 生 部 衛 生 課 衛 生 主 任 幕 僚 等 潜 水 艦 隊 地 方 総 監 部 衛 生 隊 方 面 隊 航 空 混 成 団 航 空 衛 生 隊 衛 生 長 衛 生 課 衛 生 科 病 院 ( 医 務 官 ( 医 務 官 大 湊 飛 行 教 育 団 航 空 教 育 隊 幹 部 候 補 生 学 校 術 科 学 校 ( 医 務 官 衛 生 課 後 方 支 援 連 隊 普 通 科 連 隊 特 科 連 隊 戦 車 大 隊 施 設 大 隊 高 射 特 科 大 隊 ( 医 務 官 札 幌 医 務 室 関 東 補 給 処 用 賀 支 処 装 備 計 画 部 衛 生 課 整 備 部 衛 生 課   航 空 医 学 実 験 隊   補 給 処 横須賀 衛 生 科 岐 阜 富 士 対 特 殊 武 器 衛 生 隊 航 空 衛 生 隊 衛 生 長 三 沢 仙 台 第 一 空 挺 団 後 方 支 援 隊 衛 生 小 隊 中 央 即 応 連 隊 衛 生 小 隊 部 隊 医 学 実 験 隊   航 空 団   警 戒 管 制 団   航 空 隊   作 戦 シ ス テ ム 運 用 衛 生 隊 衛 生 隊 衛 生 隊 衛 生 小 隊 呉 福 岡 佐世保 衛 生 小 隊 衛 生 隊 衛 生 隊 衛 生 隊 衛 生 隊 衛 生 課 補佐官(1名) (医務室 115カ所) (医務室 42カ所) (医務室 27カ所) (医務室 2カ所) (陸上自衛隊) (海上自衛隊) (航空自衛隊) (共同機関) (機関等) 熊 本 衛 生 班 別 府 那 覇 衛 生 隊 衛 生 小 隊 衛 生 班 衛 生 小 隊 衛 生 小 隊 衛 生 班 衛 生 課 舞 鶴 阪 神

衛生関係組織の概要

陸上自衛隊 海上自衛隊 航空自衛隊 共同機関・機関等 5

(7)

凡 例

●:陸

●:海

●:空

佐世保

那覇

福岡

札幌

大湊

三沢

仙台

中央

横須賀

富士

岐阜

阪神

別府

舞鶴

熊本

防医大

凡 例

●:陸

●:海

●:空

佐世保

佐世保

那覇

那覇

福岡

福岡

札幌

札幌

大湊

大湊

三沢

三沢

仙台

仙台

中央

中央

横須賀

横須賀

富士

富士

岐阜

岐阜

阪神

阪神

別府

別府

舞鶴

舞鶴

熊本

熊本

防医大

防医大

区分 名 称 病床数 中央 中 央 500 地 区 病 院 陸 自 札 幌 200 仙 台 150 富 士 50 阪 神 200 福 岡 200 熊 本 100 別 府 50 海 自 大 湊 30 横須賀 100 舞 鶴 50 呉 50 佐世保 50 空 自 三 沢 50 岐 阜 100 那 覇 50 防医大病院 800 中央病院

自衛隊病院・防衛医大病院

医務室

保険診療病院 全国の駐屯地・基地・艦船に設置 自衛隊病院:16か所 防衛医大病院 6

(8)

医療資格を有する自衛官及び救急救命士の養成

( 一 年 課 程 )

( 二 年 課 程 ) 救 急 救 命 士 免 許 取 得 准 看 護 師 免 許 取 得

部隊等

勤 務

部隊等 勤 務

開設場所 定員 陸 札幌・仙台・阪神・福岡病院 100名 海 横須賀病院 35名 空 岐阜病院 15名 開設場所 定員 陸 衛生学校(三宿) 25名 海 横須賀病院 20名 空 岐阜病院 20名 人数は概数 継続(空) 陸 海

医療資格

陸(名)

海(名)

空(名)

合計(名)

500

180

140

820

歯科医官

150

40

40

230

薬剤官

200

40

40

280

看護官(師)

1,000

50

20

1,070

救急救命士

准看護師

450

160

150

760

准看護師

1,500

540

50

2,090

衛生職域には、上記以外にも臨床検査技師、診療放射線技師、歯科技工士等及び衛生運用に従事する隊員が含まれる。 7

(9)

日常の病院前救護

第一線救護

救護対象者

老若男女と幅広い

自衛官

周囲環境

安全

危険

(戦闘防護をしながら救護)

搬送時間

多くは約30分以内

搬送に(医官による処置の介入まで)時間を

要する。

○ 打撲など鈍的外傷が多い

○ 外傷だけでなく多様な疾患にも対処

○ 銃創、破片創など

鋭的外傷

が多い

ベトナム戦の戦傷者の内訳

破片62%

銃弾23%

爆風3% 熱傷6% その他6%

Howard R Champion, et al. A Profile of Combat injury. J Trauma, 2003;54:S13-19を一部改変

落下物等0.8%

銃創0.1%

刺創等3.2%

スポーツ事故 1.4% その他の車両 事故0.9% 機械による 外傷1.2% 重量物による 挟圧1.2% 火災/熱傷3.1% その他3.1% 記載なし6.1% 交通事故38% 転倒20.8% 墜落・転落 20.2% 救急外傷患者の内訳 日本外傷学会、日本救急学会 日本外傷テータバンク 報告2012(2007-2011)

日常の病院前救護と有事の第一線救護との違い

8

(10)

第一線 後送 収容所、野外病院又は艦艇 後送 病院 応急処置 初期外科及び安定化 専門治療 救急救命士 准看護師 等 医官・看護官・薬剤官・臨床検査技師 臨床放射線技師・救急救命士・准看護師 等

○ 銃弾が飛び交う状況での処置

○ 止血・気道確保・創傷処置等の

応急処置

○ 後送中は患者監視を行いつつ

必要に応じ応急処置

○ 後方病院までの後送に耐えうるように

ダメージコントロール手術又は処置

を実施

○ 負傷者を一時期収容可能

○ 専門的な治療

有事における処置・治療・後送体制

医療資格 処置段階 特徴的事項 9

(11)

有事における第一線救護のイメージ

収容所 生命を脅かす問題の除去と後送に耐え得る安定化 止血 気道確保 胸腔穿刺 外科的 気道確保 輸液

第一線

気管内挿管

医官、看護官

外科的気道確保、胸腔穿刺、 骨髄輸液等は実施不可

衛生科隊員

Care under fire

Tactical field care 医療担当艦 基地医療施設 収容所、野外病院

病院

救急処置

応急治療

救急処置

10

(12)

2.第一線救護における適確な救命に関する検討

(13)

7% 31% 25% 10% 5% 1% 9%

中枢神経系の損傷

爆風

/四肢断裂

広範な損傷による

重症感染症及びショック

外科修復可能な体幹の負傷

Howard R Champion, et al. A Profile of Combat injury. J Trauma, 2003;54:S13-19を一部改変

四肢の外傷からの出血

気道閉塞

緊張性気胸

外科修復不能な体幹の負傷

・死因である出血(9%)、気道閉塞(1%)、緊張性気胸(5%)=合計15%は、防ぎ得た死

・医療施設に搬入前に死亡するので、前線での治療が必要。

ベトナム戦における米兵の死因分析

KIA

DOW

KIA (Killed in action) :戦傷により収容施設に到着するまでに死亡した場合

DOW (Died of wound):戦傷を負い施設収容の後に死亡した場合

(14)

対テロ戦争における米兵の死因分析

2001~11年の米軍の対テロ戦争(イラク、アフガン))

976 3040 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 生存可能性

なし

(75%) 生存可能性

あり

(25%)

出血

91%)

気道閉塞

8%)

緊張性気胸

1%)

Brian J Eastrudge, et al. Death on the battlefield(2001-2011). J Trauma Acute Care Surg, 2012;73:S431-437を一部改変

4016人 580人

医療施設内

で死亡

施設搬入前

に死亡

図3 生存可能性ありとされた者の死因

図2 医療施設搬入前に死亡した兵の死因分析の結果

図1 死亡場所

脳損傷 心臓胸部損傷 四肢断裂など

○ 負傷者で死亡した者のうち

87%が医療施設収容前の前線で死亡。

○ うち

25%が生存できた可能性があった。

○ 生存可能性のあった死因は、出血(

91%)、気道閉塞(8%)、緊張性気胸(1%)。

部 位 割合 体 幹 67.3% 結合部 19.2% 四 肢 13.5% (全死亡の2.6%) 止血帯の適応 13

(15)

米軍における衛生兵の手技の拡大による

イラク・アフガン戦での収容前戦死者の改善

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

Russ S et al. Eliminating Preventable Death on the Battlefield. Arch Surg 2011;146(12):1350-1358よりデータ引用

輸液(末梢血管)

輸液(骨髄内)

外科的気道確保

き ょ う く う せ ん し

胸 腔 穿 刺

10.7%

16.4%

死亡率減

1995年

TCCCガイドラインを策定

1998年

75レンジャー連隊の衛生兵等にTCCC

ガイドラインを導入し手技拡大

2001~10年

75レンジャー連隊の搬送前死亡率

10.7%)は、同時期の米軍全部隊の死

亡率(

16.4%)より低い。

2010年

米軍は、全部隊に

TCCCガイドラインの教

育を開始している。

米軍全体

(止血のみ)

第75レンジャー連隊

(手技拡大)

戦傷者

18,681人

死亡者

3,064人

16.4%

戦傷者

262人

死亡者

28人

10.7%

負傷し施設 到着時に生存 負傷し施設 到着前に死亡

TCCC:

Tactical Combat Casualty Care(戦術的戦傷救護)

(16)

区 分 兵士 ライフセーバーコンバット 救護兵

(戦術的医療の概要の理解)

止血

止血帯の使用、直接圧迫止血

気道の確保

あご先挙上・経鼻エアウェイ

ラリンゲアルマスク・エアウェイ、気管挿管

-

-

外科的気道確保(輪状甲状靱帯切開等)

-

-

呼吸

三辺テーピング(開放性気胸の処置)

胸腔穿刺(緊張性気胸の処置)

-

胸腔ドレーン(血胸の処置)

-

-

酸素投与

-

-

循環

ショックの評価

静脈ルートの確保

-

骨髄輸液路確保

-

-

輸液等、輸血

-

-

感染防止

鎮痛

抗生物資(経口・筋注・静脈路)

鎮痛薬(経口等)

モルヒネ(経口・筋注・静脈路)

-○

骨折管理

副子固定

牽引

-

コンバットライフセイバー

:衛生科以外の職種の兵士で応急処置よりも高度の医療技術教育を受けたもの

救護兵

:国家資格であるEMT-B(救急救命士に相当)及び救急医療の教育を受けたもの

米軍における第一線救護処置のリスト(TCCC Skill List)

15

(17)

米軍における戦闘傷病者の管理の分類と処置

分 類

状 況

処 置

Care under fire

・敵の攻撃がある。

・兵士は自身の持参した

救急セットで処置

・四肢出血の止血として止血帯(タニケット)

は最初の治療

Tactical field care

・敵の攻撃の可能性が低い。

・短時間での処置が必要

・衛生兵により医療資源

制約下での処置

・止血処置(被覆、圧迫止血、タニケットコン

バーション)

・輸液(末梢静脈、骨髄内)

・外科的気道確保

・開放性気胸には閉鎖的被覆

・緊張性気胸には胸腔穿刺

・鎮痛処置(フェンタニル等の投与)

・抗生物質の投与

・生命徴候がない負傷者は心肺蘇生の対象

にはならない。

Tactical

Evacuation care

・航空機、車両、艦船による

搬送

・安定化(輸血を含む)しながら後送

16

(18)

25大綱・中期防 (衛生関連部分抜粋)

平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について

Ⅴ 防衛力の能力発揮のための基盤

4 衛生

自衛隊員の壮健性を維持し、各種事態や国際平和協力活動等の多様な任務への対応能力を強化するため、自衛隊病院

の拠点化・高機能化等を進め、防衛医科大学校病院等の運営の改善を含め効率的かつ質の高い医療体制を確立する。ま

た医官・看護師・救急救命士等の確保・育成を一層重視する。

このほか、事態対処時における救急救命措置に係る制度改正を含めた検討を行い、第一線の救護能力の向上や統合機

能の充実の観点を踏まえた迅速な後送態勢の整備を図る。

中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)

Ⅲ 自衛隊の能力等に関する主要事業

3 防衛力の能力発揮のための基盤

(4)衛生

隊員の壮健性を維持し、各種事態や国際平和協力活動等の多様な任務に対応し得る衛生機能を強化するため、自衛隊

病院の拠点化・高機能化や病院・医務室間のネットワーク化を進め、地域医療にも貢献しつつ、防衛医科大学校病院等

の運営の改善も含め効率的かつ質の高い医療体制の確立を図る。また、医官・看護師・救急救命士等の教育を強化し、

より専門的かつ高度な技能を有する要員の確保に努める。このほか、事態対処時における救急救命措置に係る制度改

正を含めた検討を行い、第一線の救護能力の向上や統合機能の充実の観点を踏まえた迅速な後送態勢の整備を図る。

さらに、防衛医学の教育・研究拠点としての防衛医科大学校の機能を強化する。

17

(19)

1991-2000

2001-2010

2011-2014

1994 陸自救急救命士課程 開設(衛生学校) 2007 海自MC協議会設置 2009 空自MC協議会設置 2003.3.20-2011.12.14 イラク戦争 2001.10.7~ アフガン紛争 2010 TCCCガイドラインを米軍全軍に導 入 1997 TCCCガイドライン 特殊部隊に導入 2002 カナダ軍がTCCCガイドラインを アフガン派遣部隊へ導入 2002 武力攻撃事態対処関連3法 自衛隊法改正 「医療法を適用除外」 2001 米特殊作戦軍内に TCCC委員会を設置 2007 TCCC委員会を国防 衛生委員会へ移行 2011 衛生機能強化検討委員会 「MC態勢・体制の整備」 2009 自衛隊病院等在り方検討 委員会報告書 「MC態勢・体制が未整備」 1993-1995 米特殊作戦軍と軍保健医科大学 でTCCCガイドラインの作成 2010 陸自MC協議会設置 1996 海自救急救命士課程 開講(横須賀病院) 1996 空自救急救命士課程 開講(岐阜病院) 2013 適確な救命、 後送体制WG 2013 衛生機能強化 検討委員会 2014 適確な救命 WG

第一線救護における適確な救命に関する検討の経緯

18

(20)

第一線救護における適確な救命のための救護能力の向上

【現 状】

・ 我が国周辺地域の安全保障の課題や不安定要因が増大しており、各種事態の発生に対して自衛隊として

シームレスな事態対処が必要とされている。

・ 日本の医療技術が高度に進歩した状況において、自衛隊衛生に対しても死者0(ゼロカジュアリティ)を目指し

た衛生支援が求められている。

【課 題】

・第一線において、銃弾や爆弾等により負傷した自衛官に対して、収容所や野外病院等へ後送するまでの間に

外科的気道確保、胸腔穿刺等の処置を行うことにより救命率の向上が期待されるが、現在、これらの処置を

自衛隊の衛生科隊員が実施することはできない。

現状と課題

第一線救護能力の向上を図るため、事態対処時における必要な緊急の処置について、現行の課題等を整理

するとともに、必要となる改善策について検討を行う。

○ 外科的気道確保等の必要性についての技術的な検討を進める。

○ 必要な教育訓練について検討し、技術、運用能力の向上を図る。

○ 必要な資器材及び所要を検討し整備する。

今後の方向性

外科的気道確保 きょうくうせんし 胸腔穿刺 19

参照

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