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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

LaGaO_3系電解質薄膜を用いる円筒型固体酸化物形燃 料電池のモジュールに関する研究

渡辺, 直樹

九州大学大学院統合新領域学府オートモーティブサイエンス専攻

https://doi.org/10.15017/26683

出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

LaGaO

3

系電解質薄膜を用いる 円筒型固体酸化物形燃料電池の

モジュールに関する研究

渡邉 直樹

(3)

-1-

目次

第1章 序論

1.1 諸言 5

1.2 燃料電池 6

1.3 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の特徴と構成 8 1.4 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電原理 11 1.5 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の型式 20 1.6 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構成材料 24 1.7 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の低温作動化と家庭用SOFCの開発課題 27

1.8 本研究の目的と論文構成 29

参考文献

第2章 単セルの高性能化に関する研究とスタック化 2.1 アノード集電方法の検討

2.1.1 目的 35

2.1.2 セル作成 35

2.1.3 セル構造 36

2.1.4 発電評価方法 38

2.1.5 結果及び考察 39

2.1.6 発電分布の推定 46

2.2 カソード集電方法の検討

2.2.1 目的 49

2.2.2 セル作成 49

2.2.3 セル構造 49

2.2.4 発電評価方法 50

2.2.5 結果及び考察 51

2.2.5.1 発電性能とインピーダンス解析 51

2.2.5.2 FLUENTを用いた発電特性のシミュレーション 56

2.3 燃料流速の検討

2.3.1 目的 63

2.3.2 実験 63

2.3.3 結果及び考察 64

2.3.3.1 発電性能とインピーダンス解析 64

(4)

-2-

2.3.3.2 FLUENTを用いた電圧分布の解析 73

2.4 スタック化の検討

2.4.1 目的 79

2.4.2 スタック設計 79

2.4.3 発電評価方法 83

2.4.4 結果及び考察 84

2.5 結論 88

参考文献

第3章 低温内部改質の研究

3.1 目的 94

3.2 実験方法 94

3.2.1 実験概要 94

3.2.2 発電評価方法 95

3.2.3 オフガス分析方法 96

3.2.4 FLUENTを用いた発電分布とガス組成の解析 96

3.3 結果及び考察

3.3.1 実験結果 97

3.3.2 電流密度分布に関する考察 103

3.3.3 拡散抵抗に関する考察 108

3.3.4 オフガス組成に関する考察 112

3.3.5 熱移動に関する考察 116

3.4 結論 119

参考文献

第4章 モジュールに関する研究 4.1 熱自立モジュールの設計

4.1.1 目的 124

4.1.2 セルスタック作成 124

4.1.3 熱収支計算 125

4.1.4 モジュール設計 127

4.1.5 モジュール発電評価システム 129

4.1.6 結果及び考察 130

4.2 発電モジュールの発熱量推定

4.2.1 目的 137

4.2.2 発熱量計算 137

(5)

-3-

4.2.2.1 発熱量算出 137

4.2.2.2 モジュールの発熱量算出 138

4.2.2.3 単セルの発熱量算出 139

4.2.3 実験 140

4.2.3.1 セルスタック作成 140

4.2.3.2 単セル発電評価方法 140

4.2.3.3 モジュール試作 140

4.2.3.4 モジュール発電評価方法 140

4.2.4 結果及び考察 141

4.3 モジュールの開発経緯と性能解析

4.3.1 目的 152

4.3.2 開発経緯と性能解析 152

4.4 結論 158

記号・単位 参考文献

第5章 総括 163

謝辞 169

(6)

-4-

第 1 章

序 論

(7)

-5- 1.1 緒言

我が国のエネルギー需要は、人口増加、生活水準の向上、高性能な家電やOA機器の普及 などを反映した民生部門を中心に年々増加傾向にある.民生部門におけるエネルギー消費 は電力とガスが主なエネルギー源であり,いわゆる光熱費である.一方で,「低炭素社会 づくり行動計画」では,CO2などの温室効果ガスを2050年までに現状と比べて60~80%削 減を目標としている.しかし,GDPの3割近くを第2次産業で占める工業国日本が今後も 発展を継続するためには産業部門からのCO2排出量削減には限界がある.中でも電力に対 するCO2排出量削減は大きな割合を占めており,産業部門では電力を創生するための一次 エネルギーの消費効率の向上、民生部門では消費電力を低減する節電機器の導入などで電 力削減(=CO2排出削減)が進められている.また地下資源に代替する一次エネルギーとし て太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを利用するという手段も検討されて いる.

2011年3月11日、東日本大震災が発生し東北地方を中心とした地域が,未曾有の壊滅的 被害を被った.震源地に近い東京電力株式会社の福島原発は非常用を含めた電源が一時ス トップし,危機的な状況に陥った.電源喪失によって原子炉は冷却機能を失い放射性物質 を大量に放出するという事故にまで進展した.これは1980年代にロシアで発生したチェル ノブイリ原発事故と同じ事故レベルであって,世界的にも原子力発電に対する安全性・信 頼性を問われる深刻なものとなった.一刻も早い復興を祈る中で,原子力発電に依存しな い,所謂,脱原発を意識しつつ,且つ,CO2排出低減を両立したエネルギー供給が必要とな った.

以上のような状況下で一般家庭における省エネルギー技術としてのオンサイト発電・蓄 電技術に関心が高まり,太陽光発電,家庭用燃料電池システムが注目されつつある.家庭 用燃料電池システムは燃料に都市ガスやLPG等を用いて発電し,余剰の熱で温水利用する ことからCO2排出量が火力発電に対して30~40%削減できるメリットがある.民生部門に おいて電力とガスの消費量をバランスよく削減できるならば,地球環境に対してはCO2排 出削減に結がり,消費者に対しては光熱費削減というメリットに結がる.特に電力を作り 出すという観点に着目すると,燃料電池は発電効率が高いことが望ましい.燃料電池には 後述するように色々の種類が存在するが,高効率発電という点に着目すると溶融炭酸塩型 燃料電池(MCFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)が挙げられる.しかしMCFCは電解 質として腐食性の強い液体(溶融炭酸塩)を用いることから,長期安定性に課題がある.

一方,SOFCは構成材料がすべて固体(主にセラミックス)であることから長期安定性に優 れ,且つ,高効率を達成できるという観点で有望視されている.このSOFCを家庭用燃料 電池システムに適応する試みがなされており,商品化に見合った発電効率・コスト・耐久 性を達成した商品が望まれている.SOFCは電解質,空気極,燃料極という基本構成から成

(8)

-6-

る単セルと,複数の単セルを電気的に接続して所定の電力量まで積層したスタックと,ス タックに高温の改質ガスと空気を供給するための改質器や空気熱交換器等を備えたモジュ ールと,モジュールに燃料ガスや空気を送風するためのブロアやポンプ等の補機類を備え たシステムで構成される.本論文は,早期商品化が期待される家庭用SOFCシステムに対 し,高い発電効率および高い耐久性を達成するためのSOFCモジュールの設計指針を得る ことを目的とし,セルの集電構造やモジュールの発電特性について研究したものである.

1.2 燃料電池

燃料電池(Fuel Cell)は,天然ガスなどの化石燃料が持つ化学エネルギーを直接発電エネ ルギーに変換する装置である.燃料電池は,従来の熱機関と異なりカルノーサイクルの制 約を受けず高い発電効率が期待される.燃料電池の基本構成は,イオンを輸送する電解質 と,反応物とイオンを化学反応する電極で構成される.この構成のみに注目すると,マン ガン電池やリチウム電池と構成上に違いは無い.ところがマンガン電池やリチウム電池は 反応物を自身の電極等に備え,自身の大きさでその量が決定される.ゆえに一定量の放電 しかできない.一方で,燃料電池は反応物を天然ガス等の燃料で供給するところに違いが あり,反応物を供給し続ければ理論的には永久に電気を取り出すことができる.そのため 燃料電池は構成上は「電池」であるが,電気の発生過程は「発電機」と捉えることができ る.燃料電池は輸送するイオン種によって電解質の材質や種類に特徴があり,そこから燃 料電池の種類を特徴付けている.

Table.1-2-1 Comparison of main characteristics of fuel cell

PAFC PEFC MCFC SOFC

Electrolyte

Phosphoric Acid Solution

(liquid)

Polymer (solid)

Molten Carbonate

(liquid)

Oxide (solid) Conductive

Species H+ H+ CO3- O2-

Operation

Temperature 150~200℃ ~100℃ 650℃ ~1000℃

Fuel H2 H2, CH3OH H2, CO H2, CO

Efficiency 40% 35~40% ~65% ~65%

Electrode

Material Pt Pt NiO Ni/Y SZ

(La,Sr)MnO3

(9)

-7-

現在,実用化あるいは研究開発されている燃料電池の種類はTable.1-2-1に示すようにリン 酸形燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC),固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC),溶融炭酸塩形燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC),固体酸 化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)が挙げられる.

リン酸形燃料電池(PAFC)は,電解質としてリン酸水溶液を用いる.電解質を導電する のはプロトンで,作動温度は150~200℃である.商用化されている機器では100~200kW クラスの装置で燃料に都市ガスを用い,温水回収によるコージェネレーションシステムが ある.発電効率は40%LHV,排熱回収効率が47%で総合効率は87%になる.耐久性能は40,000 時間の実績があり信頼性も高いと考える.一方で,電解質に腐食性の溶液を用いることで 使用する白金電極のコスト,オーバーホールコストが高いことから経済性に課題がある(1)

固体高分子形燃料電池(PEFC)は,電解質としてパーフルオロスルフォン酸樹脂ナフィ オン膜を用いている.電解質を導電するのはPAFCと同様にプロトンであるが,作動温度 が100℃程度で,他の燃料電池と比較して最も低い(2).そのため起動停止に要する時間が短 い,固体の電解質でありながら高分子膜であるために物理的破損が尐ないなどの特徴があ る.また高い電流密度で発電が可能なため,スタックのコンパクト化が容易で,自動車へ の適応も期待されている.PEFCは2009年5月よりエネファームの商品名で家庭用PEFC コージェネレーションシステムとして一般発売を開始した.定格出力はAC1kWで発電効率

が35%LHV,排熱回収効率が50%で総合効率が85%になる給電給湯を可能とした機器であ

る.PEFCの特徴として10年相当(起動停止4000回,発電時間40,000時間)の耐久性を確 率したことがあげられる(3).今年度のエネファームの導入実績は震災の影響や国の補助金制

度により2011年度7月には8,000台を越す勢いで(4),今後更なる導入が増える可能性もあ

る.PEFC型エネファームの最大の課題はコストにつきる.高効率給湯器やヒートポンプ給 湯器の本体価格が約100万円であるのに対し,エネファームは270万円程度と倍以上であ り,今後の市場拡大に向けて更なる低価格化が必要である.

溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)は,電解質として主にLi/Na炭酸塩を用いる.電解質を 導電するのは炭酸イオンで,作動温度は600~650℃である.高温作動なのでCOを含む改 質ガスを直接利用できるという特徴がある.開発されているのは100~300kWクラスのプラ ントで複合発電や加圧型システム等で高効率を目指している.MCFCの高性能化及び長寿 命化は電極にNiOカソードの溶解・析出によるニッケル短絡を対策することにある.また 実用化に向けては電解質のプレ含浸技術の確立,内部マニホールドのガスシール性能の信 頼性向上が必要で,高積層・低コスト化が望まれる(5)

固体酸化物形燃料電池(SOFC)は,電解質としてセラミックスを用いた燃料電池である.

作動温度は1000℃程度と高く,他の燃料電池と比べて発電効率が最も高く,燃料の多様性 などの特徴がある.SOFCも2011年10月にSOFC型エネファームとして発売された(6).定

格出力はAC700Wで発電効率は45%LHV,排熱回収効率が42%LHVで総合効率は87%にな

(10)

-8-

る.PEFC型エネファームと比較して本体機器の容積が46%も小型化しており,SOFCの特 徴を生かした開発がなされている.SOFCの特徴や発電原理などは次節以降で詳細に述べる.

1.3 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の特徴と構成

SOFCは電解質に固体酸化物を用いた燃料電池である.一般的には,固体酸化物内を輸送 されるのは酸素イオンO2-(固体酸化物の結晶内を酸素イオンが伝導するために酸化物イオ ンともいう)である.SOFCは電解質及び電極などの主要部材が全てセラミックスで構成さ れており,固体で成り立っていることが特徴である.また酸素イオン導電性は高温で発揮 されるという特性から,SOFCは作動温度が500℃~1000℃という温度域で発電するという 特徴がある.そのためSOFCは以下のような特徴がある.

(長所)

・運転温度が高温であるために,反応抵抗が小さい.そのために白金等の貴金属材料を用 いた高価な電極材料の必要がない.

・運転温度が高温であるために,良質な高温排熱を利用することができる.小規模のコー ジェネレーションシステムでは高温貯湯が可能である.大規模の発電システムではガスタ ービン等の複合発電が可能である.

・運転温度が高温であるために,燃料改質に特別な熱源を必要としない.SOFCの排熱を利 用した間接内部改質方式や,炭化水素燃料を直接SOFCの燃料極で改質させる直接内部改 質方式がある.

・電解質及び電極などの主要部材が固体であるために,PAFCやMCFCで懸念される電解 液の腐食や蒸発の問題がなく,長期安定性に優れる.

(短所)

・高温で酸化/還元雰囲気下におかれるので各材料の安定性,他の構成材料との両立性(低 い反応性,熱膨張挙動の一致など)が求められ,構成材料への制約が厳しい.

・高温作動であり,頻繁な起動停止が困難である.

・高温作動であり,使用する金属材料に制限がある.

・セラミックス固有の脆弱さ(耐振動,温度分布による熱応力など)がある.

SOFCの特徴を簡単にまとめると,高温作動でセラミックスを用いた燃料電池であって発 電効率が高く,長期耐久性の可能性がある.そのため研究開発の動向は,上記長所を特徴 付けるシステム開発や上記短所を克服するための材料開発等が挙げられる.ここでSOFC の短所を克服するための研究をいくつか紹介する.まず注目されるのがSOFCを低温作動

(11)

-9-

化(600℃~800℃)させる研究である.SOFCの作動温度を決定付けているのは電解質の酸 素イオン導電性で,新規材料開発により低温でも高い導電率を発揮する試みがなされてい る.その中でIshiharaによって発見されたLaGaO3電解質が挙げられる.LaGaO3にSrとMg をドープしたLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3は,1000℃で約0.1S/cmの導電率を持つイットリア安定 化ジルコニア(YSZ)と同等の導電率を700℃で発揮することを示している(7).この発見に

よりLaGaO3を用いた低温作動化の研究が加速している.例えば,LinらはLaGaO3系電解

質を用いることで作動温度を650℃で0.6W/cm2の出力密度を達成している(8).一方で,

LaGaO3材料は電極材料との反応が指摘されており,電極との間に反応を防止する機能層を

設け低温作動を達成している(9).Fig.1-3-1に示すようにTOTOにおいてはLSGM積層電解 質を用いて700℃以下で作動するセル開発に成功している(10)

Fig.1-3.1 Appearance of micro tubular cell and I-V performance

材料の安定性や電極との両立性を克服することでSOFCの研究が進み,システム化や商品 化といった開発フェーズへ進む.またLaGaO3以外ではSc安定化ジルコニア(ScSZ),Gd ドープセリア(GDC)なども低温で良好な酸素イオン導電率を示す材料として挙げられる.

Suzukiらはサブミリ径のマイクロチューブセルにGDC電解質を用いてセルスタックの開発

を行い450℃~550℃で0.5~1.4Wの出力を発揮している(11).この研究は電解質にGDCを用 いて作動温度を低温化させることと,セル自体を極小化させて熱衝撃等に耐久性を向上さ せている.セルを極小化させる研究で,初めて急速起動に成功したのはKendallらの報告が ある(12).この実験は2mm径のマイクロチューブセルをバーナーで直接加熱させ,10分程度 で700℃まで昇温し発電に成功している.セラミックス固有の脆弱さを,セルを極小化させ ることで急激な熱応力に耐えることを証明しており,低温作動化に加えて急速起動停止が 実現できる可能性がある.TOTOでは外径5mmのマイクロチューブを高温の電気炉に5秒 で挿入→10分保持→5秒で炉外へ取り出すという実験を行った.温度は5分で500℃まで到

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

Power Dencity [W/cm2]

Voltage [V]

Current Density[A/cm2] Fuel :H2 in N2 Oxidant:Air

973K 923K

873K

(12)

-10-

達し,開回路端子電圧(OCV)は2分で1.0Vを超える結果を得た.このサイクルを連続1000 回繰り返したが破損やクラックなどは見られていない(13).このように材料開発によって SOFCの低温作動化が進み,セル開発によって起動性の向上を達成することで新しいアプリ ケーションへの適応可能性が開かれる.そこで近年では,そういったSOFCの特徴を生か したシステム開発が活発となってきている.

SOFCの特徴を生かしたシステム開発の例として,京セラ(株)・大阪ガス(株)の家庭 用SOFCコージェネレーションシステムが挙げられる.PEFCと同じくSOFCを家庭用燃料 電池として適応させるために開発を進め,発電効率AC45%を達成した.またSOFC実証研 究にて一次エネルギー削減率20%,CO2削減率38%を達成している.この結果は,PEFC型 エネファームを超える発電効率であり,内部改質することでシステム簡略化による機器の 小型化にも成功している(14).またTOTOにおいても家庭用SOFCコージェネレーションシ ステムの開発に取り組んでいる.Fig.1-3-2はTOTOで開発中のシステムの外観写真である.

LaGaO3電解質を用い,700℃程度の低温作動でありながらPEFC型エネファーム以上の発電

効率を発揮することに成功している(15)

Fig.1-3-2 Appearance of SOFC co-generation system and target specification

大型発電に向けてSOFCシステム開発も行われている.三菱重工(株)は200kW級

SOFC-MGTコンバインドサイクルシステムを設計・製作・運転を行い,システム最大出力

229kW,発電効率52.1%LHVを達成している.同社は高効率な発電プラントを目指してお

り,高温作動で複合発電させるというSOFCの特徴を生かした開発を行っている(16).海外 ではロールスロイス(株)が1MW級の石炭ガス化燃料を用いたSOFCシステムを検討して いる.同社はフラットチューブ横縞型セルを開発し,ショートスタックレベルであるが

9000hrを超えて0.33%/1000hrの良好な耐久性能を発揮している.SOFCの特長である長期

Power generation unit Hot water supply unit

Target Specification Outer size W650×D300×H935

Weight 110kg

Power output AC700W

AC efficiency 45%

Heat recovery

efficiency 40%

Outer size W720×D300×H1690

Weight 80kg

Volume of hot

water tank 90

Hot water

temperature 75℃

Back up

voiler 14kW

automatic supply Power

generation unit

Hot water supply unit

(13)

-11-

耐久性の可能性を実現しているといえる(17).このようにSOFCは材料の特性から作動温度・

発電効率に特徴があって,上記のような研究開発によって適応用途拡大が見込まれている.

1.4 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電原理

【SOFCの起電力】

電解質が酸素イオン導電体で水素と酸素を反応物として発電した場合を例にとって SOFCの発電原理を説明する.Fig.1-4-1にSOFCの基本構成を示す.電子を受け取って酸素 をイオン化する空気極(カソード)と,酸素イオンを輸送する電解質と,水素と酸素イオ ンを反応させて電子を放出する燃料極(アノード)が基本構成となる.水素と酸素の燃焼 反応を電気化学的に行い,外部回路に接続することで電流が流れ仕事をするという原理で ある.先にも述べたように,通常の一次電池では電極に内蔵された反応物は出入りがない ため放電にあたり容量が存在するが,燃料電池では反応物の補給と生成物の排出を行うこ とで,発電を持続することが可能である.発電時の空気極及び燃料極におけるそれぞれの 反応は次の化学式で与えられる.

Fig.1-4-1 Schematic drawing of SOFC

空気極 燃料極

全体として

(14)

-12-

酸素をイオン化する反応と水蒸気を生成する反応が電解質を介して行われ,全体として 水素と酸素により水蒸気を生成して電気を取り出している.言い換えると,水素と酸素は 直接気体同士で化学反応する訳ではなく,電解質という隔壁によって空気極と燃料極との 反応を分離して間接的に水の生成反応を行っている.このために電解質に求められるのは 酸素イオン導電性に加えて,水素と酸素を気体同士で接触させない機能も求められる.ま た電解質を挟んで空気極側では還元反応が,燃料極側では酸化反応が生じるために,その 化学ポテンシャルの違いによって電解質を介して起電力が発生する.この起電力の発生原 理をギブスエネルギーを用いて説明する.

系全体に対して温度が一定の条件の場合,次の関係が成り立つ.

……… (1-1)

酸素のイオン化や水素の酸化反応により圧力がP1からP2に変化すると

……….. (1-2) 1モル当たりの理想気体の状態方程式PV=RT(n=1)を適応すると

……… (1-3) ここからギブスエネルギーの変化⊿Gを求めると

……… (1-4)

よってそれぞれの気体成分を考慮すると

………. (1-5) ここで は気体iの標準状態におけるギブスエネルギーである.換言すると,1モル当たり のギブスエネルギーは化学ポテンシャルとして扱うこともできる.この式に上記反応に伴 うギブスエネルギーの変化量を求める.全体の反応は なので

……… (1-6)

(15)

-13-

ネルンスト式 より,上記反応ではn=2で外部に電気的仕事を行うとすると

……… (1-7)

よって電池の起電力は

………... (1-8) と計算される. , F, R, Tは水の標準生成ギブスエネルギー,ファラデー定数,気体定 数,温度である.つまり水素と酸素を用いた場合の燃料電池の起電力は,水の標準生成ギ ブスエネルギーと各電極に供給する流体の分圧で記述できる.

は水素と酸素を用い た場合の標準起電力と呼ばれる.

【SOFCの発電効率】

水素と酸素を電気化学的に燃焼させて外部に取り出すエネルギー効率は,ギブスエネル ギー変化とエンタルピー変化で記述できる.

……….. (1-9)

上記式は理論効率と呼ばれ,低位発熱量(LHV)と高位発熱量(HHV)がある.298.15K, 1atmの反応で生成する生成物は水(液体)と水蒸気(気体)があり,水が生成する場合は 高位発熱量,水蒸気が生成する場合は低位発熱量と呼ばれる.実際のSOFCでは内部抵抗 などによる電圧ロスによって理論起電力より電圧は低下し,供給する燃料の利用率によっ て効率は理論効率よりも低下する.以下の(1-10)式で実際の効率を記述できる.

……….. (1-10)

Vは端子電圧,E0は標準起電力,Ufは燃料利用率を示す.外部へ発揮する端子電圧を標準 起電力で除したものを電圧効率と呼び と記述できる.外部へ流れる実効電流を電流

(16)

-14-

理論値で除したものをファラデー効率(電流効率)と呼び

と記述できる.ファラデ ー効率は以下に示すように燃料利用率に帰着する.

……… (1-11)

は実効電流値に対する水素流量, は電流理論値に対する水素流量である.すなわ ち実効電流値が実際に流れた電流量とすると は燃料利用率100%の水素流量であって,

実際に供給した水素流量が となる.よってファラデー効率は燃料利用率で記述できる.

電圧効率は電池内部の電圧降下を考慮し,実際に取り出すことができる端子電圧と標準 起電力の比で与えられる.この電池内部の電圧降下は過電圧によって説明できる.燃料電 池を発電させると理論起電力から減尐し,取り出しうる電流量によって端子電圧が変化す る.理論起電力からの電圧降下を過電圧と呼び,セル内部で生じる分極現象による損失で ある.過電圧と端子電圧の関係は(1-12)式で記述される.

………. (1-12) 過電圧は,抵抗過電圧 ,活性化過電圧 ,濃度過電圧(拡散過電圧) がある.

本論文で議論する各過電圧を以下に説明する.

抵抗過電圧とは電解質の酸素イオン電導抵抗,電極を横流れする電気抵抗,インターコ ネクターと電極との接触抵抗など,オームの法則に起因する抵抗による過電圧で,取り出 す電流量に対して線形に増加する.インピーダンス測定により分離することが可能で,最 も応答時間の短い抵抗成分である.

活性化過電圧は電極において反応物が活性化状態になるための活性化エネルギーに起因 する過電圧である.つまり活性化過電圧は電荷移動過程での損失を表し,空気極では酸素 が酸素イオンになる過程,燃料極では酸素イオンが水蒸気になる過程が該当する.そのた め活性化過電圧はカソード,アノードでそれぞれ発生する.Fig.1-4-2にカソード,アノー ドにおけるそれぞれの反応種の経路を示す(図中の番号は反応順を示す).カソード側で は気相の酸素が拡散して電極表面に吸着し,吸着した酸素が電子を受け取って酸素イオン になり,電解質内を移動する.アノード側では気相の水素が拡散して電極表面に吸着し,

電解質内を移動してきた酸素イオンと反応して電子を放出し,反応した水素は水蒸気を生 成して気相へ拡散する.活性化過電圧はインピーダンス測定した場合,抵抗過電圧の次に 応答の速い抵抗成分である.本論文ではカソード活性化過電圧とアノード活性化過電圧を 燃料のガス分圧を変化させて,相対的な違いからそれぞれ分離して議論している.しかし

(17)

-15-

活性化過電圧は電極の微構造や触媒性能によって変化する.そのためセル形状,反応物の 供給条件,運転状態に依存することが多く,様々な等価回路モデルで解析されている(18,19)

(a) Cathodic reaction (b) anodic reaction

Fig.1-4-2 Electrode reaction process model

濃度過電圧(拡散過電圧)は電極反応場における反応物の供給律速時,もしくは反応生 成物の除去律速時に発生する過電圧である.濃度過電圧は物質移動過程での損失を表し,

酸素が空気極表面に吸着するまでの過程,水素が燃料極表面に吸着するまでの過程と生成 した水蒸気が排出されるまでの過程が該当する.この過程は電極反応場から反応物供給路 までの反応物の濃度差起因と流体力学が関わる反応物のせん断力起因が考えられる.その ため濃度過電圧或いは拡散過電圧と称する.濃度過電圧も活性化過電圧と同様にカソード,

アノードそれぞれで発生する.濃度過電圧はインピーダンス測定した場合,最も応答の遅 い抵抗成分である.SOFCの場合,酸化剤に空気を用いることが一般的で運転温度の制御と いう観点から空気利用率は低く設定されることが多い.そのためカソードの濃度過電圧が 性能に影響を及ぼすことはほとんどないことから,本論文では応答の遅い抵抗成分はすべ てアノード濃度過電圧として扱った.また本論文では濃度過電圧と拡散過電圧と表現を使 い分けている.発電によって水素・酸素の消費と水蒸気の発生が進行し,電極反応場には ガス分圧の変化が生じる.この分圧の低下は活性の低下を生じ,ネルンストロスに相当し 過電圧であるが拡散による損失とは異なると考えられる.さらにインピーダンス測定では ネルンストロスを分離することができない.そのため濃度過電圧の中に拡散過電圧とネル ンストロスを含んで扱うことが多い(20).そこで本論文では広義では濃度過電圧であるが,

濃度差起因の物質移動とネルンストロスは濃度過電圧と称し,流速変化などによる流体力

(18)

-16-

学が関わる拡散現象を拡散過電圧と区別して議論した.これらの過電圧によって発電時の 燃料電池の電流-電圧特性はFig.1-4-3に示され,端子電圧との関係は以下式で記述される.

………. (1-13)

これら過電圧を小さくすることで,端子電圧が高くなり電圧効率が上昇する.実際の発電 効率を上げるためには,電圧効率を上げることと,ファラデー効率を上げることになる.

しかしファラデー効率は燃料利用率であって,燃料利用率を100%にした場合に生じる濃度 過電圧によって端子電圧が急激に低下する.そのため高い燃料利用率で電圧効率をいかに 維持できるかが最大の課題である.

Fig.1-4-3 I-V characteristic by general SOFC performance

【SOFCのエネルギーバランス】

水素と酸素を電気化学的に燃焼させて外部に取り出すエネルギー効率に関しては,ギブ スエネルギー変化とエンタルピー変化の比に電圧効率とファラデー効率を考慮して記述で きることを前述した.ここでSOFCのエネルギーバランスについて考察する.燃料電池の 電流-電圧特性はFig.1-4-3からもわかるように,ギブスエネルギー変化はエンタルピー変化 とエントロピー変化で記述される.

………. (1-14) 温度 とエントロピー変化 の積は束縛エネルギーとも呼ばれる.ここで水素と酸素から水 蒸気が生成される系 において が⊿nモル生成したとすると,ギブスエネ ルギー変化は以下のように記述できる.

I[A/cm2] E[V]

⊿G

⊿H η

⊿S

V E0

Power

(19)

-17-

……… (1-15)

一方,エンタルピー変化は

……… (1-16)

発熱量を求めると

……… (1-17)

………. (1-18) つまり⊿nモルの生成変化に対する発熱量は束縛エネルギーからネルンストの起電力分を 差し引いた量に相当する.括弧内は熱力学的な混合ガスのエントロピー算出式と同じであ る.

以下に示すような条件でSOFCが発電する場合で検証する.

電解質をはさんで燃料と空気が流れているとする.数値は分圧を示す.

空気 N2:0.79279 O2:0.20721

電 解 質

燃料 H2:0.95 H20:0.05

気圧:1atm、温度:1000K、電流:100Aの条件とする.

起電力と発電出力の計算 起電力は以下のようになる.

(20)

-18-

過電圧が無いと仮定して発電出力を計算すると,

エンタルピー発熱量の計算 酸素イオンの移動量は

1000KにおけるH2,O2,H2Oそれぞれのエンタルピーは

H2:20680[J/mol],O2:22703[J/mol],H2O:26000[J/mol]である.SOFCの反応によって生成され るのが水のみとし,標準状態における水の生成熱は241826[J/mol]とすると

エントロピー発熱量の計算

エントロピー発熱量の総和を考えると,1000Kでの水生成時のエントロピー発熱量は 55.292[J/mol]であるので,

SOFCのエネルギーバランスはFig.1-4-4のような内訳になる.供給している水素のエンタ ルピー発熱量からギブスエネルギー出力とエントロピー熱に分けられる.ギブスエネルギ

(21)

-19-

ー出力は標準起電力から取り出しうるギブス発電出力と供給ガス分圧で支配されるネルン スト起電力に相当するネルンスト発電出力になる.

Fig.1-4-4 Energy balance without overpotential

しかし実際には過電圧の存在により起電力から電圧は低下し,Fig.1-4-5に示すように過 電圧ηは熱X[W]になる.このとき発電時に生成される水によって分圧変化するので(1-18) の第二項が変化する.この分圧変化x[W]は電力として取り出すことができないため過電圧 として扱うか,或いはエントロピー熱の第二項にも相当するためエントロピー熱として扱 うか議論が必要である.セル内の発電分布や温度分布等を考慮すると,局所的な分圧変化 やエントロピーの変化があって,細かく考えるとエネルギーバランスは極めて複雑な状態 が想定される.

Fig.1-4-5 Energy balance with overpotential エンタルピー熱:128.44[W]

ギブス発電出力 : 99.79[W]

ネルンスト発電出力 : 9.29[W]

エントロピー熱 : 19.36[W]

エンタルピー熱:128.44[W]

ギブス発電出力 : 99.79[W]

ネルンスト発電出力 : 9.29[W]

エントロピー熱 : 19.36[W]

過電圧発熱 : X [W]

実効電力 : 109.08-X [W]

分圧変化 : x [W]

(22)

-20-

しかしながら実際のSOFCシステムでは供給する燃料組成や流量,排ガスの温度,取り出 しうる実効電力は計測可能である.また電流量が分かれば排ガス組成や流量が推定できる.

そこで本論文では途中の細かなプロセスは無視して,セル内の分圧変化は過電圧に含まれ るものとし,エントロピー熱は以下の(1-19)式で定義するものとした.

……... (1-19) SOFCのエネルギーバランスに関しては,モジュールの運転結果と単セルの発電結果を用い て本論文の第4章2節でさらに考察するものとする.

1.5 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の型式

先述したようにSOFCは主要な部材が固体で構成されるため,形状設計の自由度が大き い.特にセル形状は多様を極めており,発電特性や耐久性などは各セル形状に依存すると ころが大きい.セル形状を例に挙げると,平板型では円形(21),四角形状等が存在し(22),円 筒型では円筒縦縞型(23,24)と円筒横縞型等(25)が存在する.さらに電解質を基板とした自立膜 型もあれば,電極を基板とした電極支持型などもあり,これらの組み合わせは十数種類に も上る.

平板型セルは各構成材料を板状に形成し,電解質を挟んで片面が空気極,反対面が燃料 極で構成されている.スタックはインターコネクター(セパレータとも呼ぶ)を介して各 セルを積層して構成される(Fig.1-5-1).インターコネクターには流路が備えられており,

セルに燃料或いは空気を供給する役割とセル同士を電気的に接続する役割を担っている.

平板型セルの特徴は,出力密度が高い,セル製造が簡単という点でボタンセルから実仕様 サイズのセルまで広く研究されている.またインターコネクターに金属材料を用いて電気 抵抗の低減を狙い,容易な金属加工による流路形成でコスト低減を図った開発が主流とな っている.それゆえ平板型セルに生じる反りよってインターコネクターとの接触抵抗の増 大,応力分布による割れ,金属材料からのCr被毒,ガスリークをしないようにセル周囲と インターコネクターとをガラスシールする技術とその信頼性確保などが課題として挙げら

れている(26,27)

(23)

-21-

Fig.1-5-1 Schematic view of planar SOFC

これに対して円筒型セルは Fig.1-5-2 のように各構成材がチューブ形状に形成されている.

電解質を挟んで管の内側が空気極,管の外側が燃料極で構成されている円筒縦縞型セルと,

絶縁性基体管の外側に複数のセルを形成した円筒横縞型セルとがある.円筒縦縞型セルは Siemens-Westinghouse Power Corporation(SWPC)社が最初に開発したデザインで,TOTOに おいても採用していた構造である(28).空気極支持管の一部を電解質に対して長手方向に露 出し,その露出面をインターコネクターで覆い電気的に接続するスタック構造になる(ス トライプ状にインターコネクターが形成されるため,その外観から「円筒縦縞型」と呼ば れる).

Fig.1-5-2 Schematic view of tubular SOFC

円筒横縞型セルは三菱重工(株)が採用しているデザインで(29),燃料流通方向に対して複 数のセルが直列に積層されているので電流が平行に流れるのが特徴である(チューブ長手 方向に対して縞状にセルが積層されるため,その外観から「円筒横縞型」と呼ばれる).

(24)

-22-

そのため各セルにおいて水素分圧の変化が小さく,電流集中しにくい構造である.また複 数のセルを直列に接続されたチューブであるために高電圧になる傾向にある.円筒型セル の共通する特徴は,比較的電流パスが長いので出力密度を上げにくい,長手方向に対する 応力に強い,ガスシールが容易であるといった特徴がある.またその構造の複雑さから製 造できるメーカーが限られているのが現状である.

Fig.1-5-3 Schematic view of segmented-in-series cell

また近年では,平板型の高い出力密度を発揮できる特徴と,円筒型の機械的強度の高さ やガスシールの容易性という特徴を兼ね備えたフラットチューブ型セルがある(30,31).平面部 分の表面に空気極,反対面にインターコネクターを配しており電気の流れは平板型セルと 同じになる(Fig.1-5-4).また断面扁平状の電極表面に電解質を形成しているため,セルの 端部からガスを供給することになる.そのため平板型のように板周囲をガラスシールする ことが無い.またこの形状で横縞型のデザインを採用しているところもある.先にも述べ たようにロールスロイス(株)や東京ガス(株)・京セラ(株)などが開発を進めている(32)

Fig.1-5-4 Schematic image of flat tubular SOFC

このようにSOFCの形状は各特長や製法などによって多くの種類を有している.これらの 種類を電流の流れる方向で大きく分類するとFig.1-5-5のようになる.すなわち電流が電解 質に対して電極厚さ方向にが流れるタイプと,電極表面を横流れするタイプに大別できる.

前者には平板型セルやフラットチューブ型セルが分類され,特徴として高い出力密度を発 揮する.三菱重工(株)のMOLB(33)やSiemensのデルタ9(34)は電極内を電流が流れる経路 はあるが,電極厚さ方向に流れる方に分類される.そのため比較的出力密度が高い.後者

(25)

-23-

には円筒型セルや横縞型セルが分類され,特徴として高い耐久性能を発揮する.日本ガイ シ(株)が開発している流路内蔵型SOFCはその形状は平板型であるが,電極を横流れす るタイプに分類される(35)

SOFCの形状は大別できるが,目的の用途によっては寸法や使用材料が大きく異なってくる.

SOFCを商用化していくには要求される機能に対して適切な形状を設計することと,使用環 境等を考慮して適切な材料を選定して構成する必要があると考える.

Fig.1-5-5 Classification of SOFC cell structure Current flow across the electrode thickness

Across electrode thickness Along electrode surface

Current flow along the electrode surface Kyocera: anode supported flat tubular(36)

NTK : anode supported plate(37)

Mitsubishi Material : electrolyte supported plate(21) Toho gas : electrolyte supported plate(38)

NTT : anode supported plate(39)

Nissan Mortor: electrolyte supported plate(40) Murata Manufacturing : single step co-fired SOFC(41) Mitsubishi Heavy Industry : MOLB-type(33)

TOTO : anode supported micro tubular(13,15) NGK : gas channel integrated SOFC(35) NTK: anode supported micro tubular(11) Acumentrics : anode supported tubular(42) Mitsubishi Heavy Industry :

tubular type segmented-in-series(29) Tokyo gas : flat tubular type segmented-in-series(32) Rolls-Royce: flat tubular type segmented-in-series(43)

Feature: High Power Density Feature: High Durabillity

(26)

-24- 1.6 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構成材料

本節ではSOFCの代表的な構成材料と要求機能について述べる(44).本論文では材料開発 に関わる研究を行っていないため,前述した基本構成である電解質,空気極,燃料極,イ ンターコネクターの要求機能と候補材料について簡潔に記載するに留めることとする.

【電解質】

SOFCの電解質は,先にも述べたように,酸素イオンO2-が固体電解質内を移動する.固 体電解質は固体酸化物(セラミックス)で構成され,前述したように,酸素イオン導電性 と水素と酸素を気体同士で接触させない特性が必要となる.そのため以下のような機能が 要求される.

・酸素イオン導電率が高いこと(例えば,0.1S/cm以上の導電率を有すること)

・気体同士の混合を防ぐために,緻密質であること(例えば,相対密度95%以上)

・高温酸化還元雰囲気において熱力学的に安定であること(例えば,使用温度域において 結晶相の相転移がないこと)

・電子導電率が低く,イオン輸率が高いこと(例えば、イオン輸率0.9以上)

これらの条件を満たす材料として最も広く使用されているのが,イットリア安定化ジルコ

ニア(Yittria Stabilized Zirconia:YSZ)である.イットリアの代わりにスカンジアをドーピ

ングしたスカンジア安定化ジルコニア(Scandia Stabilized Zirconia:ScSZ)はYSZに比べて 酸素イオン導電性が高い.ガドリニアドープセリア(Gadlinia Doped Ceria:GDC)はセリウ ム酸化物CeO2にガドリニウムGdをドーピングした材料で,酸素イオン導電性と電子導電 性がある.一方,本論文で扱っているランタンガレート酸化物はさらに高いイオン電導を 示す.前述したようにLaGaO3を母物質として,SrとMgをドーピングした(La,Sr)(Ga,Mg)O3

が主流で酸素イオン導電性とイオン輸率が高い材料である(Fig.1-6-1参照).

Fig.1-6-1 Comparison of the oxide ionic conductivity (7)

(27)

-25-

【空気極】

空気極(カソード)も固体酸化物で構成され,次のような特性が必要となる.1.酸素 と電子の反応場を作ること,2.酸素をイオン化する触媒機能を有すること,3.酸素イ オンを電解質まで輸送すること,4.電子が流れることが挙げられる.具体的には以下の ような要求機能となる.

・多孔質であること(例えば,開気孔率35%以上を有すること)

・酸素の電気化学的還元反応に対して触媒活性が高いこと

・酸素イオン導電性があること

・電子導電率が高いこと(例えば, 100S/cm以上の導電率を有すること)

・高温酸化雰囲気で熱力学的に安定であること(例えば,使用温度域において結晶の分解 等が生じないこと)

これらの条件を満たす材料として,ランタンマンガナイト(LaMnO3)がある.Laサイトに Srをドーピングした(La,Sr)MnO3はSOFC作動環境下で結晶構造が安定で,高温における導

電率が100S/cm以上に達する材料である.高温作動(800℃以上)のSOFCで用いられるカ

ソード材料である.活性の高い電極材料としてランタンコバルタイト(LaCoO3)がある.

LaサイトにSrを,CoサイトにFeをドーピングした(La,Sr)(Co,Fe)O3は比較的低温(500℃

~800℃程度)でも,高い触媒活性を有している.電子導電性も高く,Coリッチな組成では

1000S/cm程度の導電率を有する材料である.

【燃料極】

燃料極(アノード)は固体酸化物と金属の混合物(Cermet:サーメットはCeramicとmetal の造語である)で構成され,空気極と同様に以下の特性が必要である.1.燃料と電子の 反応場を作ること,2.酸素イオンと燃料を電気化学的に酸化する機能を有すること,3.

電解質から反応場まで酸素イオンを輸送すること,4.電子が流れること,5.炭化水素 燃料を改質する改質機能を有することが挙げられる.具体的には以下のような要求機能と なる.

・多孔質であること(例えば,開気孔率40%以上を有すること)

・燃料の電気化学的反応に対して触媒活性が高いこと

・酸素イオン導電性があること

・電子導電率が高いこと(例えば,500S/cm以上の導電率を有すること)

・炭化水素燃料に対して改質触媒活性が高いこと

・高温還元雰囲気で熱力学的に安定であること(例えば,使用温度域において蒸発や熱分 解が生じないこと)

これらの条件を満たす材料として,ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物であ

るNi/YSZが挙げられる.YSZ中にNiを分散させて,YSZが酸素イオン導電性を担い,Ni

が電子導電性を担う役割になっている.またYSZ粒子が骨格を形成する場合は,Ni同士の

(28)

-26-

粒成長を防ぎ気孔を確保できるという効果もある.またNi粒子が分散されているために,

燃料の改質機能も同時に有することになる.

他の材料としては,Ni/ScSZやNi/GDCなどが挙げられ,ニッケルと電解質のサーメットが 主流である.広く考えれば金属と酸素イオン導電材料の混合材料で上記要求機能を満たせ ば良く,例えば,金属にNi-Fe合金を,酸素イオン導電材料にLaGaO3を用いてサーメット 化して燃料極としての可能性の研究もなされている(45)

【インターコネクター】

インターコネクター(セパレーター)は固体酸化物を用いる場合と,金属を用いる場合 が挙げられ,次のような特性が必要である.1.電子が流れること,2.水素と酸素を気 体同士で接触させない機能を有することが挙げられる.具体的には以下のような要求機能 となる.

・電子導電性があること(例えば,0.1S/cm以上の導電率を有すること)

・気体同士の混合を防ぐために,緻密質であること(例えば,相対密度95%以上)

・高温酸化還元雰囲気において熱力学的に安定であること(例えば,使用温度域において 結晶相の相転移がないこと)

・電子導電率が高く,イオン輸率が低いこと(例えば、電子輸率0.9以上)

インターコネクターは酸素イオン導電性の代わりに電子導電性があること以外は電解質の 機能に近いことが特徴である.これらの条件を満たす材料として,ランタンクロマイト

(LaCrO3)がある.LaサイトにCaまたはSrをドーピングした(La,Ca)CrO3は,母物質より 導電率が高くなる.ランタンクロマイトは広い酸素分圧下において安定な酸化物であるが,

酸素圧が減尐するとCr4+がCr3+に還元され僅かに酸素欠陥が生じる.このため僅かではある がイオン導電性が発生するため注意が必要になる.また焼結性が低く緻密質を得られにく いという欠点もある.また平板型などではセパレーターとして合金を用いることがある.

合金を用いた場合は電子導電性が高く,イオン輸率は1で,気体同士を隔壁するには適し た材料である.ところがセルとセパレーターとをガスシールする必要がある.また高温酸 化雰囲気では合金表面に酸化皮膜が形成され,接触抵抗の増大が問題になる.

以上がSOFCの代表的な構成材料である.これらの要求機能に加えて共通の要求機能が ある.1.熱膨張係数の一致,2.焼成収縮特性のマッチング,3.焼成時に材料間で元 素拡散や反応生成物が生じないこと,4.作動温度域において構成元素の相互拡散速度が 遅いこと(拡散しないこと)が挙げられる.1と2は特に焼成時に関わる項目で,3と4 は発電性能や耐久性に影響する項目である.SOFCはセラミックスで構成されるが,上記の ような要求機能を満足する材料は今のところそれほど多くない.それゆえ目的の用途によ っては寸法や使用材料が大きく異なってくることを先に述べたが,寸法や使用材料が異な る度に各材料の組成や構成元素を見直す必要が出てくる.

(29)

-27-

1.7 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の低温作動化と家庭用SOFCの開発課題

近年のSOFC研究開発動向は低温作動化,燃料多様化(内部改質を含む),耐久性向上 のための不純物などの研究に注目が集まっている.その中で低温にて驚異的な発電性能を 発揮するという報告が2009年にScience誌で公開された.Suzukiらによると,マイクロチ ューブセルにおいて燃料極の気孔率を54%,Ni粒子径を100nm,気孔径を数μm,燃料流 速を0.8m/sとすることで,600℃及び550℃の最大出力密度がそれぞれ1.1W/cm2,0.5W/cm2 となることを報告している(46).この性能は600℃以下において平板型に匹敵する出力密度で ある.電流が横流れするセルは抵抗過電圧の影響を受けやすいため,出力密度が上がりに くいというデメリットを克服した性能といえよう.また同論文のインピーダンス測定によ ると低周波数側の円弧が大幅に小さくなっており,流速を上げることで燃料の拡散抵抗が 小さくなったとある.それゆえ性能向上の要因は,1.電解質を3μmで形成して抵抗過電 圧を小さくした点,2.Ni粒子径を100nmとしたため触媒活性が向上した点,3.気孔率 や気孔径を高くした微構造に加え燃料流速を上げることで拡散抵抗が低減した点と考えら れる.拡散抵抗に着目すると,Sonnらは燃料流路内の流れ場から拡散する過程と電極メッ シュ内を拡散する過程の2段階に分けられると指摘している(47).またLiuらは燃料流路内 の拡散抵抗は弱い対流輸送現象ということを明らかにしている.さらに電極内の拡散抵抗 は電気化学的に生成した水の影響であると示唆している(48).つまり拡散抵抗を大幅に小さ くできたのは,流速を上げることで流路内の弱い対流を打ち消したこと,電極の微構造を 改善することで電極内の水蒸気の排出機能を高めたことと考えられる.PEFCでは生成した 水がGDLやセパレーター流路内で結露して空気の供給を阻害する,フラッディングやプラ ッギング現象がある.これに対して空気の流速を上げることで流体のせん断力により水滴 を除去できると考えられている(49).SOFCは高温作動であるため結露こそしないが,同様の 物理現象は生じると考える.低温性能向上のために,生成した水蒸気を除去する機能を検 討する必要があると考えられる.

またTOTOにおいてはマイクロチューブセルを用いた家庭用SOFCの開発に取り組んで いる(15).我々が開発したセルは500℃~700℃で良好な発電性能を有するもので(10,13),作動 温度を低くしたことから金属材料の耐久性に有利であると考えている.一方で,このよう な温度域で発電モジュールやシステムに関する情報は尐ない.京セラ(株)はいち早く家 庭用SOFCシステムの開発に取り組んでいるが,発電モジュールの運転結果をみるとスタ ック温度は750℃程度と推定され,本研究で検討するモジュールの作動温度域より50℃~

100℃程度高い(50).またスタックの詳細な構造や,モジュールに関する具体的な情報は公開 されていない.SOFC型エネファームの発売前ということを考えると,ビジネス上では各社 独自の技術を秘密にしておきたい背景があると思われる.一方で,SOFCモジュールに求め られる要求機能は,高い発電効率を有すること,所定の排気温度を確保すること,10年

(30)

-28-

間の耐久性能を有すること,所定の条件で熱自立することなどが挙げられる.よってこの ような要求機能を我々が開発したセルを用いて家庭用SOFCモジュールを設計した場合に 以下の課題が発生する.

1.高い発電効率を有するために,集電効率の高いセルスタックを設計・開発すること 2.高い発電効率を有するために,高い熱効率で低温熱自立可能なモジュールを設計・開

発すること

3.高い耐久性を有するために,低温内部改質で不具合が生じないように設計・運転する こと

4.高い耐久性を有するために,発電分布や温度分布を最小限にすること

5.高い耐久性を有するために,不純物に対してロバストなセルスタックを設計・開発す ること

6.高い耐久性を有するために,Redoxに対して耐性できる材料開発と運転制御すること 7.高い耐久性を有するために,金属材料の信頼性を確保すること

本論文では1~4に関して研究を行い,家庭用SOFCモジュールの開発を行った.

(31)

-29- 1.8 本研究の目的と論文構成

本論文は,家庭用SOFCシステムの早期商品化を目指して,低温作動においても高い発 電効率を有するSOFCモジュールの開発を目的としている.具体的には,上述した1~4 の課題に対してそれぞれ研究を行った.以下に各研究について詳細内容と目的について述 べる.

【第2章 単セルの高性能化に関する研究】

円筒型セルでは集電構造に自由度が高く,集電方法によって発電性能が大きく変わる.

Sarkarらは体積出力密度とセル径との関係を試算しており,セル径を小さくすることで体積

出力密度を高くできることを示している(51).しかしながら家庭用SOFCへの適応を目指し た場合,φ2mm径のセルでは1本当たりの出力が最大でも0.25W程度なので(52),例えば

AC1kWまでスタック化しようとすると4000本以上ものセルを搭載する必要があり現実的

ではない.またSammesらは,高集積化したスタック構造を提案しているが(53),発電効率 は15%程度にとどまっている.そこでTOTO製円筒型セルを用いて,集積効率が高く,且 つ,高い発電効率を発揮する集電構造を検討した.またSuzukiらは,燃料流速を速くして 出力密度が高くなる報告をしているが,発電効率は低い(46).高い発電効率を発揮させるに は,燃料利用率が高い状態でも上記効果を発揮させる必要がある.そこで本論文では燃料 利用率が高い状態で燃料流速を高くして発電性能に影響があるかを検討した.

【第3章 低温内部改質の研究】

低温作動化が進むと改質への熱付与を考慮する必要が出てくる.低温でも燃料の直接改 質発電を可能にするために,燃料極表面にCeO2やNi/Ce0.8Zr0.2O2等の材料を用いて改質機 能を有する層を形成させる試みがなされている(54,55).つまり低温作動において内部改質した 場合に触媒活性が低下して,炭素析出する恐れがある.そこで,実際のモジュール内のス タック温度範囲を考慮して,600℃~700℃において内部改質発電性能解析を行い,そのメ カニズムについて考察した.

【第4章 モジュールに関する研究】

家庭用SOFCシステムの心臓部はSOFCモジュールである.SOFCモジュールの報告例は 尐ないが,熱収支の計算はいくつか報告例がある(56-58).Lisbonaらはプレ改質器温度を上げ ると発電量が増加するという解析結果を報告している.特に高燃料利用率にて熱量不足に なる59.低温作動するモジュールを設計するためには,熱収支を初めとして独自に設計や

(32)

-30-

解析をする必要がある.そこでモジュールを設計するために熱収支計算を行い,低温作動 で高い発電効率を有するモジュール開発を目的とした.開発の中では各コンポーネントの 設計・試作をしてそれぞれの要素実験を行っているが,本論文では筆者が直接実験・研究 した内容のみに限定し,コンポーネントに関する内容は割愛した.またモジュール内のス タック発熱量を解析するために熱自立発電中に交流インピーダンス測定をすると,低周波 数側で交流の振幅に同調して温度振れが生じ正確に計測できない.そこで単セルとモジュ ールの発電性能を比較することで,単セルの過電圧発熱からモジュールの状態を推定する 技術の構築を目的に研究を行った.

【第5章 総括】

最後に,第5章において,本論文で得られた結果を総括した.

(33)

-31- 参考文献

(1) 横山尚伸:「富士電機におけるPAFC開発の現状と今後の展開」, 燃料電池Vol.3, No.3, 2004年冬, 燃料電池開発情報センター, P.13-16

(2) 加藤博:「ゴアグループにおける新規耐久性PRIMEAの開発状況」, 燃料電池Vol.2, No.4, 2003年, 燃料電池開発情報センター, p.31-34

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(5) 伊崎慶之:「MCFC発電技術の歩みと技術の概要」, 燃料電池Vol.5, No.1, 2005年 夏, 燃料電池開発情報センター, p.4-11

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(8) Y.Lin, S.A.Barnett, Electrochemical and Solid State Letters, 9(6), A285-A288(2006)

(9) K.Huang, J-H.Wan, J.B.Goodenough, Journal of The Electrochemical Soc, 148(7), A788-794(2001)

(10) 渡邉直樹ら:「TOTOにおけるマイクロSOFCの開発状況」第14回SOFC研究発 表会講演要旨集, SOFC研究会, 2005年12月, p.30-33

(11) T.Suzuki, Y.Funahashi, T.Yamaguchi, Y.Fujishiro, M.Awano, Journal of The Electrochemical Soc, 156(3) B318-321(2009)

(12) K.Kendall, M.OPalin, Journal of Power Sources, 71, 268(1998)

(13) 渡邉直樹ら:「TOTOにおけるマイクロSOFCの開発状況」第16回SOFC研究発 表会講演要旨集, SOFC研究会, 2007年12月, p.10-13

(14) 岩田伸:「大阪ガスにおける家庭用SOFCの開発およびフィールドテスト」, 燃料 電池Vol.8, No.1, 2008年夏, 燃料電池開発情報センター, p.39-42

(15) 渡邉直樹:「TOTOにおける700W級SOFCの開発状況」第17回SOFC研究発表 会講演要旨集, SOFC研究会, 2008年12月, p.2-5

(16) 加幡達雄:「SOFC-ガスタービン複合発電システムの開発」第18回SOFC研究発 表会講演要旨集, SOFC研究会, 2009年12月, p.2-5

(17) http://www.netl.doe.gov/publications/proceedings/11/seca/index.html#Session1

(18) R.Barfod, M.Mogensen, T.Klemenso, A.Hagen, Y-L.Liu, P.V.Hendriksen, Journal of Electrochemical Soc, 154(4) B371-B378(2007)

(19) R.Campana, R.I.Merino, A.Larrea, I.Villarreal, V.M.Orera, Journal of Power Sources, 192, 120-125(2009)

図 2.1.6 に作動温度 700 ℃, H 2 /N 2 =90/40cm 3 min -1 ,空気 2000cm 3 min -1 , 9A 通電条件下における各 サンプルのインピーダンススペクトル( Cole-Cole プロット)を示す. 総抵抗は (a) : 1.076 Ω cm 2 , (b) : 0.886 Ω cm 2 , (c) : 1.030 Ω cm 2 , (d) : 0.854 Ω cm 2 であった. 9A 通電時 の各総抵抗の序列に関しては,発電特性の序列と整合のとれる傾向であっ
図 2.1.10 に作動温度 700 ℃, H 2 /N 2 =50/80 ,   90/40 ,   180/80cm 3 min -1 ,空気 2000cm 3 min -1 , 1 , 3 , 6 及 び 9A 通電条件下における (a) の Cole-Cole プロットからフィッティングした各抵抗成分を示す.図 2.1.10-1) は最も周波数が高い領域の抵抗で, X 軸との切片に相当するものである.電流値及び水素 分圧に依存しないのでセル内部抵抗を示すオーム抵抗と同定できる.図 2.1.10-2)
Table 2.1.3 Overpotentials of the SOFC under each current collect types
Fig.  2.2.8 Dependence  of  resistance  in  equivalent  circuit  as  a  function  of  current  density  under  H 2 /N 2 =90/40cm 3 min -1 , air=2000cm 3 min -1 , 700 ℃
+7

参照

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