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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Fundamental research on the standard creation of beauty in space design : the creation of a checklist for the production of a beautiful interior space design

高橋, 浩伸

http://hdl.handle.net/2324/459197

出版情報:Kyushu University, 2005, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   1 

はじめに

I 5 7   4 .   2 

環境心理学における心理学的手法と心理学的人間モデル

5 8  

4 .   3 

実験の目的

6 0  

4 .   4 

実験手法の検討

6 2   4 .   5 

評価グリッド法

6 3  

4 .   6 

実験の概要

6 7  

4 .   7 

実験の方法

7 0  

4 .   8 

個人差に関する考察

7 3  

4.9  〈実験ー 1〉の結果と考察(オリジナル評価項目の抽出)

7 5  

4.  10  〈実験ー 1〉のまとめ

7 9  

4.  11  〈実験ー 2〉の結果と考察

8 1  

(評価項目の抽出、ラダーアップ、ラダーダウン)

4.  12  〈実験ー2〉のまとめ

1 0 0  

56 

(3)

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   1  はじめに

本研究の目的は、建築家やデザイナーが美しい空間を創造しようとした場合の、論拠あ る基礎的資料を提案することにある。

現在、建築家やデザイナーが美しい空間を創造しようとした時、設計者支援となるよう な美に関する論拠ある資料は見いだせない。このような状況において、本研究はまず、特 徴的とされる日本人の美意識の構造を究明しようと考え、第3章において心理学的手法の S D法 (SD法→因子分析)を用い、現代日本人の美の概念の階層構造を明らかにできた。

これによって、日本人の美意識の一断面が見いだせたものと考えられる。

この第3章における S D法を用いた実験において、日本人の美意識の特徴や美の概念の 階層構造が明らかにできたことによって、次のステップとして、現代日本人の美的価値観 を知り、それを基にデザイナーたちが美しい空間を創造する場合の、デザインコードを創 出し、より多くの美しい空間の創造に寄与できるような基礎的資料を示すのが本研究の目 的である。

そこで、第4章では、第3章の実験によって明らかになった日本人の美意識の特徴や、

美の概念の階層構造を基に、より実務的な観点から、評価グリッド法を用いた印象評価実 験を行うことで、今日の日本人の空間に対する美的価値観を見出し、それを基にして、第 5章で、デザイナーたちが美しい空間を創造する場合の、デザインコードを創出したいと 考えている。

したがって本章では、評価グリッド法における印象評価実験によって、現代日本人の空 間に対する美的価値観の抽出を目的とし、実験を行い検討・考察するものである。

なお繰り返しになるが、心理学的手法を用いた美へのアプローチは、科学的な方法論と 手法に基づく論拠からの裏付け、検証等を行うことで、かつては恣意的な解釈でよしとさ れた心の理解と説明が出来るようになり、現象的には多面的な心も、それが内在的に持つ 論理構造や形式を数理論理的な構造と重ねあわせてみることで、そこに一定の規則や法則 を見出すが出来るようになった、自然科学的な論拠ある手法である。

(4)

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   2 

環境心理学における心理学的手法と心理学的人間モデル

近年、環境心理学の分野において、心理学的手法を用いた、住環境評価など人間と環境 との関係を対象とする研究が多く行われている。

このような住環境評価に関する研究は、大きく三つに分類できると考えられている l)。 1.  解くべき問題を知るための研究

2.  問題の答えを知るための研究

3.  その設計解(提案)の妥当性を知るための研究である。

2. の研究は、従来からの建築環境工学の延長にあり、光・音・熱・空気等といった環 境を構成する測定可能な物理量の最適値を求めようとするものであるのに対し、 1.の研 究は、環境利用者の環境評価判断基準を情報として示すことで、より良い環境創造を行お

うというもので、本研究もここに属しているものと言える。

更にその上で、環境評価等の研究を進める場合、人間が環境をどのようなプロセスで理 解し、評価していると考えるか、すなわちどのような心理学的人間モデルを設定するのか

ということが大変重要といえる。

心理学的人間モデルとは人間と環境の関係について、心理学的なアプローチで、この両 者の関係を考えていこうということと言えるが、当初は、 行動 'が心理学の出発点で あり、説明されるべきものは 行動 であり、人間の意識ではないとされていた。これ はいわゆる、 S‑R (stimulus:刺激ー response:反応)モデルといわれ、環境が行動を 作り出すという考えによるものである。しかしこの考え方は、人間側の要因を無視してい ることから、多くの批判を浴びることになる。その後、環境は個人に影響を与え、個人の 状態は、環境に影響するという考え方(相互作用論的モデル)や、近年では、人間が感じ たことに意味づけをしたり、人間の行動に目的を持たせている環境からの情報をどのよう にして得るのかに焦点をあてた「認知心理学的人間モデル」が提唱されている。この「認 知心理学的人間モデル」とは、人間は経験を通じて構築されたコンストラクト・システム と呼ばれる、各人に固有の認知構造を持ち、その認知構造によって、環境及びそこでの様々 な出来事を理解し、また結果を予測しようと努めているとする人間一環境モデルである。

この「認知心理学的人間モデル」の原形とも言うべき理論に「パーソナル・コンストラク

58 

(5)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

ト理論」があるが、この「パーソナル・コンストラクト理論」は、人間の行動を情報処理 の結果として捉える点に特徴があり、感覚器からの情報を、下位から上位のコンストラク トヘと意味のある情報へ加工し、この情報に基づき、どう行動を取るべきかを検討・実行 し、その結果を修正し、次回の判断に備えるというものであり、現在の環境心理学調査に おいてはかなり一般化し、いくつかの報告が見られる2,3,4,5)。このように予測を設定し、

最善の方法を判断し行動した結果に応じて予測を強化あるいは修正をする存在としての人 間を考える点が今日の「認知心理学的人間モデル」の特徴と言える。

現在では、認知過程に重きおいた心理学的手法を用いた評価研究が多く行われている。

本研究も、この「認知心理学的人間モデル」の立場に立ち、パーソナル・コンストラクト 理論を基に検討を進めていくこととする。

(6)

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   3 

実験の目的

美しい空間を創造したいというデザイナーや建築家の欲求は、ヴィトルヴィウスの時代 より今日まで、共通したものと言える。

しかし、デザイナーや建築家の持つ美に関する信念や想像力は、必ずしもクライアント らを満足させるとは限らない。これは、多くの建築物において起こる、竣工後のクライア ントやユーザーとの美的価値観の違いによる意見の食い違い等からも明らかであろう。

現在のデザインの在り方に関しては、「信念ではなく知識」によってデザインする必要が ある CB.Jones 1962)や、「抽象的な推論よりもむしろ実感できる観察」によって導かれる 必要がある (Neutra 1962)等のように、デザイン分野の性質やデザイナーの性質について

の思考を構造化する必要を主張するものもいる 6)

どの職能においても、その活動を進めていくのに必要である知識ベース(理論的ベース)

を考えるにあたっては、第一にそのための有効な構造を考案しなければならない。

現在、建築理論は主として建築家個人、あるいは建築思想の学派の持つ一連の思想を扱 っている。これは、芸術家としての建築家、または何が美しい建築を構成するのかに関す るその人達の信念に焦点が当てられている。これらの思想(世界の操作に関する信念)の 背後にある論拠は、決して明快に述べられることはない 6)

すなわち、デザイナーがデザインに関しての膨大な知識を蓄積していようとも、それは 一人の人間の頭の中にしまい込まれ、他人がその知識にアクセスすることなで出来ない。

つまり、それは多くの人が適用したり、検証することが出来ないのである。

ここ数十年の間に、多くの人が環境や建物に関するデザインの知識ベースに関わってき た。その中には、デザイン行為のプロセスについても多くの研究がなされてきた。ところ がこれらの研究は、デザインにほとんど影響を与えていない。これは、これらの研究が充 分に経験的ではないというような行動科学者などがいるが、根本的な理由は、デザイナー が自ら使用するデザインに関しての、知識の総体のための構造化されたモデルをほとんど 持たないからだと言える 6)

そこで本実験では、このようなデザインに関しての知識ベースとしての基礎的資料とし て、認知心理学的人間モデルにおける、心理学的手法を用いた評価実験を行うことで、

2 0

代から

5 0

代の被験者における、実際の建築空間における美的価値はどのようなものかとい

60 

(7)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

うことを見出していくことを本実験の目的とする。

それによって、今まで建築家やデザイナーの感性や信念に委ねられていた美的価値観と、

クライアントやユーザーの美的価値観との食い違いを少なくし、より多くの人々の賛同を 得られるような美的空間の創造に寄与できるものと考える。ただこれは、デザインの方向 性を変えるような、個性的・特徴的な美の先駆者たちの美的価値観を求めようとするもの ではない。

(8)

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   4 

実験手法の検討

先にも述べたとおり、本実験における目的は、「なぜその空間を美しいと感じるのか。そ の美的価値観とは何なのか」という事の究明にあるが、そのための環境評価実験方法とし て本実験では、評価グリッド法を採用する。

評価グリッド法は讃井ら 2)が開発した調査方法で、建築の環境評価研究において、被験 者の評価構造を把握する方法として多くの適用例が報告され2, 3,  7)、現在では、環境評価 研究の一般的手法である。

この評価グリッド法が環境評価研究において適用される主な理由は、被験者にとっての 重要な環境評価項目が、本人の言葉で言語化され、抽出でき、評価項目相互の関係を明ら かにでき、評価のメカニズムを構造的に解明できる点にあると言える。

一方、この評価グリッド法と同様、環境評価研究においてよく使用される「S D法→因 子分析」といった研究手法があるが、第3章において、同手法を用い、美の概念の階層構 造を示してきた。この手法は、被験者が意識していないような潜在意識を引き出すのに適 しているが、その問題点として、 S D法の一般的調査形式である質問紙調査において、設 問に収録出来なかった評価項目に対する情報は一切入らないという点がある。また提示さ れた評価対象物に対してのみ抱く評価となり、一般化することが困難と言える。

したがって、第3章における、 S D法による実験によって、日本人の美の概念の階層構 造が把握できたことにより、本章では、次のステップとして、評価グリッド法を用いた実 験によって、被験者自身の言葉による、被験者の評価構造を明らかにし、空間における美 的価値観を見出そうとするものである。

また評価グリッド法は、ラダーリングによって評価項目の上位・下位概念を誘導し、評 価項目相互の関係を明らかにするものであるため、「好き」や「嫌い」等の総合評価として の評価項目でなければならないと言われている。

本研究での評価項目は空間に関しての「美しい」であり、これは評価の階層性において 上位の階層に位置し、ひとつの物理的属性だけでは評価を考えることができないようなレ ベルの評価であり、総合評価と考えられる。したがって本研究では、評価グリッド法にて 実験を行い、考察を行うこととする。

62 

(9)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   5  評価グリッド法

評価グリッド法は、讃井らが開発した認知心理学の考え方をベースに、被験者の要求(価 値観)を構造的に可視化することを目的とした、半構造化インタビュー調査手法である 2)

この評価グリッド法は、被験者の要求を直接問うのではなく、複数の評価対象物(エレ メント)について、比較評価判断とその理由を反復的に問うというステップと、構造化の ための補完作業としてのラダーリングとの2つのステップで構成される(図ー 4.1) 

当初は「レパートリーグリッド発展手法」と称されていたが、

1 9 9 7

年より「評価グリッ ド法」に改称された。

このレパートリーグリッド法とは、臨床心理の場面で、患者の治療や支援の目的で、他 人の認知構造

( C o n s t r u c t S y s t e m )

1)を知るために、

P e r s o n a l C o n s t r a c t   T h e o r y

が提 供する技法の総称である。このレパートリーグリッド法で得られるのは、理解の単位と、

その認知構造であり、デザインの「良い一悪い」の判断に直接関係のない項目も多数含ま れるため、評価グリッド法では、総合的判断に寄与している認知項目だけを聞き出すよう に改良し、評価に直接寄与した評価構造注2)を見出そうとしたものである。すなわちレパ ートリーグリッド法のような『比較→類似点/相似点』を聞くのではなく、評価グリッド 法は『比較評価判断→判断理由』を聞くことで、認知構造のうち、評価に関与する部分だ けを選択的に抽出できるようにしたものである。

評価グリッド法の作業手順であるが、まず評価対象物(エレメント)の準備が必要となる。

ただし、この評価対象物(エレメント)はあくまでもトリガーであり、評価対象ではない ということに注意が必要である。評価対象物(エレメント)はあくまでも被験者の潜在意 識的なものを引き出すためのものであり、その選定にはバリエーションに偏りがないよう にしなければならない。このような評価対象物(エレメント)には、具体的な商品、写真、

カタログ等様々な提示の仕方が存在するが、最近では被験者の記憶の中にある、よく知っ ている環境を比較対照する方法がよく使われている。

次にオリジナル評価項目の抽出を行う。基本的な原理は、評価対象物(エレメント)の 比較評価判断を行わせ、その理由を問うものである。具体的な手順は後に示す実験におい て述べるが、その後、関連評価項目の誘導(ラダーリング)を行う。

環境に対する人々の要求は、階層的であることが知られており 1)、このラダーリングに

(10)

第4童インテリア空間における美的価値観の実験

よって、オリジナル評価項目の上位・下位項目を誘導する。

このようなインタビュー調査における評価グリッド法の特徴として、従来型のインタビ ュー調査においては、得られる情報の質・量がインタビュアーの個人的能力や経験等に大 きく依存していることや、調査者の主観が混入しやすい等の問題点があったが、評価グリ ッド法は、被験者に 100%の自由を確保し、調査自体、一定の手順に従って進められるため、

インタビュアーの個人的能力や主観の混入等の影響は最小限に抑えられる。また、『比較評 価→その理由』を聞くという形式を取るため、被験者の本音を、被験者自身の言葉で抽出 できるという特徴を持つ。更に、その結果を階層的ネットワーク図として表現することで、

被験者の評価項目を構造的にわかりやすく表現できるという特徴を持っている。

第 1ステップ:オ心ナル評価項目 2辿且—•

写真やカートなどで呈示された ユーザーがよ像Uってい忍閑境群

第乙芍→プ:ラダリング 上位概念の抽出

任意の2刀の環境の比較

Q) ABのどちらが良いと思いますか? A

Q)それはなぜですか? →Aの方が00だからです。

新いヽ項目が出なくなるまで、さ戻ざまな組み合わせで 同様の作業を繰愧豆す。

下位概念の抽出 Q)OOだとどうしてよいのですか?

→◎◎だからです。

Q)OOであるためには、何がど咬にって いるこ以)、必要ですか?

□ □

が△△であるこ幼泌要です。

オザノナル評価項目

00である

□ □

が△△である

図ー4.1 レパートリーグリッド発展手法の概要

(引用:九州大学 COE7°nゲラム:知覚心理学部門平クショッ7°

「ユーサ‘—こーズの可視化・構造化手法評価ゲリッド法」讃井純一郎 講演資料)

64 

(11)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

図ー

4.2

にはオリジナル評価項目の抽出後、関連評価項目の誘導(ラダーリング)によ って抽出された被験者の評価構造モデルの一例を示す。

このような個人の評価構造モデルを、分析単位集団について重ね合わせ、また左右の関 係を適宜調整しながら、当該集団の評価構造の全体像をモデル化する。

ここで、評価グリッド法を行う場合の注意点であるが、インタビュアーは決して被験者 の評価項目の誘導を行ってはならない。また、発言の意味が不明な場合は、必ず確認する 等が挙げられる。

さらに評価グリッド法の課題として、評価グリッド法が評価対象物(エレメント)の評 価を行うのではなく、被験者の潜在意識における評価項目を抽出する手法であるため、被 験者の意識の中に評価構造が存在する場合のみに活用でき、未体験なもの等の評価項目の 抽出には不向きである。

また、この評価グリッド法によって抽出された評価構造は、評価判断に寄与している評

落ち着く 心が和む 快適である 安らぐ 楽しめる リッチな気分になれる 感動する 心が和む 伝統を感じる

【上位評価項目】

ラダーリングで誘導 された上位評価項目

整理されている 陽光がある シンプルである 統一感がある 渋い感じ 植物がある

/ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑豪華である

ステンドがラスから入る光が美しし 開放的である

屋根組が見える 清潔感がある

【オリジナル評価項目】

被験者が自発的に 使用した評価項目

物が少ない 天井に開口部がある 色の数が少ない 壁面が平らである コーディネートされている 和風である 彩度が低い 装飾が施されている 大空間である

障子から柔らかい光が入ってくる 梁がむき出しになっている

【下位評価項目】

ラダーリングで誘導 された下位評価項目

図ー4.2 個人の評価構造モデルの例 (20代女性)

(12)

~~• -•-• .—• ••.•—- • ‑•’~ ●ご.てご―ここ一:てここー一ここ二ご = ~一た=一=こニーニこ

 

  

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

価項目と、 これらの間に存在する因果関係が構成する仮想的な構造であり、そこでの評価 を行う場合の心の葛藤や、状況依存性などへの対応は困難とされている。

9

このような評価グリッド法は、経済市場の成熟に伴い、魅力創出型の商品開発が求めら れる現在において、新たなユーザーニーズの発掘の手法として、注目されている手法であり、

2 0 0 0

年前後より適用事例の急速な増加が見られ、

2 0 0 4

年より国土交通省において、『官庁 施設整備における入居者ニーズ調査標準手法』に採用されている。

本実験の目的である、インテリア空間における美的価値観を知るためには、 このような 被験者の本音を被験者自身の言葉で表現して貰うことが重要で、それによって人々の美的 価値観が抽出できるものといえる。

9

 

66 

(13)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   6 

実験の概要

評価グリッド法は、特定の空間の評価が目的ではないため、最近では被験者の記憶の中 にある、よく知っている環境を比較対照する方法がよく使われている。しかし本実験のよ うな場合、被験者の記憶における「美しい空間」をイメージさせることはやや困難で、比 較対照とすることが難しかったため、エレメントとして写真を用いることとした。

今回の実験では、エレメントとして多くの対象を用意でき、かつ比較が容易であるとい う点から建築空間を写したカラー写真を選択した。そのカラー写真の選定は、インテリア 空間を写したものだけに限定した。

これは筆者らが行ってきた日本人の美意識に関する研究が、インテリア空間に限定して 行ってきたことと、筆者が建築設計の実務においてインテリアの改修等を多く手懸け、常 日頃からインテリア空間に関する人々の美的価値観に多くの関心を寄せていたからであり、

この研究の目的が、美術館やホテル等の美的な空間創造のための基礎的資料となるべきも のを示すことにあるため、外部の景観やファサード等は用いないこととした。

カラー写真の選定には、出来るだけ偏向を避けるため、過去約 20年 (1984)におけ るインテリア・建築雑誌から、美しいと思われる空間だけではなく、決して美しいと言え ないようなインテリア空間の写真を複写したものを 115枚選出し、この 115枚の写真を3 名の被験者に分類してもらい、同一グループとした人数を類似度とし、その類似度行列を データとし、クラスター分析を行った。その結果得られた

1 5

のクラスターから、それぞれ の中で特徴的かつ代表的と見なされるような写真を筆者が選出し、本調査で使用するエレ メント(タテヨコ: 80X 60, 60 X 80mm) とした(写真ー4.1、4.2)。

この場合、エレメントの写真が縦長であったり横長であったりするが、評価グリッド法 におけるエレメント(評価対象)は、あくまでもトリガーであり、エレメント自体が評価 対象でないため、評価項目の抽出には影響がないものと考えられる。

4 .   7 

実験の方法

(14)

4 インテリア空間における美的価値観の実験

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写真一4.1  エレメントの写真 No.I  No.9 

68 

(15)

4 インテリア空間における美的価値観の実験

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写真一4.2  エレメンの写真 No.IO  No.15 

(16)

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第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

今回の評価グリッド法による実験はつぎのように行った。

1 .

オリジナル評価項目の抽出

1.  すべての評価対象物(エレメント:写真 15枚)を[美しい→美しくない]の5 段階に分類して貰う。写真を「美しい」と評価した順番に、 5段階に分類し、そしてこの

5段階のカテゴリーのうち、もっとも美しいと評価したカテゴリーの写真を 5点、その次 のカテゴリーの写真を4点と順番に3点、 2点、 1点と点数を付け、 写真ごとにその点数 の平均点を割り出した。その例を図ー4.3に示す。

なお実験を始めるにあたり、この実験が個人の評価項目を抽出するのが目的であるため、

写真に写った空間において、被験者がその場所に実際に一人で存在していると仮定するよ う指示し、評価を行ってもらった。

2 .  

評価項目の抽出

『②の空間は①の空間より「美しい」という事ですが、そう判断した理由を、

美しい 美しくない

BBB 

□ B/ 

/ /  

贔 : :

[B/B/ 

贔 嘉

( 

(1点① 

図ー4.3 オリジナル評価項目の抽出例

70 

(17)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

どんなことでもかまいませんので、思いつくまま、一つずつ順番に知らせて下さい。

特定の空間にのみ当てはまる理由でも結構です。』という教示を与える。

3.  ラダーアップ(上位概念を誘導)

00

だと美しいということですが、あなたにとって、

00

だと、どのような プラスのイメージがありますか。その理由をいくつでも、一つずつ順番に教えて ください。』

4.  ラダーダウン(具体的要求を誘導)

00

だと美しいということでしたが、

00

であるためには具体的に何がどうなっ ていることが必要だとお考えですか。

00

であるための条件をいくつでも、一つ ずつ順番に教えてください。』

※ラダーリングの注意事項 1

.  インタビュアーは、聞き役に徹し、回答者を誘導してはいけない。

2

.  

ラダーアップ時にマイナスのイメージが出た場合は、プラスのイメージで答 えてもらえるようにお願いする。

3 .  

回答者を疲れさせたり、深追いしてその場しのぎの回答がでないように気を 付ける。

ここで、 1.のオリジナル評価項目の抽出において、写真を「美しい」と評価した順番に、

5段階に分類して貰ったが、ここまでを〈実験ー 1〉とする。

(18)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

実験ー 1においては、この5段階のカテゴリーのうち、もっとも美しいと評価したカテ ゴリーの写真を 5点、その次のカテゴリーの写真を4点、と順番に3点、 2点、 1点と点 数を付け、写真ごとにその点数の平均点を割り出し、あとで考察を行うこととした。

2.の評価項目の抽出、以降を〈実験ー 2〉とし、考察を行う。

〈実験ー

1

〉〈実験ー

2

〉とも評価グリッド法における一連の実験方法であるが、被験者 は20代〜50代の男性20名、女性15名の計35名で行った。被験者の属性を表ー4. 1に 示す。

本実験における被験者の教育背景の違いであるが、建築系は現在建築系の学生あるいは 職業に就いているか、又は建築系の教育経験(学校卒)を持つ者を指し、それ以外を非建 築系とする。

表ー4.1 被験者の属性

年代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 男 7  5  4  4  20  性別

3  4  4  4  15 

建築系 10  3  5 

18 

教育背景

非建築系

17 

10 

, 

8  8  35 

72 

(19)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   8 

個人差に関する考察

このような環境評価研究においては、近年「個人差」を考慮したものが一般的となって いる。

この「個人差」とは日常経験でも明らかなように、人によって評価の判断が異なること である。このような個人差を扱った研究は次のように、二つに大別される4)

1 .  

個人差を被験者の属性と関連付けて説明するもの

2.  刺激に対する被験者の反応の傾向が似ているものをグループ化し、そのグループ間 の差異を明らかにしていこうとするもの

近年の個人差に関する報告では、多くが2. に属しており、讃井ら 3)は、年代や性別等 の属性だけではうまく個人差を説明できないと指摘し、評価の違いを評価項目の重み付け

(項目を主視する度合い)の違いとして表現した。しかしこの報告は、ほとんどすべての属 性が同ーでありながら全く異なる評価の傾向を示したとする研究報告8)に基づくものであ り、この場合の被験者の年代は 10 20歳代で、各年代の被験者のデータによって属性と 個人差の関連を調べたものではない。

また、槙ら4)は、個人差の生じる要因は被験者の属性や評価項目の影響力(重み付け)

ではなく、「どのような特徴から何を感じ取るのか」という評価項目の選択過程について大 きな個人差が存在するとしている。しかしこれも、被験者の構成が、 10 20歳代であり、

年代等の属性で説明される個人差が存在しなかったかどうかは検証されてない。

このように各年代による属性での環境評価実験は、既往の研究で住宅照明に対する感じ 方を、若年層・壮年層・高齢層という年代に分けて比較検討を行ったもの9)の他は、ほと んど見い出せなかった。それはこのような場合の調査・分析手法の多くの調査手法が、面 接調査であるために、どうしても時間的・距離的制約が常に伴うことが原因として考えら れる。

尚、宇治川 7)らはメールによる評価グリッド法による調査方法で面接による調査方法に 替わる新たな調査方法を提案しているが、いまだ一般化されていない。こうして見てみる と、20 50歳代のような各年代にわたる属性での環境評価実験はほとんど行われておらず、

(20)

I'! 

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

先にも述べたとおり、パーソナル・コンストラクト理論において、過去の生活環境、また は教育背景が異なれば、コンストラクト・システムも異なってくると考えられるのである ならば、本研究で扱う建築空間に対する美的価値観の個人差にも、年代や教育環境による 分類が見られるのではないかと予想される。

74 

(21)

4 インテリア空間における美的価値観の実験

4 . 9 

〈実験ー

1

〉の結果と考察(オリジナル評価項目の抽出)

ここで、先にも述べたとおり〈実験ー 1〉〈実験ー2〉は、評価グリッド法における一連 の実験であるが〈実験ー

1

〉においてオリジナル評価項目の抽出をおこなったものに点数 をつけて比較させた目的は、

1 5

枚のサンプル写真の中で、どのような空間写真を美しいと 評価しているかということを確認するために行った。その結果に関しては以下に示す。

表ー

4 .2

は、

5

段階に分類してもらったカテゴリーのうち、もっとも美しいと評価した カテゴリーの写真を 5点、その次のカテゴリーの写真を4点と順番に3点、 2点、 1点と 点数を付けたものの、各写真 (No.1,,...̲,  No. 15) の全体の平均点と、各年代ごとの平均点を 表したものである。

表ー4.2の点数は順序尺度であり、ここでは間隔尺度のように扱っているが、あくまで も順序尺度としての目安である。

表ー4.2 各エレメント(写真)の得点の年代ごとの平均と全体の平均

No.l  No.2  No.3  No.4  No.5  No. No. No.8  No.9  No.10  No.11  No.12  No.13  No.14  No.1 20 3.10  3.30  3.30  1.6(  10  3.8C  3.4(  3.80  3.30  1.10  4.40  3.90  3.70  3.20  4C  30 3.78  3.00  3.44  l. 7 3.5(  3.44  2.78  4.11  3.11  l.OC  3.11  4.44  4.22  2.89  2.44  40 3.50  3.88  3.88  1.6~ 2.6,  3.25  2.88  4.25  1.5(  1.13  3.3E  3.75  4.50  2.75  l.5C  50 3.75  2.88  3.75  1.2~ 2.7:  3.50  1.75  4.50  2.0(  l.OC  3.5C  3.63  4.38  3.50  2.5

全 体 3.51  3.26  3.57  1.51  3.0,  3.51  2.74  4.14  2.54  l.0€ 3.63  3.94  4.17  3.09  23 

'  

̀ l ‑

‑ n i i i '  ‑

. r

̀  

f .

1

.

r i J ‑

‑ 9 . 

No.13  No.8  No.12 

(22)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

全体では、 No.

1 3  (

4. 

1 7 )

が最も点数が高く、次に

N o .

8、No

.

12が続く。

各年代ごとに見てみると、 20代では

N

o.

1

1 (4

40)が最も点数が高く、 No.

1 2

が続く。

3 0

代では、 No

. 1 2

N o l 3

と続き、

4 0

代では、

N o .1 3

N o .

8と続く。 50代ではNo.8、No.13の 順番で点数が高い。

このように、各年代の多くの人が美しいと評価した写真は、 No.8、No.

1 1

N

o

.

12、

N

o

l 3

で、 ほぼ共通した評価である。

この実験は、この後、評価グリッド法にて 「美しい」と評価した理由を聞き、ラダーリ ングによって、「美しい」と評価した場合の評価構造を検討している。その中で、被験者が 自発的に発した評価項目で『シンプルである』や『空間が広い』それに『明るい』などの 言葉が、各年代を通して多く見られた。全体の平均点の高い

N o .

8、

N o .

12、

N

o.1

3

は、これ ら『シンプルである』や『空間が広い』それに『明るい』などの評価項目が当てはまり、

各年代を通じて高い平均点を得たのだと考えられる。

No.8  No.11 

. . .  

...;~ 1.:-- ·•.

•9..ペ

,  n i 薗 ' 口 .  1

1 1

9

No.12  No.13 

76 

(23)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

また、各年代を通して、各写真に関する評価の違いはあまり見られないが、

N o .7

に関し ては、 30 5

 

0代は、低い点数 (1.75,..,̲̲,  2. 88)なのに対し、 20代のみ (3.40)と面い。こ の写真のように、床が透けているような一見奇抜なデザインの空間は、若い年代

(20

代) しか「美しい」という評価をしないようである。

N o .  9

の写真に関しては、

2 0

代 ・

3 0

代は高い点数

( 3 .3 0

3 .1 1 ) 

なのに対し40 代 •50 代は点数 (1.

5 0

2 . 0 0 ) 

が低い。この写真は、ある建築雑誌で スペース的 と評され た空間の写真であるが、 40 代50 代には「美しい」という評価は低い。

N o .  1 0

N o . 4

に関しては、各年代を通じ 「美しい」空間であるとは評価していない。

N o .   1 0

のように、 空間に多くのものが雑然と置かれた場合、ほとんど例外なく 「美しい」

と評価されなかった。これは後の実験 2にて複数の被験者が、美しいと評価する空間として、

『物が少ない』や『整理されている』を挙げている。

N o .1 0

N o . 4

は空間に雑然とものが置 かれたり、空間を構成する色等に統一感が無く雑然としているため、このような結果とな ったものと考えられる。

No.7  No.9 

真 ~~1\  

m  ︑ 1

r l ‑

 . .  

瓢 ― "

:`ヒ ,こ ,

No.IO  No.4 

(24)

‑ ‑ ‑ ‑

4

インテリア空間における美的価値観の実験

図ー

4 . 4

は、年代ごとの平均の分散を横軸(各年代による評価の差)と、各年代の分散 の平均を縦軸(各年代における個人差)をとって、写真番号をプロットしたものである。

これを見ても

N o .7

N o . 9

は、年代による評価の違いが見られ、

N o . 1 0

に関しては、年 代差や個人差も無く、ほとんどの人の評価が同じ評価(美しくない)をしている。No.5は、 他に比べ「美しい」との評価に各年代とも、個人差が多く見られた。

No.5 

No.7 

各年代ごとの分散の平均

(各年代における個人差)

分散の平均 —-4各年代とも個人差が見られた

0. 

年代による評価の逗いが見られる

I

年代差や個人差もなく、ほとんどの人が 同じ評価 (美しくない)と評価した

1.0  2.0 

平均の分散 各年代ごとの平均の分散

(各年代による評価の差)

図ー4.4 年代ごとの平均の分散および

各年代の分散の平均の写真番号のプロット図

i . , :

No.9  No.10 

78 

(25)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   1 0   〈実験ー 1 〉のまとめ

このように見てくると、多くの人が「美しい」と評価した

N o .8

N o .1 2

N o .1 3

のよう な『シンプル』で『明る<』『広い』空間は、年代による違いもなく、各年代を通して「美 しい」と評価しているのが解った。この

N o .8

N o . 1 2

N o . 1 3

の写真に見られるような、物 が少なく空間がシンプルで、陽光を障子等を通して取り込み、優しい光にあふれるような 空間、そして天井が高いや空間に奥行きがあるなどの空間にゆとりのあるようなインテリ ア空間を多くの人々が評価し、年代差などもなく各年代を通じて美しいと評価していた。

したがって設計者やデザイナーは、一般的にこのような『シンプル』で『明る<』『広い』

空間の創造を目指すべきであり、このような資料をもとにデザインを行うことで、本実験 の目的である、設計者やデザイナーとクライアントやユーザーの美的価値観との食い違い を少なくし、より多くの人々の賛同を得られるような美的空間創造に寄与できるものと考

No.7  No.9  No.5 

No.13  No.8  No.12 

(26)

︐ 

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

える。

一方、 No.7やNo.9のように、床が透けていたり、建築雑誌でスペース的と評されたよ うな、日常あまり見ることのない、ある意味奇抜なデザインは、年代により「美しい」と いう評価に違いが見られた。このような奇抜なデザインを行うには、事前に慎重な検討が 必要であろう。

また、 No.5のような、ロココ様式のような植物模様の装飾が壁天井まで施された空間の

「美しい」という評価は、個人差が多く見られ、クライアントやユーザーの嗜好を見極めつ つ、デザインの提案を行う必要がある。

80 

(27)

]和の物(障子・畳昧の間)がある (4[~

i

i

歴史の深さを感じる (2) \ 

\-/~\

1/1  │元気になる(2) │ 

9‑‑‑I上 \ 直 鯰 照 明 が あ る(2)‑│¥'

I広がり(奥行き)を感じる (4) ¥  五 び や ガ ヽ で あ る (2)│  ¥ ,

9

装飾が施されている(2)

1

間接照明がある(2) │ 

:肛が釦遵しー」

,

j自然素材を使用している (2)

丘テシードグラスが使われている (2)

__--一_―-—/ 理されている 14 ー―‑ 物がきれいに並べてある(4)

ニーごご‑‑

/  /  ‑ ‑ \  見'ここここご /‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ ―{---_-、---c-ごLL~ 一~_____一‑‑‑‑:‑‑̲ _ 

←~--ナ--- ‑、又

̀  _

I-~--

_—-‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑_• ‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑‑‑‑‑‑ゞ/」、

\、てミ—---~~

Illllllllllll1り`疇疇量応三ロ―‑‑ ̲‑‑ : ' . ' - - - ~ \ \ ' ~ , - " - " - - : : - _ - ; - - - . . : : . . ~ - - - - '

、一~i?--1?=~~

‑ ‑ /   ̲ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ― □ ‑ ‑ 口 > ヘ ニ ニ ニ

‑‑.‑‑‑‑‑̲ ‑‑‑‑‑‑‑‑- - - ~ - - - - ̲ ‑‑ ‑‑:::~ ‑‑‑,'‑‑‑‑

̀ `  _ _ ‑‑‑ ヘ ‑‑‑‑‑‑‑ ―‑‑‑__→‑――一―‑‑_ ‑‑‑‑‑‑‑‑̲ _ _ ‑‑ ‑ ‑ '〜    ‑‑  l l ‑‑ -—へ i ‑‑ /‑,̲ ‑~、人一 ― ‑

,

  一 ー 予1色の数が少ない (3) │ 

¥  ¥  I 

,'¥' 

‑ J  ¥, 

、 ,

/、 ] ¥\ 

l ¥ ‑ 9 [ \

r ‑ ‑ ‑

□9‑‑: 

I立地がある(2) │  j空間が確保されている(2) """

`ヽみのあ5伝い]]]

:•111

'

1

黄色い色を使っている(2)

\落ち着く色づかいである (2) ] 

]色の数が多すぎない (4) ]  1建物全体から光が入る(2)

〗一色づかいのバランスがi~

56

\—

1,

\ 三 三  

789

0人以上 \'·|シンボルとなるものがある〖叫'

奥行きがある(3)9]明るい色彩(2) ,, 

I明るい色づかい(2)

王 と 力 り り リ 互 ‑ │ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ [ 声 主 嗅 飾 が あ る(2)̲J

1飽きない(2) ト‑‑‑‑‑_ー「全ノトーンである(2)│ 

│ 

III │  llI IIIII'I III │   │ │ ,│ I,I I II I I1,II │ I'1, 

陪/忍』//旅艤

5 92 4O l 78人以上(半数以上) , 

(28)

第4章 インテリア空間における美的価値観の実験

4 .   1 1  

〈実験ー 2〉の結果と考察(評価項目の抽出、ラダーアップ、ラダーダウン)

評価項目の抽出、ラダーアップ、ラダーダウンによって抽出された、被験者

3 5

名の評価 構造図を図4‑3に示す。これには被験者の言莱の内容が同じであると見なしうる言葉(評 価項目)をまとめたものを含め、 2名以上が使用した評価項目を挙げている。各評価項目 の後の数字は、その評価項目を使用した被験者の数を示し、各評価項目を結ぶ線はラダー リングによって両評価項目を関連させたことを示し、線が太いほど両評価項目を関連付け た被験者が多かったことを示している。また、評価項目の抽出には、被験者の回答を誘導 することを避け、被験者自身の言葉で評価してもらった。

この評価構造図において、

1 0

名以上が使用した評価項目だけをピックアップし、各被験 者がその評価項目を使用したのか、あるいは使用しなかったのかを表に示したものが、表

‑ 4. 3である。

表の行(縦)には被験者の年代と性別、それに教育環境(建築系=建、非建築系=非)をとり、

列(横)には、被験者が 10名以上使用した言葉を並べ、使用した人の数を

1

としている。

使用していない人は空欄である。この表ー4.3では評価の違いがわかりにくいので、次に 表ー4.4には年代による属性ごとに整理し直し、年代による評価の違いが見られるかを検 討してみる。同じ様に男女別に整理し直したものを表ー4.5、教育環境(建築系・非建築 系)別に整理し直したものを表ー4.6に示す。

81 

(29)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

表ー4. 3 主な評価項目と被験者の使用の有無(全体)

(※1は被験者が使用したことを示し、空欄は使用していないことを示す。)

使用した人数 29  25  18  16  15  15  14  10  年代 性別 教育 No.  落ち着く シンプル 空間が 天井が 物が

明るい 整理され 開放感

環境 である 広い 高い 少ない ている がある

20  男 建 1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 2  1  1 

20  男 建 3  1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 4  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 5  1  1  1  1  1  1  1 

20  女 建 6  1  1  1  1  1 

20  女 建 7  1  1  1 

20  女 建 8  1  1  1 

20  男 建

, 

1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 10  1  1  1  1  1  1 

30  男 建 1  1  1  1  1  1  1  1 

30  男 建 2  1  1  1  1 

30  男 非 3  1  1  1 

30  男 建 4  1  1 

30  男 非 5  1  1  1  1  1  1 

30  女 非 6  1  1  1  1 

30  女 非 7  1  1  1  1 

30  女 非 8  1  1  1  1  1  1 

30  女 非

, 

1  1  1  1  1 

40  女 非 1  1  1  1 

40  女 非 2  1  1  1  1  1  1  1 

40  男 建 3  1  1  1  1 

40  男 建 4  1 

40  男 建 5  1  1 

40  男 非 6  1  1  1  1 

40  女 建 7  1  1  1  1 

40  女 建 8  1  1  1 

50  男 非 1  1  1  1 

50  男 非 2  1  1  1 

50  男 非 3  1  1  1 

50  男 非 4  1 

50  女 非 5  1  1 

50  女 非 6  1  1  1  1 

50  女 非 7  1  1  1 

50  女 非 8  1  1 

合計 29  25  18  16  15  15  14  10 

(30)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

表ー 4.4 主な評価項目と被験者の使用の有無(年代別)

(※1は被験者が使用したことを示し、空欄は使用していないことを示す。)

使用した人数 29  25  18  16  15  15  14  10 

年代 性別 教育

No.  落ち着く シンプル 空間が 天井が 物が 明るい 整理され 開放感

環境 である 広い 高い 少ない ている がある

20  男 建 1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 2  1  1 

20  男 建 3  1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 4  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 5  1  1  1  1  1  1  1 

20  女 建 6  1  1  1  1  1 

20  女 建 7  1  1  1 

20  女 建 8  1  1  1 

20  男 建

, 

1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 10  1  1  1  1  1  1 

小計

, 

8  6  7  8  4  6  4 

30  男 建 1  1  1  1  1  1  1  1 

30  男 建 2  1  1  1  1 

30  男 非 3  1  1  1 

30  男 建 4  1  1 

30  男 非 5  1  1  1  1  1  1 

30  女 非 6  1  1  1  1 

30  女 非 7  1  1  1  1 

30  女 非 8  1  1  1  1  1  1 

30  女 非

, 

1  1  1  1  1 

小計 8  7  4  5  2  4  6  5 

40  女 非 1  1  1  1 

40  女 非 2  1  1  1  1  1  1  1 

40  男 建 3  1  1  1  1 

40  男 建 4  1 

40  男 建 5  1  1 

40  男 非 6  1  1  1  1 

40  女 建 7  1  1  1  1 

40  女 建 8  1  1  1 

小計 8  6  2  3  5  3  1 

50  男 非 1  1  1  1 

50  男 非 2  1  1  1 

50  男 非 3  1  1  1 

50  男 非 4  1 

50  女 非 5  1  1 

50  女 非 6  1  1  1  1 

50  女 非 7  1  1  1 

50  女 非 8  1  1 

小計 4  4  6  1 

83 

(31)

第 4章 インテリア空間における美的価値観の実験

表ー4.5 主な評価項目と被験者の使用の有無(男女別)

(※ 1は被験者が使用したことを示し、空欄は使用していないことを示す。)

使用した人数 29  25  18  16  15  15  14  10  年代 性別 教育

No. 落ち着く シンプル 空間が 天井が 物が

明るい 整理され 開放感

環境 である 広い 高い 少ない ている がある

20  男 建 1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 2  1  1 

20  男 建 3  1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 4  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 5  1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建

, 

1  1  1  1  1  1  1 

20  男 建 10  1  1  1  1  1  1 

30  男 建 1  1  1  1  1  1  1  1 

30  男 建 2  1  1  1  1 

30  男 非 3  1  1  1 

30  男 建 4  1  1 

30  男 非 5  1  1  1  1  1  I 

40  男 建 3  1  1  1  1 

40  男 建 4  1 

40  男 建 5  1  1 

40  男 非 6  1  1  1  1 

50  男 非 1  1  1  1 

50  男 非 2  1  1  1 

50  男 非 3  1  1  1 

50  男 非 4  1 

小計 16  16  11  10  10  6  8  7 

20  女 建 6  1  1  1  1  1 

20  女 建 7  1  1  1 

20  女 建 8  1  1  1 

30  女 非 6  1  1  1  1 

30  女 非 7  1  1  1  1 

30  女 非 8  1  1  1  1  1  1 

30  女 非

, 

1  1  1  1 

40  女 非 1  1  1  1 

40  女 非 2  1  1  1  1  1  1  1 

40  女 建 7  1  1  1  1 

40  女 建 8  1  1  1 

50  女 非 5  1  1 

50  女 非 6  1  1  1  1 

50  女 非 7  1  1  1 

50  女 非 8  1  1 

小計 13 

, 

7  6  5 

, 

6  3 

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