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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

思春期の日本人における顎顔面骨格と咽頭気道形態 の三次元的解析および両者の関連性

柳田, 奈津美

Faculty of Dental Science, Kyushu University

https://doi.org/10.15017/19949

出版情報:Kyushu University, 2010, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

思春期の日本人における顎顔面骨格と咽頭気道形態の 三次元的解析および両者の関連性

柳田 奈津美

九州大学大学院歯学府歯学専攻 口腔保健推進学講座歯科矯正学分野

( 指導 : 高橋 一郎 教授 )

(3)

目次

要旨 ・・・・・P.1

緒言 ・・・・・P.3

第I章 3-D CBCT解析方法の構築と精度および再現性の検証

目的 ・・・・・P.7 試料と方法

1) 試料 ・・・・・P.8 2) 方法 ・・・・・P.10

1.直接計測 2.CBCT計測 3.統計分析

結果 ・・・・・P.16 1.計測者内および計測者間誤差

2.計測の再現性

(4)

3.3-D CBCT計測の精度

考察 ・・・・・P.21 小括 ・・・・・P.23

第II章 日本人思春期女児における顎顔面骨格形態と咽頭気道形態の関連性

目的 ・・・・・P.24 資料と方法

1) 資料 ・・・・・P.25 2) 方法 ・・・・・P.27

1.顎顔面骨格3-D CBCT像の構築

2.咽頭気道の計測 3.顎顔面骨格の計測 4.計測の再現性 5.統計分析

結果 ・・・・・P.36 1.思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の顎顔面骨格形態の比較 2.思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の咽頭気道の比較

(5)

3.顎顔面骨格とNPにおける咽頭気道との相関関係

4.顎顔面骨格とEPにおける咽頭気道との相関関係

5.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の高さとの相関関係 6.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の体積との相関関係

考察 ・・・・・P.42 小括 ・・・・・P.46

第III章 日本人思春期男児における顎顔面骨格形態と咽頭気道形態との関連性

目的 ・・・・・P.47 資料と方法

1) 資料 ・・・・・P.48 2) 方法 ・・・・・P.48 結果 ・・・・・P.49

1.思春期性成長期前群と思春期性成長期前期群の顎顔面骨格形態の比較 2.思春期性成長期前群と思春期性成長期前期群の咽頭気道の比較

3.顎顔面骨格とNPにおける咽頭気道との相関関係

4.顎顔面骨格とEPにおける咽頭気道との相関関係

(6)

5.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の高さとの相関関係 6.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の体積との相関関係 7.成長段階における男女の比較

8.顎顔面骨格計測値と咽頭気道体積の相関関係における男女の比較

考察 ・・・・・P.57 小括 ・・・・・P.59

総括 ・・・・・P.60

謝辞 ・・・・・P.61

参考文献 ・・・・・P.62

(7)

本研究の一部は下記の学術雑誌に投稿中である。

対象論文:

Three-dimensional analysis of pharyngeal airway morphology in Japanese female adolescents.

Natsumi Yanagita, Masahiko Terajima, Mariko Yoshihara, Hiroto Hyakutake, Ryuzo Kanomi, and Ichiro Takahashi.

European Journal of Orthodontics. (投稿中)

(8)

1 要 旨

呼吸機能に大きく関連する気道形態は、矯正歯科治療の対象となる顎顔面骨格の形態や

大きさに影響を受けると考えられるため、これらの関連性を明確にすることは矯正診断学

における重要な検討事項の一つである。これまで、顎顔面領域の形態分析に用いられてき

た頭部 X 線規格写真像より、気道の大きさに関する二次元的な検討は行われてきた。しか

し、呼吸機能と直接関連すると考えられる体積などを含めた気道形態を三次元的に把握す

ることは困難であった。そこで本研究においては、近年、急速に歯科領域において普及し

てきたcone-beam Computed Tomography (以下、CBCT)を用いて日本人の思春期にお

ける顎顔面骨格および咽頭気道の三次元的な形態解析を行い、両者の関連性を明らかにす

ることを目的とした。

解析に先立ち、ヒト乾燥下顎骨とアクリル製円筒型のファントムを用いて3-D CBCTデ

ータによる本解析方法の計測精度および再現性について検証した。その結果、線、断面積、

体積の計測において、いずれも3-D CBCT計測は高い精度と再現性を有していた。

本解析法を用いた10~15歳の日本人女児62名と男児52名の顎顔面骨格および咽頭気道

の三次元的形態解析により、以下の結果を得た。

(9)

2

① 顎顔面骨格および咽頭気道のサイズは、思春期性成長期前期よりも後期の方が大きかっ

た。

② 男女ともに思春期性成長期前期には、頭蓋に対して上下顎骨が後方に位置するほど、ま

た、下顎下縁角が大きいほど咽頭気道体積は小さかった。

③ 思春期性成長期前期の女児のみ、下顎骨の大きさと咽頭気道サイズとの間に有意な正の

相関が認められた。

④ 思春期性成長期後期には、後鼻棘-第一頸椎間距離が短いほど、同部の咽頭気道サイズ

は小さいことが示された。

以上の所見より、咽頭気道サイズは男女ともに思春期性成長中にその大きさを増し、思

春期性成長期前期においては、頭蓋に対して上下顎骨が後方に位置するほど、また、下顎

下縁平面角が大きいほど咽頭気道体積は小さくなることが示された。しかし、思春期性成

長期後期においてはこれらの関係が認められず、思春期性成長中における顎顔面骨格と咽

頭気道形態との関係は成長段階により変化していることが示唆された。

(10)

3 緒 言

口腔顎顔面が有する呼吸、咀嚼、構音(発音)および嚥下などの生理機能は、ヒトの生

命と社会活動を支える人体の最も重要な機能の一つである。呼吸機能に大きく関連する上

気道の形態は、矯正歯科治療の対象となる顎顔面骨格の形態や大きさに影響を受けると考

えられており、なかでも口呼吸を有する小児は上顎骨の狭窄、上顎切歯の唇側傾斜、vertical

growth patternを示すことが報告されている1,2。また、Ceylanら3 は上下顎骨の相対的 な前後的位置関係を示す ANB 角の増加とともに中咽頭領域の気道が減尐することを示し

た。Freitasら4 は、vertical growth pattern を示すClass IおよびClass II不正咬合者は、

normal growth patternを示すClass IおよびClass II不正咬合者よりも上気道が有意に狭 窄していることを報告した。さらに、Class III不正咬合を有する小児の気道はClass I不正

咬合のそれよりも広く、Class II不正咬合を有する小児はClass Iよりも狭窄していたとい う報告がある3,5-7 。近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(以下、OSAS)と歯科臨床の密接な

関わりが示され8-11 、菊池ら9 は、OSASを呈さない患者と比較してOSAS患者は顔面高

が大きく下顎は後退しており、長い軟口蓋や低位に位置する舌骨を有し、気道が狭窄して

いると報告した。したがって、正常な顎顔面領域の成長を獲得するためにも小児期から気

道の形態および機能に関する十分な情報を得る必要があると考えられる。

(11)

4

通常の歯科臨床において、診断や治療計画立案の際に必要な顔面軟組織および顎顔面骨

格の形態評価には頭部 X 線規格写真などの二次元的な画像が主に用いられている。気道形

態の評価についても、同様に側面頭部 X 線規格写真などが用いられているため、気道の幅

や断面積は前後方向でしか計測できないといった問題がある。さらに、解剖学的構造の重

なりや、X線が有限焦点であることによる部位や左右側の拡大率の違いなどから、顎顔面骨

格および気道の三次元的な構造を正確に把握することは困難であった。

近年、新世代CT装置である cone-beam CT(以下、CBCT) が急速に普及し、歯科臨

床の現場で幅広く用いられるようになってきた12 。従来のCTと比較して、CBCTは撮影

にかかる費用、撮影時間および被曝線量が尐ないにも関わらず、高解像度画像が得られる

といった利点がある13-16 。また、CBCT画像は歯科用金属によるアーチファクトの影響が

尐ないうえ、等方性ボクセルであるため体軸方向の分解能も高い13,14 。CBCTから得られ

たデータを用いることで、三次元的な構造の可視化や、関心領域の抽出、任意の方向への

回転や移動、透明度のコントロールが可能である。これらの機能は、歯槽骨、歯根吸収の

評価、埋伏歯の位置確認、外科的矯正治療における顎離断術の検討、顎関節の評価に非常

に有益である。さらに、CBCTより得られたデータは、ray-sum projectionやMaximum intensify reconstruction(MIR)といった手法により頭部X線規格写真あるいはパノラマ 写真同様の二次元的な画像への再構成が可能であることから12,13,14,17、矯正歯科治療、顎矯

(12)

5

正手術、インプラント埋入などといった歯科治療において従来の診断システムを用いるこ

とが可能であるといった利点がある18-21 。近年、CTを利用することで体積計測を含めた顎

顔面領域の三次元的形態分析が可能になってきているものの、思春期における顎顔面骨格

と咽頭気道形態との関連性を三次元的に調査した報告はほとんどない。

一般に、ヒトの顎顔面骨格を含む身体、生理機能の成長発達は、個々人の遺伝的素因あ

るいは環境などによって左右されるため、成長発育イベントが暦齢と同期して発来すると

は限らない。したがって、ヒトの顎顔面の成長発育を検討する際には生理的年齢を指標と

して評価を行う必要がある。とりわけ、歯科矯正学の分野では、骨年齢が生理的年齢とし

て広く用いられており、手骨22や頸椎23のX線写真によって評価される。本研究において

は、思春期における気道の形態学的変化を検討することを鑑み、暦齢ではなく生理的年齢

としての骨年齢をCervical Vertebral Maturation法23 を用いて評価し、これを指標として検

討することとした。加えて、特に、手骨 X 線写真は一般的な骨成熟の指標として多用され

てきたが、被曝線量の増大などから、これに代わって側面頭部 X 線規格写真に投影されて

いる頸椎を指標とすることが行われるようになった。CT撮像領域には頸椎が含まれている

ため、側面頭部X線規格写真同様、骨年齢評価のための手骨X線写真の追加撮影の必要が

ないことは本法の大きな利点でもある。

そこで本研究においては、CBCT を用いて思春期の日本人における顎顔面骨格形態と咽

(13)

6

頭気道形態を三次元的かつ定量的に解析して両者の関連性を明らかにし、さらに Cervical

Vertebral Maturation法23 を用いて個々の生理的成長段階を評価することで、成長段階による 顎顔面骨格と咽頭気道形態の関連性の変化を明らかにすることを目的とした。

(14)

7

第Ⅰ章 3-D CBCT解析方法の構築と精度および再現性の検証

目的

顎顔面骨格および気道の三次元的な形態解析を行うにあたり、まず、本解析方法による

線、断面積および体積計測の精度および再現性について検証することを目的として、下記

の実験を行った。

(15)

8 試料と方法

1) 試料

骨格系計測のためのファントムとして、ヒト乾燥下顎骨 1 体を用いた。まず、矯正学的

診断および治療計画立案時に重要な11か所の解剖学的特徴点(以下、ランドマーク)を設

定し(図1)、マーキングを行った。

図1 ヒト乾燥下顎骨と解剖学的特徴点

【解剖学的特徴点】

Co (L) : Condylion (left) Co (R) : Condylion (right) SIG (L) : Sigmoid notch (left) SIG (R) : Sigmoid notch (right) CP (L) : Coronoid process tip (left) CP (R) : Coronoid process tip (right) Go (L) : Gonion (left)

Go (R) : Gonion (right) Point B : Point B Pog : Pogonion Me : Menton

(16)

9

また、気道モデルには、外径約20mm(ファントム 1)と15mm(ファントム 2)のア

クリル製円筒型ファントム(以下、チューブファントム)を用いた(図2)。

図2 チューブファントム

(17)

10 2) 方法

1.直接計測

実測値を決定するために、ファントムの直接計測を行った。接触型三次元計測装置

(MicroScribe-3D、日本バイナリー(株)、東京)を用いて下顎骨ファントム上に設定し た各ランドマークの座標値を求め、三次元画像解析ソフト (3-D Rugle for STL、メディッ クエンジニアリング社、京都)に出力した後、ランドマーク間距離を算出した(図3)。チ

ューブファントムに関しては、デジタルノギス(ミツトヨ(株)、東京)を用いて外径お

よび厚さを計測し、内径、断面積、体積をそれぞれ算出した。

図3 下顎骨ファントムの計測項目

【 計測項目】

Co width : 左右 Co 間の距離 SIG width : 左右 SIG 間の距離

CP width : 左右 CP 間の距離

Go width : 左右 Go 間の距離

CoL - GoL : 左側 Co と左側 Go 間の距離 CoR - GoR : 右側 Co と右側 Go 間の距離 GoL - Me : 左側 Go と Me 間の距離 GoR - Me : 右側 Go と Me 間の距離 CoL - Me : 左側 Co と Me 間の距離 CoR - Me : 右側 Co と Me 間の距離 Point B - Me : Point B と Me 間の距離 Pog - Me : Pog と Me 間の距離

(18)

11 2.3-D CBCT計測

(1) 3-D CBCT像の構築

下顎骨ファントムのランドマークを3-D CBCT像上で容易に識別するため、マーカーと

して中心部に直径1.5mmの円柱型の穴が空いたガラス製球体(直径8mm)を用いた。マ

ーカーは、球体の穴中央にマーキングがくるように位置づけした後、接着剤にて固定した

(図4)。

図4 下顎骨ファントム

(19)

12

ファントムの撮像にはcone-beam CT撮像装置(CB MercuRay、日立メディコ社、東京)

を用いた。下顎骨ファントムは咬合平面が床と平行になるように、チューブファントムは

その長軸が床と垂直になるように各ファントムを撮影領域の中心に設置した。撮像条件に

関しては、管電圧120kV、管電流12mA、Field of view (FOV) 192.5mm、撮影時間9.6秒、

ボクセルサイズ0.377mmとした。

撮像後、得られたCBCTデータは外付けのハードディスクドライブにDICOM形式で出

力後、オフラインでパーソナルコンピューター(DELL Precision 690、デルコンピュータ ー(株)、神奈川)に取り込んだ。得られたCBCT断層データから、三次元画像ボリュー

ムレンダリングソフトウエア(VG Studio MAX 1.2、日本ビジュアルサイエンス、東京)

を用いて下顎骨ファントムの皮質骨、チューブファントムの外形が最も明瞭になる閾値に

て画像を表示させた。なお、下顎骨ファントムに設定したマーカーは高いコントラストを

有するため、下顎骨ファントムとの境界を容易に明示することができた。

(20)

13 (2) 3D-CBCT計測

下顎骨ファントムについては、得られた3-D CBCT像をstereolithographic (STL)形

式で出力した。三次元画像解析ソフト (3-D Rugle for STL、メディックエンジニアリング、

京都)を用いて任意の方向に回転・移動させることでランドマークを確認した後(図 5)、

各ランドマークの座標値を算出し、距離計測を行った。

図5 下顎骨ファントムの3-D CBCT像

(21)

14

一方、チューブファントムについては、三次元画像ボリュームレンダリングソフトウエ

ア(VG Studio MAX 1.2、日本ビジュアルサイエンス、東京)を用い、axial slice画像上で 各チューブファントムの内径を計測した。また、断面積は各スライス画像上でトレースし

た外形線をもとにピクセル数をカウントし、体積については各領域のボクセル数をカウン

トすることで算出した(図6および7)。

図6 チューブファントムのaxial画像 図7 チューブファントムの3-D CBCT像

(22)

15 3.統計分析

計測に関しては、本研究の計測者2人(AおよびB)が1日2回を10日間繰り返して行

い、計測者ごとに平均値および標準偏差をそれぞれ算出した。そして、接触型三次元計測

装置およびデジタルノギスを用いた計測(直接計測)とCBCTを用いた計測(3-D CBCT

計測)の計測者間および計測者内における誤差をtwo-way repeated measures ANOVAお

よび Bonferroni’s multiple comparison testを用いて評価した。

また、計測者2人の平均値を算出し、直接計測の平均値を実測値、3-D CBCT計測の平

均値を3-D CBCT計測値として定義した。各計測方法における再現性の確認については標

準偏差と変動係数(%)を用い、3-D CBCT計測の精度検証には実測値と3-D CBCT計測 値の差と相対誤差を算出することで行った。なお、統計処理にはすべてSPSS ソフトウェ

ア(version 15.0 J for Windows、IBM社、シカゴ)を用い、危険率5%を有意性の判定基 準とした。

*相対誤差(%)=(3-D CBCT計測値-実測値) / 実測値×100

(23)

16 結果

1.計測者内および計測者間誤差 (表1および2)

いくつかの計測項目において直接計測と3-D CBCT計測との間に統計学的に有意な差が

認められたものの、その差は臨床において使用するには非常に小さく、また、いずれの計

測においても計測者間に統計学的に有意な差は認められなかった。

表1 下顎骨ファントムにおける計測者内および計測者間誤差

平均値 (mm)

標準偏差

(mm) Sig.a 平均値

(mm)

標準偏差

(mm) Sig.a CBCT-直接 (mm) Sig.b

Co width A 100.48 0.25 100.37 0.07 -0.11 *

B 100.47 0.23 100.33 0.08 -0.14 *

SIG width A 89.59 0.18 89.53 0.07 -0.06

B 89.52 0.21 89.54 0.06 0.03

CP width A 90.70 0.27 90.55 0.09 -0.15 *

B 90.73 0.23 90.57 0.08 -0.16 **

Go width A 91.29 0.18 91.24 0.10 -0.05

B 91.20 0.25 91.24 0.09 0.04

CoL to GoL A 53.65 0.14 53.42 0.03 -0.22 **

B 53.70 0.21 53.42 0.02 -0.28 **

CoR - GoR A 51.85 0.17 51.41 0.07 -0.45 **

B 51.79 0.19 51.38 0.09 -0.41 **

GoL - Me A 113.80 0.16 114.13 0.04 0.33 **

B 113.78 0.18 114.12 0.03 0.34 **

GoR - Me A 116.18 0.18 116.34 0.10 0.16 **

B 116.20 0.27 116.35 0.09 0.15 **

CoL - Me A 80.12 0.21 79.79 0.05 -0.33 **

B 80.04 0.25 79.81 0.05 -0.23 **

CoR - Me A 82.60 0.25 82.27 0.08 -0.33 **

B 82.64 0.31 82.30 0.12 -0.35 **

Point B - Me A 19.30 0.08 19.30 0.04 0.01

B 19.24 0.08 19.28 0.04 0.04

Pog - Me A 10.68 0.13 10.64 0.04 -0.04

B 10.67 0.15 10.63 0.04 -0.04

sig.a; 計測者(A, B)間の比較, #: p<0.05, ##: p<0.01 sig.b ; 直接計測と3-D CBCT計測との比較, *:p<0.05, **:p<0.01

平均値の差 計測項目 計測者

直接計測 3-D CBCT計測

(24)

17

表2 チューブファントムにおける計測者内および計測者間誤差

チューブファントム 計測項目 計測者

No. 平均値 標準偏差 Sig.a 平均値 標準偏差 Sig.a CBCT-直接 Sig.b

1 内径 (mm) A 16.88 0.01 16.82 0.06 -0.06 **

B 16.88 0.01 16.82 0.05 -0.06 **

断面積 (mm2) A 223.77 0.26 221.84 1.73 -1.93 **

B 223.86 0.22 221.79 1.41 -2.08 **

体積 (mm3) A 16872.36 19.35 16775.50 83.88 -96.86 **

B 16879.35 16.50 16800.83 67.74 -78.52 **

2 内径 (mm) A 11.96 0.01 11.85 0.08 -0.11 **

B 11.95 0.02 11.84 0.07 -0.11 **

断面積 (mm2) A 112.27 0.22 111.82 0.50 -0.45 **

B 112.14 0.34 111.60 0.40 -0.54 **

体積 (mm3) A 8464.95 16.63 8387.39 73.73 -77.56 **

B 8455.05 25.98 8384.69 58.37 -70.35 **

sig.a; 計測者(A, B)間の比較, #: p<0.05, ##: p<0.01 sig.b ; 直接計測と3-D CBCT計測との比較, *:p<0.05, **:p<0.01

直接計測 3-D CBCT計測 平均値の差

(25)

18

2.計測の再現性 (表3および4)

各計測法の再現性を確かめるために、実測値と3-D CBCT計測値の標準偏差と変動係数

を算出した。下顎骨ファントムにおける実測値の標準偏差は0.09 mm~0.28 mm、変動係

数は0.14 % ~1.29 %であった。3-D CBCT 計測値の標準偏差は0.02 mm~0.10 mm、変

動係数は0.05 %~0.39 %で、いずれも小さな値を示した(表3)。

チューブファントムに関しては、実測値と3-D CBCT計測値の標準偏差はいずれも計測

値に対してかなり小さな値を示した。また、実測値の変動係数は0.09 %~0.34 %、3-D CBCT

計測値の変動係数は0.32 %~0.78 %であった(表4)。

(26)

19 3.3-D CBCT計測の精度 (表3および4)

3-D CBCT計測の精度を評価するため、実測値と3-D CBCT計測値の差と、実測値に対

するその割合を示す相対誤差 (%) を算出した。下顎骨ファントムにおける最大誤差は -0.43 mm (CoR-GoR)、相対誤差は -0.82 %~0.29 %であった(表3)。

チューブファントム1での計測誤差は、内径で -0.06 mm (相対誤差 -0.35 %) 、断面積

は -1.94 mm2 (相対誤差 -0.87 %)、 体積については -83.20 mm3 (相対誤差 -0.49 %) であ った。また、チューブファントム 2 における計測誤差は、内径で -0.12 mm (相対誤差

-0.96 %)、断面積は -0.55 mm2 (相対誤差 -0.49%)、体積については -78.21 mm3 (相対 誤差 -0.92 %) であった(表4)。

(27)

20

表3 下顎骨ファントムにおける3-D CBCTの計測誤差

表4 チューブファントムにおける3-D CBCTの計測誤差

平均値の差 相対誤差 実測値 標準偏差 変動係数

(%)

3-D CBCT

計測値 標準偏差 変動係数

(%) (mm) (%)

Co width 100.48 0.24 0.24 100.35 0.07 0.07 -0.13 -0.13

SIG width 89.55 0.20 0.22 89.54 0.07 0.07 -0.02 -0.02

CP width 90.72 0.25 0.28 90.56 0.08 0.09 -0.15 -0.17

Go width 91.24 0.22 0.24 91.24 0.09 0.10 0.00 0.00

CoL to GoL 53.67 0.18 0.33 53.42 0.02 0.05 -0.25 -0.47

CoR - GoR 51.82 0.18 0.35 51.40 0.08 0.16 -0.43 -0.82

GoL - Me 113.79 0.16 0.14 114.13 0.03 0.03 0.33 0.29

GoR - Me 116.19 0.23 0.19 116.35 0.09 0.08 0.16 0.13

CoL - Me 80.08 0.23 0.29 79.80 0.05 0.06 -0.28 -0.35

CoR - Me 82.62 0.28 0.34 82.28 0.10 0.12 -0.34 -0.41

Point B - Me 19.27 0.09 0.45 19.29 0.04 0.23 0.02 0.11

Pog - Me 10.68 0.14 1.29 10.63 0.04 0.39 -0.04 -0.38

平均値の差, 3-D CBCT計測値 - 実測値 (mm) 相対誤差, (3-D CBCT計測値 - 実測値) / 実測値 (%)

計測項目

直接計測 3-D CBCT 計測

チューブファントム 平均値の差 相対誤差

No. 実測値 標準偏差 変動係数

(%)

3-D CBCT

計測値 標準偏差 変動係数

(%) (mm) (%)

1 内径 (mm) 16.88 0.02 0.09 16.82 0.05 0.32 -0.06 -0.35 断面積 (mm2) 223.76 0.42 0.19 221.81 1.56 0.70 -1.94 -0.87 体積   (mm3) 16871.37 31.66 0.19 16788.16 76.34 0.45 -83.20 -0.49 2 内径 (mm) 11.96 0.02 0.17 11.84 0.07 0.62 -0.12 -0.96 断面積 (mm2) 112.26 0.38 0.34 111.71 0.46 0.41 -0.55 -0.49 体積   (mm3) 8464.25 28.42 0.34 8386.04 65.65 0.78 -78.21 -0.92 平均値の差, 3-D CBCT計測値 - 実測値 (mm)

相対誤差, (3-D CBCT計測値 - 実測値) / 実測値 × 100 (%)

直接計測 3-D CBCT 計測

計測項目

(28)

21 考察

下顎骨ファントムにおける実測値の標準偏差に関して、Jungら24 は0.07 mm~0.38 mm、

Hilgersら25 は0.01 mm~0.36 mmであったと報告している。本研究においては0.09 mm

~0.28 mmであり、実測値の再現性は充分であると考えられた。

3-D CBCT計測において計測者間に統計学的な有意差は認められず、3-D CBCTを用い

た計測は計測者に依存しないことを示した。また、Hilgers ら 25 は乾燥ヒト頭蓋骨を用い たCBCT計測の標準偏差が0.07 mm~0.28 mmであったと報告した。Jungら24 は複数の

スライス厚でCBCT画像の計測を行ったところ、その平均変動係数は0.74 %~0.94 %であ

ったと報告している。本研究における線計測の変動係数は、0.05 %~0.39 %であったこと から、過去の報告よりも良好な結果が得られており、直接計測と同様に3-D CBCT計測の

再現性は十分であると考えられた。

CBCTによる線計測の精度を検証したLascalaら26 は、CBCT計測値よりも実測値のほ うが大きいと報告している。一方、Periagoら27 は20項目の計測のうち13項目において CBCT計測よりも実測値のほうが大きく、相対誤差の平均値は1.13 % (0.27 %~3.44 %)

であったと示した。本研究において、3-D CBCT計測と実測値との計測誤差は0.5 mm(2 ボクセル以内)で、相対誤差は1 %以下であった。なお、12項目のうち8項目において統

(29)

22

計学的に有意な差を示したが、これらの計測値の差は過去の報告よりも小さく、解析を行

う上で問題ない範囲内であることが示された。

チューブファントムに関しては、実測値よりも3-D CBCT計測のほうが小さい値を示し

た。両者の平均値の差は統計学的に有意であったものの、相対誤差は 1 %以下であった。

Gotoら 28 は、3タイプの大きさのチューブファントムを用いてspiral/helical CTの精度を 検証し、CT計測値と実測値との差は -0.1 mm~0.3 mm (相対誤差 -0.5 %~2.8 %)であ ったと報告している。また、Pinskyら29 は、アクリル製ブロック体を用いてCBCTの体 積計測の精度を検証し、実測値との差は全体積の2 %であったと報告した。したがってチュ

ーブファントムに関しても、過去の報告より小さい誤差が得られたことから、本研究にお

けるCBCTを用いた線計測および体積計測の精度は高いことが示された。

しかしながら、今回用いたファントムには周囲軟組織や金属修復物が含まれていない。

CBCT の画質や計測精度は、硬組織周囲の軟組織、金属アーチファクト、撮像時の体動、

撮影領域(Field of view)やボクセルサイズといった撮影プロトコールにも影響されるため

30 、本実験の遂行にあたってはそれらのことを十分に配慮する必要があると考えられた。

(30)

23 小括

3-D CBCT データによる本解析方法の計測精度および再現性についてファントムを用い

て検証し、以下の結果を得た。

① 線計測、断面積、体積の計測に関して、3-D CBCT計測はいずれも高い再現性を示した。

② 実測値と3-D CBCT計測の計測差は非常に小さく、本研究で使用する上では問題のない

範囲内であった。

以上の結果より、本解析方法は十分な再現性と精度を持ち、顎顔面骨格および気道の三

次元的な形態解析に使用できることが示された。

(31)

24

第II章 日本人思春期女児における顎顔面骨格形態と咽頭気道形態の関連性

目的

CBCT を用いて日本人思春期女児における顎顔面骨格形態と咽頭気道形態を三次元的か つ定量的に解析し、成長段階による両者の関連性の変化を明らかにすることを目的として以

下の研究を行った。

(32)

25 資料と方法

1) 資料

不正咬合の改善を主訴としてカノミ矯正・小児歯科クリニック(兵庫)を受診し、矯正

治療開始前にCBCT撮像を行った10歳~15歳の日本人女児62名を本研究の対象とした。

なお、CBCT 撮像については、撮像に関するリスクを十分に説明した後、本人および保護 者から撮像の同意を得られた患者に対してのみ行った。

本研究の被験者を、Cervical Vertebral Maturation (CVM) 法23を用いて下顎骨成長ピ ーク時期を評価し(図1)、思春期性成長期前期群(CS 2あるいはCS 3と評価された被験

者34名、平均年齢11.15±0.86歳)と、思春期性成長期後期群(CS 4あるいはCS 5と評

価された被験者28名、平均年齢14.23±1.13 歳)の2群に分割した(表1)。なお、(1)

先天性異常、内分泌疾患、頭蓋および頸椎の奇形を有する者、(2)顎顔面および頸椎領域 に外傷の既往がある者、(3)過去に矯正治療歴のある者、(4)初診時にアレルギー性鼻 炎や鼻閉症状がある者、(5)咽頭扁桃や口蓋扁桃の肥大など咽頭領域に問題がある者、(6)

咽頭扁桃や口蓋扁桃の切除歴がある者は除外した。本研究を遂行するにあたっては、九州

大学歯学研究院倫理委員会の承認を得た。

(33)

26

CS 1 下顎骨の成長ピークは約2年後 CS 2 下顎骨の成長ピークは約1年後 CS 3 下顎骨の成長ピーク中

CS 4 約1~2年前に下顎骨の成長ピークが起きた CS 5 下顎骨の成長ピークは約1年前に終了 CS 6 下顎骨の成長ピークは2年以上前に終了 Cervical Stage

図1 Cervical Vertebral Maturation (CVM)

Baccetti T et al., Semin Orthod 2005より引用

表1 被験者

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群

(CS 2 and 3) (CS 4 and 5)

被験者 (n) 34 28

平均年齢 (歳) 11.15±0.86 14.23±1.13

年齢範囲 (歳) 10.00-14.08 12.42-15.92

(34)

27 2) 方法

1.顎顔面骨格3-D CBCT像の構築

CBCT撮像は、カノミ矯正・小児歯科クリニック設置のCT撮像装置(CB MercuRay、

日立メディコ社、東京、図2)を用いた。撮像条件は、管電圧120kV、管電流12mA、Field

of view 192.5mm、撮影時間9.6秒、ボクセルサイズ0.377mmとした。撮像はすべて座位

で行い、フランクフルト(FH)平面が床と平行になるよう頭位を設定した。咬合は咬頭嵌 合位、口唇および舌は安静位の状態で撮像した。撮像後、得られたCBCTデータは外付け

のハードディスクドライブに DICOM 形式で出力後、オフラインでパーソナルコンピュー

ター(DELL Precision 690、デルコンピューター(株)、神奈川)に取り込んだ。得られ たCBCT断層データから、三次元画像ボリュームレンダリングソフトウエア(VG Studio

MAX 1.2、日本ビジュアルサイエンス、東京)を用いて3-D CBCT像を構築し、基準座標

系を設定した。

図2 CB MercuRay

(35)

28

基準座標系は、顎顔面骨格3-D CBCT像上の左右眼窩下縁最下点(Or)と左右骨外耳道

上縁点(Po)を使用し、左右Orの中点と左右Poとで決定される平面をFH平面、FH平 面に垂直で左右のPoを通る平面を前頭面、FH平面と前頭面に垂直で左右Orの中点を通

る平面を矢状面と設定した(図3)。

この基準座標系をもとにCBCT画像の再構成を行い、閾値処理を行った後、頭蓋骨およ

び下顎骨領域を抽出して3-D CBCT像を再構築した(図4)。

図3 基準座標系 図4 3-D CBCT像

(36)

29 2.咽頭気道の計測

(1) 基準平面および計測領域の設定

咽頭計測に際し、3つの基準平面(FH平面に垂直でPNSを通る平面をANP、FH 平面 に平行でPNSを通る平面をNP、FH平面に平行で喉頭蓋基底部を通る平面をEP)を設定

した(図5)。そして、ANPとNPで囲まれた領域を上咽頭気道、NPからEPまでの領域

を中咽頭気道と定義した(図6)。

図5 咽頭気道の基準平面 図6 咽頭気道の領域区分

(37)

30 (2) 前後径、幅径、断面積、高さ、体積の計測

コンピューターソフトウェアVG Studio MAX 1.2(日本ビジュアルサイエンス、東京)

を使用し、NP、EPにおける気道外形線をCBCT画像上でそれぞれトレースし、気道断面 の前後径、幅径、断面積を計測した(図7)。また、各領域の高さおよび体積を算出した。

図7 各平面における気道断面

(38)

31 3.顎顔面骨格の計測

三次元画像解析ソフトウェア3D-Rugle(メディックエンジニアリング社、京都)にSTL

形式で出力した3-D CBCTデータを入力し、顎顔面骨格上に設定した11個の解剖学的特徴

点を用いて、6項目の角度計測と6項目の線計測を行った(図8)。

(39)

32

図8 顎顔面骨格の計測項目

【計測項目】

1.FH to N-A : N-A を矢状面に投影した線と FH 平面とのなす角

2.FH to N-B : N-B を矢状面に投影した線と FH 平面とのなす角

3.ANB : N-A を矢状面に投影した線と N-B を矢状面に投影した線とのなす角

4.FH to Co-Go : Co-Go を矢状面に投影した線と FH 平面とのなす角 5.FH to Go-Me : Go-Me を矢状面に投影した線と FH 平面とのなす角

6.Go angle : Co-Go を矢状面に投影した線と Go-Me を矢状面に投影した線とのなす角

7.S-N : S と N の距離

8.PNS-C1 : PNS と C1 の距離

9.Go width : 左右 Go 間距離

10.Co-Go(左右) : Co と Go の距離 11.Go-Me(左右) : Go と Me の距離 12.Co-Me(左右) : Co と Me の距離

【硬組織の計測点】

S : Sella N : Nasion A : Point A B : Point B

PNS : Posterior nasal spine Co : Condylion

Go : Gonion Me : Menton

C1 : 環椎前結節の最前方点

(40)

33

4.計測の再現性(表2・3)

本研究の計測者1名が、被験者1人のすべての計測項目について日を変えて10回計測し

た後、その変動係数より再現性を検討した。本研究における角度計測の変動係数は 0.38%

~1.78%、線計測では0.06%~1.98%、断面積計測は0.44%~2.91%、体積計測においては

0.59%~1.51%であり、良好な再現性を示した(表2)。

表2 計測の再現性

平均値 標準偏差 変動係数(%) 骨格系硬組織計測項目

角度 ( °)

FH to N-A 90.37 0.36 0.40

FH to N-B 89.24 0.37 0.41

ANB 1.15 0.02 1.78

FH to Co-Go 80.12 0.49 0.61

FH to Go-Me 36.06 0.49 1.37

Go angle 135.94 0.51 0.38

長さ (mm)

S-N 56.80 0.16 0.29

PNS-C1 25.18 0.26 1.02

Go width 84.88 0.45 0.53

Co-Go 43.48 0.86 1.98

Go-Me 76.11 0.77 1.01

Co-Me 108.42 0.33 0.30

咽頭気道計測項目 Nasal floor plane

前後径 (mm) 12.61 0.05 0.41 幅径   (mm) 17.40 0.15 0.89 断面積 (mm2) 323.99 9.43 2.91 Epiglottis plane

前後径 (mm) 9.68 0.05 0.48 幅径   (mm) 27.83 0.02 0.06 断面積 (mm2) 158.63 0.70 0.44 上咽頭気道

高さ   (mm) 19.18 0.23 1.22 体積   (mm3) 3,054.96 46.16 1.51 中咽頭気道

高さ   (mm) 45.71 0.16 0.34 体積   (mm3) 7,821.09 53.80 0.69

(41)

34

また、被験者10人をランダムに選択し、すべての計測項目について計測した後、尐なく

とも1週間をあけて再計測を行った。そして、paired t testを用いて2回の計測値を比較

したところ、有意な差は認められなかった。なお、2回の計測値の相関係数は、0.940~0.999

(P<0.001)と高い値を示した。さらにDahlberg’s formula 31 を用いて計測誤差を算出した 結果、計測誤差は角度計測においては0.18°~0.77°、線計測では0.15mm~0.81mm、断面

積については4.14mm2~12.22mm2 、体積に関しては78.65mm3~154.20mm3であった(表

3)。

表3 計測誤差

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 骨格系硬組織計測項目

角度 ( °)

FH to N-A 90.97 2.27 91.01 2.45 -0.04 0.845 0.973 0.39

FH to N-B 86.93 2.42 87.02 2.83 -0.09 0.638 0.989 0.39

ANB 4.04 2.87 3.99 2.82 0.05 0.565 0.996 0.18

FH to Co-Go 88.94 3.69 88.38 3.60 0.57 0.102 0.964 0.77

FH to Go-Me 30.36 3.74 30.25 3.89 0.11 0.744 0.965 0.69

Go angle 121.42 6.74 121.42 6.74 -0.46 0.133 0.992 0.67

長さ (mm)

S-N 60.60 2.48 60.60 2.48 0.09 0.531 0.987 0.29

PNS-C1 28.72 3.07 28.60 3.04 0.12 0.064 0.998 0.15

Go width 85.84 2.99 86.29 2.38 -0.45 0.229 0.940 0.81

Co-Go 49.79 5.28 50.19 5.40 -0.40 0.110 0.991 0.56

Go-Me 78.92 4.13 78.63 4.27 0.29 0.223 0.987 0.50

Co-Me 111.56 6.08 111.74 6.26 -0.17 0.506 0.992 0.55

咽頭気道計測項目 Nasal floor plane

前後径 (mm) 15.00 2.10 14.85 1.95 0.15 0.369 0.972 0.35 幅径   (mm) 17.41 3.33 17.53 3.32 -0.12 0.274 0.995 0.24 断面積 (mm2) 355.14 80.62 354.85 80.79 0.29 0.961 0.975 12.22 Epiglottis plane

前後径 (mm) 8.99 2.43 9.02 2.41 -0.03 0.766 0.991 0.22 幅径   (mm) 29.13 3.41 29.08 3.59 0.05 0.664 0.996 0.25 断面積 (mm2) 179.74 49.11 179.26 50.36 0.48 0.811 0.993 4.14 上咽頭気道

高さ   (mm) 22.52 3.03 22.59 3.07 -0.07 0.343 0.997 0.17 体積   (mm3) 4,498.36 1,594.67 4,472.31 1,609.69 26.05 0.488 0.998 78.65 中咽頭気道

高さ   (mm) 47.71 4.63 47.75 4.72 -0.04 0.591 0.999 0.14 体積   (mm3) 9,822.29 2,627.32 9,885.68 2,734.09 -63.39 0.386 0.997 154.20

平均値の差

計測1回目 計測2回目

計測誤差

P値 相関係数

(42)

35 5.統計分析

左右ある計測項目については左右の平均値をその項目の計測値とした。全ての計測項目

において平均値と標準偏差値を算出し、Student’s t testを用いて2群間の差を比較検討し た。また、各群における顎顔面骨格と気道に関する項目間の相関関係の分析にはPearson’s

correlation coefficient を用いた。解析には SPSS ソフトウェア(version 15.0 J for

Windows, Chicago)を用い、危険率5%を有意性の判定基準とした。

(43)

36 結果

1.思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の顎顔面骨格形態の比較(表4)

角度計測において、 FH to N-A (P=0.005) とFH to N-B (P<0.001) は思春期性成長期後

期群が有意に大きい値を示し、FH to Go-Me (P=0.001) および Go angle (P=0.038) は有 意に小さい値を示した。線計測においては、S-N (P=0.003)、Go width (P=0.002)、Co-Go (P<0.001)、Go-Me (P<0.001)、Co-Me (P<0.001) が思春期性成長期後期群で有意に大きい 値を示した。

表4 思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の骨格系計測値の比較

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 P値 Sig.

角度 ( °)

FH to N-A 89.34 2.10 91.11 2.71 0.005 **

FH to N-B 84.91 2.55 87.37 2.71 <0.001 ***

ANB 4.43 2.36 3.74 1.97 0.221 NS

FH to Co-Go 88.17 3.30 87.68 2.86 0.546 NS

FH to Go-Me 31.51 3.66 28.00 4.57 0.001 **

Go angle 123.36 5.31 120.31 6.00 0.038 *

長さ (mm)

S-N 60.40 2.39 62.37 2.64 0.003 **

PNS-C1 28.56 2.92 29.64 3.51 0.192 NS

Go width 84.90 4.05 88.46 4.80 0.002 **

Co-Go 48.33 3.47 53.41 3.27 <0.001 ***

Go-Me 76.10 3.34 80.89 3.27 <0.001 ***

Co-Me 108.67 4.62 115.79 3.79 <0.001 ***

Sig.; *: p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001, NS: 有意差なし

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群

(44)

37

2.思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の咽頭気道の比較(表5)

NPにおける咽頭気道の前後径 (P=0.004) と断面積 (P<0.001)、EPにおける咽頭気道の 幅径 (P<0.001) と断面積 (P<0.001) は、思春期性成長期後期群のほうが有意に大きい値を 示した。上咽頭気道および中咽頭気道は、高さ、体積ともに思春期性成長期後期群のほう

が有意に大きい値を示した (P≦0.01)。

表5 思春期性成長期前期群と思春期性成長期後期群の咽頭気道計測値の比較

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 P値 Sig.

Nasal floor plane (NP)

前後径 (mm) 13.84 2.48 16.39 4.14 0.004 **

幅径    (mm) 16.06 3.50 17.46 3.68 0.130 NS 断面積  (mm2) 322.44 79.88 412.88 115.74 <0.001 ***

Epiglottis plane (EP)

前後径 (mm) 9.08 4.10 9.81 2.73 0.424 NS 幅径    (mm) 27.48 3.89 31.18 3.33 <0.001 ***

断面積  (mm2) 159.50 56.81 202.02 68.62 <0.001 ***

上咽頭気道

高さ   (mm) 22.27 4.04 24.95 3.80 0.010 * 体積   (mm3) 3,763.09 1,162.59 5,557.68 1,720.30 <0.001 ***

中咽頭気道

高さ   (mm) 47.22 4.85 51.39 4.79 0.001 **

体積   (mm3) 8,244.12 1,986.92 11,018.75 3,781.16 0.001 **

Sig.; *: p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001, NS: 有意差なし

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群

(45)

38

3.顎顔面骨格とNP における咽頭気道との相関関係(表6)

思春期性成長期前期群では、FH to N-Aと気道断面積 (r=0.39, P<0.05)、Go widthと気 道幅径 (r=0.39, P<0.05)、Go-Meと気道幅径 (r=0.39, P<0.05) および気道断面積 (r=0.37, P<0.05) との間に有意な正の相関が認められた。

思春期性成長期後期群に関しては、FH to N-Aと気道前後径 (r=0.40, P<0.05)、PNS-C1 と前後径 (r=0.58, P<0.01)、PNS-C1と断面積 (r=0.53, P<0.01) との間に有意な正の相関 が認められた。

表6 顎顔面骨格とNPにおける咽頭気道との相関関係

前後径 幅径 断面積 前後径 幅径 断面積

FH to N-A 0.16 0.31 0.39* 0.40* -0.29 0.21

FH to N-B -0.01 0.26 0.21 0.32 -0.09 0.16

ANB 0.15 -0.01 0.12 0.11 -0.28 0.07

FH to Co-Go 0.22 0.04 0.07 -0.22 -0.26 -0.33

FH to Go-Me -0.05 -0.15 -0.08 0.02 0.15 0.11

Go angle -0.17 -0.14 -0.10 0.12 0.24 0.24

S-N 0.12 -0.04 -0.03 0.10 0.26 0.16

PNS-C1 0.09 0.29 0.13 0.58** -0.11 0.53**

Go width -0.05 0.39* 0.34 -0.04 0.34 0.21

Co-Go -0.14 0.15 -0.01 -0.21 -0.03 -0.22

Go-Me 0.23 0.39* 0.37* 0.20 0.06 0.28

Co-Me 0.01 0.29 0.22 0.14 0.21 0.23

*: p<0.05, **: p<0.01.

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群

(46)

39

4.顎顔面骨格とEP における咽頭気道との相関関係(表7)

思春期性成長期前期群では、顎顔面骨格とEPにおける咽頭気道断面形態との間に統計学

的に有意な相関関係は認められなかった。

思春期性成長期後期群に関しては、FH to Go-Meと気道幅径 (r= -0.48, P<0.05) との間 に有意な負の相関が、Go-Meと気道幅径 (r=0.43, P<0.05) との間に有意な正の相関が認 められた。

表7 顎顔面骨格とEPにおける咽頭気道との相関関係

前後径 幅径 断面積 前後径 幅径 断面積

FH to N-A -0.23 0.03 -0.19 0.12 0.00 0.06

FH to N-B -0.03 0.08 0.01 0.21 0.23 0.14

ANB -0.18 -0.06 -0.18 -0.13 -0.31 -0.12

FH to Co-Go -0.01 -0.13 -0.08 -0.29 0.00 -0.23

FH to Go-Me 0.02 -0.30 -0.14 -0.14 -0.48 * -0.26

Go angle 0.02 -0.13 -0.04 0.03 -0.36 -0.09

S-N -0.09 0.11 -0.07 -0.18 -0.21 -0.08

PNS-C1 -0.10 -0.27 -0.34 0.28 -0.05 0.33

Go width 0.24 0.02 0.15 0.08 0.20 0.08

Co-Go 0.15 0.06 0.18 -0.07 0.22 -0.15

Go-Me 0.24 -0.05 0.09 0.32 0.43* 0.37

Co-Me 0.25 -0.08 0.09 0.15 0.14 0.07

*: p<0.05, **: p<0.01.

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群

(47)

40

5.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の高さとの相関関係(表8)

思春期性成長期前期群では、FH to N-Bと上咽頭気道の高さとの間に有意な正の相関が 認められた (r=0.35, P<0.05)。中咽頭気道の高さは、PNS-C1 (r= -0.34, P<0.05)、Co-Go (r=0.51, P<0.05)、Co-Me (r=0.38, P<0.01) との間に統計学的に有意な相関関係が認められ た。

思春期性成長期後期群に関しては、中咽頭気道の高さと、Go width (r=0.48, P<0.05)、

Go-Me (r=0.55, P<0.01)、Co-Me (r=0.38, P<0.01) との間に有意な正の相関が認められた。

表8 顎顔面骨格計測値と咽頭気道の高さとの相関関係

FH to N-A 0.25 -0.20 0.16 0.04

FH to N-B 0.35 * 0.02 0.36 0.16

ANB -0.16 -0.21 -0.27 -0.16

FH to Co-Go -0.13 -0.09 -0.22 -0.23

FH to Go-Me -0.08 -0.25 -0.13 -0.22

Go angle 0.03 -0.12 0.01 -0.06

S-N 0.08 0.10 0.20 0.14

PNS-C1 -0.14 -0.34 * 0.10 -0.15

Go width 0.12 0.13 0.05 0.48 *

Co-Go -0.02 0.51 ** 0.02 0.18

Go-Me 0.04 0.14 0.24 0.55 **

Co-Me 0.03 0.38 * 0.26 0.38 *

*: p<0.05, **: p<0.01.

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群 上咽頭気道 中咽頭気道 上咽頭気道 中咽頭気道

(48)

41

6.顎顔面骨格計測値と咽頭気道の体積との相関関係(表9)

思春期性成長期前期群では、上咽頭気道の高さとFH to N-A (r=0.42, P<0.05) およびFH

to N-B (r=0.41, P<0.05) との間に有意な正の相関が認められた。中咽頭気道の高さと、FH to N-B (r=0.38, P<0.05)、FH to Go-Me (r= -0.38, P<0.05)、Go-Me (r=0.46, P<0.01) 、 Co-Me (r=0.37, P<0.05)との間に統計学的に有意な相関関係が認められた。

思春期性成長期後期群に関しては、中咽頭気道の高さとPNS-C1 (r=0.55, P<0.05) との間

に有意な正の相関が認められた。

表9 顎顔面骨格計測値と咽頭気道の体積との相関関係

FH to N-A 0.42 * 0.11 0.08 0.22

FH to N-B 0.41 * 0.38 * 0.12 0.24

ANB -0.07 -0.31 -0.05 -0.03

FH to Co-Go 0.03 -0.12 -0.22 -0.20

FH to Go-Me -0.06 -0.38 * 0.20 -0.12

Go angle -0.05 -0.18 0.26 0.01

S-N 0.13 0.02 0.08 0.12

PNS-C1 -0.08 -0.28 0.27 0.55 **

Go width 0.16 0.30 0.14 0.15

Co-Go 0.03 0.23 -0.15 -0.09

Go-Me 0.31 0.46 ** 0.23 0.34

Co-Me 0.21 0.37 * 0.26 0.20

*: p<0.05, **: p<0.01.

思春期性成長期前期群 思春期性成長期後期群 上咽頭気道 中咽頭気道 上咽頭気道 中咽頭気道

図 2  チューブファントム
図 6  チューブファントムの axial 画像      図 7  チューブファントムの 3-D CBCT 像
表 2    チューブファントムにおける計測者内および計測者間誤差
図 1  Cervical Vertebral Maturation (CVM)

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