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ネットのニュース記事における見出しの機能 Yahoo ト ピ ッ ク ス を 用 い て

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ネットのニュース記事における見出しの機能

Yahoo ト ピ ッ ク ス を 用 い て 湯浅千映子

【 キ ー ワ ー ド 】 新 聞 見 出 し 中 心 文 非 言 語 的 知 識

1 . 本 研 究 の 目 的

今 日 、イ ン タ ー ネ ッ ト 配 信 の ニ ュ ー ス が 普 及 し 、日 本 や 世 界 に 関 す る 情 報 を 即 時 か つ 大 量 に 手 に す る こ と が 可 能 と な っ た 。ネ ッ ト 上 の ニ ュ ー ス 記 事 を 読 む 際 、 最 初 に 目 に す る の は 、 Yahoo な ど の ポ ー タ ル サ イ ト の ト ッ プ ペ ー ジ に 現 れ る 「 ト ピ ッ ク ス 」 の 見 出 し で あ る1

( 1 ) イ ノ シ シ 女 性 の 指 食 い ち ぎ る( 読 売 新 聞 2011年 1 月 8日 付 / 神 社 で 体 操 中 に イ ノ シ シ 襲 撃 、 7 4 歳 女 性 重 傷 )

( 2 )月 内 部 、地 球 と 似 た 核 が 存 在( 産 経 新 聞 2011年 1 月 9日 付 / 月 内 部 に 地 球 に 似 た 核 = ア ポ ロ 観 測 デ ー タ を 再 分 析 - N A S A )

( 3 ) 高 速 道 で 車 4 台 が 衝 突 3 人 死 亡

( 毎 日 新 聞 2011 年 1 月 11 日 付 / < 高 速 道 事 故 > 4 台 衝 突 、死 者 は 3 人 に 新 潟 県 胎 内 市 )

主 に 新 聞 社 が 配 信 す る ネ ッ ト ニ ュ ー ス の 記 事 に は 、紙 媒 体 の 場 合 と 同 様 、「 見 出 し 」2が つ い て い る 。 Yahoo な ど の ポ ー タ ル サ イ ト は そ の 中 か ら 話 題 と な る ニ ュ ー ス を 選 び 、「 ト ピ ッ ク ス 」3と し て 独 自 の 見 出 し を 立

1 例 は 、 新 聞 名 、 日 付 、 新 聞 社 の 付 し た 25字 前 後 の 見 出 し の 順 に 示 し た 。

2 報 道 記 事 の「 見 出 し 」と は 、小 宮(2012:218-219)の「 新 聞 の 文 体 」の 説 明 に よ れ ば 、「 ニ ュ ー ス の 表 題 で あ り 、 読 者 に 一 目 で 記 事 の 要 点 を 知 ら せ 、 読 む 必 要 が あ る か の ど う か の 判 断 材 料 を 提 供 す る 」、「 リ ー ド や 本 文 か ら 客 観 的 に 抽 出 さ れ た 句 が 多 用 さ れ る 」 と あ る 。

3 「 ト ピ ッ ク ス 」と は 、ニ ュ ー ス を は じ め と し た さ ま ざ ま な 話 題 や 情 報 を 、テ ー マ 別 に ま と め た も の で 、中 で も 興 味 を ひ く 話 題 と し て 選 ば れ た も の が ト ッ プ ペ ー ジ に 掲 載 さ れ る 。 ま たYahooニ ュ ー ス の ペ ー ジ に は 、 ジ ャ ン ル 別 に ま と め た「 ト ピ ッ ク ス 」の 見 出 し 一 覧 が あ る 。「 国 内 」「 海 外 」「 経 済 」「 エ ン タ ー テ イ ン メ ン ト 」「 ス ポ ー ツ 」「 コ ン ピ ュ ー タ 」「 サ イ エ ン ス 」「 地 域 」と い っ た ジ ャ ン ル に 分 か れ て い る 。1日 あ た り 約60~70の 見 出 し が 生 産 さ れ て い る 。

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て 、新 聞 社 の 記 事 と リ ン ク さ せ て い る4。奥 村( 2010:75)に よ れ ば ,新 聞 社 系 の ニ ュ ー ス サ イ ト の 記 事 の 見 出 し が 25 字 か ら 成 る の に 対 し , Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し は 、 人 間 が 一 目 で 知 覚 で き る 範 囲 と さ れ る 、 13 字 か ら 15 字 で 作 ら れ る と い う 。 読 者 は そ の 限 ら れ た 文 字 数 の 中 で 記 事 内 容 を 推 測 し ,読 み 進 め る 。情 報 を 削 ぎ 落 と し 、残 っ た 要 素 を つ な ぎ 合 わ せ て 、ト ピ ッ ク ス の 見 出 し は 作 ら れ る 。ニ ュ ー ス の 読 者 は 、こ れ を 復 元 し て 読 む こ と で 記 事 本 文 の 内 容 を 把 握 す る 。し か し 、見 出 し に よ っ て は 、 そ の 読 み 取 り が 困 難 だ と 感 じ る 例 も 少 な か ら ず 存 在 す る 。 日 本 語 教 育 の 立 場 か ら 、新 聞 の 見 出 し の 省 略 方 法 や 見 出 し 解 読 の 際 の 問 題 点 を 指 摘 し た 論 文 に 野 口( 2002)が あ る 。野 口( 2002:123)は 、「 見 出 し の ” 文 法 ” の 基 本 を し っ か り つ か ん で お け ば 、( 中 略 ) 学 習 者 に と っ て 、本 文 の 内 容 予 測 は 容 易 に な る 」と い う 。そ こ で 、見 出 し の 予 測 可 能 性 と い う 観 点 か ら ネ ッ ト ニ ュ ー ス の 見 出 し の 中 で 13 字 の Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し を 用 い て 、そ の 形 式 的 特 徴 を 見 て い く 。さ ら に 見 出 し の 内 容 に つ い て 、 そ の 形 式 面 と 関 連 付 け な が ら 考 察 す る 。

2 . 新 聞 の 見 出 し に 関 す る 先 行 研 究 2 . 1 野 口 ( 2002)

野 口( 2002)は 、本 文 の 内 容 の 予 測 に 役 立 つ 見 出 し の 省 略 方 法 の ル ー ル と 見 出 し の 解 読 の 際 の 問 題 点 を 指 摘 し た 。さ ら に 、見 出 し の 省 略 の ル ー ル と し て 、 以 下 の 2 点 を 挙 げ て い る 。

① 表 現 の 工 夫 に よ る 省 略

・ 助 詞 の 省 略

・ 名 詞 止 め に よ る 省 略 ( 助 動 詞 「 さ れ る 」 の 省 略 、「 す る 」 動 詞 の 省 略 )

・助 詞 止 め に よ る 省 略( 助 詞「 に・へ・を・も・か 」の 後 ろ の 動 詞・動 詞 句 が 省 か れ る )

・ 略 語 ・ 略 称

② 記 号 に よ る 省 略

読 点 や 句 点 、 半 角 の 空 白 や 「 ・ 」、「 ? 」 や 「 ! 」、 か ぎ 括 弧 な ど

見 出 し の 解 読 で 生 じ る 問 題 点 に 、「 助 詞 、動 詞 の 復 元 」、「 連 体 修 飾 語 」、

「 テ ン ス ・ ム ー ド 」、 名 詞 止 め で テ ン ス が 明 ら か で な い 例 や 現 在 形 で 過 去 の 出 来 事 を 表 す「 劇 的 現 在 」の テ ン ス を 挙 げ て い る 。助 詞「 へ 」が 末 尾 に 来 る 場 合 、 大 部 分 が 未 来 の 意 で あ る と し て い る 。

4 本 稿 で は 、Yahooの 見 出 し を 扱 っ た が 、別 の ポ ー タ ル サ イ ト で も 配 信 元 の ニ ュ ー ス に 独 自 の 見 出 し を 立 て て い る 。 時 事 通 信2012年7月27日 付 「 ツ イ ッ タ ー 、 大 規 模 障 害 で 謝 罪 = サ ッ カ ー 勝 利 つ ぶ や け ず ― ロ ン ド ン 五 輪 」 の 場 合 、

Yahooト ピ ッ ク ス は 、「Twitter、 大 規 模 障 害 で 謝 罪 」、 g o o の 「 注 目 の ニ ュ

ー ス 」 で は 、「 ツ イ ッ タ ー 障 害 を 謝 罪 喜 び が … 」 と な っ て い た 。

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2 . 2 森 山 ( 2009)

森 山( 2009)は 、情 報 の 圧 縮 と い う 観 点 か ら ,新 聞 見 出 し の 文 法 に つ い て 、「 が ・ を 」 の 格 助 詞 や 主 題 の 「 は 」 の 助 詞 の 省 略 、 動 詞 の 省 略 を 挙 げ る 。 ま た 、 野 口 ( 2002:116) の「 劇 的 現 在 」 に つ い て 、「 動 き の 概 念 を 未 分 化 な ま ま で 示 す こ と で ア ス ペ ク ト の 指 定 も し て い な い 」( 森 山 2009: 16)と す る 。 さ ら に 、 助 詞 「 へ 」 に よ る 未 来 の 表 現 を 「 時 間 経 過 も 移 動 と し て 把 握 」、「 一 種 の 場 所 表 現 的 な 比 喩 」と す る 。モ ダ リ テ ィ で は 、引 用 内 部 で 助 詞「 を 」で 終 わ る も の が 要 求 の 意 の 述 語 の 存 在 を 暗 示 す る と 指 摘 し て い る 。

2 . 3 寺 川 ( 1991)

寺 川 ( 1991) は 、 見 出 し の 「 名 詞 ― 動 詞 」 の 連 体 修 飾 構 造 の 「 装 定 」 と 〔 名 詞 ― 動 詞 〕 の 「 述 定 」 の 配 列 に 注 目 し 、 見 出 し を 「 Ⅰ 主 題 的 な 一 成 分 」( 例 「 美 浜 原 発 事 故 」)・「 Ⅱ 文 か ら 述 語 部 を と っ た も の 」( 例

「 約 一 時 間 前 に 予 兆 」)・「 Ⅲ 文 か ら 活 用 語 尾 を と っ た も の 」( 例「 放 射 能 値 が 上 昇 」5)・「 Ⅳ 述 語 が 言 い 切 り 形 を と る も の 」( 例 「 解 析 中 に 流 出 起 き る 」)・「 Ⅴ 述 語 が 続 く 形 を と る も の( 例「 シ ョ ッ ク 後 ひ き 」)・「 Ⅵ

有 標 の 伝 達 の ム ー ド を 伴 う も の 」(例「 太 鼓 で 願 い 届 け 」)と「 Ⅶ 装 定 ( 連 体 修 飾 )」( 例 「 広 が る 協 力 」) の 7 種 に 分 類 し て い る 。

2 . 4 李 ( 2008)

李( 2008:6-7)は 、新 聞 社 説 の 文 章 構 造 の 解 明 に 見 出 し を 用 い て 、 見 出 し の 本 文 に お け る 反 復 の 調 査 に よ っ て そ の 解 明 を 試 み た 。新 聞 社 説 の 見 出 し の 機 能 を 佐 久 間( 1994:101)の 統 括 機 能 の 種 類 に よ る 4 つ の 中 心 文 (「 話 題 文 」・「 結 論 文 」・「 概 要 文 」・「 そ の 他 」) を 参 考 に 、「 主 張 表 明 」

( 例「 知 的 財 産 計 画 政 府 も 攻 め の 姿 勢 を 示 せ 」)・「 話 題 提 示 」( 例「『 米 中 』と 日 本 の い ま 」)と 、「 主 張 表 明 」に も「 話 題 提 示 」に も な り 得 る「 そ の 他 」 の 3 つ に 分 け て い る 。

3 . 分 析 デ ー タ と 分 析 の 観 点

本 稿 で 扱 う デ ー タ は 、 2011 年 1 月 7 日 か ら 14 日 の 「 Yahoo ト ピ ッ ク ス 」 の 見 出 し 8 日 間 分 で あ る6。 全 部 で 408 例7あ っ た 。

5寺 川 は 、「 独 統 一 チ ー ム 初 参 加 へ 」と い っ た 助 詞 止 め の 見 出 し も 取 り 上 げ 、名 詞 の 述 語 性 を 認 め 、「 Ⅲ 文 か ら 活 用 語 尾 を と っ た も の 」 に 含 め て い る 。

6 先 行 研 究 が 分 析 対 象 と し た 全 国 紙 を 中 心 に 読 売 新 聞・毎 日 新 聞・産 経 新 聞 ・ 時 事 通 信・共 同 通 信・ロ イ タ ー 通 信・神 奈 川 新 聞( カ ナ ロ コ )の 記 事 を 用 い た 。

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Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し は 、主 部 と 述 部 か ら 成 る 。前 出 の( 1 )「 イ ノ シ シ 女 性 の 指 食 い ち ぎ る 」の 場 合 、「 イ ノ シ シ 」が 主 部 で 、そ れ に 接 続 す る 助 詞 は 省 略 さ れ 、「 食 い ち ぎ る 」 が 述 部 に な る 。 主 語 が 先 行 し て 話 題 提 示 が な さ れ 、助 詞 や 半 角 分 の 空 白 や 読 点 を 挟 み 、述 部 に そ の ニ ュ ー ス の 動 向 が 示 さ れ て い る 。( 2 )、( 3 )は 、新 聞 記 事 が 伝 え る べ き「 5 W 1 H 」 の 「 ど こ 」 の 情 報 が 「 月 内 部 」、「 高 速 道 で 」 と ま ず 示 さ れ 、後 に 主 部 、 述 部 が 続 く 。( 3 ) で は 、「 4 台 衝 突 」( 経 過 )、「 3 人 死 亡 」( 結 果 ) と 見 出 し 内 に 連 続 し て 起 こ っ た 2 つ の 事 態 が 盛 り 込 ま れ て い る8。 ネ ッ ト 上 の ニ ュ ー ス の 見 出 し は 、従 来 の 紙 媒 体 の 新 聞 の 見 出 し と は 異 な る 役 割 を 担 う こ と が 想 像 さ れ る 。先 行 研 究 が 論 じ た の は 、い ず れ も 紙 媒 体 の 新 聞 の 見 出 し に つ い て で あ っ た 。 こ れ ら の 指 摘 は 、 Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で も 同 様 に 当 て は ま る の だ ろ う か 。 本 稿 で は 、 Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 形 式 の バ リ エ ー シ ョ ン を 整 理 し 、そ の 出 現 傾 向 を 見 る 。 そ の 際 、 寺 川 ( 1991) の 「 装 定 」 や 「 述 定 」 な ど の 配 列 に よ る 分 類 を 参 考 に し 、述 部 を 中 心 と し た 見 出 し の 分 類 を 行 う 。さ ら に 李( 2008)の 新 聞 社 説 に お け る 見 出 し の 機 能 の 分 析 を ふ ま え 、本 稿 の 分 析 で 扱 う 報 道 記 事 を 中 心 と し た Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し は 、ど ん な 内 容 を 有 す る の か 、 記 事 本 文 と 対 応 さ せ つ つ 見 て い く 。

4 . Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 形 式 的 分 類

ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 語 末 、句 末 の 述 部 の 形 式 の 上 か ら 分 類 し た と こ ろ 、「 Ⅰ 述 部 あ り 」 と 「 Ⅱ 述 部 な し 」 に 二 分 で き た9

雑 誌 や ス ポ ー ツ 紙 を 配 信 元 と す る も の は 除 い て い る 。

7 先 行 研 究 が 分 析 対 象 と し た 全 国 紙 を 中 心 に 読 売 新 聞・毎 日 新 聞・産 経 新 聞 ・ 時 事 通 信・共 同 通 信・ロ イ タ ー 通 信・神 奈 川 新 聞( カ ナ ロ コ )の 記 事 を 用 い た 。 雑 誌 や ス ポ ー ツ 紙 を 配 信 元 と す る も の は 除 い て い る 。

8 「 滝 川 二 が 初 優 勝 高 校 サ ッ カ ー 」 の よ う な 主 題 が 述 部 よ り も 後 に 来 る 例 、

「 大 物 デ ザ イ ナ ー ら 脱 税 疑 惑 伊 」 の よ う な 事 件 の 場 所 が 後 に な る 例 も あ る 。

9 Ⅰ の「 用 言 の 終 止 形 」に は 、打 消 し の 助 動 詞「 ず 」で 終 わ る 例 も 含 む 。ま た 取 材 対 象 の 人 物 の 声 を か ぎ 括 弧 で 引 用 し た も の( 例16「 ア 杯 本 田 圭『 攻 撃 的 に 行 く 』」) も 入 れ た 。 Ⅲ の 名 詞 で 終 わ る 例 の 中 に は 、 例22「 斎 藤 の 自 主 ト レ 開 始 に2500人 」 な ど の 数 値 で 終 わ る も の も あ る 。

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寺 川( 1991:116)は 、新 聞 の 全 紙 面 の 見 出 し を 前 述 の 7 種 の タ イ プ に 分 け 、 そ の 数 量 的 傾 向 を 出 し て い る 。 そ れ に よ れ ば 、「 Ⅲ 文 か ら 活 用 語 尾 を と っ た も の 」、「 Ⅱ 文 か ら 述 語 部 を と っ た も の 」、「 Ⅰ 主 題 的 な 一 成 分 」、「 Ⅳ 述 語 が 言 い 切 り 形 を と る も の 」 の タ イ プ の 順 で 多 い と い う 。 こ れ は 、 表 1 の ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 結 果 で も 、「 Ⅰ b 」 の 漢 語 の み 、「 Ⅱ a 」 の 名 詞 の み の 順 に 多 く 、 紙 媒 体 の 場 合 と 共 通 す る 。 3 番 目 に 多 い の が 「 Ⅰ c 」 の 漢 語 に 助 詞 を 付 し た 例 で あ る 。 こ れ は 、 野 口 ( 2002:102) の 「 助 詞 止 め に よ る 省 略 」 に 相 当 し 、「 へ 」 の 後 ろ に は 、移 動 や 経 過 を 表 す 動 詞 が 省 略 さ れ て い る と い う 。( 8 )「 収 録 中 男 児 骨 折 の 番 組 放 送 へ 」は 、放 送 さ れ る 方 向 に 予 定 が 向 か っ て い る と い う 未 来 の 出 来 事 を 示 す 。 読 売 新 聞 の 記 事 本 文 で は 、「 予 定 通 り 2 6 日 に 放 送 さ れ る こ と が わ か っ た 」と 、未 来 の 決 定 事 項 と し て 示 さ れ て い た 。助 詞 止 め の 中 で は 、「 へ 」 に よ る も の が 49 例 中 、 44 例 と 突 出 し て い る 。 Ⅱ の 「 述 部 な し 」 は 、 野 口 ( 2002:100) で も 「 動 詞 の 省 略 」 の 例 と し て 、す る 動 詞 と は 別 の 動 詞 が 省 略 さ れ る 例 を 挙 げ て い る 。( 18)「 上 海 に 中 国 初 カ プ セ ル ホ テ ル 」の 場 合 、産 経 新 聞 で の 見 出 し は「 上 海 に カ プ セ ル ホ テ ル 誕 生 」 で あ り 、 そ の 記 事 本 文 の 冒 頭 の 一 文 に は 、「 上 海 で 中 国 初 と い う 『 カ プ セ ル ホ テ ル 』 が 登 場 し 、」 と あ っ た 。 動 詞 の 部 分 の 「 誕 生 」や「 登 場 す る 」が な く と も 、ホ テ ル が で き た と い う 事 態 が 読 み 取 れ る 。ト ピ ッ ク ス の 作 り 手 が「 中 国 初 」の 部 分 に 読 者 の 注 目 を 集 め よ う と 、 自 明 の 「 誕 生 」 や 「 登 場 す る 」 と い う 表 現 を 省 い た も の と 思 わ れ る 。 一 方 で 、野 口( 2002:110)は 、「 女 性 の 側 か ら 三 行 半( を 突 き つ け る )」

の 例 を 挙 げ 、「 す る 」・「 な る 」 動 詞 以 外 の 動 詞 の 復 元 に は 、 高 度 の 連 語 の 知 識 が 求 め ら れ る と す る 。( 19)「 カ メ ラ 付 き 携 帯 が 逮 捕 に 威 力 」 は 、 記 事 本 文 に「( 携 帯 が )首 都 の 治 安 向 上 に 威 力 を 発 揮 し そ う だ 。」と あ り 、

「 威 力 」の 後 に 補 う べ き 動 詞 は 、こ の「 発 揮 す る 」に 限 ら れ る 。( 20)「 ま た 閉 館 シ ネ セ ゾ ン 渋 谷 が 幕 」 の 場 合 も 、 記 事 本 文 に 「 ミ ニ シ ア タ ー が 相 次 い で 幕 を 下 ろ す こ と に な る 。」と あ り 、「 幕 を 下 ろ す 」の 連 語 を 思 い つ か な け れ ば 、 理 解 は 難 し い も の と な る 。

こ の よ う に Ⅱ の「 述 部 な し 」の 見 出 し は 、述 部 の 欠 け た 部 分 に 想 定 さ れ る 動 詞 や 助 詞 を 読 者 自 身 が 補 っ て 記 事 本 文 を 予 測 せ ね ば な ら ず 、Ⅰ の

「 述 部 あ り 」 よ り も 読 者 に 委 ね る 部 分 が 大 き く な る だ ろ う 。

5 Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 機 能 5 . 1 中 心 文 と 見 出 し の 機 能

佐 久 間 ( 1988: 595) の 「 段 落 」 の 項 の 「 見 出 し 」 の 説 明 で は 、 段 落

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指 導 の 一 つ と し て 「 小 見 出 し 」 を 付 け る 方 法 に つ い て 述 べ 、「 段 落 の 中 心 文 を 見 つ け て 、 そ れ を 短 く 言 い 換 え る 方 法 も あ る 」 と す る 。 こ れ は 、 中 心 文 の 内 容 が 見 出 し 候 補 と な る と い う こ と で あ ろ う 。 佐 久 間 ( 1994:

101)で は 、そ の 中 心 文 を 統 括 機 能 の 種 類 に よ っ て「 話 題 文 」・「 結 論 文 」・

「 概 要 文 」 と 「 そ の 他 」 の 4 つ に 分 類 す る 。 李 ( 2008:66) は 、 こ の 分 類 を 参 考 に 新 聞 社 説 の 見 出 し の 機 能 を 「 主 張 表 明 」( 取 り 上 げ た 事 柄 に 対 し て の 書 き 手 の 意 見 が 明 確 に 出 て い る も の )・「 話 題 提 示 」( 書 き 手 の 意 見 が 明 確 に 出 て お ら ず 、こ れ か ら 述 べ る 事 柄 に 対 す る 事 実 )・「 そ の 他 」 の 3 つ に 分 け 、 分 析 し て い る 。

以 上 を ふ ま え 、本 稿 の 報 道 記 事 を 中 心 と す る Yahoo ト ピ ッ ク ス の 見 出 し の 機 能 に つ い て 見 た と こ ろ 、記 事 本 文 の「 概 要 文 」か ら 作 ら れ た 見 出 し と 、記 事 本 文 の「 話 題 文 」か ら 作 ら れ た 見 出 し の 2 つ に 分 け る こ と が で き た 。 佐 久 間 ( 1994: 101-104) は 、「 概 要 文 」 を 「 そ の 文 章 や 段 で 述 べ る 内 容 全 体 の 要 約 や 引 用 の 文 」、「 話 題 文 」を「 そ の 段 で 主 に 取 り 上 げ る 事 実 や 問 題 に つ い て 述 べ る 文 」と 規 定 す る 。さ ら に 、「 概 要 文 」に は 、

<概 略 要 約 >と <主 題 引 用 >の 文 章 展 開 機 能 が あ り 、「 話 題 文 」に は 、<話 題 提 示 >・ <課 題 導 入 >・ <情 報 出 典 >・ <場 面 設 定 >・ <意 図 提 示 >の 文 章 展 開 機 能 が あ る と す る 。 本 稿 で は 、「 概 要 文 由 来 の 見 出 し 」 と 「 話 題 文 由 来 の 見 出 し 」 と 呼 び 、 以 下 に 分 析 す る 。

5 . 2 概 要 文 由 来 の 見 出 し

再 掲 ( 5 ) 独 で 日 本 の 古 写 真 1 千 点 発 見

Ⅰ ① 幕 末 か ら 昭 和 初 期 の 日 本 の 風 物 を 写 し た 1 0 0 0 点 超 に 及 ぶ 古 写 真 が 、 ド イ ツ の ボ ン 大 学 で 見 つ か っ た 。Ⅱ ② こ れ ほ ど 大 量 の 日 本 の 古 写 真 が 海 外 で 確 認 さ れ る の は 極 め て 珍 し い 。Ⅲ ③ 日 本 文 化 研 究 者 の フ リ ー ド リ ヒ・ト ラ ウ ツ( 1 8 7 7 〜 1 9 5 2 年 )が 収 集 し た 日 本 関 連 の 書 籍 や 文 献 な ど の 資 料 群 か ら 、馬 場 章 ・ 東 京 大 教 授( 歴 史 情 報 論 )が 発 見 し た 。④ 今 後 、日 の 研 究 者 で 撮 影 の 具 体 的 時 期 や 場 所 の 特 定 が 進 め ば 、往 時 の 日 本 の 姿 が ど う 海 外 に 伝 わ っ た か を 知 る 、 貴 重 な 資 料 に な り そ う だ 。( 以 下 略 )

幕 末 か ら 昭 和 、 1 千 点 超 す 写 真 発 見 … ボ ン 大 学 (11/01/08 読 売 ) 記 事 冒 頭 の 段 に 見 ら れ る 中 心 文 、そ し て 新 聞 記 事 全 体 の 主 題 文 は 文 ① で あ る 。記 事 全 体 を 要 約 し た こ の 文 を 用 い て 見 出 し が 作 ら れ て い る 。文

①「 見 つ か っ た 」が 読 売 新 聞 社 の 見 出 し と ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で は 、「 発 見 」 と な っ て お り 、 記 事 本 文 と 見 出 し と の 間 で 言 い 換 え が 起 き て い る 。 再 掲( 22) 斎 藤 の 自 主 ト レ 開 始 に 2500 人

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Ⅰ ① 日 本 ハ ム の 新 人 合 同 自 主 ト レ が 1 2 日 、2 軍 施 設 の 鎌 ケ 谷 ス タ ジ ア ム( 千 葉 県 鎌 ケ 谷 市 )で 始 ま り 、ド ラ フ ト 1 位 指 名 の 斎 藤 佑 樹 投 手( 2 2 )= 早 大 = が プ ロ と し て 本 格 始 動 し た 。

Ⅱ ① 無 料 開 放 さ れ た 内 野 ス タ ン ド や 、外 野 フ ェ ン ス の 外 側 に は 2 5 0 0 人 近 い フ ァ ン が 詰 め か け 、ラ ン ニ ン グ や 柔 軟 体 操 な ど に 汗 を 流 す 斎 藤 の 一 挙 手 一 投 足 に 注 目 。 ② 「 斎 藤 君 」「 佑 ち ゃ ん 」 と い っ た 声 援 も 飛 ん だ 。

日 ハ ム ・ 斎 藤 が 始 動 新 人 合 同 自 主 ト レ に フ ァ ン 2 5 0 0 人 殺 到

( 11/01/12 産 経 ) こ の 記 事 は 、自 主 ト レ を 始 め た こ と と フ ァ ン が 集 ま っ た こ と の 2 つ の 事 態 を ニ ュ ー ス と し て 取 り 上 げ て お り 、中 心 文 が Ⅰ ① と Ⅱ ① の 2 つ 存 在 す る 。こ の 記 事 の 主 題 文 は 、記 事 冒 頭 に 位 置 す る こ と か ら 、Ⅰ ① の「 プ ロ と し て 本 格 始 動 し た 」の 方 で あ ろ う 。ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で は 、2 つ の 中 心 文 の 内 容 を 全 角 13 文 字 内 に 収 め 、 斉 藤 選 手 が 自 主 ト レ を 始 め る に あ た り 、 2500 人 の フ ァ ン が 詰 め か け た こ と も 読 者 に 示 し て い る 。 さ て 、こ の ト ピ ッ ク ス の 見 出 し だ け で は 、2500 人 が「 誰 」な の か 、2500 人 が「 何 」を し た の か が わ か ら な い 。記 事 本 文 で は 、Ⅱ ①「 2500 人 近 い フ ァ ン が 詰 め か け 」と あ り 、産 経 新 聞 の 見 出 し に は 、「 フ ァ ン 2500 人 殺 到 」と あ る 。記 事 本 文「 詰 め か け る 」か ら 新 聞 社 の 見 出 し で「 殺 到 」と 、 サ 変 動 詞 に な れ る 2 字 漢 語 で 言 い 換 え て い る 。 ト ピ ッ ク ス の 「 2500 人 」 の 後 に 「 詰 め 掛 け た 」 や 「 殺 到 」 の 表 現 が 隠 さ れ て い る 。

そ れ で も 、こ の ト ピ ッ ク ス の 見 出 し だ け で は 、記 事 内 容 を 正 確 に 把 握 す る こ と は 困 難 を 伴 う 。斉 藤 選 手 の 人 気 ぶ り や 野 球 選 手 の ト レ ー ニ ン グ が 一 般 に 公 開 さ れ て い る と い っ た 事 実 を ま ず 知 っ て お か な く て は な ら な い 。 野 口 ( 2002: 109) で も 、 見 出 し の 解 読 に は 、 表 面 に 現 れ た 文 字 記 号 を 解 釈 し て も 真 の 理 解 と な ら な い 場 合 が あ り 、「 真 の 理 解 に は 、 言 語 的 知 識 に 加 え 、情 報 、一 般 常 識 や 背 景 と な る 社 会 的 ・ 文 化 的 知 識 な ど の 非 言 語 的 知 識 も 必 要 と さ れ る 」と あ る 。見 出 し の 読 み 取 り に は 、連 語 の 意 味 と い っ た 、言 語 知 識 の み な ら ず 、読 者 の 既 有 の 知 識 で は 判 断 の つ か な い こ と を 求 め る 場 合 も 出 て く る の で あ る 。

ス ポ ー ツ 報 知 11 年 1 月 11 日 付 の 記 事 で「 66 歳 、100 日 連 続 フ ル マ ラ ソ ン 」 と い う ト ピ ッ ク ス の 見 出 し が あ っ た 。 新 聞 社 の 25 字 前 後 の 見 出 し は 、「 66 歳 市 民 ラ ン ナ ー 、 100 日 連 続 フ ル マ ラ ソ ン 完 走 」 と あ り 、 主 部 に 「 市 民 ラ ン ナ ー 」、 述 部 に 「 完 走 」 の 2 字 漢 語 が 存 在 す る が 、 ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で は 、 主 部 の 66 歳 が 「 誰 」 か わ か ら ず 、 ま た 、 述 部 も 明 ら か で は な い た め 、フ ル マ ラ ソ ン を 応 援 し た の か 走 っ た の か も わ か ら な い 。常 識 や 経 験 を 鑑 み つ つ 、想 像 力 を 動 員 し て よ う や く「 66 歳 の マ ラ ソ ン 選 手 が フ ル マ ラ ソ ン を 走 っ た 」 と い う 理 解 が 可 能 と な る の で あ る 。

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5 . 3 話 題 文 由 来 の 見 出 し

寺 川 ( 1991:113) は 、「 Ⅰ 主 題 的 な 一 成 分 」 と い う 見 出 し の タ イ プ を あ げ て い た が 、ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で も 見 出 し 全 体 が 記 事 の 話 題 表 示 と し て の 機 能 し か 持 た ず 、記 事 の 要 点 や 全 容 は 、13 字 の 見 出 し を ク リ ッ ク し て 記 事 本 文 を 開 い て み て 初 め て わ か る と い う 例 が あ っ た 。ト ピ ッ ク ス の 見 出 し 全 408 例 中 、9 例 が「 話 題 文 の 見 出 し 」で あ り 、残 る 399 例 が 「 概 要 文 の 見 出 し 」 で あ っ た 。「 話 題 文 の 見 出 し 」 は 、 少 数 で あ る 。 こ れ は 、ト ッ プ ペ ー ジ か ら 記 事 本 文 へ 読 者 の ク リ ッ ク を 誘 う と い う 、従 来 の 紙 媒 体 に は な い 新 た な 機 能 が 備 わ っ た こ と に よ り 生 じ た パ タ ー ン と 言 え る か も し れ な い 。

( 28) サ ッ カ ー 速 報 高 校 日 本 一 は

( 毎 日 11 年 1 月 10 日 付 滝 川 二 初 V へ ! 香 川 が 決 め る / 高 校 サ ッ カ ー ) ( 29) 京 都 市 長 な ぜ い つ も 着 物 ?10

( 毎 日 11 年 1 月 13 日 付 京 都 市 市 長 は な ぜ 着 物 ? … エ コ で 着 こ な し 自 在 ) ( 30) 目 黒 夫 婦 殺 傷 犯 人 の 行 動 の 謎

( 産 経 11 年 1 月 14 日 付 目 黒 の 夫 婦 殺 傷 浮 か び 上 が る 謎 )

( 28)「 サ ッ カ ー 速 報 高 校 日 本 一 は 」の 見 出 し に 対 し 、新 聞 社 に よ る 見 出 し に は 、滝 川 第 二 高 校 が 初 優 勝 し た と い う 結 果 が 示 さ れ て い る 。試 合 結 果 を ま だ 知 り た く な い 読 者 に 配 慮 し て 、 Yahoo の ト ッ プ ペ ー ジ の 段 階 で は 結 果 を 明 か さ ず 、 話 題 の 表 示 の み と な っ て い る 。

佐 久 間 ( 1994: 101) は 、「 話 題 文 」 の <話 題 提 示 ) や 「 概 要 文 」 の <概 略 要 約 >と い っ た 中 心 文 の 文 章 展 開 機 能 に つ い て 、「 い ず れ も 形 態 的 特 徴

10 野 口(2002:104)の 分 類 で も 見 出 し の 記 号 の 特 殊 用 法 が 指 摘 さ れ た 。「 ? 」 に つ い て 、Yahooト ピ ッ ク ス の 見 出 し で は 、疑 問 の 意 を も た ず 、確 定 し た 事 実 を 示 す ニ ュ ー ス で 読 み 手 の 驚 き を 代 弁 し 、 強 調 す る 例 も あ っ た 。 例 え ば 、「 藤 田 嗣 治 作 品 に シ ッ カ ロ ー ル?」(11年 1 月13日 読 売「 藤 田 嗣 治 、あ の 乳 白 色 は ベ ビ ー パ ウ ダ ー 」) の 見 出 し の 場 合 、 記 事 本 文 に は 、「 優 美 な 裸 婦 な ど を 描 き 、 乳 白 色 の 絵 肌 で 知 ら れ る 画 家・藤 田 嗣 治(ふ じ た つ ぐ は る)( 1 8 8 6 ~ 1 9 6 8 )が 、戦 時 中 の 作 品 で 日 本 製 の ベ ビ ー パ ウ ダ ー「 シ ッ カ ロ ー ル 」を 画 材 に 用 い て い た こ と が 分 か っ た 。」 と あ り 、 シ ッ カ ロ ー ル を 用 い た の は 確 定 し た 事 実 で あ る 。そ の 事 実 に 驚 き の 意 味 を こ め て「 ? 」が 使 わ れ て い る 。こ う し た 肯 定 の 意 を 強 め る た め に 「 ? 」 を 表 示 す る 例 は 、 全408例 中 4 例 で あ っ た 。

(10)

を 持 つ 文 型 と し て 認 定 し う る も の で あ る 」と す る 。( 28)は 、「 は 」の 取 り た て 助 詞 で 終 わ り 、話 題 の み を 示 す 例 で あ る 。ま た( 29)は 、「 な ぜ 」 と 疑 問 で 問 い か け る 〈 課 題 導 入 〉 の 内 容 を 有 し て い る 。( 30) も 「 謎 」 と い う 抽 象 的 な 名 詞 が 見 出 し の 句 末 に あ り 、こ れ が 記 事 内 に 書 か れ た 内 容 を 総 括 し て い る 。こ れ ら は 、前 述 の 表 1 の Ⅱ の 述 部 の な い 例 に 属 す る 。

し か し 、こ の 場 合 、前 述 の 概 要 文 の 見 出 し と は 異 な り 、述 部 の 用 言 の 内 容 が 欠 け て い る と は 言 え な い 。用 言 を 補 っ て 記 事 本 文 を 想 定 す る こ と は 不 可 能 と 言 え る 。

最 後 に 、連 体 修 飾 節 の「 装 定 」の 例 で 、見 出 し 内 部 に 用 言 の あ る 話 題 文 由 来 の 見 出 し に つ い て 取 り 上 げ る 。

( 31) 野 良 ネ コ 殺 処 分 減 ら な い 理 由

Ⅰ ① 捕 獲 さ れ て 殺 処 分 さ れ る 野 良 イ ヌ が 激 減 す る 一 方 、 殺 処 分 さ れ る 野 良 ネ コ は そ れ ほ ど 減 っ て い な い こ と が 7 日 、 国 の 調 査 で 分 か っ た 。 ② ネ コ が イ ヌ よ り 多 産 で 飼 い 主 に 捨 て ら れ や す い う え 、 都 市 化 が 進 ん だ 街 で は 野 良 イ ヌ と い う“ 天 敵 ”が 姿 を 消 し て ネ コ に は す み や す い 環 境 に 。③ し か も 公 園 で は「 か わ い い 」 と み な さ れ 餌 付 け さ れ て 増 殖 し て い る の が 原 因 と い う 。 ④ こ う し た 傾 向 は 特 に 都 市 部 で 著 し く 、 大 阪 市 は 官 民 連 携 で 野 良 ネ コ の 引 き 受 け 先 を 探 す 全 国 で も 珍 し い 「 市 民 サ ポ ー タ ー 」 の 募 集 に 乗 り 出 す 。( 以 下 略 ) 野 良 ネ コ 天 国 イ ヌ よ り 捨 て ら れ や す く 、 餌 付 け で 増 殖 も ( 11/01/07 産 経 ) 産 経 新 聞 の 見 出 し に は 、「 野 良 猫 天 国 」 と い う 比 喩 的 な 表 現 で 野 良 猫 が 多 い こ と を 示 し 、 野 良 猫 が 減 ら な い 具 体 的 な 理 由 ( 捨 て ら れ や す い 、 餌 付 け で 増 殖 す る )に 言 及 し て い る が 、ト ピ ッ ク ス の 見 出 し で は 、野 良 猫 の 殺 処 分 が 減 ら な い と い う 事 実 を 述 べ 、そ の 理 由 の 存 在 の み を 示 し て お り 、理 由 そ の も の に つ い て は 、記 事 本 文 を 読 む こ と で 明 か さ れ る 形 と な っ て い る 。 こ れ は 、( 22) の 場 合 と 同 様 、 文 ① の 殺 処 分 さ れ る 猫 が 減 っ て い な い と い う 調 査 の 結 果 も 中 心 文 で あ る が 、文 ② 以 降 で 示 さ れ る そ の 理 由 や 原 因 に つ い て 述 べ た 文 ② 、文 ③ も 中 心 文 と な り 、主 題 文 を 1 つ に 定 め る の が 難 し い 。中 心 文 が 散 在 す る 例 で あ る 。よ っ て こ れ ら の 中 心 文 を 総 括 し て 「 減 ら な い 理 由 」 と い う 見 出 し を 立 て た も の と 思 わ れ る 。

6 . ま と め と 今 後 の 課 題

本 稿 は 、Yahoo ト ピ ッ ク ス の 13 字 の 見 出 し に つ い て 、そ の 形 式 的 特 徴 と 出 現 傾 向 を 新 聞 社 に よ る 見 出 し や 記 事 本 文 と の 比 較 の 中 で 見 て い っ た 。 13 字 ~ 15 字 の 情 報 か ら 記 事 全 文 の 内 容 を 把 握 す る 際 、 2 字 漢 語 に

「 す る 」の 活 用 語 尾 を 補 う だ け で 理 解 が た や す い 場 合 と 、述 部 全 体 が 省 略 さ れ て お り 、そ れ を 想 像 力 や 自 身 が 有 す る 常 識 に 照 ら し 合 わ せ て 内 容

(11)

を 補 う こ と で 理 解 で き る 場 合 が あ っ た 。同 じ 見 出 し を 予 測 す る に も 、見 出 し の 形 態 に よ っ て 難 し さ に 差 が あ る こ と が う か が え る 。

ま た 、見 出 し と 記 事 本 文 の 中 心 文 や 主 題 文 と を 対 応 さ せ る こ と で 見 え て き た 見 出 し の 機 能 に つ い て も 、例 え ば 、述 部 が な い も の の 中 で 、取 り た て 助 詞 の「 は 」で 終 わ る も の は 、話 題 だ け を 示 す「 話 題 文 由 来 の 見 出 し 」 と な る な ど 、 形 態 に 裏 付 け ら れ る 特 徴 が 見 ら れ た 。

ネ ッ ト で ニ ュ ー ス を 得 る こ と が 一 般 化 し つ つ あ る 昨 今 ,多 く の 情 報 に 素 早 く ア ク セ ス で き る 見 出 し の ニ ー ズ は 、今 後 ま す ま す 高 ま る で あ ろ う 。 ネ ッ ト ニ ュ ー ス の 見 出 し を 読 む こ と そ れ 自 体 が 、見 出 し の 予 測 に 必 要 な

「 非 言 語 的 知 識 」 を 獲 得 し 、 常 識 を 深 め る 機 会 に も な り 得 る 。 今 後 は 、新 聞 社 の ネ ッ ト 配 信 の 見 出 し と 紙 媒 体 の 新 聞 の 見 出 し と の ち が い や 見 出 し の 語 句 と 記 事 本 文 内 の 語 句 の と の 対 応 、記 事 本 文 全 体 の 構 造 か ら 見 た 中 心 文 の 位 置 と 見 出 し と の 関 連 な ど 、考 察 を 続 け て い き た い 。

参 考 文 献

内 田 安 伊 子 ・ 内 田 紀 子 ( 2008)『 構 成 ・ 特 徴 ・ 分 野 か ら 学 ぶ 新 聞 の 読 解 』 ス リ ー エ ー ネ ッ ト ワ ー ク

奥 村 倫 弘 ( 2010)『 Yahoo ト ピ ッ ク ス の 作 り 方 』 光 文 社 新 書 光 文 社

黒 崎 佐 仁 子 ( 2007)「 話 題 提 示 に 見 ら れ る 無 助 詞 文 の 条 件 ― ニ ュ ー ス 見 出 し を 中 心 と し て ― 」『 早 稲 田 日 本 語 教 育 学 』 第 1 号

後 藤 利 枝( 1999)「 論 説 文 の 文 章 構 造 と 見 出 し の 反 復 」『 日 本 女 子 大 学 大 学 院 文 学 研 究 科 紀 要 』 第 5 号

小 宮 千 鶴 子 ( 2011)「 新 聞 の 文 体 」『 文 章 ・ 談 話 ・ 表 現 の 事 典 』 明 治 書 院 佐 久 間 ま ゆ み ( 1988)「 段 落 」『 国 語 教 育 研 究 大 辞 典 』 明 治 書 院

佐 久 間 ま ゆ み ( 1994)「 中 心 文 の 『 段 』 統 括 機 能 」『 日 本 女 子 大 学 文 学 部 紀 要 』 第 44 号

高 橋 太 郎 ( 1993)「 省 略 に よ っ て で き た 言 語 形 式 」『 日 本 語 学 』 12 号 明 治 書 院 寺 川 み ち 子( 1991)「 新 聞 見 出 し に 見 る 装 定 と 述 定 」『 日 本 語 論 究 3:現 代 日 本 語 の 研 究 』 和 泉 書 院

野 口 崇 子( 2002)「 見 出 し の 文 法 ― 解 読 へ の 手 引 き と 諸 問 題 」『 講 座 日 本 語 教 育 』 38 号 早 稲 田 大 学 日 本 語 研 究 教 育 セ ン タ ー

野 田 春 美 ( 2006)「 新 聞 の 見 出 し 末 に お け る 格 助 詞 ・ と り た て 助 詞 の 特 徴 」 上 田 功 ・ 野 田 尚 史 編 『 言 外 と 言 内 の 交 流 分 野 小 泉 保 博 士 傘 寿 記 念 論 文 集 』 大 学 書 林

三 樹 精 吉 ( 1988)「 新 聞 の 見 出 し 」『 日 本 語 百 科 大 事 典 』 大 修 館 書 店

森 山 卓 郎( 2009)「 新 聞 見 出 し の 文 法・序 説 」『 日 中 言 語 研 究 と 日 本 語 教 育 』第 2 号

李 貞 ミ ン( 2008)「 韓 日 新 聞 社 説 に お け る「 主 張 の ス ト ラ テ ジ ー 」の 対 照 研 究 」 ひ つ じ 書 房

‐ ゆ あ さ ち え こ 早 稲 田 大 学 大 学 院 日 本 語 教 育 研 究 科 博 士 後 期 課 程 -

参照

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