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学校に関するドイツ、マレーシア、・日本の意識比較研究

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長 崎 大学教 育学部紀 要 一教 育科学 一 65号 .13‑27(20036月)

学校に関するドイツ、マレーシア、 ・日本の意識比較研究

T 連想調査によるオスナプリュック,ペナン,長崎の調査 ⊥ 上 薗 恒太郎

Co mpa r a ● t i v eRe s e ar c ho fCo ns c i o us ne s sabo utSc ho o l i nGe r many , Ma l ay s i aa ndJ a pa n

‑ Sur ve yi nOs nab r uc k , Pe na ngandNagas a kibyAs s o c i at i p nTe s t‑

Ko h t a r oKAかⅡZONO

学校 に関す る連想 は,オスナ ブ リュ ック,ペナ ン,長崎 の3カ所 の大学生, ペナ ンお よび長崎の小学生 において,共通 に先生 との結びつ きが最 も強 く, 勉強 (学習),生徒 (友だち)の3つ を基本 として成立 してお り,学校意識構 造 の普遍性 を示 した。

長崎の経年調査 か ら,1996年 にい じめ関連の反応語 (刺激語 (学校) か ら

「い じめ」が人数比18.3%)が2002年 には減少 (4.0%)し,学校が落 ち着 い て きた と言 えるが,学校 が 「い じめ」 を思 い起 こさせ る点 は依然 として特徴 となっている。

教育概念 は,長崎の大学生の連想調査 によれ ば,家庭,地域 を含 んで構成 され るものの,何 よ り学校 と結びついてい る。子 ども概念 は,小 さ く,かわ い く,元気 に,遊ぶ,無邪気 なイメー ジに彩 られ てお り,近代子 ども観 の影 響 が見 られ る。

は じめに

Ⅰ‑ 1 学校像の異同を探 る意味

学校 って何 だろ う, この問いは,1980年半 ば以降また再び1990年半 ば以降,学校‑の疑 問の声 とともに増大 した。すなわち, 1. 日本 でいわゆるバ ブルが崩壊 して1)企業が経営戦 略の転換 を図 る間 にも,学校 は高度成長 の夢 を支 える意識体制のままで変わ らず,転換 を 図 る社会か ら離反 したために,2.日本 の人材供給 を支 えた学校神話,学校 でいい成績 を あげて学校階梯 を昇 るほ どいい仕事 に就 ける とい う物語 がほころび,3.近代 を支 えた神 請,進歩 を支 える科学 に疑問符がつ き,急速 な発展 に疑念が生 じた とき,す なわ ち近代学 校 を支 えた権威 が崩れ て科学 と文化 の場 としての学校が輝 きを失 った とき,4.第二次世 界大戦後お よそ50年間,い くらかの修正だけで存続 し続 けた学校 の制度疲労が 目につ くよ

うにな り,5.教員の意識 が組織 内の役割 に限定 されて教育全体 を見 る眼が薄れ,学校 が 今 日の課題 に しなやかに対応す る力 を失い,6.学校 でい じめが広が り,子 どもたちが 自 殺 してのち,7.い じめ と子 どもの 自殺 を引き起 こす事態 を10年 を経 て繰 り返す学校 な ら ば,学校 に行 くよ りも子 どもが生 きていた方 がいい とい う妥 当な判断が生 まれ た とき,学

(2)

14 長崎大学教育学部紀要 ‑教育科学 一 第65

校 って何だろ う2)とい う疑念が,学校の存在意義 をゆるが している。

いじめ概念 について筆者 は先 に,「日本語のいじめは強 く日本的様相 に刻印 されてお り, 1980年以降,い じめによって心理的に追い込 まれた子 どもたちの 自殺 によって,人々の間 に新 しいいじめ概念が形成 されたと思われる」 3)旨,連想調査によって論 じた。 日本人にとっ ていじめの語感はおそ らく1980年代半ばか ら変化 してお り,い じめは学校 と自殺 を定義に 含む概念 に変わった4)0

いじめの定義が学校 を含むように変化 したとき,人々の意識における学校の定義は変わっ たのだろ うか。本論は,学校 って何だろ うの問いに対 して,学校 とは人々の意識 において 何であるのかを示す ことによって答 え串うとする。方法 として,連想調査 を用い,連想マ ッ プによって人々の意識全体 を描 き,比較 をお こな う。比較 は,第1にヨー ロッパお よびア ジアと日本の比較であ り, ドイツのオスナブ リュック,マ レーシアのペナ ン, 日本の長崎 における大学生対象の連想調査結果 を用いる。第2に,ペナ ンおよび長崎の小学生の調査 によって学校像 を比較す る。第 3に長崎での 1996年の調査 と2002年のいずれ も大学生 に ついての調査 を比べ,学校が変わったと認識 されているか否かを見る5)

近代学校が近代 を支 えた組織 として普遍的形態 ならば,意識 における学校 も国を問わず 共通であると考えられ る。 しかしまた 日本の学習指導要領改訂など学校は 1990年代半ば以 降変わってきたはずである。す ると,その変化は変わ りゆ く過程 を体験 した大学生の意識 に現れるだろ う。仮説 として要約すれば,以上の 2点 を本論で扱 う。

Ⅰ‑2 教育に関する意識に現れる学校

教育において学校はいかなる位置にあ り,子 どものなかで学校 はどのように捉 えられて いるのか,意識における学校の位置づけを明 らかにしてお きたい。2002年の長崎大学教育 学部生の連想 を取 り上 げる (図1)。

(教育) と言 うと 「学校」6'であると,人数比で 65.5%.が想起 している (図 1右上).敬 育は,何 よりもまず学校 と結びついている。 さらに 「子 ども 「家庭」が続 き,いずれ も連 想 において定義域にあると見なしていい 36% を超 えて,教育の中心を構成 している。子 ど

もに対する教育が (教育)の中心 にあるが,学校だけではな く家庭 もまた教育 を担 ってい ることが意識 されている。教育の場にいるのは,「教師」「先生であ り, 「親」であ り,お こなわれているのは 「教 える」 ことであ り 「勉強」であると読み とれ る。

「学校」 と 「教室」 を教育の場 と考えて合算 してみると人数比で7割 を超 える。 (教育) とは 「教 える 「教 え 「勉強」「学習 「学ぶ 「学び 「学びあ う 「習 う 「指導」である と概括す ると8割 を超 える。学ぶ主体ないし教 える相手は 「子 ども 「生徒」「児童」で 7割 を超 える。教 えるのは 「教師 「先生」で 58.6%, 「家庭」が 43.1%,「母親 を含 めて

「親」関係で 37.9%, 「地域」 (32.8%)が 「社会」などと合わせ ると50.0% に及び, 「生涯 学習 も 3

. 4 %

(生涯教育 と合わせ ると5.2%)思いお こされている。教育の場 として意識 さ れ る割合は,学校が大 きく,次いで家庭 と地域であ り,おこなわれ るのは,子 どもを教 え

ることである。

(3)

上薗 :学校 に関す る ドイ ツ、 マ レー シア、 日本 の意 識 比較 研 究

it想マップuJlJtjN8P)

長崎大学2

2教育 StjTTLJIJtJIWord:T200212

LAoduLeV 3JOl.Prod byT.FLJki1999.71 Ros

o

m 魚 比百分串

長広 舌h ・58名 , 反 応Ji札h l15ft頬. 反応頓 挫& .415J8

88509942207777644433333332222222222222222'‑'‑◆ふ53222IIIIlII

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15

図 1 ( 教育) 2 0 0 2

年 長 崎 の 大 学 生 の連 想 マ ッ プ と反 応 語

意識上で学校が教育の中心 を占めていた。 しか し (学校)の中心 を 「教育」が占めるわ けではない。反応語 としての 「教育」 は, (学校)か らは

2 0 0 2

年の大学生 についての長崎 の調査で

5

.1%

,1 9 9 6

年で

1 . 7 %

(いずれ も人数比) にす ぎない。 (学校)か らは,教育 を意 識す るよ りも,あるいは学校 を包摂す る抽象度の高い概念 「教育」 よ りも,学校 を構成す

る具体的な要素が浮かびあがる。

(教育)の連想 か ら,教育 を考 えるには学校 を軸 にす ることが意識のあ り方 に沿 うこと になる。教育 について学校意識が高いばか りでな く,教育問題が主 に学校問題 として意識 されているか らである。興味深いのは, (教育)か らい じめの反応語 は登場 しないが, (学 校)か らは想起され るO (学校)か ら

2 0 0 2

年長崎の調査で 「い じめ」が

4 . 0 %,1 9 9 6

年の調 査で 18.3% 思いお こされている。言い換 えれば,い じめ問題 は学校問題 であると読み とれ

る。

学校の意識 について論 じる前 に,教育のも う一つの大 きな要素である (子 ども) につい て見てお くO

Ⅱ 子 どもの様相

子 どもか らの連想 は,大 きく3つに分 けられ る。1つは 《近代子 ども観》 を表現 した言 葉であ り, 2つは 《学校》 関係であ り,I3つたは 《親》 もとの子 どもである。

(4)

16 長崎大学教育学部紀 要 一教 育科学 一 第65

連望マップ(ASsoq■tJOnlJJP)

長崎大学2002子ども

StLnulat●Word・チビも.2002年12

No仙 VqsJOn3.01.Prop rTtmd byT.FqikJ1999.I1

長広舌tk:58名. 反応播tLk ・149牡頼. 反応

&

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2.‑.95555422222222222222222222222222

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図 2 ( 子 ども )2 0 0 2 年長崎の大学生の連想マ ップと反応語

く子 ども) による連想 マ ップの中心 には,いわ ゆ る子 どもらしさを表現す る言葉 が並ぶ (図

2)

0 「小 さい 「かわいい 「無邪気」 に 「遊 び続 ける子 どもを, l学校」や 「親

「大人

「お母 さんが囲んでい るよ うにも見 える。連想 マ ップの様子 は,人 々が抱 いてい る子 ども概念 を示 していてお もしろい。

(子 ども) か らの反応語の1位 を占め る例 えば 「小 さい」 (53A%)は,事実である と同 時 に人々が子 どもの小 ささに 目を止めているとい う意識の向 きを表現 してい る。小 さく 「か わいい」 (48.3%)様子 は,近代以降着 目され た子 どもについての想念 であ り,子 ども概念 の定義 になっている。 「無邪気」 (22.4%), 「純粋」 (8.6%)や 「素直」 (8.6%) 「いたず ら」 (8.

6%) とい う子 どもらしさの表現 は,典型的 な近代子 ども観 であ り,人数比 150.0% に及 ぶ。

そのほか 「遊 び」 (41.4%) 「遊ぶ」 (8.6%) 「元気」 (24.1%) な子 は,事実である以上 に子 どものあるべ きイメージの表現 であ り,子 ども論や多 くの小学校 の標語 に現れ る。 「いたず ら」や 「や んちゃ」 (5.2%) も必ず しも子 ども否定の表現 ではな く,子 どもらしさとして受 容す る意味 あいを含 む。その よ うに理解 す る と,近代子 ども観 を含 む表現 は多い。子 ども たちの生活時間か らす ると 「勉強」 (6.9%) し 「学ぶ」 (3.4%) ことが多いにもかかわ らず, 子 どもの姿 として思いおこされ るのは 「遊び」「遊ぶ「おもちゃ」 (15.5%)「お菓子」(6.9%)

「ブランコ」 (5.2%) 「まま ごと 「滑 り台 「三輪車」 (いずれ も3.4%) である。子 どもは 事実以上 に,子 ども として見 る見方 によって想起 され てい る。

(5)

上薗 :学校に関するドイツ、マレーシア、日本の意識比較研究 17

ほ とん どすべての子 どもを10年以上にわたって収容 し続 ける 「学校」 (22.4%)が意外 に 意識 に昇 らないのは,学校が当た り前す ぎるのであろ う。学校 は,幼稚園に続 いて,義務 教育の9年間,また9割以上の高校進学率 を考 えると,ほ とん どすべての子 どもを,また 子 ども期間のほ とん どすべてを,1系統の組織 でまかなっている,そ う考 えると2割 を超 える程度 とい う反応語数 は低す ぎる。《学校》 は 「幼稚園」 (6.9%)「小学校」 (3.4%) と合 わせて も32.8%である。

家庭 にいる 「親」は15.5%, 「お母 さん」 (12.1%)や 「お父 さん」 (5,2% )な どと合計す る と39.7%になる。子 ども観,学校,家庭の3つは,子 ども概念 を構成す る基本要素である。

子 どもの連想マ ップと学校の連想マ ップを比べ ると, 「先生 は,子 どもと共に思い出 さ れ る存在ではな く,いわば (学校) に張 りついた存在である ((子 ども)か らは人数比3.4%)0

(学校)から 「先生 はレンつも第1に思い出される :2002年長崎の調査で1位 (図3),1996 年長崎で1位 (図4),1998年オスナブ リュックで1位 (図5),1999年ペナ ンで1位 (図

6),1996年 ブルネイで1位。学校は先生 を構成要素 としているとい う以上 に学校 とは先生 であると言 えるが,子 どもは先生 を必軍 としていないので昼ないか と疑いた くなる.

Ⅲ ( 学校)の意識比較

2002年の長崎,1996年の長崎,オスナブ リュック,ペナ ンにおける大学生 (主に2,3 年生)対象の (学校) を扱い,1996年 のブルネイ における連想調査 を参考 にしなが ら,学 校 について論 じる。また,ペナ ンの小学生,長崎 の小学生 (主 に4, 5年生)の意識 にお ける (学校) を比較検討す る。

Ⅲ‑ 1 学校は先生のいるところ

(学校) を剰激語 とす る7つの調査で,いずれ も第1に思いお こされているのは 「先生」

(Lehrer,teacher)である。2002年の長崎で人数比49.5%,1996年長崎で64.3%,オスナブ リュックで71.7%,ペナンで81.9%,ブルネイで50.0%,小学生の場合でも1位で,長崎54.9%

(図7),ペナ ン39.2% (図8)である。学校 とは先生のいるところ とい うイメージは, ど こで も変わ らない。

20q2年長崎で, 「先生」「勉強」 (47.5%)「友だち」 (44.4%)がいずれ も36%を超 えて学 校の定義 と見なしていい領域 に入ってお り,1996年長崎では 「先生 「生徒」 (35.7%)「勉 強」 (30.4%),オスナブ リュックで 「Lehrer先生」 「lernen勉強する」 (37.7%)「Sch山er生徒」

(34.0%),ペナ ンで 「teacher」 「student」 (41.0%) 「book」 (38.6%), ブルネイで 「teacher」

「S山dying」 (43.8%) 「friend」 (35.4%)である。いずれ も 「先生」 を筆頭 とす るほか,生徒 (ない し友だち) と勉強 (ない し本) を軸 に連想 マ ップが成 り立 ってお り,先生,生徒, 勉強で学校が成 り立つ構造 は どこで も変わ らない らしいO

ただ, 「生徒」 と 「友だち」の意味合いは異なる。生徒 は事実だが友だちは学校 に行 く動 機 になる。1998年に筆者がお こなった対連想調査7),学校の好 きな ところ ・嫌いなところ, 学校の良い ところ ・悪い ところ, によれ ば,友だちゆえに学校が好 きで,友だちを学校の 良い ところ と感 じてお り,学校 に行 く動機 として友 だちが大 きい。友だちは学校の楽 しさ の要因である。勉強は,対連想調査か ら,良いことではあろ うが嫌 いだ とい う子 どもたち の感覚が読み とれ る。

(6)

18 長崎 大学教 育学部 紀 要 ‑教 育科学 一 第65

連繋マップ(Associ8tN叩)

長崎大学、学校、2002

StLrnUhteWord.2(210 カテゴリ 反応措& 稔持&比%

他姓 112 78.9

輔蛾 98 16.5

井田気 82 13.0

救A 69 11.6

友だち 59 9.9

その他 45 7.6 休み ・iBU 45 7.8

;:; 生 徒

行事 12 2.0

CzLtemrY ResJ)OnSet坪 故 人h比分 事

A 49 49.5%

勉強 47 47.51

友だち 友達 44 44.1

弄田丸 兼しい 31 31.31

23 23.21

教 具 教師 19 19.2

環境 敬重 18 121

勉強 横束 17 17.2

拝外 称活 14 1t.lt

ZI境 13 1

3

.

l l

休み ・浪U並 び 13 13.ll

勉諌 学 ぶ 12 1

2

.1

可攻 頼子 9 9.ll

休み ・31U槍食 9 9.ll

環境 美妓 8 8.1t

JT攻 I団 7 7.

l l

生徒 チビt. 7 7.ll

休み .並 U並 7 7.Tt

行事 行事 8 8.ll

宿粗 6 6.1

その他 5 5.1

教科暮 5 5.ll

いじめ いじめ 4 4.0㌔

NoJuJ●Version3.01,Fh p ITlmedbyT.Fuiki1999.1I 反応舌牡 :99名 . 反応 指捷政 :173棲 頬 . 反応 括 稔致 :594

いじめ 行事 半枚の柵無 敗朋

tB 仇仇仇仇仇仇仇仇仇mm仇mm仇仇肌仇仇

「 王 ラ 下

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勉強

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他 姓 手管

勉尊 教 科

他姓

体み・並Uおしゃべり

休み ・並U昼休 (1括 以下省特) totl 594

仇仇S..i.2.2.2qj2.2.22.'222222

図 3 ( 学校) 2 0 0 2 年長崎の連想 マ ップと反応語

反応語 として 「先生」は学校からの連想の筆頭であるが,カテゴリとして集約すると

1 1 ・ 6 %

(図

3

左上 カテゴリ 《教員》)で

,1 9 9 6

年長崎

( l l . 6 %

,図

4)

と変わらず,オスナブリュッ

ク ( 1 6 . 6 %)

,ペナン

( 1 4

.7%) とも有意差はな く,小学生の場合でも長崎で

1 3 ・ 0 %

,ペナ ン

(7)

上薗 :学校に関するドイツ、マレーシア、日本の意識比較研究 19

の小学生で11.5%と大 きな差 はない。教員 は学校 か らまず思いお こされ る存在であ り,そ の意識内の比重 は どこで も安定 してい る。教員のあ り方 はおそ らく近代学校制度の確立 し ている ところ, ヨー ロッパ,アジア,大学生,小学生 を問わず安定 してお り,学校制度す なわち教員が教 えるシステムは文化 による差 を受 けに くい近代組織 だ とい うことであろ う。

以下,2002年の長崎の (学校) と1996年の長崎,オスナブ リュック,ペナ ンの連想調査 を比較 しなが ら述べ る。

Ⅲ‑2 長崎の ( 学校)の経年変化

1996年ゐ学校 にはい じめ問題 な どが影 を落 としていたが,2002年になると反応語の印象 は明 るくなって きた (図 3,図 4)0

1996年 には (学校)か ら 「い じめ」が人数比18.3%想起 されたが,2002年には4.0%に 減少 している。1996年 には 「楽 しい」が13.9%だったが,2002年は31.3%に増加 している

カテゴ リ 《雰囲気》のなかでみると,1996年 には否定的な反応語が 「きつい 「暗い 「嫌 い」な ど人数比23.5%で,肯定的な語が 「楽 しい 「面 白い」など16.5%であったが,2002 年になると否定的な語が 「きつい 「つ らい「嫌い」な ど23.2%,肯定的な語が 「楽 しい」

「楽 しみ 「好 き」 な ど41.4%に増 えている。 もっとも2002年の肯定的反応語が占める割 合 には, 「楽 しい」が増 えたことが増加分の7割以上の役割 を果 た している。

カテゴ リ 《友 だち》 は1996年の連想調査か ら2002年の間に4,4% か ら9.9%に増加 して いる (p.05)。出現す る反応語 は基本的 に 「友 だち」(1996年人数比25.2%か ら2002年 44.4% に) 「友人」(3.5%か ら4.0%)「仲間」(2.6%か ら3.0%)で変わ らない。増加 したの

は 「友だち」 と 「喧嘩」, 1人 1語の反応語 「友だちた くさん 「友だちいっぱい 「友だち と会 う 「クラスメイ ト」 な どである。

《休み ・遊び》 も増 えた。1996年 には 「給食」(

l

l.3%か ら9.1% に)が このカテゴ リ内 で最 も多かったが2002年 には 「遊び 「遊ぶ」 (両者合計で4.3%か ら20.2%に)が最多に なっている。 「お しゃべ り」(2002年 に2.0%)を含めて,遊びの印象が増え,休み時間のよ うすが思いお こされ,友 だちに関わ る言葉が多 く想起 され る状況が,学校 を楽 しい も■のに している要因である。

《勉強》 も,1996年の12.5%か ら2002年には18.9%に増加 した (p<.05)O 「勉強」(30.4%

か ら47.5%に)「授業」(14.8%か ら17.2%に)が このカテ ゴ リの中心である点 は変わ らな・

い。 「学ぶ」(2002年 に12.1%)「学び」(2002年 に3.0%)な ど,1980年代後半,1990年代 後半 とい じめによる自殺 を繰 り返 した学校が落 ち着 きを取 り戻 している・t思われ る。

しか し,い じめの記憶 が消 えた り,い じめを排撃す る雰囲気が育 ったわけではない。海 外での調査,オスナブ リュックで

「 Qu a l

い じめ」 (図

5)

は登場 しない,ペナ ンでも

「 b u l ‑

1yい じめ」 (図6)は登場 しない。かつて筆者 は (い じめ)の連想調査か ら 「自殺」な ど強 い印象は薄れ たが,1990年代半ばまで に変化 したい じめ嘩念の構造 は変わっていない,い じめの連想マ.ツプ全体 としては 「自殺」(2002年で人数比23.2%)と 「学校」(2002年で人 数比39.4%) を軸 に連想がお こなわれていると論 じた。1996年の調査か ら2002年に至 る間 に,い じめはよくない とす る者 の割合 も増 えていない8)。い じめ と結びつけられ た学校 に関 して,刺激語 (学校) か らもい・じめは減少 しているが,消 えてはいないO.

(8)

20

事好マ ップ(AslOrl▲=○hE))

長崎大学 .学校、1996 sHJZulltr▼Pld .lMlSJJ.lLi名

カテゴリ C油L 七店k比I

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72 8.i

その他 SS B.i

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長崎大学教育学部紀要 一教育科学 一 65

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反応 者欺 :lIS名・ 反応碕粗放 :191fL類・ 反応妨稔放=別 3曲 エン トロピ

行暮 いじめ

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弟牧 チャイム

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(133以下脊■)

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4 ( 学校) 1 9 9 6 年長崎の連想マップと反応語

Ⅲ‑ 3 オスナプ リュックとペナ ンの学校イメージ

ドイツ,オスナブ リュック大学生の (Schule学校) に関す る連想マ ップ (図5),ならび にマ レーシア,ペナンの聖マ レーシア大学生の くschool学校)の連想マ ップ (図6)を示す。

オスナブ リュックで 《課外》活動は 0.6%しか思いお こされてお らず (図 5),2002年長 崎の 3.7%と比較 して少ない。 この違いは, ドイツの小学校が基本的に午前中の学習で終わ り,スポーツな どはむ しろ社会体育 としてお こなわれ る背景がある。そこか ら, ドイツの

(9)

上薗 :学校 に関す る ドイ ツ、マ レー シア、 日本の意識比較研究

連想マップ(AssociationMap)

ドイツ、オスナブリュック大学、schule学校 ModuleVe

rsion301.ProgranmedbyT FL4jikj199911 StjrnuLateWord:Schulo学校、1998年10 反応看赦 :53名.反応話穫敢 :158檀 類.反応活転載 .350

カテゴリ 蛭赦 総はh比%

勉強 88 25.1

教師 50 16.6

環境 50 14.3

その他 44 12.6 生徒 33 9.4

弄囲気 27 7.7

; :3 休 友 だ ち

学校の 7 20

行事 5 1.4 /

3 0.9 / ・

課外 2 0.6

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図 2 ( 子 ども )2 0 0 2 年長崎の大学生の連想マ ップと反応語 く 子 ども) による連想 マ ップの中心 には,いわ ゆ る子 どもらしさを表現す る言葉 が並ぶ ( 図 2)0 「 小 さい 」 「 かわいい 」 「 無邪気」 に 「 遊 び 」 続 ける子 どもを, l 学校」や 「 親 」 や 「 大人 」 「 お母 さん 」 が囲んでい るよ うにも見 える。連想 マ ップの様子 は,人 々が抱 いてい る子 ども概念 を示 していてお もしろい。 ( 子 ども) か らの反応語の

参照

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