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〈第1部質疑応答〉

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第1部 質疑応答

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〈第1部質疑応答〉

 それぞれの講演の後、簡単な質疑応答が行われた。

 陶氏の講演に対しては、広大な中国における地域的差異が問われた。これにつ いては、開港場上海や山東省そのほか多数の事例に言及しつつ、生徒の出身階層 や卒業後のライフコース(就職先)といった観点から、使用言語(英語か現地語か)

や専門教育の特質についての説明があった。また、キリスト教徒の生徒の割合に 関する質問に対しても、一二の事例が紹介された。逆に講演者から、中国と比し た場合の日本のキリスト教受容層や、学校経営資金と主導権の関係についての質 問があった。フロアより、講演者が指摘するごとく、日本では士族中心にキリス ト教が受容されたが、中国同様、学校建設資金については宣教団に頼ったケース が多い。ただ、土地取得や雇用に関わる中央政府の施策を通じ、日本人の主導権 が維持された点など、中国とはいささか異なるストラテジーが認められるとの応 答があった。アメリカン・ボード宣教師自身の「自給論」をめぐる対立も指摘さ れた。

 李氏の講演に対しては、学校・病院・教会の「三位一体」論に関連して、日本 と朝鮮における医療伝道の可能性の違いが話題となった。日本では当初、地域行 政が医療宣教師の能力を活用しており、地域によっては「三位一体」化の契機も あったこと、対するに朝鮮では、漢方医が強く、医療制度は十分に整備されなかっ たこと、植民地時代には日本の医師免許を得ないと医療活動ができず、宣教師に とっての制約となったこと、王権は積極的に西洋の医療を受け入れようとしたこ となどが紹介された。宣教師の東洋医学に対する評価も問われた。一方、朝鮮の 学校の管理運営体制において、朝鮮人自身が校長や理事会長になる可能性に関し て、台湾のケースとも比較しながらの質問もあった。延禧・李花・崇実の事例が 紹介され、日本への対抗という意味で西洋人が校長である方がメリットだと認識 されていたこと、改正私立学校規則公布以降、社会的上昇目的から、総督府認可 の学校を志向し、反西洋人の動きが出てくることなどが説明された。

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特集「ミッション高等教育史の可能性」

 また中国山東省の楽道院に関わる史料の所在についても情報交換がなされ、現 地資料館や英文回想録・関係者HPの存在、外務省外交史料館調査の必要性など も指摘された。

       (文責:田中智子)

参照

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