幾何学序論2 K.Ichihara
1次元の幾 何学
数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
幾何学序論2
第4章 ユークリッド幾何学と位相幾何学
市原一裕
2016
年9
月26
日(月)2限幾何学序論2 K.Ichihara
1次元の幾 何学
数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
数直線上の合同
1次元の図形(つまり,数直線上の部分集合)が 合同であるとは,どういうことだろうか?
定義
4.1.1【合同(congruent),等長写像(isometry)】
X, Y ⊂ R
を二つの1
次元の図形とする.このとき,
X
とY
が合同であるとは,ある合同変換
f : R → R s.t. f (X) = Y
となること.また
R
からR
への写像f : R → R
が, 合同変換(または等長写像)であるとは,∀ a, b ∈ R
に対して,| a − b | = | f (a) − f (b) |
が成り立つこと.幾何学序論2 K.Ichihara
1次元の幾 何学
数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
数直線上の合同
1次元の図形(つまり,数直線上の部分集合)が 合同であるとは,どういうことだろうか?
定義
4.1.1【合同(congruent),等長写像(isometry)】
X, Y ⊂ R
を二つの1
次元の図形とする.このとき,
X
とY
が合同であるとは,ある合同変換
f : R → R s.t. f (X) = Y
となること.また
R
からR
への写像f : R → R
が,合同変換(または等長写像)であるとは,
∀ a, b ∈ R
に対して,| a − b | = | f (a) − f (b) |
が成り立つこと.幾何学序論2 K.Ichihara
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
合同についての注意
注意
4.1.1
f
が等長写像ならば,f
が単射になることは(すぐに)わかる.実は全単射になる(証明はここではしない).
もちろん逆は成り立たない(拡大・縮小など).
注意
4.1.2
等長写像とは,つまり,2点間の距離を保つ写像のこと.
例えば,数直線上では,平行移動や点対称移動.
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1次元の幾 何学
数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
合同では...
しかし,この「合同」という基準は厳しすぎるように見える.
つまり,図形を細かく分類しすぎてしまうので,実際に分類 するのが大変
(平面上の三角形の合同条件くらいならすぐできるけど,
四角形の合同条件すらきちんというのは大変).
そこで,もっと「ゆるい」基準で図形を分類してみよう. これこそが柔らかい幾何学:位相幾何学(トポロジー) !
幾何学序論2 K.Ichihara
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
合同では...
しかし,この「合同」という基準は厳しすぎるように見える.
つまり,図形を細かく分類しすぎてしまうので,実際に分類 するのが大変
(平面上の三角形の合同条件くらいならすぐできるけど,
四角形の合同条件すらきちんというのは大変).
そこで,もっと「ゆるい」基準で図形を分類してみよう.
これこそが柔らかい幾何学:位相幾何学(トポロジー) !
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
等長写像から連続写像へ
等長写像は「距離を(ぴったり)保つ」写像だった.
もっとゆるく考えて 距離を「ぴったり」保たなくて良い としてみたら?
つまり,「だいたい」近い点は近い点にうつす, くらいで考えてみたら?
それはつまり,連続写像のこと!
幾何学序論2 K.Ichihara
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
等長写像から連続写像へ
等長写像は「距離を(ぴったり)保つ」写像だった.
もっとゆるく考えて 距離を「ぴったり」保たなくて良い としてみたら?
つまり,「だいたい」近い点は近い点にうつす,
くらいで考えてみたら?
それはつまり,連続写像のこと!
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
練習問題
等長写像から連続写像へ
等長写像は「距離を(ぴったり)保つ」写像だった.
もっとゆるく考えて 距離を「ぴったり」保たなくて良い としてみたら?
つまり,「だいたい」近い点は近い点にうつす,
くらいで考えてみたら?
それはつまり,連続写像のこと!
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数直線上の合同 連続関数 同相写像
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連続関数
いま1次元の図形,つまり数直線
R
上の図形を考えている.R
からR
への写像というのは,つまり関数のこと.そこで,関数について「連続」を復習しよう.
定義
4.1.2【連続関数(continuous function)】 X ⊂ R
,f : X → R
とし,a ∈ X
とする.f
がa
において連続である とは,次が成り立つこと.x
lim
→af (x) = f(a)
(この書き方は
lim
の定義がないので曖昧さが残っている) 正確には,ε-δ
論法を用いて,次のように定義される.f
がa
において連続⇔
∀ ε > 0, ∃ δ > 0 s.t. | x − a | < δ ⇒ | f (x) − f (a) | < ε
さらに,∀ a ∈ X
においてf
が連続であるとき,f
はX
上で連続,または,f
は連続関数であるという.幾何学序論2 K.Ichihara
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連続関数
いま1次元の図形,つまり数直線
R
上の図形を考えている.R
からR
への写像というのは,つまり関数のこと.そこで,関数について「連続」を復習しよう.
定義
4.1.2【連続関数(continuous function)】
X ⊂ R
,f : X → R
とし,a ∈ X
とする.f
がa
において連続である とは,次が成り立つこと.x
lim
→af (x) = f(a)
(この書き方は
lim
の定義がないので曖昧さが残っている)正確には,
ε-δ
論法を用いて,次のように定義される.f
がa
において連続⇔
∀ ε > 0, ∃ δ > 0 s.t. | x − a | < δ ⇒ | f (x) − f (a) | < ε
さらに,∀ a ∈ X
においてf
が連続であるとき,f
はX
上で連続,または,f
は連続関数であるという.幾何学序論2 K.Ichihara
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連続関数
いま1次元の図形,つまり数直線
R
上の図形を考えている.R
からR
への写像というのは,つまり関数のこと.そこで,関数について「連続」を復習しよう.
定義
4.1.2【連続関数(continuous function)】
X ⊂ R
,f : X → R
とし,a ∈ X
とする.f
がa
において連続である とは,次が成り立つこと.x
lim
→af (x) = f(a)
(この書き方は
lim
の定義がないので曖昧さが残っている)正確には,
ε-δ
論法を用いて,次のように定義される.f
がa
において連続⇔
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練習問題
同相写像
連続関数(連続写像)を使って,次のように「ゆるい」合同変 換のようなものを考えてみよう.
定義
4.1.3【同相写像(homeomorphism)】
写像
f : X → Y
が,同相写像であるとは,f
が全単射で連続写像,かつ,f
の逆写像f
−1も連続写像となること.この「同相写像」で「図形」を分類するのが 位相幾何学(トポロジー(
Topology
))!幾何学序論2 K.Ichihara
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練習問題
練習問題 練習問題
4.1.1
次を示しなさい.
1 f(x) =xで定義される写像f:R→Rは等長写像.
2 f(x) =−xで定義される写像f:R→Rも等長写像.
3 f(x) =x+ 1で定義される写像f:R→Rも等長写像.
4 f(x) = 2xで定義される写像f:R→Rは等長写像でない.
練習問題
4.1.2
次の集合AとBについて,AをBにうつすようなRの等長写像を求めなさい.
1 A= [0,1],B= [2,3]
2 A= (−2,3],B= [−3,2)