論 説
統合 ヨーロ ッパ における企業戦略
一日系自動車企業の非生産部門を含む対EU進出を題材に して一
The Corporate Strategy in the htegrated Europe,
The emplrical study oll the extellsion of the forelgn ttrect inveshent to the non‐
manufacturing aci宙ties in the EU by Japanese auto cOmpanies。
安 藤 研 一
(目次)
I.序論 :問 題の所在.
Ⅱ。文献サーベイ.
Ⅲ.欧州統合 と自動車産業.
Ⅲ‑1.関税 同盟結成. Ⅲ‑2.単一欧州市場。 Ⅲ‑3.対外 関係.
Ⅲ‑4.通貨統合. Ⅲ‑5.非統合領域. Ⅲ‑6.小括
Ⅳ.日系 自動車企業の対EU直接投資.
Ⅳ‑1.工場進出.Ⅳ ‑2.非生産部門. Ⅳ‑2‑1.RD&D.
Ⅳ‑2‑2.販 売物流部門. Ⅳ‑2‑3.欧 州統括会社. Ⅳ‑3.小括 。
V。 対EU直接投資の意義。
Ⅵ。結論 :残 された課題.
I。 序 論 :問題 の所在 日
戦後世界経済の一つの特徴 として,世界的な貿易 自由化 と並行 して,地域的経済統合が進展 し て きた事 が指摘 で きる。関税 と貿易 に関す る一般協定 (General Agreement On Tariffs and
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Trade,GATT)の下での数次 に渡 る関税引 き下 げ,非関税障壁の緩和 ・撤廃 の試 み は,大きな 成果 を上 げて きている。更 に,先の ウル グアイ・ ラウ ン ド後 に成立 した世界貿易機構 (World Trade Organisation,WTO)は,その対象範囲 をGATT以上 に広 げて きて い る。 その一 方 で,
GATTo WTOの下で進め られて きた以上の貿易 。投資等の 自由化 を,隣接 す る特 定 の加 盟 国間 で一層推進するとい う,地域経済統合の動 きも活発化 して きている。北米 自由貿易地域,メ ル コ スル,東南 アジア諸国連合 などが,その具体例 として指摘 され よう。
地域経 済統合 の試 みが活発化す る中で,その最 も代 表 的,かつ,先進 的 形 態 が 欧 州 連 合 (European Union,EU)であることは,何人 も否定 しえない ところであろ う。石炭 と鉄鋼 に関 する共同市場の創 出を 目指 した欧州石炭鉄鋼 共 同体 (European Coal and Steel Community, ECSC)に始 まるEUは,多くの悲観的観測 をよそに,1999年 1月 1日か らは,EU加盟15カ国の
うち11カ国が参加する形で,単一通貨,ユーロが導入された。更に現在は,東ヨーロツパ諸国の 加盟交渉が始まってお り,やがては「西 ヨーロツパ」の地域経済統合から「ヨーロッパ」の地域 経済統合へ と進 もうとしている。つまり,EUは様々な紆余曲折を経ながらも単一の「 ヨーロ ツ パ」市場へ とますます進化 しつつある。
EU統合は,EU内外の企業にとつてその事業機会・環境の変化 を意味 してお り,それ故 に企 業 自らも積極的に対応 してきている。その最 も重要な方策の一つが直接投資であ り,それに対す る各種の論評が出されている。1960年代には,アメリカ企業の対欧直接投資に対 して,ややジヤー ナリステイックに「アメリカの挑戦」が叫ばれた・1。 それに対 して,欧州系企業 自身による欧州 内直接投資の広が りも,同時に指摘 された・2.更 に,1980年 代半ば以降になると日本企業 による 対欧直接投資の急激な増加が見 られ,それに対する多 くの研究が発表されてきている・3.っ まり, 地域経済統合 と直接投資,乃至は,その担い手 としての多国籍企業 との間には密接な関係があり, 多国籍企業のEU統合市場への対応は,非常に重要な課題 として,研究が進められて きているの である.
ところで,直接投資に関する研究は多岐にわたつてお り,製造業 と非製造業 どちらに関 して も 多 くの蓄積がある。そ して,製造業の直接投資に関する従来の研究は,生産工程に焦点を当てた
*1セルバ ンーシュレベール,JJ。 (1968)『アメリカの挑戦』東京:タ イム・ ライ フ・ イ ンターナ シ ヨナル。(Sewan̲
Schreiber,Jean― 」acques。 (1967)L̀Dφ A″′ricαれ。Pans:Editions Denoёl.) │
*2 Franko,L.G。 (1976)̀Ⅳtθ EじrOpacm ttrじあれαιjoπαL A RαL̀″θd Cんαιル昭 θιo A″ 認だcιれ d Brjιおん 助 B れθSS London:Harper&Row Publishers.
中3例えば,以下 の もの を参 照 され た い 。Sachwald,F。 (1995)よフ
… Jttr鵬 れ ELropa Luxembourg:
惚雰Ъ篤鮮f籠翻夢LL瑞駅巽電発l ttFi脇翻霧;羅窪鰹夢絲 雄
関する分析」『証券研究』110巻,153‑198頁.
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ものが主流であ り,その事 は対EU直接投資 について も指摘 され うる ところであ る。対EU直接 投資 に関 しては,何故EU域内に工場 を建設す るのか,何処 に工場 を設立す るのか,関連産業 や 地域経済・雇用への影響 は如何 なる ものであるのか,姉妹工場 間の協力・分業関係 は如何 なる も のであるのか,といった問題が問われて きた。これ らの問題 自身が大 きな重要性 を持つ ものであ る事 は否定 しえないが,その事 は同時に,製造業の生産工程以外の直接投資 に関する研究が必ず しも生産工程のそれに匹敵するほ どの成果 を上 げているとは言 えない事 を意味 して もいる.確か に,研究・デザ イ ン・開発 (Research Design&Development,RD&D)・4ゃ地域統括 会社 中5に ついての研究には,一定の成果が見 られるが,それ らは相互 に独立 したまま進め られている と評 価 され よう。製造業の活動 。経営 は,工場 内のそれに限定 される ものではな く,よ り大 きな広 が りを持つ ものである。非生産工程 と生産工程の相互関連性 を包括的に検討する事 は,多国籍企業 研究 において非常 に重要な課題であろう.
本稿 は,日系 自動車多国籍企業の欧州 における生産工程以外の活動 にまで視野 を広げ,従来 の 研究の欠落部分 を埋 めるものである。ここで,日系 自動車企業 に対象 を設定す る意義は,容易 に 理解 され よう。その規模 の大 きさ,並びに,裾野の広 さ故 に,自動車産業 はEU経済 に とって非
常 に大 きな意味 を持つ。後 に見 るように,欧州 自動車産業は,一面でEU統合 と密接 な関係 を持 ちなが ら発展 して きていると同時 に,市場統合が必ず しも整合的・全般的に進んでいない部門の 一つで もある。更 に,1980年代後半以降の対EU直接投資の重要 な主体 となった 日本 に とって,
自動車 は対EU製造業直接投資 にとって電気機械 。機器 と並ぶ最大の部門である。そこで,本稿 では具体的には,EUにおいて一定の市場 シェアを有 し,かつ,積極的 に進 出 してい る トヨタ,
日産,ホンダを取 り上げ,各社 の工場 のみな らず,RD&D,販売 。物流,そして,欧州統括会社 について眺めなが ら,そのEU統合 との関わ り,意義 を考察 してい くこととする。
本稿 は,以下の ような構成で分析 を進めてい く。まず,地域経済統合 と直接投資の関係 に関す る文献 を概観 し,本稿 で問われるべ き論点 を明示す る (第Ⅱ章).続いて, 自動車 産業 との関連 においてEU統合の流 れを簡単 に見てい く(第Ⅲ章)。 その上で, 日系 自動車 メー カーの非生 産 部門を含めた対EU直接投資の歴 史的経緯 と現状 を確認 しなが ら (第Ⅳ章),その意義 を検 討す る (第V章).最後 に,今後の研究の方向性 を指摘 して,結論 に代 えることとする (第V章)・6.
* a Pearce, R. & Papanastassion, M. (1996) The Technological Competitiveness of Japanese Multination- als. The European Dim,ension Michigan: university of Michigan press.
* 5 Shutte, H. (1997) 'Regional Headquarters in Action: Empirical Evidence and Model Building", in Macharzin&, K., Oesterle, M-J. & Wolf, J. (ed) Gtobat Business in the Information Age: proceed,ings
of the 23rd Annual EIBA Conference. Stuttgart:
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Ⅱ.文献 サ ーベ イロ
本節 においては,地域経済統合 と直接投資,更に,多国籍企業論 に関す る研 究 を批判的に検討 しなが ら,次節以降の分析課題 を明確 に してい く.
地域経済統合 と直接投資の関係 を扱 った文献 には,多くの ものがあるが,まず第一 に,地域経
済統合が直接投資 を促すのか否か,それは如何 なる性格の投資であるのか,とい う問題が,最初 に提起 された。キン ドルバーガー (Kindleberger)は ,関税 同盟結成の効果,即ち,貿易 創 出効 果,貿易転換効果 に対 して とる企業行動 として,其々直接投資の転換効果 と創 出効果が有 り得 る 事 を指摘 した中7.キ ン ドルバーガーのモデルを敷延 して,国連 は地域経済統合 に促 されて生 じう る直接投資の流れの4つの形態 を分類 した・3。 貝口ち,「防衛 的輸入代替投 資 (defensive import―
substituting investment)」 ,「再組織化投 資 (reOrganisation investment)」 ,「合理化 投 資 (ra̲
tionalised investment)」 ,そ して,「攻撃的輸入代替投資 (offens市e import― substituting invest―
ment)」 の4つである。
「防衛的輸入代替投資」 とは,統合 によつて残余世界 に対す る輸入障壁が相対 的に高 まる こ と に対応 して行 われる直接投資 を指す。統合の結果 として,域内企業 の直面す る流通障壁 は取 り除 かれ,有利 な立場 に置かれる。 しか し,域外企業 は常 にそ うした利益 を同 じように享受で きるわ けではな く,その分だけ域外か らの統合地域向け輸 出は域 内企業 に対 して相対 的に不利 な もの と なる。そ こで,域外企業 は,関税 回避的に行 われる直接投資 と同様 の利害 に導かれて,統合 地域 に向けて直接投資 を行 なうことになる.
「再組織化投資」 とは,統合地域内の流通の 自由化 に応 じて行 われる ものである。従来,何ら かの保護措置 によつて,その生産費の高 さにもかかわ らず正当化 されていた生産拠点は,域内障 壁の撤廃 によつて他 国にある姉妹工場 と直接 その生産費が比較 されることになる。その結果 と し て,多国籍企業はその工場 を域 内の比較優位構造 に基づいて再編成す ることにな り,最も生産 的 な加盟国に向けた域 内直接投資が生 じることになる。
統合 された市場 は,中長期的には,企業が「規模 の経済」 を享受す るための条件 を提供 す る と
中6本稿執筆 に当たつては,公刊資料のみならず,当該企業 とその欧州子会社への一連のイ ンタビュー等 に よつて得 ら れた資料,情報 を利用 した。快 く情報の提供 に応 じて下 さつた各企業の方々に,ここでお礼 を申し上げる とともに,
本稿で示 された考 えな どは全て本著者の ものであることを予めお断 りしてお く。
●7 Kindleberger,CoP。 (1966) European lntegration and the lntemational Corporations."
Co滋れbjα」oLttαι or 7orιd B れass l,1.pp.65‑73.
中8 united Nations(1993)From ιんθ Com漸じοん Лια
「たθι ιο EC 12′ Rcgjοπαι Eco2omic lttιagraι jo2 jん ιんθ
ELropθ
"2 Com用賜んι″ ″じ」=rO%屁αιjο ttαι COrporαι
jοEso New York:United Nations.
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伴 に,それ以前 よ り厳 しい競争 をもた らす ことになる。一面で,企業 は「規模 の経済」 を発揮 す るために,その生産施設 をよ り集中させ ることになる。他方,競争激化 に対応 して,非効 率 な活 動 ・事業 を合理化す ることが求め られる。それ故,この ような企業の対応 に伴 って生 じる ところ の域内の直接投資 は,「合理化投資」 と呼ばれることになる。
統合が もた らす成長促進的効果 もまた,企業 の直接投資 を促す要因 とな りうる。既存 の不生産 的 コス トの削減や規模 の経済,競争の強化は,マクロ的に見れば,当該地域の生産性 と潜在成長 率その ものを上昇 させ る もの と期待 されている。更 に,統合市場の流通障壁が低下することに伴っ て,域内で最適 な立地条件 を選択 しうる可能性が拡大する。そ うした利益 を獲得するために,域
外企業 によって,域外か らの輸 出よ りはむ しろ直接投資が活発化することが予想 される.それ を
「攻撃的輸入代替投資」 と呼ぶ こととす る。
上記の研究に即 して,こ こでは本稿の課題 との関連において,以下の二点が指摘 され うる。 ま ず第一 に,日本 自動車企業の対EU直接投資 とい うものが如何 なる性格の ものであるか, とい う ことが問われねばならない。第二の点は,上記 の研究は明 らかに生産工程のみ を対象 とした もの であ り,製造業の非生産工程の直接投資 を十分考慮 に入れていない,とい う問題点を指摘できる。
本稿 の実証研究は,この面での視野 を広 げる事 に貢献 しうるであろう。
第二の論点は,企業,乃至 は,産業 の立地 に関わる ものである。地域経済統合が,産業 の地理 的編成 に対 して及ぼす影響 については,古くか ら指摘 されていたが中9,1990年代 に入 って 「新貿 易理論」の立場か ら新 たな光が当て られるようになる・Ю。地域経済統合 は,その領域内 にお いて 関税,非関税障壁 を含 む広義の「運送費」 を引 き下げることになる。それまでは「運送費」によつ て正当化 されていた産業の地理的分散が再編成 を余儀無 くされることになる。‐
そうした再編成は,
「外部経済」 に基礎 を置 く「規模の経済」によって,更に加速 され うる こ とになる。即 ち,熟練 労働力のプール,支援 。関連産業の集中,並びに,当該産業関連の技術 ・情 報 の伝播, とい った 諸要因が,既にある産業が立地 している地方 (local)に 対 して,他の地方 よ りも有利 な立地条件 を与 えることになる。その結果 として,地域経済統合 はある産業 はある地方 に,他の産業 は別の 地方に集中・集積す ることを促進す ることになると予想 している。
「新貿易理論」か らの産業立地 に関す る考察 は,産業の集中・集積が如何 に して進 むのか, と い うことを明示的には示 していないが,こ こで我 々は二つの可能性 を示唆することが出来る。第
*9 Giersch,H。
(1949) Econormc Union between Nations and the Location of lndustHes",Rω jθ″ or
Eθοttο″2c Sじごjas vol.17,no。21,pp.87‑97.
中10 Krugman,P.(1991)GθograpLy ttd 7レιガa Camb五 dge,Mass:MIT Press。 ,Baldwin,R.E。 (1994)30″″ あ aE Lιagraιθd」E″Opa London:Center fOr Econolrllc Policy Research。 ,pp.42‑50。
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一番 目の可能性 は,市場 における競争 を通 じてこの集 中・集積過程が進 む ものである。地域経 済 統合以前 には,自国市場以上の「規模の経済」は,域内おける何 らかの保護的な手段 によって享 受 されえなか った。 しか し,地域経済統合 による「運送費」の低減は,保護 によって統合域 内で 以前 には並存 していた企業,産業が,直接競争す るようになる。結果 として,他国の競合企業,
産業 を統合市場か ら駆逐することを通 じて「規模の経済」の獲得が可能 となる。ここでは,市場 における競争 こそが,当該産業 の生産拡大 と集中・集積 をもた らす ことにな り,競争 し合 う企業 は相互 に独立であって もかまわない。
第二の可能性 は,多国籍企業が よ り意識的に行動す ることを通 じて,産業の集中・集積過程 を 推 し進める ものである。即 ち,多国籍企業が最 も有利 な立地場所 に投資 し,「規模 の経 済」 を最 大限発揮 しうるところまで子会社 を拡大す る事 によつて もた らされる産業 の集 中・集積 が それで ある。この場合,二つのケースが想定 され うる。一つ 目は,既に最適立地場所 に存在す る子会社 を拡張 しなが ら,他の子会社 の縮小・統廃合 を進める ものである。 もう一方は,最適立地場所 に
新たに投資 を行 なうものである。前者 は,主に統合域内における直接投資の増加 と撤退の同時進 行 を見 る事 になるであろう。後者 は,域外か らの直接投資が,最適立地場所 に向か う事 になる。
ここで指摘 した多国籍企業の対応 は,市場競争の結果 として もた らされるであろ う分業 関係 を先 取 り的に,しか もよ り速やかに形成する事 になろう。即 ち,地域経済統合が促す資本の移動 は, 域内特定地域 に対 して経済活動の集積効果 を及ぼす可能性があろう。
地域経済統合が直接投資 を地理的に集中させ る とい う「新貿易理論」の予想は,本稿 の課題 と の関連でやは り二つの論点 を導 く。第一のそれは,日系 自動車企業の対EU直接投資 は,特定 の 国,地方へ の集中傾向 を示す ものであるのか,否か,とい うものである。第二の論点は,非生 産 工程の投資 における集中傾向 と関わる ものである.集中傾向が見て取れる場合,生産工程向 け投 資 との関連 において生 じうるのか,それ とも各機能毎の集中傾向を指摘 しうるのか,とい うこと が検討 されねばな らない。
他方,直接投資論,乃至 は,多国籍企業論の視点か らは,地域経済統合下 における直接投 資 に 対 しては,内部化理論 とその動学化である国際化過程論 を敷延す る事 によつて接近で きよう.内
部化理論 は,知識 ・情報 に関す る市場の不完全性が,直接投資の誘 因になる事 を指摘 してお り, 賃金以外の コス ト要因,取引 コス ト (transaction costs)へ の着 目を促す ものである・・.企業は,
他者 との競争 で敗退 しない何 らかの優位性 を保持 している ものであるが,それは生産技術や経営
*11 Buckley, Peter & Casson, Mark (1976) London: Macmillan., Rugman, A.M.
The Future of the Multinational Enterprise.
(1981) Inside the Multinationals. London: Croom Helm.
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管理方法 などに代表 される企業独 自の知識・情報等である。そ うした知識・情報 は,必ず しも市 場 において正当な価格付 けが成 されるわけではな く,時にはその取引市場その ものが存在 しえな い こともある。その ような場合,企業 は 自らの内部組織 を通 じて,知識 ・情報の最適配分 を行 な う主体 として行動す るのである。そ うした行動が国境 を越 えて行 われれば,それが直接投資 とな り,その担い手が多国籍企業 となるのである。
ところで,多国籍企業 は内部組織 を通 じて知識・情報 を配分す るだけでな く,同時 に外 国 にお ける経営等 を通 じて,現地で知識・情報 を獲得 してい く主体で もある。多国籍企業 による知識 。 情報の内部蓄積 に着 目したのが,国際化過程論である中2.国際化過程論 は,ス ウェーデ ンの多国 籍企業 に関す る実証研究か ら,企業が単 なる国内のみの活動か ら国際的に事業 を展開す る過程 を 跡付 け,モデル化 を行 なった ものである。企業の国際化は,外国の代理店 を通 じた単発的な輸 出 か ら始 ま り,やがて 自らの子会社 を設立 して,それ を通 じた恒常的輸 出に移行 し,更に,そ う し た活動 を踏 まえた知識・情報 に基づいて現地工場の設立へ と移 ってい くとするものである。そ こ では,知識 ・情報の取得 は累積 的であ り,企業の国際化がある局面 においては漸進的に進行 す る と同時 に,別の局面 においては大 きな飛躍 を伴 うものである とする。
ところで,多国籍企業の国際化 は現地企業 との競争 に打 ち勝つ,または少 な くとも競争 に よっ て排除 されないで留 ま り続 ける過程で もある。 しか しなが ら,現地企業や既 に現地に進出 してい る他の多国籍企業 も,新たな参入者 との競争 によって排除 されない ように,自らの競争力強化 を 図っている。両者の競争関係が変化す る中で,内部化 し,蓄積 すべ き知識・情報 もまた 自ず と変 化 し,よ り高度な ものへ と発展せ ざるをえない.
内部化理論,国際化過程論 を概観 した事か ら得 られる論点は,以下の如 くである。即 ち, 日系 自動車企業が対EU直接投資 を通 じてEUに配分 しようとして きた知識・情報 とは如何 な る もの であ り,他方EUにおける活動を通 じて獲得 しようとしてきたものは何であったのか, とい うこ とが,第一の論点である。第二のそれは,そのような知識 。情報の配分,並びに,獲得において,
非生産工程の直接投資は,如何なる役割を演 じてきたのか,ということである。
EUの統合は,個々の国民的市場を単一の欧州市場へと編成替えする過程にあ り,後に見 るよ うに大 きな成果を上げてきている。しか し,国民的特性が完全に失われて しまったわけでも,近
い将来EU大での ものに代替するわけでもない。む しろ,国民的側面 とEU的側面の並存にこそ,
*lzJohanson, Jan. & Vahlne, Jan-Erik. 0977).,The Internationalization process of the Firm: A Model
of Knowledge Development and Increasing Foreign Market Commitment." Jour-nat of International Business Studies. vol.8, no.l. pp.?3-32, Johanson, J. & Wiedersheim, Paul F. (1975) "The Internationa- lization of the Firn, Four Swedish Cases", Joumal of Mana4errlpnt Studies vol.12, no.B, pp.B0b-822.
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その特徴 とダイナ ミズムがあると言 える。そ して,多国籍企業が配分 し,獲得す る知識・情報 も,
その ようなダイナ ミズム と相互関係 を持 ちうるものである。それ故 に,日系 自動車企業の非生 産 工程向け投資 にまで視野 を広げた本稿の研究は,EU統合の ダイナ ミズム とそ れ を反映 した企業 の戦略 を明 らかに しうるであろう。
Ⅲ.欧州統 合 と自動車 産 業.
戦後 の欧州経済統合 は,紆余曲折 を経 なが らも進展 して きてお り,それは 自動車産業 につい て も言 えることである.本章では,自動車産業 に関連す る限 りにおいて,欧州統合の流れ を簡単 に 確認 してお こう。
Ⅲ‑1。 関税同盟結成.
1958年に結成 された欧州経済共同体 (European Economic Community,EEC)は ,1970年 ま でに域内関税 同盟 を完成 させ る事 を目標 に掲 げた。 しか し,1960年代 のEECは 当初 の予 想 以上 の発展 を遂げ,予定 を前倒 しする形で1968年6月 末には関税同盟 を完成 させ ることになる。EEC
関税 同盟の結成は,他の産業 と同様,自動車産業 にとつて も域内市場 における競争の激化 を意味 した。即 ち,EEC結成以前 には各国の 自動車市場 は関税 よつて手厚 く守 られて いた ものが,域
内においてはゼロ関税の下での競争 を余儀無 くされたか らである。例 えば,イ タリアは35‑45%, フランスは30%,西 ドイツは17%であつた自動車関税が,域内加盟国の輸入 に対 しては完 全 に撤 廃 され,域外か らの輸入関税 に関 して も11%にまで引 き下げ られ た。遅 れてEECに加 盟 した イ ギ リス も,1950年代の30%から1972年にはH%にまで輸入関税 を引 き下 げ,更に1973年のEEC加
盟後は対加盟国関税 を撤廃 した・B.EEC関税同盟の結成 は,在欧 自動車企業 を して,既存 の子会 社網 を再編成 させ る事 になる。欧州系の企業 は,自国に生産拠点 を集約 したのに対 して,アメ リ カの多国籍企業,フォー ド,GMはむ しろ既存の ドイツ,イ ギ リスの生産拠点に加 えて,ベルギー エ場の新設,フランス部品工場 の設立 とい う対応 を示 した中M.
しか しなが ら,関税 同盟が対象 とした ものは主 に域 内関税 と数量規制の撤廃 だけであ り,その
rls Owen, N. (1g8g) Economies of &alz, Cornpetitiueness, artd Trade Patterns within the European
Community. Oxford: Clarendon.
*laMaxcy, C. (tggt) The MukinationalMotor Ind.ustry. London: Croom HeIm., Hu, Y.S. (1973) Impact of US Inuestment in Europe: A Case Study of the Automotiue an'd Computer Industries. New York:
Praeger.
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他の非関税障壁 は残 されたままとなる.しか も,後述す るように,日本車の輸入 を巡って,加盟 各国は相互 に独立 した対応 を見せ る事 になる。
Ⅲ‑2.単一欧州市場.
1985年 EC委員会 (現在の欧州委員会)から出 された「単一 欧州市場計画」 に端 を発す るEU
域内市場の統合 は,大きく言 って,自動車産業 に二つの側面か ら影響 を与 えることになる。
第一のそれは,技術的 な基準・認証制度 な どの違いに起 因 していた障壁 を除去することである。
自動車 は,その技術的特性故 に多様 な規制 と関わってお り,同時に,その産業 としての象徴 的 な 性格故 に国民的利害 とも密接 な関係 にある。そのため,1970年代 に世界経済,欧州経済が低 迷す る中で,EU加盟各国が内向 きの経済政策 を指向するようになると,非関税 障壁 を利用 した 自国 の 自動車産業保護の傾向が現れた。「単一欧州市場」の経済的効果を予想 した,所謂「チェッキー ニ・ レポー ト」は,技術的規制,規格 の不一致 によって,最も不利益 を被 っている代表的産業 と して 自動車産業 を指摘 している・15.そこで「単一欧州市場」の一環 として,自動車,並びに,そ
の部品に関わる一連の技術 。環境基準の統一,調和 化 が求 め られた。 それ らは,必ず しも常 に
EU全体で単一の基準 。規制の導入 を求めたわけではな く,時には相互承認 を利用 しなが ら進 め られて きている・16.
第二の影響 は,日本か らの輸入車 に対 して加盟各国が課 していた公式・非公式の輸入規制が,
「単一欧州市場」 と両立 し得ないことか ら生 じるものである。1970年代 に入 る と, 日本 の 自動車 産業の勃興 は 目覚 しい ものがあ り,その輸 出は欧米市場 を席捲するようになる。それに対 して,
自国企業 を抱 えるEU加盟国は,個別 に 日本車輸入規制 を行 な うようになる。イタリアは,既に 1950年代か らあった対 日輸入規制 (年間2000台)を維持 し,フランスは 日本車輸入が新車登録 の
3%を越 えない事 を求め,イギ リスは市場 シェア11%を 日英の 自動車団体間の紳士協定 として合 意 し,Eu内部で最 も自由貿易擁護派である西 ドイッです ら輸出自主規制 を求める動 きを見せた。
更に,1986年にEUに加盟 したスペ イン,ポル トガル も対 日自動車輸入規制枠 を有 していた.
「単一欧州市場」の創 出によって,域内の非関税障壁,特に税 関での検査等 が取 り払 われて しま えば,これ らの対 日自動車輸入規制国へ は,他の国 を通 じた迂 回輸入が発生する事 になろう。 こ の問題 を如何 に扱 うか,とぃ うことがEUに突 きつけ られた課題であったが,後に見 る よ うに,
*15チェッキ̲二 :パォロ (1988)『EC市場統合 。1992年,域内市場完成の利益』東洋経済新報社,第4章参照. 申16自動車産業に関連する措置については,European COlll̲ssiOn(1997)動θs昭ルMげたθι Rωjθw,動叩αcι
ο屁 」ИttLracι 瓦agp MOι Or yθんj̀趨、Luxembourg:Office fOr Official PublicatiOns Of the European Conl̲
munities,pp7‑14を 参照.
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それは市場統合ための過渡期 間を延長す ることで,形式的な解決が図 られる事 になる。
Ⅲ‑3.対外関係.
EUの対外関係 においては,その近隣諸国 との間の通商特恵関係が重要 であ る・r.近隣諸 国 と
の通商特恵関係 は,それが将来的に,当該国のEU加盟 を前提 とす るものであるか,否か に関係 な く,多国籍企業の活動 に大 きな影響 を与 えてお り,自動車産業 もまたそ の例外 で は ない。EU
はその発足当初か ら多分 に政治的性格 を有す る ものであったため,それを嫌 つた西欧諸国は独 自 に欧州 自由貿易地域 (European Free Trade Area,EFTA)を 結成 し,ECと の 間には 自由貿易 協定 を結 んでいた.他方,独裁政権 の支配 していたか つてのギ リシヤ,スペ イン,ポル トガル も
また,民主化以前 はECへの加盟が認め られなかったが,自由貿易協定 を結ぶ こ とは認 め られて いた。これ らの国々は,EUとの地理的近接性,並びに,異なる経済条件故 に,多国籍企業 にとつ てはEUの枠 にとらわれない独 自の有利 な立地条件 を提供 し,多国籍企業の投資 を引 きつ ける こ とに成功 して きた。例 えば,フ オー ドは1976年か らスペ インの低賃金 を利用 した小型車生 産 に着 手 し中B,GMは総投資額の三分の一 に当たる投資補助 を受 けて,1979年オース トリー に西 ドイツ エ場向けのエ ンジンエ場 を新たに設立 した申Ю。これらのことは,EUの対外 関係 を如何 に活 用 し
うるのか とい うことが,多国籍企業 に とつて非常 に重要 な課題であることを意味す る。
Ⅲ‑4.通貨統合.
1999年 1月 1日 か ら発足 した単一通貨,ユーロは,「単一欧州1市場」 の衝 撃 を更 に拡大 す る形 で,自動車産業 に影響 を及ぼす ことになる。単一通貨 の影響 は,一朝一夕 に 目に見 える形で現 れ るもので もないが,予想 も含めて,その意義 を見てお こう。
通貨統合が及ぼす 自動車産業への影響 は,まず何 よ りも各国間の価格差 の 明確 化 で あ る。「単 一欧州市場」に もかかわ らず,EU域内における自動車の価格差 は,未だに大 きい ままであ る。
最新 (1999年5月 )のEU調査 に依れば,域内の価格差は,最低で も13%(アウデイ),場合 によつ ては30%を越 えるケース (フ ォルクス ワーダ ン)も報告 されている鮨加。か つては,各国通貨 の相 違 と為替相場の変動が,この ような問題か ら消費者の 目をそ らす事 に貢献 したであろう.しか し,
*17 EUの 特恵関係については,例 えば,Hine,R.C。 (1985)劉物Poιjιjθαι EcολοコリoJ Eじ ropθαtt r'α&′ス屁Lιro‐
dじθιjοんιο ιんθ働じ&PoιjCι oJ ιんθ tta sussex:Wheatsheaf.を 参照.
*18 Dicken,Peter.(1992)Gι οbαι助 ヴtF鶴21んιomaιjολαιjzatiο2(ザ Ec020潤C Acιわjιjas. れ ご θd London:
Paul Chapコ餞n Publishing。 9章を参照.
*19 Sincla士,R。&Walker,D.F。 (1982) Indust五al Development via the Multinational Corporation:General Motors in Vienna." Rcgjο んαJ Sじごjas 16,pp.433‑442.
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ユーロはよ リー層価格差 を目に見える形で示す ようにな り,消費者団体か らの庄力強化 にとって 追い風 となろう中a.
他方,為替の取引 コス トと為替相場の不確実性の除去 は,他の産業部門 と同様,自動車産業 に とつて も効率的な経済環境の提供 を意味する。即ち,両替 に伴 う手数料 な どの コス トが全 く必要 無 くなるだけでな く,為替相場の変動 に備 えて取 られて きた先物等 によるリスク・ヘ ッジ もまた 必要性 を失い,そのための コス トが絶対的に削減可能 となる。勿論,非ユ ーロ圏 との取引に関わ る為替 コス トは残存す る事 になるが,ユーロ導入が非生産的コス トの削減 という大 きなメリッ ト をもた らす事 に変わ りは無い。
Ⅲ‑5.非統合領域.
上述の ような統合の進展 にもかかわ らず,非統合領域が並存 していることを,こ こでは指摘 し てお こう。EUにおける市場の統合 は,市場 を支 える法的 。制度的・技術的枠 組みの国民 的相違 を取 り除いた り,統一 した り,調和 した りす る事 を通 じて図 られて きた。 しか し,それ らが未 だ 不完全 な事,更に,そもそ もそ うした枠組みか らある程度独立 して存在する文化的,歴史的 な相 違の存続,これ らによってEUの市場 は一国市場の ようには成 りえていなぃ。その事 を, 自動車 産業 との関わ りにおいて確認 してお くことは,後の分析 にとって有意義であろ う.
第一の「障壁」は,需要の性質の「国民的」相違 に起因するものである。自動車は,一般 の個 人消費者 にとっては,最も代表的,かつ,住居 に次 ぐ最大の耐久消費財である。一般道路 。高速 道路等のインフラ整備状況,バカンスの過 ご し方,一人当 り国民所得や家族構成,更には気候風 土の ような多様 な要素が,人々の車 に対する嗜好 を左右する。EUの市場統合 は,国民 的需要特 性 を統合する ものではな く,むしろ国民的相違 を色濃 く残 しなが ら進展する ものである。具体的 には,車・エ ンジンの大 きさ,デザ インや色,イ ンテ リアやアクセサ リーの嗜好 に,国毎 の違 い を読み取 る事が出来 よう摯2.自
動車会社 はそ う した国民的特性 を無視する事 は出来ない。 もし国 民的特性 を見誤 る事があれば,在庫 をつみ増 し,大幅 な値引 きを強い られ,収益が圧迫 され る事 になるか らである。
第二の「障壁」は,EU統合 自身の不 完全性 に起 因す る ものである。統合市場 であ るが故の 摯20 Financial Times,23/7/99,日
本経済新聞1999年7月24日。 CげP,j Dtteraιjαお ″Jιんれ ιんθ ELropaαzし屁jοtt ολ
DG Ⅳ.による。
*21Fれ ωzθ jαι ztts,1/7/99.
なお,原資料 は,EurOpean COmmssiOn(1999)
f」Иの Iθθ, BrusselsI European Commlssion,
*22欧F磁じra O/c″州各国の需要特性 とその違いについてはRθιαJιj′ば れ Nttιθtt ELropa London:The Econolmst lntelligence Unit.を 参照。,例えば,Rhys,Do G。 ,Nieuwenhuis,P.&wells,P。 (1995)̀助θ
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経済研究4巻3号
EU市場 の歪 み とは,「 単 一 欧州市 場 」 に含 まれ ない分野 の存 在,EU 15カ 国の 不 完 全 な通 貨 統 合 へ の参加状況等 であ る。先 に指摘 した 日本車輸入規 制 の 国毎 の相 違 とそれ に対 応 して結 ばれ た
EU一 日本 間の「合 意」 は代表 的 な例 であ る・"が,「 単 一 欧州市場 」 か らの逸脱 は,それ に止 ま る
もので は ない。 メー カー ーデ イー ラー間の排 他 的契約 の締 結 は,「 一括 免 除 (block exemption)」
としてEU競争法の適用を免れている・2.先に見た自動車価格の国毎の相違は,その ような事情 を背景 として持つているのである。更に,自動車税の調和化 もまた「単一欧州市場」から除外 さ れ,デンマークは100%を 超す税金を課 している。他方,環境保護関連規制 もまた,最低限につ いての合意はあるが,各 国はそれよりも厳しい規制を課す,または,それを達成した車に対して
税控 除や補助金 を与 える事が許 されてい る。例 えば,1996年 ,1997年 に,其々取 られたフランス,
イタリアの新車購入 に対す る補助金は,人為的に需要 を押 し上 げ,その廃上 とともに,需要 の大
幅な後退 を もた らした・あ。こうして,EUの自動車市場 は,制度的に もまだ まだ未完 成 な もので あると言 えよう。
Ⅲ‑6.小括.
EUの発展 は,その域内市場 をます ます統合 された ものへ と変化 させつつあるが,同時 に,そ
れか ら取 り残 された ものを含みなが ら進 んでいる。多国籍企業 は,上述の ような特徴 を考慮 しな が ら,EUにおける事業 を展開す ることにな り,それは,生産拠点の設立,再編 に止 まる もので はない。他方,EU経済が,一国経済の ような ものではない故 に,各加盟 国の市場 や経 済 条件 に 関す る知識・情報の内部化 と獲得が,当該企業 の経営 を大 きく左右す ることになろう。
Ⅳ 。 日系 自動車企 業 の対 EU直接 投 資.
日系 自動車企業 は,1970年代後半以降,世界の 自動車産業 に大 きな影響 を及 ぼす ように なつて きた.三度 にわたる石油危機,それに伴 う世界経済の低迷 を反映 して,1970年代 に世界全 体 の乗 用車生産は3,000万台前後 を推移 した。 そ う した中,日本 の乗用車生 産 は1973年の450万 台 か ら
*23 MaSOn,M。 (1994) The Political Economy of Japanese Automobile lnvestlnent in Europe",in Mason,
M.&Enmmation,^D.(ed)Do6 0υ ttgrsλわ ναιι″?洗″ 6θ iイじιιれαιjο ttαお れ ELropa Oxford:
Clarendon Press。 ,Mattoo,A.&Mavroidis P C(1995) The EC― Japan Consensus on Cars: Interaction between Trade and Competition Policy'', Tん θ 70r"Ecο2oηり′V01・18, no.3,pp.(M5‑365.
11服 卜,°りし'メ賛λ』雰年新車登録は,そうした補助金の廃止によつて,対前年比でW%の 減少 となつたの に対 し て,逆に,イタリアは補助金の導入によつて39.2%の 増加 となつた。Лhttθjαz π腕ら 14/1/98.
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