• 検索結果がありません。

(4) 14 回微分方程式の数値解法 電 301 数値解析第

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(4) 14 回微分方程式の数値解法 電 301 数値解析第"

Copied!
63
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

電 301 数値解析 第 14 回

微分方程式の 数値解法 (4)

301数値解析(2017)琉球大学工学部電気電子工学科 担当:半塲 1

(2)

5

点差分公式の行列表現

(1)

前回の講義で, 2変数

2

階線形楕円型偏微分 方程式の解法として, 5点差分公式

v

i+1,j

+ v

i−1,j

+ v

i,j+1

+ v

i,j−1

− 4v

i,j

= h

2

f

i,j

を紹介したが, これを行列で表現する方法の 一般はまだ説明していなかった.

前回の小テストがこれに対するヒントを与え ているので, まずこれを復習する.

(3)

5

点差分公式の行列表現

(2)

格子点 5点差分公式

g7 g8 g5 v21 v22 g6 g3 v11 v12 g4

g1 g2

g1+v12+v21+g3−4v11=h2f11

g2+g4+v22+v11−4v12=h2f12 v11+v22+g7+g5−4v21=h2f21 v12+g6+g8+v21−4v22=h2f22

(4)

5

点差分公式の行列表現

(3)

格子点 5点差分公式

v21 g3 v11 v12

g1

g1+v12+v21+g3−4v11=h2f11 1行目の公式では左の部分を参照する. v11のまわりの要素を足し合わせてから v114倍を引いたものがh2f11

と等しいという式. 2行目以降も同様.

(5)

5

点差分公式の行列表現

(4)

この場合の5点差分公式の行列表現は以下の通り.

4 −1 −1 0

−1 4 0 −1

−1 0 4 −1

0 −1 −1 4

 v11 v12 v21

v22

=

 g1+g3 g2+g4 g5+g7

g6+g8

−h2

 f11 f12 f21

f22

vijv11,v12,v21,v22という順で並べられていることが重要. これを一般化する([山本]).

(6)

5

点差分公式の行列表現

(5)

x軸,y軸にそれぞれNx個,Ny個の格子点が取られているものと する. 前回と同様に,格子点を, (1,1), . . . , (Nx,1), . . . , (1, Ny), . . . , (Nx, Ny)であらわす.

境界を, (1,0), . . . , (Nx,0), (1, Ny+ 1), . . . , (Nx, Ny+ 1) (0,1), . . . , (0, Ny), (Nx+ 1,1), . . . , (Nx+ 1, Ny)とし(次ページ図), ベクトルv= (v1, . . . , vNxNy)Tをその次のページのように定義 する. 続いて,同じ並べ方で縦ベクトルfを構成する. さらに, 行列A,ベクトルgを後述のように構成すると・

5

点差分方程式は

Av = g − h

2

f

と書ける

(7)

(1,1) (2,1) (Nx,1) (1,2) (2,2)

(1,Ny) (2,Ny) (Nx,Ny)

(Nx,2)

(1,0) (2,0) (Nx,0)

(1,Ny+1) (2,Ny+1) (Nx,Ny+1)

(0,1) (0.2) (0,Ny)

(Nx+1,1) (Nx+1,Ny)

(Nx+1,2)

U

(8)

(1,Ny+1) (2,Ny+1) (Nx,Ny+1)

(0,1) (0.2) (0,Ny)

(Nx+1,1) (Nx+1,Ny)

(Nx+1,2)

v

1

v

Nx

v

Nx+1

v

2Nx

v

(N

y-1)Nx+1

v

N

yNx

(9)

Nx次の正方行列Hを次式左のように定義する. また,INx次の 単位行列とする.これらを使って,NxNy次の正方行列Aを次式右の ように定義する.

H=

4 −1

−1 4 −1 . .. ... ...

. .. ... −1

−1 4

,A=

H I

I H I . .. ... ...

. .. ... −I

−I H

g= (g01+g10, g20, . . . , gNx−1,0, gNx,0+gNx+1,1;g0,2,0, . . . ,0, gNx+1,2; . . .;g0,Ny−1,0, . . . ,0, gNx+1,Ny−1;

g0,Ny+g1,Ny+1, g2,Ny+1, . . . , gNx−1,Ny+1, gNx,Ny+1+gNx+1,Ny)T とする.

(10)

Lax

の同等定理

(1)

独立変数の一部に時間を含む方程式

(放物型,

双曲型など)は, 解が時間に関して正の方向 に進展してゆくという楕円型とは異なる性質 があるため, その数値解の収束に関して楕円 型と異なる分析が必要になる.

これに関し, Laxの同等定理と呼ばれる事実 が知られている

([河村]).

(11)

Lax

の同等定理

(2)

線形偏微分方程式

∂u

∂t = Lu

の初期値問題を 考える. 独立変数を

(x, t)

とする.

L

(x

関する)線形微分作用素で,初期値はこの偏微 分方程式が一意解を持ち, その解がパラメー タに対して連続となるように取られているも のとする.

(12)

Lax

の同等定理

(3)

格子点における

u(x

j

, t

n

)

の近似解

v(x

j

, t

n

)

求める問題を考える

(t

n+1

− t

n

= ∆

t

, x

j+1

− x

j

= ∆

x

).

xtは独立ではなく,ある関数h(ただしlimθ→0h(θ) = 0) が存在し, ∆x=h(∆t)となっているものとする.

• ∂u

∂t = Lu

を次のように差分近似する.

v(x

j

, t

n+1

) = S(∆

x

, ∆

t

)v(x

j

, t

n+1

)

(13)

Lax

の同等定理

(4)

• u(x, t + ∆

t

) − S(h(∆

t

), ∆

t

)u(x, t) = o(∆

t

)

となるとき, この公式はもとの偏微分方程式 に適合するという.

S(∆x,t)Lに対応する差分演算子である.

f(θ) =o(θ)という記法は, limθ→0,θ6=0f(θ)/θ= 0を意味する.

• ∃T > 0, ∀n, ∀∆

t

, 0 < n∆

t

< T ⇒ kSk < C

となるとき,

S

は安定であるという. ただし

kSk

は作用素ノルム.

(14)

Lax

の同等定理

(5)

• Lax

の同等定理が保証するのは次の事実で ある:

v (x

j

, t

n+1

) = S(∆

x

, ∆

t

)v (x

j

, t

n+1

)

∂u

∂t = Lu

に適合し, 安定であれば, ∆t

→ 0

とすると

v(x

j

, t

n

)

はもとの偏微分方程式の解 に収束する

([河村]).

(15)

放物型偏微分方程式の数値解法

(1)

議論の簡単のため,空間を

1

次元に限り,独立 変数を

(x, t)

とし

(x ∈ [0, 1], t ∈ [0, T ]),

定係 数の

2

階線形放物型偏微分方程式の差分法に よる解法を述べる. 時刻

t = 0

における初期 条件

u(x, 0) = a(x)

と, 境界条件

u(0, t) = 0,

u(1, t) = 0

が与えられているものとする.

以下の議論の典拠はおもに

[田端][河村]

(16)

放物型偏微分方程式の数値解法

(2)

∂u

∂t = ∂

2

u

2

x +f, u(x, 0) = a(x), u(0, t) = u(1, t) = 0.

x=0

t

u(x,0)=a(x)

x=0

x=1 x=1

t=0 t=T

(17)

2変数の定係数2階線形放物型偏微分方程式は∂u∂t =a22ux+f であるが, τ = atとすると, ∂u∂τ = ∂u∂τ∂τ∂t = a∂u∂τ であるから, a∂u∂t =a22ux+fとなり,この両辺をaで割ってf¯=f /aとすれ ば, ∂u∂t =22ux+ ¯fという形になる. この講義ではこの形への変 形はすでに済んでいることを前提としている.

熱伝導方程式の場合は,f(x, t)は外部熱源に相当する.

境界条件がu(0, t) =g0(t),u(1, t) =g1(t)となっている場合には,

¯

a(x) =a(x)−(1−x)g0(0)−xg1(0), ¯f=f−(1−x)g0(t)−xg1(t)と して,∂w∂t =22wx+ ¯f, w(x,0) = ¯a(x), w(0, t) =u(1, t) = 0を解き, u(x, t) =w(x, t) + (1−x)g0(t) +xg1(t)とすれば,もとの問題の 解が得られる. よって, ∂u

∂t =2u

2x+f, u(x,0) =a(x), u(0, t) =

u(1, t) = 0.という単純化した問題を考えても一般性は失われ

ない.

(18)

放物型偏微分方程式の数値解法

(4)

∂u∂t

=

22ux

+ f

を離散近似する単純な方法: ∂u∂t を前進差分近似, 22uxを中心差分近似.

これを

Euler

の陽解法という.

安定条件: ∆t

/(∆

x

)

2

≤ 1/2

(19)

放物型偏微分方程式の数値解法

(4)

前進

Euler

法の問題を解決するため, ∂v∂t

=

2v

2x

+f

の右辺の近似を評価する際に, (xj

, t

n+1

)

(x

j

, t

n

)

における重み付き平均を取る方法 が用いられる. これを

θ

法という.

θ

0

1

以下のパラメータである. 具体的な形は 次ページに示す通り.

(20)

v(x

j

, t

n+1

) − v(x

j

, t

n

)

t

= θ v(x

j+1

, t

n+1

) − 2v (x

j

, t

n+1

) + v(x

j−1

, t

n+1

)

2x

+ (1 − θ) v(x

j+1

, t

n

) − 2v(x

j

, t

n

) + v(x

j−1

, t

n

)

2x

+ θf (x

j

, t

n+1

) + (1 − θ)f(x

j

, t

n

)

(21)

放物型偏微分方程式の数値解法

(6)

• θ = 0

とした場合が前進

Euler

法,

θ = 1

した場合が後退

Euler

法である.

θ = 1/2

した場合は

Crank-Nikolson

法である.

• θ ≥ 1/2

とすれば, この公式は

t

/(∆

x

)

2

1/2

によらず安定となる. とくに,

θ = 1/2

した

Crank-Nikolson

法は,安定で時間精度が 良いことから, しばしば用いられる

([河村]).

(22)

双曲型偏微分方程式の数値解法

(1)

• 2

変数の定係数

2

階線形双曲型偏微分方程式 の代表格である波動方程式∂t2u

= c

222ux を解 くためには数値解法は必ずしも必要でない.

順番を入れ換えて

(

∂t

− c

∂x

)(

∂t

+ c

∂x

)u = 0,

(

∂t

+ c

∂x

)(

∂t

− c

∂x

)u = 0,

と書いてみると・

(23)

双曲型偏微分方程式の数値解法

(2)

∂u∂t

− c

∂u∂x

= 0,

∂u∂t

+ c

∂u∂x

= 0

という

2

個の偏 微分方程式が出て来る.

解は

g

1

(x − ct)

g

2

(x + ct)

という形の関数 の線形結合で書ける.

g

i

(·)

は任意関数である

(i = 1, 2).

(24)

双曲型偏微分方程式の数値解法

(3)

数値的に解くときには, ∂u∂t

− c

∂u∂x

= 0

あるい ∂u∂t

+ c

∂u∂x

= 0

を離散化する. どちらでも同 じことなので, 後者を例に取って説明する.

時間軸については前進差分,

x

軸については 後退差分で近似すると,

v(xj,tn+1)−v(xj,tn)

t

+ c

v(xj,tn)−v(x j1,tn)

x

= 0.

(25)

双曲型偏微分方程式の数値解法

(4)

• µ = c∆

t

/∆

xとおくと,先の差分方程式は,

v(x

j

, t

n+1

) = (1 − µ)v(x

j

, t

n

) + µv(x

j−1

, t

n

)

となる.

µ

をクーラン数

(Courant Num- ber)

という.

上述の公式が安定であるためのの十分条件は

µ ≤ 1

である

(ただし, ∆

x

> 0, ∆

t

> 0

であ ることに注意).

(26)

双曲型偏微分方程式の数値解法

(5)

上述の公式では

µ > 0

でなければならない のだが, この条件を無視して

µ = 0

とすると,

v(x

j

, t

n+1

) = v (x

j

, t

n

)

となり, 数値解の波形 は時間によらず一定になってしまう.

逆に

µ = 1

とすると

(これは許容される),

の公式は

v(x

j

, t

n+1

) = v(x

j−1

, t

n

)

となる. れは厳密解の挙動

(g

1

(x − ct))

と一致する.

(27)

差分法に関する補足

(1)

放物型および双曲型の方程式の数値解法の公 式を行列の形に書き直す手順は楕円型と同様 なので,繰り返し述べることはしない.

熱伝導方程式を不適切なパラメータを持つ陽

Euler

法で解くと, 数値解が発散すること

があることが知られている

([河村]).

(28)

差分法に関する補足

(2)

線形/非線形にかかわらず,あるいは連立偏微 分方程式であっても, 差分法によって対応す る離散型公式を作ることはできるし, 高次の 差分を使うことも可能であるが,数値解が厳 密解を近似しているか否かは別問題である.

(29)

差分法に関する補足

(3)

差分法の弱点は複雑な形状の領域における数 値解を求めにくいことであるが,非線形座標 変換によって矩形領域を曲面に投影すること で, ある程度複雑な領域における求解に用い ることもできる

([河村])

が, 有限要素法の方 がより柔軟である.

(30)

有限要素法

(1)

有限要素法は工学の分野で偏微分方程式の近 似解を求める実用解法として発展した手法.

• [Gupta and Meek]

によると, 有限要素法の 嚆矢は

Courant(1942)

だが, その発展は

Ar- gyris (1954), Turner (1956), Clough (1960), Zienkiewicz and Cheung (1965)

などによる.

上記で

Courant

以外は工学系.

(31)

有限要素法

(2)

有限要素法は,前回の講義で述べた弱形式の 近似解を求める手法のひとつ.

議論の簡単のため, 2変数の楕円型偏微分方 程式を例に取って, 弱形式の近似解を求める 問題を考える.

x = (x, y)

とし, 以下しばし ば引数

x = (x, y)

を省略する.

(32)

有限要素法

(3)

以下,

R

D

uv dx

(u, v)

と書く. また,ベクト ル値関数

u

v

に対し,

R

D

u

T

v d x

( u , v )

と書く. 以下では, ベクトルはすべて列ベク トルであるものとする.

• u

の勾配ベクトルを

∇u

と書く. 勾配ベクト ルは列ベクトルであるものとする.

(33)

有限要素法

(4)

• ∂

2

u

∂x

2

+ ∂

2

u

∂y

2

= f (x, y ) ((x, y) ∈ U ), u = 0 ((x, y) ∈ ∂U)

を解くことを考える. 前回の 一般論において,

a

11

= a

22

= 1, a

12

= a

21

= 0, b

1

, b

2

= 0, c = 0

とした場合である.

対応する弱形式は, (∇u,

∇v) = (f, v)

である.

(34)

有限要素法

(5)

弱形式に基づく求解では, 境界条件を満たす という条件の下で解を構成する必要がある.

境界条件として

∂U

の外向き単位法線ベクト ルに関する方向微分の値を考えることもあり, その場合には弱形式の右辺の形が変わるが, この講義では立ち入らない.

(35)

有限要素法

(6)

弱形式による求解は,

∀v, (∇u, ∇v) = (f, v)

となる

u

を求める問題に帰着されるのだが, この近似解法として,

u, v

がともに既知の関 数系

i

: 1 ≤ i ≤ N }

の線形結合で表現で きると仮定し

(u = P

i

p

i

φ

i

, v = P

i

q

i

φ

iとす る), 係数

{c

i

: 1 ≤ i ≤ N }

を求めるという方 法がある. この手法を

Galerkin

法という.

(36)

有限要素法

(7)

• Galerkin

法について説明する. 弱形式に

u, v

の近似式を代入すると,

P

N

i,j=1

p

i

q

j

(∇φ

i

, ∇φ

j

) = P

N

j=1

q

j

(f, φ

j

)

となる.

a

ij

= (∇φ

i

, ∇φ

j

),

b

j

= (f, φ

j

)

とし,

A = (a

ij

)

1≤i,j≤N

a

ijを集 めた行列,

b , p , q

を対応する成分を集めたベ クトルとすると,

p

T

Aq = b

T

q

となる. この 問題では

A

は対称行列である.

(37)

有限要素法

(8)

• v(の展開係数)

は任意だから,解くべき問題は,

∀q, p

T

Aq = b

T

q

となるベクトル

p

を求める 問題に帰着される. このためには,

Ap−b = 0

となればよい. 換言すると, 偏微分方程式の 数値解を求める問題が連立一次方程式を解く 問題に変換されたことになる. ただし, 別途 境界条件をチェックしなければならない.

(38)

有限要素法

(9)

有限要素法はは, Galerkin法の特別な場合で, 関数系

φ

iの取り方が名前の由来になっている.

有限要素法では, まず, 領域

U

を有限個の要 素と呼ばれる集合に分割する.

• R

nで要素を定義するには単体という概念が 必要だが,繁雑なので,議論を

R

2に限定する.

(39)

有限要素法

(10)

R

2における要素は典型的には多角形

(とくに三角

形)である. ただし, 隣接する要素は, 内点を共有 せず, 辺および頂点を共有し,

U

全体を覆わなけれ ばならない.

U

要素

(40)

有限要素法

(11)

続いて, 関数

φ

iの構成法を説明する

(要素が

三角形の場合に限る).

要素をひとつ選び, この

3

個の頂点を節点と する. 3個の節点のうちどれか

1

個で

1

とな り, 残りの

2

点で零となる線形関数を

3

個取 る. これを内挿関数と呼ぶ. 1要素あたり

3

個の内挿関数ができる.

(41)

x y u

1

x y u

1

x y u

1

要素 要素 要素

(42)

このようにすると, 隣接する要素は節点を共有し, 節点で

1

となる内挿関数どうしは連続に結合でき る. このようになることを適合という.

隣接要素で 内挿関数を作り まとめる

(43)

有限要素法

(14)

• U

が有限個の三角形に分割されているものと し, それらの頂点を集めてから

∂U

上にある ものを除き, 通し番号を付ける.

• ∂U

上の頂点を除くのは,このようにすると, 今考えている境界条件

(∂U

上で

u = 0)

を自 動的に満たすことができるからである.

(44)

有限要素法

(15)

頂点が

N

個あるものとする. 1

≤ i ≤ N

に対 し,

i

番目の頂点を考える.

頂点

i

を含む要素が

K

個あるものとし,これ

Γ

i1

, . . . , Γ

iK とする.

(45)

有限要素法

(16)

• 1 ≤ k ≤ K

なる各

k

に対し, Γikで定義された 内挿関数のうち, 頂点

i

1

となるものを選 び, それらをまとめて前々ページのような関 数を作る. さらに, この関数の

U \ ∪

Ki=1

Γ

ik

における値を零としたものが, 有限要素法に おける関数

φ

iである. すなわち, 内挿関数を まとめて関数

φ

iを作る

(46)

有限要素法

(17)

節点として要素の頂点を選択しないこともある. この 場合,隣接する要素Aと要素Bの共有する頂点をc したとき,要素Aで定義され頂点cで零とならない内 挿関数φAと要素Bで定義され頂点cで零とならない 内挿関数φBが連続に結合できないことがあり得る. のような内挿関数の取り方を非適合という. 非適合な 内挿関数が利用されることもある.

(47)

有限要素法

(18)

有限要素法は

Galerkin

法の一種だったから,

a

ij

= (∇φ

i

, ∇φ

j

), b

j

= (f, φ

j

)

を計算して,

Ap − b = 0

p = (p

1

, . . . , p

N

)

T について解 き,

v = P

n

i=1

p

i

φ

iを近似解とすれば良い.

境界条件が上述の問題と異なる場合には, れに応じた工夫が必要

(文献を参照).

(48)

有限要素法

(19)

• φ

i

Γ

i1

, . . . , Γ

iK 以外では零で, 1

≤ k ≤ K

に対し, Γik上で線形関数だから, Γik上では

∇φ

iは定数ベクトルであり,よって, (∇φi

, ∇φ

j

)

は, 数値積分を用いることなく計算できる.

• (f, φ

i

)

については数値積分が必要となる可能

性がある.

(49)

有限要素法

(20)

後で必要になるので, 1次元の有限要素法における要素, 節点,内挿関数iについて述べる. ただし,内挿関数 は線形関数とし,適合の条件を満たす内挿関数に議論 を限定する.

• 1次元の有限要素法では,領域はRn(有界)閉区間で, 節点はその区間に取られた有限個の点である. 節点が x1, . . . , xNという順に並んでいるものとすると,要素は 閉区間[xi, xi+1]である(1≤i≤N−1).

(50)

有限要素法

(21)

内挿関数としては,各要素ごとに, その左端で1, 右端 0となる関数と,その左端で0,右端で1となる関数 を取る.

各節点で, その点で1となる内挿関数を集めて関数φi

を作ることは2次元の場合と同じ.

(51)

要素1 要素2 要素3 節点1 節点2 節点3 節点4

0

u 1

関数1-1 内挿関数

関数1-2

関数2-1

関数2-2 関数3-1 関数3-1

節点1 節点2 節点3 節点4

(52)

有限要素法

(23)

次に, 2変数の放物型偏微分方程式を有限要 素法で解く方法を述べる

[Quarteroni].

空間

1

次元であるが, さらに前回の一般論にお いて,

a

11

= 1, b

1

= 0, c = 0

とした場合を考 えると,対応する弱形式は次の通りである.

∂u

∂t , v

+ ∂u

∂x , ∂v

∂x

= (f, v)

(53)

有限要素法

(24)

楕円型の場合と同様に, 節点を

N

個とし,

v

を関数

i

(x) : 1 ≤ i ≤ N }

の線形結合 であらわす

(x

1

次元で,

φ

i

(x)

は上述の関 数).

v = P

N

i=1

q

i

φ

i

(x)

とする.

• u =

N

X

i=1

u

i

(t)φ

i

(x).

とする

(係数が時変).

(54)

有限要素法

(25)

• m

ij

= (φ

i

, φ

j

), a

ij

= (

dxi

,

φdxj

), b

j

= (f, φ

j

)

おく.

M = (m

ij

)

1≤i,j≤N

, A = (a

ij

)

1≤i,j≤N

を, これらの要素をまとめた行列とする. た,

b = (b

1

, . . . , b

N

)

T とする.

u(t) = (u

1

(t), . . . , u

N

(t))

T

, q = (q

1

, . . . , q

N

)

T とする.

これらを使い,

u, v

を弱形式に代入すると・

(55)

有限要素法

(26)

• ( du

dt )

T

M q + u

T

Aq = b

T

q.

これが任意の

q

に対して成り立たなければならないから,

M , A

が対称行列であることを使うと,解くべき 方程式は,

M d u

dt + Au = b

となる. すなわ

ち, 偏微分方程式が常微分方程式に帰着され たことになる.

(56)

有限要素法

(27)

上述の常微分方程式の数値解法は何でもよいので あるが, ここでは

θ

法について述べる.

θ

法は, の問題では次の形を取る.

M u(t

n+1

) − u(t

n

)

t

+ A (θu(t

n+1

) + (1 − θ))u(t

n

))

= (θ b (t

n+1

) + (1 − θ) b (t

n

))

(57)

有限要素法

(28)

差分法における

θ

法と違う式に見えるかもし れないが,

t

n+1

t

nにおける関数の評価値の 重み付き平均を取るという意味で, 同じ方法 である.

• θ

法において

θ = 0

とすると前進

Euler

法,

θ = 1

とすると後退

Euler

法,

θ = 1/2

とする

Crank-Nikolson

法である.

(58)

有限要素法

(29)

差分法と同様に,

θ ≥ 1/2

では上述の公式は 無条件安定であるが, 0

≤ θ < 1/2

では条件 が必要になる. この条件は,

Aw = λM w

いう一般化固有値問題の解を使って定式化さ れるが,詳細は略す

([Quarteroni]

参照).

(59)

有限要素法

(30)

続いて,双曲型方程式を有限要素法を用いて 解く手法について簡単に触れる

[Grossmann et al].

双曲型と同様に,単純化のために,

a

11

= 1, b

1

= 0, c = 0

とした場合を考える. 弱形式

2

u

∂t

2

, v

+ ∂u

∂x , ∂v

∂x

= (f, v)

である.

(60)

有限要素法

(31)

放物型の場合と同様に,

u =

N

X

i=1

u

i

(t)φ

i

(x).

する

(係数が時変).

放物型の場合と同じ行列

とベクトルを用いることにすると, 解くべき 方程式は,

M d

2

u

d

2

t + Au = b

となる. あとは 常微分方程式の数値解法を用いればよい.

(61)

有限要素法

(32)

有限要素法は

1

階の

(連立)

偏微分方程式を解 くためにも利用可能である.

• ∂u

∂t +a ∂u

∂x +bu = f

を解くことを考える. これ が成り立つなら, 任意の

v

に対して ∂u∂t

, v

+ a

∂u∂x

, v

+ b(u, v ) = (f, v)

である

(上述の偏

微分方程式に対応する弱形式).

(62)

有限要素法

(33)

上記のように弱形式は簡単に求められるのだ が,これに標準的な有限要素法を適用すると, 効率が必ずしも良くないことが知られている

([Quarteroni]).

この問題を解決するために,

streamline diffusion finite element method,

不連続

Galerkin

法に基づく有限要素法など

といった手法が用いられる

([Quarteroni]).

(63)

有限要素法

(34)

有限要素法は, Maxwell方程式を解くのにも 用いられる. この場合も,不連続

Galerkin

が用いられることがある

([Li and Chen]).

参照

関連したドキュメント

音節の外側に解放されることがない】)。ところがこ

ベクトル計算と解析幾何 移動,移動の加法 移動と実数との乗法 ベクトル空間の概念 平面における基底と座標系

この節では mKdV 方程式を興味の中心に据えて,mKdV 方程式によって統制されるような平面曲線の連 続朗変形,半離散 mKdV

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

解析の教科書にある Lagrange の未定乗数法の証明では,

この分厚い貝層は、ハマグリとマガキの純貝層によって形成されることや、周辺に居住域が未確

しかし , 特性関数 を使った証明には複素解析や Fourier 解析の知識が多少必要となってくるため , ここではより初等的な道 具のみで証明を実行できる Stein の方法

各テーマ領域ではすべての変数につきできるだけ連続変量に表現してある。そのため